全国書店新聞
             

平成27年5月1日号

野田自民税調会長らに軽減税率適用求める/出版4団体首脳が陳情

日本書店商業組合連合会(日書連)、日本書籍出版協会(書協)、日本雑誌協会(雑協)、日本出版取次協会(取協)の出版4団体首脳は4月15日、自民党の野田毅税制調査会会長、細田博之幹事長代行、稲田朋美政務調査会会長を訪問。2017年4月の消費税率10%への引き上げ時に、書籍、雑誌など出版物に軽減税率を適用してほしいと要望した。野田、細田両氏への訪問は昨年6月に続き2回目。自民・公明両党は軽減税率の導入に向け、今秋までに制度設計の概要を固めることを目指し、対象品目、複数税率に対応した区分経理の手法、財源などの具体案の検討を行っている。出版業界は軽減税率適用を勝ち取るための運動を精力的に展開しているところで、今回の請願運動もその一環としてのものだ。
〔低所得者層への配慮に重点/野田毅・自民党税調会長〕
日書連の舩坂会長と面屋副会長、書協の相賀理事長、雑協の石﨑理事長、取協の平林日販社長は15日午後、衆議院第2議員会館に自民党の野田税調会長(衆・熊本2区)を訪問した。
野田氏は、軽減税率導入の問題点として①複数税率による中小事業者の過剰な負担、②対象品目の線引き、③税収の減収額の拡大――の3点をあげ、「軽減税率を導入するには、これらのハードルを乗り越え、さらに国民の理解を得ることが必要」と指摘した。
また、軽減税率の対象品目について「増税の影響が大きい低所得者層への配慮という政策目的の観点から検討しており、今は食料品を想定している。出版物は知的活動の世界のもので、そこに軽減税率を適用することは低所得者層対策とはまた別の問題」との考えを示した。
一方、スマホなどの影響で新聞や本が読まれなくなっている現状を憂慮し、「ビジネスモデルが大きく変化する中、出版や新聞の業界が今後も文化の伝道師として存続していくためにはどうしたらいいのか。重大な課題と認識している。我々もバックアップしたいが、軽減税率によるのがいいのか、もっと本質的な方法があるのか、勉強しているところだ。皆さんのお話を真摯に受け止めて議論していきたい」と述べた。
〔出版物と食料品は同じ価値/細田博之・自民党幹事長代行〕
日書連の舩坂会長、面屋副会長、吉田徳一郎理事、書協の相賀理事長、雑協の石﨑理事長、取協の平林日販社長は15日午前、自民党本部に自民党の細田幹事長代行(衆・島根1区)を訪問した。細田氏は党税調副会長、活字文化議連会長も務めている。
細田氏は「対象品目の線引きや複数税率による課税、徴税の難しさ、店頭実務における負担など、軽減税率は大変難しい問題を孕んでいる。これから年末に向けてじっくりと議論して詰めていきたい。食料品は口から入って胃袋で消化されて栄養になる。出版物は目から入って頭の栄養になる。だから価値において差はない。食料品だけ別だという論理はない。欧州その他の諸国でも出版物に軽減税率を適用している」と述べた。
〔対象品目の線引きが問題/稲田朋美・自民党政調会長〕
日書連の舩坂会長、面屋副会長、書協の相賀理事長は15日夕、自民党本部に稲田政調会長(衆・福井1区)を訪問した。
稲田氏は、軽減税率の対象にする品目の線引きについて対応を聞いた。相賀理事長は「基本的にすべての出版物に軽減税率適用をお願いしたいが、書店で区分陳列しているもの、成人マークや18禁マークが付いたもの、小口シール止め誌など青少年に悪影響を与えそうな出版物については線引きを検討する必要がある。学識経験者などの意見を聞きながら適用基準の作成を行いたい」と答えた。
また、稲田氏は「活字離れ」の現状について聞いた。舩坂会長は「電子書籍、図書館で借りる、アマゾンで購入するなど、読書のスタイルが多様化し、書店で本を買わなくなっている。文字・活字は大切なもので、書店の果たす役割も大きい。手をこまぬいてはいられないので、書店も読者に喜んでもらえるよう努力している」と述べた。
面屋副会長は「雑誌離れが顕著だ。街の本屋は雑誌、文庫、コミックが主力商品。雑誌が売れないと厳しい。出版業界はこの15年間で1兆円の売上を失った。消費税が5%になってから大きく減少し、昨年8%になってさらに落ち込んだ。10%になったら大変なことになる」と述べ、出版物に軽減税率を適用してほしいと訴えた。

書店経営実態調査にご協力を

日書連では各都道府県書店商業組合加盟店を対象に「全国小売書店経営実態調査」を実施しています。書店経営の現状を把握し、今後の日書連活動の方向を見定める資料として役立てようというものです。本紙4月15日号に挟み込んだ調査票に記入の上、FAXで日書連事務局までお送りください。集計は5月末以降。調査にご協力くださいますようお願いいたします。

維新の東、丸山両議員に陳情/出版物への軽減税率適用求める

日書連の面屋龍延副会長(消費税問題担当)、吉田徳一郎理事(滋賀)は4月15日午後、東京・千代田区の参議院議員会館に維新の党の東徹参議院議員(総務会長代行・大阪)、丸山穂高衆議院議員(大阪19区)を訪ね、出版物への軽減税率適用を要望した。
面屋副会長は「出版業界4団体で、出版物に軽減税率の導入を求める請願活動を行っている。日書連を中心に署名運動を行い、約20万人の署名を集めた。消費税が5%に上がった97年から出版物の売上げは落ち込みが続いており、販売額は2兆6千億円から1兆6千億円まで減少した。日本の文化を支えてきた街の本屋の経営状況は非常に厳しく、子どもの学力、日本の文化水準がどんどん落ちていくと大変なことになる」と述べ、出版物への軽減税率導入は、国民の学力や文化水準の向上に資すると訴えた。
これに対し、東議員は「軽減税率そのものについて、維新の党としてどうするかという判断はまだしていないというのが現状だ」と説明。丸山議員は「党としては、軽減税率と給付付き税額控除を検討するという、両論併記に近い状況だ。与党が議論を進めていくのと同じようなタイミングで、軽減税率全体も含めて議論していくことになるのではないか。有識者や業界から意見を聞きながらやるべきだと思っている」と述べた。
このあと舩坂会長が加わり、自民党の棚橋泰文幹事長代理(衆・岐阜2区)、金子一義税制調査会副会長(衆・岐阜4区)を衆議院第2議員会館に訪ねた。両氏とも不在だったため秘書に要望を伝えた。

第2回「書店金賞」実施要項決まる/日書連理事会

日書連は4月16日、東京・千代田区の書店会館で定例理事会を開催した。主な審議事項は以下の通り。
[書店再生委員会]
第2回書店金賞を「和~日本のこころ」をテーマに9月上旬~12月末に実施すると小泉忠男委員長が報告し、実施概要を説明した。
この企画は、出版社各社からテーマに沿った書籍(ムックも可)を1社2点以内でエントリーしてもらい(エントリー料は無料)、この中から増売に取り上げたい銘柄を書店員の手で選んでセット組みして増売するもの。販売期間中の実売数によって上位銘柄を書店金賞に選び、さらに売り伸ばしを図る。
5月1日のエントリー締切後、5月21日~6月2日の期間、全国の書店員と日書連関係者約200名で投票を行い、6月9日にエントリー作品の中から20点のノミネート作品を決定。各10点30冊を2セットと20点60冊を1セットの合計3セットを作成する。エントリー作品の内容は「全国書店新聞」6月15日号と日書連ホームページに掲載する。
参加したい書店は6月15日~7月4日、所属する各都道府県組合に申し込む。各組合から日書連への応募締切は7月10日。
7月上旬から中旬にかけて参加書店から受注をとり、集約した後、発行した出版社に注文書を流す。各出版社は日書連作成の書店金賞専用ロゴシールを装着して出荷。9月上旬の販売開始に間に合うように取次各社に搬入する。
9月上旬~12月末の4ヵ月間を販売期間とする。この間、11月20日までの実売数で書店金賞を決定し、「全国書店新聞」12月1日号で発表。12月16日に帝国ホテルで開催する日書連主催「出版販売年末懇親会」の席上、贈呈式を行う。
参加書店は金賞決定後に売り伸ばしを図る。出版社は報奨金算出のため販売期間終了までのPOSデータをとる。
▽本のテーマ=和~日本のこころ(和食、和装、しきたり、和の手芸、まつり、伝統等の実用書、小説、エッセイ、児童書、解説ガイド等)
▽販売条件=3ヵ月延勘定扱い。受注締切後の追加注文は通常の注文扱いとする。
▽企画商品の区分=日書連で統一ロゴを使ったシールを製作して頒布する。このシールを装着して通常の委託商品と区別する。
▽書店金賞の決定=POSデータで販売期間中の実売数を集計して上位3点を書店金賞として発表する。
▽報奨金の設定=本体価格の2%程度の報奨金を設定。出版社は販売期間終了後に全期間の参加書店ごとの実売数をとり、個別データを添付の上、日書連宛に全額を清算。日書連から各都道府県別に送金する。
[政策委員会]
「書店を元気にする会」(仮称)の立ち上げを検討しているとして、舩坂良雄会長が経緯を説明した。
舩坂会長は3月18日、自民党の馳浩広報本部長と面会し、書店の厳しい現状を伝え、書店が元気になることを行いたいと提案。馳氏は「まず子どもの未来を考える議員連盟会長の河村建夫元官房長官に声をかけてほしい」と答えた。そこで4月3日、河村氏と面会したところ「書店の厳しさは承知している。協力したい」と理解を示し、河村氏を呼びかけ人に自民党で会を立ち上げる方向で考えることになった。
このほか、河出書房新社「第10回大人の塗り絵コンテスト」事業における協力依頼を承認した。また、平成26年度決算は経常損益が3万4474円の赤字になったと報告があった。
[消費税問題]
4月15日、日書連、書協、雑協、取協の出版4団体で自民党の野田毅税調会長らを訪ね、出版物への軽減税率適用を要望したと面屋龍延委員長が報告した。
[指導教育委員会]
2月に日書連傘下組合加入書店を対象に「全国小売書店経営実態調査」を実施した。アンケート調査の記入票を「全国書店新聞」2月15日号に挟み込み、ファックスで日書連事務局に送付してもらう方式で行った。しかし、まだ回収率が目標の30%に達していないため、「全国書店新聞」4月15日号に再度調査票を挟み込み、舩坂会長、鈴木喜重委員長連名で提出を呼びかけた。集計は5月末日を目途に行う。鈴木委員長は「皆さんから寄せられた回答と意見は、取次や出版社と話し合うための重要な裏付けになる」と述べ、調査への協力を呼びかけた。
[流通改善委員会]
大阪屋OPLマークのデータが今後も継続使用できる目途がたったため、27年度は国立国会図書館書誌データの利用は休止すると藤原直委員長が報告した。
[雑誌買切制度研究小委員会]
外商雑誌の買切による報奨金で書店収益の改善を目指す「書店再生のための提案」について、今後は出版社と率直な意見交換を行いたいとの方針を藤原直委員長が示した。まず来月、出版社数社と話し合いの場を持ちたいと述べた。
[取引改善委員会]
トーハン、出版共同流通の平成26年度返品入帳締切日カレンダーを配布したので入帳状況をチェックしてほしいと柴﨑繁委員長が要請した。
雑協販売委員会が日書連の要請を受けてL表記の文字サイズを徹底するよう会員各社に要請したという記事が『雑誌協会報』4月号に掲載された。
[組織委員会]
平成27年4月1日現在の日書連傘下組合加入書店数は前年比4・9%減(209店減)の4015店になった。
日書連のオリジナル手帳「ポケッター」は15年から受注生産方式に変更したが、16年版も同方式で実施したいと中山寿賀雄委員長が述べた。
[読書推進委員会]
西村俊男委員長が春の書店くじの受注状況を報告。「受注数を増やすため、書店くじを魅力あるものにする具体策を検討していきたい」と述べた。
[その他]
JPO書店マスター管理センターの橋本常任委員会副委員長が来会し、各都道府県別書店データのクリーニング作業への協力を要請した。また、YA出版会の竹下広報委員長が朝読ブックガイドと図書館向け見本セット、河出書房新社の伊藤取締役が大人の塗り絵クラブの活動、塗り絵販売プログラム、同社の新企画についてそれぞれ説明した。

員外監事に元永剛氏/日書連臨時総会

日書連は4月16日午前、書店会館で臨時総会を開き、44名(書面、委任状含む)が出席。影山稔氏の退任に伴う員外監事の補欠選挙を行い、元永剛氏(前日書連顧問、前出版物小売業公正取引協議会顧問、元公正取引委員会事務局官房審議官)を選出した。

JPIC読書アドバイザー養成講座の受講生を募集

出版文化産業振興財団(JPIC、肥田美代子理事長)は7月開講の第23期「JPIC読書アドバイザー養成講座」の受講生を募集している。
この講座は、読書を通じた生涯学習と読書推進を目的に平成5年から開講する講座。「本の歴史」「印刷」「装丁」「出版流通」「図書館」「書評」「古書」「電子書籍」など、出版と読書について体系的に学ぶカリキュラムで、永江朗氏を専任講師に迎え、各分野の第一線で活躍中の講師陣が講義する。また、書店ツアーや装丁実習などのオプションも実施する。例年、出版業界、図書館関係者、教員、読書ボランティアなど、全国から受講生が集う。日書連など出版関係主要団体が後援。
第23期は7月3日(金)開講、平成28年2月8日(月)修了。全4回・延べ8日間のスクーリングと、3編の課題レポートが課せられる。受講料は5万8千円(JPIC賛助会員社は5万3千円)。
講師はフリーライターの永江朗、専修大学教授で出版デジタル機構取締役の植村八潮、ブックコーディネーター・クリエイティブディレクターの内沼晋太郎、編集者・評論家の津野海太郎、書評家の豊﨑由美の各氏ら。また、作家で日本ペンクラブ会長の浅田次郎氏らがテキスト執筆を行う。
応募要項やカリキュラムの詳細はJPICホームページに掲載。インターネットまたは郵送・FAXで申し込む。定員百名で応募者多数の場合は抽選。応募締切は6月7日必着。
問い合わせはJPICまで。℡03―5211―7282

日書連傘下組合員、4・9%減の4015店

今年4月1日現在で各都道府県書店商業組合に所属する組合員数の合計は、昨年4月1日対比で209店、4・9%少ない4015店になったことが、日書連組織委員会(中山寿賀雄委員長)の調べで明らかになった。
この1年間の新規加入は26店だったのに対し、脱退は235店。加入数が脱退数を上回った組合は滋賀、熊本、大分の3県で、増減なしが秋田、岩手、山梨、愛媛、高知の5県。残る38組合は組合員が減少している。
各組合ごとに加入の内訳をみると、この1年間に新規加入があったのは、福岡の9店をトップに、東京、兵庫、熊本が各3店、大阪、大分が各2店、北海道、三重、長野、滋賀が各1店、残りの36組合は新規加入ゼロとなっている。
一方、脱退が最も多かったのは東京の33店。次いで大阪の29店、神奈川、京都の各18店がワースト3で、以下脱退の多い順に福岡13店、愛知12店、兵庫9店となった。
加入と脱退を合わせた1年間の増減では、減少数が多い順に①東京(30店減)②大阪(27店減)③神奈川、京都(18店減)、⑤愛知(12店減)となった。減少率でマイナス幅の大きい順にみると、①奈良(11・7%減)②群馬(11・4%減)③青森(10・8%減)④京都(10・2%減)⑤徳島(9・4%減)となっている。
各都道府県書店商業組合に所属する組合員総数は昭和61年(1986年)の1万2935店をピークに前年割れが続き、今年で29年連続のマイナスになった。昭和61年対比では31・0%の水準になっている。

上橋菜穂子氏の『鹿の王』/2015年・第12回本屋大賞

全国の書店員が一番売りたい本を選ぶ第12回「2015年本屋大賞」の発表会が4月7日、東京・港区の明治記念館で行われ、上橋菜穂子氏の『鹿の王』(KADOKAWA角川書店)が大賞に輝いた。
受賞作は、謎の伝染病に立ち向かう人々を中心に、民族・国家間の争いや生命の神秘などを壮大なスケールで描いたファンタジー長編。発表会の席上、上橋氏は「私は子どもの頃から本屋さんと一緒に生きてきたようなもので、初めてのアルバイトも書店員だった。なので本屋の皆さんが私の本を読んで、たくさんの方が面白かったと投票してくださったことが本当にうれしい」とあいさつ。自身が書く作品について、「児童文学なのか、ファンタジーなのかというところがよくわからない本かもしれないが、私自身はそれを考えたこともなく、生まれてくる物語を忠実に書いている。私にとっての物語は、昔々から面白いことをお話しする人がいて、その周りに人が集まって、『ああ、面白かったなあ』と言って聞いてくれるような、そういう物語だ」と語った。
今回の本屋大賞は、13年12月1日から14年11月30日に刊行された日本の小説が対象。1次投票には461書店580人が参加、1人3作品を選んで投票し、上位10作品をノミネート。2次投票では286書店342人が全ノミネート作品を読んだ上で、全作品に感想コメントを書き、ベスト3に順位をつけて投票して大賞作品を決定した。また翻訳小説部門は、『その女アレックス』(ピエール・ルメートル著、橘明美訳、文藝春秋)が選ばれた。
本屋大賞の2位以下は次の通り。②『サラバ!』西加奈子(小学館)③『ハケンアニメ!』辻村深月(マガジンハウス)④『本屋さんのダイアナ』柚木麻子(新潮社)⑤『土漠の花』月村了衛(幻冬舎)⑥『怒り』吉田修一(中央公論新社)⑦『満願』米澤穂信(新潮社)⑧『キャプテンサンダーボルト』阿部和重・伊坂幸太郎(文藝春秋)⑨『アイネクライネナハトムジーク』伊坂幸太郎(幻冬舎)⑩『億男』川村元気(マガジンハウス)

絵本を楽しむイベント開催/親子連れ約100名が参加/滋賀組合

滋賀県書店商業組合(吉田徳一郎理事長)は2月15日、彦根市のビバシティ彦根「ビバシティホール」で、甲賀市の絵本作家の市居みか氏、木版画家・漫画家・ミュージシャンの宮本一氏を招いて、絵本の読み聞かせなどを行うイベント「絵本をたのしもう―絵本のつくり方+読み聞かせ絵本ライブ―」を開催。約100名の親子連れが参加した。
このイベントは同組合が文字活字文化振興特別事業の一環として毎年開催しているもので、今年で第3回目。滋賀県教育委員会後援、彦根市立図書館協力。
宮本氏が演奏する音楽に合わせて、市居氏が自身の絵本『ろうそくいっぽん』『いっぽんみちをあるいていたら』『ねこのピカリとまどのほし』『イモムシかいぎ』の読み聞かせを行った。また、絵本の作り方を紹介したあと、物語を考え画用紙に描く即席の絵本作りを行った。会場内では市居さんの絵本の販売とサイン会を実施した。
イベント終了後、市居、宮本両氏と組合員で懇談会を開き、子どもの読書推進について意見交換を行った。市居氏は「街の本屋さんにもっと足を運ぶよう、読者の皆さんに話をしたい」と述べた。
(吉田徳一郎理事長)

書店組合総会スケジュール

◆青森県書店商業組合第28回通常総会
5月8日(金)午後3時、青森市のアラスカ会館2階クリスタルの間で開催。
◆山梨県書店商業組合第27回通常総会
5月18日(月)正午、甲府市の亀ずしで開催。
◆東京都書店商業組合第39回通常総代会
5月20日(水)午後1時半、東京都千代田区のホテルメトロポリタンエドモントで開催。
◆大阪府書店商業組合第33回通常総代会
5月22日(金)午後2時、大阪市北区のウェスティンホテル大阪で開催。
◆沖縄県書店商業組合第27回通常総会
5月22日(金)午後2時、那覇市の沖縄県組合会議室で開催。
◆石川県書店商業組合第27期通常総会
5月23日(土)午後2時、金沢市の金沢勤労者プラザ303研修室で開催。
◆愛知県書店商業組合第32回通常総会
5月26日(火)午後2時半、名古屋市千種区のホテルルブラ王山で開催。
◆福井県書店商業組合平成26年度定時総会
5月26日(火)午後4時、あわら市のあわら温泉・灰屋で開催。
◆埼玉県書店商業組合第31回通常総会
5月28日(木)午後3時、さいたま市浦和区の埼玉書籍4階会議室で開催。
◆京都府書店商業組合第31回通常総会
5月28日(木)午後3時(予定)、京都市中京区の京都ホテルオークラで開催。
◆愛媛県書店商業組合第27回定時総会
6月9日(火)午後5時、松山市の松山全日空ホテルで開催。
◆岐阜県書店商業組合第32回通常総会
6月12日(金)午後3時、岐阜市の岐阜キャッスルイン2階で開催。
◆新潟県書店商業組合第31回通常総会
6月15日(月)午後2時半、新潟市の新潟駅前カルチャーセンター8階801号室で開催。
◆北海道書店商業組合第39回通常総会
6月16日(火)午後4時半、札幌市中央区のJRタワーホテル日航札幌で開催。
◆鳥取県書店商業組合第27回通常総会
6月22日(月)午後0時半、倉吉市の倉吉未来中心で開催。

生活実用書/注目的新刊

この言い方は間違いではないだろうか、あるいはメールなどで正しい表現だろうかと迷い、考えてしまう。誰もがそう深刻ではないが、ちらりと頭をよぎることがある。もちろんすぐに忘れてしまう程度の話だが、心の奥にはいつも存在している。このように潜在意識に埋もれたものを引き出すのには、店頭に並ぶ本こそ最適ではないだろうか。読者の潜在ニーズを引き出せれば、書店のリピーターも確実に増えるに違いない。
『美しい日本語と正しい敬語が身に付く本』(日経BP社日経おとなのOFF特別編集843円)は、間違いやすい言葉や上手な敬語の使い方を解説するムック。
日本語は日本固有の①大和言葉、漢字の字音で構成される②漢語、中国以外の国々から輸入された③外来語の3種から成立している。
始めは大和言葉入門。知っているようで知らない言葉が質問される。たとえば「敷居が高い」は①難易度が高い②高級すぎて行きづらい③心苦しくて訪問しづらい、のうち正解は③。②で使うのは誤用である。いつもの言葉を言い替えるのでは、まさにその通りというのを、まさしくに換えると上品で重みが増す。
つい使っているNG敬語、ほどよい会話敬語や、ワインのタイプ別おいしい表現法、手紙・メールの常識まで、慣れ親しんでいるはずの日本語の美しさを感じさせてくれる一冊である。
『ちゃんとした手紙とはがきが書ける本』(マガジンハウスクロワッサン特別編集648円)は電話やメールでは済まない用件の時、困らないように備えられる手紙とはがきの常識を解説する。
まずは和封筒、洋封筒やはがの表書きと、差出人の書き方から始まる。書き出し、時候の挨拶、結び文も早見表になっているので便利である。
たとえば5月に出す改まった手紙の書き出しは、新緑の候。新緑の換わりに若葉、初夏、薫風などだが、日常では新緑のさわやかな季節となりました、というように文例が並ぶ。そのほか、お礼、励まし、断り、依頼、お詫び、お見舞いなど用途別の手紙文例と続くが、文字を書くのが自信のない向きのために、上手にひらがなや漢字が書ける練習帳も付いている。古くて新しい日本語のコツである。
(遊友出版斎藤一郎)

3月期は11・1%減/3ジャンルとも2ケタの大幅減/日販調べ

日販営業推進室調べの3月期分類別売上調査は、雑誌・書籍・コミック合計で対前年売上増加率が11・1%減(先月1・5%減)と大幅なマイナスになった。
雑誌は10・2%減(同2・9%減)。前年の消費税率変更に伴う定期誌発売日繰上げの影響に加え、ムックの売上増加率もマイナスに転じたため、減少が続いた。
書籍は10・0%減(同2・2%減)。文芸書は9・9%減で、異例の発売前重版で注目を集めた『火花』(文藝春秋)が売上を牽引したが、前年の売上良好銘柄には届かず、マイナス幅の縮小にとどまった。
コミックは14・4%減(同2・2%増)。全国書店員が選んだおすすめコミック2015第1位になった『魔法使いの嫁3』(マッグガーデン)が好調だったが、前年売上良好だった『ONEPIECE73』(集英社)などには及ばず、マイナスに転じた。

兵庫県の学習支援事業/兵庫組合加盟店限定の図書引換券を作成

兵庫県は、施設に入所している児童等に対する学習支援事業として、兵庫県書店商業組合(山根金造理事長)の会員店舗限定で図書や教材の購入に使える引換券を作成・配布する。
この事業は、兵庫県の井戸敏三知事の声がかりで実施されるもので、①障害児入所施設や児童養護施設などの児童福祉施設の入所児童や里子に対して図書等引換券を配布し、学習教材等の購入を支援することで、健全な育成を推進する。②県内施設に入所している全ての児童等への支援を行うことで、域内における消費を喚起する――の2つを目的に実施する。
配布の対象となるのは、平成27年6月1日時点で県内の施設に入所している児童及び里親に委託されている児童。児童1人あたり図書等引換券1万円分(500円×20枚綴り)を、各児童福祉施設または里親を通じて配布する。引換えの対象となる図書や教材については今後決定する。引換券が使えるのは兵庫県組合の会員店舗(約160店)限定となっており、使用期限は平成27年11月末。
組合会員書店で対応が必要となる作業は、①図書等引換券と図書・教材等の引換え、②引換券の取りまとめと代金請求――の2つ。図書・教材等と引き換えた図書等引換券と、代金請求書等を兵庫県の担当課に送付するため、県への債権者登録が必要になる。兵庫県では、具体的な手続きや送付書・請求書等の様式と記入例などを記載した手引き書類を作成し、各書店または法人に事前に送ることにしている。
(安井唯善広報委員)

「キラキラ児童書リスト」を作成/トーハン

4月23日から5月12日まで実施される「こどもの読書週間」。トーハンは、第57回となる今年の公式標語「本はキラキラ万華鏡」にちなんで、光ったり、飛び出したり、変化する絵本18点を掲載した「キラキラ児童書リスト」を作成した。
この児童書リストは、書店おはなしの会のサポートなどを行っているトーハンの社会貢献委員会が選書し、こどもの読書週間期間中のおはなし会やイベントのためのサービスツール、読者向けのブックガイドとして作成したもの。トーハンは、毎年「こどもの読書週間」の時期に合わせて公式標語にちなんだテーマの選書リストを作成しており、取引先書店を通じて配布している。
リストには、書名・著者名・出版社・内容などの書誌情報に加えて対象年齢を付記して選書をサポート。トーハンが運営するオンライン書店「e‐hon」でもリストを掲載している。

「傑作宣言」商品、売上が2・6倍に/日販

日販が2014年10月から実施した文庫の売り伸ばし企画「傑作宣言プロモーション」が、3月で第1タームを終了。実績について、実施後5ヵ月で対象商品の売上が2・6倍と大きく伸長したと発表した。
「傑作宣言プロモーション」は、書店が講談社文庫の作家24人から好きな作家を指名し、その代表作から本当に面白いと思う本を「傑作宣言」しプロモーションするという企画。各作家の代表作だけでなく、その次に読んでほしい「次の一冊」も同時に紹介して展開するという点が大きな特徴で、それによって「著者買い」を促し、購買につなげていくことを目指した。また、書店が売りたい作家や展開方法を選べる自由度が高い仕組みになっているため、書店ごとの独自性がより発揮されて、読者が傑作に出会う機会の創出と売上の伸長につながったと、日販では分析している。
企画対象商品48点の売上は、企画開始前に比べ2・6倍に伸長。内訳を見ると、「代表作」は2・7倍、「次の一冊」は2・3倍となった。また、20年以上前の作品が、対象作品の中で売上上位になる例も見られるなど、往年の名作も展開次第でまだまだ売れることが示された。
4月からの第2タームでは、参加書店は第1タームとは異なる作家を選んで商品展開。売り場の棚では、背挿し陳列だけでなく、面陳列をサポートする販売台や、「読む順ナビゲートPOP」といった新販促物を投入して商品アピールを強化する。

文庫市場6・2%減の1213億円/『出版月報』2014年文庫本レポート

出版科学研究所発行の『出版月報』3月号は「2014年文庫本マーケットレポート」を掲載。これによると、昨年の文庫本(コミック文庫本を除く)の推定販売金額は前年比6・2%減の1213億円で、1973年に販売統計を開始して以来、最大の落ち込みとなった。同レポートから文庫市場の動向を紹介する。
2014年の文庫本市場は、前年比6・2%減とかつてない落ち込みを見せた。推定販売部数も同7・6%減の1億8901万冊と、過去最大のマイナスとなった。販売不調の兆しは13年後半から現れていたが、14年4月の消費税増税とタイミングをほぼ同じくして販売が急落。4月以降の店頭実績は5~10%の減少を見せ、10%以上落ち込んだ月もあった。文庫本市場は、出版不況と言われた2000年代に入ってからも下落幅が比較的小さく、健闘を続けてきたが、13年、14年の2年間で急激に冷え込んだ。
動向をみると、メガヒット作は生まれるものの一部の作品に限られ、売行きの二極化傾向が続いている。新刊の当たり外れが大きかったことに加え、既刊本の不調が深刻さを増した。また、文庫販売の2割程度を占めてきたライトノベルの販売が曲がり角を迎えたことも不振の一因となった。
14年の売行き上位50作品では、映像化作品が26点と半数を占めた。また上位10作品は、百田尚樹、湊かなえ、池井戸潤、東野圭吾の4人の作家に集中した。百田尚樹作品は、『永遠の0』(講談社文庫)が累計426万部という記録的部数を樹立。このほか『幸福な生活』(祥伝社文庫、82万部)、『海賊とよばれた男』(講談社文庫、上・下計155万部)などメガヒットが続出した。湊かなえは、映画化された『白ゆき姫殺人事件』(集英社文庫)、ドラマ化された『Nのために』(双葉文庫)がともに80万部を突破した。
新刊点数(コミック文庫を除く)は前年比1・0%(87点)増の8574点と、年間点数の増加傾向は変わらず。新刊点数はこの20年間で2倍近く増えたが、売上は約17%落ち込んだ。ここ数年は大型文庫の創刊は見当たらず、14年は双葉社の「モンスター文庫」などライトノベル系文庫の創刊が目立った。
新刊推定発行部数は前年比6・2%減で、新刊点数の増加に対し発行部数は減少傾向にある。新刊1点あたりの推定発行部数は同7・1%減の1万3千冊と大幅に減少した。
新刊に既刊(重版+注文分)を加えた推定出回り部数は3億986万冊と前年比6・8%減。過去に96年の7・6%減、01年の7・5%減など大幅に落ち込んだ年はあったが、これらは返品率が急上昇した年の翌年で、部数の大幅な絞り込みによって返品改善の調整を図ったことによるものであり、14年は売行きそのものが低調だった。
返品率は前年比0・5ポイント増の39・0%。10年以降は大手取次による送品抑制を伴った返品減少施策で大幅に改善したが、ここ3年は上昇傾向にある。
出回り平均価格は前年より1・6%(10円)増の642円。新刊平均価格は同2・0%(13円)増の654円だった。14年は増税に伴い本体価格を丸める程度の値上げを実施した出版社が多く、顕著な上昇がみられた。
ライトノベルは、販売金額が前年比10・0%減の225億円と2年連続の大幅減となった。売行き上位作品は人気シリーズの続刊が中心で、アニメ化作品のヒットが少なかったこともあって、新しいヒットシリーズの登場はごくわずかにとどまり、その部数規模は全体的に小さくなっている。
文庫不振の背景について出版科学研究所は、販売拠点である街の書店の減少を指摘。また、書籍の新刊平均価格が10年前に比べ75円下落しているのに対し、文庫の新刊平均価格は47円値上がりしており、消費税増税が重なって、文庫本でも読者の買い控えが増えているのではないかと分析している。

ホームページを全面リニューアル/トーハン

トーハンは4月6日、コーポレートサイト(http://www.tohan.jp)の全面リニューアルを行った。
ホームページはデザインを一新し、トーハンの取り組みをわかりやすく紹介することを意図して内容を刷新。目的の情報にたどり着きやすいようにナビゲーションを整理した。ベストセラー情報はさらに拡充を図り、週間・月間・上半期・年間ランキングの総合各10位を書影入りで紹介。分野別を含めた全てのランキングをPDFファイルで掲載するほか、1990年以降の年間ベストセラーも閲覧できる。また、読者向けサービスを紹介する「本を楽しむ」を新たに設けた。

栗田から楽天に事業譲渡/ブックサービス

栗田出版販売は4月1日、出版物の通信販売を手掛ける子会社ブックサービスを楽天に事業譲渡した。
ブックサービスは1986年10月にヤマト運輸(現ヤマトホールディングス)と栗田が共同出資で設立。2007年に栗田が出資比率を90%へ引き上げて経営権を取得していた。事業譲渡について同社は「事業の更なる成長を鑑み、インターネットの有力コンテンツを数多く運営する楽天への事業譲渡に合意した」としている。現行の事業内容に変更はない。
また、同日開催の臨時株主総会及び取締役会で以下の役員を選任した。
〔新役員体制〕〇新任
代表取締役社長
川窪克誌
取締役〇平田英己
同〇片山誠
監査役〇國井渉
※前取締役の森孝弘氏、高梨秀一郎氏、森岡忠弘氏と前監査役の河本正美氏は退任。

逢坂剛氏が文学賞受賞/来年「文庫賞」を創設/吉川英治賞

吉川英治国民文化振興会が主催する吉川英治3賞の贈呈式が4月10日、東京・千代田区の帝国ホテルで開かれた。
今回受賞したのは、第49回吉川英治文学賞が逢坂剛氏の『平蔵狩り』(文藝春秋)、第36回吉川英治文学新人賞が西條奈加氏の『まるまるの毬』(講談社)、第49回吉川英治文化賞が元シベリア抑留経験者で20年以上ロシアで戦友の遺骨収集を続ける遠藤尚次氏、20年以上非行少年・少女126人を雇用し自立・更生を支援する野口義弘氏、半世紀にわたり読む年表『新・国史大年表』の執筆・編纂を続ける日置英剛氏、水俣病の患者・被害者支援組織を立ち上げ47年にわたり奮闘する日吉フミコ氏。
逢坂氏は「昨年は父の中一弥が吉川英治文化賞を受賞し、親子2代の受賞者になった」と喜びを語った。
また、同振興会は吉川英治文学賞、文化賞が第50回の節目を迎える来年、シリーズ大衆文学作品とその著者を顕彰する「吉川英治文庫賞」を創設すると発表した。同賞を後援する講談社の野間省伸社長は「刊行が複数年にわたるシリーズ作品は、これまでの文学賞の評価の枠組みでは顕彰しきれないこともあった。大長編を多く著した大衆文学の代表作家である吉川英治の名を冠した賞こそ、すぐれたシリーズ作品を顕彰するときにふさわしいと考える」と話した。

日販「出版流通学院」受講生を募集

日販は7月から第26期出版流通学院を開催する。同学院は取引先書店の人材育成を主眼として1990年に開設し、これまでの修了者は総勢882名。
ビジネスに共通の思考法から店舗運営ベースの財務分析、競合店対策のためのマーケティング戦略、人材育成のためのマネジメントと労務管理まで、全5講座のカリキュラムを用意している。
[開催要項]
▽受講対象=書店店長および本部マネージャー、リーダークラス
▽受講期間=15年7月~16年2月の8ヵ月間。全5回(年間12日間。7月、9月、11月、1月、2月に開催)
▽受講料=1名あたり22万円(税込・全5回分)※日本出版共済会より加入口数50口につき1名5万円補助
▽申込方法=所定の受講申込書に記入の上、日販営業担当者または書店サポートチームまでメールまたはFAXで
▽申込締切=6月5日
問い合わせは日販営業推進室店舗サービスグループ書店サポートチームまで。℡03―3233―4791

『目黒区の100年』刊行/目黒書店組合、事前予約1700部獲得

東京都書店商業組合目黒・世田谷支部の目黒区内にある書店で構成する「目黒書店組合」は、郷土出版社(長野県松本市)が3月18日に初版2500部で刊行した『目黒区の100年』(本体9250円)で、1700部を超える事前予約を獲得した。
同書は目黒区1世紀の歴史を350枚の貴重な写真と資料で綴った郷土本。ティーエス流通協同組合が初めて発売元になった。目黒書店組合と郷土出版社は新聞折込広告を計5回掲載。広告効果は大きく、好調な滑り出しとなった。
同書の発売に合わせ、目黒書店組合は3月25日、目黒区役所に青木英二区長を訪ね、同書を贈呈した。組合側からは王様書房の柴﨑繁社長(東京都書店商業組合副理事長)、恭文堂書店の田中淳一郎社長、八雲堂書店の新倉修社長、金華堂の平山孝社長の4氏が出席した。また、宮澤宏行目黒区議会議員が同席した。
贈呈式の後、青木区長は「立派な本を作っていただいた。反響は大きく、区にも問い合わせがある」と謝辞を述べ、懇談を行った。
柴﨑氏は「目黒書店組合として行政と契約を交わし、組合員が協力して図書館運営を行う形になってから10年以上たった。全国的に見て目黒区の図書館行政は群を抜いている。他の道府県組合の役員にモデルとして参考にしてほしいと言っている」と述べると、青木区長は「皆さんから税金をいただいているので、地元に還元しようという考えだ」と応えた。また、柴﨑氏は「資料費を増やしてほしいというのが書店現場の意見」と要望を伝えると、青木区長は「話し合い、工夫して、できることからやっていきたい」と述べた。
このほか地元の諸問題や読み聞かせなどの読書推進活動、活字離れ、万引き問題などをテーマに意見交換した。

訃報

岡本惠年氏(おかもと・しげとし=増進堂・受験研究社代表取締役会長)4月7日に死去、99歳。葬儀は10日に近親者で営んだ。同社は5月27日正午~午後1時半、大阪市北区中之島5―3―68のリーガロイヤルホテルで「お別れの会」を行う。喪主は同社代表取締役社長で長男、明剛(あきたか)氏。故人の遺志により香典、供花、供物は辞退する。