全国書店新聞
             

平成19年5月1日号

委員会編成手直し

日書連4月理事会は志賀副会長の退任に伴い、情報化推進委員会委員長に井門照雄副会長、井門副会長が担当していた環境政策審議会委員長を丸岡会長が担当することを承認した。

共済会給付

(19・2・19~19・3・31)
▼病気傷害江別市大麻町15―11本のカナリヤ松山雄洋殿
高岡市末広町40文苑堂書店吉岡隆一郎殿6口
江刺市川原町3―4伊豆倉書店佐々木要太郎殿
5口
岐阜市神田町7―7―2
南陽堂書店山田好昭殿2口
▼その他被災(自動車飛び込み)倉敷市真備町岡田411青木堂書店青木保憲殿1口5万円

雑誌売り伸ばしの実例を募集

雑協は雑誌愛読月間キャンペーンの一環として雑誌売り名人・店頭販売売り伸ばしプロジェクトを展開する。陳列・レイアウトの工夫、記事内容のPOP、来店客への声かけ、イベント、定期購読の獲得など、書店現場からのアイデアを広く募集。情報提供先は雑協売り伸ばしPT・高橋まで。電話03・3291・0775またはFAX03・3293・6239。

第2回実施へ向け説明/新販売システム出品呼びかけ/日書連

日書連は4月19日午前11時から書店会館で理事会を開催。流通改善委員会藤原委員長は書店正味実質40%を確保する第2回新販売システムについて、4月12日に版元6社と意見交換会を実施したのに続き、27日には出版社50社へ案内状を送り説明会を開いて出品を求めていくことを説明した。
〔流通改善〕
今秋の文字・活字文化の日に計画している第2回新販売システムは、4月12日に講談社、小学館、文藝春秋、河出書房新社、主婦の友、ポプラ社の6社と意見交換会を行ったことを藤原委員長が説明した。
今回も①完全買切り、②注文満数出荷、③特別報奨18%が付いて実質書店正味40%の販売条件は前回と同じだが、日書連から新たに3カ月延勘の条件を提示し、出版社の理解を得たという。12日に続いて4月27日には出版社50社程度に呼びかけて説明会を開き、出品を求める。
藤原委員長は「点数が増えれば、自店に合った商品を取上げられるのではないか。書店からも取上げて欲しい商品を募集したい」と意欲を述べた。
3月末に日書連が行った第1回新販売システムの在庫調査アンケートによると、『だいじょうぶだいじょうぶ』は72%、『窓ぎわのトットちゃん』は48%の実売だった。講談社の話では『だいじょうぶ』は初回注文が1万2千部、追加で8千部受注しており、合計2万部になった。『トットちゃん』の追加注文はほとんどなかった。
〔読書推進〕
雑協は創立50周年記念企画の一環として「雑誌売り名人発掘」「店頭販売売り伸ばし」プロジェクト(文春名女川勝彦委員長)を展開する。雑誌販売活性化のため、雑誌の展示・陳列、外商、定期購読、接客、在庫管理など雑誌販売の具体的事例を書店から幅広く収集し、64頁程度の雑誌販売ハンドブック『私はこうして雑誌売上を伸ばしました』(仮題)を作成するもの。ハンドブックをテキストにセミナーや勉強会の開催を企画している。
雑協は5月末までに全国書店から売り伸ばし情報の提供を求めており、日書連もこれに協力していく。
〔増売運動〕
「春の書店くじ」は8組合が基本目標数を達成、早計で332万枚消化したと舩坂委員長が報告した。今回の春のくじ特賞「ギリシアの旅」は11月中旬に実施する。
サン・ジョルディの日のイベントについては、愛知組合が4月21日、22日の両日、名古屋市でサン・ジョルディフェスティバルを開催(3面参照)するほか、北海道組合十勝支部は記念講演会を行うことが紹介された。
ホームページ「本屋さんへ行こう」で募集した第2回「本の川柳」には全国から9513句の応募があり、グランプリ1点に図書カード5万円分、入選19点に1万円の図書カードを送る。グランプリ作品は5月8日の春の書店くじ抽選会の席上、発表することにしている。

見舞金給付を完了/日書連共済会

昨年12月末で解散したものの、共済会規約に基づき給付申請受付は今年3月末まで延長していた日書連共済会は、4月19日の理事会で最終的に5件19万円の見舞金給付を承認。これをもって給付は打ち切ることを木野村祐助日書連共済会運営委員長が説明した。
3月末現在の資産は5億3761万円。東京組合から借りていた事務所は4月23日で返却手続きした。日書連共済会の残余財産は日書連に帰属させることが決議されており、日書連は今後、資金の活用方法について委員会を作り審議する。

道組合理事長に久住氏

北海道書店商業組合は4月17日開催の理事会で志賀健一理事長(旭川市・旭川冨貴堂)が辞任し、新理事長に久住邦晴氏(札幌市・久住書房)を選出した。

5月8日に臨時理事会/新組合法で決算手続き明確化

日書連は5月24日の定時総会に先立ち、5月8日午後4時から書店会館で臨時理事会を開催することになった。今年4月1日から改正組合法が施行され、決算関係書類に関する作成・監査手続きの明確化が求められるようになったため。
改正組合法では、決算書類作成の手続きとして①決算書類、事業報告書は監事の監査を受けた上で理事会の承認を得なければならない、②監事が決算関係書類の提供を受けてから監査報告までの期間は原則4週間を経過した日とする、③理事会の承認を受けた決算書類、事業報告書、監査報告は総会の2週間前までに事務所に備え置かなければならない――というもの。
一連の組合法改正で役員任期の変更、員外監事の義務化などは経過措置が設けられたが、決算諸手続きの改正事項は経過措置がなく、速やかな対応が求められている。
今年の日書連総会スケジュールにあてはめると、平成18年度は3月31日に終了し、4週間後の4月27日に監査会、1週間を経過した5月8日に臨時理事会。この理事会で承認された決算書類は組合事務所で2週間閲覧されたあと、5月24日に定時総会が開かれることになる。

返品入帳で一定の前進/図書館サポート委を設置/4月理事会

〔環境改善ワーキング〕
返品入帳処理の改善問題は3月の年度末の対応についても、トーハンは5営業日前、日販は3月26日まで入帳すると、一定の前進が見られた。
鈴木機関長は、取次各社に年度末の返品入帳状況を改めて文書で確認するとしたほか、月末まで返品入帳するのが正常とする考え方を示した。
〔指導教育〕
各都道府県組合事務担当者を対象に8月21日、22日の両日、東京ガーデンパレスで研修会が開かれる。研修会のテーマは①4月1日から改正された組合法改正の要点、②組合会計の実務、③先進大型書店の見学で、8月21日午後1時開会。22日午後1時終了。
〔情報化推進〕
井門委員長は情報化委員会の下に「図書館サポート委員会」(委員名別掲)を設置し、行政への対応をマニュアル化していくほか、学校図書館協議会とも連携をとっていきたいと、今後の方針を説明した。
【図書館サポート委員会】
委員長=井門照雄副会長
委員=藤田彰常任委員(大阪・ブックプラザ)、辻本和樹常任委員(京都・向島書店)、高島瑞雄(福島・高島書房)、岩瀬且敏(東京・大谷書店)、湯本光尚(東京・ブックチェーン)、山田洋一(東京・久我山書店)、長尾幸彦(愛知・教育システム)、中尾隆一(福岡・中尾書店)、川崎孝(長崎・メトロコンピュータサービス)、村田征禧(日外アソシエーツ)、岡本公一(フィリムルックス)、山崎榮三郎(内田洋行)

〔再販〕
岡嶋委員長は再販弾力運用を検証する委員会がいぜん開かれていないと報告。千葉市・ブックスゴローで実施されているポイントカード(百円ごとに1ポイント、3百ポイントで3百円交換)については、「再販違反」の見解を示した。
〔消費税〕
4月19日、湖東京至関東学院大学教授を講師に消費税の勉強会を開催したことを面屋委員長が報告(7面に講演要旨)。夏の参議院選挙後には改めて日書連理事会なり出版業界に呼びかけて研修会を企画したいとした。
〔取引問題〕
国際地学協会の経営破綻問題は3月20日に民事再生計画が確定し、4月末を目処に実施に移っていくことを下向委員長が説明した。しかし、同社の再生計画では、取次からの売掛金を書店の返品を見込んでゼロで資産計上しているといい、書店からの返品を受け付けない姿勢との矛盾が指摘された。このため、下向委員長は別掲の文書で取次に今後の返品対応を明らかにするよう求めた。
【国際地学協会返品問題に関するご意向の確認】
㈱国際地学協会の民事再生問題につきましては、過日御社ともご相談の機会を設けさせていただきました。当委員会では、その後もより良い解決の方向を検討しておりましたが、この程同社の再生計画が決定し、4月中にも正式にスタートする見込みであることが明らかになりました。
当委員会が相談しております弁護士を通じて、国際地学の代理人弁護士から、「取次会社は、書店からの返品があるので債務分の確定が出来ない」よって、国際地学協会では、売掛金ゼロで資産計上している」とお伺いしています。同社出版物の返品問題について、御社として今後どのような対応をされる準備があるか、ご意向をお聞かせ願います。なお、誠に勝手ながら、4月25日(水)までに文書にてご回答下さいますようお願いいたします。

大人の塗り絵ハリポタBOX/河出書房120周年企画

日書連4月理事会は河出書房新社の増売企画として①大人の塗り絵コンテスト募集、②ハリー・ポッターBOXの取扱いを決めた。
「塗り絵」は団塊世代の定年退職などを背景に大ヒット。出版点数は80社2百アイテムに及び、河出書房新社だけでもシリーズ累計180万部。同社では昨年から「大人の塗り絵」コンテストを開始し、今年の第2回は日書連も後援。書店店頭でポスター掲示、申込み用紙の配布を行うことになった。
6月1日からのコンテスト募集に合わせて同社では①花のセット(4点各5冊)、②特選セット(同)、③棚用セット(11点各2冊)、④クーピーBOX、⑤水彩色鉛筆BOXのセットを販売する。注文書、応募要綱、ポスターは5月初旬から順次、都道府県組合に届けられる。
一方、『ハリー・ポッタースペシャルBOX』は映画第5弾「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」の夏休み公開に合わせ7月2日に発売。本体価格2800円。セット内容はシールセット、ポストカードブック、名場面カレンダー、特大ポスター。販売条件は買切り、3カ月延勘、書店卸65%。増売参加組合の書店には1セット140円(5%)の特別報奨がつく。締切りは6月4日。同BOXは02年に2万セット、03年に1万5千セットを販売した。

中学生向き推薦図書リスト作成/熊本

熊本県書店商業組合(長崎晴作理事長)は今年が商組設立20周年になるのを記念して中学生向けの推薦図書リスト『お~い中学生!本はよかバイ』(A5判80頁、本体定価500円=写真)を発行した。
北海道組合の『中学生はこれを読め』を参考に「勇気・元気をくれる本」「泣けるくらい感動する本」「ゆっくり自分を見つめる本」「知る喜びがわかる本」「想像の世界を楽しむ本」の5つのジャンルに分け2百冊を紹介する。熊本在住の作家コラムや書店のお薦めの1冊も取上げる。
熊本組合では5千部を作成して県内の中学校全クラスと小・中・高校の学校図書館に寄贈した。残部が若干数あり、希望書店には送料込み525円で頒布する。申し込みは熊本組合まで。電話096・344・3831番。

3月期は3.1%減/コミック除いて前年割れに/日販調べ

日販経営相談センター調べの3月期書店分類別売上げ調査によると、3月期は対前年比96・9%となり、前年を3・1ポイント下回った。
売場規模別では151~200坪店が前年並みだったほかは、いずれの規模も前年割れ。201坪以上店は、これまで売上げが安定していたが、3月期は99・8%となり、今年度初めて前年割れになった。50坪以下店は94・5%で、最も落ち込みが大きい。
ジャンル別で前年を上回ったのはコミックの5・4%増のみだが、文庫、新書、児童書、実用書は前年同月に105%以上の伸びを示しており、今年はその反動と見られる。
コミックは各規模でいずれも前年を上回った。『ONEPIECE』『NANA』『バガボンド』等の最新刊が売行き良好。
客単価は平均1138・9円、前年比99・4%。50坪以下を除き前年割れ。

本と花の祭典に2万人/1万3千冊をチャリティ販売/サン・ジョルディ名古屋2007

「サン・ジョルディフェスティバル名古屋2007」が4月21日、22日の両日、名古屋市東区のオアシス21・銀河の広場で開かれ、本と花の展示販売を中心に様々なイベントが行われた。2日間の来場者数は約2万人にのぼった。
愛知県書店商業組合はイベントの目玉である本のチャリティ販売を実施した。読者から読み終えた本を寄贈してもらい、定価の1割以上で販売するもので、売上金全額を中日新聞社会事業団を通じて各種福祉事業・施設などに寄付する。文芸書、文庫、新書、実用書、児童書、コミックなど約1万3千冊を陳列、71万1618円を売り上げた。
このほか会場では、子どもたちを対象にJPIC読書アドバイザーと名古屋経営短期大学子ども学科学生による絵本の読み聞かせや手作り絵本教室が行なわれた。また、今回は愛知県内の書店が中学生のために選んだ新刊書を紹介販売する「本屋のオヤジのおせっかい中学生はこれを読め」コーナーを新設。「子どもたちを守りたい」と銘打った、いじめを考える本の紹介販売コーナーも設けた。「孫の日」コーナーでも本の紹介販売を行なった。
21日午後12時45分からメインステージで行なわれた開会式では、サン・ジョルディ名古屋実行委員会の高須博久委員長(愛知県書店商業組合理事長)があいさつ。「サン・ジョルディの日は世界本の日になり、子ども読書の日にもなった。1つのことを粘り強く続けることで運動が広がった。本が人生を変えることを伝えていただきたい。そうすれば本を読む人は増える」と読書推進の意義を強調した。また、長年にわたる日本とスペインとを結ぶ文化活動が評価されスペイン文化勲章「アルフォンソ十世勲章」を受章した新東通信・谷喜久郎会長が「名古屋発の活字文化を守る活動を続ける」あいさつした。

新・読書手帳/「こんな本を読んだよ」を斡旋/大阪

「大阪読書推進会」が発行し、無料頒布している「読書ノート」が府内各小学校で好評を博し、年毎に発行部数を増やしているが、本年はそれとは別に家庭での読書推進サポートのため「読書手帳こんな本を読んだよ」を以下の内容で発行する。
「読書手帳」では、1ページあたり3冊の読書記録スペースがあり、書名、感想を書くことができる。30、50、100、150冊を読み終えた次のページは「読了カード」となっており、裏面に大阪読書推進会・中川正文会長名の表彰状が印刷されている。保護者が児童名を書いて表彰状を手渡し、子どもたちを褒めることができるように考えたもの。書店店頭で150円で販売することを想定しているが、読書週間や夏休みの児童書増売セールのサービス品としても利用できる。年度版ではないので安心して長期間販売できる。
全国の組合書店からの注文については、1冊85円、1セット50冊、4250円で提供する(送料別途)。頒布を希望する書店は住所・書店名・責任者・電話番号・FAXを明記の上、取次番線印を押して5月15日までに大阪組合事務局FAX06‐6361‐3220へ。現品発送は6月上旬を予定。
(中島俊彦広報委員)

サン・ジョルディ企画/図書カードと花券のペアセット販売/青森組合

青森県書店商業組合は3月から4月24日まで「世界本の日サン・ジョルディの日」を記念して「図書カードと花券のサン・ジョルディペアセット」(1000円)を販売した。
日書連は地方独自のイベントを盛り上げるため「サン・ジョルディの日PR企画推進費」を1組合当たり20万円を上限に拠出する施策を実施したが、青森組合はこれを利用して今回の取り組みを実施した。
同組合はPRのためポスター約2百枚、チラシ約1万枚を作成し、組合加盟店店頭、学校や図書館など公共施設に配布した。地元報道機関への広報活動も行なった。また、「サン・ジョルディペアセット」特製台紙を作成。贈る人から贈られる人へのメッセージ欄を設け、感動した本についてタイトルや感想を書くことができるようにした。
鶴谷理事長は「本と花を贈り合う素晴らしい習慣を読者やメディアにもっと知っていただきたい。今回作成したポスターとチラシは各方面からお褒めの声を多数いただいている。今年の結果をふまえ、来年以降の継続実施を前向きに検討したい」と話した。

読みきかせらいぶらりい/JPIC読書アドバイザー・針谷範子

◇2歳から/『いたいのいたいのとんでいけ!』/山岡ひかる=作/絵本館893円/2006・4
「いたいのいたいのとんでいけ!」って、なでながら言ってもらうと治ってしまう気持ちになるのはなぜかな。それはね、“痛いの”が言葉通りヒューンと飛んでいってしまうから。どこへ行っちゃうかというと…。やさしい文なので、兄姉が小さい妹弟に読んであげるのもいいですね。
◇4歳から/『くまのまうるとおばけもり』/もきかずこ=文/やましたこうへい=絵/ソニーマガジンズ 1575円/2006・5
冒険好きのまうる。リュックを背に今日もお出かけ。ところがまうるの大切な地図が風に飛ばされて…。地図を追いかけ、みんながやってきたのはオバケ森。「どうする、まうる」「ぼく行くよ!」暗い森、長い洞窟、不思議な声…子どもたちの心をドキドキさせる要素がいっぱいです。
◇小学校低学年向き/『しってるねん』/いちかわけいこ=作/長谷川義史=絵/アリス館1260円/2006・3
大阪の商店街の雰囲気&コミカルな台詞と絵がベストマッチ。「こんにちは」と声をかけられたボク。あれぇ、あの人誰やったかなぁ?なかなか思い出せないもどかしさってみんな覚えがあるよね。“独りボケつっこみ”しながら商店街を歩く男の子の様子、めっちゃおもろいで。

家族といっしょに読もう児童書リスト/トーハンが作成

トーハンはこどもの読書週間(4月23日~5月12日)にあわせて児童書リストを作成した。今年の同週間の公式標語「いっしょに、読もうか」にちなんで「家・家族」をテーマにした絵本・読み物をリストアップ。読み聞かせに最適な児童書62点とじっくり読んでほしい絵本・読み物12点、計74点のリストとなった。
選書を行なったのは書店おはなし会のサポートなどを行なっているトーハンの社会貢献委員会で、こどもの読書期間中のおはなし会やイベントのためのサービスツール、読者向けのブックガイドとして作成した。また、トーハンが推進する家庭での読書「うちどく(家読)」にも最適なリストとなっていることから、うちどくホームページ(http://www1.e-hon.ne.jp/content/uchidoku_top.html)でも「うちどくおすすめの本」コーナーで全74点を紹介している。

ふるさとネットワーク/北信越ブロック編

〔新潟〕
上越市の中心部に位置する高田公園は徳川家康の六男、松平忠輝公が築城した高田城の跡に作られた約50ヘクタールの面積をもつ公園で、夜桜の美しさで有名だ。
高田公園の桜は明治42年、第13師団の入城を記念して在郷軍人団が2200本の桜を植樹したのが始まりで、現在約4000本の桜がある。高田城三重櫓と夜桜が約3千個のボンボリの明かりに映え、お堀の水面にうつる。その様は「日本三大夜桜」の一つと言われる。今年も恒例の観桜会が4月6日から22日まで行なわれ、期間中は市民や各地から花見に訪れる観光客で賑わった。
夏になると、今度は「東洋一」と称される蓮が公園の外堀を埋め尽くし、多くの見物客やカメラマンが訪れる。7月下旬から1ヵ月間「はすまつり」が開かれ、茶会や俳句会などの行事が催される。
〔富山〕
日本一のチンドンマンを決める富山の春の風物詩「第53回全日本チンドンコンクール」が4月6日から8日までの3日間、県庁前公園などの会場で開催された。予選を勝ち抜いた8組で本選を行い、大阪の「ちんどん通信社政丸」が初優勝。街に笑いの渦を巻き起こした。
本選は「協賛企業のPR」を口上のテーマとし、各企業の商品やサービスを寸劇、替え歌でユーモアを取り入れ、いかに印象強く宣伝できたかを、11人が審査した。
歩行者天国になった富山市の平和通りではチンドンマン3百人が盛大にパレードし、大勢の観客を喜ばせ、プロと素人のチンドンマンが沿道の見物客の握手や記念撮影に応じる姿もあり、大きな拍手が送られた。
(渋谷恵一広報委員)
〔石川〕
江戸時代に金沢の地を治めた加賀藩は、石高は高いものの外様大名だったため、幕府から警戒されないよう内向きの産業を奨励した。そのため当時から絹織物の主要な産地だった。また、藩の財政が潤沢だったことから、京都などから職人を招聘、加賀友禅などの染織工芸が育成された。
これらを基盤に、明治時代以降、繊維工業や染織加工業が発達。繊維の生産に必要な織機の製造業が発達し、繊維以外の分野でもユニークな技術を持つ機械メーカーが生まれた。ジェットルーム(高速の気流や水流で横糸を飛ばす方式の織機)で世界トップの津田駒工業、瓶詰めプラントで世界一の澁谷工業、自動給茶装置付き回転寿司コンベア機でトップシェアを持つ石野製作所……。「伝統工芸王国」金沢は、繊維産業を土台に多様な技術を生み出した、機械製造業の街でもある。
〔長野〕
南安曇郡三田村(現・安曇野市)に生を受けた臼井吉見は、旧制松本中学(現・松本深志高校)を卒業、旧制松本高校を経て、東京帝国大学文学部を卒業、教員生活をする。中学時代の友人、古田晁氏から将来の仕事について相談を受けて出版を勧め、昭和15年に筑摩書房を創設させた。昭和18年、戦地へ応召された臼井は復員後、筑摩書房で雑誌「展望」を企画、編集長となり、著述、文芸評論、講演など多彩な活動を展開。「日本文学全集」「現代教養全集」などを編集。筑摩書房の発展に寄与した。59歳のとき、代表作「安曇野」の執筆を開始。10年の歳月をかけて完結させた。
安曇野市堀金烏川にある臼井吉見文学館には「安曇野」の直筆原稿、愛用の机等、遺品の数々が展示されている。書店人として見学することを望む。(高嶋雄一広報委員)
〔福井〕
七間通り朝市で有名な大野市。大野といえば福井県書店商業組合にとっては角谷和夫前理事長(カドヤ書店)なのです。平成元年、商業組合設立に奔走した故安部定志氏(安部書店)に続き理事長に。9期18年にわたって組合を牽引してきました。各種イベントや行事には積極的に若手を起用し、予算は用意するが口は挟まず結果の責任は自分がという男気と、懇親会での定番大野名物里芋の煮っころがしを持ち込むなど繊細な気遣いが多くの組合員の支持を受け、昨年の総会では安部悟新理事長(安部書店)から感謝状と記念品の贈呈がありました。小京都と称されるここ大野は市内に名水100選もあり、芋きんつばやけんけらを始めとする質の高い和菓子や例年金賞受賞の酒造元が数軒。越前大野城の目と鼻の先、観光で訪れた際にはカドヤ書店を覘いてみては。生涯現役の好々爺が隠された名所名物を教えてくれますよ。
(清水祥三広報委員)

実践校2万2336校に/8割の学校で本不足/朝の読書

朝の読書推進協議会はこのほど平成19年3月30日現在の「朝の読書実施状況」を発表した。これによると、実践校数は2万4336校(実施率63・1%)で、内訳は小学校1万5427校(同68・5%)、中学校7181校(同65・8%)、高校1728校(同33・7%)。取り組んでいる児童・生徒数は約900万人となった。
実施規模は全校一斉の取り組みが88・9%、実施時間は10分間52・9%、15分間32・4%で、15分間実施する学校が増加傾向にある。実施回数は毎日(週4日含む)が40・3%。週1回(21・4%)から2回(13・5%)の実施が35%を占める。また、「朝の読書」は教師も一緒に読むことが運営上大事なポイントだが、一緒に読んでいる学校は66・2%で、33・8%の学校では子どもたちだけの実践になっている。
学校図書館の蔵書数については、十分であると回答した学校は19・2%と低率にとどまった。8割近くの学校が本不足で悩んでおり、学校での読書活動が盛んになればなるほど読む本が足りないという問題が深刻化している。同協議会は「平成19年度から『新学校図書館図書整備5ヵ年計画』として合計1000億円の予算措置が実行されることになったが、この予算が100%学校の図書購入費用として使用されることが課題」としている。

226書店で読み聞かせキャンペーン/日販

日販は「こどもの読書週間」(4月23日~5月12日)にあわせ、全国226書店で読み聞かせキャンペーンを展開している。
同社はおはなしマラソン(http://www.nippan.co.jp/ohanashi_marathon/)、本やタウン(http://www.honya-town.co.jp/hst/HT/index.html)のホームページなどで取引書店の読み聞かせ会をPR。また、参加書店に開催支援キットとして店内用ポスター、保護者向けの読み聞かせ会の絵本を紹介した「読み聞かせガイドブック」や、参加した子どもへのおみやげ(折り紙)、スタンプラリーカードなどを提供している。「読み聞かせガイドブック」は、「ファーストブック赤ちゃんがはじめて出会う絵本」13冊、「子どもと一緒に楽しむ絵本1」14冊、「同2」21冊、計48冊をリストアップしている。
また、同社は東海ラジオ(東海エリア)、KBCラジオ(福岡エリア)、MBCラジオ(鹿児島エリア)で読み聞かせラジオ番組「絵本の時間おはなしマラソン」を放送しているが、今回のキャンペーン参加書店の読み聞かせ会の開催日程を各放送エリアの番組内で紹介している。

税率据置き運動が重要/関東学院大学法科大学院・湖東京至教授

日書連は4月18日、書店会館で消費税問題の勉強会を開き、関東学院大学の湖東京至教授が講演。湖東教授は大型間接税の歴史や、消費税の特徴と問題点について解説し、「業界として出版物の税率を据え置く軽減税率導入運動が重要だ」と指摘した。
大型間接税の歴史を振り返ると、2千年前、軍事大国を維持するためにローマ帝国の初代皇帝アウグストゥスが税率1%の売上税を導入したのが初まりだ。ローマ帝国は6世紀半ばに崩壊したが、以後20世紀初めまで大型間接税は導入されなかった。
近代になって、第一次世界大戦中の1916年にドイツで0・1%の売上税が導入された。これは戦費調達のためで、敗戦後は2・5%まで上昇した。第二次大戦後の1951年には4・0%になっている。これは原材料、卸、小売と段階ごとに課税されるので、実際は平均14%くらいの高い税金だった。
1968年にヨーロッパ統一の付加価値税を導入し税率が10%に上がったが、全体で10%なので実質的に税率は下がったため反対運動はなかった。だが税率をすぐ上げていき、現在は19%になっている。わずか0・1%で始まった売上税が、今日では超大型間接税に成長しているわけだ。
仕入税額控除方式の大型間接税を導入したのは1954年のフランスが初めてで、現在世界の約130カ国で導入されている。ヨーロッパ諸国の大型間接税の税率を見ると、福祉のために財源が足りないということで税率を上げる傾向がある。一旦導入すると税率が下がることはまずない。アメリカではレーガン政権が税制改革案で大型間接税の導入を検討したが、財政が膨張して「大きな政府」になってしまうことなどを理由に採用しなかった。
日本では1989年に竹下内閣が消費税を導入した。「社会保障費に使うため」という表向きの理由はうそで、実際は国の借金返済や、法人税・高額所得者減税などのためだった。実際は消費税導入後も国の借金は増え続けている。
消費税の納付額は、売上の税額から仕入の税額を控除する。生産・流通それぞれの段階に課税され、全部計算すれば5%になるであろうというものだ。そういう推定をする税金で、それがこの税金の最もいやらしいところだ。
消費税には非課税のものがある。例えばアパートの家賃や社会保険医療などだ。でもアパートの修理をすれば、修理代には消費税がかかる。本当は不完全な非課税ではないかということで、私は偽の非課税といっている。
ヨーロッパ諸国の大型間接税の税率は高く、平均20%ほどだ。だが書籍は多くが軽減税率になっている。これはヨーロッパの書籍組合が猛烈な運動をしたからだ。ドイツでは書籍は7%の軽減税率なので、売上×7%から仕入×19%を引くと、マイナスになって若干還付になる。低い税率ほど還付になる可能性があり、むしろ非課税より良いということになる。
日本の消費税は大変評判が悪く、税収の5%に当たる滞納が発生している。なぜかというと、納税義務者が事業者で、価格転嫁する法的保証がないからだ。消費税というのはお客さんから取っている預かり金だという話を良く聞くが、これは完全な間違いだ。納税義務者は消費者ではない。書籍は再販制度があるが、一般的には自分の裁量で価格に転嫁するしないは自由だ。逆に言えば消費税をいただく権利はない、だから預かるということはありえない。これは裁判事例でもはっきりしている。
だが国税当局は、消費税の滞納一掃を図ろうと、「いわば預かり金」「預かり金的性格を有する税」だから納税しろというポスター運動をした。「預かっているお金だから納めるのは当然だ」といいたかったのだろうが、今はさすがに「預かり金ではない」ということが定着しつつある。
小企業が消費税を価格転嫁しにくい一方で、消費税の最大の不公平は、ゼロ税率で課税する「輸出戻し税」により大企業が巨額の還付を受けていることだ。2005年には輸出上位10社で約8700億円もの還付を受けている。消費税率引き上げ論者にとって最も魅力的な点で、税率を引き上げれば還付金が増えるだけだ。
消費税率アップ反対運動は消費者を巻き込んだ運動が必要だが、もし全体の税率が上がったとき業界として5%の据え置きを目指すのが軽減税率の運動で、これは比較的やりやすく重要なことだ。仮に10%に上げられたとして、後にさらに15%、20%に引き上げられたときのことを考えると、5%のままなら業界としては非常にありがたいことになる。運動しない業種は税率がどんどん上がっていくだろう。ヨーロッパ諸国の団体が頑張ってきたように、何とか軽減税率を勝ち取るのが業界独自の運動として非常に重要だ。

新・アジア書店紀行/ノセ事務所代表取締役・能勢仁

〔第14回・オーストラリアメルボルン(1)〕
メルボルンは、京都のように碁盤の目になっているので歩きやすい。宮崎駿が〝紅の豚〟の舞台で使ったフリンダース・ストリート駅前から拡がるスワンストン通りの中心部に書店が集中している。リーダーズフィースト書店、ダイモック書店、ブックシティなどがある。フリンダースストリート駅は駅舎が約3百㍍もある横長の駅で、しかも真黄っ黄なので実に目立つ。メルボルンを象徴する建物の一つである。市内最高の55階のリトルタワー(メルボルン展望台)から見ると、真下に派手な黄色い駅舎が目に飛び込んでくる。
オーストラリアの面積は日本の22倍、人口は2027万人であるから、人口密度は日本の130分の1、1平方㌔㍍あたり2・6人は世界最低である。しかしこれは国土があまりにも広いための結果であって、都市部は銀座並みの繁華さはある。白人社会の多民族社会である。イギリス文化をコピーした国といっては言いすぎであろうか。ロンドンと似ている。しかしここにも中国人のたくましさは生きている。中華街が市の中心地にあり、多くの観光客を集めているのはさすがである。今オーストラリアを訪れるトップは中国人だという。
因みに人口第一位はシドニー525万人、メルボルン385万人と図抜けて多い。首都のキャンベラは85万人である。上記3都市で全体の45%と都市偏重がわかる。オーストラリア北部は道もなく、人が住めないので、東海岸沿いに80%の人が住むことになった。またかつてゴールドラッシュによって人が集まったことも偏重原因の一つである。原住民のアボリジニは全体の4%前後で、80万人といわれる。主として国土の中部に住んでいる。
〈市内の書店について〉
街中には大型書店が二軒ある。ダイモック書店の約5百坪、リーダーズフィースト書店の約450坪がある。両店とも地下売場ワンフロアであるが、地上面から見えエスカレーターが動いているので、視認性は実によい。下降している途中で店内が見渡せるのもよいものである。
上記の書店では売っていないが、スーパーの雑誌売場の景観は凄い。例えば間口4間、奥行15間とすればこの店は60坪である。左半分は全部雑誌である。中にはペーパーバックスも並べ、本の販売に熱心である。
中でも量販店、例えばウールワースの売場の食品以外の物販売場では書籍、雑誌の売場を50坪位とっている。書籍が主である。日本のデパートの書籍売場よりも規模は大きい。専門書籍は殆どない。ベストセラー、こどもの本、実用書が中心である。本のジャンル別陳列が詳細に行われているのに驚く。担当者は2~3人はいる。会計は一般物販と同じレジである。ディスカウントセールが行われているのは当然である。
書店という前に商店を見てみると、営業時間の短いのに驚く。夕方6時に閉める店が多く、中には5時閉店もあるから、買い物には気をつかってしまう。あくせく働かない国民性が出ている。長時間営業している店はアメリカ資本のウルワースやセーフウエイであり、日本から進出のセブンイレブンも24時間営業している。
〈ダイモック書店〉
市内を代表する老舗書店である。1882年(明治18年)創業であるから、今年で125年になる。
オーストラリア連邦成立は1901年(首都メルボルン)であるから、ダイモック書店はそれ以前に創業していた。19世紀半ばにはゴールドラッシュは始まっていた。
市の中心地コリンズストリートに面してある。有名なコリンズ・ツー・スリーフォーSCの地下売場が全部ダイモック書店である。前述した通り、道路からすぐにエスカレーターが走っており、店の開口部が広いので書店の存在はすぐにわかる。
市内を代表するにふさわしい約5百坪の総合書店である。明るく、きれいで、モダーンである。お客様が
スペシャルオーダーズのセクションに多かったことからもわかる通り、老舗特有の贔屓客がいることがわかる。中二階が設けられ、約15坪にバーゲンブック専用売場がある。バーゲンの主流は実用書とこどもの本で
ある。
レジ周辺には文具、おもちゃ類がおかれている。玩具に連動してチャイルドコーナーが広くとられている。重要視していることがわかる。キッズゾーンの隣はレファレンスゾーンで辞書類がおかれている。続いてビジネス、トラベル、バイオグラフィ、フィクション、ニューリリースとなっている。店独自の講演会の案内もあった。従業員は男性4名、女性7名は見受けられた。
〈ダイモックス・コリンズプレイス店〉
市の北部のビジネスビル二階の80坪の書店と考えればよい。店頭は総ガラスで、店内照明は1300ルックス位に明るい。ベストセラーを店頭に効果的に陳列、ビジネス書、OL向きの実用書、ペーパーバックスが中心である。店奥にソファーが置かれ、ゆっくり読書できる環境もある。
〈リーダーズ・フィースト書店〉
銀座4丁目角にナイキがあり、その地下がリーダーズフィースト書店と思っていただければよい。この店も地下導入はエスカレーターなので、抵抗感なく店に入ることが出来る。ダイモック書店とは対照的に間接照明で重々しさ、荘重さを演出している。
ワンフロアー約5百坪であるから、相当広い。変形であるが案内がしっかりしているので迷うことはない。雑誌は全くない。フィクションと、歴史、自然史、オーストラリア史に多く棚を割いている。レジは店の中央に円形でとられ、金銭授受とレファレンスは別々の人が担当している。この場所に5~7名の従業員がいた。ブックトラックを利用して、各担当者は自分の部署にしっかりとはりついていた。夕方6時には閉店してしまう。格子シャッターなので、閉店後でも店内は見渡せる。照明はおとしていない。落ち着いた雰囲気の書店である。広いスペースを割いてソファーが置かれ、どうぞゆっくりと見て下さいというのがわかる。ダイモックス書店と双璧の書店といってよいだろう。

参考図書

☆『YA朝の読書ブックガイド2007年版』
ヤングアダルト(略称YA)出版会は、中学・高校生が「朝の読書」の選書に活用できる『YA朝の読書ブックガイド』の2007年版を発行した。A6判112頁、頒価百円。
ブックガイドでは、YA出版会加盟23社が厳選した180作品を6つのテーマに分けてわかりやすく解説。作家・角田光代氏のエッセイなども収録する。なお、掲載商品はトーハン会バリューアップ販売コンクールの拡売対象銘柄にもなっている。

『NHK日本の名峰』など/小学館2007年中期書籍企画

小学館は4月19日午前11時から、一ツ橋の如水会館で2007年中期書籍企画発表会を行なった。
発表会では大住常務が「小学館は創業85周年を迎え、時代の厳しい要望に応えようと従来にない規模の企画を用意した。今年は3回に分けて企画を紹介する。7月に下期企画の発表を予定しているが、その中で1点紹介すると、85周年記念企画として『全集日本の歴史』全16巻を11月刊行予定だ。日本通史の決定版として満を持して刊行する。中期の企画と併せてお願いしたい」とあいさつ。続いて以下の企画の説明が行われた。
◇DVDブック『NHK日本の名峰』全4巻
日本の山岳をハイビジョンで捉えたNHK「週刊日本の名峰」を地域別に編集し完全収録したDVDと、オールカラーの解説本で構成。A5判上製48頁・DVD2枚組。第1巻4月23日搬入発売。各巻価格4410円、第1巻は8月末日まで特別価格3990円。
◇『セルフ・メディカ予防と健康の事典』
「予防医学」の視点から、本当に役立つ健康情報と病気予防のヒントや解決策を解説した初の〝予防医学事典〟。B5判上製706頁・オール2色・ケース入り、5月24日発売予定。定価4830円、12月末日まで特別定価4515円。
◇白川義員作品集『世界百名瀑』全3巻
イグアス、ビクトリアなどの著名な滝から最近新発見された滝まで、世界的写真家・白川義員が5年を費やして撮影した世界中の滝を収録。A3判上製180頁(地図含む)・輸送用段ボール箱付、定価各3万9900円。Ⅰ巻が5月8日搬入発売予定。
◇21世紀こども百科『恐竜館』
最新学説に基づき、生命の歴史における恐竜の位置づけを解説しながら、恐竜の生態に焦点をあてて紹介する。A4判変型上製・オールカラー240頁、定価4410円。7月上旬発売予定。
◇『日本の古典を読む』全20巻
日本古典文学の中から人気作品を厳選。原文と現代語訳を対照しながら読める構成を取り、現代語訳中に注解とあらすじを掲載、古語辞典を引かずに読める。四六判セミハード328頁、7月5日に第1回配本2冊同時発売、特別定価各1575円(2008年1月末日まで)、第2回配本以降定価各1890円。

人事

★角川プロダクション
角川グループホールディングスは4月2日付で「角川プロダクション」を設立し、同日営業を開始した。
〔役員〕
代表取締役会長(角川グループホールディングス)
佐藤辰男
代表取締役社長(角川書店)井上伸一郎
取締役(角川書店)
安田猛同(同)山下直久
同(エンターブレイン)
青柳昌行
同(メディアワークス)
渡辺雅人
同(富士見書房)
菅沼拓三同(角川映画)原田学
監査役(角川グループホールディングス)小林富夫住所=〒102―8078東京都千代田区富士見2―13―3
℡03―3238―8729、FAX03―3262―8246
★学習研究社
(4月16日付)
〔組織変更〕
出版営業部の名称を出版営業本部に変更する。
〔役員人事〕○新任
取締役出版営業本部本部長(取締役出版営業グループ担当)岩井英夫
執行役員出版営業本部副本部長兼通販事業部長(通販事業部長)○工藤徳治
※執行役員制度を導入

東京国際BF会期中イベント

◆2007年本の学校出版産業シンポジウム
本の学校運営委員会は、本の学校出版産業シンポジウムを7月7日午後1時から4時まで、東京ビッグサイトの会議棟で開催する。
シンポジウムの内容は、▽分科会1「中小書店の展望―協業化の可能性」〔Net21メンバーほか〕▽分科会2「雑誌販売の可能性―顧客管理のツールとして」〔雑協共催予定、雑誌販売の実績を持つ書店の事例報告〕▽分科会3「米国最大の独立系書店」〔マイケル・パウエル氏(米パウエルズ・ブックス)世良與志雄氏(フタバ図書)〕▽分科会4「若手書店人の力―現場発のコラボレーション」(本屋大賞実行委員会ほか)。
問い合わせは本の学校郁文塾。℡0859―31―5001、FAX0859―31―9231、Eメール=b-schule@imaibooks.co.jp
◆東京国際ブックフェア読書推進セミナー
新企画として、読書の重要性を広く訴えることを目的に、教育関係者や一般読者を対象にした「東京国際ブックフェア読書推進セミナー」が開催される。
講師は作家の椎名誠氏。『本の力本の夢』と題し、本に触発されて出かけた旅や帰ってきてまとめた旅の本のエピソードを含め、本が与えてくれた豊かな経験とその大切さを語る。7月8日午前11時から東京ビッグサイト会議棟で開催。聴講料無料(事前登録制)。

堀江良文堂/新入社員研修生の出版社OB会が発足

松戸・堀江良文堂書店で新入社員研修を受けた出版社OB会「良子(よいこ)会」が発足し、4月20日、松戸駅前「串特急」で開かれた第1回同窓会には出版社16社から約70名が出席した。
堀江良文堂書店は昭和56年から出版社の新人研修を引き受け、卒業生は150人あまり。会の発起人を代表して講談社小野寺裕校閲第1部長は「4半世紀に及ぶ研修生で会社のワクを越えたコラボレーションができる。本好きの熱い思いをタテ、横、面に拡げてほしい」とあいさつ。
トーハン馬場章好専務は「これだけ多くの研修生を送り出していただいたことに感謝する。2回、3回と続くことを期待している」と祝辞。角川クロスメディア田中樹生専務の発生で乾杯した。
堀江明社長、孝子夫人には、研修中の新入社員から花束が渡され、盛んな拍手を浴びていた。

本屋のうちそと

常連客から『湖の南/富岡多恵子/新潮社/07年3月新刊/1680円』の客注が入ったのだが取次・出版社とも在庫なし。しかしアマゾンには在庫有り。
止むを得ん、アマゾンで買うぞ!たとえ儲けが無かろうと大切なお客様の注文、断るわけにはいかん。エッ、先月号の原稿はって?小売業、お客様が第一です。まァ、市場のどこかには有るんだろうけどさ、その規模の割には売れない大型書店とか。
我が県では過去5年間で書店の売り場面積は7000坪程増えた(コンビニやスーパー等のスタンドは含まず、その増加も多いが)。年内更に1000坪程増える予定だ。坪25万円の在庫として約20億円の増。この国の消費者の購買力以上の過剰流動在庫のつけを最後に払うのは誰だろう。業界内で商品を廻しっこして送品代金の請求と返品入帳とのタイムラグのバランスがとれている限りは大丈夫なのだろうが。
都知事選は石原氏が再選された。文学者では無く政治家としての石原氏「この先4年間は『鈍感力』で行きます」とはまさか言わないだろう。夜な夜な高い水を飲む人には多いようだが。
映画『硫黄島からの手紙』公開以来『十七歳の硫黄島/文春新書』が良く売れる。隣には『最悪の戦場に奇蹟はなかった/光人社文庫』を積んである。国民投票法案が国会を通過するようだ。「美しい国」の名付け親の文藝春秋の編集者は後世に名を残すかもしれない。『A Man Without a Country』、カート・ヴォネガット氏死す。
(海人)