全国書店新聞
             

平成31年2月1日号

時代の変化に対応業界強く/出版5団体で新年名刺交換会

日本出版クラブは1月8日、東京・千代田区の出版クラブホールで2019年出版関係新年名刺交換会を開き、出版社、取次、書店など業界関係者約500名が出席。出版5団体の代表が壇上に勢揃いし、日本出版クラブの野間省伸会長(講談社)が「時代の変化に対応することで出版業界をさらに強くしたい」とあいさつ。赤ワインで乾杯して新年の門出を祝った。
日本出版クラブ・野間省伸会長(講談社)、日本書籍出版協会・相賀昌宏理事長(小学館)、日本雑誌協会・鹿谷史明理事長(ダイヤモンド社)、日本出版取次協会・近藤敏貴会長(トーハン)、日本書店商業組合連合会・舩坂良雄会長(大盛堂書店)の5氏が登壇し、代表して野間会長があいさつした。
野間会長は「今回は新出版クラブビルで初めての開催。昨年を振り返ると、出版物への軽減税率適用は残念ながら見送られ、海賊版サイト対策など次から次へと予期せぬ出来事が起き続けた。今年もデジタル環境がさらに進み、ありとあらゆるところに影響を及ぼす新しいものが生まれてくると思う。悲観的な意味ではなく、そういった新しいものに対応して乗り越えることで、出版業界をさらに強くしたい」と述べた。
なお、出版5団体代表のあいさつ文は日本出版クラブ会報「出版クラブだより」に掲載、当日配布された。
〔様々なアイデアで書店変革の年に/日書連会長・舩坂良雄〕
新年あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。厚く御礼を申し上げます。
日書連では一昨年の秋より、書店経営実態調査の結果を受けて出版社、取次会社を訪問し、環境改善のためのご理解を求めてまいりました。これは調査結果により、書店の7割超が「30%以上の粗利益」を希望していたからです。
その後、昨年になり実務者会議という名称で、街の書店が生き残っていくための知恵を出し合うテーブルを作りました。大手の出版社、取次会社のご協力も得て、会議のメンバーとして様々なアイデアを出していただいております。昨年末までに4回ほど行いました。3月末の年度内に増売企画が形になれば、早速、新年度より実行に移していきたいと考えています。
利益の確保とともに取り組んでいきたいことは、店頭のロス対策であり、そのひとつが万引防止です。高額専門書や人気実用書を大量に万引きして、ネットオークションやネットフリマで売り捌く時代となっています。
今年より、私の店がある渋谷駅周辺の書店は一定のルールに基づいて、情報を共有して万引きしにくい環境を作ろうと、いよいよ渋谷プロジェクトなる取り組みを始めます。
万引防止に一定の効果が検証できれば、それぞれの地域、それぞれの店舗に適した方法を研究しながら、中小書店に見合った万引防止対策を広げていきたいと考えています。防止対策の基本はお客様への声掛けですが、導入が可能ならば、万引防止システムも効果を発揮するでしょう。商品へのICタグの装着実現や、システム導入時の公的補助制度の拡充なども働きかけていきたいと思います。
さて、私ども連合会の会員数は残念ながら昨年に一つ減り、45会員になりました。各会員の加盟店舗数も合計で3千2百店あまりとなり、ピークだった昭和61年の1万3千店から30年間で1万店ほど減少したことになります。
この間、全国の新刊書店もほぼ半減し、直近の統計では約1万2千店と聞いておりますが、この数は30年前のコンビニエンスストアの店舗数とほぼ同じです。
出版業界の売上げも、ピーク時の1996年から半減。書店ルートの売上げは7割を超しますので、書店数の減少がイコール出版業界全体の売上げを大きく下げている要因だと思います。出版流通網や再販制の維持に負けず劣らず、全国津々浦々の書店網の維持もこの業界の重要な課題でしょう。
業界内外へのお願いばかりでなく、書店もより一層、販売に精励していきます。地域に合わせた店作り、お得意様の求めに応じた商品構成、そして何よりも読書の楽しみを広げていく活動。その実現には、まず書店に足を運んでもらうことが重要です。日書連はそのお手伝いをしていきたいと思います。
亥年にかけて、本年は書店イノベーションの年となりますよう、関係者皆様のご支援を宜しくお願い申し上げます。

粗利益30%以上実現へ良案を/面屋理事長が意欲示す/大阪出版業界新年互礼会

大阪出版販売業界新年互礼会(主催=大阪府書店商業組合、大阪出版取次懇話会、後援=日本書籍出版協会大阪支部、出版三水会)が1月10日、大阪市北区のウェスティンホテル大阪で開催。出版社、取次、書店、協力会社など131名が出席。大阪組合・面屋龍延理事長は、業界3者による書店環境改善実務者会議の模様を報告し、粗利益30%以上を実現するための施策に意欲を示した。
会は大阪組合・深田健治副理事長の司会で進行。冒頭あいさつに立った面屋理事長は、書店収益改善のための日書連の取り組みについて「一昨年末から舩坂会長はじめ日書連役員で出版社10社、取次3社の社長を訪問。書店を残すためには粗利益30%以上が必要と訴え、意見を聞いた。業界3者による書店環境改善実務者会議の立ち上げの提案があり、昨年6月15日、7月24日、9月3日、11月26日と計4回の会合を持った」と経過を説明。出版社側から①同一雑誌の付録に異なった付録を付けて販売する、②新刊書籍を買切販売で返品は歩安入帳にする、③現在品切れ中の文庫を中心に約320銘柄を最低800冊の小ロット印刷して買切・高マージンにする――と3つの提案があり、日書連からも6項目から成る粗利益30%以上実現についての「試案」を提示したと報告。「日書連、各都道府県組合で出版社からの提案について議論したい。出版社も取次も書店の状況を理解しており、実務者会議では良案が出てくると思っている」と期待を示した。
大阪出版取次懇話会・服部達也代表幹事(大阪屋栗田)は「年末年始はあまり良くなかったが、1月4日以降は回復した」と報告。「電子書籍やEC(電子商取引)が進む欧米では、紙の書籍の底打ち反転のトレンドが見られる。日本でも同じトレンドを期待したい」と述べた。また、「ムーアの法則で電子部品がこの10年で低廉化。店舗コストを下げ、営業効率を上げる仕組み作りが取次の課題」と述べた。
日販・竹山隆也関西支社長は「大阪の書籍販売金額は前年比4・7%増と、全国平均を6ポイント上回り、良い状況にある。改元など歴史に残る今年は、地に足をつけ、下を向かずに目線を上げ、リアル書店の利益を考えていく」とあいさつし、乾杯した。
創元社・矢部敬一社長は、消費税が1989年に導入されてからの業界の売上減少と混乱について説明。「与党税制改正大綱で、10月1日の消費税率引き上げ時の書籍・雑誌への軽減税率適用は見送られたが、出版4団体が協力して軽減税率を訴え、書籍・雑誌については『引き続き検討』と次につながる文言が盛り込まれたことは良かった」と中締めのあいさつを行い、三本締めで閉会した。(石尾義彦事務局長)

「本の売上低迷に歯止めを」/藤原理事長が抱負語る/宮城新年懇親会

平成31年度宮城県書店商業組合・出版・取次・運輸の合同新年懇親会が1月7日、仙台市青葉区のメトロポリタン仙台で開催され、総勢52名が出席。宮城組合・藤原直理事長(金港堂)は、本の売上低迷に歯止めをかける年にしたいと新年の抱負を語った。
懇親会は、司会の梅津清太郎専務理事(八文字屋書店)の宣言で開会。はじめに宮城組合の藤原理事長が新年のあいさつを行った。
藤原理事長は「2018年の漢字は『災』。14年前の2004年も同じ漢字で、新潟県中越地震が発生した。また、今年の干支の『亥年』を振り返ると、24年前の1995年は阪神淡路大震災が発生した年で、出版業界にとっては再販問題に一応の決着がついた年だった」と述べた。
また、消費税増税について「出版物へ軽減税率が適用されるよう努力してきたが、残念ながら『引き続き検討する』とされて見送られた」と報告。「諸外国に目を向ければ、ドイツ、アメリカ両国の書籍の売上げは下げ止まっており、我が国もそろそろ下げ止まることを期待する」と語った。
続いて、日販の椎木康智東部支社長が祝辞を述べ、年末年始の店頭売上状況は総合で4・3%減、東北地区は8・0%減と報告。「地元に根差した商売で業界が繁栄するよう協力していきたい」と述べた。
トーハンの菊池史貴東北支店マネージャーは、年末年始の売上げについて東北9・0%減、宮城6・8%減と報告し、乾杯した。
歓談の後、恒例の年男年女の紹介を行い、トーハンの木村明、岡部書店の岡部栄二、冠文堂書店の小野しづ子、金港堂書店の桜井和明の4氏に壇上で記念品を贈呈。続いて、参加各社が順番に登壇して今年の抱負やあいさつを述べ、梅津専務理事の一本締めで閉会した。(照井貴広広報委員)

講談社が芥川賞と直木賞ダブル受賞/2000年上期以来19年ぶり

日本文学振興会は第160回芥川賞・直木賞の選考会を1月16日、東京・中央区の新喜楽で開き、芥川賞は上田岳弘氏の「ニムロッド」(群像12月号)と町屋良平氏の「1R1分34秒」(新潮11月号)、直木賞は真藤順丈氏の『宝島』(講談社)に決定した。講談社作品のダブル受賞は2000年上期以来19年ぶり。
贈呈式は2月下旬、都内で開かれる。

春井理事長「次世代のため環境整える」/愛知組合新春賀詞交歓会

愛知県書店商業組合は1月15日、名古屋市千種区のホテルルブラ王山で平成31年新春賀詞交歓会を開催。組合員27名、取次13名、出版社31名など計77名が出席した。春井宏之理事長は、書店業界の環境整備を行うことで次世代につなげたいと抱負を語った。
冒頭のあいさつで春井理事長は、今年、いくつかの出版業界の企業・団体で新年会が中止となったことに触れ、「ふだん地元にいない出版社とあいさつする機会をなくさないため、愛知組合は新春賀詞交歓会を中止せず開催することにした」と報告。
また、環境問題に言及し、「多くの書店で書籍をビニール袋に入れてお客様に渡しているが、ほとんどのお客様は家に持ち帰った時、リサイクルすることなくゴミ袋に捨てている。今までPP(ポリプロピレン)バンドなどプラスチックのリサイクルを引き受けてくれていた中国の企業が、引き受けなくなった。出版業界も国内でリサイクルできるようにして、環境問題で社会貢献しなければならない」と訴えた。
最後に、今年は役員改選期にあたることを報告し、「50歳代以上のある程度意見の言える立場の者が、次世代のために環境を整えなければならない」として、「まだ片付けなければならないことが多く残っている。その問題を乗り越えて次につなげていきたい」と新年の抱負を語った。
続いてトーハン・金子俊之名古屋支社長が年末年始の売上状況を報告。『日本国紀』(幻冬舎)を引き合いに、「日本が明治維新、大東亜戦争という2度にわたる大きな波を乗り越えられたのは、知識が王侯貴族だけのものではなく、庶民も文化教養を共有できていたから。昨今の波も乗り越えられるはず」とあいさつし、乾杯した。
中締めのあいさつで、ポプラ社・五十嵐大名古屋営業所課長は、同社が2014年に作成した企業理念を読み上げ、『おしりたんてい』のセブンイレブン先行発売について経緯を説明したものの、解決策への言及はなかった。
(近藤五三六広報委員)

春の書店くじ実施要項

▽実施期間平成31年4月20日(土)より30日(火)まで。書籍・雑誌500円以上購入の読者に「書店くじ」を進呈
▽発行枚数110万枚。書店には1束(500枚)3571円(税別)で頒布
▽申込方法と申込期限注文ハガキに必要事項を記入し、束単位で所属都道府県組合宛に申し込む。締切は2月20日(厳守)
▽配布と請求方法くじは取引取次経由で4月18日前後までに配布。代金は取引取次より請求
▽当せん発表5月25日(土)。日書連ホームページ並びに書店店頭掲示ポスターで発表
▽賞品総額682万円
当せん確率は23本に1本
1等賞=図書カード
又は図書購入時充当5000円
110本
2等賞=同1000円220本
3等賞=同500円3300本
4等賞=図書購入時に充当100円
44000本
▽賞品引き換え取り扱い書店で立て替え。図書カードの不扱い店または図書カードが品切れの場合は、お買い上げ金額に充当
▽引き換え期間読者は5月25日より6月30日まで。書店で立て替えた当せん券は7月31日までに「引換当せん券・清算用紙」(発表ポスターと同送)と一緒に日書連事務局に送付
▽PR活動全国書店新聞に実施要項を掲載。日書連ホームページで宣伝。「春の書店くじ」宣伝用ポスターは日書連ホームページよりダウンロード(郵送はしません)

「春夏秋冬本屋です」/「本屋、つづけててよかった。」/東京・山陽堂書店取締役・遠山秀子

「なんで本屋なんかに生まれちゃったんだろ」、重い本を運びながら思っていた。友達はもっと時給のいいバイトで稼いでいた。学生時代は授業が終わると店番直行。父は店の前で私の帰りを待ち、姿を見つけるやいなや隣の珈琲屋に入っていくのである。中学の時から、私には「店番」がつきまとっていた。
そんな父だったが、結婚で日本を離れるときは気持ちよく送り出してくれた。あとが大変なのは私が一番知っている、ありがたかった。約1年後の帰国時、父は病に倒れていた。翌日から私は再び店に立った。その間私は身ごもり、父は2人目の孫の誕生1ヵ月前に58歳で亡くなった。私は産後の肥立ちが悪く店番ができなくなってしまった。そんな時、不思議なご縁で助っ人が現れた。彼女は「100年もつづくなんてすごいわねえ」と言ってくれた。「そうなんだあ」と思った。
あれから約30年、この間店に対する気持ちが変化した。「愛着」がわいてきたのだ。それは父亡き後、私の知らない父や山陽堂書店や青山を語ってくれたお客様や本屋仲間のおかげである。
一昨年、女系家族に60年ぶりに誕生した5世代目の甥が山陽堂書店の社員になった。今、仲間の皆様に大変お世話になっている。次世代と新しい本屋の形を模索していこう!そう思っている。書店新聞に掲載していただき光栄でした、感謝。

「万引犯への損害賠償請求」/パンフレットを制作・頒布/万防機構

全国万引犯罪防止機構(万防機構)はこのほど万引犯に対する民事責任の追及のノウハウをまとめたパンフレット「始めよう!万引犯への損害賠償請求」を制作し、配布を開始した。
このパンフレットは、一昨年3月に開催された「万引対策国際会議2017」で発せられた6項目の「万引対策強化宣言」のうち、「万引犯に対する民事責任の追及」を具現化したもの。万引犯補足後にかかる従業員の人件費などを万引犯に損害賠償請求する取り組みを普及することが目的。万引犯への損害賠償請求の仕組みに2005年から取り組み、不明ロス率を1・5%0・08%に改善した三洋堂書店(愛知県名古屋市)のノウハウを詳しく開示している。
万防機構では1部100円、50部単位で頒布(送料別)。日本万引防止システム協会、エイジスリテイルサポート研究所、日書連、東京都書店商業組合などから引き合いがあり、2500部強を配付済み。
万防機構調査研究委員会・加藤和裕委員長(三洋堂書店)は「この仕組みが広がり、万引したら損害賠償が請求されるのが当たり前の世の中にしたい」と話している。
万防機構のこの提案を受け、万引防止出版対策本部は、万引きの深刻な被害とその対応に苦慮している全国の書店に拡大・普及したいとしている。
問い合わせ・パンフレット申し込みは万引防止出版対策本部まで。℡090(6528)7911メール=bgny-abe@kk.iij4u.or.jp

これからはリアル書店の出番/犬石理事長が年頭あいさつ/京都出版業界新春を祝う会

京都出版業界・新春を祝う会が1月9日、京都市中京区の京都ホテルオークラで開かれ、組合書店30名、取次10名、出版社など業界関係者64名、合計104名が出席。京都府書店商業組合・犬石吉洋理事長(犬石書店)は、ネット通販での本の販売が転換点を迎えたとの認識を示し、「リアル書店の出番がきた」と力強く年頭あいさつを述べた。
犬石理事長は「今年から『新年互礼会』から『新春を祝う会』に名称を変更し、主催者の枠組みを変えた。これからも続けていきたい。年末年始の売上げ速報によると、全体的に前年比でマイナスだったものの、コミックの下げ幅が小さいのは漫画村の閉鎖や単価のアップが寄与している。また、アマゾンが大半の雑誌を合わせ買い商品に指定したことは、出版社からすれば賛否両論かもしれないが、書店にとっては間違いなく朗報。今後、単価の低い文庫等にも拡大されていくことが予想される。ネット通販における本の販売が転換点を迎えたと言っても過言ではない。ここまで生き残ってきたリアル書店の出番がやってきた」と新春のあいさつを述べた。
続いて来賓のトーハン・斉藤貴取締役近畿支社長は「出版業界は厳しい状況が続くが、昨年1年間と12月29日~1月4日の販売動向が偶然にも一致している。特に児童書が好調。出版社のコンテンツ力の強さや、書店の長年にわたる売場改善の積み重ねなど、新しい読者の開拓に努めたことが数字になって表れた。一方、雑誌の底の見えない状況は、出版輸送の危機でもある。プロダクトアウト型の出版流通を見直す必要がある。昨年、トーハンと日販は物流協業の検討を開始。危機困難に立ち向かっていく」と述べた。
聖教新聞社・新井正人氏の発声で乾杯。歓談の後、中締めのあいさつで大垣全央副理事長(大垣書店)は「書店、出版社、輸送会社は、人が会社を動かしている。時代は変わっても人は変わらない。京都本大賞などの新しい取り組みをもっと広げ、これからも生き残っていけるよう組合として支援していきたい」と述べ、閉会した。
(若林久嗣広報委員)

12月期は前年比変わらず/4年9ヵ月ぶりにマイナスから脱す/日販調査店頭売上

日販営業推進室調べの12月期店頭売上は、雑誌、書籍、コミック、開発品合計で前年比変わらずだった。マイナスから脱したのは、2014年3月以来、4年9ヵ月ぶり。
雑誌は同5・3%減だった。内訳を見ると、月刊誌は同3・2%減、週刊誌は同9・3%減、ムックは同7・0%減。月刊誌は「otohaMUSE2月号」(宝島社)がDEAN&DELUCA特大デリバッグ付録で牽引。週刊誌は前年の「鉄腕アトムを作ろう」(講談社)の反動減。ムックは年賀状・家計簿の売上が微減だった。
書籍は同2・0%減だった。児童書、学参、文庫が前年比でプラス。児童書は『おしりたんてい ププッ ゆきやまのしろいかいぶつ!?』(ポプラ社)、『わけあって絶滅しました。』(ダイヤモンド社)が牽引。学参は『英単語の語源図鑑』(かんき出版)が引き続き好調で、17年12月以来のプラス。文庫は佐伯泰英の『空也十番勝負青春篇未だ行ならず上・下』(双葉社)が貢献し、16年9月以来、2年3ヵ月ぶりのプラスとなった。
コミックは同13・0%増で、5ヵ月連続プラスとなった。『ONEPIECE91』『僕のヒーローアカデミア21』(ともに集英社)が牽引した。

生き残るための戦略構築訴え/福岡県出版業界新年の会で安永理事長

平成31年福岡県出版業界新年の会が1月9日、福岡市博多区の八仙閣で開催され、出版社、取次、書店、運輸など総勢69名が出席。福岡県書店商業組合の安永寛理事長(金修堂書店)は生存戦略構築の必要性を訴えた。
新年の会はトーハンの多田真九州支店長の司会で進行。初めに出版社を代表して小学館パブリッシング・サービスの山脇督史九州支社長は「昨年、出版業界は輸送問題や西日本豪雨災害など暗いニュースが多かったが、海賊版サイトの閉鎖や一部出版社の値上げによってコミックが回復基調にあるなど明るい話題もある。今年はこのような明るい話題が多くなることを願う」とあいさつした。
書店を代表してあいさつした安永理事長は「今年は亥年。本日も年男・年女の方が9名いらっしゃるが、出版不況を乗り越えるべくダッシュしてこの1年を頑張り、我々を引っ張っていただきたい。我々もそれについて行く。県内の書店も少しずつ次の世代に交代している。今後どうやって書店を経営していくのか、生き残るためにはどうするべきか、自分たちで生存戦略を練っていかないといけない」と述べた。
続いて日販の萬羽励一九州支店長は、年末年始の売上げデータ動向に基づき「中四国、九州地区は総合で前年比3・6%減と厳しい数字になった。ただ、12月単月で見ると久しぶりに前年を超え、若干ではあるが明るい兆しも見えてきた」と報告。「出版業界は市場規模がピーク時の半分以下になってしまった。まさに今が正念場。協力して難局に立ち向かっていこう」と呼びかけた。
天龍運輸の千綿康英取締役福岡支店長の発声で乾杯の後、恒例の年男・年女への記念品贈呈や抽選会の開催などで盛り上がり、懇親を深めた。
最後に山本太一郎(福岡金文堂)、大石宏典(大石金光堂)、眞武和浩(天龍運輸)の3氏による祝い目出度が披露され、山本氏の博多手一本で閉会した。(加来晋也広報委員)

創立70周年を第二の創業期の始まりに/トーハン新年仕事始め式

トーハンは1月7日、東京・新宿区の本社で新年仕事始め式を行った。近藤敏貴社長のあいさつ要旨は以下の通り。
4月から5ヵ年の中期経営計画「REBORN」がスタートする。計画の2本の柱は「本業の復活」「事業領域の拡大」だ。計画を通じて皆さんに受け止めてほしいのは、「トーハンは本気で生まれ変わる」ということ。その変化の先にこそ未来は開かれている。
「新春の会」は、出版界の諸般の事情に鑑みて今年は開催を見送ったが、トーハンが本気で変わることを内外に示す1つのメッセージと捉えてほしい。いずれは「新春の会」も復活させたいと考えている。そのためにも全力で中期経営計画の達成を目指していこう。
今年は「平成」に続く新しい時代が幕を開ける。トーハンが創立70周年を迎える節目の年でもあり、本年を第二の創業期の始まりとなすべく、覚悟と勇気を持って挑戦を続けていこう。

2019年新年名刺交換会・各団体代表あいさつ/『出版クラブだより』2019年1月1日号より概要

〔真新しいビルで、次世代の出版界の地図を描く/日本出版クラブ会長・野間省伸〕
例年通り、昨年の出版界の好調な本に触れたい。3年連続で取り上げることになるが、児童書が好調だ。「漫画君たちはどう生きるか」(マガジンハウス)は一昨年の8月に刊行されたが、200万部を超え、昨年度のベストセラー第1位にもランクインした。3年前に創刊された「ざんねんないきもの事典」シリーズ(高橋書店)は、生き物のネガティブな生態に着目したヒット企画だが、「わけあって絶滅しました。世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑」(ダイヤモンド社)が、生き物たちの絶滅した理由を自ら語るという「自虐的」な切り口が高い支持を受け、発売5ヵ月で40万部に達した。事典・図鑑物には、まだまだ企画発掘の余地がありそうだ。
日本出版クラブの事業に話を移すと、「出版平和堂出版功労者顕彰会」の記念すべき第50回に向けて、第3期改修工事として、昨夏、歩道のアプローチの補修及び、遊歩道の新設工事を施行した。足元の整備された環境の下、10月5日に参会者が106名集い、出版関係者の物故功労者9名の方の顕彰をした。
3年目を迎えた「出版業界連続学生セミナー」は回を重ねるごとに盛況になってきた。昨年3月に本セミナーの口火を切る「出版業界『就活』キックオフセミナー」として、ノーベル文学賞受賞作家・カズオ・イシグロ氏の担当編集者である早川書房山口晶執行役員が登壇。6月から8月にかけては、山口ミルコ講師(元幻冬舎編集者)によるサマーセミナー’18「編集者になるまでに身に着けておきたいこと」を行った。講談社の奥野仁校閲部長のセミナー「校閲の勘所」は出版社の社員・学生双方に評判を集め、出席者が150名を超えた。これからも出版業界で豊富な経験をした講師を招いて、出版界を志す若き学生の力を獲得するために、皆様のお役に立ちたいと思っている。
10月19日に袋町から神保町に移転し、10月31日に出版業界団体向けのホール・会議室の内覧会を開催し、11月1日に出版クラブホールのこけら落しとして「角野栄子さん『国際アンデルセン賞』受賞を祝う会」で約200名の出席者が集う中で華々しく営業をスタートした。
真新しいスタイリッシュな出版クラブビルに13の出版関連団体が一堂に会することは、画期的なこと。この今の時期が正しく最大の好機と思う。横の連携を密にし、風通しの良い環境を作り、総力を結集して出版業界が活性化する新たな地図を描こう。本年も皆様の今まで以上のご愛顧をお願いする。
〔平成最後の新年に思う/日本書籍出版協会理事長・相賀昌宏〕
昨年は、海賊版対策、出版物への軽減税率適用要望、物流問題といった難問に立ち向かった1年だった。
海賊版問題は、知的財産戦略本部の海賊版タスクフォースで白熱した議論が行われたが、民間の関係事業者等が連携して総合的な対策を進めていく態勢づくりに向けて大きな前進があった。文化庁の著作権審議会でも、リーチサイト規制や静止画ダウンロード違法化に関する法改正の検討が前向きに進められている。昨年11月からは、正規版の電子書籍を提供する電子書店や出版社サイトにABJマークを掲載していただき、適正サイトを明瞭に区別する取り組みも始まった。コンテンツが適切な形で利用され、創造のサイクルが途切れないようにするため今後も努力を続けていく。
軽減税率の適用要望に関しては、昨年1年をかけて出版広報センターを中心に、読者の理解を得るための新聞広告の掲載を行い、また、関係省庁、議員等への説明を精力的に行った。
物流問題については、これまで出版流通を支えてきたインフラの根幹を揺るがす大問題だが、様々な要因が関わることであり、一朝一夕には解決できるものではなく、慎重な検討が必要だ。雑誌だけの問題ではなく、業量の平準化など、書籍流通にも関わる問題であり、当協会会員社間でも問題意識の共有化をさらに図っていく。
2016年を最後に途絶えてしまっているブックフェアについては、現在、参加社の負担をできるだけ軽減した無理のない方法による再開の実現可能性について検討しているところだ。
昨年から、11月1日が「本の日」に制定され、すべての出版関係者が11月1日には書店に行くようにとの呼びかけを行った。1日だけのことでなく、毎日多くの読者が書店を訪れるよう、本の世界の魅力をもっとアピールしていかなければならない。
新しい年が、明るい話題と未来への展望が開ける年になるよう皆様とともに努めていきたい。
〔雑誌の価値を問い直し新たな行動に挑戦する/日本雑誌協会理事長・鹿谷史明〕
雑誌は読者が主役のメディアだ。デジタルイノベーションを背景にメディア環境が大きく変わる今こそ、雑誌づくりの原点に戻り、読者の視点で編集力を高めていく必要がある。
当協会は昨年末に「編集者ゼミ」シリーズ1を開講した。若手雑誌編集者を主な対象に、人脈の作り方、企画の引き出し方、文章作法の基本からITスキルなど雑誌編集のノウハウを身につけてもらうための「少数精鋭ゼミ」だ。本年も多角的にテーマを設定し、実施していく予定だ。
出版流通をとりまく環境は大変厳しいが、抜本的改革を目標に一昨年から取次協会と協力して発足した「合同流通PT」では、出版、取次、印刷・製本、輸送、小売店などそれぞれの立場にとどまらず、読者、消費者の目線に立った角度でこれまでに無い踏み込んだ議論を重ねている。
業量の平準化を目的とした発売日の分散については、1ヵ月の業量を点数、冊数、重量で調査し、業量の集中が著しかった定期誌の発売日分散化に取協と合同で取り組んだ。また雑誌扱いで様々な形態の出版物や商品を流通させる目的で「雑誌コード活用研究会」を立ち上げ、9月から実証実験を始めている。各社が柔軟な発想で商品を開発して新たな可能性に挑戦していく予定だ。
書店活性化を目指して若手を中心にスタートした「次世代雑誌販売戦略会議」では2年目となる「とって置きキャンペーン」を全国1400書店で実施した。今後も次世代メンバーが中心となって、書店店頭を盛り上げる施策を実行していく。
10年後の雑誌界がもっと魅力的なものになり、若者が働きたくなる業界にすること、雑誌の面白さ、魅力、社会的価値をもう一度問い直して、アクションを起こす年にしたい。
〔出版流通の新時代へ向かって/日本出版取次協会会長・近藤敏貴〕
昨年は、度重なる災害もあり、出版物流の安定継続の課題がより鮮明に浮き彫りとなった。被災された方に心からお見舞い申し上げ、長らく輸送遅延でご迷惑をおかけした地域の皆様に改めてお詫び申し上げる。
2018年の推定販売金額を単純に金額だけを比べた場合、市場規模は1980年前後と同等まで縮小しつつある。当時の業界における情勢認識を、1982年の新年名刺交換会の取材記事からたどってみると、2018年の記事と言われても違和感がないことに驚かされる。
特に、現在の出版物流は、慢性的な人手不足の中、輸送会社はじめ現場スタッフの献身的な努力によって辛うじて維持されている状況だ。取次協会としても、出版社・書店と連携し、種々の取り組みを通じて出版物流ネットワークの強化を目指しているが、今後、まずはJPROを業界共通の情報インフラとしてしっかりと活用し、読者の視点で流通の仕組みを変えていくことが重要だと思う。
また、トーハン社長の立場としても、目下ICタグやAIといったテクノロジーの活用を積極的に研究している。さらに、2018年11月19日に発表した「物流協業に関する検討開始のお知らせ」の通りに、マーケットインを目指した抜本的な流通改革を目指し、あくなき挑戦を続けていく。
私ども販売会社としては、新たな発想で著者と読者と結ぶ本の流れを効率化し、その成果を出版業界全体で分かち合っていくことで、旧来の仕組みに起因する厳しい情勢を大きく転換し、新時代にふさわしい進化した出版流通ネットワークを構築できると考えている。
2019年が、改元とともに現代出版史の転換の年として後の世に記憶されるように、取次協会としても他出版団体と手を取り合い、全力を尽くしていく。

「教育の充実に貢献」初心に立ち返る/第68回日教販春季展示大市会

第68回日教販春季展示大市会が、1月9日に東京・新宿区のホテルグランドヒル市ヶ谷で開催された。
展示場では学習参考書・辞典約4千点を陳列したほか、書店研修会や、デジタル事業部、販売促進部、特約外商部によるミニセミナーが開催された。
セレモニーでは日教販の渡部正嗣社長があいさつ。平成30年9月期の業績について、「経常利益段階まで増収増益という成果を上げることができ、着実な一歩を踏み出すことができた」と述べた。
同社の施策に関しては、漠然とした商品知識や目標意識で来店した客に、どういう理由でどの商品を買ったらよいかを示す「ストーリー」を盛り込んだ売場作りの提案や、日教販がイメージする売場を戸田センター1階に再現した「NKラボ」などについて説明した。
最後に、今年9月に70周年を迎えるとして、「教育の充実に貢献するという初心に立ち返り、人々が望む教育図書や情報をタイムリーに届けることを第一に考え、その実現に向けた企業努力を全力で行っていく」と結んだ。
来賓を代表してあいさつした日書連の舩坂良雄会長は、20年からスタートする新学習指導要領では能動的学習の促進を重視しており、学生の読解力向上がなければ目標達成は望めず、有意義な読書機会を提供することが読解力向上につながると指摘。辞典、学習参考書の販売に努力し、日教販や出版社との協力を継続していくとともに、一刻も早く書店の経営環境を安定させることが日書連の優先的な課題だと述べた。
辞典協会・北口克彦理事長の発声で乾杯、福島日教販会の西猛会長から渡部社長に白河ダルマが贈呈され、来賓全員で片目を入れて新春商戦を祝った。

日教販役員人事

日教販は12月25日開催の定時株主総会ならびに取締役会で下記の役員体制を決定した。◎昇任、○新任。
代表取締役社長・社長執行役員(全体統括販売促進部、特約外商部担当)
渡部正嗣
専務取締役・専務執行役員(教科書部、仕入部、デジタル事業部担当在庫管理担当)◎小野田裕
常務取締役・常務執行役員(管理企画部長関連会社担当)◎山脇研吾
常務取締役・常務執行役員(業務部長情報システム部、物流管理部担当)
◎青木淳
取締役〔社外取締役・第一学習社代表取締役〕
松本洋介
取締役〔社外取締役・日本出版販売専務取締役〕
安西浩和
監査役○宮下謙一
執行役員(仕入部長)
服部健
同(販売促進部長)
山川知則
同(物流管理部長)
木築正人
同(特約外商部長)
浦上治明
同(情報システム部長)
○神谷直樹
同(デジタル事業部長)
○加藤幸彦
同(西日本統括部長)
○秋葉良浩

心にのこる子どもの本新学期・夏休みセール

2019年「心にのこる子どもの本新学期・夏休みセール」は、従来よりお求めやすいボリュームの厳選銘柄セットをご用意しました。①絵本この1冊(39点39冊)、②読み物この1冊(39点39冊)、③あそびと学習(53点53冊)、④書店が選んだ子どもの本(63点63冊)の4セットとなります。送本条件は引き続き7ヵ月長期委託です。お店の児童書コーナーの充実に是非ご活用ください。
申込み締切は2019年2月28日(木)必着です。締切日厳守にご協力ください。
【絵本この1冊セット】
▽ミルフィのたからさがし(あかね書房)▽サイモンは、ねこである。(あすなろ書房)▽だいぶつさまのうんどうかい(アリス館)▽おかしになりたいピーマン(岩崎書店)▽どんぐりむらのいちねんかん(学研プラス)▽いちばんしあわせなおくりもの(教育画劇)▽心ってどこにあるのでしょう?(金の星社)▽ペンギンクルーズ(くもん出版)▽はなびのひ(佼成出版社)▽おおきくなったらきみはなんになる?(講談社)▽だって…(国土社)▽しんかいたんけん!マリンスノー(小峰書店)▽ここが家だベン・シャーンの第五福竜丸(集英社)▽ちいさいサンパン(出版ワークス)▽大名行列(小学館)▽ニャンコどこいった?(少年写真新聞社)▽ザワザワ!おばけのおたのしみかい(新日本出版社)▽おかしなめんどり(鈴木出版)▽10ぴきいもむしだいこうしん(大日本絵画)▽そらからふるものなんだっけ?(大日本図書)▽わたしのくらし世界のくらし(汐文社)▽村じゅうみんなで(徳間書店)▽おしいれのぼうけん(童心社)▽おいしいみず(農山漁村文化協会)▽すすめ! かいてんずし(ひかりのくに)▽どうぞのいす(ひさかたチャイルド)▽月とアポロとマーガレット(評論社)▽おどりたいの(BL出版)▽おしっこちょっぴりもれたろう(PHP研究所)▽どろんばあ(福音館書店)▽きょうだいぎつねのコンとキン(フレーベル館)▽ブルドッグたんていときえたほし(文溪堂)▽タイショウ星人のふしぎな絵(文研出版)▽こぶしのなかの宇宙(平凡社)▽あおいちびトラ(保育社)▽ぼくらはいけのカエル(ほるぷ出版)▽アニマルバスとわすれもの(ポプラ社)▽としおくんむし(光村教育図書)▽まよなかかいぎ(理論社)
【読み物この1冊セット】
▽ふしぎパティシエールみるかミラクルスプーンでドッキドキ!(あかね書房)▽シャーロットのおくりもの(あすなろ書房)▽きくち駄菓子屋(アリス館)▽ルルとララのアニバーサリー・サンド(岩崎書店)▽こだわっていこう(学研プラス)▽ひみつのきもちぎんこうかぞくつうちょうできました(金の星社)▽兄ちゃんは戦国武将!(くもん出版)▽ぼくが見たお父さんのはじめてのなみだ(佼成出版社)▽マイナス・ヒーロー(講談社)▽ビューティフル・ネーム(国土社)▽明日にトライ!リーチ・マイケル物語(小峰書店)▽子ぶたのトリュフ(さ・え・ら書房)▽少年少女世界名作の森絵のない絵本(集英社)▽魔女のレッスンはじめます(出版ワークス)▽あこがれガールズコレクションストーリーケーキ屋さん物語(小学館)▽小林先生に学ぶ動物行動学(少年写真新聞社)▽幽霊屋敷貸します(新日本出版社)▽四人のヤッコ(鈴木出版)▽国語好きな子に育つ たのしいお話365(誠文堂新光社)▽たんけんクラブシークレット・スリー(大日本図書)▽スマイリー目の見えないセラピー犬(汐文社)▽熊とにんげん(徳間書店)▽かあちゃん取扱説明書(童心社)▽「孫たちは帰らない」けれど(農山漁村文化協会)▽ミカちゃんのひだりて(ひかりのくに)▽かいじゅうのさがしもの(ひさかたチャイルド)▽幽霊王とキツネの大作戦弱小FCのきせき(評論社)▽マネキンさんがきた(BL出版)▽54字の物語(PHP研究所)▽さよなら、おばけ団地(福音館書店)▽助っ人マスター(フレーベル館)▽小さいママと無人島(文溪堂)▽ビワイチ!(文研出版)▽サ・ランド・オブ・ストーリーズ①願いをかなえる呪文(平凡社)▽未来の健康防衛隊(保育社)▽星空を届けたい出張プラネタリウム、はじめました!(ほるぷ出版)▽おばけのアッチとくものパンやさん(ポプラ社)▽ゴードン・パークス(光村教育図書)▽歯っかけアーメンさま(理論社)
【あそびと学習セット】
▽宇宙めいろブック(あかね書房)▽実物大!世界のどうぶつ絵本(あすなろ書房)▽サメだいすきすいぞくかん(アリス館)▽これでカンペキ!マンガでおぼえる四字熟語(岩崎書店)▽学研の図鑑LIVEeco異常気象天気のしくみ/LIVEビジュアルクイズ図鑑さがせ!かくれる生き物(学研プラス)▽齋藤孝の覚えておきたい日本の行事/アヒル隊長をさがせ!/ユーチューバーになるには?(金の星社)▽じゅっぴきでござる(佼成出版社)▽くぼた式脳をきたえるシールあそび/もったいないばあさんのおいしいあいうえお/EXMOVE猛毒の生きもの(講談社)▽オニの生活図鑑(国土社)▽築地市場(小峰書店)▽満点ゲットシリーズちびまる子ちゃんのまちがいさがし/満点ゲットシリーズちびまる子ちゃんのなぞなぞ365日(集英社)▽ぼく、ちきゅうかんさつたい(出版ワークス)▽宇宙について知っておくべき100のこと/小学館の図鑑NEO危険生物DVDつき(小学館)▽虫のしわざ探偵団(少年写真新聞社)▽フルーツじまのなかまたちベリーミミちゃんをすくいだせ!(新日本出版社)▽GoodMorning,Hedgehogおはよう はりねずみくん(鈴木出版)▽子供の科学STEM体験ブック実験でわかる科学のなぜ?/子供の科学STEM体験ブックためしてわかる身のまわりのテクノロジー/子供の科学★ミライサイエンスコンピューターってどんなしくみ?(誠文堂新光社)▽めくってみつけてうみのなか(大日本絵画)▽ともだちのつくりかた/すきなことのみつけかた(大日本図書)▽伝統あそびで国際交流!英語であやとり(汐文社)▽子パンダシャンシャン成長日記/ため池の外来生物がわかる本(徳間書店)▽今森光彦の昆虫教室とりかた・みつけかた(童心社)▽菌の絵本なっとう菌(農山漁村文化協会)▽改訂新版辞書びきえほん国旗/改訂新版辞書びきえほん日本地図(ひかりのくに)▽はるのくさばなあそび(ひさかたチャイルド)▽おしりつねり(BL出版)▽忍者の迷路/はじめてまなぶもちかたのえほん(PHP研究所)▽にゅうどうぐも/昆虫の体重測定(福音館書店)▽たかいたかーい(フレーベル館)▽おしごとずかんおとこのこ(文溪堂)▽ビジュアル解説!毒をもつ生き物図鑑(文研出版)▽新訂第7版ジュニア地図帳こども日本の旅(平凡社)▽くすりの教室①くすりってなに?(保育社)▽謎新聞ミライタイムズ①ゴミの嵐から学校を守れ!/マンガでマスタープログラミング教室/マンガでマスターYouTuber教室(ポプラ社)▽イードのおくりもの(光村教育図書)▽だじゃれ世界一周/あいうえおうさま(理論社)
【書店が選んだ子どもの本セット】
▽あのねあのね/じてんしゃのれるかな(あかね書房)▽ちびちっち/夏がきた(あすなろ書房)▽星につたえて(アリス館)▽きゅうきゅうしゃのぴーとくん(岩崎書店)▽めくって学べるきかいのしくみ図鑑(学研プラス)▽おばけのやだもん/たべてあげる/ちいさなちいさな こおりのくに/ポコポコゼリー(教育画劇)▽ばけるニャンまほうのほうきレース/小学生まじょとおしゃべりなランドセル(金の星社)▽なにをたべてきたの?(佼成出版社)▽パンダなりきりたいそう/ちゅうちゅうたこかいな(講談社)▽名探偵犬バディすりかわったチャンピオン犬(国土社)▽コウノトリのコウちゃん(小峰書店)▽育てて、調べる日本の生きものずかん①クワガタムシ(集英社)▽ぼくのつくりかた(出版ワークス)▽いもうとガイドブック/あるあさ(少年写真新聞社)▽おっちゃん山(新日本出版社)▽まーだだよ(鈴木出版)▽惑星MAPS~太陽系図絵~(誠文堂新光社)▽美女と野獣(大日本絵画)▽とりかえっことりかえっこ(大日本図書)▽えほん遠野物語でんでらの/えほん遠野物語ごんげさま(汐文社)▽きのうをみつけたい!(徳間書店)▽うまれてきてくれてありがとう/でんしゃがきました/なでなでももんちゃん/いないいないばあ/先生、しゅくだいわすれました(童心社)▽イチからつくるカレーライス(農山漁村文化協会)▽けんかはやめやさーい/おやすみやさい/ごめんやさい/ありがとまと(ひかりのくに)▽しあわせならてをたたこう/せんそうをはしりぬけた『かば』でんしゃ(ひさかたチャイルド)▽ぼくのかえりみち/わすれもの(BL出版)▽おべんとうしろくま/ごみじゃない!/いちにちなぞのいきもの(PHP研究所)▽おばけのえんそく/こぶたほいくえん/トマトさん(福音館書店)▽チャーリーとローラぜったいたべないからね(フレーベル館)▽エメラルドのさがしもの(文溪堂)▽小学校がなくなる!(文研出版)▽こいぬのうんち/見えない蝶をさがして(平凡社)▽おとうさんぼくね…(保育社)▽せかいかえるかいぎ/魔法の庭ものがたり(22)ハーブ魔女とふしぎなかぎ/かいけつゾロリのドラゴンたいじ2/ぼくが消えないうちに(ポプラ社)▽わすれたって、いいんだよ(光村教育図書)▽本屋さんのルビねこ/ぼくのドラゴン(理論社)

本屋大賞ノミネート10作品を選出

本屋大賞実行委員会は1月22日、「2019年本屋大賞」ノミネート10作品を発表した。一次投票で全国の493書店、書店員623名が投票し、上位10作品を選出。二次投票を経て、4月9日に大賞を発表する。ノミネート作品は次の通り。▽『愛なき世界』三浦しをん(中央公論新社)▽『ある男』平野啓一郎(文藝春秋)▽『さざなみのよる』木皿泉(河出書房新社)▽『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ(文藝春秋)▽『熱帯』森見登美彦(文藝春秋)▽『ひと』小野寺史宜(祥伝社)▽『ひとつむぎの手』知念実希人(新潮社)▽『火のないところに煙は』芦沢央(新潮社)▽『フーガはユーガ』伊坂幸太郎(実業之日本社)▽『ベルリンは晴れているか』深緑野分(筑摩書房)

野間文芸賞に橋本治氏『草薙の剣』/野間文化財団・野間文芸3賞贈呈式

野間文化財団が主催する野間文芸賞3賞の贈呈式が、12月17日に東京・千代田区の帝国ホテルで開催された。
今回受賞したのは、第71回野間文芸賞に橋本治氏『草薙の剣』(新潮社)、第40回野間文芸新人賞に金子薫氏『双子は驢馬に跨がって』(河出書房新社)、乗代雄介氏『本物の読書家』(講談社)、第56回野間児童文芸賞は安東みきえ氏『満月の娘たち』(講談社)。
贈呈式では、野間文化財団の吉川英明理事長が「次回から野間出版文化賞を新設し4賞となる。賞がますます世間の注目を浴びるようになればと思っている」とあいさつ。続いて講談社の野間省伸社長が各受賞者に賞を授与した。
野間文芸賞選考委員の町田康氏は「受賞作はこれまでの小説と違う形で時代と個人をとらえた。英雄的ではない普通の人が時代を動かしお互いに影響しあっているということに哀切を感じ、文学的な感動を覚えた」と評した。
野間文芸賞受賞の橋本氏は体調不良のため欠席し、担当編集者がメッセージを代読。橋本氏はこの中で、「まだ学生だった20代前半から、まっさらな原稿用紙を買うと幸福になる人間だった。原稿用紙が文字で埋められ、その上に両肘を載せて『ああ、終わった』とつぶやく。その一言が幸福をもたらしてくれる。これからも目の前に原稿用紙が見えたら、成り行きでその上を一歩一歩歩いていこうと思う」と述べた。

創価学会池田名誉会長に感謝状贈る/トーハン

トーハンは、半世紀を超えて綴られた小説『人間革命』『新・人間革命』が完結を迎え、長年にわたりペンの力で文字・活字文化の発展に尽くした創価学会・池田大作名誉会長の偉業を讃えて感謝状を贈った。贈呈式は12月13日、東京・新宿区の創価学会総本部で行われた。
贈呈式では聖教新聞社・石橋正至出版局長が来賓紹介、同・原田光治代表理事が歓迎あいさつ。トーハン・川上浩明副社長が推挙の辞を述べ、同・近藤敏貴社長が感謝状と『新・人間革命』第30巻(下巻)をかたどった金色のオブジェを贈った。創価学会・原田稔会長が池田名誉会長の謝辞を代読。池田名誉会長は、トーハンが神田で設立された頃、戸田城聖第2代会長が経営する西神田の出版社で少年雑誌の編集長として奮闘していたことを回顧し、「トーハンと手を携えて、生老病死の苦悩を打開しゆく『人間革命』の希望の言葉を語り、綴りながら活字文化のルネサンスへ全力を尽くしたい」と述べた。

催し

◇出版白門会「万引防止セミナー」
2月19日(火)午後6時半から、東京・千代田区の中央大学駿河台記念館550号室で開催。テーマは「万引防止出版対策本部の活動と書店における万引防止の弱点対策」(仮)。講師は出版白門会組織委員で万引防止出版対策本部事務局長の阿部信行氏、㈱ウェリカジャパン代表取締役の豊川奈帆氏。
申込みは、出版白門会万引防止セミナー事務局(pub.hakumon@gmail.com)まで。2月12日締切、定員50名(先着順)。参加費は出版白門会会員5百円、非会員1千円。

11月期販売額6・1%減/コミックスは4ヵ月連続増加/出版科研調べ

出版科学研究所調べの11月期書籍雑誌推定販売金額(本体価格)は前年同月比6・1%減だった。
部門別では書籍が同1・5%減。雑誌は同10・4%減と3ヵ月ぶりに2桁減を記録した。内訳は、月刊誌が同9・9%減、週刊誌が同12・6%減。
書店店頭の売上げは、書籍は前年並み。『日本国紀』(幻冬舎)や、完結巻となる『新・人間革命』第30巻(下巻)(聖教新聞社)など大部数の新刊が貢献した。
雑誌は、定期誌が約8%減、ムックが約5%減、コミックスが約1%増。コミックスは8月期から4ヵ月連続のプラスで、10月からのアニメ化作品『転生したらスライムだった件』(講談社)や『ゴブリンスレイヤー』(スクウェア・エニックス)などの既刊が動いている。

「文具女子博」に3万5千人が来場/日販

日販は12月14日から16日まで、東京・大田区の東京流通センターで、文具の展示・販売イベント「文具女子博」を開催した。パーソナル文具専門卸のエムディーエスが共催。
「文具女子博」は2017年に続く2回目の開催で、123社が出店し約5万点を展示。来場者数は3日間合計でのべ3万5千人と、前年の2万5千人を大きく上回った。会場では、体験型ブースが前回に続いて人気となったほか、バイキング形式の売場や、ペンの製作ができる売場、名入れブース、文具を使った工作などを楽しめるワークショップも大盛況となった。
来場者の直接投票で決定する「文具女子アワード」は103商品がエントリーし、BGMの「マスキングテープ女子文具」が大賞に輝いた。2位以下の商品も含め、受賞商品は全国の文具店、書店店頭で展開を行っていく。

「本の日」イベント実施店で前年比増/マガジンハウスに新風賞贈呈/書店新風会新年懇親会

書店新風会(大垣守弘会長=大垣書店)は1月9日、東京・新宿区のハイアットリージェンシー東京で第53回新風賞贈賞式・新年懇親会を開き、会員書店、出版社、取次など187社・282名が出席し、来賓として日書連の舩坂良雄会長ら業界各団体の首脳が列席した。
司会進行は中島良太親睦委員長(三和書房)が務め、あいさつを行った大垣会長は、創立60周年を記念して「書店新風会六十年史」を製作したと説明。次世代を担う若手の座談会を掲載していると紹介し、「業界が厳しい中でも夢を持ち、可能性があると発言してくれていてうれしかった」と述べた。
年始の会員書店の店頭状況については、元旦から営業した書店が63%で、営業初日の売上平均は前年比6・7%減だったが、7%増を記録した書店もあったと報告。元旦や2日からオープンした大型商業施設や百貨店に人が集中し、単独店は非常に厳しい状況だったと述べた。
昨年11月1日に初めて実施した「本の日」キャンペーンについては、調査に協力した14法人全店の当日の売上前年比は8・0%減だったが、イベント実施店では同0・7%増となったと報告。「店頭活性化策を行うことでお客様に足を運んでもらい手応えを感じたという声をたくさんいただいた。反省点をもとに、今年も続けていきたい」と述べた。
新風賞贈賞式では、『漫画君たちはどう生きるか』(吉野源三郎原作・羽賀翔一漫画、マガジンハウス)を表彰。羽賀氏とマガジンハウス・石﨑孟会長、鉄尾周一取締役が登壇し、大垣会長から賞状を受け取った。
羽賀氏のあいさつに続いて、編集を担当した鉄尾取締役が、同書が現在211万5千部、小説版が54万5千部の合計267万部に達したと報告。「賞をいただいたことを新しいスタートに、合計3百万部の大台を目指せたらと野望を抱いている。皆様のご支援をいただければまんざら夢ではないと確信している」と述べ、石﨑会長の音頭で乾杯した。

生活実用書・注目的新刊/遊友出版・齋藤一郎

室井一辰著『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査してはいけない手術』(洋泉社新書790円)は日本の医療常識に問題提起する書である。
今世界では医師がムダな医療行為を告発する、チュージング・ワイズリー(賢い選択)の動きが盛んである。一方日本では、医師ですら知らずに行う無意味な検査や、利益追求の過剰な治療など、様々なムダが行われている現状がある。
たとえばCT検査をすぐ行うのは、装置の台数がどの先進国より突出して多いこともその一つ。検査によってはむしろ放射線に被爆するリスクの方が有害だったりする。
意味のない検査、飲むだけ有害な薬、こんな手術では治らないなど、具体例をあげながら、普段受けている医療を疑ってみることを推奨する。このような日本の医療を同様に、数十年前から異議を唱えていた分子生物学者がいるのである。
三石巌著『医学常識はウソだらけ―分子生物学が明かす「生命の法則」』(祥伝社黄金文庫 619円)は、文庫化されてからも33刷の人気だ。
白内障と診断されて数年で見えなくなると断言されたが、理論的な思考で「栄養」に辿り着き、分子栄養学で克服。あらゆる現代の病に言及し、解決策を展開していく。予防医学の知恵が満載。