全国書店新聞
             

平成16年4月11日号

ビッグサイトで開催/日書連4月理事会

日書連4月理事会は22日午後1時から東京国際ブックフェア(TIBF)が開かれている東京ビッグサイト東6ホール主催者事務室で開催される。
22日はTIBF初日。午前9時40分からテープカット、10時開場。24日、25日の土日は一般公開日で、過去最大規模、世界25カ国から600社の出展を見学するため多数の読者の来場が予想される。

群馬県も条例改正/青少年から本の買受け禁止

群馬県でも青少年保護育成条例が4月1日から改正された。今回の改正では、従来古物商は書籍について青少年から質受けや買受けの禁止が除外されていたが、今回の改正により保護者の同意がなければ原則禁止となり、違反すれば10万円以下の罰金が課される。
また、有害図書類の販売制限として、書店、コンビニ、レンタルビデオ店などの販売業者には、区分陳列、ビニール包装、青少年への販売禁止の掲示などが求められ、違反すれば30万円以下の罰金。
(中村光雄広報委員)

4月23日は世界本の日、SJの日

4月23日から始まる「サン・ジョルディ=世界本の日」のキャンペーン用ポスター2種ができあがった(左)。
大きさはA2判半裁で、
1枚は今年の「本のある風景」入賞作品から伊藤平さんのデザインを使用し、もう1枚は日書連のホームページ「ブックス」からキャラクターの福本堂の姉妹を起用。世界本の日をPRしている。

仮処分取り消しで雑協理事長が談話/「週刊文春」問題

「週刊文春」3月25日号が東京地裁から出版禁止の仮処分を受け、文春側が東京高裁に抗告していた問題は、3月31日、東京高裁が文春の主張を認め、仮処分取り消しを決定した。この決定について日本雑誌協会は浅野純次理事長名で「東京高裁の決定は、表現の自由、出版物の公共性を配慮したもので、妥当で良識ある判断」とする談話を発表した。
東京高裁の仮処分取り消し決定について
「東京高裁の決定は、表現の自由、出版物の公共性を配慮したもので、妥当である。
プライバシーの保護はきわめて重要だが、報道言論の自由とのバランスは微妙な関係にある。仮処分という形で、十分に検討する時間もなく、憲法判断に関わる決定を下し、事実上の検閲、発禁行為を行うことは、国際的な視野からも理解しがたい。そうした差し止めが頻発すれば、雑誌だけでなく、メディアの危機につながりかねなかった。
より広い視野からの高裁決定は良識ある判断と考える」

有害図書に包装義務/販売店には区分陳列求む

東京都青少年健全育成条例が3月末に改正され、青少年の健全な育成を阻害する指定図書類は青少年が閲覧できないよう包装することが義務付けられた。出版社には成人向けなどの表示が義務化されたほか、出版業界が反対していた警察官の立ち入り調査については、知事が定める協力員として、大部分は東京都職員による調査で代替させることになった。施行は7月1日から。
4月2日に開かれた東京組合理事会で丸岡副理事長が行った報告によると、都条例の改正で大きく変わったのは、出版関連では①指定図書類の販売等の制限、②表示図書類の販売等の制限、③青少年健全育成協力員の配置と、④質受け及び古物買受の制限の4点。
指定図書の販売制限では
「青少年が閲覧できないように東京都規則で定める方法により包装しなければならない」(第9条)という項目を新設し、書店等の販売店に対して指定図書のパック化を義務付けた。
また、指定図書以外の表示図書についても、出版社に東京都規則で定める包装を求め、販売店に対しては「当該表示図書類を他の図書類と明確に区分し、営業の場所の容易に監視することのできる場所に置くように努めなければならない」(第9条の2)と区分陳列を求めた。
さらに、販売店の立ち入り調査については「知事が定めるところにより、東京都青少年健全育成協力員を置くことができる」(第9条の4)と、当初の警察官の立ち入りから大部分は都の職員という協力員に軟化した。
このほか、東京都書店組合が求めていた古物買受の制限については「古物商は、青少年から古物を買い受けてはならない」(第15条)と明確化。換金を目的とした青少年の万引きと新古書店への販売に歯止めをかけた形。
出版社、書店に対し求められている「包装」について、丸岡副理事長は「出版倫理協議会で方法を検討しており、雑協が試作品を3種類ほど都に提示する予定になっている。(成年向けの表示図書にすれば売行きが落ちるので)グレーゾーンの雑誌が多く、コンビニエンス業界はすべてのグレーゾーンの雑誌のパック化を求めている。ビニールパックにすれば1冊10円のコストがかかり、返品処理の問題も発生する」と、現状の問題点を指摘した。

子ども読書法の理念生かす/学校図書館議員懇など3団体がアピール採択

学校図書館議員懇談会、学校図書館整備推進会議、日本書籍出版協会の3団体は4月5日、東京・神楽坂の日本出版会館でフォーラム「学校図書館の未来像を求めて―子ども読書活動推進法をどう生かすか」を開催。「子どもの読書活動の推進に関する法律」の理念「すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、積極的にそのための環境整備が推進されなければならない」を1人ひとりの子どものために生かすよう叡智を集める、とするアピールを採択した。
アピールは「子ども読書年」に関する決議、「子どもの読書活動推進法」の制定、国の「子ども読書活動推進基本計画」の策定など、ここ数年来、政治・行政・民間が協力して実現してきた成果を強調。「学校図書館図書整備5か年計画」の完全予算化、司書教諭や学校司書が役割を十分果たすための条件を整えること、望ましい学校図書館を実現するための新たな方策を確立することなどを今後の課題としている。
フォーラムでは主催者あいさつに続き、学校図書館議員懇談会事務局長の肥田美代子衆議院議員が「子どもの読書活動推進法をどう生かすか」を講演。このなかで肥田氏は、超党派の国会議員253名で作る「活字文化議員連盟」が4月2日に開いた総会で、学校図書館の充実や学校での読書・作文の強化などを盛り込んだ「活字文化振興基本法」の制定を目指す、司書教諭の全校配置と学校司書制度の法制化を推進する――などの活動方針を決定したと報告。「学校図書館を輝かせる運動を国民運動にしたい。学校図書館は子どもの暮らし、教育を変える場所として大きな役割を担っていることを再認識すべき。ともに頑張りましょう」と呼びかけた。

生活実用書/注目的新刊

色の名前も最近ではカタカナ表現が増えて、すぐにはどんな色味なのか想像できないこともある。たとえばカーマインはサボテンに寄生する虫を煮た液体にミョウバンを加えて作る染料で、深紅色。印刷でMと表示するマゼンタも深紅色だが、カーマインの赤とは微妙に違う。というわけで、色にはその国の歴史や文化が封じ込められている。カタカナカラーがよくわからないと思ったら、日本の伝統色もやはり知らないのだった。中江克己著『色の名前で読み解く日本史』(青春出版社プレイブックス049750円)は四季に分類されて130色。春の章は赤、薄赤、黄色の色。茜、緋(あけ)、紅(くれない)、朱など日本の赤もたくさんある。蘇芳は豆科の落葉木で、すおうと読む。古代の貴重な赤色染料で紫がかった暗赤色。清少納言が好んだという。色相が上位の紫に近いために高貴な色とされたが、深(こき)蘇芳、中(なかの)蘇芳、浅(うすき)蘇芳と色の濃さによっても区別されていた。江戸時代の庶民に流行した似紫(にせむらさき)も、蘇芳を鉄媒染したものだった。巻頭にカラーチャートがあるので、昔の色を偲ぶことができる。吉岡幸雄著『[コンパクト版]色の歴史手帖日本の伝統色十二ヵ月』(PHPエル新書0551000円)は京都で古代染めをする著者が語る日本の色の来歴。1月から12月の章に四季の彩りが説かれてゆく。
たとえば5月。宇治を訪れて子供の頃の風景が重なり、藤の花が咲く平等院に足を向ける。やがて上賀茂神社からその末社の1つである大田神社の杜若(かきつばた)の群生を見る。5月の花に連想されるのが紫。聖徳太子の冠位十二階の制で最も地位の高かった「大徳」には濃紫色の官衣が定められていた。また、1グラムの染料を得るのに約2000個を必要とする貝紫の話。紫草の根で染める過程もカラー写真で紹介されるなど、高貴な色だった紫に関したエピソードが語られる。こちらも伝統色辞典が付く。サイズは「色の歴史手帖」の方がやや左右に幅広だが、いずれも新書判である。それぞれのシリーズの中でしか普通は探せない本だが、小さなテーブルに薄紫の布など敷いて並んでいたら、思わず両方買ってしまう気がする。
(遊友出版・斎藤一郎)

4月22日から東京国際ブックフェア/過去最多600社が出展

「第11回東京国際ブックフェア2004」は4月22日から25日までの4日間、東京ビッグサイトで開催される。今回は昨年の559社を上回る過去最多の600社が出展。海外からもフランス・韓国・中国・台湾がパビリオン出展するなど、世界25ヵ国の出版社が一堂に集まり、いっそう活発なビジネスの場となりそうだ。また、事務局では来場者登録数の目標として、前回の4万7824名を大幅に上回る過去最多5万2千名を動員すると発表した。
会場では例年同様、分野ごとに出版物・製品を一堂に集めた「自然科学書」「人文・社会科学書」「児童書」「編集制作プロダクション」「学習書・教育ソフト」「デジタルパブリッシング」の6つの専門フェアが同時開催されるほか、「語学教育」「書店向け店舗管理システム」「趣味・実用・旅」の3つの特設コーナーが設置される。
年々活発になっている様々な商談だが、今年もさらに大きな商談が見込まれている。特に4年前に「書店向け仕入れ商談会」をスタートしてから会期中の商談金額は年々拡大しており、前回も数百万円から数千万円の受注を得る出版社が続出した。今年も書店、出版社間の商談が活発に行われることが期待されている。
田中康夫長野県知事の基調講演「環境をなげくのではなく、あなたが読者に何ができるのかを考えよう!」をはじめ、出版業界の最新動向をとらえた東京国際ブックフェア専門セミナー、電子出版の最新情報を網羅したデジタルパブリッシング専門セミナーや有名作家サイン会など、注目イベントも目白押しとなっている。

「本のある風景」の入賞作表彰/SJ実行委がリーフレット作成

「世界本の日=サン・ジョルディの日」キャンペーンの一環として、サン・ジョルディの日実行委員会は「本のある風景」平成16年度入賞作品を掲載したリーフレットを2万部作成した。東京ブックフェアや各地の文化講演会などで配布する。「本のある風景」のタイトルで「本」をテーマ、モチーフとする写真、絵、イラスト、CGなどの作品を募集したもの。リーフレットには「サン・ジョルディの日」キャンペーンポスターおよび図書カードのビジュアル素材として採用された作品をはじめ入賞作20点が掲載されている。
また、全国の読者1万7千名のアンケート結果をまとめた「心が揺れた1冊の本」リーフレットを2万部作成した。昨年雑誌出版社57社・129誌との共同企画で全国の読者から寄せられた結果を集計したもので、応募総数1万6531通(はがき8039通、インターネット8492通)の応募結果を集計し、上位158点を紹介。ベスト10は以下の通り。
①『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス、早川書房②『五体不満足』乙武洋匡、講談社③『こころ』夏目漱石、新潮社④『ハリー・ポッターの賢者の石』J・K・ローリング、静山社⑤『塩狩峠』三浦綾子、新潮社⑥『星の王子さま』サン・テグジュペリ、岩波書店⑦『赤毛のアン』L・M・モンゴメリ、新潮社⑧『だから、あなたも生きぬいて』大平光代、講談社⑨『ノルウェイの森』村上春樹、講談社⑩『氷点』三浦綾子、角川書店

読み聞かせ応援ツールを提供/おはなしサポートの会

アリス館、岩崎書店、学習研究社、フレーベル館、文研出版の児童書出版社5社で構成する「おはなしサポートの会」は、この春で結成2年目を迎え、今年も読み聞かせ支援ツールを書店に配布する。
支援ツールの内容は、お母さん向けの小冊子『ぽかぽか』(B6判16頁)50部と読み聞かせ用見本5冊、キャラクターシール100枚。『ぽかぽか』には読み聞かせのコツや、版元5社が推薦する読み聞かせに最適の児童書(各4タイトル20点)を年齢別に掲載する。また、おはなしサポートの会では今秋に推薦図書の店頭フェアを計画している。ツール希望者は事務局のフレーベル館まで。℡03―5395―6613

コミック作家の会が小泉首相に陳情

21世紀のコミック作家の著作権を考える会は3月30日、首相官邸に小泉純一郎首相を訪問。コミック文化振興のため、書籍・雑誌に貸与権を認める著作権法改正案を今国会で成立するよう要請し、陳情書を手渡した。
この日陳情を行ったのは、藤子不二雄A、さいとう・たかを、弘兼憲史、ちばてつや、里中満智子の各氏。陳情書では、出版物に貸与権がない状態が放置されれば、消費者の利用形態が所有からレンタルへと変化し、販売市場が成立しない状態に陥ると危惧。コンテンツの源泉であるコミックが廃れるようなことは絶対防がなければならないとし、レンタルブック店の急増が予想される中、今国会中に改正法案を成立してほしいと求めている。
陳情終了後にキャピトル東急ホテルで行われた記者会見で、藤子氏は「コミック作家の会は当初は新古書店問題をアピールしてきたが、平成14年以降は貸与権をテーマに活動してきた。コミックの世界がレンタルブック店問題で紛糾しており、これから入ってくる若い才能のために運動している。3月5日に貸与権を認める改正法案が決定、今度の国会で成立してほしいと小泉首相にお願いした。小泉首相は『鉄腕アトムや少年ケニヤを楽しく読んできた。この問題は知的財産戦略の一環として非常に大切』と話し、うれしく思った」とあいさつ。また、コンテンツ産業振興議員連盟の甘利明衆議院議員は「文化戦略と経済戦略という車の両輪で動くのがコンテンツ産業。著作者にリターンをもたらすサイクルができることが大切だ。戦略を誤れば文化、経済の両方が衰退する」と述べた。

参考図書

◇「『心の目』をありがとう。」
第2回「盲導犬ベルナ」読書感想文コンクールの入賞作品集。同コンクール実行委員会編集・発行、59頁・頒価150円。
「ベルナ」シリーズは、全盲夫婦の目となって子育てを助けた盲導犬ベルナとの13年間の生活をつづった感動の物語。感想文コンクールは全国の小・中・高校生を対象に行われ、課題図書は小学生向けがハート出版から、中学生以上向けがナナ・コーポレート・コミュニケーションから刊行されている。作品集には、総計552点の応募の中から選ばれた入賞作25点が収録されている。

「声」/TRCと日教販の合併に反対する/千葉市・植田文教堂・植田栄一

TRCの理不尽な営業活動の結果、公共図書館への図書納入はTRCが84%のシェアを占める。それにも満足せず、東京三菱銀行の仲介で教育図書取次を専門とする日教販と組み、学校図書館、教科書に狙いを定めた合併が、どのように教育関連産業の市場を乱し、国民の教育機会の均等を損なうでしょうか。
TRCと日教販の合併が実現すれば、公共図書館、教科書部門が独占され、街の中小零細書店は減少し、書店のない街が出現することは火を見るより明らかです。
4月3日付、日本経済新聞によると、日本の国民の豊かさはOECD加盟30カ国中14位、教育は23位。日刊紙の購読率は1位で、仮に日刊紙が配達されなければ、教育の23位はさらに順位を下げるでしょう。
新聞、雑誌を配達することが教育の機会均等に寄与し、教育水準を向上させるのです。街から書店が消えることは阻止しなければなりません。
各書店では、日教販と東京三菱銀行との取引を停止して、他の取次、他の銀行に鞍替えする検討を始めてはどうでしょうか。

日書連のうごき

3月1日万引き問題で公明党太田議員、予算委員会で質問、丸岡副会長他で傍聴。
3月2日情報化推進委、POSレジメーカーとの打合会。
3月3日雑誌月間実行委員会、S―DB準備打合会へ井門委員。読進協事業委員会へ舩坂委員。送料負担問題打合会へ岡嶋委員他出席。
3月4日JPO第3分科会へ柴崎委員他。全国中央会事務局代表者会議へ大川局長出席。
3月5日日書連共済会監査会へ三上監事出席。出版再販研究委正副委員長会議へ岡嶋副委員長出席。
3月9日JPIC・万引き対策打合会へ丸岡委員他出席。
3月10日JPO運営委員会へ志賀委員。情報化推進問題で小学館、集英社を志賀委員他で訪問。労働政策審議会勤労青少年部会へ萬田会長出席。公取委官房人事課を影山専務他で訪問。
3月11日出版再販研究委員会開催。送料問題打合会へ岡嶋委員長他。ハリー・ポッター打合会へ藤原委員長他出席。
3月12日情報化推進問題で志賀委員長他、大阪屋本社を訪問。
3月15日出版労連幹部、日書連を訪問。
3月17日SJ実行委員会開催。光文社シエラザード文化財団主催・ミステリー文学大賞贈呈式へ萬田会長他出席。
3月22日出版倫理協議会開催。「春の書店くじ」で取協進行委員会との打合会へ舩坂委員長他出席。
3月24日スタートアップ特別委員会開催。図書普及役員会へ萬田役員他出席。
3月25日JPIC評議員・理事会へ萬田会長他出席。
3月26日九州雑誌センター役員会。全国中央会評議員・理事会へ萬田会長出席。
3月29日毎日新聞社「日本絵本賞」表彰式典へ白幡専務出席。
3月30日旺文社「全国学芸科学コンクール」表彰式典へ白幡専務出席。
3月31日井門、志賀両副会長、日教販を訪問。

「万引き防止標語」の受賞者を表彰

万引き防止横浜モデル協議会(浜田博信会長、出版文化産業振興財団理事・講談社)は3月20日、横浜市長公舎で「万引き防止標語表彰式」を開催した。
標語募集には586件の応募が寄せられ、特に小中学生からの応募が388件にのぼった。選考の結果、横浜市立山下小学校6年生・角田高彬君の作品「万引きは遊びじゃないよ犯罪だ」が最優秀作に選ばれたほか、優秀作3名、佳作6名を決定した。受賞作は今後協議会の事業で活用する。
表彰式には最優秀賞の角田君をはじめ、受賞者6名が出席。浜田会長より開式あいさつと協議会の平成16年度計画概要が発表された後、名誉会長の中田宏横浜市長が賞状を授与した。中田市長は「万引きは楽をして利益を手にしようという思考につながり、凶悪犯罪へと発展していく。一方、書店の経営を左右するほどの大きな損失があり、出版社、作家にとっても大きな問題だ。万引きを社会問題と認識し、効果的な取組みを進めないと嘆かわしい現実は変らない。皆さんの標語を大いに活用させていただく」とお祝いの言葉を述べた。(写真は受賞者と中田市長、浜田会長ら)
〔受賞者〕
▽最優秀賞=山下小学校6年・角田高彬▽優秀賞=共進中学校3年・石垣美郷/橘中学校2年・黒田沙枝/芹が谷小学校6年・中釜育美▽佳作=横浜商業高校定時制・戸田美代子/川島小学校6年・宮坂真梨子/共進中学校3年・大友やちよ/川島小学校6年・白川幸輝/共進中学校3年・寺村亜衣/渡辺契介

世界文化で観桜会

世界文化社は4月1日午後6時半から千代田区九段北の本社に取次、書店、業界関係者多数を招いて、恒例の観桜会を開催した。
会場の4階ホールからはライトアップされた市ヶ谷土手の満開の桜が見下ろせ、今年は絶妙のタイミングの観桜会に。あわせて、5月号で創刊555号となる「家庭画報」、健康と食を提案する「家庭画報デリシャス」、日本発の英字ビジュアル誌「家庭画報インターナショナル」、週刊分冊「ビジュアル三国志」などが展示され、鈴木勤社長以下の幹部が招待客を出迎えた。

催し

◇本屋大賞発表会
本屋大賞実行委員会(代表=浜本茂・本の雑誌社)は4月15日午後7時から神楽坂の日本出版クラブ会館で「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本本屋大賞」の発表会と授賞式を行う。

取次各社一斉に入社式

取次各社は4月1日、一斉に新入社員入社式を行った。新入社員数はトーハン40名、日販46名、大阪屋11名、栗田7名。社長の訓示要旨は以下の通り。
〔トーハン〕
トーハンは午前9時半から本社8階大ホールで平成16年度入社式を行った。新入社員は男子21名、女子19名の合計40名。小林辰三郎社長のあいさつ要旨。
「トーハンにとって今年は書籍分野における営業・流通全般の抜本的な大改革=桶川計画を始動させ、社運を賭した一大プロジェクトをスタートさせる年。トーハンの企業理念、『私たちは質の高いサービスと情報・流通のネットワークを通して人々の知的活動を支援し、ゆたかな社会の創造に貢献します』という社会的使命の一端を担い、出版社や書店、読者の期待に応えていかなければならない。企業人として大きく成長するには①自分を磨き、鍛えるチャンス、②自分の視野を拡げるチャンス、③自身の力を試すチャンスを忘れないでほしい。皆さんの活躍、健闘を期待する」
〔日販〕
日販は本社5階会議室で2004年度入社式を開催。今年の新入社員は男子31人、女子15名の合計46名。式典は鶴田尚正社長のあいさつに始まり、新入社員が答辞。全員で社歌を斉唱して締めくくった。
「今年9月で日販は創立55周年を迎える。この半世紀の間に日販は飛躍的成長を遂げた。ところがこの7年間マイナス成長が続いており、大きな曲がり角にある。日販は昨年4月からマーケットが求める業界構造改革を掲げ、中期経営計画をスタートさせた。日販の全役職員が革新者の意気込みで主導権を持って業界構造改革をしていこうということだ。皆さんの最大の強みは既成概念にとらわれていないこと。新しい発想で、新しい出版業界を自らの手で築き上げられる。目標達成へ若い力に大いに期待している」
〔大阪屋〕
大阪屋は午前10時より本社会議室で新入社員11名を迎えて入社式を行った。三好勇治社長のあいさつは次の通り。
「皆さんは社会人1年生として自らの成長と企業の発展を目指し、パワフルに活躍の場を拡げてもらいたい。今日からスタートする
第58期は第6次中期経営計画の最終年度で、9月6日には創立55周年を迎えるGOGOイヤーである。3つの言葉を贈りたい。1つは当社の創業精神『出版物普及の機能を果たす中間機関としての取次』。出版流通を担う私たちの原点として自信と誇りを持ってほしい。2つめは『活私開公』。自分を生かしながら広く公に尽くしてほしい。3つめは『若くして学べば、壮にして為し、壮にして学べば死して朽ちず』常に学ぶことの大切さを伝えている。初心を忘れず立派に成長していただきたい」
〔栗田〕
栗田出版販売の新入社員入社式は1日午前9時から板橋区の本社3階会議室で行われ、亀川社長が次のようにあいさつした。新入社員は男子2名、女子5名。
「学生時代は学費を払って学んでいたが、これからは給料をもらって学ぶことになる。学ぶ心、学ぶ意思を持たない限り教えてはくれない。長引く不況、価値観の転換の時代に就職戦線を勝ち抜いた皆さんは、厳しさを当然と感じる感性が備わっているだろう。栗田86年の歴史にも紆余曲折があったが、どう時代を乗り越えてきたか掴み取っていただきたい。昨日3月31日は第67期中間決算だった。幸い上半期売上高は目標通り順調に推移し、前年をクリアした。皆さんが一刻も早く営業現場で活躍されるよう期待している」

受賞

◇日本絵本大賞
毎日新聞社と全国学校図書館協議会が主催する第9回日本絵本大賞に『ぼくの見た戦争:2003年イラク』(高橋邦典写真・文、ポプラ社)が選ばれ、3月29日、一ツ橋の毎日ホールで表彰式が行われた。
日本絵本賞には『オー・スッパ』(越野民雄文、高畠純絵、講談社)、『きつねとうさぎ:ロシアの民話』(フランチェスカ・ヤールプソワ絵、ユーリー・ノルシュテイン構成、福音館書店)、『きつねの神様』(あまんきみこ作、酒井駒子絵、ポプラ社)の3点、日本絵本賞読者賞(山田養蜂場賞)には『天使のかいかた』(なかがわちひろ作、理論社)が選ばれた。

大幅な増収増益/中央社上期決算

中央社の平成15年6月~11月期中間決算がまとまった。上半期決算概要は北関東に60店舗出店するファミリーブックに二次卸するなど積極的なマーケティング展開により売上高が前年比13・2%増加。販売管理費は、雑誌発送の業務委託など経営効率の推進により前年比86・2%に圧縮した。
営業外損益では売上報奨金が増加した結果、営業外費用が9・3%増加。経常利益は4769万円となった。特別損益では、資産を時価相当額で評価した結果、不良債権処理を行ってもなお13億円の特別利益を計上。自己資本比率を10%増加させ、12・6%と大幅な改善を実現した。
損益計算(単位千円)
売上高
14、134、942
売上原価
12、697、195
売上総利益
1、437、747
販売費1、267、574
営業利益170、173
営業外損益
▲122、477
経常利益47、696
特別損益
1、308、738
税引前当期利益
1、356、434
法人税等435
当期純利益
1、355、999

本屋のうちそと

最近の学校はどうしているのだろう。ゆとり教育や調べ学習の時間、分数をどう教えるかなど、新聞紙上をにぎわせている。あいかわらず暴力教師や、わいせつ事件を起こす先生も多いが。
昔の小学生は、無心に学校に行くことに意義があった。別に勉強が出来なくても、落ちこぼれでも後ろ指差されることもなく元気に通っていた。学校には一番早く行き、グランドの取り合いだった。友達が集まってくれば手でゴムボールを打つ野球に興じて、時間がくれば教室に入った。休み時間はまたみんなで走り回った。同じクラスには障害を持つ子どももいたが、一緒に遊び、何気なく手助けをした。
テストといえば、先生が鉄筆で書いたものを、謄写版で刷るガリ版印刷だった。いまは、市販のドリルをやらせるらしい。それが結構難しい。自動車教習所の検定試験のように、ひっかけ問題だ。とりようによってはどのようにも取れるし、答えが幾つも出る。
「6人が1つずつ林檎を食べると、4個余ります。林檎は何個ありますか」というのがあった。けっして、なぞなぞではない。
「応用問題はよく読んでから答えましょう」と、子どもの頃、教師からよく言われたものだ。いまの子どもたちは本を読んでも意味が理解できない子が多いらしい。それが応用問題にも繋がるのだろう。
昔の子どもはもっとボーッとしていた。子どもの頃は楽しかったなあ。いまだに町で友達に合うと、あの頃の楽しかった記憶が甦る。(とんぼ)

漫画アクション復刊

昨年秋から一時休刊していた双葉社の『漫画アクション』は4月20日に毎月第1・第3火曜発売で復刊する。連載作品は拉致被害者家族会事務局長・蓮池透氏原作の衝撃ドキュメンタリー「奪還」や、カルト宗教を扱った「カリスマ」などのラインナップを揃え、完全リニューアル。特別付録としてルパン3世のプレミアムDVDが付く。