全国書店新聞
             

平成30年2月1日号

書店の経営環境改善に取り組む/舩坂理事長が決意を表明/東京組合新年懇親会

東京都書店商業組合は1月16日、東京・文京区の東京ドームホテルで新年懇親会を開催し、組合員、出版社、取次など総勢201名が出席。舩坂良雄理事長は年頭あいさつで、書店の経営環境改善など出版業界の課題解決に向け話し合いを進めると述べたほか、軽減税率適用、万引対策に取り組むとの決意を示した。
懇親会は渡辺真実行委員の司会で進行し、柴﨑繁実行委員長が「今後書店業界はどうなるのか、どうしていくのかという議論をしながら今年を過ごしていきたい」と開会の辞を述べた。
年頭あいさつを行った舩坂理事長は、始めに出版物の軽減税率について、「今年は適用を目指して頑張っていきたい」と実現に意欲を示した。書店業界の現状については、「全国で社運をかけて出店をされている書店が多々あるが、坪当たり30万から50万の経費をかけ、百坪の店なら保証金を含めて1億円以上かかる。私の夢は、書店を経験して独立したいという方がお店を出せるように支援することだ。日書連として出版社、取次にお願いし、業界を挙げて活路を見出そうという話し合いの場の設置を提案している。廃業を食い止め書店をやっていけるように、いろいろな施策を出しあって前に進めていきたい」と決意を述べた。
また万引問題について、自店で2日続けて起きた同一人物による万引未遂事件の事例を紹介し、万引対策に一層取り組むと言明。「今年は万引対策、軽減税率、業界トップの方々との話し合いを進め、出版業界がよくなるように頑張っていきたい」と結んだ。
続いて、出版社を代表して講談社の森武文取締役副社長が「当社では役員の間で『課題』という言葉を使わず『機会』という言葉にしようと一致した。出版業界が抱える難問課題は、業界を変える大きなチャンスと言い換えることができる。この1年皆さんと前向きに明るくチャレンジしていきたい」とあいさつ。東京組合特任理事を代表して丸善CHIホールディングスの中川清貴社長は、読者を第一に考えること、近江商人の『三方よし』にならって出版社、取次、書店皆が頑張ることの2つをビジネスの基軸に据えて、今年は読者に本をいかに早く届けるかに取り組みたいと述べた。
最後に取次を代表し、日販の清地泰宏常務が「2018年を覚悟の年、諸問題を絶対に先送りにしない1年にしなければいけない。業界の壁をなくし、もう一度原点に立ち戻ってみたい。業界3者が自社のことだけでなく、目線を同じにして諸問題に対して結論を出す形でいかなければいけない」と述べて乾杯した。
歓談の後、正副理事長が登壇して本間守世副理事長が閉会の辞を述べ、出席者全員による一本締めで終了した。

芥川賞に石井、若竹両氏、直木賞は門井氏

日本文学振興会は第158回芥川龍之介賞・直木三十五賞の選考会を1月16日、東京・築地の新喜楽で開き、芥川賞は石井遊佳氏の「百年泥」(『新潮』11月号)と若竹千佐子氏の「おらおらでひとりいぐも」(『文藝』冬号)、直木賞は門井慶喜氏の『銀河鉄道の父』(講談社)に決定した。

軽減税率、粗利拡大が課題/宮城合同新年会で藤原理事長

平成30年度宮城県書店商業組合・出版・取次・運輸の合同新年懇親会が1月9日、仙台市のホテルメトロポリタン仙台21階「スカイホール銀河」で開催され、総勢52名が出席した。
懇親会は、司会の日販東北支店・石井暢氏が宣言して開会。始めに宮城組合の藤原直理事長が新年のあいさつを行った。
藤原理事長は、2019年の消費税増税を控え、何としても軽減税率を勝ち取るため努力していきたいと述べたほか、雑誌売上の低迷や物流問題に触れ、土曜休配以外にも休配日が増えていかざるを得ないのではないかと説明した。また、日書連の舩坂会長らが書店の経営環境改善に向けて出版業界首脳と懇談したことを説明して、実務者会議の設置により書店の粗利益拡大に努力していきたいと語った。
続いて、日販の椎木康智東部支社長が祝辞を述べ、年末年始の店頭売上状況は総合で94・1%、宮城県は94・4%と報告。日販としては今年も書店店頭販促企画の「祭」に力を入れていきたいと語った。
トーハン東北支店の田代桂一支店長は、年末年始の売上について、全国95・1%、東北94・7%、宮城92・9%と報告。東北支店では、戌年にちなみワンフォーオール・オールフォーワンで店頭を盛り上げていきたいと述べ乾杯した。
歓談の後、恒例の年男の紹介を行い、アイエ書店・久保木正文氏、金港堂・太田孝幸氏、ヤマト屋書店・斉藤英直氏、米谷淳氏が壇上で記念品を受け取った。続いて参加各社が順番に登壇して今年の抱負やあいさつを述べ、宮城組合・佐藤由美副理事長の一本締めで散会した。
(佐々木栄之広報委員)

書店の収益改善を最優先に/大阪組合・面屋理事長が新年あいさつ

大阪出版販売業界新年互礼会(主催=大阪府書店商業組合・大阪出版取次懇話会、後援=日本書籍出版協会大阪支部・出版三水会)が1月10日、大阪市北区のウェスティンホテル大阪で開催。出版社、取次、書店、協力会社など123名が出席した。
会は大阪組合・堀博明副理事長の司会で進行。開会あいさつで面屋龍延理事長は「本の売上は全盛期の半分となり、昨年は特にコミックが落ち込むなど、町の本屋は生き残っていけない状態だ。出版業界第一線の書店で売上がないと出版文化は成り立たない」と危機感を示し、日書連は書協、雑協、トーハン、日販を訪問し、書店収益改善など出版業界の課題を解決するための実務者会議の設置を要請して前向きな回答を得たと報告。今年の最優先課題として取り組むと語った。
このほか、昨年9月に図書館問題で公明党府本部を訪問し、組合書店による納入を陳情したことを説明。また、今年で14年目になる読書推進活動を継続し、子どもたちに新しい読者を拓げていくと述べた。
トーハンの小野晴輝常務取締役近畿支社長は「出版社、取次にとっても日本の出版ルートを支えるため町の本屋が必要。書店経営安定のための条件整備や図書館納入の入札問題、輸送問題はいますぐきちんとすべき課題だ」と指摘。「日本の将来の発展に向け、書店文化、出版文化を成立させるために18年を力強くスタートする年としよう」と乾杯の音頭をとった。
出席出版社・取次の1分間スピーチで大いに盛り上がり、中締めで創元社の矢部敬一社長が、今年の干支・戊戌の話から「新しい大きな花は継続しないと咲かない、一歩ずつやり続けることが重要で、一緒に頑張ろう」とあいさつし、三本締めでお開きとなった。
(石尾義彦事務局長)

雑誌が10%減、初の2桁減に/17年の出版市場

出版科学研究所は1月25日、2017年の紙の出版物の推定販売金額が前年比6・9%減の1兆3701億円で、13年連続のマイナスになったと発表した。
書籍は同3・0%減の7152億円、雑誌は同10・8%減の6548億円。書籍は全体は低迷したが、文芸書や学参、教養新書などは前年を上回った。雑誌は初の2桁減。月刊誌は同11・1%減、週刊誌は同9・2%減で、コミック単行本が約13%減と大きく落ち込んだ。
一方、電子出版は同16・0%増の2215億円となった。

愛知書店新聞、県立図書館に設置/業界の認知度向上へ/愛知組合新春賀詞交歓会

愛知県書店商業組合は1月11日、名古屋市千種区のホテルルブラ王山で平成30年新春賀詞交歓会を開催。組合員30名、取次15名、出版社28名など計79名が出席した。
年頭のあいさつで春井宏之理事長は、昨年発覚した雑誌のネタバレサイトの手口を説明。早売り雑誌の入手先では金曜日に260円の少年ジャンプが300円で売られていたことも分かり、発売日と再販の両方の問題で雑協を中心に動いていることを報告した。
また、「知識の拡散」「読書の推進」の2つを常に年頭に置いて物事を進めたいとして、出版業界に関心を持つ人を増やすため、愛知書店新聞を愛知県立図書館で閲覧できるようにしたことを説明。また、碧海地区のケーブルテレビで放送されているJPIC読書アドバイザーの永井陽子氏による読み聞かせの番組を他地区でも放送するよう提案していると報告した。
また、サン・ジョルディフェスティバル名古屋は4月22日、日本ど真ん中書店会議(商談会)は8月22日に開催することが決まったと発表し、協力を求めた。
日販中部支社の金田徴支社長の乾杯で開宴。NHK出版の坂口一生名古屋事務所長の一本締めで閉会した。(近藤五三六副理事長)

春の書店くじ実施要綱

▽実施期間平成30年4月20日(金)より30日(月)まで。書籍・雑誌500円以上購入の読者に「書店くじ」を進呈
▽発行枚数200万枚。書店には1束(500枚)3571円(税別)で頒布
▽申込方法と申込期限注文ハガキに必要事項を記入し、束単位で所属都道府県組合宛に申し込む。締切は2月20日(厳守)
▽配布と請求方法くじは取引取次経由で4月18日前後までに配布。代金は取引取次より請求
▽当せん発表5月25日。日書連ホームページ並びに書店店頭掲示ポスターで発表
▽賞品総額2860万円
当せん確率は9・6本に1本
1等賞=図書カード1万円400本
2等賞=図書カード
又は図書購入時充当1千円600本
3等賞=同5百円8000本
4等賞=図書購入時に充当百円20万本
▽賞品引き換え1、2、3、4等賞は取り扱い書店で立て替え。図書カード不扱い店または品切れの場合は、お買い上げ品代に充当
▽引き換え期間読者は5月25日より6月30日まで。書店で立て替えた当せん券は7月31日までに「引換当せん券・清算用紙」(発表ポスターと同送)と一緒に日書連事務局に送付
▽PR活動全国書店新聞に実施要綱を掲載。日書連ホームページ(http://www.n-shoten.jp)で宣伝。「春の書店くじ」宣伝用ポスターは日書連ホームページよりダウンロード(郵送はしません)

「春夏秋冬本屋です」/「ネット書店に怯えない」/福島・高島書房代表取締役・髙島瑞雄

ご来店のお客様には、購入すべき書名が明確な方と、曖昧な方がいる。当店のような小規模零細書店には、この曖昧なお客様こそが貴重であり、得意であり、その後常連客に化ける、愛すべき存在なのである。
書名は基より、著者も出版社も、はっきりしない。テレビや雑誌や、口コミで、「欲しい!」と思った瞬間、書店に来ていた。が、書店員に説明ができない。欲しくなった状況だけを捲し立てる。
その曖昧な会話から、日頃の経験と直近の情報、そして書店人としてのプロ根性をもって解決(書名を割り出す)してゆく。
店頭になければ、ご注文をお勧めする。もちろん前金で。注文を断られても、検索結果をプリントしてお渡しする。
ネット書店でも検索は可能かもしれないが、誰もができる、と言うわけではないだろう。
できない人ほど感謝していただける。尚且つ、口コミの発信源となり、周囲に声をかけてもいただける。かくして、常連上顧客と化してゆく。
まだまだネットに頼らない読者がいるのだ。書店人は、その読者のために情報や技量を磨き、信頼され、尊敬されるプロフェショナルにならなければ、ますます読者に見放されてしまうだろう。
ネット書店に怯える前に、専ら知力と自力を養い、情報をかき集め、頼れる書店人たれば、売上減の歯止めのひとつになるかも。

「生き残りへ覚悟もって頑張る」/福岡県出版業界新年の会で安永理事長

平成30年福岡県出版業界新年の会が1月9日、福岡市博多区の八仙閣福岡本店で開催され、出版社、取次、書店、運輸など総勢78名が出席した。
出版社を代表して小学館パブリッシング・サービスの山脇督史九州支社長は「スマホやネットに押されている業界ではあるが、文章を読む人・書く人は減っていない。本を売ることにしっかり取り組んでいきたい」とあいさつした。
トーハンの多田真九州支店長は年末年始の売上動向が総合で前年比95・1%になったと報告。「今がどん底ならば、これからは上がるしかない。諦めなければ道は拓ける」と述べた。
福岡県書店商業組合の安永寛理事長(金修堂書店)は「友人が『この3年で出版業界に地殻変動が起こる。そして3年間生き残った者は勝つ』と言っていた。私は、そのために今年出来る目標を1つ立てて実行している。大中小に関わらずどの書店、出版社、取次も苦しい状況だが、この3年間どうにかして生き残るという覚悟をもって頑張りたい」と述べた。
天龍運輸の千綿康英取締役福岡支店長の発声で乾杯の後、年男・年女の5名に安永理事長より記念品が贈呈された。最後に山本良(福岡金文堂)、大石宏典(大石金光堂)、山本太一郎(福岡金文堂)の各氏による祝い目出度が披露され、続いて福岡組合の白石隆之副理事長(白石書店)の博多手一本で閉会した。
(加来晋也広報委員)

表紙返品の実現目指す/沖縄の仕組み参考に検討/北海道新年懇親会

平成30年北海道取協・出版社・書店組合新年合同懇親会が1月16日、札幌市中央区のJRタワーホテル日航札幌で開催され、35名が出席した。
初めに北海道書店商業組合の志賀健一理事長は「我が業界は大変厳しい状況にある。日書連は粗利益30%獲得の運動を始めた。道組合では表紙返品の実現に向けて協議を始めたところ。沖縄のバーコード返品と同じような仕組みになれば、資金繰りが楽になると思う。生き残れるよう頑張っていくので、支援をお願いしたい」とあいさつした。
続いて、日販北海道支店の菊地基仁支店長、小学館パブリッシング・サービス北海道支社の上村克行支社長があいさつ。中西出版の林下英二社長の発声で乾杯。懇親を深めた。
(事務局・髙橋牧子)

大河「西郷どん」チャンスに/店頭活性化へ施策実施/鹿児島総会

鹿児島県書店商業組合は12月6日、鹿児島市のサンロイヤルホテルで第32期通常総会を開催し、組合員55名(委任状含む)が出席した。
総会は石井俊司専務理事の司会で進行。物故者へ黙祷の後、高尾諭情報化推進委員長の開会の辞で始まり、楠田哲久理事長があいさつ。「書店経営が大変厳しい中、日書連は粗利益30%獲得を目指して運動している。全力をあげて実現に取り組みたい。また、18年はNHKで大河ドラマ『西郷どん』が放送されることをチャンスとして、県組合で『かごんま西郷検定』を実施し、店頭を活性化したい」と述べた。
瀬川浩三副理事長を議長に議案審議を行い、事業報告、収支決算報告、監査報告、事業計画案、収支予算案などすべての議案を原案通り可決した。
組合員からは、書店経営の危機を訴える声や、街の本屋の灯を消さないために相談ができる場を作ってほしいとの意見が出た。
村永直美理事の閉会宣言で総会を終了した。
この後、企画説明会を行い、KADOKAWA、NHK出版、ポプラ社、渕上印刷が西郷関連本を説明。地元鹿児島から盛り上げてほしいと期待を寄せた。
続いて椨崇事業・流通委員長の司会で版元、取次、テジマを交えて懇親会を催した。(和田豊広報委員)

変化に対応、時代をリード/新年名刺交換会に500名出席/日本出版クラブ

日本出版クラブは1月9日、東京・新宿区の日本出版クラブ会館で「2018年出版関係新年名刺交換会」を開き、出版関係者約500名が出席した。
日本出版クラブの野間省伸会長(講談社)、日本書籍出版協会の相賀昌宏理事長(小学館)、日本雑誌協会の鹿谷史明理事長(ダイヤモンド社)、日本書店商業組合連合会の舩坂良雄会長(大盛堂書店)の出版各団体の代表が登壇。主催者を代表してあいさつした日本出版クラブの野間省伸会長(講談社)は「新年名刺交換会をこの場所で行うのも今年で最後。来年は、今秋完成予定の神保町の新しい会館で開催する。社内で年頭あいさつをしたが、昨年と今年を比べて話の内容が全然違う。この1年間の環境の変化を改めて思った。出版業界は大きく変わらなければならない。環境の変化に対応するだけではなく、むしろリードして、良い方向に持っていきたい」と述べ、乾杯した。
出版5団体各代表のあいさつは日本出版クラブ会報『出版クラブだより』1月1日号に掲載され、当日配布された(日書連・舩坂会長のあいさつ文は別掲)。
【今こそ組織の力を示すとき/日書連会長・舩坂良雄】
新年明けましておめでとうございます。出版社、販売会社並びに関連各社、諸団体の皆様におかれましては、平素より弊会の活動に対し、格別のご協力を賜り心より御礼申し上げます。
さて、昨年8月の朝日新聞紙面で「書店ゼロの街2割超」との見出しで、書店が地域に1店舗もない自治体が、全国の自治体・行政区の2割強を占める420にまで拡大している現状が伝えられました。厳しい経営環境の中で、書店数が減少し続けている状況に危機感を募らせております。原因としては人口の減少や若年層の活字離れ、平成26年4月に実施された消費税率アップ、ネット書店の隆盛、あるいは携帯端末による雑誌定額読み放題サービスの普及や電子コミックの急成長に伴う雑誌の著しい売上げ低下など、様々な事が考えられるでしょう。しかしながら、考察に時間を費やす段階はとうに過ぎました。町の本屋を守るための具体的な措置を早急に実施していかなければ、この傾向は加速することがあっても、止まることはないでしょう。
日書連は書店再生のための施策について、可能なところから速やかに取組みを進めています。昨年9月27日には、NPO法人全国万引犯罪防止機構の下に「万引防止出版対策本部」を出版界の5団体1企業と共同で設立しました。昨今の書店万引被害の現状は深刻であり、高額書を専門とする常習者の犯行、グループによるコミックの大量万引きや高齢者による事例の増加などもあって書店経営に大きな影響を与えるほどになっています。また、万引きした商品をインターネット上のフリーマーケットなどで転売するケースが急増していることも見逃せません。今回、万引犯罪根絶の第一歩として「これ以上書店を減らさない」をスローガンに掲げ、共に立ち上がっていただいた日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本出版取次協会、日本出版インフラセンター、日本医書出版協会、日本図書普及株式会社の皆様には改めて感謝申し上げます。かくなる上は業界一丸となって、万引問題に取組んでいく所存です。
また昨年秋からは、平成27年に行った「全国小売書店経営実態調査」の集計報告書を持参して、出版社・販売会社並びに関係団体を訪問し、書店粗利益の拡大を始めとする書店経営改善の取組みにご理解ご協力いただくための話合いを始めています。この件については、今後は関係各社の担当者と日書連担当委員会のメンバーとの間で具体的な対応に向けての検討を重ねることで、解決を図ってまいります。
申し上げるまでもありませんが、我々小売業者は本分である販売活動をしっかりと行っていかなければなりません。長引く不況で出版社の経営状況も厳しい中、書店の粗利益30%確保を実現するためには日書連が全国の組合加盟店を挙げて本の増売企画を展開し、報奨金やバックマージンの形で粗利益を拡大していく方法が最適と考えています。日書連の所属員数もピークだった昭和61年の1万3千店から、昨年10月1日の時点で3千4百店あまりにまで減少しました。しかしながら、こんな時こそ組合の力が試されています。日書連は組織力を発揮して中小書店の再生に取組むことによって本屋の底力を示し、出版社、販売会社の皆様と協調して、出版業界の発展を目指し努力を続けてまいりますので、本年も宜しくお願い申し上げます。

ICタグ導入の推進求める/粗利30%獲得、万引対策が課題/静岡新年総会

静岡県書店商業組合は1月18日、伊東市の伊東ホテル聚楽で第50回新年総会を開催し、出版社、取次、組合員ら計36名が出席した。
総会は吉見光太郎常務理事(吉見書店)の司会で進行し、書店を代表して古澤隆副理事長(マルサン書店)があいさつ。「昨年から景気回復の声も出ているが、それは製造業に限った話。他の業種は厳しく、われわれの業界もまだまだ先は見えない。組合として、粗利益率30%の実現、メルカリに代表されるフリマアプリ上での換金事例が多く見られる昨今の万引の防止対策に取り組んでいきたい。商品の在庫管理、物流管理に貢献するICタグの導入を書協、雑協、取協に要望する」と述べた。
続いて来賓の出版社の各担当者が来年度の営業施策を説明。小学館パブリッシング・サービスの新井副課長は「例年以上に営業の意見を取り入れ、増売に活かしたい。『図鑑Z日本魚類館』が春の目玉商品」、集英社サービスの内山係長は「今年のイチオシは新装した『学習漫画世界の歴史』。店頭と外商での拡売を期待している」、静岡新聞社の武智副部長は「地元出版社として地域に根差した書籍を粛々と発行していきたい。新刊の『しずおか老舗味物語』は自信の一冊。お客様に勧めていただきたい」と話した。
このあと場所を移し、出版社と取次を交えた懇親会を催した。沼田渉理事(サガミヤ)の司会で進行し、伊東温泉ならではの地元の芸者たちによる舞い、長唄を鑑賞、会員を交えたお座敷遊びを体験し、華やかな雰囲気の中で懇親を深めた。(佐塚慎己広報委員)

第5回京都本大賞受賞、原田まりる氏のサイン会開催/京都組合加盟店での購入者対象に

京都府書店商業組合(犬石吉洋理事長)が後援する京都本大賞実行委員会主催の京都本大賞作家サイン会とトークショーが、12月22日午後6時よりキャンパスプラザ京都にて開催された。
第5回の京都本大賞を受賞した原田まりる氏は、元アイドルグループに所属していた経歴を持つ異色作家と安易に紹介されがちだが、十代の頃から十数年以上にわたり哲学書を読んで研究するなど、知識に裏打ちされたストーリー構成と、若者に親しみやすく分かりやすい哲学の解説で人気を博している。京都市出身だが現在は東京在住のため、スケジュール調整に難航したものの、受賞作『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』を発行するダイヤモンド社の協力のもと、サイン会およびトークショーイベントの開催が実現した。
告知はイベント開催1ヵ月半前から書店店頭でポスターを掲示し、さらに実行委員会および著者本人からツイッターやフェイスブックなどのSNSで情報拡散を行った。参加費は無料だが、京都組合加盟店で受賞作品を購入した読者に整理券を配布し、当日会場で入場券と引き換える仕組み。
来場客は老若男女幅広く、地元の女子学生、図書館の司書、遠方から来た昔からのファン等々で、中には原田氏の知人もファンとして応援に駆け付けるなどして大変な賑わいになった。
トークショーとサイン会のみならず、途中で作品のカルトクイズやじゃんけん大会を挟み、成績優秀者へは特製パネルにサインを入れたものを贈呈。他の参加者にもそれに準じた景品をそれぞれ進呈し、次回作への意欲も語るなど、終始和やかな雰囲気で、予定通り終了した。
(若林久嗣広報委員)

心にのこる子どもの本新学期・夏休みセール

2018年「心にのこる子どもの本新学期・夏休みセール」は、日本児童図書出版協会会員41社の自薦図書の中から選定した4セット、計192点を用意いたしました。送本条件は引き続き7ヵ月長期です。お店の児童書コーナーにて是非ご活用ください。
【絵本この1冊セット】
▽しんごうきピコリ(あかね書房)▽とのさま1ねんせい(あすなろ書房)▽だいぶつさまのうんどうかい(アリス館)▽パパはわるものチャンピオン(岩崎書店)▽もりのとしょかん(学研プラス)▽たべてあげる(教育画劇)▽だれのおよめさんに…?(金の星社)▽モリくんのあめふりぴーまんカー(くもん出版)▽ようかいりょうりばんづけ(佼成出版社)▽しあわせ(講談社)▽いすにすわってたべなさい。(国土社)▽きょうりゅうたちがけんかした(小峰書店)▽わたしも水着をきてみたい(さ・え・ら書房)▽とてもとてもサーカスなフロラ(集英社)▽ぼく、ドジオ。(小学館)▽ぼくのいいとこ(少年写真新聞社)▽うんどうかいがなんだ!(新日本出版社)▽なんにもせんにん(鈴木出版)▽はじめてのオーケストラ(大日本絵画)▽ばけばけばけばけばけたくん(大日本図書)▽ウィニー「プーさん」になったクマ(汐文社)▽おたすけこびとのにちようび(徳間書店)▽くろくんとちいさいしろくん(童心社)▽ケヤキの絵本(農山漁村文化協会)▽うんこちゃんけっこんする(ひかりのくに)▽おべんとうバス(ひさかたチャイルド)▽ちっちゃな木のおはなし(評論社)▽わすれもの(BL出版)▽おいしそうなしろくま(PHP研究所)▽生きる(福音館書店)▽かいじゅうたちのいるところ(冨山房)▽ぜったいねないからね(フレーベル館)▽アニーのちいさなきしゃ(文溪堂)▽きんぎょとしょうぶ!(文研出版)▽こぶしのなかの宇宙(平凡社)▽からだ・あいうえお(保育社)▽クレヨンからのおねがい!(ほるぷ出版)▽ルラルさんのだいくしごと(ポプラ社)▽ぼくは、ニコデム(光村教育図書理論社)▽だじゃれ世界一周(理論社)
【読み物この1冊セット】
▽ふしぎパティシエールみるかミラクルスプーンでドッキドキ!(あかね書房)▽スピニー通りの秘密の絵(あすなろ書房)▽おはようスーちゃん(アリス館)▽おねえちゃんって、ほーんとつらい!(岩崎書店)▽四年ザシキワラシ組(学研プラス)▽なにがあってもずっといっしょ(金の星社)▽見えない大気を見る(くもん出版)▽いたずらこやぎと春まつり(佼成出版社)▽ルドルフとイッパイアッテナ(講談社)
▽オムレツ屋のベビードレス(国土社)▽狐霊の檻(小峰書店)▽ジュビリー(さ・え・ら書房)▽生き残りゲームラストサバイバル最後まで歩けるのはだれだ!?(集英社)▽ジャンケンの神さま(小学館)▽「走る」のなぞをさぐる(少年写真新聞社)▽ナイスキャッチ!(新日本出版社)▽ぼくはO・C・ダニエル(鈴木出版)▽マンモス絶滅の謎からクローン化まで(誠文堂新光社)▽ピーター・パン(つまみひきとびだし)(大日本絵画)▽おしろのばん人とガレスピー(大日本図書)▽ひとりぼっちの子ゾウ(汐文社)▽モンスタータウンへようこそモン太くん空をとぶ(徳間書店)▽雨ふる本屋とうずまき天気(童心社)▽白衣をぬいだドクター花戸(農山漁村文化協会)▽くすのきだんちのあめのひ(ひかりのくに)▽七福神の大阪ツアー(ひさかたチャイルド)▽ゴースト・ハンター(評論社)▽時知らずの庭(BL出版)▽かえたい二人(PHP研究所)▽こぶたのピクルス(福音館書店)▽ダイドーの冒険③ナンタケットの夜鳥(冨山房)▽四年変組(フレーベル館)▽「あかつき」一番星のなぞにせまれ!(文溪堂)▽小学校がなくなる!(文研出版)▽猫だもの(平凡社)▽世界一まじめなおしっこ研究所(保育社)▽Wonderワンダー(ほるぷ出版)▽ぼくが消えないうちに(ポプラ社)▽ゴードン・パークス(光村教育図書)▽怪盗ルパン謎の旅行者(理論社)
【あそびと学習セット】
▽海賊めいろブック(あかね書房)▽12星座とギリシャ神話の絵本/ハーブをたのしむ絵本(あすなろ書房)▽ホネホネたんけんたい/海のぷかぷかただよう海の生きもの(アリス館)▽これでカンペキ!マンガでおぼえるコミュニケーション/これでカンペキ!マンガでおぼえる四字熟語(岩崎書店)▽毎日を生きるコツ学校・おうち・社会/あたまがよくなる!なぞなぞ1ねんせい(学研プラス)▽恐竜えほんティラノサウルス/大人になってもこまらないマンガで身につく自分コントロール/ハンディ版星座の神話伝説大図鑑(金の星社)▽ゴチソウドロどこにいる?(くもん出版)▽クイズでさがそう!生きものたちのわすれもの①まち(佼成出版社)▽動く図鑑MOVE魚新訂版81分DVDつき/なんでも未来ずかんどうなる?こうなる!ボクらの未来へ出発だ!!(講談社)▽なるほど忍者大図鑑(国土社)▽恐竜ABC(小峰書店)▽そらまめくんのはらっぱあそび―なつのいちにち―/はじめてずかん415英語つき/たんけん絵本羽田空港(小学館)▽えんとつと北極のシロクマ(少年写真新聞社)▽みんなどきどき動物園【―ライオン、パンダ、サルほか―】(新日本出版社)▽マークのずかん(鈴木出版)▽身近なものでふしぎな科学実験(誠文堂新光社)▽こんにちは、世界のみなさん(大日本絵画)▽ともだちのつくりかた(大日本図書)▽見つけておぼえる!さがし絵タウン道路標識(汐文社)▽世界動物アトラス(徳間書店)▽みつけた!おもしろ虫/今森光彦の昆虫教室とりかた・みつけかた(童心社)▽スギの絵本(農山漁村文化協会)▽改訂新版辞書びきえほん世界地図/改訂新版辞書びきえほん国旗(ひかりのくに)▽みつけたよ!だんごむし(ひさかたチャイルド)▽パパとママのつかいかた(BL出版)▽おもちゃの迷路/生命の歴史えほん(PHP研究所)▽このあいだに なにがあった?(福音館書店)▽きょうおひさまがでなかったら/あつい!!(フレーベル館)▽おりがみえほんきょうりゅう(文溪堂)▽動物たちを救うアニマルパスウェイ(文研出版)▽地図で学ぶ日本の歴史人物(平凡社)▽歯科衛生士の一日(保育社)▽すばこ(ほるぷ出版)▽ファーブル先生の昆虫教室/さわるな危険!毒のある生きもの超百科/珍獣ドクターのドタバタ診察日記(ポプラ社)▽マグナス・マクシマス、なんでもはかります(光村教育図書)▽あいうえおうさま/だじゃれ日本一周(理論社)
【書店が選んだ子どもの本セット】
▽おばけのポーちゃんおばけえんそく/ヤモップさん、ぴたっとかいけつ!(あかね書房)▽まめまめくん/泣いた赤おに/夏がきた/ウエズレーの国(あすなろ書房)▽さわこちゃんと10人のおひめさま(アリス館)▽いっさいはん/ええたまいっちょう!/