全国書店新聞
             

令和3年5月1日号

全国の組合加盟書店数2887店に/1年間で106店(3・5%)減少

4月1日現在で日書連会員の45都道府県書店商業組合に加盟する組合員(日書連所属員)は、1年前と比べて106店減(3・5%減)の2887店になったことが組織委員会(安永寛委員長)の調査で分かった。
この1年間の新規加入は13店だったのに対し、脱退は119店だった。
組合員が増加した組合は、島根(1店増)のみ。前年と同数は、青森、福島、茨城、三重、富山、滋賀、鳥取、広島、高知、佐賀、宮崎、沖縄の12組合。残る32組合は組合員数が減少した。
新規加入があった組合は①静岡(3店)、②岡山(2店)、③青森、東京、愛知、岐阜、三重、兵庫、島根、福岡(1店)。一方、脱退が多かった組合は、①東京(17店)、②大阪(9店)、③愛知、福岡(8店)、⑤岡山(7店)、⑥静岡(6店)、⑦千葉、岐阜(5店)、⑨宮城、神奈川、山梨、長野、新潟、愛媛(4店)、⑮兵庫、長崎(3店)の順。
脱退数から加入数を差し引いた純粋な減少数は、①東京(16店減)、②大阪(9店減)、③愛知、福岡(7店減)、⑤千葉、岡山(5店減)、⑦宮城、神奈川、山梨、岐阜、新潟、長野、愛媛(4店減)、⑭静岡、長崎(3店減)。減少率で見ると、①愛媛(13・8%減)、②山梨(12・9%減)、③岡山(8・5%減)、④岐阜(8・3%減)、⑤長崎(7・5%減)の順。
組合員数が多い組合は、①東京(291店)、②大阪(194店)、③福岡(178店)、④愛知(133店)、⑤兵庫(124店)。一方、組合員数が少ない組合は、①高知(20店)、②徳島(22店)、③青森(23店)、④秋田、島根(24店)の順だった。
各都道府県書店商業組合に加盟する組合員数は1986年(昭和61年)の1万2935店をピークに前年割れが続いており、組織規模はピーク時の約22%まで縮小した。

日書連5月理事会/ハイブリッド型で開催

5月26日開催予定の日書連定例理事会は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、実出席とWeb出席を併用するハイブリッド型で開催します。また、同25日に予定していた各種委員会は中止します。
例年、理事会当日の午前中に開催している出版物小売業公正取引協議会通常総会は、実出席と書面議決書を併用した総会を開催します。

潮出版社の新刊2点増売に取り組む/東京理事会

東京都書店商業組合(矢幡秀治理事長)は4月2日、東京・千代田区の書店会館で定例理事会を開催した。
総務・財務委員会では、5月19日開催の通常総代会に向けて令和3~4年度役員推薦会議を開いたことを報告。また、6月以降の理事会の日程を次の通り決定した。6月2日(水)、7月2日(金)、8月休会、9月2日(木)、10月5日(火)、11月4日(木)、12月2日(木)
事業・増売委員会では、潮出版社の新刊2点『公明党その真価を問う』『小さな神たちの祭り』について増売企画として取り組むことを承認した。

新型コロナ予防絵本を県から受注/彦根支部は市教育委に絵本寄贈/滋賀組合

滋賀県書店商業組合(吉田徳一郎理事長)の加盟書店では、滋賀県健康医療福祉部医療政策課感染症対策室より、3月に新型コロナウイルス感染予防啓発絵本3点をオープンカウンター方式で受注した。小学生未満の子どもへの啓発を目的に実施されたもので、金の星社『どうしてしんがたコロナになるの?』、チャイルド社『コロナウイルスのころなっちとぼく』、子どもの未来社『おしえて!ジャンボくん新型コロナウイルス④』の絵本3点1セットを県内保育所、幼稚園、児童医療所へ合計960セット納品した。
また同組合彦根支部では、このコロナ予防絵本を彦根市内の小学校17校や児童館で感染症の正しい理解と予防に活用してもらうため、4月7日に彦根市教育委員会教育長に20セットを寄贈した。
(吉田徳一郎理事長)

マンガ感想文コンクールをテスト開催/専務理事に松木修一氏/JPIC

出版文化産業振興財団(JPIC)は3月25日に評議員会と理事会を開催し、2020年度事業報告と収支見通し、21年度事業計画と収支予算案などを承認した。
新型コロナウイルスへの対策として昨年6月開始したネット利用の読書プログラム「JPICONLINE」は好評を博し、21年度は年間100回を目標に開催。内容の充実や参加者数増を図るとともに、著者・出版社・書店の販促プログラムとしても活用してもらえるように協力体制を整える。
20年度の翻訳出版事業は、内閣府と進める「JAPANLIBRARY」は14タイトル、日本国際問題研究所との協力事業では7タイトルを英訳出版した。1年間で合計21点の発行は過去最多。
21年度は新事業として、豊かなマンガ文化を子どもたちの健全育成の一助とすることを目的に、教育現場や学校図書館と協力し「マンガ感想文コンクール」をテスト開催する。今回はJPICが協力を呼びかけた小中高校約20校・1千名程度が参加する。22年度以降の本格開催を目指す。
また、調査研究事業として、出版業界の諸課題に取り組める体制を整備するほか、出版業界の社会貢献事業としてSDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けた取り組みの研究・検討を行う。
役員の一部交代では、小柳貴史専務理事が退任し、松木修一氏(トーハン)、金田徴氏(日本出版販売)が4月21日付で理事に就任。松木氏が専務理事、金田氏が常務理事にそれぞれ就いた。

林田理事長「紙の本と街の書店守る」/奈良理事会

奈良県書店商業組合(林田芳幸理事長)は4月8日、大和郡山市の啓林堂書店郡山店で第2回理事会を開催した。
県教職員互助会の令和2年度図書券の整理作業を行った後、林田理事長が「コロナの見通しが立たない中、デジタル化や電子書籍の話題が大きくなっているが決していいことばかりではない。何としても紙の本と街の書店は守らなければならない」とあいさつ。
続いて、障害者作業所に図書館納品の図書装備を依頼する案件や、5月に実施する「サン・ジョルディの日イベント企画」の進捗状況の報告があり、令和3年度総会は8月下旬に開く方針を決めた。次回理事会は5月24日に開催予定。
(靏井忠義広報委員)

日書連のうごき

3月1日定期会計監査。
3月2日全国中小小売商団体連絡会に事務局が出席。
3月3日JPO運営幹事会(Zoom)に事務局が出席。
3月10日デジタル教科書で丸山文部科学審議官を訪問に矢幡会長、春井副会長が出席。
3月11日JPO運営委員会(Zoom)に春井副会長が出席。
3月12日全国中小企業団体中央会236回理事会に矢幡会長が出席。
3月15日全国書店再生支援財団定例理事会を開催。
3月16日デジタル教科書リレー講演会に矢幡会長、春井副会長が出席。
3月18日図書コード管理委員会(Zoom)に事務局が出席。
3月22日出版倫理協議会に渡部副会長が出席。雑誌コード管理委員会(Zoom)に事務局が出席。
3月23日JPO理事会に事務局がZoom出席。
3月25日JPIC理事会、評議員会(Zoom)に春井副会長が出席。
3月29日出版ゾーニング委員会に渡部副会長が出席。定期会計監査。
3月30日日本図書普及取締役会に春井副会長が出席。

「春夏秋冬本屋です」/「現代の大田田根子はどこに」/奈良・倭の国書房代表・靏井忠義

奈良県桜井市三輪の大神(おおみわ)神社で4月18日、鎮花祭(ちんかさい)が営まれた。「はなしずめのまつり」とも呼ばれ、春の花が飛び散る季節に無病息災を祈願する祭典だ。陽気な季節は気がゆるみ、疫病が蔓延する季節だからという。
三輪山に自生する忍冬(にんどう=スイカズラ)とユリ根を供える。薬草である。古来、「くすり祭り」とも呼ばれ、いまは、奈良県と大阪・道修町の製薬会社をはじめ全国の薬業関係者の参拝がある。
平安時代初めの『延喜式(えんぎしき)』はもちろん、奈良時代初めの「大宝令(たいほうりょう)」にも記載がある古い古い祭りと伝える。さらに遡って4世紀頃から始まるともいわれる。
『古事記』『日本書紀』によると、崇神天皇の時代、疫病が大流行し、死亡する人が人口の半分を超えようとした。天皇は、朝早くから天神地袛を祀って謝罪した。三輪山の大物主神が夢に現れ、「大田田根子(おおたたねこ)に私を祀らせれば平穏になる」と告げた。
必死になって大田田根子を探した。茅渟県(ちぬのあがた)の陶邑(すえむら)で見つけ出した。やっと疫病を退散させることができた。神話と歴史が交錯する逸話である。
店の東方に神体山の三輪山が見える。毎日、三輪山を見やりながら、「現代の大田田根子はどこにいるのだろうか」と考えている。

書店組合総会スケジュール

※新型コロナウイルスの感染状況により、開催日時や会場が変更される場合があります。最新情報を各組合までご確認ください。
◆青森県書店商業組合「第34回通常総会」
5月6日(木)午後2時、青森市・成田本店で開催。
◆東京都書店商業組合「第45回通常総代会」
5月19日(水)午後1時半、千代田区・ホテルメトロポリタンエドモントで開催。
◆沖縄県書店商業組合「第33回通常総会」
5月24日(月)午後2時、那覇市・組合会議室で開催。
◆埼玉県書店商業組合「第37回通常総会」
5月25日(火)午後2時、さいたま市・埼玉書籍会議室で開催。
◆大阪府書店商業組合「令和2年度通常総会」
5月29日(土)午後2時、大阪市北区・組合会議室で開催。
◆愛知県書店商業組合「第38回通常総会」
6月10日(木)午後3時半、名古屋市千種区・ホテルルブラ王山で開催。
◆鳥取県書店商業組合「第33回通常総会」
6月21日(月)午後0時半、東伯郡・琴浦町生涯学習センターまなびタウンとうはくで開催。
◆岐阜県書店商業組合「第38回通常総会」
6月28日(月)午後1時、岐阜市・岐阜県教販で開催。
◆茨城県書店商業組合「第35回通常総会」
6月29日(火)午前10時、水戸市・茨城県教科書販売で開催。

町田そのこ氏『52ヘルツのクジラたち』/第18回2021年本屋大賞

全国の書店員が一番売りたい本を選ぶ第18回「2021年本屋大賞」の発表会が4月14日に東京・千代田区の出版クラブで行われ、町田そのこ氏の『52ヘルツのクジラたち』(中央公論新社)が大賞に輝いた。
今回の本屋大賞は、19年12月1日から20年11月30日に刊行された日本の小説が対象。1次投票には438書店546人が参加、1人3作品を選んで投票し、上位10作品をノミネート。2次投票では305書店355人が全ノミネート作品を読んだ上で、全作品に感想コメントを書き、ベスト3に順位をつけて投票し大賞作品を決定した。発表会は、新型コロナウイルス感染予防対策のため関係者のみで行い、ネットでライブ配信された。
受賞作は、家族から虐待を受けてきた女性と、同じく虐待のため言葉を失った少年との交流を描いた物語。町田氏は「この本が刊行されたのは、新型コロナで世の中が混乱した昨年4月。無名に近い私の本がどこまで頑張れるか不安だったが、どんどん存在感を増していき、これは私の力じゃないと気づいた。この本を売らなければと頑張ってくださった中央公論新社、読者に一番近いところでずっと応援し続けてくださった書店員の皆さん、そのたくさんの人の思いが乗った本を受け取ってくださった読者の皆さんのおかげで、本屋大賞をいただくことができた」と喜びを語った。
翻訳小説部門は『ザリガニの鳴くところ』(ディーリア・オーエンズ著、友廣純訳、早川書房)が受賞。既刊本の掘り起こしを目的に、ジャンルを問わず19年11月30日までに刊行された作品を対象に投票する「発掘部門」の中から本屋大賞実行委員会が選出する「超発掘本」は、みうらじゅん氏の『ない仕事の作り方』(文春文庫)が選ばれた。

3月期3・4%減、前年超えストップ/コミックは18ヵ月連続プラス成長/日販調査店頭売上

日本出版販売調べの3月期店頭売上は前年比3・4%減。全体の前年超えの連続記録は10ヵ月でストップしたものの、コミックは「呪術廻戦」関連商品が好調で18ヵ月連続の前年超えとなった。
雑誌は5・2%減。月刊誌は、「ドラえもんおしゃべりめざましどけい」が付録で付いた「小学一年生4月号」(小学館)や「会社四季報2021年2集春号」(東洋経済新報社)が売上を牽引した。週刊誌は、3月9日創刊の「たのしいムーミンキルト」(デアゴスティーニ・ジャパン)、Snowman・目黒蓮が表紙の3月24日発売「anan」(マガジンハウス)が売上を伸ばした。
書籍は6・9%減。実用書は「鬼滅の刃」初のぬりえ本である吾峠呼世晴『鬼滅の刃塗絵帳―蒼―』『鬼滅の刃塗絵帳―紅―』(いずれも集英社)が売上を牽引した。文芸書は芥川賞受賞作の宇佐見りん『推し、燃ゆ』(河出書房新社)が継続して売上を伸ばしている。一方、学参・児童書は昨年同時期に小中学校等の一斉休校要請が出て学習ドリル等の売上が拡大した反動で、大幅なマイナスとなった。
コミックは4・1%増。雑誌扱いコミックは、芥見下々『呪術廻戦15』『呪術廻戦公式ファンブック』や松本直也『怪獣8号2』(いずれも集英社)が売上を伸ばした。書籍扱いコミックは、ふじた『ヲタクに恋は難しい10』(一迅社)や吾峠呼世晴『「鬼滅の刃」吾峠呼世晴画集―幾星霜―』(集英社)が売上を牽引した。

農村の読書率増加4年ぶり60%超え/家の光協会が調査報告書を発表

家の光協会の第75回全国農村読書調査結果報告書「農村と読書2020」によると、月刊誌・週刊誌・書籍のいずれかを読んでいる総合読書率は前年の55%から8ポイント増加して63%になった。60%を上回ったのは4年ぶり。雑誌読書率は前年から4ポイント増加して48%、書籍読書率は前年から5ポイント増加して36%と、いずれも上昇した。
月刊誌・週刊誌・書籍のいずれかを読んでいる総合読書率は、性別では男性が57%(前年比6ポイント増)、女性が67%(同7ポイント増)と、女性が33年連続で男性を上回った。年齢別では10代が最も高く81%、30代が最も低く54%。職業別では学生が最も高く72%、自営業が最も低く54%だった。
月刊誌か週刊誌を読んでいる雑誌読書率は、男性が43%(同2ポイント増)、女性が52%(同5ポイント増)と、総合読書率と同じく女性が33年連続で男性を上回った。年齢別では70代が最も高く62%、20代が最も低く36%と、高齢者の割合が高い。職業別では農業が最も高く63%、自営業が最も低く35%だった。
月刊誌読書率は同4ポイント増の37%となった。性別では男性の28%(同1ポイント減)に対して女性は44%(同7ポイント増)と、女性が男性を16ポイント上回った。年齢別では50代が最も高く44%、30代が最も低く31%。職業別では農業が最も高く49%、自営業が最も低く30%となった。
月刊誌を「毎月読む」人の割合は15%。性別では男性が13%、女性が16%。年齢別では70代が20%と最も高く、職業別では農業が26%と最も高くなっている。「毎月ではないがときどき読む」人の割合は22%で、男性が15%、女性が28%と女性が男性を13ポイントも上回っている。年齢別では10代と20代が29%と最も高く、職業別では学生が28%と最も高い。
同じ月刊誌を毎号読んでいる定期読書率は前年同率の14%となった。性別では男性が13%(同1ポイント減)、女性が15%(同1ポイント増)となった。年齢別では70代が19%で最も高く、職業別では農業が26%と最も高い。
週刊誌読書率は同3ポイント増の27%となった。性別では男性・女性ともに27%(ともに同3ポイント増)。年齢別では70代が42%と最も高く、最も低いのは20代の10%となった。職業別では農業が37%で最も高く、自営業が最も低く19%となった。
週刊誌を「毎週読む」人の割合は3%。性別では男性が5%、女性が2%と、男性が女性を大きく上回っており、25年間同じ傾向が続いている。年齢別では10代が10%で最も高く、職業別では学生が6%で最も高い。「毎週ではないがときどき読む」人の割合は24%で、男性が22%、女性が25%と女性が男性より高くなっている。年齢別では70代が40%と最も高く、職業別では農業が34%と最も高くなった。
同じ週刊誌を毎号読んでいる定期読書率は3%(同1ポイント減)となった。性別では男性が5%、女性が2%。年齢別では10代が10%と最も高く、職業別では学生が6%と最も高い。
この半年間に書籍を読んだ人の割合を示す書籍読書率は36%で、同5ポイント増となった。性別では男性が31%(同4ポイント増)、女性が40%(同6ポイント増)。年齢別では前年に続いて10代が67%と最も高く、70代が最も低く24%だった。職業別では前年に続いて学生が最も高く63%、農業が19%と最も低かった。
読んでいる月刊誌は「家の光」が1位で、「現代農業」「オレンジページ」と続く。2位の「現代農業」は前年の8位から大きく順位を上げた。毎号読んでいる月刊誌の1位は「家の光」、ときどき読んでいる月刊誌の1位は「オレンジページ」だった。
読んでいる週刊誌は「週刊文春」「女性自身」「女性セブン」の順。毎号読んでいる週刊誌の1位は「週刊少年ジャンプ」、ときどき読んでいる週刊誌の1位は「週刊文春」だった。
この半年間に読んだ書籍は1位が『ONEPIECE』、2位が『鬼滅の刃』、3位が『進撃の巨人』とコミックが占めた。
購入先または借覧先・入手法は、月刊誌が1位「書店」(54%)、2位「スーパー・コンビニ」(30%)、3位「予約購読」(14%)、週刊誌が1位「スーパー・コンビニ」(46%)、2位「美容院・食堂・病院」(43%)、3位「書店」(38%)、書籍が1位「書店」(77%)、2位「図書館・公民館」(27%)、3位「インターネット」(24%)。
本を読まない人も含めた1ヵ月の支出金額別構成比では、「本を買わなかった」が52%(同6ポイント減)と最も割合が高く、支出金額別では500円未満が2%、500~999円が9%、1000~1999円が12%、2000~2999円が8%、3000円以上が7%で、平均支出額は同188円増の825円となった。本を買う人の平均支出額は同158円増の1941円。
好きな作家は東野圭吾が12年連続して1位。2位は同率で宮部みゆき、湊かなえとなった。性別でみると、男女とも1位は東野圭吾だった。
なお、新型コロナウイルスの拡大に伴い、前回までの調査員による訪問留置・訪問回収法から、今回は郵便配布・郵便回収法に調査方法を変更した。調査は昨年9月23日~10月29日、全国60地点の農林業地域に在住の16歳~79歳の男女を対象に実施。標本数は1800で、有効回収数は824人(回収率45・8%)。

トーハン、三菱地所など4社と協定書締結/本社跡地にオフィスと住宅

トーハンは4月9日、三菱地所、三菱地所レジデンス、三菱商事都市開発、三菱地所リアルエステートサービスと、トーハンの現本社跡地の有効活用計画に関する基本協定書を3月19日付で締結したと発表した。
トーハンは5月に東京都新宿区東五軒町の本社を移転し、跡地に賃貸用のオフィス棟と住宅棟を建設する。延床面積は約3万8000平方メートル。竣工予定は2024年11月。建設は三菱地所、三菱地所レジデンス、三菱商事都市開発が行い、竣工後は三菱地所リアルエステートサービスが賃借する。
計画地は東京メトロ東西線の神楽坂駅と有楽町線の江戸川橋駅、JR中央線の飯田橋駅の3駅からアクセス可能。交通利便性が高く、オフィス・賃貸住宅としてのニーズが高い。

「デジタル付録」開始へ/年内に全国の書店でサービス展開/メディアドゥとトーハン業務提携で

メディアドゥとトーハンは4月12日、業務提携の目的である全国の書店の活性化を実現するため、ブロックチェーン技術を基盤とするNFT(非代替性トークン)を活用した「デジタル付録」のサービスを開始すると発表した。
技術開発は2021年夏頃に完了させる予定。年内のサービス展開を目指す。現在、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館と施策の開始を検討している。リアル書店でデジタルコンテンツを入手可能にすることで、来店客増、紙出版物の売上増、出版業界全体の活性化を図る。
このサービスは、書店を訪れて出版物を購入した客に、NFTを活用したコンテンツを付与するモデルとして検討を進めている。例えば紙書籍に限定版デジタル付録(動画、音楽なども可能)を付けて販売する。
デジタル所有権を証明する仕組みのNFTを活用することで、これまで所有することができなかったデジタルコンテンツが「所有可能」となり、デジタル付録はコレクション対象の収集品になる。NFTの付録が付いた書籍を購入した客に対するダイレクトマーケティングも可能になる。また、フィジカルの付録に比べ配送や管理などの運用が効率化されるため、店舗を限定せず、複数の企画を同時並行で実施できる。
メディアドゥはデジタル付録のほかにも複数のプロダクトと連携し、NFTを活用した企画を提供していく。また、デジタル付録などNFTの限定コンテンツをダウンロードし、ユーザー同士で鑑賞したり販売したりすることができる「メディアドゥNFTマーケットプレイス(仮称)」の提供も今夏に同時開始する。
今後、NFTでトレーディングカード、フィギュアなど販売目的のコレクション品のほか、映画の半券、書籍のおまけステッカーなど、アナログの世界でコレクション対象とされていたアイテムを、デジタル上での所有物、収集物として再現するとしている。

伊藤忠記念財団「2021年度子ども文庫助成」募集

子どもたちに本を届けることを目的として、読書啓発活動を行う民間のグループまたは個人・非営利団体を対象に、1975年度から子ども文庫等でボランティア活動を行う人たちを支援している。株式会社など収益事業を本業とする法人は対象外。読書推進運動協議会(野間省伸会長)が第1回から同事業を支援し、全国の同協議会ほかへの募集告知協力、応募書類の事前審査を、同財団からの委託を受けて担当している。
今年度は次の通り募集する。
▽募集対象=①子どもの本購入費助成(助成金30万円)=子ども文庫、読み聞かせ団体、子ども文庫連絡会、非営利団体等で、子どもたちへの読書支援活動歴が3年以上ある団体・個人、②病院・施設子ども読書活動費助成(助成金30万円)=病院内で療養中の子どもたち、障害児施設、養護施設、その他読書にハンディキャップのある子どもたちに対し読書啓発活動を行う、3年以上の活動歴がある読書ボランティア団体や公立を含む施設・非営利団体、③子どもの本100冊助成(同財団が選んだ児童図書セット)=子ども文庫、読み聞かせ団体、子ども文庫連絡会、非営利団体等で、すでに読書啓発活動を行っている団体、④子ども文庫功労賞(賞金、記念品)=読書啓発活動に長年(20年以上)関わってきた個人で、子どもの読書活動に貢献してきた人(他薦に限る)
▽応募締切=6月20日(日)当日消印有効
▽応募・問い合わせ先
伊藤忠記念財団助成事業部℡03(3497)2651
読書推進運動協議会子ども文庫係℡03(5244)5270

「業界3者収益改善」「持続的配送実現」出版流通改革の骨子を公表/日販、5月28日にオンラインで説明会

日本出版販売(日販)は、〝これからの出版流通の100年〟を構築するために目指す「出版流通改革」の詳細について、5月28日にオンライン開催予定の「NIPPANConference2021」で発表する。これに先立ち、3月31日、同社が取り組む「出版流通改革」の背景と目的および骨子を公表した。
これによると、出版業界を取り巻く様々な変化の中で、特に昨今の出版マーケットのシュリンク、全国の書店数の減少、物流危機の現状を説明し、「出版流通の持続性は危機的状況にあり、全国津々浦々に出版物を届けるという使命を果たし続けることが難しくなってきている」と危機感を表明。「100年先の未来も、街に書店と本があり続ける世界を創っていくために、抜本的な『出版流通改革』に取り組んでいく」と決意を宣言した。
改革にあたってのキーワードとして「オープン」と「テクノロジー」を掲げ、「垣根を設けず、様々なプレイヤーやデータとオープンにつながり、これを源泉にサプライチェーンの全体最適を実現する。そのためには、テクノロジーによるイノベーションが急務と捉えており、テクノロジーへの投資を拡大する」と方針を示した。
喫緊のテーマとしては、「業界3者の収益を改善する」「ロジスティックスのテクノロジーを用いて持続的な配送を実現する」――の2点を挙げている。
「NIPPANConference2021」では、「出版流通改革」の全体像とマイルストーンを提示しながら具体的なプランを説明するという。

生活実用書・注目的新刊/遊友出版・齋藤一郎

吉野源三郎が昭和12年に書いた『君たちはどう生きるか』が近年マンガでよみがえったのは、記憶に新しい。しかし、その君たちと語りかけられたのは男子だけだった。
上野千鶴子著『女の子はどう生きるか』(岩波ジュニア新書800円)は、それに異議を申し、女子の翼を折らないためにエールを送っている。副題が、教えて上野先生!とあるように、若者の問いかけに答えるスタイルのQ&Aで進行する。
学校で、家で、社会で出会う男社会の貧しさに答えるのだが、リア充は大変の3章に、女性専用車は男性への逆差別ではないのか?というQがある。それは多分男性が言ってたのではないかと返し、それは痴漢が無くならないからで、僕はしないと言うなら痴漢男性に矛先を向けるべき。男の敵は男ですよ、と語る。ちなみにリア充とはリアリティ充実の略。差別や妙な常識をバッサリ。
黒川伊保子著『娘のトリセツ』(小学館新書820円)は、父が娘に残すものを軸に、自身と亡き父の関係も呼び起こしながら、思春期の娘を持つ親だけでなく広い。いきなり5W1Hの質問をするのは大間違い。学校どう?などは対話つぶしの筆頭。妻や娘は戦闘モードになる。女脳、男脳の性差が面白い。

「緊急事態宣言」書店への休業要請/東京・京都は対象外、大阪・兵庫は対象

東京、京都、大阪、兵庫の4都府県に新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が発出(期間は4月25日~5月11日)。これに伴う休業要請で、1000平方メートル(約303坪)超の商業施設が対象となるため、入居する書店は休業した。
都府県別では、東京都の休業要請で当初休業対象に含まれていた「書店」は対象でなくなり、営業を続けた。京都府でも休業対象から外れた。一方、大阪府、兵庫県では休業対象となった。