全国書店新聞
             

平成13年1月31日号

丸善とbk1が業務提携

オンライン書店bk1を運営する・ブックワンと丸善は一月二十二日、両社が業務提携を行うと発表した。
丸善は同日付でブックワンの発行済み株式のうち、図書館流通センター、日経BPから各一・五%、アスクルから一%の譲渡を受け、四%の株式を取得した。
この業務提携により、bk1は二月五日から丸善が取り扱う一般読者向け洋書の販売を開始する。
丸善のデータベースを利用することで、bk1の顧客は英、仏、独二万五千タイトルの洋書を検索、購入することが可能になる。
丸善は二月五日から札幌、仙台、東京など主要十二店舗に「bk1」コーナーを設置し、サイトで取り上げられた書籍の紹介や、来店社に「bk1」利用促進の店頭プロモーションを実施する。
「bk1」はサイトとメールマガジンでサイン会など丸善の店頭催事を紹介する。
これに伴って丸善では、現在開設している「丸善インターネットショッピング」(MIS)をアカデミックな書籍を中心にしたサイトにリニューアル、会員制の学術情報ナビゲーション・システム「ナレッジワーカー」とともに、専門性の高いサービスを提供していくという。
ブックワン石井社長によると、昨年七月の業務開始後、半年たって「月商一億円の目途がついてきた段階」とし、当面は年商三十億円を目指すという。
丸善のネット販売額は年間ナレッジワーカー三十五億円、一般読者五億円で、合計四十億円弱という。

ポイントカード制度

公正取引委員会は一月九日付、日書連宛の文書で「ポイントカードは値引きだが、再販契約で出版社が禁止することは問題」−−とする解釈を発表、ポイントカード制の容認を強く示唆した。
日書連は二十六日に箱根・湯本富士屋ホテルで開催した一月理事会で「ポイントカード制の導入は、著作物再販制度を内部から崩壊させる」として、反対の方針を満場一致で確認した(二面に質問状と回答)。
〔再販問題〕公取委が九日付けで日書連再販擁護委員会宛に示した文書は取引部山田務取引企画課長の名前で書かれたもの。
日書連は昨年十月初めに、ポイントカード制に関する質問書を提出しており、文書による回答を求めていた。
公取委の回答主旨は■通常のポイントカードは値引きに該当する、■書店が自主的な判断でポイントカードのサービスを行うことは消費者利益に資するもので、通常の値引きとは異なる、■出版社が自社の出版物を除外させるなどの行為は問題がある、■ポイントカード制を容認することは再販制度を崩壊させない−−などというもの。
回答内容について説明した影山小売公取協専務理事は、「これまで公取委と対話を重ねてきたが、全く進展がなかった」と報告した。
神奈川組合からは「再販制の存続とポイントカード導入を取引するような無理難題。
ポイントカード導入阻止を」と要望が出された。
萬田会長は「このままいくと再販制度が残っても定価販売が内部から崩される。
行政権の乱用ともとれる。
神奈川組合の要望を確認したい」と提案。
拍手でこの方針を承認した。
また、公取委への意見書提出は一月二十五日の締切りまでに各県組合から合計一万三千名強が送られ、目標の一万名をクリアした。
地方自治体への意見書採択については、二十二都道府県議会にとどまっていることから、三月議会に向けて意見書の採択を働きかけていくことを了承した。
〔情報化推進〕小学館から廉価で提供されるパソコンの導入は京都組合でテストランに入ることが決まっている。
一月十二日に行われた小学館、日書連、京都組合の打ち合わせの結果、二月五日、六日に府内三カ所で説明会を行い、二月中に百台の申し込みを受け、三月に設置、四月一日から運用を開始する方針が決まった。
導入するのは東芝のノート型パソコン(A4サイズ)。
書店は保守料を含めて月額千円を負担するほか、ランニング費用が千円。
回線プロバイダー費用が使い放題で月額千九百五十円。
合計でも四千円を切る料金で検索と受発注ができるようになる。
井門委員長は「まず京都を成功させてから他地区の展開を考える。
現在、日書連ホームページに出版社の広告出稿を求めており、週刊誌中吊り広告の掲載や読者プレゼントなど、内容充実を図っている。
広告費で運営できればネットワーク費用の書店負担もなくなる。
これまで利用していたCSKのネットワークはメトロに一本化するほか、来年三月末にはCD−ROMの製作を終える」などと今後の方針を説明した。
〔出版販売倫理〕東京都が準備している青少年健全育成条例の改正は四月公布、七月施行の予定。
改正条例では今後、犯罪誘発、自殺マニュアルまで有害図書に指定するほか、書店などに有害図書の区分陳列を求め、従わない場合は氏名公表、罰金三十万円とされている。
丸岡副委員長は、こうした規制強化に対応して出版倫理協議会で従来の「成人向け雑誌」の表示を止め、新たに出版社、学識経験者などで構成する「R18」判定委員会を設置する方針を報告した。
これに対して下向副会長は「都条例で区分陳列が義務付けられる中で、判定委員会に書店が加わらないでいいかどうか」とし、同委員会に書店からも委員を送ることを決めた。
〔読書推進〕今年も四月十九日から四日間、東京ビッグサイトを会場に東京ブックフェスティバルが開催される。
船坂副委員長から十九日、二十日は午後七時まで入場時間を延長、仕事帰りに寄りたい読者の要望に応えると説明があった。
展示内容については昨年以上に市会機能を拡大して、全国書店の来場を呼びかける方針。
昨年の入場者四千名の一割が書店ということで、各出版社の報償内容、来会書店への特典などを伝えていく。

ふるさとネットワーク

元旦、二日と天候にあまり恵まれなかったが、三日は雲一つない晴天。
正月の都会の喧騒を避けて八女(やめ)に、カメラを提げて気儘な写真撮影に出かけてみた。
八女は作家五木寛之や小島直記の出身地。
女優の黒木瞳は八女市黒木町の人。
樹々が多く山深い所で、山に分け入ると下界と違い静寂そのもの。
その山の中に「グリーンピア八女」がある。
広大な敷地の中に去年、温泉が湧き出て、今は立派な温泉浴室ができている。
その近くに鄙びた茶室があった。
静かな茶室の中を覗くと、柔らかい香の匂いが漂ってきた。
二人の女性に「どうぞ一服」と茶室に招かれた。
暖をとってある茶室の緋の毛氈に座り一服いただくと、別世界にいるような清々しい気持ちに。
茶の作法のことなど全然わからぬが、二人の女性の物柔らかな語らいが心を和ませてくれる。
世情のことなど一切語らず、山の中の茶室でゆったりとした気分になれた、まさに至福の時だった。
八女地方は全国的に有名な茶の産地でもある。
新しい世紀の初めにこんな気分になれて、ありがたかった。
(鹿子島慶正広報委員)

◇『出版ニュース社の五十年』

出版ニュース社の社史『出版ニュース社の五十年』(A5判一八四頁)が刊行された。
同社の創業は昭和二十四年十月。
戦時中の統制会社「日配」の機関誌『出版ニュース』がその前身で、これを継承して独立。
その歩みは戦後出版業界の動向、発展と軌を一にする。
全体の半分が社史。
残りが出版界と同社の年表、巻頭論文タイトル、刊行図書目録で占める。
なお、この社史は・デジタル・パブリッシング・サービスによりオンデマンド出版され、三百部の制作費は約二十万円。
出版ニュース社のホームページでも閲覧できる。

本屋のうちそと

地球規模のカウントダウンで明けた21世紀も、たかが昨日の続きと思っていた元日から雪が降り始め、記録的な大雪でスタートすることになった。
雪かきに疲れ果てているのはお客さんも同じ。
客足が遠のき売上はこれも記録的なスタートとなった。
今冬の積雪予測はカマキリ派とカメムシ派の相反するものだった。
当地ではカメムシの発生が多い年とカマキリの巣が高い年は大雪になるといわれているが、今年はカメムシが異常発生したものの、カマキリは地面スレスレに巣を作り、雪の予測が立たなかった。
結果は二十数年振りといわれる大雪となり、ブッシュ大統領もうらやむカメムシ党の圧勝となった。
映画「二〇〇一年宇宙の旅」が公開されたのは三十三年前、科学技術の進歩が人類の幸福につながると無条件に信じられていた時代だ。
夢の世界であった二十一世紀、近づくにつれて少しづつ見えてきた輪郭も、明けて一カ月もたたない間に夢にも見たくない現実が次々と現れてきた。
血なまぐさい事件や若者たちの傍若無人には寒々とさせられる。
バブル崩壊後十一年、今なお出口が見えてこない閉塞状況に苦しむ国民など眼中にない外務官僚の着服、KSDの金にパラサイトする政治屋。
大人社会が若者を諫める資格を放棄したに等しい。
小生も最近までKSDの会員であった。
裏切られた悔しさは、月々二千円の掛金の額の問題ではない。
幽霊党員にさせられ、掛金は党費に化け、国会議員を生み出す。
こんな政治のシステムに国民の運命をゆだねなければならない二十一世紀はお先真っ白だ。
(どんこ水)

新学期特約店を募集

あかね書房、岩崎書店、偕成社、学習研究社、金の星社、国土社、小峰書店、大日本図書、ポプラ社、理論社で作る「児童図書十社の会」は、平成十三年度新学期の学校図書自主販売に向けて、自主販売特約書店を募集している。
販売対象期間は四月一日から八月三十一日まで。
販売対象商品は十社の会自主販売用専用注文書及びカラーカタログ「本を選ぶ本」掲載商品。
同カタログは前年より四十頁増えて四百八ページに七百五十四シリーズを掲載している。
販売促進費は売上金額30〜50万円が二・〇%、50〜2百万円三・〇%、2〜4百万円三・五%、4百万円以上四・〇%。
出荷条件は三カ月延勘。
今年度の自主販売事務局は大日本図書。
十社の会では本年度の販売目標を、書店同行巡回販売三十億四千百万円(前年比二・三%減)、書店自主販売二十億四千百万円(同四・〇%増)、合計五十億八千六百五十万円(同〇・三%増)に置いている。

聖教新聞50周年で祝賀会

四月二十日で創刊五十周年を迎える聖教新聞は、一月二十四日午前十一時半から千代田区のホテルニューオータニで祝賀会を開催、約千六百人が出席した。
「聖教新聞」は一九五一年四月二十日に旬刊二頁、五千部で創刊。
週刊、週2回刊、週3回刊と発行回数を増やし六五年から日刊化。
現在は日刊12頁建、五百五十万部。
祝賀会であいさつした創価学会秋谷栄之介会長は「聖教新聞は昭和二十五年に戸田二代会長、池田三代会長の二人で創刊し、仏法を基調に平和・文化・教育運動を推進する創価学会の機関紙として人間主義を主張してきた。
人を尊重し、希望と勇気を与え、新しい人間文化の創造に邁進していきたい」と、日頃の支援に感謝を述べた。

人事

◇日本地図共販日本地図共販は昨年十二月十四日の定時株主総会並びに取締役会で小竹正倫社長が退任し、武田三男常務取締役が新社長に就任した。
新役員は以下の通り。
○印は昇任。
代表取締役社長○武田三男常務取締役○石田浩城同○小林定義取締役坂本喜淑同粂井健取締役相談役小竹正倫監査役亀井忠雄同青木玲二武田三男氏略歴昭和19年3月26日生れ、56歳。
昭和41年立正大学経済学部卒。
同年日本地図共販入社。
60年取締役、東日本営業本部長。
平成4年東京支社長、5年経営企画管理室長兼務、6年統括営業本部長、常務取締役。

『朝の読書の原点』

「朝の10分間読書」の提唱者、林公(ひろし)氏の最新刊、『朝の読書の原点を求めて−生きる力を育む授業』が・メディアパルから発行された。
A5判一一二頁、本体価格千円。
著者の林氏は、一九八八年に勤務していた船橋学園高校(現東葉高校)で「朝の読書」を提唱し実践。
全国の学校にこの運動を広める中心的な役割を果たしてきた。
その功績が認められて、九六年には菊池寛賞、九八年には野間読書推進賞を受賞している。
最新刊では、林氏が「朝の読書」にたどり着くまでに行ってきた教育実践の数々や、理想の授業への模索、実践を体験した生徒たちの生の声を収録している。
メディアパルから出た「朝の読書」感連書は六点目。
同運動の導入を検討している学校関係者からの需要も多い。
「朝の読書」の実践校は一月十六日現在で五千百五十二校を数える。

催し

◇二〇〇一年新学期辞典・学参勉強会辞典協会・学習書協会共催による「辞典・学参勉強会」が二月七日(水)午後二時から大阪市西区の大阪厚生年金会館で開かれる。
講師は書店経営クリニック・ノセ事務所代表取締役の能勢仁氏。
昨年の「辞典・学参市場活性化のための提言」に続き、今回は「元気な学参売り場にするために」のテーマで、実践的で突っ込んだ内容の講演を行う。

売上げ13%増、664億円

日経BP社は一月二十二日午後四時から千代田区平河町の本社に報道関係者を集め、最近の業績と今春創刊する新媒体について発表した。
吉村久夫社長の発表によると、十二月締めの二〇〇〇年度売上げは六百六十四億円、前年比一三%増で七年連続の増収。
税引前利益は五十五億円、三五%増で、バブル時代の一九九二年以後で最高の利益となった。
売上げの内訳は広告費が三百二十一億円(一五%増)、販売費が二九〇億円(七%増)。
その他五十二億円。
販売費のうち、直販誌は二百二十五億円、市販誌は六十五億円になっている。
広告収入ではIT関係企業の広告増加が目立つほか、銘柄では『日経ビジネス』、医療系が伸びたという。
今春創刊する媒体は雑誌が五月に創刊する『日経バイオビジネス』(直販)と『日経IT21』(市販)の月刊誌二誌。
ウエブサイトは自動車技術の情報サイト「AUTOMOTIVETECHNOLOZY」を一月に、モノづくり支援サイト「D&MONLINE」を昨年十二月に立ち上げている。
日経BP社で四十三番目の雑誌になる『日経IT21』は五月下旬に創刊し、定価税込み六百八十円。
中堅・中小企業の経営者、管理職や実務担当者向けに、企業活動を改善するIT活用の事例、製品・サービスの選択やシステム構築のポイントについて情報提供していく。
創刊部数は五万三千部を予定。
また、記者会見の席上、同社の新ビジョンとして「BP4BP」というメッセージが紹介された。
「ベスト・プロバイダー・フォー・ビズテック・プロ」の頭文字を取ったもので、ビジネスマンとエンジニアに最先端の情報を提供していくソリューション・メディア・カンパニーの思いを込めている。

◇京都出版三者交流会

京都府書店商業組合、京都出版取次京栄会、書協京都支部の共催により「京都出版三者交流会」が二月十四日午後六時半から中京区のパステル京都で開催される。
書協非加盟社にも参加を呼びかけ、書店と出版社、取次の三者が交流できる会にしたいと準備を進めている。
会場には京都関連図書の展示スペースも設ける予定。
(中西裕広報委員)

共済会給付(1月)

(12・12・21〜13・1・25)▼病気傷害石岡市国府1−4−17たかぎ駅前店高木興一殿7口土浦市中央1−12−2白石書店白石★巳殿18口香取郡東庄町笹川い652石井書店石井清殿3口小平市美園町1−15−27豊友書房佐藤徳殿1口岐阜市入船町2−27林文堂林治郎殿1口勝山市本町2−2−19エビヤ書店阿部★殿1口▼病気傷害・死亡弔慰士別市大通西4丁目学海堂書店尾崎祝殿1口▼死亡弔慰大田区中央6−26−4三好屋商店三好貞男殿2口金沢市広坂1−1−30うつのみや宇都宮煕志殿10口高槻市紺屋町8−31長束興文堂長束良雄殿1口▼配偶者死亡台東区清川1−32−5大作書店大作実殿1口

パソコンの廉価斡旋

員会(書店IT研究会)は、一月十八日、大阪組合会議室で会合を開き、各府県から委員十三名が出席した。
会議では京都組合辻本和樹委員(向島書店)から、昨年十二月に日書連情報化推進委員会に出席したこと、小学館のパソコン廉価斡旋テスト導入のスケジュールが大筋でまとまったことが報告された。
用意されるパソコンはノート型が百台。
パソコン未導入の書店から優先的に月額千円で斡旋される。
プリンター等の周辺機器は別売り。
三月中に希望店への設置を行い、四月一日からスタートさせたいという。
大阪組合からは、一月からオープンした組合公式サイト「なにわの町の本屋さん」の運営状況が報告された。
まだオープンから日が浅く、一般の認知度が低いため、サイトへの訪問と「掲示板」への書き込みを広く求めている。
奈良組合では、政府が発表した「IT関連予算」の補助金制度を利用してパソコン研修会を計画している。
奈良県の「雇用・能力開発機構」を通じて参加者一人当り二万円の補助が受けられる制度。
他県でも同制度の利用を進めるよう呼び掛けがあった。
書店IT研究会では、書店周辺の問題を語り合うメーリングリスト「hon−kinki」を運営中だが、近畿ブロックにとどまらず、全国から参加を呼びかけている。
参加登録は下記のホームぺージから。
http://www.egroups.co.jp/group/hon−kinki/

−無題−

公取委取引企画課長への質問要旨1、貴委員会からポイントカード等々について「出版物小売業景品規約における値引き、景品」(メモ)が提示され、値引きに該当する事例を示されておりますが、「値引き」とした根拠について委員会としての公式見解を示していただきたい。
2、平成11年12月28日付、公取委の公表文でポイントカードの実施は実質的に値引と同一の効果を有するものとしているが、再販売価格維持契約上からみてどのように判断されますか、説明をいただきたい。
3、ポイントカード制で値引をする行為は再販契約上、違反行為と判断されます。
再販契約上、定価販売をすることが消費者利益の確保の観点からみて問題があるとする理由を説明いただきたい。
4、平成11年12月28日付公表文の中に「その制限等の態様によっては、一般消費者の利益を不当に害することとなり、独占禁止法上問題となり得る」とありますが、ポイントカードが値引であるとすれば出版社は再販契約上の手続きを行うことができると判断されます。
そのことを否定することは出版再販制度を崩壊させることになると考えますが、そうでないとしたら、その説明をいただきたい。
5、書籍・雑誌小売業経営実態からみて、年間を通じてのポイントカード制の実施はその粗利益率からみて無理と判断されます。
結果として業界に混乱を招くことになりかねません。
そのことが消費者利益に資することになると判断されておられるのか、見解を示されたい。
6、公表文で書店等が行うポイントカード制等による顧客サービスについて、独占禁止法上の取扱い等についての考え方を関係者に周知するとあります。
その内容について明確な指導をいただきたい。
7、出版物の再販制の目的は、出版物の再販売価格を固定し、出版物の販売リスクを回避することによって小売店に多様な出版物の取扱を容易にし、文化政策的な目的を達成しようとすることにあり、ポイントカード等による実質的値引き行為を奨励することは、出版物再販制を適用除外とした趣旨に反すると考えます。
ポイントカード等による実質値引きを奨励することは、そもそも出版物再販制を認めていないことになるので、独占禁止法第24条の2第4項の適用除外との関連性について説明をいただきたい。
公取委からの回答書店によるポイントカード制に関する貴委員会からの平成12年10月3日付け質問書については、以下のとおり回答します。
質問1について「景品類等の指定の告示の運用基準」(昭和52年4月事務局長通達)を平成8年2月に改正し、ポイントカード制のうち、自店で販売する商品の代金に充当できるもの(6*ア)については、景品表示法に規定する景品類に該当せず、「正常な商慣習に照らして値引と認められる経済上の利益」に該当する旨明らかにしている。
質問2について書店の自主的な判断によりポイントカード制を用いて長期にわたり反復して来店する顧客に対してサービスを行うことは、消費者利益に資するものと考えられ、また、通常の値引とは異なるものである。
このため、書店によるこれらのポイントカード制の実施において、出版社が自社の出版物を除外させるなどの行為は、消費者利益の確保の観点からみて問題があるものと考えられる。
質問3について定価販売をすること自体を消費者利益の確保の観点からみて問題があるとしているわけではない。
自らの経営努力によりポイントカード制を実施する書店がある場合にその取り組みを制限することは、消費者利益の観点からみて問題であるとしているのである。
質問4について著作物の再販売価格意地行為は、すべて独占禁止法の適用除外となるものではなく、独占禁止法第24条の2第4項により、消費者の利益を不当に害することとなる場合は、適用除外とならない。
再販制度が消費者利益に合致したものである必要があるのは当然であり、音楽用CD等の事例をみても、ポイントカード制を容認することが再販制度を崩壊させるものになるとは考えられない。
質問5についてポイントカード制を実施するか否かを含め、書店の実施方法として多種なものがあると考えられる。
書店によるポイントカード制の実施が消費者利益を害することとなるとは考えていない。
質問6について従来から、貴連合会との会合において考え方を明らかにしているところであるが、今後とも、周知に努めていきたいと考えている。
質問7について質問4に対する回答を参照されたい。

12月期は2・7%減

日販経営相談調べの十二月期書店売り上げは、十一月の三・五%減を〇・八ポイント上回る二・七%減となった。
この一年間を振り返ると、第一・四半期三・四%減、第二・四半期二・九%減、第三・四半期五・三%減、第四・四半期三・一%減となった。
七月の六・二%減、八月の五・一%減を底に、年末にかけてやや上向きの気配が感じられる。
ジャンル別ではコミックが五・八%増となり、十月から三カ月連続してプラス。
40坪以下店で二・九%、それ以外は六%台の伸びを示している。
コミック以外では文芸書が〇・三%増と、ほぼ前年並みの数字となった。
一方、雑誌は十一月より二・八ポイント低い五・二%減。
十月の四・八%減をさらに下回った。
規模別では40坪以下店が七・四%減、81〜12坪店六・六%減と落ち込み幅が大きい。
客単価は千二十六・二円で二・六%減。

−無題−

日書連主催の第四十七回出版販売新年懇親会は一月二十六日午後五時半、箱根湯本の湯本富士屋ホテルで開かれ、出版社、取次、書店など計百六十七名が出席した。
懇親会では日書連・萬田貴久会長、出版社を代表して日本雑誌協会・浜田博信常務理事、取次を代表して日本出版取次協会・菅徹夫会長が年頭あいさつを行い、日本書籍出版協会・小峰紀雄副理事長、雑協・浜田常務理事、取協・菅会長・日書連・萬田会長の四氏で鏡開きを行った。
三氏の年頭あいさつの内容は以下の通り。

新年懇親会出席者

〔出版社〕あかね書房・小名川耕二、秋田書店・小田嶋進、アスキー・柾木大祐、岩波書店・後藤勝治、潮出版社・木村博、SSコミュニケーションズ・浅川武久、旺文社・那須野富雄、オーム社・村上和夫、オレンジページ・野村英文、角川書店・佐野正孝、河出書房新社・若森繁男、かんき出版・斉藤龍男、学習研究社・黒崎輝雄、近代映画社・小杉文孝、くもん出版・赤石忍、佼正出版社・春山正樹、講談社・浜田博信、光文社・須田昌夫、小峰書店・小峰紀雄、ごま書房・池田雅征、三省堂・池野年勝、集英社・瀬戸裕康、主婦と生活社・吉野宏美、主婦の友社・神田高志、同・柳澤憲、小学館・大竹靖夫、小学館パブリッシング・サービス・川上正、祥伝社・藤岡俊夫、少年画報社・平本昭一、新星出版社・富永弘一、実業之日本社・槙島三郎、女子栄養大学出版部・岩佐義彦、聖教新聞社・榎本尚紀、青春出版社・山口稔、誠文堂新光社・関口恒次、税務経理協会・竹内稲生、草思社・渡辺直之、大修館書店・鈴木一行、ダイヤモンド社・大沼伸一、筑摩書房・菊池明郎、中央経済社・竹内伸介、中央公論新社・塩山健二、中経出版・安部穀一、つり人社・須藤利男、東京ニュース通信社・吉田繁、東洋経済新報社・星加泰、徳間書店・平野健一、JTB出版事業局・斉藤晃雄、日本実業出版社・鈴木雅夫、日本文芸社・西沢宗治、農山漁村文化協会・阿部伸介、ハーレクイン・酒井修、白泉社・佐藤将、博文館新社・大橋一弘、ぴあ・林和男、評論社・竹下晴信、PHP研究所・北村民雄、福音館書店・佐藤克身、婦人生活社・平出勲、双葉社・谷ヶ城五郎、二見書房・吉池茂、ブティック社・志村昌也、文化出版局・小島寿彦、文藝春秋・北原武、ベストセラーズ・松村英彦、芳文社・伊東朋視、ポプラ社・小沼保衛、マガジンハウス・稲垣学、三笠書房・押鐘冨士雄、雄山閣出版・長坂慶子、読売新聞社出版局・新山豊、リイド社・新納英也、リクルート・勝部和久、ワニマガジン・森末升雄〔取次会社〕トーハン・金田万寿人、同・藤井武彦、日本出版販売・菅徹夫、同・鶴田尚正、同・大野隆樹、大阪屋・高橋茂、栗田出版販売・亀川正猷、同・岩田清、中央社・猪俣宣彦、日教販・大藤耕治、太洋社・國弘晴睦、協和出版販売・小貫邦夫、日本地図共販・武田三男〔業界関係〕日本図書普及・佐藤堅太郎、文化産業信用組合・藤木章、出版輸送・手嶋寛、AIU保険会社・佐藤護、出版ニュース社・清田義昭、新聞之新聞社・片山●士、文化通信社・近藤晃治、新文化通信社・白本朋求、新聞展望社・諸山誠

出版界再生の年に

子ども読書年の昨年は東京、大阪、福岡など全国各地でイベントを実施した。
各地区の書店組合の皆様には運営から販売までご尽力いただき、心から感謝している。
読書推進の運動が大きな輪となっていることを大変うれしく思っている。
再販を守る運動では「11・17再販を守る集い」が大きな山場となった。
書店の皆さんが率先して運動を展開していることに意を強くしている。
したり顔で「再販は制度疲労」という人もいるが、制度が疲労しているわけではなく、再販制度を運用する我々が知恵を出し合えばいい問題。
また、日書連は昨年「書店21世紀ビジョン」を策定し、十項目のアクションプランをお作りになった。
IT時代にどう対応していくかが大きなテーマになっているように感じた。
再販問題、売上低迷、新しいメディアへの対応やメディア規制強化の動きなど、出版業界は大きな問題を抱えたまま二十一世紀を迎えた。
今年は蛇年だが「長い物にまかれろ」ではなくて、蛇のようにしつこく業界の改革に取り組んでいきたい。
蛇は脱皮を繰り返すことから不死と再生の象徴、また繁栄の神様でもある。
蛇年の今年は、出席者皆さんにとって繁栄の年、出版界にとって再生の年となるよう祈念する。

書店アンケート調査

《書店アンケート調査》〔年始の営業日〕昨年と同じ=31店(86・1%)営業日・時間を増やした=1店(2・8%)営業日・時間を減らした=4店(11・1%)不明=0店〔営業開始日〕1日=10店(東京1店、地方9店)27・8%2日=10店(東京2店、地方8店)27・8%3日=5店(東京5店、地方0店)13・9%4日以降=11店(東京9店、地方2店)30・6%〔年始の前年比売上状況〕1日=増えた3店、同じ1店、減った6店2日=増えた2店、同じ2店、減った16店3日=増えた4店、同じ4店、減った16店4日=増5店、同じ14店、減った14店(不明3店)〔大みそかの過ごし方〕◇イタリア(渋谷区・新盛堂・桜内秀吉)◇夜行バスで伊勢神宮へ(荒川区・埼玉屋書店・根岸勇三)◇ホテルで過ごした(国分市・ブックス大和・井之上博忠)※「平日通り」「閉店後大掃除」などの回答が多かったが、「休業」「早めに閉店」「自宅で休息」という人も。
〔初詣で〕行った=18店(東京9店、地方9店)行かない=18店(東京8店、地方10店)〔願い事・抱負・要望〕◇外商に力を入れ売上を伸ばす(新宿区・学友社書店・家田通久)◇組合員の営業基盤維持・強化プランを多額の懸賞金で広く募集しては(港区・文誠堂書店・才田成利)◇今まで以上に顧客を大切にし、情報に素早く対応したい(中央区・ブックス栄松堂・伊藤直治)◇業界で人間らしいゆとりのある生活ができるようなシステムを考えよう(小野田市・良文堂書店・末広裕幸)◇コンビニとの週刊誌等の売上逆転。
それには発売日を守っていただくことです(砺波市・五島書店・渋谷恵一)◇新刊コミックは、おまけ・景品サービス等でブックオフとの差別化を図ってほしい(名古屋市・押切堂書店・大原鉦治)◇継続を目標に、変化への対応に敏感になること(浜松市・稲勝書店・稲勝元)◇個人消費が増えるよう政治経済政策の転換を図ってほしい(江別市・本のカナリヤ・松山雄洋)

ポイントカード導入を危惧

神奈川県書店商業組合の新年理事会が一月二十三日午後二時から、箱根湯本の「ホテルおかだ」で開催された。
冒頭であいさつした中村宣勝理事長は「再販問題は最悪のパターンで進むように思えてならない。
運用面から定価維持機能がなくなってしまうのではと心配している。
それはポイントカードの問題だ。
これはどう考えても値引きであり、神奈川組合では一致団結して再販を維持し、ポイントカードを阻止しなければと考える。
このままずるずると行っては中小書店にとって厳しい。
こんな時こそ組合が味方になって力を発揮する努力をせねばならない。
小さなことをこなし、それが大きな力になる。
理事の皆さんの力をお借りしたい」と述べた。
理事会では、再販問題について、意見書採択自治体の現状など日書連や各県の活動状況を説明。
神奈川県の活動については、昨年十二月二十八日に開いた常務理事会で、公取への意見書ハガキを支部を通じて取り組むことを決定したことから、各支部より実施状況の報告があった。
続いて中村理事長から「ポイントカード導入による再販のなし崩しが一番困る。
出版社や取次から原資を勝ち取る交渉力は中小書店にはない。
ポイントカードには反対だと強く訴えたい」と提案があり、ポイントカード導入の阻止を求める要望書を日書連に提出することを決めた。
午後六時からは出版社、取次を交えて懇親会を開催。
中村理事長は「再販維持を勝ち取るために日書連でその立場を強く訴えていきたい。
改革の時代の中でどうやって生き残り、お客に利用してもらうか。
厳しい状況を打破するための柱に組合活動がある。
理事ともども頑張るのでご協力を」とあいさつ。
出版社を代表して聖教新聞社神奈川支社・宮内洋行書籍部長が「既製の価値観が崩れる混乱の世相の中、勝ち抜くと決めた者が勝つ。
冬にどう耐えて勝利の日を待つかだ。
出版社として暖かいメッセージを送り続けたい」とあいさつし、トーハン神奈川支店・片野芳夫支店長の発声で乾杯した。

チャレンジ精神で難関乗り切る

東京組合青年部は一月二十五日午後六時半から中野サンプラザで新年会を開き、六十三名が出席した。
吉田圭一氏(吉田書籍部)の司会、三浦実副会長(三成堂)の開会あいさつで始まった新年会は、安藤弘会長(サンブックス浜田山)が「青年部の新年会も今年で十一回目を数える。
今年の抱負を本音で語り合い、一年間がんばろう」とあいさつ。
続いて東京組合萬田理事長があいさつ。
この中で萬田理事長は教育改革に触れ「二〇〇二年から小・中学校、二〇〇三年からは高校で理科・数学の時間削減が問題になっている。
青少年の学力低下に手を打つ必要がある。
アメリカではブッシュ大統領が最初の重要課題として教育改革を掲げ、民間への教育委託も進んでいる。
私どもも基本的には幼児の頃からの読書を進め、手立てを講じていかないといけない。
新しい世紀に、青年部の皆さんは失敗を恐れずチャレンジ精神で難関を乗り切ってほしい」と述べた。
東京都中小企業団体青年部協議会川口宏幸会長の祝辞に続いて、東京組合奥村副理事長が「書店の使命は一冊でも多く本を売ること。
ビジネスチャンスがあれば、すかさず行動に移そう」と呼びかけ、乾杯の音頭をとった。

◇2歳から

懐かしい言葉のリズム。
その心地よさはもちろんの事、何よりも子どもの表情がとってもいい。
パンパンに膨らませたほっぺの柔らかさと緊張感が伝わってきます。
そして動物たちの顔の大きいこと!おはなし会では、いつの間にか読み手と聞き手が逆転してしまう程喜ばれました。

◇4歳から

シベリアの昔話です。
ツンドラで道に迷った女の子は見知らぬ女性に助けられ、太鼓をもらって村に帰ります。
女の子がその太鼓を叩き歌うと、海草・きいちご・草の根・真水が出てきて、人々は大喜びしました。
エキゾチックな北国の衣食住の習慣が美しい色彩で描かれ、魅力的です。

◇小学校低学年向き

以前小学館から刊行されていた同名書の復刊で、14編が収録されています。
大人も十分に楽しめそう。
IT革命到来により、まるで世の中がすっかり変わってしまったかのように錯覚されますが、昔話は今も新鮮です。
この味わいを、どうぞ貴方の声でお子さんに伝えてください。

年末年始の書店営業調査

元日に営業した書店は二七・八%、半数強の書店が二日から営業を始め、三日目で約七割に達した−−本紙では東京組合理事・各県広報委員百五店を対象に、年末年始の営業状況と、新世紀を迎えての願い・課題・要望を聞いたアンケート調査を実施した。
回答いただいたのは東京十七店、地方十九店、合計三十六店。
回答率は三四・三%。
これによると、年始の営業日が「昨年と同じ」書店は三十一店(八六・一%)、「営業日・時間を増やした」一店(二・八%)、「営業日・時間を減らした」四店(一一・一%)。
一月一日から四日までの営業調査では、一日に営業した書店が十店(二七・八%)。
二日になると二十店(五五・六%)と半数強、三日では二十五店(六九・四%)に達した。
四日目以降の営業開始は十一店。
地域別では、東京の書店は一日から営業開始が一店、二日が二店、三日が五店となっているのに対し、地方では一日からが九店、二日が八店、三日が〇店と九割近くが二日までに営業を始めている。
年始の売上状況を見ると、前年との比較で、一日は「増えた」が三店、「同じ」一店、「減った」六店。
以降、二日は増二店、同じ二店、減十六店。
三日は増四店、同じ四店、減十六店。
四日は増五店、同じ十四店、減十四店という結果だった。
「前年比では増えても四年前の三〇%マイナス」との回答もあり、かなり厳しいスタートになったようだ。

公取への意見書に取り組む

兵庫県書店商業組合(村田耕平理事長)は一月十六日、神戸市のシーガル神戸で定例理事会を開催、理事二十三名が出席した。
会議では冒頭で村田理事長より、昨年十二月の日書連理事会の決議を受けて、公正取引委員会に対する「意見書」を提出してほしい旨のお願いを県組合員全員にFAX通信で発信したことが報告された。
各支部に意見書提出の進捗状況の報告を求めたところ、県内では現在までに約二百通の意見書が、郵送、FAX、eメールによって出されていることがわかった。
なお、全組合員に対する「意見書提出のお願い」は、FAX通信で昨年十二月に引き続き今年一月にも再発信されている。
支部報告においては、世紀が変わってもなお大型店の出店攻勢は止まらず、景気もまた低迷したままで、各支部組合員とも依然厳しい経営環境に置かれている現状が報告された。
また、情報化推進委員会より、昨年決議した県組合の「ホームページ作成小委員会」を構成するメンバーを、各支部からの推薦で選任してほしいとの要望がなされた。
なお、当日はすべての審議の終了後、会場を同会館地階の「石崎」に移し、出席理事に取次、出版社を交えて新年会が催された。
(川辺佳展広報委員)

−無題−

本屋さんのインターネット活用法って何?インターネット、パソコンをお客さんとのコミュニケーションをより増やすための道具として使用するのです。
つまりインターネットでの受注とメールでのお店からの情報発信です。
インターネットを使えば、お店に来られない遠くのお客さんともコミュニケーションを取り合うことが出来ます。
インターネットで受注するのは、FAXが普及して、お客からの注文を受付けるようになったのと同じことです。
それ以上にどこからでも24時間、注文とその対応を書店とお客様の間でできるのです。
すでに、インターネットの普及が20%を越えているので、すぐに多数の人が利用するようになるでしょう。
その為に小売店として、受け皿をつくるのは当然のことだと思います。
これから接続、メール、ホームページ、メーリングリストの順で説明していきます。
☆接続業者選び・・・☆インターネットに繋ぐにはパソコンを電話線につなげ接続業者(プロバイダー)と契約する必要があります。
接続は接続形態により5つに分けられます、アナログ接続(基準)、ISDN(2倍)、CATV(20〜40倍)、ADSL(20〜40倍)、光ファイバー(300倍)です。
()内は受信スピードの比較です。
現在のインターネット接続環境は以前とは比べ物にならないくらい急速に高速・常時接続へと向かっております。
政府が2005年までに各家庭に光ファイバー網を作ると言っているように、1月6日に施行されたIT基本法の最優先4項目の1つに「超高速インターネット網の整備」が入っています。
今年はADSLが急速に普及することが期待されていますし、NTTの光ファイバー網も開放されます。
さらに有線ブロードネットワークスが電柱に張り巡らせた有線ケーブルを利用し光ファイバー網の構築実験を開始しています。
このように数年先には接続業者をスピードで選ぶ必要はなくなるかもしれませんが、現在ではISDNのサービスを受けられない地域もまだ多く残っています。
今IT革命が叫ばれ、情報格差という言葉が強迫的に使われていますが、高速に接続しないと遅れてしまうのでしょうか?そんなことはありません。
確かに接続環境の地域格差はここ数年間は広がるかも知れませんが、今考えられる書店の使用法(受発注、書誌検索)でならアナログ接続(使用時のみ接続)で充分目的を果せます。
スピードが上がって解消されるのは少しのイライラ感だけです。
実際の使用は約1時間/日ぐらいになると思われます。
使用感ではISDNで常時接続のフレッツISDNが標準だと思いますが、地域により受けられるサービスは異なります。
最初はアナログかISDNを選び、遅いと感じてからADSL、光ファイバーに変更すれば良いと思います。
アナログ接続初期費用は無しです。
プロバイダーの接続料金と電話料金(使用時間分)が必要です。
ISDN接続電話中でもインターネットを利用できる。
常時接続もほぼ全国で提供されるので、どこでも利用できるのがメリットです。
常時接続フレッツISDNの料金も2月から値下げされ3600円/月になる予定です。
ADSL接続既存のアナログ回線を利用して、高速の通信環境を提供するもの。
接続業者には、NTT(フレッツ・ADSL)+接続業者と、有線放送業者(めたりっく通信等)の2種類がありますが、まだサービス提供地域が少ないのが問題です。
現在のサービス提供地域は東京、名古屋、大阪のみ、今後神奈川、千葉、埼玉、兵庫、京都と順次拡大される予定です。
CATVケーブルテレビ網を利用してインターネット接続サービスを実施しているもの。
CATV視聴地域でないと利用できない。
光ファイバー現在は試験提供中。
NTTが提供している光・IP通信網サービスと有線ブロードネットワークス等の民間企業が独自の光ファイバー網で提供するサービスがあります。
両方とも試験サービスですが東京と大阪で実施されています。
接続業者が決まれば、接続の設定ですが、業者提供のCD−ROMをインストールするか業者の説明にしたがって入力するだけで済みます。
☆メールを使って・・・☆メールでの情報発信は非常に重要です。
メールは電子の手紙ですからお客さん個人宛にも、多数の人にも、独自の情報を送ることができます。
メールを使えば一度に多数の人に独自の情報(=多くの情報の中から取捨選択し、編集した、お客さんに合わせた手作りの情報)を早く、安く送れます。
さらに発信した情報を受注情報と合わせて、パソコンの中で管理すれば、いつ、誰に、何の情報を送って、どんな注文を受けたのか等の顧客情報データーベースが自動的に作成されます。
そしてこのドンドン増えていくデーターベースがお客さんとのコミュニケーションを続けていくための貴重な資源になります。
個々人の情報をいろんなキーワードでソートすれば、また違った視点で見ることが出来、お客さんに合った新しい情報を発信する手助けになります。
人間の力では限界がありますが、コンピュータを利用することによって顧客管理が簡単にできるわけです。
情報発信にはメールの一斉同報を使いますが、少し注意が必要です。
出来るだけ細かなジャンル分け(好みの作者別分類、花好きの人とか…)グループを作り、そこにお客さんのメールアドレスを登録しておき、グループごとにメールを作成して送信すればお客さんに合わせた情報の発信ができます。
ただし、送られたお客さんにグループ内の他の人の名前が分からないようにする為にBCC送信を使わないといけません。
メールの接続設定もインターネットの設定と同じように説明書にしたがって入力すれば済みます。
*BCC:同じメールを複数の人に送る時に使用する送信方法で、受信者には他の誰に送られているか分からない方法です。
(辻本和樹)

ふるさとネットワーク

紅白歌合戦をテレビで観て、年越しそばを食べて、新年を迎えた。
年越しラーメン、年越しうどん、あるいは年越しスパゲッティもあるかもしれないが、沖縄県ではもちろん「沖縄そば」。
この沖縄そば、まず麺がちがう。
沖縄そばはいわゆる蕎麦粉を使ったそばではない。
ガジュマルなどの広葉樹の木炭を煮立て、その上澄み灰汁で小麦粉を練り麺を打つ。
小麦粉だけでできた太くて平たくて黄色くて、やや波打った麺である。
だしは豚とカツオ、鶏がら、昆布からとる。
アツアツのだし汁に、コシの強い麺。
その上には、じっくり煮込まれた三枚肉と黄色いカマボコ、それにネギ少々。
紅しょうがを好きなだけのせ、コーレーグースー(島とうがらしを泡盛でつけこんだ絶品)をひとたらし……。
なんとも絶妙なハーモニーである。
というわけで、そば好きのみなさん、沖縄県へ、めんそーれー(いらっしゃいませ)。
二〇〇一年も、皆様にとって良い年でありますように。
(安仁屋博一広報委員)

ふるさとネットワーク

青い空、海、そして天然芝−−美しい自然に恵まれた新野球場「サンマリンスタジアム」が一月三十一日に完成した。
宮崎県総合運動公園内にあり、円形バルコニー席タイプ、収容人員は三万人(内野一万八千人、外野一万二千人)。
グラウンドは内外野とも天然芝張りで、両翼百メートル、中堅百二十二メートル、ナイター照明灯が六基ある。
「サンマリン」の名付け親は巨人の長嶋茂雄監督。
巨人はこれまで県総合運動公園をキャンプ本拠地とし、メーン球場と三つのサブ球場を使用してきたが、メーン球場として使っている宮崎市営球場の老朽化・キャパシティ不足のため、長嶋監督は新球場の完成を心待ちにしていた。
新世紀の幕開けとともに新球場が完成するのは格別の気分。
県民も楽しむことができるこの球場から甲子園、オリンピックに出場する選手が育っていくことだろう。
野球の一層の普及・振興に役立つものと期待される。
交通アクセスはJR宮崎駅から日南線で二十分、バスの場合は三十五分。
(今村栄広報委員)

ふるさとネットワーク

熊本県の最南端にあり、甘夏と玉葱の里として知られる水俣市袋で、新春恒例の「ふくろ甘夏元旦マラソン大会」が一月一日に行われました。
この大会は小学生以上の男女が健康増進と体力作りを目的に、甘夏みかんの生産地・袋地区の黄色く色づいた甘夏団地を不知火海と天草の島々を眺めながら走るもの。
ランナーはふるさとの香りを満喫しながら、体力に応じてマイペースで走ります。
参加者も年々増え、十回目の今年は過去最高の三百七十名の申し込みがありました。
遠くは北海道函館からの参加もあり、「南国水俣で元旦マラソンを走り、新たな気持ちで正月を迎えることができて最高の気分」と大好評。
「ヨカ水俣ばPRしょい」とスタートしたこの大会。
すべてが地元の人達の手作りの大会です。
走った後の心暖まるぜんざいもアッという間になくなりました。
賞品は地元特産の甘夏みかんや玉葱で、宅配便で全国の参加者に届けられます。
全国書店の皆さん、「ふくろ甘夏元旦マラソン」を走って、不景気を吹っ飛ばしましょう。
(宮崎容一広報委員)

ふるさとネットワーク

玄海灘に面した唐津湾のゆるやかな弧を描いた海岸線に沿って、百万本の黒松が生い茂る虹の松原がある。
長さ五キロ、幅五、六百メートルの典型的な白砂青松の景観で、日本三大松原の一つ、国の特別名勝にも指定されている。
この松原には「虹の松原七不思議」と呼ばれる伝説が残されていたが、最近は知る人も少なくなっていた。
去年の四月末、佐賀大学海浜台地生物生産研究センターの田中明教授の呼びかけで「虹の松原七不思議の会」が設立されてから、ときどき話題になっている。
七不思議の一つに「蝉の鳴かぬ松原」−−豊臣秀吉が虹の松原を通ったとき、蝉の声に「うるさい!」と一喝して以来、松原で蝉が鳴かなくなったという逸話がある。
確かにハルゼミは鳴くが、なぜか夏に蝉の声を聞かない。
ほかにも「太閤睨みの松」「蛇のいない松原」等々、太閤ゆかりや松原の自然に関する逸話は多い。
「この七不思議について考え、語り合うことは、虹の松原の過去、現在、将来を知ることにつながる」という田中教授に、地元の一人として共感する。
(近藤甲平広報委員)

ふるさとネットワーク

新かごしま百景がこの程県民の投票で選ばれたので、その一部を紹介します。
桜島日本を代表する活火山の一つで、鹿児島のシンボル。
大噴火を繰り返しており、現在は南岳が噴煙を上げ続けています。
屋久島一九九三年、世界自然遺産に登録された屋久島。
九州最高峰の宮之浦岳をはじめ一八〇〇メートル級の峰々が連なる、豊かな自然の宝庫です。
霧島鹿児島と宮崎の県境に位置する霧島。
天孫降臨の神話舞台であり、数多くの火山と火口湖を抱える県内有数の観光地です。
佐多岬本土最南端にあり、亜熱帯の植物が生い茂る佐多岬。
天気がいい日は種子島や屋久島などの島々が望める景勝の地です。
黒乃瀬戸大橋万葉の昔から急流で知られる黒乃瀬戸海峡。
黒乃瀬戸大橋は海峡の渦巻きを眼下に、阿久根市と東町を結んでいます。
池田湖畔、開聞岳早春には黄色の菜の花で湖畔が埋め尽くされる池田湖。
整った山容から「薩摩富士」と呼ばれる開聞岳を湖面の向こうに望むことができます。
(井之上博忠広報委員)

ふるさとネットワーク

宇佐市は平成十一年十一月末日に、前人未到の六十九連勝の記録をもつ大横綱・双葉山の生家を復元。
あわせて休憩所、展示コーナー、駐車場を建設し、名称を「双葉の里」とした。
双葉山の資料館として往年をしのばせる手形、金扇子、一九三〇年代のアサヒグラフや講談社「相撲画報」などの新聞・雑誌、博多人形、ポスター類などを展示し、市内はじめ県内外から多くの人たちが訪れている。
「双葉の里」では昨年十一月一日から一月三十一日までオープン一周年を記念して、東京在住のスポーツ作家・景山忠弘さんのコレクション収蔵記念展「ヒーロー双葉山の時代」を開催。
三百点余りの資料は市が景山さんから一千万円で購入し、このうちの約八十点を展示している。
双葉山(本名・穐吉定次)は明治四十五年、宇佐郡天津村布津部(現・宇佐市下庄)に生まれ、昭和二年に立浪部屋に入門。
六十九連勝を成し遂げて「相撲の神様」と呼ばれた。
引退後は時津風親方を襲名し、三十二年相撲協会理事長に就任。
四十三年、五十六歳で永眠。
(金光直明広報委員)