全国書店新聞
             

平成21年1月11日号

7月9日から12日まで東京国際BF

今年の東京国際ブックフェアは7月9日(木)から12日(日)まで4日間、東京ビッグサイトで開かれる。書店への営業、版権取引、読者への販売の場として年々発展しており、昨年は763社が出展。過去最多の6万1384名が来場した。今年のテーマ国は「エジプト」で、300平米の大規模なパビリオンが出展される。

年末年始は95%前後/週刊誌売上げ2割ダウン

トーハン、日販調べの年末年始の書店店頭売れ行き動向は、トーハン調べで年末3日間が95・3%、年始3日間が94・5%、合計95・0%。日販調べでは年末94・8%、年始94・9%、合計94・9%と、いずれも前年対比で5%台のマイナスになったことが明らかになった。
トーハンはPOS店1360店、日販は1587店の調査で、いずれも12月29日から1月3日まで6日間を対象にした。
トーハン調べのジャンル別動向は年末年始6日間の合計で、書籍が94・6%、雑誌93・5%、コミック97・2%、NM商品103・7%。雑誌の売れ行きは年末が93・3%、年始が93・8%と、年末年始とも低調だった。日販調べも雑誌は年末95・0%、年始95・4%と同じ傾向。
雑誌のジャンル別動向を日販調べで詳しく見ると、月刊・隔月刊95・1%、週刊・隔週刊77・4%、コミック98・4%、ムック95・9%となり、週刊誌の落ち込みが目立つ。
書籍は書籍コミックが大型タイトルの影響で売上を伸ばした反面、文芸書・新書は苦戦した。
以下、日販調べによる売上げアップ店は24・6%に対して、売上げダウン店は75・4%と3倍にのぼった。エリア別状況では、特販97・2%、首都圏96・1%、東部96・2%、名古屋・中部93・5%、関西・岡山91・2%、広島・四国・九州94・2%。

不況脱出へ猪突猛進/名刺交換会に業界人6百名

2009年出版関係名刺交換会が1月7日正午から東京・神楽坂の日本出版クラブ会館で開催され、出版社、取次、書店、印刷など出版業界関係者約6百名が出席、新年の門出を祝い、不況脱出への決意を新たにした。名刺交換会は新春を祝い江戸の伝統を生かした粋で勇壮な「助六太鼓」の演奏と獅子舞でスタート。出版クラブ野間佐和子会長(講談社)、書協小峰紀雄理事長(小峰書店)、雑協村松邦彦理事長(主婦の友社)、取協古屋文明会長(日販)、日書連大橋信夫会長(東京堂書店)の出版5団体トップが壇上に上がり、ワイン乾杯で新年の門出を祝った。
乾杯に先立ち、野間出版クラブ会長は「お腹の底から突き上げるような助六太鼓の響きで新年に喝を入れていただいたような気がします。年初から暗い話題が続いていますが、今年の干支の丑にちなんで、出版界から明るい話題を猪突猛進で作っていきたいと思います。皆様の力添えで今年が明るい年になりますように乾杯をさせていただきます」と述べ、乾杯の発声を行った。
出版5団体代表のあいさつは「出版クラブだより」に掲載されて当日配布された。日書連大橋会長のあいさつ要旨は以下の通り。
「新年あけましておめでとうございます。私どもが全国小売書店経営実態調査を実施し、「報告書」「書店経営者・生の声」を配布して、早二年が経過しました。その間、新販売システム導入、返品入帳改善の要望、キャッシュフロー改善の研修会、図書館システム並びに納入支援等々、様々な角度から積極的取り組みを展開してまいりました。
昨年の重点課題の一つに送品・返品同日精算の要望があります。これは、委託商品が主流の出版業界にあって、書店は返品条件付き買切りという商慣習を強いられています。書店が商品の先払いをして、出版業界を支えている構図です。高度経済成長期には、売り上げ増に支えられ、書店の負担がカモフラージュされていたばかりか、支払い率も70%以上であれば充分に報奨金を得られました。それがいつしか100%が当り前になり、現在に到っています。そうした中で、せめて送品締め日と返品入帳日を同日にして欲しいとお願いしているわけです。返品入帳締め後の送品分が請求されている現実を見直していただきたい。これが実現すれば、書店のキャッシュフローが改善されますし、何よりも商品の店頭展示日数が増えることにより、返品率の減少に寄与するものと考えます。是非ご理解賜りたいところであります。
今年の大きなテーマに、出版業界における用語統一があります。取引や金銭にからむ用語の不統一が、最近多く目に付くようになりました。用語の解釈が曖昧模糊とした状態で推移した背景には、取引は個々という免罪符が存在し、自分達に都合の良い解釈が罷り通っていたのだと思います。しかしここまで出版業界全体が厳しくなって来たことから、今まで看過していたこの問題が大きくクローズアップして来たのではないでしょうか。それぞれの立場における解釈を洗い出し、統一できるものは直していく。業界のインフラ整備として早急に着手することが肝要と考えます。
そのほか、日書連マーク普及による地域書店生き残り作戦、ICタグ導入での万引防止策の実現、雑誌全国同日発売に向けた取り組み、新販売システム導入、読書推進の展開、コミック試し読みシステムの構築、傘下組合員の加入促進、取引改善問題等々、多くの難題が山積みしていていますが、必ず解決していくものと信じて止みません。
我々書店人は、人類最大の知的財産を扱っていることに誇りを持つとともに、この一年、明日の書店像を模索していきたいと考えております。ご指導ご鞭捷の程よろしくお願い申し上げます。

今年もSJイベント/愛知組合新春交歓会

愛知県書店商業組合は6日午後5時半から名古屋市池下のルプラ王山で新春賀詞交歓会を開催した。出席者は書店59名、出版社ほか64名の123名だった。
谷口理事長はあいさつで昨年、愛知県の不正問題で現場が混乱したことや、「孫の日」運動への参加を各都道府県組合に呼び掛けたことなどを報告した。
会に先立ち午後1時から同会場で愛知組合定例理事会を開催。各委員会報告の中で平成21年度のサンジョルディのイベントは4月18日、19日の両日、名古屋市「オアシス21」で開催すると報告があった。今年は日書連からの補助金が激減する見通しだが、フラワーデザイン学校や関係者からの強い要望もあり、困難は伴うが組合員の結束により成功させることを確認した。(榊原壮一広報委員)

生活実用書/注目的新刊

世の中が不景気になると、初詣に出かける人が急増するらしいが、ご多分に洩れず、今年も参拝の人は多かったという。しかし、それを笑えない。困った時の神頼みは何より、人情というものである。
飯倉晴武著『神頼み入門』(角川Oneテーマ21C―161705円)では、その神頼みの作法を説く。参拝の仕方が、まず間違いだらけである。たとえば、鳥居をくぐる時に一礼し、出る時にまた振り返って礼をするのが正しいやり方。しかも、参道の中央を歩いてはいけないのだ。中央部分は「正中」といって、神様の通り道だからなのである。お清めの水は柄杓から左手に受けて口をすすぐので、いきなり口をつけるのは駄目。意味を知って、気持を込めることが大切である。
人の成長の節目や、冠婚葬祭など人生の節目における方法、正月の迎え方や神棚、仏壇の祀り方など、暮らしの中の神頼みについても詳しく語られる。厄除け、金運などの目的別寺社ガイドもある。神に念じ心を落ち着けて、物事を前向きに考える力を涌きたたせるのが、日本的な神頼みの伝統なのである。
井上宏生著『神さまと神社―日本人なら知っておきたい八百万の世界』(祥伝社新書035760円)は日本人の神々に対する信仰を探り、神々の系譜を語っている。
「見えているようで眼に見えず、知っているようで知らず、世話になっていないようで世話になっている摩訶不思議な世界」が、日本の神々の世界だと著者はいう。
明確な信仰心はないが、大木や岩に畏敬の念を持ち手を合わせたりするのは、よほど宗教的な行為である。しかし、その神道(しんとう)という言葉さえ、馴染みが薄い。ともかくも日本人は懐が広く寛容で、あらゆるものを祀ってきた。神と仏を折衷する神仏習合は奈良時代から始まる。現に七福神などは神と仏が一緒に集まって全く不思議ではない。
神宮と神社はどう違うか、また一宮、二宮、三宮、総社という格付け、神社本庁と全国八万の神社との関係など、神社のことがよくわかる。出雲大社から秋葉山本宮秋葉神社など16の日本を代表する神社と神々も紹介される。
神頼みは神社を知り、正しく参拝しなければならないのだ。(遊友出版・斉藤一郎)

各代表、変革の年を強調/東京組合新年懇親会に3百名

東京都書店商業組合は1月15日午後5時半から水道橋の東京ドームホテルで新年墾親会を開催。組合員120人、出版社、取次など180人が出席した。
墾親会は福田亜夫氏の司会で進行。岡嶋成夫実行委員長が「今年は公取から景品規約の改訂が求められているが、もう限界だ。出版業界にも変化が必要」と開会の辞を述べた。
東京組合大橋信夫理事長は「日書連で業界用語の統一を申し入れており、新刊委託、フリー入帳などを明確にしていきたい」と今年の課題を述べた。出版社を代表して書協小峰理事長は「業界全体が容易ならぬ状況にきている危機だからこそ長年の課題が浮き彫りになり、変化の兆しを感じる。来年の国民読書年に向かって基盤整備を進めていこう」とあいさつした。このあと、トーハン阿部好美常務が「読者の視線に立ってピンチをチャンスに変えていこう」と述べ、乾杯の発声を行った。

日書連の動き

12月1日試し読みシステム書店説明会。改正組合法等普及円滑化実務研修会に石井総務部長。国際子ども図書館を考える全国連絡会に難波事務局員が出席。
12月3日第13回中小小売商サミットに大橋会長ほか役員。JPIC定例評議員会、定例理事会に大橋会長ほか役員が出席。
12月4日中小小売商サミット「麻生総理訪問」に大橋会長。TIBF実行委員会に舩坂常任委員。「出版再販・流通白書」説明会に大橋会長ほか役員出席。
12月5日日書連共済会残余財産問題で大橋会長が須藤弁護士を訪問。文春忘年会に大橋会長が出席。出版物関係輸送懇談会に梅木常任委員が出席。
12月9日公取協月例懇談会に影山専務理事。公取委消費者取引課を影山専務理事が訪れ出版物小売公取協について意見交換。
12月10日鹿児島組合総会に石井総務部長が出席。
12月11日「S・J」PR企画審査会。出版梓会創立60周年記念祝賀会に大橋会長が出席。
12月12日全国団体月例交流会に石井総務部長。JPO運営委員会に柴﨑副会長が出席。
12月16日文化産業信用組合理事会に大橋会長。
12月17日各種委員会(指導教育、書店経営健全化、増売、読書推進、取引改善、流通改善、再販研究、広報、消費税問題、情報化推進、環境改善、出版販売年末懇親)。日書連共済会清算人運営委員会。出版物公取協専門委員会。出版販売年末懇親会を開催。
12月18日日書連12月定例理事会。環境改善政策審議会。児童出協忘年会に舩坂常任委員ほか。業界紙忘年会に大橋会長ほか出席。
12月24日全国中小小売商団体連絡会に大川専務理事。大橋会長が取協古屋会長に業界用語統一に向けた要望書を手渡す。
12月29日日書連事務局仕事納め。

SJに増売企画/兵庫県書店組合

兵庫県書店商業組合は12月9日、エスカル神戸で12月理事会を開催。三上一充理事長は挨拶で、11月日書連報告を交え「非常に厳しい出版業界だ、中小企業の緊急融資制度をうまく利用して頑張ってほしい」と述べた。
支部報告では、阪急西宮北口駅前に西日本最大級でオープンした西宮ガーデンズにブックファーストが460坪で出店するなど、大型店やチェーン店の出店・増床が続くが、組合加入には至っていないと報告。
委員会報告では、出店に関するルール作成の提案があり、組織強化委員会で検討することになった。取引増売委員会は、サンジョルディに増売運動の提案があり、『本屋が選んだおすすめ本リスト』(仮称)を作成し、飾り付けコンクールなどを行ってはという意見に対し委員会で早急に検討することとなった。事務局からは、11月8・9日に行われた絵本ワールドは128万円余、前年比95・7%の売上げだったと報告があった。(中島良太広報委員)

訃報

相賀徹夫氏
小学館相談役。相賀昌宏社長の父。12月21日に肺炎のため逝去した。83歳。葬儀・告別式は近親者により密葬として営まれた。3月5日に帝国ホテルで「お別れの会」を予定している。
昭和20年10月、第3代社長に就任して敗戦の焼け跡の中から学年別学習雑誌を復刊。半世紀にわたり百科事典や全集、コミック誌、情報誌、ファッション誌を送り出し、小学館の礎を築いた。雑協理事長、書協副理事長などを歴任。

出版不況打破へ原点回帰呼びかけ/京都

京都府書店商業組合(中村晃造理事長)は1月8日、京都市中京区の京都ホテルオークラで「京都出版業界新年互礼会」を開催した。この会は、新春を迎えたこの時期に毎年、日本書籍出版協会京都支部、京都出版取次京栄会と共催で行っているもの。今回は書店、出版社、取次のほか業界団体関係者など総勢約170名が出席した。
新年互礼会は東山書房・山崎智子氏の司会進行で開会。あいさつに立った中村理事長は、京都組合で昨年公募し決定したマスコットキャラクターを、今年はポスター等にして店頭に掲示、消費者には販売促進として、行政には学校が行う朝の読書などの協力店の目印として活用することで、今年も読書推進に積極的に取り組みたいとした。その上で「出版不況にあって、書店は今こそ原点に回帰することが必要ではないか。店頭でお客様を待つだけではなく、来ないのであれば外に売りに行く。そのような努力をせずに現状を打破することはできない。出版社は価値ある商品を書店と一緒に作っていただきたい」と述べた。
乾杯の辞で、日本書籍出版協会京都支部の京極迪宏支部長(学芸出版社)は出版業界の昨今の状況を説明し、「長期低迷、閉塞状況を打開するには、業界で行うことが2点ある。まず、出版業界の用語を統一することで取引を健全化し、業界全体の発展を図ること。そして、2010年に政官民協力のもと取り組まれる国民読書年で、出版業界も一致団結し読書推進活動を活発に行うこと。業界あげて推進したい」とした。
日販京都支店の椎木康智支店長が中締めのあいさつ。一本締めで終宴となった。(澤田直哉広報委員)

「声」/「行き過ぎた委託制度の見直し」について/大阪市・BOOKS愛らんど・中島俊彦

1月7日、都内のホテルで行なわれた日販「新春を祝う会」で古屋社長は、40%を超える返品率を指摘した後、「これまで再販と委託制度が業界の繁栄を支えてきたが、特に委託制度は行き過ぎた仕組みになっている。業界3者の誰も幸せになれていない」と言及。3者のマージン配分の再編にも触れ、「委託から少しずつ買切りに手を付けていく」と語った(『新文化』ホームページより)。
日書連12月理事会で柴﨑副会長が「出版社、取次、書店間で使われる用語と解釈の不統一から書店に不利な事態が生まれている」として、業界における取引用語の統一を働きかけたと報告したことについての、取次側からのリアクションの一つと思われる。
それにしても「委託から少しずつ買切りに」移行するということを、取次会社社長である古屋氏が発言することに違和感を覚える。
それは、「書籍の場合は取次がいて、これは、はっきりとした流通寡占です。そうすると、取次が再販をやめない、つまり、取次は自分でも価格が維持されれば利益が上がるから、絶対に再販をやめる気がないわけです」(平成20年6月19日、著作物再販協議会議事録17ページ・岸井大太郎法大教授発言)と認識されているからである。
それらは、①書籍委託配本取引における出版社―取次間の決済は、出版社―取次間の委託期間(6カ月間)終了時の請求支払いであるが、取次―書店間の決済は、取次―書店間の委託期間(3カ月半)に関係なく、月末締め、翌月請求・支払いである(公取委・『書籍・雑誌の流通・『取引慣行』11ページ)。②取次は、返品率が高い出版社からは、委託配本取引において書籍・雑誌の定価の一定の割合を手数料として受け取ることでマージンを補填している。その反面、実績のある出版社に対しては、委託配本取引において委託期間と関係なく、翌月に代金の一定割合を支払っている(同書11ページ)、というような事実からも確認できるところである。
取次各社は、日書連から「支払期日の見直し」を求められた時には、「キャッシュフローが不足する」と回答したが、現行の取引慣行における決済のありかたをみると、単なる言い訳にしかなっていなくて、説得力のないものである。言葉を換えて言えば、取次のキャッシュフローは、中小出版社及び中小書店から収奪したものが原資となっていることがわかる。
先の議事録において「取次の寡占的な仕組みが、いわば再販とセットになっているというふうに考えられるとすると、そこから生じるいろいろな流通・取引慣行における閉鎖性などの問題に対処していかなければなりません」(議事録・18ページ岸井教授)と指摘されてもいる。
取次は買切り制への移行を言う前に、流通・取引慣行を是正すべきでは。そうではなく、取次が自分たちの権益保護だけを考えているのであれば、公取委が取引慣行是正を足場にして介入してくるだろう。

訂正

昨年12月1日付「08雑誌愛読月間『定期購読キャンペーン』」の記事中、予約獲得数上位書店の順位表で「6位・文永堂書店(千葉県)、7位・ジュンク堂外商(大阪府)、8位・大阪屋書店(愛知県)」とあるのは、「6位・大阪屋書店(愛知県)、7位・文永堂書店(千葉)、8位・ジュンク堂外商(大阪府)」の誤りでした。お詫びして訂正します。

送品・返品の同日精算等に取り組む/福岡

福岡県出版業界新年の会は1月6日、福岡市・タカクラホテルで開かれ、業界関係者110名が出席した。今年は福岡県書店商業組合が担当した。
福岡組合・長谷川副理事長の開会の言葉に続き、出版社を代表して日本放送出版協会の秋葉福岡支社長があいさつ。「ガンバル」を「顔晴れ」、明るく働く者を「朗働者」とパネル文字でユニークに表現し、「厳しい時代を楽しく働くことで乗り越える者になろう」と述べた。
取次を代表して日販・南雲九州支店・地区COOは年末年始6日間の売上動向報告を行い、「前年比94・9%と前回90・6%よりは下げ幅を縮小したが、依然マイナス傾向は続き、3年連続の前年割れとなった」と、厳しい数字を発表した。しかし、逆境の中にあって努力した書店はかなりの増売があったとして、実例を紹介した。
書店を代表して福岡組合・山口理事長は「今年は、特に書店の資金繰りが楽になるよう、これまで以上の流通是正、送品・返品同日精算等を関係各位に働きかけていきたい」と年頭のあいさつを述べた。
天龍運輸・園原社長の発声で乾杯の後、出席した年男年女13名に記念品が贈られ、会場は和やかなムードに。中締めでは「博多祝い歌(祝いめでた)」が披露され、博多手一本で盛況のうちに終宴した。安徳副理事長が閉会の言葉を述べ、「昨年秋から急速に悪化した世界的な金融不安による景気減速や円高で企業業績も後退色が強まる中、われわれ中小書店も増売書店の情報を分析し、実行、努力すれば売上増が見込める」と締めくくった。
(西村勝広報委員)

万引き防止でICタグ研修会を開催/北海道

北海道書店商業組合は1月13日午後3時からホテル札幌ガーデンパレスで平成21年初めての定例理事会を開催。平成21年理事会および総会日程を決めた。また、平成22年日書連移動理事会が道組合主催で開催されると、久住理事長より報告があった。
この後、午後4時半から同ホテル2階「白鳥の間」で、道書店商業組合主催「書店における万引の実態とICタグ導入に向けた取組み」と題しICタグ研修会を開催した。講師は、皆川文男氏(紀伊國屋書店総合仕入部部長・ICタグ研究委員会書店部会副部会長)と永井祥一氏(講談社促進企画部次長・日本出版インフラセンター運営委員)の2名が東京より来道し、48名の参加者を前に約1時間講演した。なお、今研修会の案内は、組合加入促進のきっかけにしようと、道内組合未加入店にも送付した。
引き続き午後6時から同ホテル「平安の間」で、平成21年北海道取協・出版社・書店組合新年合同懇親会を開き、総勢64名が出席した。主催者側として、北海道取協の日販北海道支店・玉村COO、道書店組合・久住理事長のあいさつの後、来賓の講談社促進企画部・永井次長があいさつした。小学館PS・堀内北海道エリアマネジャーの発声で乾杯。和やかに懇親を深め、今年の活躍を誓い合う大盛況の新年会となった。
(事務局・阿知良由紀美)

責任販売制を大胆に展開/トーハン新春の会

2009年トーハン新春の会は8日午前10時半から東京・目白の椿山荘で開かれ、出版社、書店など2934名が出席した。
冒頭あいさつで山﨑厚男社長は、取引先1200店の年末年始6日間の売上状況について「年末95・2%、年始94・6%、年末年始平均95・0%だった。客数は94・4%、客単価は100・7%。書籍をジャンル別にみると、ビジネス・経済103・1%、人文・社会101・7%、資格・語学100・0%で、専門書関係が前年を上回った」と報告。「混迷する社会経済状況の中、人々は出版物に解決と癒しを求めている。出版コンテンツに大きなチャンスが訪れている」と強調。
その上で取引制度改革に意欲を示し、「昨年から続けている責任販売制を、今年はもっと大胆に展開していきたい。返品を減らし、書店の利益に寄与する非常に重要な施策だが、読者の視点が欠けていては成功しない。読者を巻き込んだ形で責任販売制を実施するため、読者ニーズに応えた出版コンテンツを作ることが必要。読者とコンテンツとを結びつける取り組みを強力に推進したい」と述べた。
さらに、一昨年全面稼働した桶川SCMセンターによる物流改善の取り組みを説明し、「書店店頭や桶川のデータを見ると、まだ読者が求めている商品がなかったり、逆に読者が求めている商品が桶川に返品されたりということがある。そうしたところに宝の山が転がっている。チャンスロスと返品ロスが出版業界のマーケットを縮小させている原因。これらを一つひとつ撲滅していくことを、桶川SCMセンターの力を利用しながら進めたい」と決意を示した。
書店を代表して日書連・大橋信夫会長は「業界全体の問題として、日書連は昨年末、取協に業界用語統一の申し入れを行った。私どもは本年を変化の年と考えている。出版業界は10年以上にわたりマイナスが続き、世間では『100年に一度の不況』などと言われているが、前向きにとらえて工夫しながら売上げを伸ばすことに邁進する。トーハンが掲げる『今こそ信じる活字の力』を念頭に、新しい変化の時代に臨みたい」とあいさつした。
トーハン施策プレゼンテーション、作家・海堂尊氏あいさつのあと、大橋会長、トーハン・上瀧博正会長、山﨑社長により鏡開きが行われ、新年の門出を祝った。

教育見直しでチャンス到来/日教販市会

第58回日教販春季展示大市会は9日午前9時から四谷のスクワール麹町で開催された。
5階の展示場では市会目録掲載商品3745点全点の陳列をはじめ、情報コーナーとして「小学校の英語学習コーナー」や「学校推薦辞書コーナー」、「高校ガイド販売コーナー」などを展示。3階会場では「小・中学校の学習指導要領改訂と移行措置実施に伴うこれからの売場」「新学期の学習参考書売場と語学書売場」をテーマに書店研修会が行なわれるなど、多くの来会者で賑わった。
午後0時半からのセレモニーで日教販・河野隆史社長が「教科書・辞典・学参を取り巻く環境は依然として厳しい。しかし今年の新学期は、新学習指導要領の移行措置実施など、ビジネスチャンスが到来していると考える。ゆとり教育の見直しは業界にとって強い追い風だと捉えており、従来以上にあらゆる場面でご期待に沿うよう頑張っていきたい。当社を取り巻く環境は大変厳しく、激震に耐えうる経営体質を構築していくことが急務だ。昨年10月に日販との業務提携に合意した。両社が共存共栄の精神で協力し、お客様への一層のサービス向上と、業務コストの大幅な削減を図っていく。日教販は、今後も営業力の強化や物流体制の精度強化など、経営改革の取組みをさらに進めていきながら、教育専門取次として出版界で一定の地位を築いていくよう役職員一同全力を尽くしていく所存だ」と年頭あいさつを行った。
続いて、学習書協会・益井英博理事長、辞典協会・鈴木一行理事長、日書連・大橋信夫会長があいさつ。大橋会長は、日書連の重点課題として取引問題改善を掲げ、「現在業界用語の統一に取り組んでおり、昨年12月には取協に窓口の設置を要請した。業界として縦に全部通っていないと、その先にいる読者に大変迷惑をかけることになる。今年の大きな目標にしたい」と述べた。
引き続き大橋会長の発声で乾杯。福島日教販会から河野社長に白河ダルマが贈呈され、来賓全員で片目を入れて新春の学参商戦を祝った。

委託から買い切りへ改革を/日販新春を祝う会

日販「2009年新春を祝う会」は7日午前10時半から東京・港区「ザ・プリンスパークタワー東京」で開かれ、書店、出版社、各種取引先、日販グループ関係者など総勢2362名が出席した。
はじめに古屋文明社長があいさつし、年末年始(12月29日~1月3日)のPOS売上の状況を報告。年末は書籍94・7%、雑誌95・0%、合計94・8%。年始は書籍94・5%、雑誌95・4%、合計94・9%。通期で書籍94・6%、雑誌95・2%、合計94・9%だった。この結果について古屋社長は「非常に厳しい」と話した。
出版業界の現状については「返品率は上昇し続け、扱い高は増えているが利益が伴わない。再販制・委託制は行き届いた仕組みだが、特に委託制度は現状に照らし合わせて行き過ぎた制度とも思われる。出版社は多量の在庫に囲まれ、取次は膨大な返品処理に追われている。書店は本以外の商品を扱わないと利益が確保できない。誰も幸せになれない業界の仕組みになっている」と指摘。「委託制で返品が何でも自由という制度を見直し、それぞれがリスクを分散してとり、それに相応しいマージンの再配分が必要。責任販売制と言われて久しいが、日販は『www.project』『王子NEXT』で責任販売制や物流インフラを整えてきた。皆様のご理解をいただきながら、少しずつ委託制から買い切りへということに手をつけていきたい」と述べた。
来賓を代表してあいさつに立った紀伊國屋書店の松原治会長兼CEOは「日本経済は昨年後半から悪化し成長が期待できない厳しい年となり、出版業界も依然低迷を続けている。私どもの主力店も年末年始かつてない減少で非常に厳しい。今年もよりお客様を大切にして、皆様とともに努力していきたい」と述べた。
松原会長、講談社・野間省伸副社長、日販・阿部洋一郎会長、古屋社長により鏡開き。野間副社長が「日販は物流、情報、顧客サービスの新たな企画を次々と打ち出し、頼もしく思っている。出版社は読者に対し活字の魅力を伝えていく。日販には変革のリード役になってもらい、ともに業界活性化を実現していきたい」とあいさつし乾杯した。

物流センター構想を準備/栗田新春あいさつの会

「2009年栗田新春あいさつの会」は9日、板橋区坂下の栗田新物流センター4階大ホールで開催。出版社・書店593社1006名が出席した。
午前11時から行われた鏡開き式では郷田照雄社長があいさつ。「昨期は売上503億円、2・2%減で減収増益の決算になった。返品率悪化と廃業店の増加が課題だ。一昨年、中期経営計画で本業強化の方針を打ち出した。意思決定迅速化のため執行役員制度を導入し、札幌、大阪、福岡と足場のよいところに支店を移転した。書店サポートプログラム、MBフェアに加えてKMIという選定商品システムをさらに拡大する。KINSパート5も使いやすくグレードアップする。昨年発表した大阪屋との業務提携で、名古屋自家配地区の共同輸送、出版社13社の集品、KBC共同利用をおこなってきたが、今年は大阪、兵庫の共同配送、集品も39社に拡大、書籍・雑誌の共同キャンペーン、物流センター構想を準備している」と述べ、ゲストで出席した大阪屋三好社長を紹介した。
大阪屋三好社長は、昨年暮れ、大阪で開いた栗田との合同役員会に触れ、「物流面でお互いの施設を利用するほか、新しい取り組みも考えている。取引先は重複しないのでお互いのプラスになる」と提携に理解と協力を呼びかけ、両社長が檀上で堅く手を握り合った。
来賓の講談社森武文常務は「提携が着々と進み、成果を期待している。不況下で巣ごもり消費と言われ、活字には絶好のチャンス。この機会に活字の楽しさを伝え、浮上の力に変えていこう」とあいさつ。書店を代表して高島瑞雄氏(郡山・高島書房)は「私の店は年末年始に110%伸びた。ポジションを変えれば不況も追い風になる。変革のチャンスに」と述べた。
郷田、三好、森、高島の4氏に優文堂鈴木康弘社長が加わり鏡開きの後、鈴木氏の音頭で乾杯した。

全国いいものうまいもの/冬の味覚の王様「松葉ガニ」/京丹後市・中市書店・中江美津枝

吹き巻き上げる冬の日本海、丹後半島。冬の味覚の王様、「松葉ガニ」、俗に「間人ガニ」ですが、間人漁港より北へ3時間、漁船が走る地点に名物間人ガニの漁場があると聞いております。夜9時頃に港を出ると、明日午前中には漁を終え帰るという最も生きの良いカニで、他の漁港にはない漁場だそうです。その日に競りにかけられ、関東、関西方面へと出荷されていくようです。
ところで初日は新聞等でお聞きの通り、御祝儀相場といって一定の仲買人でないと一寸手に入れるのが難しいそうです。値段といえば一匹数十万円という最高級品、我々にはあいた口が塞がりません。何処の何方様が召し上がりますやら…。2回目、3回目くらいが一寸値が安くなるようですが、それでも何万円也、上司様、お世話になった人とか、行き先はさまざまのように思います。
また、雌ガニは小さくて「こっぺガニ」といい、皮がとても硬いです。でも外の「栗子」、内の「赤子」、これが美味しくて楽しみに待ちます。正月も過ぎ3月中頃までで、後は「白ガニ」といって皮が柔らかく食べやすいのが出てきます。この白ガニが成長し何回か脱皮して本物の松葉ガニとなるのだそうです。値段の方もずっと安くなり、地元の方々も楽しみにして待ち、よく食べます。
春を待ちつつ、夏は海、海水浴(聖徳太子の縁の地、立岩海水浴場)、秋冬は裏西模様(今晴れたと思えばすぐ雨、雪に変わる当地特有の天気のことを言います)、冬は松葉ガニ(間人ガニ)。どれも皆名の通った丹後半島景観地、ぜひ一度お越しください。「間人ガニ」本場、丹後町間人へ。

2009年新春の抱負/書物は潤いと希望与えるもの/小松市・ブックらんど長野書店・長野庸一

「本を読むことは人生にとって当たり前のことなのだから、将来どんな地位につこうとも、趣味はと聞かれて読書とだけは答えないで欲しい」。同志社大学卒業式での住谷総長の私たちに対する贈る言葉でした。大学4年の1年間、市内の書店でアルバイトをし、卒業と同時に家業を継ごうと希望に燃えていた私にとって、別の面で勇気づけられる言葉でした。
あれから38年、当たり前の読書は立派な趣味になりました。私自身、効率採算だけを追求するドライな時代に適合しなくなっているのは充分わかっています。今年還暦を迎えた私には、小さい時、父とリヤカーを引っ張って駅のプラットホームで荷物を受け取り、一刻でも早く家へ帰って店に並べねばと思った高揚感はありません。
『冒険王』等が廃刊になった時、この業界はこれからどうなるのだろうかと子ども心に心配したのに、今廃刊が続く中、何の反応もありません。ただ人一倍不器用な私が4人の子どもを育て、なんとかここまでやってこれたのは、この業界のお陰だと思っています。
いろんな人との出会いもありました。50年以上も前、私に初めてラーメンという食べ物をご馳走してくれたのは、確か小学館の営業担当の青木さんという方だったと記憶しています。青年時代上京した折、どんなに忙しくても接待して頂き、色々な話を聞かせてくれた太洋社の南さん。時代が良かったというだけでしょうか。本来書物は心に潤いと明日への希望を与えるものではないでしょうか。
さて現実に戻ると、私が果たせなかった甲子園への夢は息子が叶えてくれました。これからも店が終わってからの一杯と、年に一度の海外旅行を心の支えに、あとしばらく年中無休で頑張らねばと思っています。

財務基盤、収益体制を強化/大阪屋おでんの会

大阪屋の「新春おでんの会」は10日正午から関西ブックシティで開かれ、書店496名、出版社584名など総勢1272名が出席した。業務提携相手である栗田出版販売の郷田照雄社長も出席した。
冒頭あいさつした三好勇治社長は取引先300店の年末年始6日間の売上げについて「全体的には2~3%のマイナス。年末はまずまずで推移したものの、年始に入り厳しい状況になった」と報告した。
出版業界は10年来の売上縮小で疲弊、これに景気悪化と金融危機の荒波が加わり厳しい状況に陥っていることや、取引先の民事再生申請といった事態を受け、昨年、緊急プロジェクトを発足。①財務基盤の安定、②収益体制の強化、③顧客サービス充実による競争力強化に取り組んでいるとした。
定価アップについては、同社調査によると書籍が25円、雑誌が20円程度アップした。「厳しい状況の中で売上げと利益に一定の効果があったと思う。取次、書店の収益源確保のためにも、引き続き適正な定価アップをお願いしたい」と求めた。
今期3月末決算の見通しについては「12月累計で雑誌101・0%、書籍102・9%、全体で102・7%で推移。予断は許さないが、現状では若干の増収が期待できる」とした。
また、栗田との業務提携について「多様な選択肢が存在することが大切。お客様にメリットのある第3の選択肢となり得る企業を目指し、サービスと効率化を磨いて業界発展に貢献する。そのパートナーが栗田。信頼関係をバネに様々な分野で協力関係を深めたい」と話し、栗田の郷田社長を紹介。郷田社長は「今回の提携で、書店や出版社にメリットを提供したい」と語った。
文英堂・益井欽一会長、講談社・浜田博信相談役、日本放送出版協会・遠藤絢一社長、大阪出版協会・佐藤徹哉理事長、日書連・面屋龍延副会長、栗田・郷田社長、大阪屋友の会連合会・田村定良会長、大阪屋・三好社長の8名で鏡開きを行い、田村会長の発声で乾杯した。

わが社のイチ押し企画・河出書房新社・営業第二部・諸橋実生

2007年11月に刊行を開始しました「池澤夏樹=個人編集世界文学全集」。全24巻(第1集全12巻・第2集全12巻)で刊行、ご案内しておりましたが、編者からの希望や読者からの要望の声もあり、第3集全6巻の追加刊行が決定し、全30巻となります。第3集の刊行は、第2集完結後の2010年から、巻立て、詳細の発表は今年の5月頃を予定しております。
書店様の拡販の成果もありまして、「池澤夏樹=個人編集世界文学全集」は予想以上の定期獲得数を達成することができました。誠に有難うございました。
刊行後、書店様店頭でも堅調に売上を伸ばしておりまして、「外商様向け企画」と「単行本のような手軽な企画」という両面での商品性を併せ持つことができました。
夏前には第3集をあわせた拡材(パンフレット・チラシ等)をご用意致します。また全集自体にも投げ込みをし、定期購読者に対してしっかりと告知活動を致しますので、定期継続の受注活動を何とぞよろしくお願い致します。
今月1月は、鴻巣友希子さんによる新訳のヴァージニア・ウルフ『灯台へ』と、ジーン・リース『サルガッソーの広い海』(小沢瑞穂訳)をカップリングした第2集第1巻が刊行となり、いよいよ第2集スタートの月となります。第2集は、こののち過日ノーベル賞を受賞したばかりのル・クレジオの『黄金探索者』や、ナボコフ『賜物』、ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』の新訳などが刊行されますので、さらに注目度が上がることが予測されます。
「池澤夏樹=個人編集世界文学全集」は、収録作品の大半は20世紀後半から選ばれておりますので、かつての「世界文学全集」のラインナップとは趣を変えておりますが、新しい海外文学のスタンダード作品ばかりですので現代を生きる私たちにとっては是非とも読んでおきたい作品ばかりです。今後とも書店様店頭でのご展開をはじめ、より多くの読者の方にお届けして頂けましたらと思います。

わが社のイチ押し企画/学習研究社・出版販売部学参辞典販売課・田口雅朗

平素は格別のご愛顧を賜わり厚く御礼申し上げます。
さて、弊社では2009年の新学期商戦に合わせ、中学学参の「パーフェクトコース」シリーズの充実を図ってまいります。
「パーフェクトコース」は、弊社のロングセラーである「ニューコース」シリーズのハイレベル版ともいうべき位置づけで昨年、英語・数学・理科・社会の4教科について刊行いたしましたが、おかげさまで大変売行き好調で、「国語はいつでるのか」「対応する問題集は無いのか」といったお問い合わせ・ご要望を多数いただいておりました。今春は、国語の参考書及び、英語・数学(数量・関数編/図形編)・理科・社会の問題集の計6点を刊行いたします。これにより、シリーズラインナップは、計10点となります。
●パーフェクトコース参考書の特長…中学で学ぶべき内容を教科書の枠にとどまらず記述した、真の学力をつけるためのハイレベルな参考書です。日常の先取り学習から難関校入試対策まで幅広く活用できます。
●パーフェクトコース問題集の特長…パーフェクトコース参考書に対応し、トップレベルの実力がつく問題集です。中学3年間の内容について、基本問題から高度な問題まで広く扱っており、真の実力養成ができます。
平成21年度から中学校でも新学習指導要領に基づく移行措置が始まりますが、「パーフェクトコース」シリーズにおいては、前述のように教科書の枠にとらわれない編集方針で、従来の発展内容や高校での履修内容も一部取り入れているため、移行措置にも完全対応しております。また、「ニューコース」シリーズにおいては、追加項目の多い中1・中3の数学と、中1~3の理科について補足資料の小冊子をつけ、また全教科についての移行措置情報WEBサイトを開設します。
「ニューコース」「パーフェクトコース」ともども今後ともよろしくお願いいたします。

わが社のイチ押し企画/新潮社・出版部文芸第2編集部・西村博一

2009年の新潮社のイチ押し企画には、押しも押されぬ警察小説の旗手、佐々木譲さんの新作『暴雪圏』を挙げます。
『制服捜査』(07年版「このミステリーがすごい!」国内編第2位)、『警官の血』(08年版、同1位)と立て続けにヒットを飛ばしてきた佐々木さん。当社刊のこの2作に加え、角川春樹事務所から08年末に発売された「道警シリーズ」第3弾『警官の紋章』も大好評と、まさに乗りに乗っています。
来る2月7日(土)、8日(日)には、テレビ朝日開局50周年記念ドラマスペシャルとして『警官の血』が豪華キャストでドラマ化されることも決まっており、この春は佐々木譲作品への注目が一層高まること間違いなし。
そんな中で満を持して刊行(2月18日配本)するこの『暴雪圏』は、例年3月の彼岸の頃に北日本を襲う雪嵐「彼岸荒れ」に閉ざされた北海道の小さな町、そう、あの『制服捜査』の志茂別町が舞台です。
すべての交通が遮断され、街中でさえ遭難者が出るその日。町はずれのペンションに、足止めされたのは数人の男女。暴力団組長宅を襲撃した若い男、不倫の清算を決意した人妻、会社の金を持ち逃げした中年サラリーマン……。孤絶した状況下、互いに出会うことなどなかったはずの男女の欲望が剥き出しのまま交錯し、この「密室」に惨劇が起きる。
恐怖の夜が明けた時、たった一人で臨場する川久保篤巡査部長。それを待ち受ける殺人犯。全編を貫くサスペンスと、圧倒的なクライマックス――。
敢えて、断然たる確信を持って、「『制服捜査』の第2弾」とは謳いません。この『暴雪圏』は、何かの後に続くには、あまりにも存在感が大きすぎます。まさに超弩級のエンターテインメント、『暴雪圏』にどうぞご期待下さい!

わが社のイチ押し企画/角川書店・角川グループパブリッシング書籍販売部書籍グループ長・金子泰子

明けましておめでとうございます。旧年中は格別なるご支援、ご協力をたまわり誠にありがとうございます。
さて、本年3月3日に、角川グループ合同児童書レーベルである「角川つばさ文庫」を創刊いたします。小学3年生~中学1年生を対象とした、全く新しい児童文庫となります。角川グループとしては初めて、角川書店・富士見書房・角川学芸出版他グループ各社を横断して、1つのレーベルを作り上げます。各社の編集のノウハウを駆使して、皆様に愛される作品を作っていきたいと思っております。
内容ですが、A:オリジナル、B:ベストセラー、C:ノベライズ、D:ノンフィクション、E:海外の名作、F:日本の名作(古典作品)の6つの柱で構成いたします。体裁は、新書版、224ページ前後、予価620円前後です。本文中には子どもが楽しんで読めるようにイラストを入れています。創刊日は3月3日ですが、4月以降の発売日は毎月15日頃となります。創刊ラインナップは、楠木誠一郎著「大江戸神龍伝バサラ!①龍、覚醒せり。」(オリジナル)、宗田理著「ぼくらの七日間戦争」(ベストセラー)等多彩な作品群全15点をご用意しております。4月以降は月5点前後の刊行予定です。
創刊読者キャンペーンとして、「2冊買って〝つばさちゃんペンケース〟をもらおう」を実施いたします。本の帯についている応募券2枚をはがきに貼って応募していただいた方全員に、子どもたちに人気のちょっと大きめオリジナルペンケースをプレゼントいたします。
角川グループでは、編集・営業・宣伝とグループ各社が総力をあげて、角川つばさ文庫に取り組んでまいります。ぜひとも貴店店頭でのご展開に、ご支援、ご協力を賜りますようよろしく御願い申し上げます。

わが社のイチ押し企画/金の星社・出版部副部長・大河平将朗

日本のストーリー漫画を確立し、アニメーションの世界でも偉大な業績を残し、世界中の子どもたちの夢を育んだ手塚治虫。生命の尊さを追究し続けた彼の60年の生涯を手塚プロの制作スタッフが漫画で描いた感動の伝記物語、漫画「手塚治虫物語」(全3巻)が金の星社から2月下旬より発売されます。
第1巻は、誕生から青少年期まで。手塚治虫は1928年大阪府豊中市で誕生。開放的な家庭に育ち、漫画とアニメに親しみ、想像力豊かな少年で、昆虫をこよなく愛しました。宝塚での幼少期から、大阪大学付属医学専門部に入学、終戦を迎えるまでを描いています。
第2巻は、漫画家としてデビューし、30歳で結婚するまで。手塚は医学の道を志しながらも、好きな漫画の道に進みます。『新宝島』『ロスト・ワールド』がベストセラーになり、人気漫画家として活躍します。『ジャングル大帝』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』などが大人気!
第3巻は、アニメーション、国際交流へと活動の場をひろげていく後半生を描いています。日本初のテレビアニメ「鉄腕アトム」が大ヒットし、手塚のアニメは世界中の子どもたちの夢を育みました。テレビや劇場アニメでの偉大な業績と、実験アニメでの国際的な評価も紹介しています。
漫画「手塚治虫物語」(全3巻)、A5上製。第1巻『オサムシ登場1928~1945』は、192ページ、定価2625円。第2巻『漫画の夢1945~1959』は、304ページ、定価3360円。第3巻『アニメの夢1960~1989』は、396ページ、定価3990円。税込、分売可。
なお、手塚治虫生誕80周年、金の星社創業90周年を記念して、昨年出版された【愛蔵版】手塚治虫全集(全10巻)も好評発売中です。セットでご購入のお客様には、特典として、特製ポスターをプレゼント。さらに、先着1000名様にオリジナル複製原画(4枚組)をプレゼントします!
【愛蔵版】手塚治虫全集、各巻定価3360円(税込)分売可、B5上製・128ページ。第1巻『鉄腕アトム』、第2~8巻『0マン1~7』、第9巻『ビッグX、第10巻『アリと巨人』

わが社のイチ押し企画/光人社・営業部長・南雲雅利

新春、わが社のイチ押し企画としてお知らせするのは、日本国中を震え上がらせたあの無差別テロ、「地下鉄サリン事件」を描いたノンフィクションです。当時、緑色の化学防護服で神経ガス・サリンの除去にあたった陸上自衛隊員を指揮した連隊長の手記――『地下鉄サリン事件戦闘記録』(仮題)。
未曾有の化学兵器テロに、首都山の手線内唯一の連隊として「実戦出動」を命じられた指揮官の、長い長い一日を再現した一冊です。著者・福山隆氏は、当時の部下たちに改めてインタビューを行ない、その状況を詳細に、1995年3月20日の出来事を生々しく描いています。
史上初めての化学兵器テロとの戦いの貴重な記録であると同時に、近い将来起こるといわれる新型インフルエンザ大流行などへの対応を考える上でも示唆に富む内容になっています。
また、昨年末に刊行しました『英国軍艦写真集』は、好評を博した『日本軍艦写真集』に続く第2作です。編著者の高木宏之氏は、長年にわたり約3千点余の艦艇写真を蒐集し、本書にはその中から厳選された140点を収め、発達系譜が分かるように時系列にそって編集されています。A4判横綴の迫力ある英国軍艦写真集で、好評につき第2弾が予定されています。
おかげさまで、新春間もなく刊行6百点を迎えるNF文庫は、戦艦から一般船舶の海難の悲劇の歴史を追った好評販売中の『あっと驚く船の事件』をはじめ、読者を思わず唸らせる読物をラインナップしています。
近刊として、昭和の海軍士官の台所事情がよく分かる『ある海軍中佐の家計簿』、ドイツ陸上戦の華と謳われた指揮官10人の活躍を描く『ドイツ陸軍最強指揮官』など、斬新なテーマの文庫を予定いたしております。
お客様に喜んで手にしていただける光人社の新刊を、よろしくお願い申し上げます。

第2弾は「読書術」/Nanaブックス

仕事や日常生活でメモの整理に苦労した体験から独自の情報整理術をまとめた『情報は1冊のノートにまとめなさい』(奥野宣之著、Nanaブックス)は28万部売れてトーハン、日販のビジネス書年間ランキングで第2位になった。
昨年12月に発売された第2弾『読書は1冊のノートにまとめなさい』(四六判216頁、定価1365円)は、読んだ内容を確実に財産にする「インストール・リーディング」の技術を紹介。探す、買う、読む、活用するをマネジメントする読書術を伝授する。発売後1カ月で14万部。

3社共同で10代向けYAフェア

理論社、PHP研究所、河出書房新社の3社はYA世代の啓蒙シリーズ「よりみちパン!セ」(40点)「心の友だち」(9点)「14歳の世渡り術」(12点)を刊行中だが、今春、「10代からはじめる新書~真理は意外とカンタンだ」として、3社合同フェアを展開する。
YA向けシリーズは10代から読めるわかりやすい内容と若い世代が希求するテーマが特徴だが、ジャンルが多岐にわたるため、3社がまとまることで「教養ことはじめ」としての個性を打ち出すことが狙い。単品での実績をシリーズへ拡大し、固定客をつかむ書店の常設コーナーを目指す。
セット内容は15点各3冊・全45冊。セット本体価格5万268円。3カ月延勘。申込締切り2月上旬。
搬入3月上旬。受注は理論社営業部(FAX03―3203―2422)まで。拡材としてA4フェアパネル、POP他。全点フェア(約60点)も受付中。
出品図書は『バカなおとなにならない脳』(養老孟司、理論社)『なによりも大切なこと』(あさのあつこ、PHP)『女子の国はいつも内戦』(辛酸なめ子、河出書房新社)など。

新風賞に『流星の絆』/創立50周年兼ね新年懇親会/新風会

書店新風会創立50周年記念を兼ねた新年懇親会と第43回新風賞贈賞式が1月9日午後5時から新宿のハイアットリージェンシー東京で開かれ、出版社など197社297名が出席した。
懇親会は林田芳幸親睦交流委員長の司会で始まり、冒頭、高須博久副会長が会員書店の初売り状況について「報告のあった24店のうち1日から営業が13店、2日10店、3日は1店だった。1日から営業する店が増えた。客数は多い8店、変わらない2店、少ない12店で、売上げは前年比97・9%」と報告。スタートは少しつまずいたが、志があるところに道は開けると檄を飛ばした。
続いて井之上賢一会長があいさつ。「新風会は昭和33年に山の上ホテルで第1回会合を開いた。この年は東京タワーが完成し、1万円札が出来た年。50周年を迎えられたのは業界の支援のおかげと感謝している。新風会は今期、外商活性化特別委員会を新設し、2世会『新世会』を再結成する。今年はバック・ツー・ザ・スターティングポイントの精神でがんばっていきたい」と述べた。
来賓を代表して日書連大橋信夫会長は「新年会では大変な年という言葉が飛びかっているが、書店は10年前から耐性ができている。アメリカはグローバル・スタンダードと称して不動産を証券化しババ抜きをやった。出版界はよい本をお客様に届けるのが基本。書店のない地域を作ってはいけない。今後も新風会とともに歩んでいきたい」とあいさつした。
第43回新風賞は大垣守弘事業委員長が「前年の7割増、297票の推薦から、受賞作は東野圭吾氏『流星の絆』(講談社)に決定した」と経過報告を行い、井之上会長から講談社野間省伸副社長に記念の楯が手渡された。このあと、野間副社長の音頭で乾杯を行い、新年を祝った。
新風会は50周年を記念して『書店新風会50年史』を製作し、関係者に配布したほか、1月8日・9日・13日の3日間、神保町の中央経済社6階ホールで「書店新風会50年のあゆみ展」を開催した。

人事

◇大阪屋
★三好氏、代表権ある会長に
大阪屋は1月5日、臨時取締役会を開き、2月1日付で三好勇治社長が代表取締役会長に、南雲隆男常務が代表取締役社長に就任することを決めた。南雲氏は引き続き営業本部長を担当する。
◇双葉社
(12月21日付、○昇格)
営業局局次長(営業部・制作部担当)戸塚源久
同(販売促進部・宣伝部担当)兼販売促進部部長
○川庄篤史
宣伝部部長○小野博