全国書店新聞
             

平成15年1月21日号

−無題−

◇ICタグ研究委員会メンバー日本出版データセンターは12月19日開催の運営委員会でICタグ研究委員会の委員長に奥脇三雄氏(集英社)を決めた。
万引防止、SCM構築へICタグ導入の有効性を検証する。
他の委員は永井祥一(講談社)、田中洋輔(小学館)、松村繁樹(筑摩書房)、山口達郎(千代田書店)、鈴木武則(トーハン)、佐々木敏夫(日販)の各氏。

消費税の総額表示方式

東京都書店商業組合は1月16日午後5時半からホテルニューオータニで新年懇親会を開催。
350名が出席した。
萬田理事長は年頭あいさつで2003年の課題としてポイントカード、万引き対策に言及。
書協朝倉理事長は消費税の総額表示問題で、今月中にも出版4団体で対策委員会を設置する方針を明らかにした。
懇親会は家田通久氏(学友社書店)の司会、奥村弘志実行委員長(南天堂書房)開会あいさつで始まり、萬田理事長が年頭のあいさつを述べた。
萬田理事長は「90年代に入り、首相の交替が14年で11人。
いずれも短命で有効な政策が行われていない。
存続可能な企業まで倒産の危機となれば、国の責任は大きい。
今年は何とかゼロベースをクリアしたい」と経済全般に言及したあと、出版業界の今年の課題としてポイントカードをあげ、「小学館、講談社はじめ多くの出版社から値引きという見解が示されている。
違反店の横行は耐えがたい。
ぜひ出版社に対応してもらいたい」と述べた。
また、東京組合の課題として万引き対策、図書館納入問題を示し、「青少年の窃盗が増加している。
東京組合は昨年末、東京都に条例改正を請願して受理された。
今年はこれの実現を図りたい。
図書館問題では区の納入丸投げもあり、官公需をやってきた支部には大きな問題。
日書連と一緒に提言していく」と強調。
店頭活性化については「周辺マーケットに合った営業を進め、需要を喚起してほしい。
政府資金の活用でSA化を図るなど踏み込んだ投資が必要ではないか。
今年も東京組合が元気になる施策を展開していく」と、力強くあいさつした。
出版社を代表して書協朝倉理事長は、出版業界の新年の課題としてポイントカードと消費税をあげ、「ポイントカードは昨年秋頃から解決に向けて少しずつ動き出している。
消費税は来年4月から総額表示方式にするというが、版元、書店には大きな負担。
1月から4団体で研究委員会を設けて対策を練る」と、業界の取り組みを紹介した。
乾杯はぴあの矢内社長。
「出版業界は6年連続のマイナス成長だが、映画業界は1958年の11億人をピークに、今は10分の1の1億人。
しかし、シネコンで非常に活気づいている。
出版はまだまだ大きな広がりを持っている。
常識にとらわれず、知恵を出し合おう」と述べて、乾杯の発声を行った。

春の書店くじ実施要領

▽実施期間平成15年4月20日(日)より4月30日(水)まで。
書籍・雑誌500円以上購入の読者に「書店くじ」を進呈。
▽発行枚数800万枚。
書店には1束500枚3571円(消費税別)で頒布。
▽申込方法注文ハガキで束単位で所属都道府県組合に申し込む。
締め切り2月20日。
▽配布と請求方法くじは取次経由で4月18日前後に配布。
代金は取引取次より請求。
▽当選発表5月23日(金)、日書連ホームページ、書店店頭掲示ポスターで発表。
▽賞品賞品総額1億740万円、9・7本に1本の当選確率特賞=図書カード5万円80本1等賞=同上又は全国共通図書券1万円800本2等賞=同上又は該当図書千円2400本3等賞=同500円2万4000本4等賞=図書購入時に充当百円80万本Wチャンス賞=同上1万円100本▽賞品引き換え取扱書店で立て替え。
図書券不扱店または品切れの場合は、お買い上げ品代に充当。
Wチャンス賞は平成15年7月5日までに日書連にハズレ券10枚を送付。
▽引き換え期間読者は5月23日より6月30日まで。
書店で立て替えた「くじ」は7月31日までに日書連事務局へ送付。
▽PR活動「読書週間書店くじ」宣伝用ポスター1店2枚。
全国書店新聞、取次広報誌に記事掲載。
日書連ホームページで宣伝。

集英社、東京布井出版も中止求める見解

集英社は1月7日、奥脇三雄雑誌販売部長名で「小社出版物を対象としたポイントカード中止のお願い」をポイントカード実施店8店に通知した。
「お願い」では実施中のポイントカードは値引きに当たり、再販契約に違反するとして、■集英社発行の出版物をポイントカードの対象から除くこと、■2月8日までに対応を回答すること、■連絡がない場合は再販契約書に従って警告書、送品辞退などの措置を検討するとして、書店側の善処を求めている。
また、東京布井出版(上野幹夫社長)も11日、「弾力運用とポイントカードについての見解」を発表。
昨今、小売書店の店頭で行われているポイントカードは値引き行為とみなされるものが少なくないとして、再販契約の本旨に違背することを指摘している。

業界大きく発展する年に

宮城県出版界の新春恒例行事「合同新年懇親会」は1月7日午後4時から仙台市宮城野区のメルパルクSENDAIで開かれ、書店、出版社、取次、運輸会社など総勢71名が出席した。
懇親会は日販東北支社・田中課長の司会、開会宣言で、晴れやかな雰囲気のなか幕を開けた。
冒頭あいさつに立った宮城県書店商業組合の藤原直理事長は「昨年は経済情勢が悪い中、書店業界はよく健闘したと思う。
本年も厳しくなると考えられる。
今年の干支は未。
『羊』にちなんだ漢字は色々あるが、その中で『美』という字をあげたい。
美しいというのは、羊が肥えて大きくなるのを意味している。
我が業界の財産は出版物である。
よい出版物をよりよく流通させ、より多く販売し、この業界が大きく肥えていく年にしたい」と述べた。
また、出版社を代表して壇上にあがった講談社・高橋瑞孝氏は「ハリー・ポッターに象徴されるように、売れるものは、やり方によって売れる。
業界全体の体質改善、再生の糸口にと期待している」と話した。
祝宴に入り新年のあいさつが飛び交う中、年男の6人に記念品を贈呈。
それぞれ謝辞を述べたなかで、仙台市・興文堂書店の菅原正敏氏の「今年は羊年。
ウール売るで頑張ります!」のメッセージが大きな喝采を浴びた。
宴もたけなわになり、出席各社のアピールの時間に入ると会場は熱気に溢れ、「今年もやるぞ!」との気持ちが参加者全員の胸に伝わり、トーハン東部支社長の山崎厚男氏の三本締めで盛況裏に幕を閉じた。
(梅津理昭広報委員)

どうなる2003年書店業界

2001年3月に「再販制の当面存置」が決まって、やがて2年になろうとしている。
その間に専門取次会社、鈴木書店の倒産、神奈川図書のつまづき、そして社会思想社、梧桐書院、勁文社、直近では婦人生活社など出版社の自己破産、民事再生申請が相次いでいる。
出版界全体の売上高は前年割れを続けており、6年連続マイナスという閉塞状況にある。
今年の出版界の新年会で公表されている年末年始の販売状況をみても低調であった。
まさに出口なしといった感がある。
かといって、出版界は何もしてこなかったかといえば、そうではない。
流通段階では、新たな流通センターの増設や新客注システムへの対応もしてきてはいる。
にもかかわらず、それらが十分活用されているかといえば、今後の課題であることも事実だ。
これらはある意味で、業界構造の改変のきざしといってもよいだろう。
つまり、協業化の推進である。
具体的には出版共同流通株式会社の設立と稼働である。
これらが本格的に機能すれば変わる可能性はある。
競合がもたらす新たな展開とみれば、徐々にではあるが変わってきたといえなくもない。
当然、書店界の協業化、共同化も行われているが。
2001年暮れの鈴木書店倒産のとき、わたしは本紙に「業界三者の構造改編が必要」という一文を寄せた。
そのなかで、業界三者のあり方を見直すこと、すなわち取引関係、取引条件、商慣行に対して三者が率直に意見を述べる必要があると書いた。
とくに書店についてはマージンアップを主張すべきと提言した。
マージン問題を強調する人たちがいるが、一方、それよりも、より早く、確実に入手するために、書店マージンを削ってでも優先させることが第一であると考える人たちが多いことも事実だ。
それが重要であることはいうまでもない。
だが、書店が苦境にある現実からすれば、マージン問題を優先させるときであると思う。
厳しく推移するなかでマージンアップは現実的ではないという意見もあるが、それを今年の課題とすべきだと思う。
そのためにやるべきこととして、再販制の弾力運用の具体化がある。
公取委が提起している出版界が是正すべきガイドライン6項目の実施である。
この6項目の実施が再販制存続の条件であることを忘れてはならない(出版流通改善協議会の「出版流通白書弾力運用レポート」はその実施報告のひとつである)。
すなわち時限再販・部分再販制の運用の弾力化各種割引制導入等の価格の設定の多様化再販制度の利用・態様についての発行者の自立性の確保サービス券の提供等小売業者の消費者に対する販売手段の確保通信販売、直販業流通ルートの多様化およびこれに対応した価格設定の多様化円滑・合理的な流通を図るための取引関係の明確化・透明化その他取引慣行上の弊害の是正以上の6項目を業界三者および著作者、読者を含めて具体的に検討し、シミュレーションすることである。
この議論をすれば利害の対立が現出するだろう。
つまりホンネで話し合うことだ。
そのなかから再販制のメリット、デメリットが明らかになる。
それによって業界構造の改変ができるし、閉塞状況を打ち破る契機になると思う。
書店のマージンアップは必要である。
それを実現するためには何をすべきか。
2001年に策定され、そのアクションプランの実施としてのスタートアップの推進と再販制の弾力運用の推進である。
昨年来、問題となっているポイントカードも再販制の弾力運用という視点からとらえ直すと別の展開があるように思う。
重ねていうが再販制の実施と存続は再販制の弾力運用にあるということだ。

再販、委託制の軋みに対応

大阪出版業界新年互礼会は1月7日午後4時から大阪市・梅田のホテルモントレ大阪で開かれた。
互礼会は日販関西支社の松尾靖営業総括課長の司会で進行し、大阪府書店商業組合の今西英雄理事長が年頭あいさつ。
「昨年は出版社、取次、書店それぞれ破綻、廃業があった大変な年だった。
また、これまで業界を車の両輪のごとく導いてきた再販制度、委託制度に軋みが出てきた年でもあった。
今年はこの2つのことについて業界がきっちりとした対応をすべき大事な年」として、再販制度について「ポイントカードは値引き行為で再販違反となることが明確になった。
あとは出版社の毅然とした姿勢が求められる。
小売の問題と他人事のように考えず、しっかり対応してほしい」、委託制度について「ハリー・ポッター第4巻が買い切りだったように、最近、委託制度も揺らいでいる。
業界のコンセンサスが得られるような販売条件の見直しが必要になってきた。
今後議論を深めていきたい」との考えを示した。
このあと大阪屋の鈴木一郎社長が「年末は穏やかな天気だったこともあり、雑誌を中心に堅調な売上。
年始の寒波で先行きが心配されたが、その後売上も回復し、年末年始トータルでは前年比トントンになった。
大変な時代だが、こんなときこそ業界三者が互いに協力し合って業界発展に力を尽くすべき」とあいさつ、乾杯した。
(中島俊彦広報委員)

「不況に負けるな」

福岡県書店商業組合は6日午後4時から北九州市小倉北区のリーガロイヤルホテル小倉で「2003年新春賀詞交礼会」を開き、約80名が出席。
例年のごとく大いに盛り上がった。
また、翌7日正午から福岡市中央区の福神楼で「平成15年福岡県出版業界新年の会」を開催。
出版社31名、取次8名、書店39名など総勢百名近い新年会になった。
各業界の代表があいさつに立ち、不況続きの中ではあるが、力いっぱい頑張るほかない、不況に負けるなとあいさつした。
乾杯後、中華料理のテーブルを囲み雑談。
恒例となった年男記念品贈呈では、今年は6名の出席者に記念品を渡した。
続いて博多の祝歌「祝めでた」を参加者全員手拍子で声高らかに謡い、新年の会を終えた。
(鹿子島慶正広報委員)

井狩春男の必殺まるす固め

☆今年、ハリー・ポッターの5巻は出るのか?取次では、頭を抱えている人もいるらしい。
著者は、おなかが大きい。
なんとか書き始めるとしても、4巻までのスピードを考えると、年内には仕上がらないような気がする。
よしんば出たとしても、イギリスはじめ英語圏では同時発売もあるだろうが、日本の場合はそれから翻訳しなければならないから(それとも、原稿段階で訳し始めることは可能なのか)、いずれにしても、どうも危ない。
200万部以上の売上が、予算から消えてしまう。
だがしかし、いつまでもハリー・ポッターにおんぶにだっこに肩ぐるましているわけにもいかない。
日本には優れた編集者が大勢いる。
ガンバッテいただこうではないか。
微力ながら、お手伝いできることなら、やらせていただこう!いまや、業界全体が明るい方向に力を合わせて突っ走るしかないのである。
☆神田の書肆街をぶらついていると、向こうから童門冬二さんが歩いてきた。
何年か前に、出版社のPR誌で対談させていただいたことがあるのだが、小生のことなどたぶんお忘れになられているだろうと思って、挨拶もせずにそのまますれちがった。
こういう偶然ってあるのだ。
NHKの「ブックレビュー」で、書評ゲストを頼まれていて、童門さんの『宮本武蔵』(三笠書房)を取り上げることに決めていて、ちょうど読んでいた時だったのだ。
武蔵は、どんな時代を、一匹狼としてどう生きたのかを書いている。
真実は小説よりも−−。
童門さんの手にかかると、武蔵も丸裸にされてしまう。
こういう本を書かせたら、右に出る者はいないのではないか。
申し訳ないが、吉川英治の『宮本武蔵』が色あせてみえる。
武蔵は、「決して超人ではなかった」。
しかし、「なによりも『生き方』の達人」だった。
この本は、ウラ話もオモシロい。
巌流・佐々木小次郎との決闘。
あの時、小次郎は、70歳を過ぎていたはずだという説があるという。
武蔵は、29歳。
70と29では、よほどのことがない限り、若い方が勝つ。
武蔵は、最初から勝てる試合とわかって、出かけた…?久々の「ブックレビュー」は、思うように話せなかった。
放映されると、しばらくして、童門さんから礼状が届いた。
なによりも、覚えていただいてたことが嬉しかった。

「声」

先日、長いおつきあいのお客様より、記念品に『60歳のラブレター夫から妻へ、妻から夫へ2』を130部、包装・のし付きで欲しいとの連絡をいただきました。
大変ありがたいお話でしたので、早速NHK出版に電話を入れましたところ「品切れ在庫無し」とのことで、その旨連絡いたしました。
次の日お客様が直接問い合わせしたところ、「在庫あります」とのこと。
すぐ連絡をいただき、再度電話すると「在庫無し」。
そこで、「ほんの数分前にお客様が直接電話で問い合わせると『ある』。
今聞くと『無い』。
どうしてそれだけ大量の在庫が短時間で変動するのか」と聞くと、責任者より「書店の在庫と直接販売の在庫が別で相互リンクしていないので、在庫確認が取れない」という返事でした。
これって単に書店を通すよりお客様との直接取引の方が儲かるってことでしょう。
NHK出版の書店軽視の態度がよくわかりました。
これで問い合わせの電話番号が別々の仕組みも理解できましたね……。

新春わが社のイチ押し企画

昨年秋の『類語大辞典』につきましては一時品切れになり大変ご迷惑をおかけしました。
お陰様で評判も良く、発売2カ月足らずで10万部を達成することができ、あらためて御礼申し上げます。
春の学参時期にはさらなる売り伸ばしを計画しておりますので、引き続きよろしくお願いします。
★今なぜ「武蔵」なのか新春企画の第一弾は、既に放送が始まったNHK大河ドラマ『宮本武蔵』です。
生涯六十数度戦って無敗の剣豪「武蔵」をビジネス書(勝ち組)として読むか、「お通」をはじめとする女性の視点から見た恋愛小説なのか、はたまた混乱の時代を生き抜いた人生指南書として読むのか、いろいろな観点から読者を拡げていきたいと考えています。
★「旅と癒し」がテーマ第二弾は1月16日創刊の『週刊鉄道の旅』(全50巻)です。
皆さんも列車の中で50代から70代の男女の小グループの元気な姿を目にしていませんか。
カメラやスケッチブック、「温泉ガイド」などを手にしています。
戦後、休まずに走りすぎてきた彼らは新幹線ではなく「ローカル線」を旅することにあこがれています。
素朴な人情に触れたり、のんびりと露天風呂の湯煙に包まれ、老舗の宿の料理を満喫する。
旅と癒しを求めるそんな読者に待望の週刊パートワークです。
★こころだって風邪をひく『こころの医学事典』(3月発売、予価3800円)は第三弾の企画ですが、現在いちばん求められている企画だと考えられます。
「学校」「職場」「家庭」などで多くの人が処理できないくらいのストレスを抱えています。
海外では個人のカウンセラーは当たり前ですが、日本ではようやくメンタルヘルスケア、メンタルクリニックとして認識されはじめました。
今のような経済情勢の中、ストレスはますます強まっています。
また「人間関係の難しさ」も今まで以上です。
タフな精神力を持った人でも「こころの風邪」をひくことがあります。
私達もこころの病気に対する正しい知識を持つことが非常に大切だといえます。
学校や職場での回覧をお願いします。
★2本の店頭企画『パット・ザ・バニー』と『パンの基本大図鑑』はともに3月発売です。
前者はアメリカで60年にわたって愛されてきた安心感のある、キャラクターブックです。
うさぎのぬいぐるみ入りボックスも3000円で発売予定です。
後者はマルシェ・シリーズの第四弾として、パンづくりを楽しむ人に絶好の入門書です(予価3500円)。
以上、数多くの企画をご紹介しましたが、今年も小社は読者の共感を呼ぶ企画を数々用意しておりますので、一人でも多くの読者におすすめください。
なお、パンフ等のお問い合わせは03−5395−3580(販売促進統括部)まで。

「声」

東北の小都市・人口10万の鶴岡の街には、この4、5年で延べ9百坪程の出店がありました。
地元書店として読者に依拠して踏ん張っていかねばと、鶴岡支部では昨年に引き続き、新年早々初売りの2日から1月末まで「ピーターラビット生誕の地パネル展」を鶴岡協同の家こぴあで開催しています。
昨年は鶴岡出身の佐藤廣士氏の「切り絵で描く庄内の今昔風景と歳時記展」を開催しましたが、今年は、イギリスで出版されてから100年になる“ピーターラビット”の生誕の地をパネルにした写真とイギリス湖水地方の地図を展示しています。
“ピーターラビット”のぬりえ募集を計画いたしましたが、版権等の問題もあり「読書感想画」に切り換えて募集をしました。
ぬりえと違い子どもの応募は少なかったでしたが、大人の粘土細工作品ともども展示し好評を得ています。
1月5日と12日の日曜日に、読者のボランティアで“ピーターラビット”の絵本の読み聞かせを行い、これも地元書店組合の取り組みに意気を感じた読者の応援と感謝しています。
この展覧会も鶴岡市教育委員会やマスコミ各社から後援をいただいての開催です。

新春わが社のイチ押し企画

『家内安心暮らしの便利事典』は、すぐに役立つ家事のコツをまとめた、家事の便利本です。
なぜ今、家事の便利本なのか?現代は夫婦共働き家庭がほとんどで、家事をしたくても仕事や子育てが忙しくてこなせないという方が多くいらっしゃいます。
そのため必然的に家事に要する時間を短縮しなければならなくなってきたのです。
そこでこの『家内安心暮らしの便利事典』を、家庭の常備本として2月下旬に発売することとなりました。
★引きやすいチャート式目次『家内安心』の最大のセールスポイントは、「部屋別立体チャート式目次で家事の優先順位がすぐにつけられる」ことです。
この「チャート式目次」は、小学館の医学書などで、非常に見やすく引きやすいと読者の皆様方より大変ご好評をいただいている方法です。
お部屋の間取りイラストからチャート式目次へ、そしてそこから調べたいページへと進む方法は、家事の便利本としては初めての方法でしょう。
★「緊急度」でランク付け家事の優先順位のつけ方にも工夫を凝らし、ABC3段階の「緊急度」を設けてわかりやすく一目瞭然にしております。
「緊急度A(すぐする緊急家事)」「緊急度B(毎日するポイント家事)」「緊急度C(週末するていねい家事)」という表示方法、また「緊急度順(急ぐこと順)の章立て」で、非常に画期的で使いやすい家事本となっております。
このような章立てですので、前のページは“緊急にすぐしなければならない家事”、後ろのページは“暇な時にすればいい家事”とも言えるでしょう。
また全編においても「簡単スピード家事」を重視し、アイディア家事、エコロジー問題にも触れ、巻末には「全国電話番号表」も掲載していますので、贈り物としても最適な1冊となります。
名入れ用紙カバー(価格表示なし)も作成いたしますので、ぜひ一括採用にご活用ください。
★幅広い層のお客様にお勧めを大きさ(A5判)も価格(本体価格2300円)も手頃ですのでお客様にも非常にお勧めしやすく、現在多くの書店様より事前予約獲得の嬉しいご報告を頂戴しております。
法事用に、またちょっとしたご挨拶用にとして、個人の方で10部前後のご予約をされる方が多くいらっしゃいます。
また書店員様と同性・同世代の方にお勧めするとご予約に結びついた、チャート式目次をお見せすると即決だった、『冠婚葬祭暮らしの便利事典』のシリーズですよとお勧めするとすぐにわかってくれた、というご報告も頂戴しております。
『家内安心』は主に30代から50代の女性の方からのご予約が大きかったのですが、今や男性の方、一人暮らしの学生の方など、性別・世代を全く問わなくなってきております。
ぜひ貴店でも、お客様のタイプを問わずお勧めしていただければ幸いでございます。

書店新聞介して本が見つかりました

全国書店新聞12月21日号で、「本を探しています」の記事を掲載いただきました。
12月28日、東北・一関市のオルモさんから1冊残っているとのご連絡を受けました。
以前苦労した経験があるので、とのお話でしたが、お陰様で一件落着いたしました。
手に入りにくい1冊がこんな形で手に入るのに感謝しつつ、ご報告まで。

投稿規定

☆編集部より「声」欄では、読者の皆さんからの投稿を募集しています。
原則として6百字以内で、氏名・店名・住所・電話番号を記入の上、左記までお送りください。
紙上匿名可。
全国書店新聞編集部=〒101−0062東京都千代田区神田駿河台1−2書店会館内/FAX=03−3295−7180/Eメール=XLD07116@nifty.ne.jp

トーハン新春の会

2003年トーハン新春の会は10日午前9時半から新宿区東五軒町の本社8階大ホールをメイン会場に開催され、2762名が来場した。
今年のテーマは「創造と挑戦」。
会場では「トーハンの物流戦略」「e−hon」「ブックライナー」などのテーマ別展示が行われた。
午前10時20分から行われた式典であいさつしたトーハン・金田万寿人社長は「平成14年度をふりかえると4月12月の累計は前年を下回ってはいるものの、まだ十分に前年に届く水準をキープしている」として、残り3カ月を頑張ればマイナス成長からプラス成長に切り替わることも可能との見通しを示した。
また、出版業界が抱える最大の問題は「売上」であるとして、「5年連続マイナス成長を続ける中で、なんとしても歯止めをかけプラス成長に導かねば。
読者の不満、要望を吸い上げ、店頭で実現し、読者の信頼を勝ち得る以外に打開策はない。
ブックライナー、e−honなどトーハンの提案を有効活用してほしい」と求めた。
また、ポイントカードについて「値引きであり、再販違反。
放置すれば書店の過当競争が生じ、転廃業が促進される。
書店がなくなることは読者のためにならず、そういうものは廃止すべき」、消費税表示問題について「内税表示は全力をあげて阻止したい」との考えを示した。
来賓のくまざわ・熊沢健社長は「知的産業の製品の価額は下落しないと言われる。
面白い商品を企画すればデフレの影響を受けず、安定的に売上を伸ばすことができる」、静山社・松岡佑子社長はハリー・ポッターとの出会いのエピソードを披露し、「作者のローリングはユーモアあふれる人。
みなさん不況で苦しいと思うが、あまり汲々とせず、どんなときも笑えるように」とあいさつした。
このあと金田社長、熊沢社長にトーハン・上瀧博正会長を加えた3名で鏡開きを行い、熊沢社長の発声で乾杯した。

栗田新春あいさつの会

「本気・元気・勇気パート」2003年栗田新春あいさつの会が9日午前9時から板橋区東坂下の本社物流センター4階大ホールで開かれた。
午前11時からの鏡開きで栗田亀川社長は「栗田は1918年6月に創業して85年になる。
人間でいえば高齢だが、還暦の60歳を引けば25歳の青年期。
創業者・栗田確也に『小なりといえども一流たれ』の言葉がある。
信念を持って努力を続けろということだ。
昨年の減収減益を反省して努力したい。
今年の目標は人材の育成、物流改善、財務体質の強化だ。
栗田の将来のために邁進していく」とあいさつ。
出版社を代表して講談社保月常務は「出版界は6年連続マイナスの公算が大きく、V字回復とはならない。
収益力の回復、返品ロスの削減、広告収入の増加が3つの課題だ。
出版社は原点に返って魅力ある出版物を作るべきだ。
年を越した課題としてポイントカード、万引き対策、書店の転廃業、新古書店、レンタル・コミック、週刊誌全国同時発売などがある。
粘り腰を発揮して、一つずつていねいに解決していく」と、出版業界の課題を述べた。
書店を代表して東京組合奥村副理事長は「10年前は王子から本郷3丁目までの本郷通りに書店が6店あった。
現在は1店もない。
自助努力が足りなかったのかもしれないが、努力する書店には版元、取次も業界として応援していただきたい」と、書店に対する支援を求めた。
栗田亀川社長、萩原専務に講談社保月常務、奥村副理事長、近畿栗田会片山会長の5名で鏡開きを行ったあと、片山会長が「読者に役立ち、地域で輝く書店であり続けたい」と述べて、乾杯の発声を行った。

大阪屋新春おでんの会

大阪屋の平成15年度新春おでんの会は10日午後午後12時半から東大阪市の関西ブックシティで開かれ、書店576名、出版社504名、一般166名、総勢1246名が来場した。
今年のメインテーマは「次世代につなぐ活力今、創造の時!!」。
会場では「新商材への取組みとコーナー提案」「大阪屋パートナーシステム」「業界インフラ検討に先駆けて」「学参案内コーナー」と銘打った展示が行われた。
おでんの会の冒頭、あいさつした鈴木一郎社長は、第56期売上が9年連続1千億円を達成できる見通しであることを明らかにし、損益面では残された期間で売上高に相応しい収益体質を実現したいとした。
また、今期からスタートした第6次中期経営計画の中核と位置づける流通改革について、「関西ブックシティの機能強化を図る一方、東京書籍流通センターのスペースを2・5倍、約700坪に拡大し、単品管理の流通倉庫として一新する。
東西2つの流通倉庫約2千坪のスペースを機能的に統合することで、在庫ボリュームアップだけでなく、商品在庫の棲み分け、集品体制の強化、システム面での補完機能拡充を図り、市場流通商品の80%以上は原則7日以内に供給できる、注文品の一大改革をめざす」との方針を示し、8月を目処に本格稼働する計画であることを明らかにした。
このあと講談社・浜田博信副社長、小学館パブリッシングサービス・今野勝介専務、増進堂受験研究社・岡本惠年会長、大阪府書店商業組合・今西英雄理事長、大阪屋・三好勇治専務の5名で鏡開きを行い、大阪屋友の会連合会・田村定良会長の発声で乾杯した。

中央社新春会

平成15年中央社新春会は9日午前8時半から板橋区東坂下の本社で開催。
2階商品センターでは「新春店頭活性化フェア」と銘打ち新刊・売れ行き良好書、コミックスの即売などが行われた。
正午から3階大ホールで行われた式典であいさつした秋山秀俊社長は「年間千店を超す書店が転廃業するなかポイントカード、万引き、コミックレンタルなど多くの課題を残して越年した。
消費税の内税方式による総額表示の義務付け導入が平成16年度に予定されており、対応に追われることになりそうだ」として、新年度は新しい需要を掘り起こし、売上減少に歯止めをかけたいと意欲を示した。
年末年始のPOS導入店の売上状況については「全体的に厳しいなかアニメ専門店、M&W店が好調。
中央社が力を注いできたセレクトショップの好調な滑り出しに意を強くしている」と説明。
「新年度はトーハンと共同で策定した中長期経営計画『中央社アグレッシブプログラム』により営業強化体制の再整備と効率経営基盤の確立を目指す。
雑誌送品物流業務をトーハンに全面委託し、年1億円のコストを削減。
また、トーハンのマーチャンダイジング・ノウハウとマーケティング・データを活用し、店頭提案力の強化と返品率の減少につとめ、ブックライナーを含む在庫の共同活用を行う」と方針を示した。
続いて来賓の日本放送出版協会・松尾武社長が「他媒体の動向にかかわらず出版の価値は不変。
努力すれば発展の余地はまだある」とあいさつ。
秋山社長、松尾社長に講談社・保月滋常務、小学館・蜂谷紀生常務、三鷹書房・村田安弘社長を加えた5名で鏡開きを行い、保月常務の発声で乾杯した。

日教販春季展示大市会

「第52回日教販春季展示大市会」は9日午前9時から文京区の後楽園会館で開催された。
会場では学参書の見本陳列を始め、高校新課程学参棚作り提案コーナー、「要点ぶんこ・はやわかりぶんこ」飾り付けコンクールなどさまざまな展示が行われ、多くの来会者でにぎわった。
また、午前10時から水道橋全逓会館9階ホールで「新学期増売対策」をテーマに書店研修会が開催された。
正午からのセレモニーでは、始めに日教販・大藤耕治社長が「学参は児童・生徒向けマーケットのほか、ビジネスマン向けが拡大傾向にある。
野球のバッテリーに例えれば、読者は多彩な球を要求しており、このニーズの細分化についていっていないと感じる。
わたしどもは売れる本を売れる場所に素早く正確に送ることを取次の原点として、物流、販促、受注体制を構築していく。
いま頭が痛いのは定価表記問題。
日書連と協力して消費税5%維持の運動をする。
軽減税率の世論を早く作る必要がある」と年頭あいさつを行った。
続いて来賓として、学習書協会・古岡秀樹理事長が「出版社はさまざまなコンテンツを持つ。
これをベースとして、本を中心に裾野を広げるチャレンジの年になれば」、辞典協会・五味敏雄理事長が「学力低下問題や統一テスト実施の動きで辞書の需要が高まり、引き続き追い風が吹いている。
今年は高校1年生の指導要領改訂の年。
辞書の新刊ラッシュで盛り上がると思う」、日書連・萬田貴久会長が「ポイントカード問題は今年も断固たる措置を出版社に求めていく。
消費税について小泉首相は任期中はアップしないと明言したが、総額表示問題が来年4月にどうなるかだ。
業界4団体で活動していきたい」とあいさつした。
引き続き、萬田会長の発声で乾杯。
福島日教販会から大藤社長に白河ダルマが贈呈され、来賓全員で目を入れて新春の学参商戦を祝った。

日販新春を祝う会

日販の「2003年新春を祝う会」は10日午前10時半から本社5階特設会場で行われた。
鏡開きで日販菅社長は、全国1100店のPOS店の年末年始売行きを紹介。
「年末は95・7%、年始は96・6%、年末年始の6日間合計で96・0%だった。
地域では名古屋、中部、中四国、九州の年始がプラス。
ジャンルではコミックと学参がプラス」と説明した。
さらに菅社長は「最近は売上が低迷しているのに、新刊は活発。
マーケットの動きを見極めて需給を考えるべきではないか。
日販が一昨年発表したWWWプロジェクトは業界構造の改革を意図している。
有志の書店と一部実験稼働中だが、2003年には500書店、100社と日販でネットワークを組み推進する。
蓮田センターも月末から本格稼働し、9月にはコミックの無伝処理、時をおかず文庫、最終的に書籍全部に拡大する。
書店の省力化と入帳迅速化、単品データの供給が狙いだ。
今年は業界三者の構造改革元年に」と、新年の決意を述べた。
書店を代表して紀伊國屋書店松原会長は「無伝処理は業界の不良債権処理の迅速化になる」と歓迎の意を表明したあと、「紀伊國屋のPOSレジは、どの棚で何が売れたか翌朝8時に版元に送っている。
最近では地方書店からもベストセラーが出ている。
大小にかかわらず、書店人は編集者の気持ちで主体的に本を売っていこう」と呼びかけた。
版元を代表して光文社並河社長は昨年11月に創刊した『STORY』を例に、「雑誌が出たことで読者が見えてくる。
市場を良く見て潜在的ニーズを束ね、出版していくことが重要だ」とあいさつ。
菅社長、松原会長、並河社長に日書連萬田会長が加わって鏡開きのあと、萬田会長が「新しいマーケットの開拓で、書店の役割を見いだす年にしよう」と述べて、乾杯の発声を行った。

本屋のうちそと

本屋に立ち読みはつきもの。
かつてハタキは立ち読み撃退の必需品で、マンガなどに描かれる店頭の風景には欠かせない場面だった。
どこの本屋にもマンガ好きの少年少女がしぶとく陣取り、店の賑わいの一部になっていた。
ある程度は許容していても1時間も越えると「そろそろ立ち読みはやめて」と声をかけた。
すると、その意味を知ってか知らずかその場に座り込んで読み続ける。
この根性が世の役に立っているとすれば本屋の功績ともいえる。
万引きが大きな問題になっているが、立ち読みも兄弟分のようなものだ。
本屋の直接目に見えるロスにならないが、業界全体では莫大な損失になるだろう。
もっとも、客にそんな意識はない。
「ちょっとボールペンとメモ紙を貸して」と言われたら断るだろうが、持参してきた筆記具で書き写していたらどうするか。
「このページをコピーしたい」とレジに本を持ってきたので断ると、コピー代は払うという。
必要な情報が載っているからその本を買うという常識を持ち合わせていないのだ。
最近「小型コピー機」を持参してくる客が増えているのをご存じだろうか。
レシピの本などを開いて携帯電話をピコピコしているのがこれ。
必要なグラビアなどをカシャッとやり、文字の部分は親指でピコピコ。
それを送信すれば、家に帰った頃には、その料理が出来上がっているかもしれない。
スパイもどきの「情報窃盗」だ。
携帯は立ち読みや万引きの形態まで変えてしまった。
(どんこ水)

◇講談社野間記念館「近代の洋画」展

講談社野間記念館は2003年新春展として1月18日から3月23日まで「近代の洋画」展を開催する。
明治から大正と大きな変動を見せる美術界の流れの中で、日本の洋画壇も揺籃期を迎えていた。
岡田三郎助、藤島武二らを中心に近代洋画壇で活躍した画家たちの作品を展示する。
同時開催「『幼年倶楽部』の夢世界」。
休館日=月・火曜日(祝休日の場合はその翌日)。
◇ポプラ社坂井社長の講演会出版科学研究所は2月5日午後2時から日本出版クラブ会館で平成14年度第2回出版セミナー「少子時代に児童書出版の新領域を拓く」を開催する。
講師はポプラ社代表取締役社長の坂井宏先氏。
坂井氏は既刊46巻の超ベストセラー「ズッコケ三人組」を手がけ、昨年は児童百科『ポプラディア』を2万5千セット販売した社長として、ポプラ社成長の要因を説く。
受講料5千円。
◇『欧米のブックビジネス』祥伝社社長の竹内芳和氏は出版研究センターから『欧米のブックビジネス』を上梓した。
アメリカ出版研究会発行、定価本体1400円。
1997年から2001年まで4年にわたって全国書店新聞に連載していた『USA書店事情』を中心に「未来研会報」「週刊読書人」「本の窓」などへの論文をまとめたもの。
ネット書店の出現、市場のグローバル化、再販制の崩壊などに揺らぐ欧米の出版界を概観する。

新風会会長に藤原氏

書店新風会は1月10日午後5時から新宿のホテルセンチュリーハイアットで新年懇親会を開催。
会員36社41名はじめ、出版社、取次など313名が出席した。
親睦委員会吉岡隆一郎委員長(文苑堂)の司会、井之賢一副会長(久美堂)の開会あいさつで始まった懇親会は、新会長に選ばれた藤原直氏(金港堂)が「新風会は昭和33年11月19日、23店で発足し、40年代、50年代は70数軒を数えたが、このところ少しずつ減り、現在は55店。
初代小松会長から『業界発展のため奉仕と誠実を尽くす団体』の精神が脈々と続くが、変化も求められている。
45年の歴史は樹を植え、人を育ててきたこと。
10年後、100年後を考えながら業界に新風を吹き込んでいきたい」と、新年のあいさつ。
来賓を代表して書協朝倉理事長は、年末に政府税調から消費税総額表示の方針が示されたことについて、「専門家と相談して研究、対応していかなかればいけない」と述べたほか、「良い企画は売れる。
企画の創意工夫をそれぞれの立場で前向きに対処していく年にしたい」と述べた。
続いて、第37回新風賞の贈呈式が行われ、『声に出して読みたい日本語』を出版した草思社と、著者の斉藤孝氏を表彰した。
成田耕造事業委員長(成田本店)は「一番売れたものではなく、日本語ブームの先鞭をつけたことが高く評価された」と選評。
草思社木谷社長は「初版1万部でスタートしたが、出版界、書店の支持を受けて140万部になった」と感謝の言葉。
著者の斉藤氏は「日本経済の活力のなさは若い人の向学心のなさにある。
国の根幹を支えるのは教育。
読書の衰えは多方面に影響する」と警鐘を鳴らした。

全国から54名出席

須原屋研修生OB会が9日午後6時から浦和東武ホテルで開かれ、OB・研修生54名と出版社・取次の来賓31名が出席した。
懇親会では須原屋高野隆社長が「昭和50年にスタートした研修所は今年29年を迎え、書店人として総勢153名が全国で活躍している。
現在も7名が書店実習をしており、春には3名が入寮する」と現況報告とともに、歓迎のあいさつ。
続いて高野嗣男会長は「私も今年は数えで80歳だが、健康に現役で働いている。
この間、戦後はインフレに苦しみ、現在はデフレ。
高血圧はよい薬があるが、低血圧はむずかしい。
OB会は毎年業界トップの素晴らしい講演を聞いている。
自己流に陥らず、研修生時代を思い出し、本筋をさぐっていくことが大事だ。
書店は自己資本率が15−20%と低い。
ここにきて収益力がないと体質も悪くなる。
体力を付けながら体質を良くすることが必要だ。
適正在庫で資金の無駄をなくすよう努力してほしい」と、当面する書店の課題を指摘した。
出版社を代表して角川書店角川会長は「レコード業界は昨年1年間で12%売上が落ちた。
家庭でコピーされている。
本は紙なので、まだ恵まれている。
6年連続のマイナスだが、デフレ時代の経験を乗り越え、新しい書店像を学んで」とあいさつ。
雑協浅野理事長は「自己流とは、目が外に向いていないこと。
他の小売りから学ぶことは多い。
価格競争がないなら非価格競争で、サービス、質の向上を」とアドバイス。
ポプラ社田中会長の音頭で乾杯を行った。
懇親会に先立ち午後4時から須原屋本店で研修会。
日販菅社長が「業界構造の問題点と日販の進めるSCM」を講演した。

◇中央社

中央社は1月10日、以下の機構と人事を発令した。
〔機構変更〕部室のみ1、営業企画室を新設2、営業推進部を廃止し販売部を新設3、関西支社を廃止4、名阪支社を新設し、関西支店・名古屋支店を統括5、商品管理部を廃止6、北海道支店を廃止〔告示〕解・委嘱北海道支店長兼任取締役山坂義行委嘱名阪支社長取締役新谷喜代春〔辞令〕経理担当・役員待遇(経理部長・役員待遇)劔持明敏販売部長・役員待遇(営業推進部長・役員待遇)佐藤誠三経理部長(名古屋支店長)矢下晴樹営業企画室長兼コミック・メディア部長(コミック・メディア部長兼経営戦略室営業担当部長)斉藤進書籍部長(商品管理部長)宗原徳久業務部長(書籍部長)小暮豊博コミック・メディア部長代理(雑誌部次長兼仕入課長)川崎隆関西支店長(関西支社次長)山本章雄名古屋支店長(名古屋支店次長)浅野明業務部長代理(業務部次長)持田信広営業倉庫部長(経理部次長)岡田益男営業倉庫部付部長(営業倉庫部長)渡辺良道