全国書店新聞
             

平成21年5月21日号

ブックオフの株式取得/DNPと出版社等6社で

講談社、集英社、小学館、大日本印刷、図書館流通センター、丸善の6社はアント・グローバル・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンドなど2つの政策投資銀行系ファンドが保有するブックオフコーポレーションの全株式を各々取得する株式譲渡契約を5月13日に締結した。2つのファンドが所有するブックオフの株式は発行済株式総数の28・9%にあたる。
株式取得の内訳は大日本印刷が6・6%、丸善5・57%、講談社、集英社、小学館が各4・29%、図書館流通センターが3・86%で5月20日に取得予定。
株式取得について6社は「ブックオフとともに、二次流通も含めた出版業界全体の協力・共存関係を構築し、業界の持続的な成長を実現させていくため」としている。講談社、集英社、小学館とDNPグループ3社、ブックオフは近日中に業界の発展を目的とした協議を開始する。

大日本印刷と資本提携/主婦の友社、財務体質強化へ

主婦の友社は大日本印刷と資本・業務提携で合意、大日本印刷が同社の株39%を所有する筆頭株主となる。また、13日には大日本印刷と講談社、小学館、集英社など6社がブックオフ株式を取得するなど業界再編の動きが目立っている。
㈱主婦の友社(資本金17億円、荻野善之社長)は5月8日、大日本印刷㈱(資本金1144億円、北島義俊社長)と業務・資本提携に合意した。大日本印刷は主婦の友社の普通株式を取得し、既保有株式と合わせて総議決権数の39%を所有する筆頭株主になる。また、常勤取締役1名と非常勤監査役1名を主婦の友社に送り込む予定。
12日に行われたプレス懇談会で主婦の友社神田会長は「経済環境が悪化している中で出版社、特に雑誌主体の社は広告等で利益が出にくくなっている。今回の提携により製作コスト、作業、時間の効率化を一層進められる。コンテンツの多様性を図るため、さまざまなデジタル系の挑戦をしてきたが1社ではむずかしい面もあり、大日本印刷のプラットホームを利用したビジネスチャンス拡大も可能になる。業務提携と財務体質の強化で不況を乗り切り、次のステップにという判断だ」と提携の狙いを説明した。
次いで荻野社長は「ここ数年の業績縮小で経営基盤が脆弱化してきた。業務提携により財務体質、収益体質の強化を図り、経営基盤を強化する。テーマとして①返品率の改善、②メディアコスト最小化、クロスメディアの展開、③対企業向けコンテンツ提供も視野に販売機会の向上――の3点が骨子。今週からプロジェクトチームを結成して課題をあぶりだしていく。経営の自主性、独立性は担保されており、従前通りの取引先は継続する」と述べた。
主婦の友社の今年3月期売上高は前期より24億円少ない171億円強。返品率は前期比2・3ポイント増の46%。期末従業員数は220名。

第48回出版人大会、萬田相談役が謝辞/長寿者表彰39名の代表で

第48回全出版人大会が5月11日午後3時から千代田区紀尾井町のホテルニューオータニで開かれた。
式典では初めに野間佐和子大会会長(講談社)が「出版界は長引く不況の中でデジタル・ネットワーク社会を迎え、出版社も流通・販売も強い結束で解決に取り組んでいかなければなりません。デジタル時代にあっても文字活字は多様な文化の基盤であり、読書は大切な営みです。2010年国民読書年の成功に向け新聞界とともに努力していきましょう。出版人大会は昭和37年の第1回からまもなく50回を迎えます。大きな変革期に当たる今こそ出版の社会的使命を再認識し、過去の叡智に学びながら未来を切り開いていくことを誓いたいと思います」とあいさつ。
菊地明郎大会委員長(筑摩書房)は83年に出版された『思考の整理学』がPOPで火が付き、07年に16万部、08年に18万部出たことを紹介。「ロングセラーを発掘して売り伸ばせるのも本の世界だからこそ」として、大会声明を朗読。拍手で採択した。
山内俊夫文部科学副大臣、長尾真国立国会図書館長の祝辞、麻生首相メッセージに続き、長寿者39名の祝賀と永年勤続者393名を表彰。長寿者を代表して日書連萬田貴久相談役に小峰紀雄大会副会長から記念品が手渡された。萬田相談役は「インターネットの時代も店頭で本を選ぶ愉しみを提供するのが書店の仕事。これまでのご支援に感謝する」と謝辞を述べた。

新潟の本を展示即売/新潟県書店組合

新潟県書店商業組合(西村俊男理事長)は、5月9日、10日の両日、新潟市の繁華街、古町通り商店街で行われた「古町どんどん」で「新潟の本ブックフェア2009」の展示即売を行った。
この祭りは毎年春秋2回開かれ、物産販売やアトラクションなど多彩な催しが行われる。新潟組合ではワゴン8台に新潟に関する本約80点とバーゲン本200点を即売したほか、明治・大正・昭和の町並みや風景を撮った写真をパネルにして掲示。懐かしそうに見入る人が大勢いた。
(熊田雅明広報委員)

日書連定時総会は6月25日に開催

日書連の第21回定時総会は6月25日後午前11時から、東京・飯田橋のホテルメトロポリタン・エドモントで開催されることになった。総会が例年より1か月遅くなったのは、組合法の改正により監査期間を十分とったため。一方、小売公取協の総会は5月22日午後1時から書店会館で開催する。

うみふみ書店日記/海文堂書店・平野義昌

新鋭スタッフが「海文堂ブログ」立ち上げを宣言しました。若者のパワーが時代を動かすのは世の常です。「若もんは新しいことにチャレンジしなはれ」と、大会社創業社長然と構えておりました。「情報をどんどん発信しよう」という趣旨に、オッサン共も不平ございません。が、よく聴いてみると、怪しいのです。こちらの思惑と違いました。「日記は皆さん自分で書きましょう」との由、「えーっ!」が当然の反応です。情報だけ渡したら、全部やってもらえるものと思っていましたから。「簡単です。それぞれの文章の味がありますし」とか言われて、オソルオソルコワゴワ書きました。「できましたね」と言ってもらえて喜んだのですが、うまいこと乗せられたようです。ちょっと慣れると「毎日書かな損」という気になります。貧乏人根性と、我ながら呆れています。更新しないと見てもらえないそうで、「用事増えた」と言いつつ書いてしまいます。
若者に負けられぬと、従来の紙媒体を改良、5年続けている週刊手書き通信2件を統合・改題、T堂の「週刊S」をパクリ、スケベ化という、卑怯・非道の限りを尽くして「週刊奥の院」を創刊しました。本家ほど立派に本を紹介できませぬし、イラストも描けませぬ。そのうえ公序良俗に反し、風紀紊乱です。情けなさが充満しています。
「よい子は読んではいけません。真面目なオトナもご遠慮ください」と言い訳が入ります。
目玉は「今週のもっと奥まで~」、仕事中に見つけた「Hシーン」を紹介、ちゃんと「もっと店内の奥まで本を探しに来てほしい」という、切なる願いも文章化していますのでご容赦を。
顧客であり、イベントにも協力してくださる「英吉利狸」教授がオックスフォード留学から帰国されました。根性のひねくれた海文堂スタッフは、留学の証拠と成果を求めたのでした。「パブ通い、酔いが醒めたら古本漁りじゃろ?」。尊敬の欠片もない罵詈雑言、温厚なインテリ狸もついに巨大金×袋の緒を切りました。「シャーロック・ホームズ・クラブ」「ルイス・キャロル協会」の精鋭を引きつれ、海文堂に殴り込んだのです。彼の地の地図、講演レジュメ、スライドも駆使して、弁舌は喉越し爽やかビールの如しで、我ら反省・感心・得心いたしました。恒例呑み会は和気藹藹、ホームズ、アリス、種種の薀蓄噺が披露され、楽しい一時でした。
今はないKブックス時代の同僚KN氏が久し振りに来店、大阪府南部の書店勤務、数少ない業界生き残りの一人です。通勤時間2時間余りでしょう。先月急死された元上司の思い出話や業界人消息情報を訊きました。遠慮も気兼ねもなく話していますと、一緒に働いていた、あの佳き日日が甦ります。「年取ったなあ」と言い合いました。
海文堂書店日記 d.hatena.ne.jp/kaibundo/20090504 – 27kホームページからもどうぞ。

谷口体制2期目スタート/理事・組合組織を大幅刷新/愛知総会

愛知県書店商業組合は5月15日午後2時から名古屋市千種区のホテルルブラ王山で第26回通常総会を開催、組合員187名(委任状含む)が出席した。
総会は大原鉦治副理事長の司会で進行し、谷口正明理事長があいさつ。4月23日に開かれた子どもの読書活動推進フォーラムで、愛知県組合が文部科学大臣表彰を受けたことを報告したほか、組合加入による経済的メリットの追求について説明し、「仲間卸証としてASKカードの発行を始めた。ご利用書店はかなり有効に使っておられるようで、受け皿になってくださる書店のお力添えに厚く御礼申し上げる。自費出版事業は、お客様からの受注が成約すれば紹介料として10万円をお支払いするシステムなので、ぜひ皆さんの経営改善に役立ててほしい」と述べた。
続いて谷口理事長を議長に各議案を審議し、平成20年度事業報告、平成21年度事業計画案、収支決算・予算案などを可決承認した。
このうち平成20年度事業報告は各委員長から説明があり、①サン・ジョルディフェスティバルは2日間で2万人が来場し、チャリティ売上金は95万4121円にのぼった、②第3回「中学生はこれを読め!」フェアを愛知・三重両県で開催し愛知72店、三重28店が参加した、③組合ホームページをリニューアルし、一般読者からもアクセスしやすい内容にした――などの報告があった。
役員改選では、選考委員による理事・監事選出の後理事会を開き、谷口理事長を再選した。続いて副理事長と、新たに編成された各委員会(総務/相談窓口/広報/親睦/違反対策/支部運営/会員メリット開発/協同増売/読書推進/サン・ジョルディ/情報化推進)の正副委員長の紹介が行なわれ、谷口理事長は「先日、日書連会長への立候補を表明した。日書連の体質改善が目的であり、そのためには新陳代謝が必要ということで理事の任期8年上限案を提出した。組合活動も日書連活動も、役員をすれば理解が深まるので、順々にまわしていきたいということ。今回は大幅な若返りをした。先輩方に支えていただきながら、私たちはパワーを活かして頑張っていく。『愛知モデル』を全国に示していきたい」とあいさつした。
総会修了後、筑摩書房・菊池明郎社長が「責任販売と時限再販―返品を減らし利益を高める販売―」を講演。午後5時から別室で懇親会を行なった。
〔愛知組合正副理事長〕
▽理事長=谷口正明(正文館書店)
▽副理事長=佐藤光弘(光書店)安藤正直(安藤書店)春井宏之(正文館書店)

春の書店くじ抽選会

第13回「春の書店くじ」の抽選会が5月8日に神楽坂の日本出版クラブ会館で開かれ、特賞「北京4日間ペアの旅」をはじめ各賞の当選番号を決定した。
抽選会は日書連増売委員会・筒井正博委員の司会で進行。大橋信夫会長からキャンペーンに協力いただいた関係各社に御礼のあいさつがあった後、舩坂良雄増売委員長が経過報告を行ない、「今回から当選番号が重複する〝ダブル当選〟が出ないように抽選方法を変更した。書店くじは、春は海外旅行、秋は図書カード10万円を特賞として進めていくので、ご協力をお願いする。日書連は今後も皆様と一緒になって厳しい状況を乗り切っていく。よい企画をどんどん出していただいて、店頭で1冊でも多く販売したい。一生懸命取り組むのでよろしくお願いする」と述べた。
このあと書店くじの抽選を行ない、抽選会出席者の中から選ばれた協和・雨谷正己社長、栗田・川窪克誌執行役員ら5氏がボウガンの射手を務め、次々に当選番号を決めていった。今回から、当選番号の重複が出た場合は再度抽選することとして特賞から3等賞までを決定。さらにこれらの当選番号の下1桁の数字を除いた番号の中から、くじ引きで4等賞を決定する方式に改めた。
このあと書協・小峰紀雄理事長が「いま、出版業界ではこれまでは考えられないような提案がされたり、実行されている。きっといい形で出版の再生や読書の興隆に役立つと思う。来年は国民読書年。皆様と一緒に出版文化の明日を開きたい」と述べて乾杯した。

総代制廃止、総会へ移行/組合員全員参加に/京都

京都府書店商業組合(中村晃造理事長)は4月27日午後2時半、京都市の書店会館で理事会を開催した。
委員会報告で定款改訂委員会(村田弘武委員長)は、京都組合における定款改訂に関する作業が完了したと報告した。定款改訂委員会では今日までおよそ1年をかけて新定款草案を叩き台に検討を重ね、今月5月末に開催される総会において議決を諮ることを想定し、準備をしてきた。
京都組合が定款改訂を行う背景としては、近年、中小企業団体の組織に関する法律が変遷したこともあるが、特に法律との関係において、現行定款で規定した総代制が組合員の減少から継続できなくなったことがその大きな要因。法律は定款よりも優位性があるため、定款で定めた条項が法律の規定から外れた時点で、定款にあるその条項については無効となる。これにより現在議決権の有資格者つまり名義人(支店を除く)が200人を下回った京都組合では、定款にある総代制の条項は法律が定める条件を満たせずすでに効力を失った状態で、今後は法律の定めによる総会を開催することになる。
全国的に書店数が減少傾向にある現在、京都組合としては、今後も健全な組合運営を行うためには定款の改訂が不可避だとして、今総会での議決を目指すとしている。また、規約についても理事選出の方法などは定款と関連する項目が多く、改訂を余儀なくされることから、改訂案を今総会に提出する。
理事選出の方法についても総代制の廃止にともない、今後は組合員から直接選出する方式を採ることになる。組合員数が多い組織では、間接的な総代制は組織運営上において合理性があるが、その性質上、組合員個々の意見は執行機関の中枢まで届きにくい。それが、組合員が組合運営に直接参加して行う全員参加型になれば、組織において個々の意思が反映されやすくなる。しかしその反面、これまで一般組合員は総代でない限り組合運営に携わらない環境にあったものが、今後は組合運営に全組合員が積極的に直接参加していくことが求められる。
特に総会は組合員全員が出席の対象で、その成立には、議決権を有する組合員の過半数以上の出席(委任状を含む)が必要。今回は総代会から総会への移行期で混乱を招く可能性もあるため、京都組合は総会開催に向けて万全を期すとともに、組合員に理解と協力を求めたいとしている。
なお、京都組合の総会は、5月28日の午後2時から京都市中京区の京都ホテルオークラで開催される。
(澤田直哉広報委員)

子どものこころ詩のこころ/子どもの読書フォーラムで工藤直子氏が講演

〔読み聞かせは長い目で〕
4月23日に東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれた「子どもの読書活動推進フォーラム」で、詩人・童話作家の工藤直子氏が「子どものこころ詩のこころ」をテーマに講演した。内容を紹介する。私たちが今でも持っている「子どもの心、詩の心」をもって子どもたちに接したい。そうすれば、子どもたちから素敵な宝物をもらえるような気がする。
私が小学校1年生の頃は昭和16年と戦時中だった。当時は本があまりなかったので、近所のおにいちゃんやおねえちゃんから国語の教科書を借りて読むことがうれしかった。小さい子どもというのは、面白いものはすべて暗記してしまう。「咲いた、咲いた、桜が咲いた」で始まる教科書は全部暗記してしまった。大人になってから文章を書いたり詩を書いたりするとき、小さい頃に感じたそうした面白さからとても影響を受けている。
小学校1年生のときの担任の先生が1年間、毎朝授業の最初の数分、本を朗読してくれたこともうれしかった。近代童話の祖とも言える巌谷小波が作った『こがね丸』や翻訳物の『十五少年漂流記』などだが、擬古文調で書かれており、決してわかりやすいお話ではなかった。私は体育会系のじっとしていない子どもだったので、先生は「この子は何も聞いていないんじゃないか」と思っていたと思う。でも、広告代理店で広告コピーを書いたり、詩を書いたり童話を書いたりしているときに、「昔、先生から聞いたお話、朗読してもらったリズムがすごく影響しているな」ということが、50歳近くなってからやっとわかるようになった。今の先生方も即効性を求めるあまり「子どもたちはこのお話を受け入れてくれるだろうか」と心配になるケースがあると思うが、私のように6歳のときの経験を50歳になってやっと理解するということもある。長い目で見ることが大事だと思う。
〔すべての人の心に詩が〕
昔はテレビもゲームもなくて、ラジオも貴重品。父の本棚にある本を、意味もわからないのに片っ端から広げてみた。昔の本は全部ルビがふってあって、平仮名だけは読めたので、それで読んでいた。泉鏡花の全集を小学校2年生で読んだが、読むというのではなく文字を追っかけていただけ。何が書いてあるかよくわからないが、いろいろな色がキラキラと降ってくる感じがあった。子どものときに文字と言葉の響きから受ける感覚は不思議なもの、詩に通じるものだと思う。いま子どもたちと一緒に本を読むとき、「自分もあなたと同じ不思議な感覚をもっているんだよ」という心をもって接するならば、子どもたちはとてもくつろいで、そして面白い秘密を私たちに見せてくれるかもしれない。
子どもと一緒に本の世界を味わうことが大切だ。教えてやろう根性を出しては駄目。私も苦い経験をしたことがある。子どもたちは声の感じから大人の「教えてやろう」という気分を感じ取って、退屈して引いてしまう。「教えてやる」「ちゃんと聞きなさい」とやって、あとですごく反省した。子どもは大人の気配、言葉、態度を、神業に近いぐらい鋭く察知する。それを忘れてはならない。
みなさんの心の中には必ず詩がある。すべての人が詩人なのだ。また、子どもの心もあって、そこにはドキドキするようなものがたくさんある。それを活かしていただきたい。
最後に「会いたくて」という詩を皆さんのために書いたので朗読したい。「わからないなあ、なんだろうなあ」と思いながら生きるのが人生、という気持ちを込めた。「誰かに会いたくて、何かに会いたくて、生まれてきた。そんな気がするのだけれど、それが誰なのか、何なのか、会えるのはいつなのか、お使いの途中で迷ってしまった子どもみたい、途方に暮れている。それでも見えないことづけを手の中に握りしめているような気がするから、それを手放さなくちゃ。だから会いたくて」

課題図書のセット送付/本の帯創作コンクール/大阪組合

大阪府書店商業組合は5月9日午後2時から組合会議室で定例理事会を開催した。主な審議・報告事項は以下の通り。
〔読書推進会〕
①本の帯創作コンクール
組合員書店には課題図書18点各2冊のセットを送付する。店着は5月27日頃の予定。追加注文分は長期委託ではない。また、コンクール関係資料を学校および書店に発送する作業を5月19日に実施。
②読書ノート
4月22日に朝日新聞紙上で21年度「読書ノート」の募集告知をし、5月2日に締め切った。応募校は180校・7万8000名。7日に抽選し、5万名に絞った。15日に読書ノートの発送作業を行った。
〔学校図書館・IT関連委員会〕
総務省が各自治体に通達した「指定管理者制度導入の可否」についての回答期限が迫っている。自治体の動きを知りたいので情報収集に努めてほしい。また、学校図書館への図書類納入に際し装備付を希望する学校があったときは、組合に相談してほしい。割安な組合価格での装備作業を斡旋する。
〔日書連報告〕
①昨年度実施の「年間定期購読キャンペーン」で、1位入賞のカペラ書店をはじめとして、大阪組合の書店が多数上位を占めた。そこで6月9日、大阪で「年間定期購読キャンペーン」推進の座談会を開催することになった。
②大阪組合が日書連で提唱した客注品等を円滑に入手するための方策を検討する「物流研究準備委員会」が発足した。委員長には大阪組合副理事長の戸和繁晴氏が就任した。
(中島俊彦広報委員)

本の即売とパネル展示/子ども読書の日記念で京都組合

京都市は4月18日から26日までの9日間、市立図書館など約20施設で「子ども読書の日」記念事業を展開したが、京都府書店商業組合(中村晃造理事長)もこれに協力して本の即売やパネル展示などを行った。
18日にはメイン会場の中京区・京都市生涯学習センター(京都アスニー)で「子ども読書の日記念の集い」が開催され、午後2時半から「ぐりとぐら」の中川李枝子さんの講演会「本をたのしむ」とサイン会が行われた。京都組合は即売を担当、中川さんの本約一〇〇冊を販売。京都組合のマスコット「ブックン」の風船を児童に配布した。
会場には「本のもり・あそびのコーナー」や、保育所・幼稚園・小・中・総合支援学校から募集した「読書絵はがき」の展示コーナーが設けられ、読書活動支援団体によるパネル展示で京都組合はマスコット「ブックン」の誕生までの経緯と、今後取り組む事業内容などを紹介した。
最終日の26日には、中京区のゼスト御池・河原町広場に「地下鉄子ども文庫」が設置され、市民提供の児童書約2000冊をリサイクルする試みも行われた。京都アスニーで行われたおはなし会には、京都組合職員の鹿野美代子さんが読み手として参加。集まった約30人の児童に絵本『さんまいのおふだ』(福音館書店)の読み聞かせ、ストーリーテリングと紙芝居を行った。(澤田直哉広報委員)

歌麿の美人画再現/芸術新聞社から発売

ボストン美術館に保存され、門外不出の浮世絵コレクション6500枚はボストンの大富豪、スポルディング兄弟が集めた世界最高峰の名品揃い。美術新聞社は同コレクションから高精度デジタル画像と超細密多色美術製版により歌麿の美人画8枚を『スポルディング・コレクション歌麿ベストセレクション1』として11月中旬に刊行する。
作品寸法は天地41㌢×27~28㌢、保存用マット装、作品収納用ケース入り。定価は特製額1点付5万9850円、額なし5万2500円、いずれも税込み。製作数1千部、各シリアル番号付。
同コレクションについては昨年9月、NHK総合テレビがNHKスペシャルで取り上げて反響を呼んでおり、芸術新聞社は今後もシリーズで刊行していく。

埼玉に物流センター建設/大阪屋と栗田共同出資で新会社

昨年来、業務提携を進める大阪屋と栗田出版販売は、来年秋の稼働を目途に共同出資会社による新物流センター建設に着手する。
新物流センターは雑誌・書籍の新刊整品を中心に、一部倉庫機能や取り寄せ機能を併設する統合型センター。書店の規模に応じた複数の納品形態を用意し、店舗作業効率化も図る。発送はデジタル・ピッキングを取り入れ、作業スピードは2・5倍、精度も1・5倍に。オプションで付録添付等の付加サービスも。
新会社は資本金1億円、大阪屋と栗田の出資比率は55対45になる見通しで、準備室が栗田内に設置された。センターは埼玉県近辺に複数の候補地が挙がっており、4千坪程度の規模になる。物流拠点を統合することで両社とも相当のコスト削減が図られるほか、書店、出版社、輸送、印刷各段階でのコスト削減、合理化につながるという。
15日、大阪屋東京支社で行われた記者説明会で大阪屋三好勇治会長は「2社の持っているサービス、業務を共同利用していこうと1年が経過した。新しい一歩を踏み出すため物流会社を作り、商社機能と物流を分業化することでコスト削減を図る。9月までには新会社を設立する予定だ」と述べた。

二見書房『読めない漢字』が百万部を突破

麻生首相の原稿誤読以来、がぜん話題を集めた『読めそうで読めない間違いやすい漢字』(二見書房)が5月14日出来の第23版で百万部を突破した。初版は昨年1月23日で1年4か月でミリオンセラーとなった。

環境ビジネス本部を新設/クロスメディア展開推進/日経BP

昨年7月に日経ホーム出版社と経営統合し、今年創立40周年を迎えた日経BP社は、5月15日午後2時から記者会見を行い、今年度の重点施策を説明した。
冒頭、平田保雄社長は「日経ホーム出版社と経営統合して間もなく1年経過する。従来の経済・経営、技術情報に生活情報が加わることで強力なコンテンツ体制が整った。これを土台にウェブ、イベント、書籍のクロスメディア展開を図ってきた。しかし、昨年後半から急激な広告の落ち込みがあり、減収・大幅減益で折り返した。現在、直販誌23、市販誌14、ニューズレター3、合計40誌を発行している。このほか日経BPのサイトが20あり、月間1億3千万PVと個性的で競争力あるサイトを運営している。書籍は昨年250点刊行、日経ジオグラフィックと合わせると3百点ほど発行している。今年は創業40年を迎え、イノベーション、環境、アジア、人材の4分野で事業を展開していきたい。生活情報の点では『トレンディ』『ウーマン』『キッズ』『大人のOFF』が加わった。今年は第2フェーズのクロスメディアで新しい試みを展開していきたい」と述べた。
今年1月に設置された環境ビジネス本部については萩原和久本部長が日経エコロジー創刊10周年記念シンポ「成長と環境を考える賢人会議」の開催などを説明。加藤栄ライフスタイル局長は『日経ウーマン』と『PC21』、『日経ヘルス』と『トレンディ』のコラボ企画や新女性サイトの開発を報告した。

本屋のうちそと

暮らしの手帖社の人がやってきた。思わず口に出たのは「初めてですよね」こんな小さな店にまで顔を出すなんて。営業なんてしない出版社かと思っていた。新刊案内注文書に出版案内そして書籍でも雑誌でもこれを付けて返して下さいと返品承諾書を数枚渡された。そして案内だけで注文は取らずに店を去った。
腰が低く丁寧なだけではなく自社の本に対する自信を秘めているような気がした。久しぶりに気持ちの良い営業に接したようだった。亡くなった母が定期にしていた広告の無いこの雑誌を改めて手にしてみた。広告媒体としてではなく読者と向かい合う雑誌の存在感が伝わってくる。ずっと読み継がれていく絵本のようなスタンスだ。
読者への本の注文についてはこう書いてある。「お近くの書店でお求めになれますが、店頭にない場合は次の3つの方法よりご注文ください。①まずは書店にてご注文ください。②お近くに書店がない等、お求めになりにくい時…」そして出版案内にはこう記されている。「自分の暮らしを自分で守らなくてはならない今、まさに皆様とともに進むための雑誌です。ぜひ一度、手にとってみてください」
今後の販売、読者との接点として中小をも含めた書店の店頭の重要性を感じた営業ならば、私たちも答えなければいけない。読者に手にとってもらいたい本、自信をもって薦めたい本を店頭に並べるという一番基本の販売で。(理)