全国書店新聞
             

平成14年4月21日号

雑協理事長に浅野氏

日本雑誌協会は4月12日開催の第47回定期総会で新理事長に副理事長だった浅野純次氏(東洋経済新報社会長)を選出した。
前理事長の角川歴彦氏(角川書店)は任期満了に伴い退任、常務理事に就任した。
浅野氏の昇任で空席になった新副理事長には白石勝常務理事(文藝春秋)が就任。
相賀昌宏副理事長(小学館)は留任する。
浅野純次氏略歴昭和15年東京生れ、昭和37年横浜国大経済学部卒、同年東洋経済新報社入社。
「会社四季報」「週刊東洋経済」編集長を歴任して平成元年取締役、同6年常務取締役、同7年代表取締役社長、昨年12月から取締役会長。

井狩春男氏の連載スタート

本号より毎月21日号に井狩春男氏のコラム「必殺まるす固め」を連載します。
井狩氏は鈴木書店仕入部勤務時代に手書きの「日刊まるすニュース」を発行、地味な人文書を紹介し続けたことで有名。
著書に『返品のない月曜日』(ちくま書店)『本好きにささげる52のパラダイス』(とりい書房)など。

−無題−

*東京国際BFが開幕/世界28カ国から541社*今年で第9回を数える東京国際ブックフェアが4月18日から東京ビッグサイトで始まった。
出展企業は世界28の国と地域から541社と過去最大規模。
自然・人文関連の専門書から一般書、児童書、コミック、電子出版物まで、あらゆるジャンルの出版物が展示された見本市となった。
ブックフェア初日の18日は午前9時半から会場となった東展示場入り口でオープニングセレモニーが行われ、実行委員長の書協渡邊理事長が「今年のテーマはこどもの読書推進。
朝の読書運動やブックスタートを会場で紹介した。
2年前から始まった市会機能もさらに充実して活発な取り引きが行われると思う。
いかなる時代も真の英知は本の上にこそ存在する。
このブックフェアが読書推進、業界活性化、アジア太平洋地域の交流の架け橋として成果があがることを期待している」とあいさつ。
このあと名誉総裁の三笠宮殿下はじめ、各国公大使、出版業界4団体、後援団体代表らでテープカットを行なった。

検索速度300倍に

書協の書籍情報検索サイト「Books」が大幅なリニューアルを行い、4月16日にオープンした。
同サイトは書協から凸版印刷に全面的な運営管理委託を行い、■ネット書店へのリンク、■携帯電話・PDAへの情報配信、■バナー広告サービスを実現。
検索面では検索システム、データベース構造の改善により従来比300倍の速さとなり、60万点の書籍情報が瞬時に検索可能になった。
ネット書店へのリンクは、読者が書籍検索を行って書名を確定すると、画面下方にリンクが現われ、簡単に購入申込ができる。
参加するネット書店はアマゾン、イーエスブックス、紀伊國屋書店、ジュンク堂書店、ブックサービス、ブープルドットコムの6社。
携帯電話への情報配信はiモード、Jスカイ、EZweb3社、PDAはポケットPC、ザウルス、Palmの各OSに書籍情報を提供。
書店店頭でユーザーが検索結果画面を提示することで、書店は速やかに本を探し出せるという。

返品物流業務を協業化

日販、大阪屋、栗田、太洋社、日教販の取次5社と講談社、小学館の共同出資による返品処理の新会社「出版共同流通株式会社」が4月15日に発足した。
事業内容は出版物の仕分け・梱包・検品等の業務の受託で、返品物流業務請負と返品データの収集、計算事務処理代行を行う。
資本金は1億円、社長には日販の菅徹夫社長が就任、取締役、監査役には大阪屋・鈴木、栗田・亀川、太洋社・国弘、日教販・大藤の取次4社社長が就任した。
新会社は出版物の無伝票返品システムを構築して、書店の返品作業を軽減するとともに、雑誌故紙化、再資源化を推進する。
出版社と取次各社間の精算業務も順次オンライン化を進め、返品物流業務の効率化を図っていく。
単店・単品別の返品データ入手が可能となることから、送品・売上データとの一元管理体制を構築し、業界SCMの確立を目指す。
事業所となる蓮田流通センター(仮称)では、10日に地鎮祭が執り行なわれ、日販菅社長は「新会社設立は出版業界の返品業務合理化促進だけでなく、書店業務省力化につながる。
返品業務の改善が進み、業界SCMが構築されることを期待している」とあいさつした。
操業予定は本年12月。

子どもの読書活動推進法

『学校や家庭・地域で子どもの読書環境づくりを進めよう!−「子どもの読書活動推進法」実体化のためのマニュアル−』が出た。
昨年12月に公布施行された同法を生かし実体化しようと、子どもの読書推進会議・学校図書館整備推進会議・日本書籍出版協会が発行したもの。
B5判、40頁、頒価500円。
「広がる子どもの読書推進活動」では、子どもの読書推進会議、朝の読書、ブックスタート、親子読書・子ども文庫、国際子ども図書館を考える全国連絡会、読書推進運動協議会、JPIC、出版関係団体の読書推進運動を紹介。
「学校図書館図書整備予算化運動」については、どこに働きかけるか、だれに働きかけるかなどのノウハウをQ&A形式で解説している。
また、「子どもの読書環境・学校図書館充実の先進事例」として愛知県豊橋市、熊本市、千葉市、香川県坂出市、鳥取県での取り組みを紹介している。
巻末には資料として「子どもの読書活動推進法」「子ども読書年に関する決議」をはじめ、「学校図書館法」「学校図書館図書整備に係る普通交付税措置(案)」「『学校図書館図書整備費』予算化のお願い(各都道府県市町村教育委員会宛)」などの法律や文書、「グラフに見る子どもの読書実態(学校読書調査・OECD調査)」「グラフに見る学校図書館・公立図書館の実態(学校図書館調査・公立図書館の設置率・ユネスコ図書館調査)」などの調査結果を掲載している。
さらに、「子どもの読書活動推進関連団体一覧」「子どもの読書推進運動10年のあゆみ」も掲載。
子どもの読書環境づくりを進める上で有用な手引きとなっている。

必殺まるす固め

☆「日本に幼い子どものためのいい選詩集がない。
いずれだれかがやらなくてはいけない」。
瀬田貞二さんは、それを実行できないまま亡くなられた。
志を継ごうと、20年も前から心に決め、企画を温めてきたのは、童話屋の田中和雄さん(社長、編集長)だった。
それが、いよいよ発売になった。
『パタポン〈幼い子の詩集〉』(童話屋1250円)という。
「ぱたぽん」とは「まりーちゃんとひつじ」(岩波の子どもの本)に出てくる羊の名前。
ぱたぽんというのは、「編集の作業をしている間ずっと頭の中で鳴りつづけ、筆を擱いたときには、あたりまえのようにタイトル」になったという。
装幀が「ポケット詩集」同様とてもイイ。
「はるのさんぽ」まど・みちお/「ののはな」谷川俊太郎/「池のきしべで」A・A・ミルン/「影」与田準一……。
あっ!小生の大好きな「ひばりのす」木下夕爾も入っている。
幼い子はもちろん、大人が読みたい!読みたい大人が、子供に読み聞かせてあげたくなる詩集である。
イイ時代になった。
詩集が売れるなんて夢のようだ。
イイものはたいがいの人の目にイイんだ、ということがよくわかる。
それにしてもニクタラシイ。
よくぞ、こんなイイ詩ばかりを集められるものだ!先日、久しぶりに田中さんと電話でお話しをさせていただいた。
フシギな人だ。
田中さんのためなら、なんでもやってさしあげたくなる。
良いことはいつも他人のおかげさんであり、自分では決してない。
そんなところが、誰にもそういう気にさせるのだろう。
昨年は『葉っぱのフレディ』で天皇陛下とも会われている。
陛下が信州を去る時に、感想の文章に珍しく『葉っぱのフレディ』のことに触れている。
そんなことも公表しない人だ。
志の出版社が沢山ある。
その中の数社は、小生がかって働いていた鈴木書店が無くなっても、相変わらずおつきあいしてくださる。
ありがたい。
☆「気楽にできる101の方法」とサブタイトルがあって、書名が『暮らしの哲学』(ソニー・マガジンズ1400円)。
1、自分の名前を呼んでみる、2、寝ころんで星空を眺める、3、自分をぎゅっとつねる、4、朝、どこにいたかを考える……おいおい、なんでこんなにオモシロイ本が「哲学」のコーナーにあるんだ?もう、書店が図書館のような分類で本たちを置くのはやめにしたらいかがか?

大阪組合

大阪府書店商業組合は4月13日午後2時から組合会議室で理事会を開催した。
冒頭、今西英雄理事長は「日書連も組合員が目に見えて減ってきて大変な時代。
そんな中で大阪組合も書店の生き残り策の一助にと、平成13年度は『IT化・協業化』を大きな柱として打ち出し活動した。
本日の理事会は大阪組合の14年度の目標を決める大事な会議。
心して審議していただきたい」とあいさつ。
このあと各委員会から以下の通り報告が行われた。
〔事業委員会〕学校図書館に納入している地域書店に対するバックアップ体制の早期確立を提言した。
〔出店問題委員会〕4月6日、寝屋川市産業会館で守口市「ジャガーメディアセンター」の25坪増床問題と門真市「ブックセンター湘南古川橋店」の業態変更問題の2件について話し合った。
4月10日、豊中市新千里南町で「TSUTAYA上新田店」の出店説明会を開催。
「WoonderGOO泉北店」「テックランド堺店」の2件は堺支部で対応。
「田村書店千里セルシー4F店」200坪、5月31日開店、説明会は未定。
「セガミ薬局(関西スーパー南江口店内)」50坪、6月中旬開店、説明会は未定。
〔経営研究委員会〕組合ホームページ充実のため中田事務局員に維持管理作業をしてもらうことになった。
ホームページへのアクセスは2月16日から3月18日までの間に814回だった。
5月15日に発売される『ハリー・ポッターと賢者の石』のDVD・ビデオは2460巻受注。
かねてより組合員へ利益を還元する方法を模索してきた中で取次と交渉し、有利な取引条件で仕入れることができたもの。
この試みは組合員に好評で、近日第2弾の企画発表を行う予定。
〔雑誌発売日委員会〕電鉄関係駅売店の前渡し問題は4月から新体制で対応。
前渡し登録店は阪急、阪神、地下鉄駅売店のみ。
その他の店には前渡しするだけで売らなくても違反となる。
〔再販公取協委員会〕出版物小売協公正取引協議会の大阪府支部代表役員、理事候補者に今西、面屋、並河、戸和、矢島各氏を推薦した。
このほか、5月24日に開かれる日書連通常総会への出席者を今西、面屋、並河、金田、森、石尾、中島、灘、戸和、坂口、辰野、虎谷、辻山の13氏とした。
(中島俊彦広報委員)

四国の発売日改善で読者へのアピールも

雑誌発売日励行本部・実行合同委員会は4月16日に会合を開き、具体化に向け動き出した四国地区の発売日改善について報告が行われた。
香川、愛媛、高知の四国3県の雑誌発売日が6月11日書店配達分より3日目地区から2日目地区に繰り上がるもの。
なお、徳島県ではすでに2日目地区となっていた。
この決定を受けた四国の各書店組合では、四国地区で統一ポスターを作り、読者に向け雑誌発売日が1日早まったことをアピール、集客に資する計画があると報告があった。
また、岡山、広島両県の発売日が昨年3月に1日繰り上げとなり、隣県で発売日が違うため売上げに大きな影響が出ていると訴える山口県をはじめ他地区からも改善要望が出ているが、今後については「まず6月に四国で実施し、取次や輸送会社の作業に余力があるかどうか見極めた上で、他地区についても前向きに検討していきたい」との考えが示された。
関西地区の電鉄関係売店への前渡しに関する実施細則については、各取次から関係の申請がまとまり、3月下旬に保管場所や発売日に対する姿勢など関係売店のチェックを終了。
4月1日から実施となったと報告された。
承認売店リストは地区委員長のもとで閲覧することができる。

『Doマガジン』発行

定期雑誌の読者獲得と定期率アップによる売上増を図るため、日販は雑誌カタログ『Doマガジン』2002年度版を発行した。
A4判中綴じ40頁、頒価210円、書店卸10円。
84社209雑誌の表紙写真と詳細なコメントをオールカラーで紹介。
掲載雑誌発売一覧、主要出版社ホームページ一覧や、年間購読予約者へのプレゼント企画を盛り込んだ拡販ツールになっている。

140店で読み聞かせ

「子ども読書の日」の制定を記念して、日販は「こどもの読書週間」(4月23日〜5月14日)に書店の読み聞かせ会「おはなしマラソン」の継続開催を支援するキャンペーンを全国140店で展開する。
「おはなしマラソン」は1999年に日販創立50周年記念事業としてスタートしたもので、今年3月までに36都道府県114書店で開催。
キャンペーン参加者は1万2千人にのぼった。
昨年の読書週間には「おはなしマラソン」開催店を含めて125の書店で読み聞かせ会継続支援キャンペーンを展開したところ、8割の書店が次回も開催したいと好評だった。
このため、書店での読み聞かせ会の一層の定着を図るため、全国同時開催を呼びかけた。
今回のキャンペーン参加店には「店頭告知用ポスター」、お子さんへの景品用に「オリジナル自由帳」を内容とした支援キットを提供。
要望に応じて保護者向けパンフレットやスタンプラリーカードなどのツールも用意している。

業務ソフトに感謝

「楽樂ほんやさん」旧版を使い始めてもうすぐ4年になります。
使い方はいまだにでたらめです。
ただ、毎日朝8時になるのを待ちかねて日販のPC−NOCS・で雑誌の伝票を出し、「楽樂ほんやさん」で定期分の伝票を印刷します。
また、書籍扱い雑誌、予約の多いコミックなどは適当にコードを設定できます。
先日の「声」欄では、新版PROも併せて全国での使用数が150台程とのことでした。
毎日本当に便利にさせていただいている者としては、もっと多くの方々にお使いいただけるように願ってやみません。
おそらくこのソフトの持っている能力の20%位しか利用できていないように思われますが、それでも本当に「始めてよかったな」というのが実感です。
お名前を失念しましたが、始めるきっかけを作ってくださった、この欄にご主人が「ウィンドウズ」以前のパソコンソフトを開発されたと投書なされました奥様、また、私の電話に「10万円なら10年使えば1年1万円だよ」と励ましてくださいましたご主人に、心より御礼申し上げます。
もちろん、素晴らしいソフトを開発されました、たつみ書店様グループの方々にも心よりの御礼申し上げます。

危機感が足りない

私は北の浜辺で55年本屋をやっていて、今の世相に安閑としていられないものを感じています。
店を始めたころ8千人いた町の人口も、今は4500人、特に子どもは4分の1に減りました。
それでも、これでもかこれでもかとムックなどが配本されて参ります。
出版業界は、川上から末端の川下にある北辺の小さい本屋に届く本が、本当に売れているのかをもっと真剣に考えてほしいのです。
私たちの田舎でもコンビニが雑誌を売り、小樽市の大きな書店へ行って大量の本の山があるのをみると、不況と活字離れの時に返品は確実に増え続けると実感します。
出版業界において、実際に売れる本を発行する研究心の不足を痛感します。
公立小中学校の週5日制導入でゆとりの日となった土曜日を、テレビ局のアニメ放送は好機到来と狙っており、本を読ませる努力がますます求められます。
またコミックの万引きの増加もどれだけ私たちの営業に痛みを与えていることでしょう。
弱肉強食に立ち向かうため出版業界はもっと危機感をもって対処すべき時だと思います。

ト−ハン人事

トーハンは4月11日付で機構改革と役員分担の変更、人事異動を発令した。
機構改革では顧客志向のあらわれとしてCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)推進室と、CS(カスタマー・サティスファクション)営業部を新設。
顧客志向と中小書店支援の姿勢を打ち出した。
〔機構改革〕1、改革推進部を新設し、総合企画部を廃止する。
2、ロジスティックス部に桶川建設準備室を新設する。
3、営業本部にCRM推進室を新設し、データビジネスソリューショングループ、トータルマーチャンダイジンググループを廃止する。
4、営業本部の取引管理センターを、同本部の書店経営推進部に統合する。
5、CS営業部を新設する。
〔役員人事〕委嘱桶川建設準備室長兼任上席執行役員池田禮委嘱改革推進部長、解総合企画部長委嘱執行役員正能康成委嘱東北支店長、解・東部支社ゼネラルマネジャー執行役員山崎厚男退任役員執行委員マルチメディア営業部長鈴木仁〔人事異動〕(M…マネジャー、SM…シニアマネジャー、◎昇任)情報システム部長(情報システム部M・EC事業室担当)◎中村勉マルチメディア営業部長(情報システム部長)小島俊一CRM推進室長兼任(営業本部GM)石井孝文CS営業部長(書店経営推進部M・対策推進グループ)◎飯沼麻儀特販第2部長(雑誌営業部SM)◎釼持宗平休職・東販自動車出向(同・ブックライナー出向)柳田武男休職・JMS出向(特販第2部長)小倉桂一郎休職・ブックライナー出向(東北支店長)大沢利明任・職員、命・休職・デジタルパブリッシングサービス出向(マルチメディア営業部長)鈴木仁営業本部SM・マーケット対策グループ(名古屋支社SM兼名古屋支店長)松原憲仁書店経営推進部SM(取引管理センター所長)西村栄之郎特販第1部SM(同部SM・第1グループ)川畑幸巳物流管理第2部SM・雑誌業務題意1グループ(コミック営業部SM兼コミックセンター所長)片桐巳喜雄休職・JAV出向(休職・JMS出向)中井伸行休職・トーハン・コンサルティング出向(休職・東販自動車出向)鈴木光雄

危機感が足りない

私は北の浜辺で55年本屋をやっていて、今の世相に安閑としていられないものを感じています。
店を始めたころ8千人いた町の人口も、今は4500人、特に子どもは4分の1に減りました。
それでも、これでもかこれでもかとムックなどが配本されて参ります。
出版業界は、川上から末端の川下にある北辺の小さい本屋に届く本が、本当に売れているのかをもっと真剣に考えてほしいのです。
私たちの田舎でもコンビニが雑誌を売り、小樽市の大きな書店へ行って大量の本の山があるのをみると、不況と活字離れの時に返品は確実に増え続けると実感します。
出版業界において、実際に売れる本を発行する研究心の不足を痛感します。
公立小中学校の週5日制導入でゆとりの日となった土曜日を、テレビ局のアニメ放送は好機到来と狙っており、本を読ませる努力がますます求められます。
またコミックの万引きの増加もどれだけ私たちの営業に痛みを与えていることでしょう。
弱肉強食に立ち向かうため出版業界はもっと危機感をもって対処すべき時だと思います。

−無題−

◇主婦の友社4月8日付で機構改革と人事異動を発令。
販売部販売企画課、業務課を廃止し、雑誌課、書籍ムック課、販売促進1課、同2課を新設。
販売情報室、宣伝課と合わせて5課1室体制となった。
○印は昇格。
新役職役員待遇、販売担当(販売部部長)斎藤民樹販売部部長(販売部付)○依田俊之雑誌課課長(宣伝課課長)酒見英昭書籍ムック課課長(販売部付)○藤井孝行販売促進1課課長兼渉外統括(雑誌情報室室長)柳澤憲販売促進1課マネージャー(業務課課長)伊藤純販売促進2課課長(販売部付)○斎藤慎一郎販売情報室室長(同室副主事)○安田修一宣伝課課長(販売企画課課長)斉藤雅之関連会社出向・ブックメイト代表取締役社長(販売部付)岡崎敏夫主婦の友図書取締役営業部長(前・角川書店特命担当部長)佐野正孝◇文藝春秋(4月1日付)営業局次長兼書籍営業部長兼受注推進部長名女川勝彦雑誌営業部長兼流通管理部長岩下仁文庫・新書営業部副部長渡辺郁夫営業推進部副部長濱宏行書籍営業部次長星衛同小俣政美同野田映史文庫・新書営業部次長吉田真弓同清田靖彦流通管理部次長小菅昭治

売場充実に役立つ児童書勉強会

出版文化産業振興財団(JPIC)は、5月から全4回の日程で児童書勉強会「チャイルドブックセミナー」を開催する。
セミナーのプログラムはPOP作成や児童書棚の構成など、売場充実にすぐ役立つ実習を多く盛り込んだ内容となっている。
第1回は5月16日にJPIC会議室で開催、日本書店大学学長の田辺聰氏から児童書の現状を聞き、POP作成やおはなし会の準備、読みきかせの技術等を学習する。
参加費はJPIC賛助会員3千円、日書連加盟店6千円、非加盟店1万円。
問い合わせはJPIC事務局/担当・小林まで(03−5211−7282)5月以降の開催は、9月・11月初旬・来年2月を予定(原則として全日程参加)。
内容は次のとおり。
第2回=書店店頭にて書棚の有効活用を学習第3回=JPIC会議室にて年末年始商品の確保をテーマに学習第4回=出版社訪問。
編集・営業担当者や絵本作家の話を聞く

読書感想文コンクールの課題図書決まる

全国学校図書館協議会・毎日新聞社が主催する「第48回青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書15点が以下の通り決定した。
(金額は本体価格)〔小学校低学年〕『けんかのきもち』ポプラ社/1200円『むしたちのうんどうかい』童心社/1300円『ヤギになっちゃうぞ』新日本出版社/1200円〔小学校中学年〕『ねこたち町』アリス館/1300円『虹の谷のスーパーマーケット』ひくまの出版/1200円『ぼくのクジラ』文研出版〔小学校高学年〕『アンソニーはまなす写真館の物語』あかね書房/1200円『よみがえれ白いライオン』評論社/1300円『カブトエビの寒い夏』農山漁村文化協会/1333円〔中学校〕『フクロウはだれの名を呼ぶ』あすなろ書房/1300円『カナリーズ・ソング』金の星社/1200円『クマ追い犬タロ』小峰書店/1500円〔高等学校〕『ビリー・ジョーの大地』理論社/1500円『救急医、世界の災害現場へ』筑摩書房/1200円『おかあさんになったアイ』講談社/1500円

文学賞に伊集院静氏

平成14年度の吉川英治3賞が決まり、11日午後5時から帝国ホテルで贈呈式が開催された。
今年の受賞者は吉川英治文学賞に伊集院静氏の『ごろごろ』(講談社)、同文学新人賞に大崎善生氏『パイロットフィッシュ』(角川書店)、同文化賞はガリレオ工房、小林ハル、佐藤エミ子の1団体2氏。
吉川英治国民文化振興会野間理事長から各賞が贈呈されたあと、選考委員の選評、受賞者あいさつと続いたが、中学・高校の先生を中心に科学の楽しさを提唱するガリレオ工房・滝川代表は大風船を使った科学実験を披露して「科学の楽しさと、固定観念を破る動きを作っていきたい。
科学の分野に光を与えてくれた受賞」と、お礼を述べた。

トーハン書店大学

トーハン・コンサルティングは、トーハン書店大学「書店ベーシックセミナー〜書店業務の基本を学ぶ」を東京と大阪の2会場で開催する。
対象は書店の新入社員及び入社5年目くらいまでの社員と、パート・アルバイト、新規書店開業者。
出版業界の概要から書店業務の基本事項まで分かりやすく解説する。
開催日時は大阪会場が4月23日、東京会場が4月25日でともに10時から17時まで。
受講料は全国書店共助会加入店3千円、非加入店8千円(昼食・テキスト代、消費税含む)。
問い合わせはトーハン・コンサルティングセミナー事務局まで(03−3267−8686)。

上尾センターを全面稼働

トーハンは、昨年上尾市に竣工した大型物流センター「トーハン上尾センター」を中心とする新雑誌送品システム・上尾計画をこのほど全面稼働させた。
上尾センターは業界初の束ロボットの開発や自動発送機、自動検品システムなど最新のFAシステムを導入、ローコストと高性能を徹底的に追及した。
上尾計画では同センターを中心に、7カ所に分散していた雑誌発送拠点を4カ所に統合。
西台雑誌営業所、トーハン戸田・笹目の3拠点にも同等の最新鋭システムを導入し、すべての発送作業所を同一の物流情報システムで統御した。
これにより、事故率10万分の3以下という高精度の新雑誌送品システムが全面稼働することになった。

『伊能図』初の原寸複製を刊行

武揚堂は創業105年記念企画として「東京国立博物館蔵伊能忠敬中図原寸複製『伊能図』」を5月10日に刊行する。
A3判上製本240頁・全頁カラー版・ケース函入で定価本体1万3143円。
日本全国を実測し、近代日本地図の原典となった伊能忠敬の「伊能中図」全8枚を初めて全国原寸で複製した。
このほか、伊能図が作られた背景から測量方法や使用器具、地図の及ぼした影響までを系統的に編集。
各地に分散するさまざまな伊能図や、これを元にして作成された地図等も多数収録した。
図版・ルビ・表・注記を多用し、伊能忠敬の生涯を劇画で紹介するなど、幅広い層が利用し楽しめる内容となっている。
4月16日の説明会で小島久武社長は「10年前に2分の1縮図を発行したが原寸の伊能図を求める声が多く寄せられた。
原寸複製でいろいろな変化を発見したり探求する楽しみが生まれ、見る人によりそれぞれ奥行きが深まる素材として価値あるものになった。
小学生から専門家まで利用できる“読める地図”をコンセプトに編集に取り組んだ」と説明した。

本屋のうちそと

午前7時45分。
店の表の鍵を開ける。
8時に配送のトラックが来るからだ。
補充のスリップとキャリーを用意して、部屋に入り車の音を待つ。
その日はその前に車の音が聞こえた。
道路事情がよかったのだろう。
いつもの時間よりずいぶんと早い。
大あわてで走って出た時にはもう荷物は降ろされていて、車は動き出していた。
「あぁ、スリップが間に合わなかった!」とあきらめかけた時、300メートルほど先まで行っていたトラックが止まり、配送のお兄さんが降りて、走って戻ってきた。
バックミラーに私の姿が映ったに違いない。
いつも通りのさわやかな声で「おはようございまーす。
ありがとうございました!」とスリップを受け取ると車を出した。
ただこれだけのことに、じーんときてしまった。
年かな。
書店というのは、出版社ほど華やかでも権威があるわけでもない。
本と読者をつなぐ地道な仕事である。
その地道な仕事をもっと人の目に触れないところで支えてくれているのが、こうした配送の人たちだったり、倉庫で品出ししている人たちである。
派手な仕事ではない。
ラクチンな仕事でもない。
けれど、そんなことなど考えたこともないといった顔で、朝早くから淡々と、きちんと仕事をこなし、明るいあいさつを返してくれる青年がいる。
光のあたる場所に夢を追いかける人たちがいる一方で、こんなふうにどっしりと支える場所にいる人もいる。
こうした下支えなしに世の中は成り立ちはしない。
そんなあたりまえのことが光って見えた朝だった。
(如意)

和楽器に親しむセミナーを開催

河合楽器製作所の主催、小峰書店が後援する「カワイ邦楽セミナーVol.1」が6月1日午後1時、カワイミュージックショップ青山で開催される。
小峰書店は、簡単な練習曲で和楽器の独奏・合奏が楽しめる『日本の楽器』(CD付き全6巻)を2月に刊行。
この制作に参加した演奏家にも協力してもらいセミナー開催が実現した。
和楽器は新学習指導要領の実施で中学校の授業に採用されており、セミナーでは和楽器の楽しさを子どもにどう伝えたらよいかを探る。
第1回の講師は三味線・杵屋五司郎氏、箏・宮越圭子氏。
受講料5千円(税込み)、楽器は会場の無料レンタルを利用可。
申込締切5月15日。
問い合わせはカワイ邦楽セミナー事務局/担当・堀野、末武(03−3320−1671)まで。