全国書店新聞
             

平成14年5月1日号

改正案、会長に一任

書店景品規約の改正問題をめぐって出版物小売業公正取引協議会は4月18日に理事会を開き、4月中にも改正案をまとめる方向で公取委と折衝を続ける方針を承認した。
現行規約は3月29日に本年6月30日まで延長することが認められはしたが、ベタ付景品の最高額が現行の5%を上回るのはやむを得ない状況だ。
18日の理事会では、公取協影山専務理事が3月末に行った出版小売業公正競争規約の延長申請と認定の経緯を報告し、「6月30日まで現行ルールを延長して改正案をまとめるが、ベタ付最高額が10%未満の案なら5月中に公聴会の開催が必要になる。
これに間に合わせるには4月いっぱいに結論をまとめる必要がある」と説明した。
また、改正の方向としてベタ付景品の最低金額を50円から100円に引上げ、率を緩和しても「年2回60日以内」の期間制限は残したいとする方針を示した。
萬田会長は「ポイント・サービスは多くの場合、値引きだが、金銭の使途を制限すると景品。
期間制限を取り払うと(率が低くても)ポイント・サービスが野放しになる懸念がある」と指摘した。
これらの説明に対し、理事から「景品規制の緩和は書店経営に大きな影響を与える。
今、改正案をまとめても3年後に再び一般ルールに改正させられるのではないか」と、強い不満の声があがったが、萬田会長は「引き続き萬田、下向、影山、白幡の4名で公取委と交渉を続けていく」と述べ、とりまとめを会長らに一任することになった。

8日に書店くじ合同抽選会

特賞1万円の図書券が当たる「春の書店くじ」と、「雑誌社協賛による共同懸賞」の合同抽選会が、5月8日午後5時半から新宿区袋町の日本出版クラブ会館に協賛雑誌社、業界関係者多数を招いて行われる。
雑誌共同懸賞は昨年の52社128誌が、今年は56社135誌の掲載で、社数、誌数ともに増加した。

ホームページ

☆共立出版4月15日より、ホームページに書店から直接注文を受ける窓口を設置した。
受注品の取次出荷は原則として翌日営業日となる(金・土・日曜、祭日は除く)。
アドレスはhttp://kyoritsu‐pub.topica.ne.jp/shoten/st_main.html

万引き防止策の講演会開催

秋田日販会(高桑一男会長)の第35回総会が4月18日午後2時から秋田市弥高会館で開催され、25名が出席した。
総会は日販東北支店・長谷川理成課長の総合司会で進行。
高桑会長は冒頭あいさつで「不況も考え方によっては変換期と言えるもので、業界も抜本的見直しが必要。
だからこそ三位一体となって協力する必要が出てくる。
送本、責任販売、返品でも忌憚のない話し合いが大切だ」と述べた。
来賓あいさつでは新任の鈴木敏夫東北支店長から「トリプルウィン、SCM、POSサポートワンなど、取次もあらゆる面においてお客様をにらんだ動きをしていかねばならない。
必要冊数をタイムリーに提供すべく、業界のためにも一致団結してやりたい」と力強い発言があった。
議案審議では議長に高橋光一氏(高橋本店)を選任し、第1号議案の事業報告から第5号議案の予算審議まで特に質問もなく終了。
今年10月開催の東北合同日販会へ協力の呼びかけがあった。
役員改選では高桑会長、木村相談役ほか役員を選任した。
第2部は「徹底研究!利益を生み出す万引き防止策」をテーマに中経出版・安部毅一専務取締役が講演。
生々しい現場ビデオを見ながらの講演に、参加者一同目から鱗が落ちる思いで聞き入っていた。
第3部懇親会は恒例の美酒を力に借り、厳しくもある楽しい情報交換の場とした。
(木村和一広報委員)

催し

◆大阪屋友の会連合会・経営委員会「書店経営セミナー」5月10日午後2時から、関西ブックシティ4階ホールで開催。
「『営業戦略』勝ち抜く5つの法則」をテーマに、戦略デザイン研究所代表取締役所長で、世界のマーケターの団体であるMCEIの東京支部理事長を務める水口健次氏が講演する。
参加費無料。
問い合わせは大阪屋友の会事務局(06−6543−5360)まで。

書店人が書いた大学入試の英単語集

兵庫県組合員のサワダ書店・澤田淳氏が書店経営の傍ら、予備校の講師24年の経験を生かして『単語で決める!センター英語』(B6判224頁・2色刷りCD付、本体950円)を著し、4月20日に文英堂から刊行した。
同書は最近のセンター試験問題を徹底分析し生み出されたもので、最低この単語を覚えないと入試は克服できないというものを選んでおり、受験生には待望の単語集となっている。
澤田氏経営のサワダ書店は有名な温泉地である城崎にあり、外商活動を中心に積極的な活動を続ける中での労作となった。
全国組合員の皆様、この本の販売にご支援、ご協力をお願い申し上げます。
内容等のお問い合わせは、サワダ書店・澤田淳氏(〒669−6101兵庫県城崎郡城崎町2560796−32−2227、FAX同32−3208)まで。
(兵庫県書店商業組合理事長・村田耕平)

国民文化祭で初の出版文化展

第17回国民文化祭「とっとり2002」で開かれる出版文化展の事業説明会が4月19日、東京国際ブックフェア会場内で行われた。
「国民文化祭」は各地で行われている文化活動を全国的規模で発表・交流する場を提供することで、文化活動を促進し地域文化振興に寄与することを目的に昭和61年から開催している。
文化庁、開催都道府県、市町村や文化団体等の共催で実施しており、今年は「夢フェスタとっとり」の愛称で10月12日から11月4日まで鳥取県各地でさまざまな文化イベントが行われる。
出版文化展は国民文化祭では今回初めて開かれるもので、10月26日から11月4日までの10日間、米子市と大山町で開催する。
説明会で出版文化展事業別委員会の小谷寛委員長は、「本の国体」や地方文化功労賞、大山緑陰シンポジウムなど鳥取県で行われた出版文化活動の歩みを紹介し、「今回の展示では学校図書館にスポットを当てる。
文化展が大成功に終わるようご支援を」とあいさつした。
続いて開催事業として学校図書館展示を中心とした「出版文化展」展示。
学校図書館について全国からアイデアや作品を公募し、会場に理想の学校図書館を再現、模擬授業を行う、環日本海諸国の出版関係者による「環日本海出版文化シンポジウム」、「大山緑陰シンポジウムin夢フェスタとっとり」開催−−の説明が行われ、併せて有志により発足した「夢フェスタとっとり応援団」への参加呼びかけがあった。

本屋のうちそと

電子機器が生活の中に浸透してきた。
真空管の時代から集積回路になって莫大な情報が取り込めるようになった。
今や携帯電話は誰もが当然のように持っている。
昔ながらの固定電話、あのダイヤルを回す黒い電話は見かけなくなってしまった。
誰もが携帯電話になったため、お客様の電話番号を聞いても何処の誰だかわからなくなってきてしまった。
電車の中では携帯電話の使用を控えてくださいと放送しているが、あれでメールのやり取りをしている人が多い。
携帯電話で情報を入手したりメールを送れるのだから便利と言えば便利だ。
生活の中に当然のように電化製品がある。
人々はついこの間までかまど生活だったり銭湯に行ったりしていた。
高度成長で豊かになった生活はますます豊かになりつつあるが、心の忘れ物をしてきたのではなかろうか。
人と面と向かって話が出来ない人も増えている。
人間嫌いになってしまったのか、携帯電話とかメールでないと話せない。
一昔前は友達と夜なべして、何ていうこともないが話し合ったものだ。
心の病とはストレスに蝕ばれながら陥っていくのだろうが、それは人と話をする事で解消される事もあるだろう。
お客様に精神科医の方がいるが、自律神経失調症になって精神が不安定になり、心の病になっていくのだろうと話をしていた。
最近は男にも更年期障害というものがあるらしい。
女は身体に症状が出て、男は心身が不安定になる。
この不安定は個人の精神的自立で改善される事もあると思う。
(とんぼ)

全国千店で万引調査

〔指導教育〕書店における万引き事例の収集が全国1千店を対象に経済産業省で実施されることになった。
調査項目は発生場所、日時、被害品目、金額、容疑者の性別、年齢、警察への届け出、万引き目的など具体的事例を収集して実態を把握、今後の対策に反映していく。
この調査について報告した丸岡委員は「調査用紙は各県組合の1割と、取協はチェーン店に配布する。
各県でリストアップをお願いしたい」と述べ、5月にも調査に入ることになった。
〔再販擁護〕「ポイントカードは値引きであり、再販違反」という講談社、小学館の見解に続いて、出版流通対策協議会加盟15社が「一部書店がポイントカードを実施していることは遺憾」とする見解を発表し、中止を求めたことが報告された。
中村委員長は改めてポイントカード実施店の実態を収集して出版社に提示するとし、各県組合に資料提供を呼びかけた。
〔スタートアップ21〕雑誌年間予約購読の問題で、日経BP社の『日経BPアソシエ』は予約獲得1件2千円の手数料を書店に支払うが、井門委員長は講談社で展開中のキャンペーンのほか、主婦の友社も年間予約システムを準備していると報告。
将来的に店頭で年間予約を取れる雑誌一覧表を作りたいとした。
地方出版物データベースの件では、出版社から日書連に送ってくれた献本をデータベース化、国会図書館への納本も日書連が代行するシステムを検討中。
〔情報化〕学校図書館納入用にNDC分類が入ったデータベースの提供を日書連は5月から開始する。
志賀委員長は5月の日書連総会で日書連データベースと図書館納入ソフトを使ったデモを計画していると説明した。
パソコン廉価提供の件では、小学館からパソコン提供を受け京都組合で導入実験が行われたが、今後、組合員の情報化推進とシステム開発、ネットワーク運営支援として、同社から3年間にわたって年間6百万円の資金援助を受けることが発表された。
〔経営・取引〕政府が平成15年度の導入を目指す外形標準課税は赤字法人にも課税し、中小企業に対する悪影響が懸念されている。
日書連は全国中央会からの呼びかけを受けて、外形標準課税の導入に反対する方針を意思統一。
反対署名に協力していくことを決めた。
〔雑誌発売日〕愛媛、香川、高知の四国3県の雑誌発売日が6月より3日目から2日目に繰り上がった件で、四国ブロック会井門会長は「関係者の努力に感謝する。
増売で答えたい」とお礼を述べた。
日書連として引き続き鳥取、島根、山口の繰上げを働きかけていく。
夏休みの休配は8月13日から15日までの3日間に決まったことも報告された。
〔増売運動〕東京ブックフェア会場では「サン・ジョルディの日」記念ブースとして、今年も謝恩価格本を販売。
東京、千葉、神奈川、埼玉の各組合が販売を手伝ったことを船坂委員長が報告した。
今年の文化講演会は4月から7月にかけて苫小牧、秋田、横浜、文京区、岐阜、大津、松江、徳島、那覇の各地区で開催。
会場では昨年のアンケートを集約した「心が揺れた1冊の本」を読者に配布する。

国際雑誌連合

47カ国の雑誌協会が加盟する国際雑誌連合(FIPP)は、4月18日、韓国のソウルで開催した地域太平洋会議の最終日、日本のメディア規制3法案(個人情報保護法案、人権擁護法案、青少年有害環境対策基本法案)に反対する日本雑誌協会の姿勢を強く支持するという決議を採択した。
世界25カ国から430人が参加して行われたFIPPソウル大会では、日本のメディア規制3法案に対し「法案はメディアを沈黙させるために使われる恐れがあり、政府機関に統制力を与えることになる。
民主主義の基盤を揺るがし、言論の自由を脅かす」と警告し、問題解決のために十分に時間をかけて審議すべきだとした。

ローカスの再生計画

ゲームソフト開発、関連本の出版社、ローカス(市川公士社長、資本金1億4025万円)は4月18日、東京地方裁判所に民事再生手続き開始の申立てを行った。
負債額は約12億円。
99年3月期の売上げは9億4348万円あったが、ゲーム市場の低迷で01年度は6億7800万円と、売上げを急速に落としていたという。
99年5月から同社と販売提携し、発売元を引き受けている角川書店では22日、井上営業局長らが記者会見し、「民事再生手続きによる再建に対して今後も引き続き営業・販売面協力していく。
配本および注文いただいた商品の搬入、返品は従来通り販売会社を通じて当社が責任をもって行う」と説明し、書店に継続的販売を呼びかけた。

−無題−

*共済会給付(4月)(14・3・22〜14・3・17)▼病気傷害・死亡弔慰仙台市青葉区一番町2−3−26金港堂藤原佐一郎殿23口▼病気傷害熊野市井戸町653−17西駅前書店西一夫殿2口▼死亡弔慰栗東市安養寺6−6−12田中誠文堂田中愈耕殿1口檜山郡上の国町字上の国207渡部書店渡部敏夫殿2口▼全焼西磐井郡平泉町平泉字泉屋82芭蕉館千葉力男殿2口6百万円▼その他被災(自動車飛び込み)釜石市大渡1−7−5及新書店谷澤辰三郎殿3口6万円福井市八ツ島町31−508BOOKSNOVA石倉勇次郎殿2口10万円広島市安佐南区古市3−35−11誠文堂竹中実殿1口3万円▼同(ガラス破損)郡山市安積町荒井字雁股61−1高島書房久留米店高島季雄殿4口4万円▼同(テント破損)名古屋市種区内山3−28−1ちくさ正文館谷口暢宏殿3口6万円▼同(自動ドア破損)海津郡平田町今尾1751−6文渓堂書店水谷千代殿5口5万円

スタンプ100個で表彰

神奈川県書店商業組合は5月1日から書店店頭で読者に「ステージアップ読書ノート」(写真)を無償配布する。
この読書ノート、本でも雑誌でも、読書したという読者の申告に基づいて書店がスタンプを捺し、スタンプが100個たまると、地元紙「神奈川新聞」に氏名を掲載するほか、神奈川県読書推進運動協議会から賞状、小・中学生には書店くじ50枚を進呈するというもの。
読書ノートを通じて読書に親しむ習慣を養い、書店店頭も活性化する−−と、一石二鳥の狙いで企画した。
神奈川組合では、この運動の推進母体として神奈川県図書館協会、神奈川新聞社に呼びかけ、県読書推進運動協議会を設立準備中。
小学館からは「読書ノート」「ポスター」製作で全面的支援を受けた。
読書ノートは5万部の製作。
ポスター、スタンプ、各種申請書とともに組合書店に20冊ずつ無料配布した。
読者からの申告は書籍だけに限らず、雑誌でもコミックでもオーケー。
また、図書館や友達から借りた本でも申告があれば、気軽にスタンプを捺印することになっている。
神奈川組合では向こう3年間は続けると、意気込みを示している。

−無題−

「読書ノート」の運用(要旨)

目的

長期読者の育成を図るため、小学館、読書推進運動協議会、神奈川県図書館協会、神奈川新聞の協力を得て「ステージアップ読書ノート」を作成。
組合加盟書店を利用いただいているお客様に読書された書籍、雑誌の記録ノートとして「読書ノート」を配布。
読書に親しむ習慣を養い、書店店頭の活性化を図る。

運営組織

1、協議会の正式名称は「神奈川県読書推進運動協議会」(設立準備中)。
2、協議会の委員構成は神奈川県図書館協議会、神奈川新聞社、神奈川県書店商業組合。
3、本協議会の事務局を神奈川県書店商業組合に置く。

実施方法

1、読書ノートはステージ100からスタートし、ステージ200、300と進行します。
お客様に読書ノートを手渡す際、ノート64頁上欄にステージ100、200とスタンプか書き込みをして下さい。
65ページ下欄のお渡し書店名記入欄にもスタンプか書き込みをして下さい。
2、読書ノートの最終ページに県組合加盟店が掲載されます。
加盟書店には読書ノート用スタンプが配置されていますので、お客様にその旨、ご案内してください。
3、読書ノートの初回作成部数は5万部とします。
4、神奈川組合加盟店には、当初20冊を無償配布します。
追加申込みは1冊50円(10冊単位、配送無料)です。
5、読書ノートは子どもから大人まで参加できるものとし、県外在住も可。
読者に無償配布して下さい。
6、お客様が購読された書籍、雑誌、コミックのほか、借りて読んだと申告された場合もスタンプを押してあげてください。
7、読書ノート用スタンプは県組合加盟店に初回1個無料配布します。
追加希望は1個150円。
8、読書ノートには、組合で用意した読者申請書に住所、氏名、性別、電話などを記入し、顧客管理台帳にして下さい。
9、ステージアップ読書ノートを広くPRするため、店頭用ポスター2枚を配布します。
4月中旬に神奈川新聞に本事業のPR記事を掲載します。

達成者の表彰

1、目標達成者の申告は加盟書店を通じて本事務局に達成申請書を添えて提出する。
2、達成者には努力と栄光をたたえ、達成者全員に賞状を進呈する。
3、小・中学生の達成者には、当協議会から年2回程度に分け。
春・秋の書店くじ50枚を賞状と一緒に進呈する。
4、達成者全員を年2回程度に分け、神奈川新聞に氏名を掲載する。

入場者4万9千名に

4月18日から21日までの4日間、東京ビッグサイトで開かれた「東京国際ブックフェア2002」の参加者数は、同フェア事務局の調べで昨年の4万8千名を上回る4万9501名となった。
内訳は18日1万1375名、19日1万1261名、20日1万4021名、21日1万2844名。

−無題−

◇北海道=5月30日(木)苫小牧市・文化交流センター、猪瀬直樹「どこへゆく日本」、小学館協賛◇秋田=6月19日(水)、秋田市文化会館、猪瀬直樹、小学館協賛◇神奈川=7月16日(火)横浜銀行本店ホール、童門冬二『歴史に見る変革期の指導者と民衆』、徳間書店協賛◇東京=6月21日(金)、文京シビックセンター、ドナルド・キーン、新潮社協賛◇岐阜=4月27日(土)、岐阜市・グランヴェ−ル岐山カルチャーホール、津本陽「信長と龍馬歴史の変革者たち」、角川書店協賛◇滋賀=5月30日(木)、大津市・ピアザ淡海、和田秀樹「大人の依存法」、光文社協賛◇島根=6月9日(日)、松江テルサ、阿川佐和子、集英社協賛◇徳島=4月27日(土)、徳島県労働福祉会館昭和会館、大平光代「応援します、あなたの旅立ち」、講談社協賛◇沖縄=6月29日(土)、那覇市・パシフィックホテル沖縄、大平光代「応援します、あなたの旅立ち」、講談社協賛

北海道十勝支部

北海道書店商業組合十勝支部は4月19日午後6時半から帯広市・六花亭ホールで第13回サン・ジョルディの日記念講演会を開き、150名の聴衆が集まる盛況だった。
今回は「はじめて聴こえてきた言葉は、おかあさんの心臓の鼓動だった」をテーマに、作家でアイヌ民話を題材とした絵本なども手掛ける寮美千子、作曲家の明石隼汰、アイヌ文化の伝承者でムックリ(口琴)の名手として知られる安東ウメ子、口承文芸研究家の金子恵の4氏が講演、朗読、演奏を行った。
講演会終了後には入場者抽選会を行い、著者サイン本、図書カード、花束などをプレゼントした。
(荘田雅紹)

読みきかせらいぶらりい

〔2歳から〕『ママだいすき』ママと小さな子どもたちの幸せなひとときがぎゅっと凝縮された絵本です。
いないいないばあや追いかけっこ、おっぱいや抱っこなど動物の親子の生活が愛らしくとらえられた絵に、「ぞうさん」で知られる詩人が添えるひとこと。
福音館書店の旧版を元に新しく作り直されました。
〔4歳から〕『ラルーシとひつじのぼうや』ラルーシはアルタイ民族の女の子。
家族は、西シベリアの山で羊を飼って暮らしています。
羊の赤んぼうが生まれて、世話をおばあちゃんに頼まれました。
移り行く季節の中で子羊と遊びながら成長を見守り、やがて迎える別れ…。
土の香りする素朴な絵柄と生命の躍動感が魅力です。
〔小学校低学年から〕『ぼくの子そだて』ベストセラー「四万十川−あつよしの夏」はじめ純文学の世界で活躍する作家が、初めて手がけた絵本。
庭のミカンの木で見つけた小鳥のふんのようなアゲハの卵を大切に守り育てる男の子の心象風景をじっくり追っていて印象的です。
しっとりとした絵とともに深く胸に響いてくる1冊。

組合員減少に懸念の声あがる

兵庫県書店商業組合は4月9日、神戸シーガル会館で定例理事会を開催した。
支部報告では、第1支部より紀伊國屋書店の出店にともなう影響等の報告があった。
また、最近の傾向として出店にともなう3カ月条項が曖昧になってきている旨の報告があり、今後は条項の遵守を組合加入の条件としたいと申し入れがあった。
このほか、近畿ブロック会組合員名簿が完成し、兵庫組合の組合員は19店減の300店に、近畿全体では80店減の1475店になったと報告があった。
滋賀を除く全府県で減少傾向にあり、組合員数減は活動費などの予算に響くと懸念の声があがった。
名簿は県下の全組合員に配布される。
また、日書連への要望として、他の予算を削ってでも書店新聞の週間発行を維持してほしいことや、新古書店対策の早急な実施を求める意見が出た。
(中島良太広報委員)

組合3役と理事9名で構成

北海道書店商業組合は4月16日に組合事務所で定例理事会を開き、組合活動改善のためのプロジェクトチームを発足させた。
理事会では志賀健一理事長があいさつし、組織強化および組合活動などについて報告、討議が行われた。
続いて、組合活動改善のためのプロジェクトチームメンバーについて、座長の高宮要夫副理事長が組合三役と9人の理事を指名し、5月に第1回目の会合を開くことを提案。
出席理事全員がこれを了承した。
理事会終了後、「顧客囲い込みのため、書店が推進する学校図書館電算化」と題してナガヲ正文堂代表取締役専務・長尾幸彦氏が講演し、その後活発な質疑応答が行われた。
(松山雄洋広報委員)

サン・ジョルディ名古屋

4月23日の「世界本の日=サン・ジョルディの日」を前に、「サン・ジョルディフェスティバル名古屋2002」が4月20日、21日の両日、名古屋市中区の久屋大通公園・もちの木広場で開催された。
第17回を迎えた今年も本と花の即売を中心に様々なイベントが開かれ、多くの市民で賑わった。
2日間の人手は15万人だった。
会場ではメインステージをはさんで両側の遊歩道沿いに本と花の市が並んだ。
愛知県書店商業組合では11ブースを使って本のチャリティー販売を実施。
読者から家庭で眠っている本を寄贈してもらい、購入してもらう際には定価の1割程度を募金してもらうもので、今年で8回目。
売上金全額を中日新聞社会事業団を通じて各種福祉事業・施設などに寄付する。
文庫・新書・コミック・実用書・文芸書・児童書など約3万5千冊が陳列された。
売上げは42万1345円だった。
また、読書アドバイザーによる読み聞かせコーナー「おはなし広場」には、多くの親子連れがつめかけた。
反対側の花の展示・販売ブースでは、名古屋生花小売商業協同組合による花束や鉢物の販売、フラワーアレンジメント体験コーナーが人気だった。
また、似合うと思う本と花を選び投票してもらう「第2回本と花のベストカップル大賞」を実施し、5千通を超える応募のなかから本「白い犬とワルツを」・花「アスター」を優秀作に選出。
21日午後に発表を行った。
20日午前11時からメインステージで行われたオープニングセレモニーでは、主催者を代表して日本カタルーニャ友好親善協会・西川俊男理事長、愛知県書店商業組合・高須博久理事長(サン・ジョルディ名古屋実行委員長)、名古屋生花小売商業協同組合・早瀬紀伊男理事長、中日新聞社・吉村信亮常務があいさつ。
高須理事長と早瀬理事長がステージ上で本と花を贈り合い、西川、高須、早瀬、吉村の4氏でテープカットを行った。
主催者あいさつで、高須理事長は「愛と知を発信するサン・ジョルディは、愛知県にこそ相応しい。
このイベントを機に本を好きになってほしいとの思いから取り組んできた。
子どもの頃から本を読んでほしいと、今年も『おはなし広場』を設けた。
大勢の子どもたちに本の楽しさを味わってほしい」と話した。
このほかメインステージではフラメンコ、サルサのライブをはじめ、トークショー、花のチャリティーオークションなどが両日にわたり行われ、来場者を楽しませた。

東京国際ブックフェア2002

4月17日から20日まで行われた今年の東京国際ブックフェア。
4月23日が「子ども読書の日」に制定されたことから、出版業界のさまざまな読書推進活動を紹介するとともに、紙芝居や読み聞かせなどのイベントが人気を集めた。
また、4月からの学校週休2日制の実施や、ゆとり教育、調べ学習の重視の中で体験学習のコーナーや、著者が読者に直接語りかけるトークショーなども人垣を作っていた。
〔写真説明〕右列上=「子ども読書の日」の記念ブースでは紙芝居などの催しに親子連れが集まる。
中=凸版印刷は次世代ディスプレー「電子ペーパー」を展示。
下=主婦の友社は「家族みんなで本屋さんへ行こう」と、レトロな純情書店を演出した。
左列上=食農教育を訴える農文協は水槽に生きたカエルを持ち込む。
中=サン・ジョルディの日記念の読者謝恩セール。
下=120万部を突破した「もし世界が100人の村だったら」の著者、池田香代子のトークショーはマガジンハウスのブース。

3カ月連続でダウン

日販調べの3月期書店売上げは前年同月比2・2%減で、2月の2・9%減をやや上回ったものの、3カ月連続で前年を下回った。
書店規模別では81〜120坪店が0・9%増、121坪以上店が1・4%増と前年を上回ったが、40坪以下店は8・3%減、41〜80坪店は6・1%減と大きな落ち込みとなった。
立地別では郊外地、その他が横ばい、駅前、商店街は6%弱のマイナス。
ジャンル別では児童書、実用書、文庫の3句部門が前年を上回った。
児童書は『ぐりとぐらのおおそうじ』『ダレン・シャン』が好調で、各規模とも4%以上のプラス。
学習指導要領の改定で学参の伸びが期待されたが、99・6%にとどまった。
客単価は121坪以上店が1073・3円、6%の伸び。
平均は1030・7円、2・6%の増加。

角川歴彦氏が会長兼CEO

角川書店は4月25日開催の取締役会で角川歴彦社長が代表取締役会長兼CEOに、新しい代表取締役社長に福田峰夫常務、代表取締役専務に本間明生常務が就任することを決めた。
6月25日の定時株主総会と取締役会で正式決定する。
今回の人事は来年4月1日に持株会社「角川ホールディングス」を設立、角川氏がグループ経営全体を統括するため。
持株会社は角川書店、・メディアワークス、・SSコミュニケーションズ3社を配下におくことになる。

◇日本雑誌協会役員

(○は新任)▽理事長=○浅野純次(東洋経済新報社)▽副理事長=相賀昌宏(小学館)、○白石勝(文藝春秋)▽専務理事=勝見亮助(雑誌協会)▽常務理事=秋田貞美(秋田書店)、○角川歴彦(角川書店)、木滑良久(マガジンハウス)、○小島敦(読売新聞社出版局)、佐藤隆信(新潮社)、鈴木勤(世界文化社)、○谷山尚義(集英社)、浜田博信(講談社)、増田義和(実業之日本社)、○吉村久夫(日経BP社)▽理事=○大森千秋(朝日新聞社出版局)、並河良(光文社)、○フィリップ・ゲルトン(アシェット婦人画報社)、古岡滉(学習研究社)、○松尾武(NHK出版)、村松邦彦(主婦の友社)、矢内廣(ぴあ)▽常務監事=田村紀男(ダイヤモンド社)、中村守(扶桑社)▽監事=菊地英雄(主婦と生活社)、清水英夫(弁護士)

天竜市が「森林のまち童話大賞」を公募

市域の8割を豊かな森が占め、平成6年に森林都市宣言を制定している静岡県天竜市は、次代を担う子どもたちに森林のもつ役割や大切さを伝えようと「森林(もり)のまち童話大賞」を公募する。
後援団体には文化庁、林野庁、日本図書館協会はじめ、日書連も名前を連ねている。
募集するのは「森」をテーマにした未発表の創作童話で、4百字詰め原稿用紙に15枚以内。
募集期間4月15日から10月31日まで。
審査員は立松和平、西本鶏介氏ら。
大賞1編に賞状と50万円。
審査員賞は5編に各10万円。
発表は平成15年2月下旬。
問合せは〒431−3392天竜市二俣町二俣481天竜市役所企画財財政課内、森林のまち童話大賞事務局まで。

読売出版広告賞

第6回読売出版広告賞の受賞作が決まり、大賞(賞金百万円)には「声に出して読みたい日本語」(草思社、全5段)が選ばれた。
選考の対象となった広告は昨年4月1日から今年3月31日までに読売新聞に掲載された出版広告。
金賞には「みんなマンガで、大きくなった」(小学館)、銀賞「新潮文庫の100冊」(新潮社)、銅賞「雑誌TITLE」(文藝春秋)、特別賞「雲」(朝日出版社)の各作品も入選した。

BIRDネットPOSデータ・3月期

〔ムック〕『私でも面白いほどわかる決算書』宝島社838円4-7966-2552-6『カンタンおかずレシピ春』オレンジページ476円4-87303-181-8『栗原はるみレシピ23』扶桑社857円4-594-60279-7『オレンジページインテリアNo.23』オレンジページ552円4-87303-182-6『おもいッきりテレビNO.18』日本テレビ放送網552円4-8203-9806-7『ビーズニューズ3』光文社800円4-334-84203-3『オレンジページインテリア収納の本』オレンジページ600円4-8730-3185-0『2002FIFAワールドカップ公式ガイドブック』講談社1429円4-06-179368-3『低インシュリンダイエット決定版7日間実践レシピ』宝島社900円4-7966-2526-7『近藤典子さんの収納で暮らしキレイ3』ベネッセコーポレーション762円4-8288-5616-1〔単行本〕『ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本』幻冬舎1300円4-344-00140-0『世界がもし100人の村だったら』マガジンハウス838円4-8387-1361-4『サタ・スマ』角川書店1300円4-04-853496-3『声に出して読みたい日本語』草思社1200円4-7942-1049-3『FINALFANTASYXアルティマニア』デジキューブ1800円4-88787-025-6『盲導犬クイールの一生』文藝春秋1429円4-16-357260-0『松本裁判』ロッキング・オン1200円4-86052-002-5『鬼武者2最速攻略本FORBEGINNERS』デジキューブ1000円4-88787-030-2『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』静山社1900円4-915512-40-1『リトルターン』集英社1400円4-08-781256-1〔新書〕『風化水脈新宿鮫8』光文社895円4-334-07461-8『三姉妹探偵団18』講談社790円4-06-182228-4『獅子の門朱雀編』光文社781円4-334-07457-X『風の殺意・おわら風の盆』文藝春秋800円4-16-320730-9『エスキース』桜桃書房855円4-7567-1469-2『暁の天使たち』中央公論新社900円4-12-500755-1『タイムスリップ森鴎外』講談社780円4-06-182236-5『英語「超基本」を一日30分!』角川書店571円4-04-704064-9『妖魔男爵』光文社781円4-334-07458-8『胸さわぎのマリオネット』茜新社857円4-87182-457-8〔文庫〕『指輪物語1旅の仲間(上1)』評論社700円4-566-02362-1『指輪物語2旅の仲間(上2)』評論社700円4-566-02363-X『新フォーチュン・クエスト8』メディアワークス530円4-8402-2055-7『ビートのディシプリンSide1』メディアワークス610円4-8402-2056-5『指輪物語3旅の仲間(下1)』評論社700円4-566-02364-8『我が館にさまよえ虚像』富士見書房480円4-8291-1416-9『指輪物語4旅の仲間(下2)』評論社700円4-566-02365-6『大戦勃発1』新潮社743円4-10-247221-5『大戦勃発2』新潮社781円4-10-247222-3『神の子どもたちはみな踊る』新潮社438円4-10-100150-2〔実用書〕『ザ・ゴール2』ダイヤモンド社1600円4-478-42041-6『英語で日記を書いてみる』ベレ出版1500円4-939076-85-7『低インシュリンダイエットレシピ集おいしい献立朝・昼・夜まるごと3週間』新星出版社1200円4-405-09065-3『ザ・ゴール』ダイヤモンド社1600円4-478-42040-8『ディノス2002春夏号』扶桑社429円4-594-03344-X『この差はなにか?勉強のできる人できない人』中経出版1200円4-8061-1590-8『一番わかりやすい低インシュリンダイエットの本』朝日新聞社600円4-02-257736-3『激ツール!裏技スペシャル!!1』ソシム1860円4-88337-309-6『朝日キーワード2002』朝日新聞社1000円4-02-227702-5『超図解WindowsXPHomeEdition総合編』エクスメディア1380円4-87283-239-6〔コミック〕『バガボンド13』講談社524円4-06-328804-8『Monster18』小学館552円4-09-185278-5『ヒカルの碁16』集英社390円4-08-873232-4『犬夜叉25』小学館390円4-09-125645-7『花より男子31』集英社390円4-08-847470-8『NARUTO−ナルト−11』集英社390円4-08-873236-7『エンジェル・ハート3』新潮社505円4-10-771026-2『20世紀少年8』小学館505円4-09-185538-5『シャーマンキング18』集英社390円4-08-873235-9『GTO23』講談社390円4-06-313073-8

世界の老舗書店・有名店

長靴全体のイタリアが1つの政府になったのはやっと1860年代になってからである。
時代に応じてさまざまな支配者をもっていた。
15世紀になってフィレンツェ、ヴェネツィア、教皇領(ローマ)、ミラノ、ナポリの五大勢力が台頭し、均衡し、イタリア半島は五大強国のもとにおかれるようになった。
18世紀末にフランス革命が起こり、その影響でイタリア統一の夢が語られるようになった。
共和革命により1861年イタリア王国誕生、新生イタリアの首都はトリノ↓フィレンツェ↓ローマと移り現代に至る。
フィレンツェは地理的にはローマに近く通勤圏である。
超特急では1時間である。
ローマとボローニャの中間点にあるので交通の便は良い。
■リブレリア・エディソンフィレンツェ最大の総合書店である。
街の中心地ドゥオモ広場の真ん中にある。
入口は狭いが中は広くモダンである。
地下売場(約40坪)、1階売場(約100坪)である。
本とCDを扱っている書店である。
イタリアの書店では珍しく店の入口にセンサーが物々しく立っている。
営業時間は9時〜20時、年中無休である。
店の前はドゥオモ広場で、そこにはレストランのカフェが拡がっている。
パラソルが何十と立っている。
その場所から目と鼻の先にエディソン書店がある。
従って買ってきた本をカフェで読んでいる人もいる。
長閑な風景で、いかにもイタリアらしいと感じた。
〔1階売場7間×14間〕吊り天井であるが圧迫感はない。
店内の照明は明るく1200ルックス以上あるのではないだろうか。
飛行機内の照明に似ていて店内周囲がぐーんと照度が高く、中央吊り天井のダウンライトとの調和がよい。
日本の書店にはない環境である。
売場の格好は長方形で、入った瞬間の印象が明るく感じのよい店だと思う。
中央の棚が低くおさえられており、平台を中心に店内が形成されているので、広さを感じさせる。
フィレンツェの古色蒼然?とした中世風景とは対照的にモダンである。
商品構成は次の通りである。
新刊、ファンタジー、SF、古典文芸、詩地図、ガイドブック(観光者用にフィレンツェのビデオ、美術館巡りの本とビデオ、絵葉書コーナーが立派)写真集(フィレンツェ、ローマ、ヴェネツィア、イタリア、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、アジア)、画集、料理書(ワインと料理、郷土料理、ダイエット、ベジタリアン、栄養管理、海外料理)ファッション、モード、美容、理容、ダンス、星占いスポーツ(自転車、バイク、水泳、フィッシング、馬、狩猟)。
サッカーのないのが不思議?こどもの本(童話、唱う本、折り紙)〔地下売場7間×約5間〕1階売場の下全部が地下売場ではない。
1階の約3分の1の売場である。
地下に降りる階段は店に入ってすぐ左側にあるので判りやすい。
大理石の階段を降りると、1階同様明るい売場である。
細長い専門書売場である。
建築書(建築、測量、法規、建築家、デザイン、ヨーロッパ建築物、建築文化遺産)。
公害が少ないのか、環境、都市工学、バリアフリー、景観等の本は少ない。
理工書(コンピュータ、電気、機械、土木、生物、天文、物理、植物等)人文、法経書(弁護士の本、法律、経済、財政、教育、宗教、心理、社会、哲学、歴史、マーケティング等)辞書(イタリア、フランス、スペイン、ドイツ、英語等)■ツティト書店この書店はパンツァーニ通りに面している。
サンタ・マリア駅(フィレンツェの中心駅)からドゥオモにゆく中間点にある書店である。
店内に入ると中世ローマの雰囲気がする。
寺院と同じ薄暗い照明であったり、働く女性(中年)が黒のロングドレスで修道女を思わせる。
1階売場の書棚は9〜10段ある。
特別に踏み台が用意されているわけではない。
店内の様子は古色蒼然とした古書店風であるが、れっきとした新刊書店である。
1階と2階に分かれている。
2階売場は回廊売場であるから、1階からよく見える。
この書店は文学、文芸、演劇の専門書店である。
2階に並んでいる主な商品はペーパーバックスである。
日本では文庫、新書といったペーパーバックスは店頭か1階に陳列される。
ところがこの書店では場所的によくない2階である。
この辺が日本と欧米書店の違いの出るところである。
ハードカバー、専門書が店の中心商品で、ペーパーバックスは2次商品として扱われている。
この書店はウィンドウの利用に特色がある。
石造建築の1階にある書店で、ウィンドウは3カ所ある。
1つは文芸新刊が整然と展示されている。
1間のウィンドウに75点の本が並べられている。
店内は古書店のように雑然としているが、ウィンドウは違う。
2つ目には政府刊行物が21点並べられている。
ウィンドウに3段7つに仕切られた書棚をセットし、そこに政府刊行物の新刊を陳列、道路から見られるようにしてある。
3つ目は演劇書、画集、芸術書、写真集が陳列されている。
判型が大きいので陳列点数は少ない。
■アングロ・アメリカン・ブックショップアルノ川にかかるベッキオ橋の近くの書店である。
ポル・サンタ・マリア通りにある。
店名のごとく米書が中心である。
店は約20坪前後で大きくはないが、フィクション、ノンフィクション、写真集を中心として特色をもっている。
フィレンツェは書店の数が多い方ではないが、その中でも印象に残る書店である。
男性店長1人の店である。
レジにコンピュータを置き検索に夢中であった。
フィレンツェの書店は相対的に中置什器、カード什器、絵葉書什器は置いていない。
この店にもない。
専門書店を意識すれば、これらの什器は不必要なのかもしれない。

ふるさとネットワーク

◇滋賀近江は「祭りの宝庫」で、県下には千を越える祭りがあります。
その中から今回は「近江の曳山祭り」のことを書きたい。
県下の曳山は、芸能舞台をもつ長浜式(長浜、米原等)、人形屋台の大津式(大津、大溝等)、屋上に人形をのせる日野式(日野、水口、浅小井等)に大別されます。
曳山造立は、京都祇園会の流れを汲む大津、豊臣秀吉の長浜、日野商人の財力の日野と様々ですが、今日まで町人の意識、教養、文化性に支えられて発展、維持継承されてきました。
大津の「からくり人形」、長浜の「子供歌舞伎」等は、町人の独自性と教養の賜物だと思います。
曳山の数々は動く文化財といわれ、曳山祭りとともに先人たちが残してくれた文化、伝統です。
琵琶湖同様、私たちが守っていかなくてはならないものの一つです。
(石岡英明広報委員)◇大阪大阪市北区西天満4丁目(梅新南アメリカンビル東入)、ここが大阪府書店商業組合の書協ビルです。
梅新とは「雨の御堂筋」で有名な「梅田新道、心斎橋と」のことで、大阪では何でも縮めてしまいます。
そこには米国領事館があり、昨年9月以降、機動隊が常駐警備です。
天満といえば道真公、日本三大祭の天神さんがありますが、天保の飢饉に天満の大阪町奉行与力、大塩平八郎の乱で天満は火の海となりました。
30年後は明治維新です。
書協ビルは1962年に竣工、建坪444で、大部分を賃貸し、組合財政に寄与しています。
組合活動は活発です。
事務所は平日の9時16時の開所ですが、電話をいただければそれ以外も対処します。
電話06−6361−5577。
是非一度お立ち寄り下さい。
お待ちしています。
(辻山昌佑広報委員)◇京都南北を丸太町通りと今出川通り、東西を寺町通りと烏丸通りに面する京都御苑。
約65万という広大な敷地に樹木が生い茂り、市民の憩いの場となっています(ちなみに野良猫にとっても)。
その御苑のほぼ中央、長い塀に囲まれているのが京都御所です。
毎年、春と秋に無料で一般公開されており、今年も4月10日から14日まで公開されました。
今回は「王朝の祝賀」がテーマ。
十二単姿などの人形を展示し、6歳になった皇女が初めて袴をはく「着袴(ちゃっこ)の儀」などを再現、蹴鞠の実演や雅楽の演奏も行われ、観光客らが古都の雅を堪能。
最終日は好天に恵まれ、汗ばむほどの日射しの中、いつもは静かな御所も大勢の人で賑わいました。
桜も散り、新緑の季節。
芝生に寝ころんで読書するにもおすすめの場所です。
(梅澤マサミ広報委員)◇奈良奈良県と大阪府の境にそびえる二上山。
高さ515メートルの雄岳、そして高さ474メートルの雌岳の2つの山からなっています。
ラクダのこぶのように映り峰の間に夕日が沈む所は、何ともいえない風景がどの季節でも自然の美しさを見せてくれます。
二上山の東麓にあるのが當麻の里で、当麻寺や石光寺があります。
当麻寺は5月の連休あたりからボタンが満開になり、花を見ながら参道を歩いて仁王門をくぐると国宝の梵桜が見えます。
本堂は平安時代の建築物でこちらも国宝です。
参道を東に歩いて行くと、珍しい相撲の博物館。
その中には本場所と同じ土俵があります。
もう少し東に歩くと角に名物「中将餅」、よもぎ餅の店があります。
こちらで名物をいただきながら、青葉の季節の1日を楽しんではと思います。
(清水完勇広報委員)◇和歌山全日本花いっぱい和歌山大会が4月27日より5月6日までの10日間、和歌山市のマリーナシティーを主会場に開催されます。
もともと「花いっぱい運動」は長野県松本市で始まった運動で、荒れ果てた国土と人心を憂い、郷土を花で埋め、人の心に潤いとやすらぎを与えようとして生まれたそうです。
期間中、著名な講師を迎えての「花いっぱい講座」や、おしゃれなガーデニング塾、花いっぱい人づくりセミナー、ガーデニングコンテストなど美しい町づくりをめざす多彩な催しが企画されています。
この大会が一過性に終わることのないよう、これを機会に市民がもっと花に愛着と愛情をもって、もっともっと「花と緑の海都WAKAYAMA」にふさわしいうるおいのある街に育てあげていきたいと思います。
(堀一哉広報委員)◇兵庫だんじりは岸和田だけやあらへん。
我が町尼崎にも、貴布祢神社だんじり祭りという夏の風物詩があります。
江戸時代から約300年も続いているこのお祭りは、毎年8月1日、2日の2日間にわたって行われます。
初日の見所は夜行われる「宮入」。
太鼓を先頭に8台の地車(だんじり)が順番に大鳥居から南門をくぐって境内に入り、それぞれに演技を見せます。
名物の暴れ太鼓は左右に90度以上何度も倒され、その激しい動きに参拝者からは大きな歓声が湧き起こる。
2日目の夜は祭りのクライマックス「山合わせ」が行われます。
2台のだんじりが向かい合って前方を上げながらぶつかり合う。
約3時間にわたって繰り広げられる激しい戦いには、曳いている人だけでなく、参拝者全員が熱気と興奮に包まれます。
(中島良太広報委員)

ゴールデン・ウィーク期間中の出荷体制

★トーハン本社をはじめ各書籍流通センターでは、新刊発送について5月1日に前倒しで2日分の出荷作業を行う。
さらに5月6日に注文品出荷作業を行うほか、「本の特急便」「e−hon」の客注品対策として5月4日にも作業を行い、顧客の要望に応える。
本の特急便は5月4日と一部エリアでは5月2日にも宅配便による書店への特別出荷を行い、コールセンターも連休中24時間稼働する。
e−honは、宅配希望の読者には5月4日・6日に宅配出荷を実施。
サポートセンターは4日の9時〜12時の間特別営業する。
★日販王子流通センターをはじめとする書籍発送拠点で、5月5日を除く祝日を休まず稼働し、取引書店へ書籍注文品の供給を全国規模で実施する。
またネット書店専用倉庫のweb−Bookセンターについても同様の稼働体制を敷き、「本やタウン」をはじめ、他社との提携サイトのユーザーニーズにも対応する。

「ファンタジーがとまらない!」

トーハンは協賛出版社10社の協力を得て、書店のファンタジーコーナー作りを推進するオリジナル企画「ファンタジーがとまらない!」第4弾キャンペーンを5月末まで展開中。
この企画は首都圏約500店の協賛書店で対象書籍を購入した読者にアンケートはがきを進呈し、回答者の中から抽選で500名にオリジナル図書カード1000円分をプレゼントするもの。
書店向け施策として対象書籍のPOPコンクールを実施し、優秀作品を表彰する。
また書籍通販サイト「e−hon」でも対象書籍の紹介及び協賛書店を掲載している。
協賛出版社は、あすなろ書房、アーティストハウス、偕成社、幻冬舎、小学館、静山社、草思社、東京創元社、徳間書店、評論社。
対象書籍は「ハリー・ポッター」シリーズ(静山社)、『指輪物語』(評論社)など56点。