全国書店新聞
             

平成19年6月21日号

新副理事長に小泉忠男氏/グループ別に委員会編成/東京組合

東京都書店商業組合(大橋信夫理事長)は6月15日付で前理事長の丸岡義博副理事長(廣文館書店)から提出された辞表を受理。これに伴い空席となった副理事長に、5月18日臨時理事会の副理事長選挙で次点だった小泉忠男常務理事(小泉書店)が昇格した。また、常務理事には山田洋一理事(久我山書店)が昇格した。
委員会構成も別掲の通り決まった。今年度より、総務・財務委員会を除く12委員会をA、B、C、Dの4グループに編成する「グループ制」を導入。効率的で実効性のある運営を目指す。副理事長は各グループ内委員会の担当、常務理事は原則として各委員会の委員長、理事は各グループ内の委員会委員になる。各グループは担当副理事長、委員長、委員の計12名で構成する。
〔各委員長〕
総務・財務=大橋信夫
◇Aグループ(担当=小泉忠男副理事長)
組織=本間守世
雑誌発売日=梅木秀孝
指導・調査=小林洋
◇Bグループ(担当=柴崎繁副理事長)
経営・取引=渋谷眞
流通改善=岩瀬且敏
万引・出店問題=三浦実
◇Cグループ(担当=岡嶋成夫副理事長)
厚生=福田亜夫
再販研究=秋葉幸伸
出版物販売倫理=高岡和夫
◇Dグループ(担当=舩坂良雄副理事長)
事業・増売=土橋健
共同受注=片岡隆
読書推進=越石武史

現場の声反映した組合に/久住理事長が方針示す/北海道総会

北海道書店商業組合は6月12日午後3時半から札幌市中央区のJRタワーホテル日航札幌で第31回通常総会を開き、組合員107名(委任状含む)が出席。この4月、理事長に就任した久住邦晴氏(久住書房)は、組合員減少が続く厳しい状況を踏まえ、現場の声を反映した組合運営を行ないたいと方針を話した。
総会は伊澤崇専務理事(伊澤書店)の司会で始まり、久住理事長があいさつ。4月17日の定例理事会で志賀健一氏(旭川冨貴堂)が理事長を辞任、理事の互選で新理事長に選ばれた一連の経緯を報告し、「廃業による組合員数減少が深刻で、組織強化が課題となっている。日書連は一昨年12月に全国小売書店経営実態調査を実施し、昨年5月に『報告書』、12月に組合員書店から寄せられた意見をまとめた『書店経営者生の声』を出した。実態調査で示された書店のいちばんの要望はマージン拡大。この結果を受け、日書連では新販売システムや返品入帳改善の取り組みを行なうなど、現場に近い感覚の運動を始めている。北海道組合も現場の声を大切にした活動を行なっていきたい」と今後の方針を話した。
続いて中尾邦幸理事(中尾書店)を議長に議案審議を行い、平成18年度事業報告、収支決算報告、平成19年度事業計画案、収支予算案などすべての議案を原案通り承認可決した。
このうち読書推進運動については、北海道札幌支部の単独開催から3回目となる「本屋のオヤジのおせっかい中学生はこれを読め」フェアを昨年7月18日から8月20日まで実施、50店が参加したと報告があった。今年は7月17日から8月26日までと実施期間を延長する。参加書店数は前年と同程度となる見込み。昨年北海道新聞社より発行したブックレットは3刷・1万部を超え好評なことから、改訂版の発行を検討している。さらに、同フェアの初の試みとして講演会を8月18日に札幌の道新ホールで開催する。講師は『ひまわりのかっちゃん』(講談社)の著者・西川つかさ氏。入場無料で、フェア参加店で応募券を配布する予定。
久住理事長は「愛知組合の高須理事長(当時)が賛同してくれたことから、昨年は愛知、岐阜、三重の東海3県で開催。石川でも開催された。熊本などからも引き合いがある。北海道発の読書推進運動がますます全国に広がることを期待している」と述べた。
このほか読書推進では、「サン・ジョルディの日子ども読書の日」記念文化講演会を7月8日、ホテルニューオータニ札幌で開催すると報告があった。講師は絵本・童話作家のきむらゆういち氏。
また、指導教育事業活動の一環として「インターネットを活用した書店経営―本屋の村の先駆的取り組み」と題した研修会を9月11日、札幌市中央区・札幌ガーデンパレスで開催すると報告があった。インターネットを使った実技指導と講演が行なわれる。
3月19日に設立された「北海道万引防止ウィーブネットワーク」については、行政機関、関係団体、警察、学校、地域住民などが連携して「犯罪を起こさない、起こさせない」社会環境を整備し、安全で安心な北海道を実現することが目的と説明があり、道組合も書店の立場から積極的に発言していくとの考えが示された。
役員欠員に伴う補充選任では、新理事に月館孝昭(日進堂)、佐藤文明(TSUTAYA篠路店)の2氏、新監事に川村里留氏(本のかわむら)を選んだ。
総会終了後、出版社、取次などを交えて懇親会を行なった。

うみふみ書店日記/海文堂書店・平野義昌

私の入院、顧客や出版営業の皆さんには知られていないと思っていましたら、多くの方々に、労わりのおことばを頂戴しています。感謝しております。
5月26日、林哲夫個人編集『Spin』(みずのわ出版)創刊記念「本好きガチンコ対決仏蘭西狐と英吉利狸の口舌バトル」。参加者にしかわからないイベントです。ホッソリ仏文学者鈴木創士とポッチャリ英文学者中島俊郎(共に神戸在住)の書物対談。詳細は第2号に掲載される予定。アブナイ発言が多くて、伏字だらけかも。「○○はアル中!」「××の恋人**」。本と関係のある話かあ?肝腎なところを聞けなかった。5月30日から6月4日は神戸芝居カーニバル実行委員会と工作舎のお世話で「(舞踏家)田中泯海やまのあひだ写真展」(写真岡田正人)。1日には田中さん来場されサイン会。私、療養中で両方とも満足に手伝いもできず、悲しいかな、打ち上げも不参加。呑ん兵衛店長に言わせれば、わが身かわいい小市民、日和見、弱虫、裏切り者でしょう。でもね、自分ひとりの身体じゃないんです。美人妻の言いつけは守らねばなりませぬ。
酒抜きで当店のPR紙や雑誌「ほんまに」の原稿締め切りを守る優等生ぶり。美人編集長との約束が第一の私です。
美人作家、『世界屠畜紀行』(解放出版社)の内澤旬子さんが7月1日23時TBS系TV「情熱大陸」に出演決定との知らせ。書評に載ったお写真を店内あちこちに貼っている私としましては、彼女がついにメジャーの世界に行ってしまわれるのは残念。ただ、幸せを祈ります。余計なお世話!
前回「愛は緊張」と書きましたが、「緊張」だけでは長続きいたしません。「信頼」が不可欠です。家庭でも職場でも同じです。児童書担当T女史に良い絵本を教えてもらいました。チェス・エラス文、ロサ・オスナ絵『きみは太陽のようにきれいだよ』(童話屋)。主人公は老夫婦。広場のダンスパーティーに夫ホセは妻アナを誘いますが、アナは躊躇。ホセは優しいことばで何度も誘います。アナはそのことばに励まされ、パーティーに。若い頃からふたりはずっとこうして愛を確かめ合ってきたことが想像できます。ホセの言う「太陽のようにきれい」はいいのですが、「暗い目は夜空の星」「しわしわの顔はタルトにのせるクルミ」「白い髪は夏空の雲」……、誉めてるのか、貶してるのかどっち?ホセの喩えはふたりが身のまわりでふだん見ているものなのです。みごとに枯れてゆく人生。見習います。

大野豊治理事長を再選/第21回茨城県組合通常総会

茨城県書店商業組合の第21回通常総会が、5月29日午前11時に水戸市の「ホテルテラスザガーデン水戸」で開かれ、組合員74名(委任状含む)が出席した。
総会は田所幸男副理事長の司会で進行し、塚越賢次副理事長が開会宣言。大野豊治理事長はあいさつで日書連の1年間の活動を報告し、「返品入帳処理は改善が進んだが、国際地学協会の返品入帳問題は引き続き交渉を続ける」と述べた。
大野理事長を議長に選任して議案審議に入り、平成18年度事業報告、決算報告、平成19年度事業計画案、収支予算案等をいずれも可決承認した。
役員改選では、選考委員会で理事25名、監事2名を選出。引き続き理事会を開催して理事長に大野豊治氏、副理事長に塚越賢次、美野輪博一、川又英宏、田所和雄、髙木祐治の各氏をそれぞれ再任した。
来賓の茨城県中小企業団体中央会・高安道雄課長より祝辞をいただき、美野輪博一副理事長の閉会の言葉で午後12時半に終了した。
(舘野弘広報委員)

中学生向けブックガイド/朝日新聞掲載で反響/熊本組合

熊本県書店商業組合が製作した中学生向け推薦図書ブックガイド「お~い中学生!本はよかバイ」が朝日新聞(全国版)に掲載されました。
取材は5月19日に行われたのですが、当組合の長崎晴作理事長と、編集をされた上野功一朗さんが記者のインタビュー形式で取材を受けました。誤植の少なさと選書の的確さに取材者は感心して半ば驚いていました。上野氏が以前「朝日新聞で長くアルバイトした成果ですかね」と言うと、カメラマン共々、笑顔で納得?していました。写真撮影の時間を入れるとおよそ4時間ほどで取材は終わりました。
掲載日までどんな記事でどんな反響があるかとワクワク、ドキドキと待ちました。6月3日に記事が出ましたが、こちらの意に反して問い合わせ先は掲載されていませんでした。にも拘らず4日月曜日朝から電話、メール、FAXで10件ほど注文がありました。5日には15件ありました。ほとんどが学校(中学、高校)公共図書館です。在庫もあと百冊を切りましたが、理事長が「エイヤッ」と増刷を決断してしまいました。日書連の皆様の御協力をよろしくお願いします。なお、現在熊本県内の有志書店でこの冊子に掲載された本を平積みした「よかバイ」フェアを準備中です。〔写真は金龍堂まるぶん店よかバイコーナー〕
日書連の会員書店は所属都道府県組合を明記の上、お申し込みください。1冊525円で送料は無料です。10冊以上は卸70%とします。必ず日書連会員である旨お伝えください。
◎熊本県書店商業組合
▽℡096―344―3831、FAX096―344―5420▽メールアドレス=ksk@kumamoto-books.jp▽ホームページ=http://www.kumamoto-books.jp/
(熊本県書店商業組合事務局長・相良英文)

日書連図書館サポート委が内田洋行を見学

日書連図書館サポート委員会は6月13日に江東区の内田洋行潮見オフィスでICタグの見学会を実施し、井門委員長、高島専門委員ら総勢9名が参加した。
日書連は7月5日に「全国情報化推進委員長会議」を開催するが、東京ビッグサイトでの会議の前に内田洋行で見学会を行うため、今回はその予行として実施したもの。午後1時に現地に集合した一行は、内田洋行マーケティング本部・山崎榮三郎シニアコンサルタントの案内で同社カスタマーグリーフィングセンターを回り、ICタグを使った図書館管理システムや、ICチップを埋め込んだ透明アクリルキューブで操作するプロジェクションテーブル(写真)など、顧客の多様なニーズに応える同社の情報システムやインターフェースを約1時間にわたって見学した。

新会長に山辺真次氏を選出/東京青年部総会

東京都書店商業組合青年部は6月7日午後4時半から飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで第17回通常総会を開催した。
総会で小宮仁会長は「中小書店は厳しい経営状態が続いているが、青年部の組織と理事会を絶やさず続けていくことが大切だと考えている。今後も青年部の事業に協力をお願いする」とあいさつ。原田福夫理事を議長に審議に入り、平成18年度活動・会計報告、平成19年度活動計画、収支予算を可決承認した。
役員改選では会長に山辺真次氏(やまべ書店)、副会長に小川頼之氏(小川書店)、上地進二氏(千歳書店)を選任。山辺会長は「青年部なくして未来の中小書店はない。20周年が見えてきたいま、青年部の価値と意義をもう一度見直してみたい。2年の任期中、自分自身も成長させていきたい」とあいさつした。
相談役の東京組合・大橋信夫理事長は「総会を見て青年部が現場を支えていると感じた。皆さんから、親会は何をやっているんだというサジェスチョンをしてほしい」とあいさつした。

コーヒー1杯無料/角川文庫夏の百冊キャンペーン

角川書店夏の文庫フェア「発見。夏の百冊」が6月23日からスタートするが、今年のフェア展開にあたっての企画説明会が13日に角川書店本社で行われた。
今年の「夏の百冊」フェアはマクドナルドとの共同キャンペーンを実施。角川文庫購入者に書店レジで「しおり」を渡し、そのしおりをマクドナルドに持参すると、アイスコーヒー(Sサイズ)をプレゼントする。しおりはフェア展開書店に合計250万枚配布する。
また、「2冊買うと必ずもらえるブックカバー」プレゼントを今年も実施。6月30日公開の映画「シュレック3」の主人公シュレックも仲間入りして全8種類のブックカバーを用意する。さらに、カバーとおそろいのデザインでTシャツを製作。抽選で3千名にプレゼントする。

人事

☆フレーベル館
(5月18日付)
代表取締役社長北林衛
常務取締役小宮高
同中野治
同後藤明敏
取締役鈴木晴夫
同石井美行
同(非常勤)大湊満
監査役(非常勤)副島豪
☆芸術新聞社
(6月1日付)
代表取締役社長相澤正夫
取締役副社長井口尚樹
取締役茂野裕
監査役大藤耕治

加盟1万店割り込む/発行高3%減、680億円/図書普及

日本図書普及は6月25日に日本出版クラブ会館で開く第47回定時株主総会に先立ち第47期(平成18年4月~19年3月)の決算概要を発表した。
完全図書カード2年目に当たる第47期の発行高は680億1千万円(前年比97・1%)、回収高は図書券109億3436億円(28・2%)、図書カード538億6462億円(176・2%)、合計で647億9800万円(93・4%)といずれも前期を下回った。しかし、発行高は下半期に入り各月で前年同期を上回り、長期低落傾向に歯止めがかかった。回収が6・6%減と前年を大きく下回ったのは、前年度は図書券発行終了により券の回収が促進されたこと、中小加盟店の廃業が重なったなどが原因と見られる。
損益面では宣伝広告費の減少、無償設置読取機の減少などで販売管理費が2億8100万円減少したほか、収益面では保有国債の増加により受取利息が増加。不動産投信も時価高騰で有価証券売却益を前期並みに計上し、安定的な業績につながった。当期純利益は2億7632万円。
年度末の加盟店は前年より642店減の9914店となり、26年ぶりに1万店を割り込んだ。図書カード設置店は加盟店支店を含め1万1736店、設置台数1万3418台。
図書普及では次期以降の課題として、①年間発行高7百億円への回復、②磁気カードシステムの改良と新媒体の研究を掲げており、カード方式の検討については社内にプロジェクトチームを発足させ、開発推進室を設けた。
役員人事では鈴木一郎(大阪屋)、丸岡義博(廣文館)の2取締役が退任し、三好勇治(大阪屋)、大橋信夫(東京堂)の2氏が取締役に就任する。
図書普及損益計算書
(単位百万円)
売上高350
売上原価205
売上総利益145
販売費及び一般管理費
3、423
営業損失3、278
営業外収益2、304
受取利息・配当金
1、235
有価証券売却益988
賃貸収入53
雑収入27
営業外費用34
賃貸費用34
経常損失1、007
特別利益2、006
未回収収益1、992
貸倒引当金戻入13
特別損失516
収益計上券回収損516
税引前当期純利益481
法人税、住民税及び事業税
184
法人税等調整額20
当期純利益276

本の学校シンポジウム

本の学校運営委員会は7月7日(土)、東京国際ブックフェア特別イベントとして「出版産業シンポジウム2007in東京」を東京ビッグサイトで開催する。シンポジウムは無料、分科会+懇親会6千円、分科会のみ2千円、懇親会のみ5千円。申し込みは本の学校郁文塾事務局まで。FAX0859・31・5001。
◆第1部シンポジウム
「書店に未来はあるのか―大型書店から街の本屋まで、激変期の書店経営者が徹底討論」(10時半~12時)田辺聰、大垣守弘(大垣書店)、世良與志雄(フタバ図書)、高須博久(豊川堂)、高野幸生(ツタヤ)
◆第2部第1分科会「書店協業化の可能性―中小書店が展望を持つために」(13時~14時半)星野渉、渡辺順一(NET21)、柴田信(岩波ブックセンター信山社)、吉見光太郎(NET21)
◆第2分科会「雑誌で支える書店経営『私はこうして雑誌売上げを伸ばしました』」(13時~14時半)名女川勝彦、伊藤清彦(さわや書店)ほか
◆第3分科会「地域密着と古書新刊併売―米国独立系書店の生き残り戦略」(14時40分~16時10分)マイケル・パウエル(パウエルズ・ブックス)
◆第4分科会「若手書店人の力―現場発のコラボレーション」(同前)白川浩介(オリオン書房)、高坂浩一(堀江良文堂書店)、高橋美里(ときわ書房)
◆第3部懇親会(18時より)

売上高6413億円/財政状態は堅調を維持/トーハン

トーハンは6月12日、平成18年度(平成18年4月~19年3月)の決算概況を発表した。第60期の売上高は前年比97・9%の6413億9600万円。内訳は書籍2496億5300万円(98・6%)、雑誌3376億5700万円(95・1%)、NM商品540億8500万円(114・9%)。
今年1月より実施した書籍返品入帳締め日の繰り下げにより50億円の影響があったほか、既存店の売上不振、転廃業の増加が響いた。返品率も書籍で1・1%、雑誌で2・3%増加するなど市場全般の厳しい状況を反映した。
販売管理費はコスト削減などで10億円弱減少したものの、桶川SCMセンター建設に伴う償却負担、書籍注文センターの移転コストなどから売上げ伸長率を0・5ポイント上回る前年比98・4%となった。
営業利益は前年比91・8%の116億9800万円、経常利益は82・1%で60億円。桶川移転に伴う設備除却損、投資有価証券評価損で5億8千万円の特別損失を計上したが、投資有価証券を売却して3億9200万円の特別利益を計上した結果、税引前当期純利益は前年比94・3%の58億円となった。
決算説明を行った風間副社長は「減収減益決算となったが、運用資金は総額1040億円で、前年より66億円増加しており、財政状態は堅調」と述べた。
取引店の転廃業は363店、2万1千坪。増床は280店、3万坪。期末社員数は117名減の2057名。連結子会社12社の連結決算では売上高6450億円(98・2%)。
トーハン損益計算書
(単位百万円)
売上高641、396
売上原価567、547
売上総利益73、848
販売費及び一般管理費
62、150
営業利益11、698
営業外収益3、297
受取利息710
その他の営業外収益
2、587
営業外費用8、995
支払利息41
売上割引8、858
その他の営業外費用95
経常利益6、000
特別利益392
特別損失580
税引前当期純利益
5、812
法人税等2、837
当期純利益2、975

受賞

◇太宰治賞
第23回太宰治賞に瀬川深氏の『ミット・チューバ』が決まり、14日、千代田区丸の内の東京會舘で贈呈式が行われた。
三鷹市清原慶子市長は「チューバという楽器はなじみが薄いが、受賞作は文学の世界で音を表現し、心に響く作品になった。音楽も支援する三鷹市として大変うれしい」と祝辞。筑摩書房菊池明郎社長は「出版業界の売上げは10年前の2割減だが、本屋大賞の売行きは街の書店のパワーを示すもの。そういう力を結集して本の世界をアピールしていきたい」と述べた。
選考委員を代表して柴田翔氏が選評を述べ、清原市長、菊池社長から瀬川氏に表彰状と正賞の時計、副賞が手渡された。瀬川氏の受賞者あいさつに続き高井有一氏の発声で乾杯した。

売上高6486億円/連結売上げは10・6%増/日販

日販は6月7日、第59期(平成18年4月~19年3月)決算概況を発表した。
第59期の売上高はMPDへの事業分割により前期比4・4%減の6486億5300万円となった。事業分割の影響を除けば実質増収になるという。売上げ内訳は書籍2485億9900万円(1・4%減)、雑誌3410億1200万円(0・7%増)、開発商品590億4100万円(32・5%減)。
期の前半は「ハリー・ポッター」や「ダ・ヴィンチ・コード」などの大型銘柄が牽引したものの、第四・四半期は売上げが鈍化した。返品率は書籍が39・2%で0・8ポイント、雑誌は35・7%で1・5ポイント改善された。
販売管理費は雑誌送品の減少に伴い荷造運送費が減少。人員減により人件費も減少している。反面、貸倒引当金の積み増しとISBNコード13桁化の対応費用のコストがかさんだが、トータルでは0・5%マイナスとなった。営業利益は9・6%減の121億4700万円、経常利益は36・5%減の30億5100万円。当期利益は62・7%減の9億7300万円。
連結決算はMPD、よむよむ、多田屋、リテールフォースの4社が加わり、合計23社の連結売上げで7813億2500万円、増加額746億円、増加率10・6%。営業利益は130億4600万円(7・3%減)、経常利益43億9100万円(25・0%減)、当期純利益は13億7百万円(53・9%減)。
期中の増床は491店、4万6568坪、減床は338店、2万3644坪。期末従業員は38名減の1930名。
役員改選では新たに廣谷繁樹特販第1部長(役員待遇)を取締役に、公認会計士の高野角司氏を監査役に就任する予定。
日販損益計算書
(単位百万円)
売上高648、653
売上原価575、866
売上総利益72、786
販売管理費60、639
営業利益12、147
営業外収益1、171
受取利息296
その他の収益874
営業外費用10、266
支払利息3
売上割引10、142
その他の営業外費用120
経常利益3、051
特別利益375
特別損失1、143
税引前当期純利益
2、284
法人税等1、206
法人税等調整額104
当期純利益973

本屋のうちそと

6月の第3日曜日が父の日だそうだ。
世事に疎くてこのような日があることを今年初めて知った。聞けば、アメリカで1972年に正式制定された。日本でも1980年代には一般的な行事となったとの事。
異なる日を父の日としている国がいくつもある。オーストラリアは9月の第1日曜日。スウェーデンは11月の第2日曜。ブラジルは8月の第2日曜。台湾は8月8日。イタリアは3月19日だそうだ。
考えてみれば私達の子供の時代は取りたてて特別の日が父の日と定めなくても、毎日が父の日であったのではないだろうか。父はやたら怖くて、夕食の惣菜は父だけが1品多かった。何事を決めるにも父にお伺いを立てなければならなかった。
私の小学生時代だから1950年代に、父が東京に単身赴任した時があった。給料は東京での生活費に殆ど消え、送られてきたお金は雀の涙ほどであったようだ。母は愚痴をこぼさず、私達3人の子供を育ててくれた。元気な様子を撮って父に送ろうとして、兄弟で精一杯作り笑顔をした写真が残っている。怖くても父のいない日々の寂しさを記憶している。
就職して初任給で父に腕時計を贈ったところ、母に親孝行な子供は早死にするから2度とこのような事をしないようにと言って泣いて喜んだ。父も鬼籍に入って早25年。母の三回忌が9月にやって来る。
世界中に父の日が幾日もあるように、私の心には毎日が父の日であり、母の日である。
(井蛙堂)