全国書店新聞
             

平成19年8月11日号

公取委、教科書流通で報告書

公取委は8月3日、「教科書の流通実態に関する調査報告書」を発表した。この中で公取委は教科書供給網、取引慣行が固定化され
ていることを指摘。競争政策の導入で①学校が取次供給所を自由に選べる、②新規物流事業者が参入して供給手数料水準が下がることが期待できるとしている。

上期3.3%減と低迷/03年、00年に続く大幅減/出版販売額

出版科学研究所は今年上半期の出版販売額が前年同期比3・3%減の1兆724億円となったと発表した。上半期としては2003年、2000年に次ぐ大幅なマイナスだった。書籍は3・9%減の4886億円、雑誌は2・9%減の5839億円となった。
書籍の3・9%減は昨年5月に発売され2百万部販売した『ハリー・ポッターと謎のプリンス』により、前年のベースが高かったことが原因。しかし、『ハリー・ポッター』の金額を除いても、2・4%減と前年割れになる。
販売金額が減少した要因について、出版科研では「販売部数は0・1%増加しており、出回り平均価格4・9%減に見られるように、売れる本が低価格化していることが主因」と分析している。
この数年来、教養新書のブームに加え、単行本も千円~千二百円が売行き良好書の中心になっており、新刊平均価格は前年同期比0・9%減の1196円。2006年より20円近く下落している。
一方、雑誌売上げの内訳は月刊誌が3・9%減、週刊誌は0・7%増。週刊誌のプラスは分冊百科の貢献によるもので、定期誌は月刊誌、週刊誌とも低迷しているという。
雑誌市場はメディアが多様化する中で若者向け雑誌の落ち込みが大きく、団塊世代ジュニアである30代の雑誌離れも進むなど市場が縮小→競争が激化→付録への依存が高まるという悪循環が続く。
送品状況は月刊誌の発行部数が前年同期比2・6%減、週刊誌が1・7%減と絞り込まれたが、返品率は月刊誌が0・9ポイント増の36・3%、週刊誌が0・2ポイント増の28・9%となり、送品減にもかかわらず返品は増加基調。
不定期誌の新刊点数は増刊・別冊が2779点で6・9%減。ムックは4・9%増の4171点。売れ筋は中高年読者をターゲットにした実用もの、テレビで紹介され話題を呼んだもの、ワンテーマに絞ったものが受け、2年連続で点数増。これに比例して返品率も上昇して、効率販売が課題になっている。
付録添付誌は綴じ込みが159点増加して3758誌、別添は90点増加して2097誌で、いずれも増加傾向。
上半期の雑誌の創休刊は創刊が18点、23・4%増の95点。分冊百科は『週刊古寺を巡る』(小学館)『週刊原寸大日本の仏像』など、前年より4点多い14点。休刊は前年同期比21点、25・3%多い104点だった。

8月24日に総会/神奈川理事会

神奈川県書店商業組合は7月21日、有隣堂会議室で定例理事会を開催。8月24日に開く平成19年度総会の打ち合わせなどを行った。
今年度総会は24日午後1時半より横浜市中区の神奈川平和会館で開催。総会終了後、午後5時より中華街「華正楼本店」で出版社をまじえて懇親会を行う。書店会費は1名5千円。
増売関係では『ナルニア国物語』第2巻「カスビアン王子の角笛」が来年初夏に映画化されるのを記念して、岩波書店が横浜市の小中学生を対象に感想文を募集することになり、神奈川組合も協力していくことになった。
日書連の新販売システム第2弾については、各書店に注文書が届くのでぜひ参加してほしいと呼びかけがあり、「こころに残る子どもの本セール」も積極的参加を推進する。
(平井弘一広報委員)

積極的注文呼びかけ/新販売システムで大橋理事長/東京組合

東京都書店商業組合は8月2日午後2時から書店会館で8月理事会を開催。
日書連企画の第2回新販売システムは8月末が書店の申込み期限で、各店に申込書が郵送されたところ。大橋理事長は「今回は出版社7社から14企画が示された。常務理事会では買切りなので最初から低正味にという意見や、返品を歩安入帳してはという意見も出た。目標数に達しないと出版しない。実績を作り、第3弾につなげたい。今回は出品が間に合わなかったが小学館も3回目には出品したいという話だった。出版社を巻き込みながら新しいシステムを育てていきたい」と述べ、組合員の積極的な注文を呼びかけた。
経営取引問題では、日書連とともに文庫本のパターン配本について実態調査を行うことが報告され、講談社、光文社、新潮社、角川書店、文藝春秋の5社を調査するとした。
流通改善ではTS流通協同組合の7月期実績は発注9456件、売上げ991万円、発注書店数74店で発注件数、売上げは前年同月比2割増と報告された。
7月6日に死去した山田洋一常務理事の後任として、土橋健理事(金港堂)の昇格を承認した。

ギリシャ7日間の旅/日書連企画、参加者を募集

日書連では組合員ならびにご家族を対象とした特別企画「ギリシャ7日間の旅」を11月に実施します。ふるってご参加ください。
〈実施要領〉
▽日程=11月7日(水)~11月13日(火)
▽費用=18万8千円
▽募集人数=60名(最小催行人数30名)
▽申込締切=9月14日(金)
▽添乗員=成田空港より同行
▽食事=全朝食付
▽問い合わせ・申し込み先=ベストワールド℡03-3295-4111
〈旅行スケジュール〉
11月7日(水)=成田発、イスタンブール着。イスタンブール泊。
8日(木)=イスタンブール市内観光。午後アテネへ。アテネ泊。
9日(金)=アテネ市内観光。第一級の世界遺産、アクロポリス丘上にそびえる守護神、アテネ・パルテノン神殿等。アテネ泊。
10日(土)=終日自由行動。アテネ泊。※オプショナルツアー=①エーゲ海クルーズ(1万8500円)
11日(日)=終日自由行動。アテネ泊。※オプショナルツアー=②コリントス半日観光(1万1600円)③スニオン岬半日観光(1万円)
12日(月)=アテネ発、機中泊。
13日(火)=成田着。

生き残り賭けて頑張る/岩永理事長を再選/佐賀総会

佐賀県書店商業組合は7月22日午前11時から佐賀市・若楠会館で第25回通常総会を開催、組合員40名(委任状含む)が出席した。
総会は堤洋理事の司会、小野賢一副理事長の開会の辞で始まり、冒頭、岩永藤房理事長があいさつ。「当組合も設立25周年を迎えた。25年前、高場理事長のもと、物の言える商業組合を作ろうと発足。当時は業界にも活気があった。それに比べて現在は冷え切って厳しい時代を迎えているが、そんな中で日書連は書店の生き残りを賭けて頑張っている」と述べた。
続いて篠塚周城顧問とテジマの手嶋社長が来賓あいさつを述べたあと、議長に江口文明理事を選出して議案審議。事業報告、決算報告、事業計画案、予算案などすべての議案を原案通り承認した。任期満了に伴う役員改選では、岩永理事長を再選した。
全員で大会スローガンを斉唱し、高田副理事長の閉会の辞で終了。引き続き懇親会を開いて解散した。
(近藤甲平広報委員)
〔佐賀組合役員〕
▽理事長=岩永藤房(鹿島書房)
▽副理事長=小野賢一(ブックランド白石)高田悟(ブックマート日の出)

図書館コンピュータ化研修会に44名/山形組合

山形県書店商業組合は7月1日から3日までの3日間、県内3会場(山形、庄内、最上)で「図書館コンピュータ化研修会」を開催し、学校関係者12名、書店組合員32名が参加。盛況裡に終了した。
日書連情報化推進委員会専門委員の長尾氏が講師となり、全国での日書連MARCシステムの活用例やシステムの詳細が説明された。また、組合員から「蔵書登録なんて怖くない」というテーマで山形市第7小学校の図書館システム化の事例発表(山形県教科書供給所ホームページからダウンロードできる)もあり、より具体的な研修会となった。(五十嵐靖彦広報委員)

生活実用書/注目的新刊

エアロビクスが流行し、ジョギングも人気である。それ
と、これから紹介するウォーキングも。しかし、ほとんど
が「スポーツ」に分類されている。その分け方に異議申し
立てをするわけではないのだが、スポーツ嫌いの人にも買
うチャンスを与えてもらいたい。エアロビクス、ジョギン
グ、ウォーキングの何点かはダイエットコーナーに振り分
けてもいいし、ましてやウォーキングなどは予防医学、ま
たは散策のための地図の棚にも混ぜたいくらいである。
泉嗣彦著『医師がすすめるウォーキング』(集英社新書0287Ⅰ660円)は文字通りお医者さんが説くウォーキングの効用である。
「生活習慣病は基本的には医師が治す病気ではありませ
ん。」と著者は言う。つまり患者が自分で改善するより方
法はない。医師としては、ほとんどの人が習慣を変えない
ために思い悩むのである。そこで勧めるのが歩くこと。
肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病は、食習慣や運動習慣
と特に深い関係がある。この増え続ける病気を防ぐために
まず、食よりも動くことが生活を変える入口になる。
ウォーキングを実践した中高年男女4例が紹介される。
体重、血圧、血糖、脂質、肝機能、尿酸の6項目の推移を
1年に渡って記録する。多少の差異はあるものの、おおむ
ね数値は改善されている。ダイエットにも有効である。
森を歩く、温泉を巡るなど歩くのが楽しめるヒントや正
しい歩行法も解説される。ライフスタイル・ウオーキング
で体質が変わるというのだ。
大島清著『歩くとなぜいいか?』(PHP文庫514円)は脳科学者、医学博士の著者が同様に力説するウォー
キングの勧めである。
現代では係長、課長で7千歩。昇進につれて歩数は減っ
て、主婦はせいぜい5千歩程度という。江戸庶民や明治、大正のサラリーマンは一日平均で3万歩は歩いていたと言
うから、いかに現代人が歩かなくなってきたかがわかる。
ダイエットや生活習慣病のために歩くのではなく、初め
に「歩く楽しみ」があると著者は言う。歩くことは健康法
の王様であるばかりか、食と同様「脳の幸せ」でもある。
「目で歩き、耳で歩く」楽しさが存分に紹介されている。
著者は今年80歳になる。
(遊友出版・斎藤一郎)

日書連のうごき

7月2日活字文化振興会議に谷口副会長が出席。子どもの読書推進会議会計監査会に大川専務理事が出席。
7月3日「敬老の日読書のすすめ」書目選定委員会に石井総務部長が出席。
7月5日TIBFオープニングセレモニーに大橋会長が出席。情報化推進全国委員長会議。内田洋行ICタグ見学会。
7月8日関東ブロック会総会に大橋会長、北信越ブロック会総会に面屋副会長が出席。
7月9日出版再販研究委員会に大橋会長ほか役員が出席。再販弾力運用レポート打合せに大川専務理事が出席。
7月10日第8回「読売・吉野作造賞」に大川専務理事が出席。
7月11日子どもの読書推進会議に谷口副会長が出席。第2回「新販売システム」参加出版社対象説明会。
7月12日第59回書店東北ブロック大会に大橋会長が出席。
7月13日第61回「読書週間」標語選定委員会に石井総務部長が出席。新学校図書館図書整備プロジェクトチーム編成会議に石井総務部長が出席。
7月14日子どもに万引をさせないシンポジウムに小泉常任委員が出席。
7月17日出版共同流通創立5周年記念パーティーに大橋会長が出席。
7月18日各種委員会(指導教育、定款変更検討、共同購買・福利厚生、書店経営健全化、消費税問題、流通改善、取引改善、再販研究、広報、情報化推進、増売、読書推進、財産運用研究)。取次協会との休配日についての意見交換会。日書連共済会運営委員会。出版物小売業公取協専門委員会。丸岡義博氏に感謝する会。京都・京丹後市図書館システム研修会に長尾専門委員が出席。出版倫理協議会に鈴木副会長ほか役員が出席。
7月19日日書連定例理事会。出版物小売業公取協理事会。日書連共済会理事会。
7月23日第21回出版関連業界電子タグ標準化委員会に大川専務理事が出席。公取協月例懇談会に柴崎副会長ほか役員が出席。
7月25日日書連書誌情報データベース料金体系打合せ。読書推進運動協議会に大川専務理事が出席。
7月26日出版平和堂委員会に大川専務理事が出席。
7月30日第2回「新販売システム」書店対象協力要請。
7月31日第2回「新販売システム」エントリー出版社との意見交換会。雑誌発売日励行本部・実行合同委員会に藤原副会長ほか役員が出席。

売上高1.11%マイナス/営業利益は10年振り黒字/日販『書店経営指標』

日販は全国580店舗の経営資料を収集分析した2007年版『書店経営指標』(B5判71頁、頒価1575円)を発行した。これによると、売上高前年比は1・11%減と10年連続の前年割れ。損益面では、売上総利益率は0・05ポイント減の24・25%とわずかに減少したものの、販売費・一般管理費の改善で営業利益率は0・72ポイント増加して0・66%となり、10年振りの黒字となった。
調査店580店の売上高前年比は1・11%減と10年連続のマイナス。マイナス幅は前年の0・91%減から0・20ポイント拡大した(表1)。
売場規模別にみると、201坪以上が0・67%増だったほかは軒並みマイナス。20坪以下店は昨年は19・53%減と落ち込みが大きかったが、今回は0・90%減と大幅に回復した。最も下げ幅が大きかったのは51~100坪店の2・32%減。立地別では、前回は軒並みマイナスだったが駅ビル・駅前が1・07%増とプラスに。商店街は4・47%減と前年を2・68ポイント下回り、不振が目立つ。このほか住宅地2・60%減、SC内0・98%減、郊外0・94%減だった。
地域別では、首都圏・中京圏・近畿圏の三大都市圏が前年を0・21ポイント下回る0・87%減、地方でも0・20ポイント下回って1・23%減で、ともにマイナスだった。業態別では専業が2・04%減に対し複合は0・10%増で、格差は2・14ポイントと前年より0・98ポイント縮まっている。売上増加率別の店舗数構成比をみると、増加率がプラスの店舗は43・6%で前年より4・5ポイント増加した。
損益面では、売上総利益率(粗利益率)は24・25%となり、前年より0・05ポイント減少した(表2)。売上規模別では、「1億円以上3億円未満」で前年より1・54ポイント増加した以外はすべての区分で前年を下回った。
販売費及び一般管理費は前年より0・77ポイント改善して23・59%となった。「人件費」が0・38ポイント、「設備管理費」が0・11ポイント増加したが、「販売費」が0・64ポイント減少。「その他管理費」も0・31ポイント減少した。
営業利益率は前年より0・72ポイント増加して0・66%となり、10年振りに黒字となった。売上規模別では「1億円以上3億円未満」が1・16%と昨年より2・88ポイント増加したのが目立つ。経常利益率は0・82%で、前年より0・28ポイント増加した。
財務体質の健全性を示す自己資本比率は高いほうがよいとされる。前年の11・40%に対し、今回は0・14ポイント増加して11・54%になった(表3)。業態別では複合店が前年より2・14ポイント増加したのに対し、専業店は1・54ポイント減少している。
支払い能力の目安となる流動比率は150~200%が理想的だが、前年より3・01ポイント改善して120・85%になった。業態別では複合店が125・03%で専業店を10・74ポイント上回っている。設備投資等の固定資産をどれだけ自己資本で賄っているかをみる固定比率は低いほうがよく100%以下が望ましい。前年より3・32ポイント改善して347・67%になったが、依然として高い傾向にある。
正規従業員の年間勤務日数は269日で、前年より3日減少した(表4)。前回が2日減、前々回が4日減と減少傾向が続いている。従業員規模別では「5人以下」が前年より10日減少したのが目立つ。三大都市圏で6日減に対し地方では1日減だった。
正規従業員の年間総労働時間は2287時間と前年より8時間増加した。一方、パート・アルバイトは82時間減少して1184時間となった。業態別にみると、専業ではともに減少、複合では正規従業員は増加してパート・アルバイトは減少している。
従業員1人当たりの年間粗利益額を示す労働生産性は617万6千円で、前年を61万3千円下回った(表5)。地域別では三大都市圏、地方とも前年より減少。業態別でも、専業、複合ともに前年を下回った。従業員1人1時間粗利益額を示す人時生産性は前年を13円上回る3016円で、3年連続3千円台を維持した。地域別では三大都市圏が前年を157円上回り、地方は17円低下した。業態別では専業が前年を274円上回ったのに対し、複合は319円低下した。粗利益額に占める人件費の割合を見る労働分配率は46・63%と前年より1・67ポイント上昇し、3年続けて50%台を下回った。専業と複合の格差が縮まり、1・76ポイントとなっている。
年間の売場1坪当たり店売売上高は214万2千円で、前年を2万2千円下回った(表6)。立地別では「郊外」が184万1千円で15万5千円増加したが、それ以外の区分では減少した。業態別では専業が前年より8千円増の233万7千円に対し、複合は11万5千円減の186万5千円で、両者の格差は前年の34万9千円から47万2千円に広がった。

〔調査店の内訳〕
〈年商別〉(%)
1億円未満13・1
1億~3億円未満15・0
3億~5億円未満15・0
5億~10臆円未満17・1
10億円以上39・8
〈地域別〉
三大都市圏224店舗
地方356店舗
〈業態別〉
専業355店舗
複合225店舗
〈収益別〉(%)
経常利益率3%以上
18・3
同1%~3%未満26・6
同0%~1%未満36・8
同0%未満18・3

おはなしマラソン参加者8万人突破

日販は、こどもの読書週間に合わせて4月23日から5月31日まで全国210の書店で読み聞かせキャンペーンを展開したが、期間中、総計4755人(子ども3144人、大人1611人)の参加があった。6月末現在で「おはなしマラソン」の開催は参加書店631店、参加者8万1945人(子ども5万2934人、大人2万9011人)となった。
同キャンペーンは日販が推進する書店店頭読み聞かせ会「おはなしマラソン」の一環として、読み聞かせ会を独自に継続している書店に呼びかけ、読書週間期間に全国一斉に読み聞かせ会を開催したもの。春と秋の読書週間にあわせ年2回開催しており、今回で12回目。日販は店内用ポスターや参加した子どもへのおみやげ等の支援キットを提供することで読み聞かせ会をサポートしている。
参加書店にアンケートを行ったところ、最近の読み聞かせ会で子どもたちに人気があった絵本25冊(書名50音順)は別掲の通りとなった。
読み聞かせの人気絵本
①『うしろにいるのだあれ』新風舎②『うずらちゃんのかくれんぼ』福音館書店③『うんちしたのはだれよ』偕成社④『うんちっち』PHP研究所⑤『おかあさんのパンツ』絵本館⑥『おばけのてんぷら』ポプラ社⑦『おべんとうなあに?』偕成社⑧『おまえうまそうだな』ポプラ社⑨『きんぎょがにげた』福音館書店⑩『ぐりとぐら』福音館書店⑪『さつまのおいも』童心社⑫『せんたくかあちゃん』福音館書店⑬『そらまめくんのベッド』福音館書店⑭『たまごにいちゃん』鈴木出版⑮『でんしゃにのって』アリス館⑯『ねずみくんのチョッキ』ポプラ社⑰『はらぺこあおむし』偕成社⑱『100万回生きたねこ』講談社⑲『ぴょーん』ポプラ社⑳『へんしんトイレ』金の星社21『へんしんトンネル』金の星社22『へんしんマラソン』金の星社23『みいたんのかくれんぼ』学習研究社24『もこもこもこ』文研出版25『わたしのワンピース』こぐま社

名古屋会場7662人/本と遊ぼうこどもワールド

日販は7月21日から23日まで名古屋市公会堂で「本と遊ぼうこどもワールド2007優良児童図書展示会」を開催。3日間で7662人が来場した。展示会は1978年以来毎年夏休みに全国主要都市で開催しており、今年で30年目。名古屋会場は全国で唯一29年連続して開催している。
開会式で阿部洋一郎日販副会長は「子どもたちに感性豊かな心を育んでもらうため毎年開催しています。普段あまり店頭に無い絵本や児童書も数多く展示しました。また、書店店頭での読み聞かせ活動『おはなしマラソン』を展開しています。このような活動を続けていくことは私どもの使命の一つ。たくさんの本と出会っていただければ幸いです」と述べた。
日本児童図書出版協会を代表して坂井宏先ポプラ社社長は「家族で本を一緒に読む時間を大切にしていただきたい」と述べた。
児童福祉施設へ図書贈呈の後、東海日販会篠田元弘世話人代表(自由書房)、ポプラ社坂井社長、中日新聞社毛利明道出版開発局次長、日販阿部副会長、幼稚園児3名によるテープカットで開場した。
会場はジャングルをイメージした装飾。本の森の中に中日新聞生活情報紙『ショッパー』と連携した「子どもに読み聞かせたい絵本コーナー」や「東海ラジオ『絵本の時間おはなしマラソン』」など地域密着企画のほか、「赤ちゃんがはじめて出会う本ファーストブック」「トライキッズ絵本DVD」などが展示され、出版社ブースをめぐるスタンプラリーも行われた。
イベントとして童話作家角野栄子氏の講演会や、東海ラジオ蟹江篤子アナウンサーの「読み聞かせトークライブ」、人形劇上演やペーパークラフト教室、読み聞かせ会などが多くの参加者で賑わった。

クレーム対応学ぶ/トーハン書店大学

トーハン・コンサルティングはトーハン書店大学「クレーム対応力強化セミナー」を9月13日午後1時からトーハン本社で開催する。
書店クレームの具体例を豊富に盛り込み、ロールプレイングを中心とした実践的な内容により質の高い接客技術を身につける。講師はマネジメントサポート代表の古谷治子氏。
プログラムは「大クレーム時代がやってきた」「クレームを恐れるな!逃げ腰にならない」「クレーム応対でわかる会社のレベル」「あなたのクレーム応対スキルはどれくらい?」「クレーム対応の心構えと6大タブー」「クレーム客をファン客に変える5つのステップ」「怒りを鎮める魔法のことば」「ケース別にみるクレーム応対」「クレーム応対の徹底訓練」
受講料(教材費、消費税含む)は書店共助会加入店5千円、非加入店1万3千円。問合せ、参加申込みはトーハン・コンサルティング教育事業部まで。℡03―3267―8686。URL http://www.tohan-c.co.jp/

出版社

〔『演劇界』リニューアルして新創刊〕
歌舞伎の専門誌として、前身の『演芸画報』から数えて創刊百年を迎える『演劇界』は8月4日発売の9月号からA4変型判に大型化、カラー頁も大幅に増やして歌舞伎の楽しさを伝えるエンターテインメント誌としてリニューアル新創刊した。これに合わせて定価を1600円から1200円に改定した。編集・発行は従来通り演劇出版社、発売は小学館。
〔『美しい部屋』休刊〕
主婦と生活社は8月1日、インテリアの総合誌『美しい部屋』を9月発売号で休刊すると発表した。
『美しい部屋』は昭和52年3月に創刊。「暮らしを楽しむ人のための素敵な部屋づくり」をコンセプトに30年間に173冊発行してきたが、読者のライフスタイルの変化と出版環境を取り巻く諸般の事情により休刊を決断したという。

青風会ビールパーティーに77名出席

東京組合目黒世田谷支部の青年部組織「青風会」は8月3日午後7時から恵比寿の「トミー・ガーデン」でビールパーティーを開き、書店、出版社など77名が出席した。
新倉修会長(八雲堂書店)は「青風会の3大イベントはボロ市出品、旅行、ビールパーティー。ボロ市のお手伝いをいただける出版社は、一緒に旅行にも参加してもらいたい」としたほか、東京青年部が製作した『オヤジ組』のTシャツ(1枚2千円)、準備中の『本屋のオヤジが推薦する文庫本』の小冊子について説明し「隠れたベストセラーがあれば紹介してほしい」と協力を呼びかけた。
出版社を代表して三省堂川島芳章首都圏支社長が「青風会は古いつきあいだが、最近元気がないのではないか。もっと元気を出して本を売ってほしい。出版社もよい企画をどんどん出していきたい」とあいさつ。梅木秀孝東京組合常務理事(梅木書店)の発声で乾杯、開宴した。

本屋のうちそと

暑い日々が続く。照りつける太陽の下から店内へ足を踏み入れれば一瞬ひんやりとする。お客さんの「あー涼しい!」という言葉も入ってすぐ左手のレジ前で立ち消えてしまう。冷房が効いているはずなのになぜか立ち上るカゲロウ。ここは冷房の効いた砂漠か?
レジをのぞけば隅の方に真っ赤になった電気ストーブ。その前にはダンボール箱、その中には洋服を着た猫が眠ってる。人間も猫も年を取ると体温の調整が難しくなるようで夏でも寒がる。店に転がり込んできてからもう19年。人間の年なら90歳以上。元々の性格もあるが年を重ねるとだんだん意固地で協調性がなくなるようで、3年前に一時預かりから住み着いた新参者のやんちゃな雄猫とは3階の自宅では同居したくないと、2階の売り場と事務所を寝所に孤高の生き方をしている。
とはいってもかなりの認知症。事務所の床の何割かは吸水マットで占められ、紙オムツもスタンバイ。口にするのは「ご飯はまだかい!」と「ああ寒い!」。奥のらせん階段を2階から途中まで降りてきて1階のレジに向かってその二つを鳴きあげる。あっ、ばばさまが来た!そこでおもむろにレジの中でスタンバイ。奥の物置から電気ストーブを取り出し、その前にタオルケットをひいたダンボール箱を置き、声をかける。「おいで!用意できたよ」よたよたのそのそとやってきて熱いのを確認してから箱に入り横たわる。
ばばさまにとっては天国みたいな場所だけど私達には冷房のきいた快適な店内で唯一ここだけが灼熱地獄。ふーふーと汗を流しながら、客の居ない静かな環境で返品や発注の作業をしつつ真剣に思う。真夏のストーブのせいではなくかつての勢いでお客さんが来店し、レジ打ちで汗を流してみたいものだと。(理)