全国書店新聞
             

平成17年1月21日号

スマトラ沖地震・津波で救援金呼びかけ

財団法人日本出版クラブは「スマトラ沖地震・津波」による被災者支援のため出版業界に救援金募集を呼びかけた。
募金金額は個人1口千円、法人1口1万円。申込書に氏名、住所、口数、募金額を明記の上、日本出版クラブに郵送またはFAXを。送金先は①文化産業信用組合本店、普通預金171266、②東京三菱銀行神楽坂支店、普通預金937699、③出版クラブへ持参か郵送(現金書留)。

正味3.5%下げ実験/雑誌返品率5%下げ前提に/主婦の友社

主婦の友社村松邦彦社長は11日の栗田新春あいさつの会で出版社を代表してあいさつ。中小書店活性化の方策として「雑誌返品率を5%下げれば正味を3・5%下げる。4月以降その実験に入り、結果は公表する」とする考えを明らかにした。村松社長の発言要旨は以下の通り。
「中小書店がなくなっていくことは、雑誌にとって大変な逆風。その中から中小書店を活性化していくために、実験的に雑誌の正味をいったん下げて、その代わり返品率をある程度下げていただく。返品を5%下げると出版業界全体として1千億円の利益が出る。これを書店にすべて還元すると、書店の利益は増える。5%返品率を下げていただく代わりに3・5%の正味下げを考えている。その実験をやることで、地域密着型の書店が活性化していけばと考えている。今年4月以降、ある書店、取次と組んでやってみる。その結果を業界紙に公表して、それで賛同できる出版社があれば、一緒にやっていく方向で考えている」

春の書店くじ実施要領

▽実施期間平成17年4月20日(水)より30日(土)まで。書籍・雑誌500円以上購入の読者に「書店くじ」を進呈
▽発行枚数600万枚。書店には1束(500枚)3750円(税込)で頒布
▽申込方法束単位で返信用申込書に必要事項を記入し、所属都道府県組合宛に申し込む。締切は2月20日
▽配布と請求方法くじは取次経由で4月18日前後までに配布。代金は取引取次より請求。
▽当選発表5月23日。日書連ホームページ並びに書店店頭掲示ポスターで発表
▽賞品賞品総額8680万円、9・8本に1本の当選確率
特等賞=スペイン8日間の旅60本
1等賞=図書カード1万円600本
2等賞=図書カード又は図書購入時充当1千円1800本
3等賞=同5百円1万2000本
4等賞=図書購入時に充当百円60万本
ダブルチャンス賞=全国共通図書券1万円100本
▽賞品引換え特等賞は当選券を読者より直接日書連に送付。1、2、3、4等賞は取扱書店で立替え。図書券不扱い店または図書券が品切れの場合は、お買い上げ品代に充当。ダブルチャンス賞は7月5日(当日消印有効)までに読者が直接日書連にハズレ券10枚を送付
▽引換え期間読者は5月23日より6月30日(消印有効)まで。書店で立替えたくじは7月31日までに「引換当選券・清算用紙(発表ポスターと同送)」と一緒に日書連事務局に送付
▽PR活動「春の書店くじ」宣伝用ポスター。全国書店新聞、取次広報誌に記事掲載。日書連ホームページで宣伝

新潟県中越地震義援金

(12月14日~1月17日到着分)江別市・本のカナリヤ、三重県書店組合、京都府書店組合、岐阜県書店組合、筑摩書房、鹿児島県書店組合、岩手県書店組合、和歌山県組合、静岡県書店組合、大分県書店組合、茨城県書店組合、広島県書店組合、宮城県書店組合、香川県書店組合、佐賀県書店組合、山形組合鶴岡支部、北海道書店組合、愛知県書店組合、大阪府書店組合、栃木県書店組合、兵庫県書店組合、中央区・近藤書店、長野県書店組合、神奈川県書店組合、徳島県書店組合(累計334万4044円)

今年は決着つける年/東京新年会で萬田理事長

東京都書店商業組合は1月14日午後5時半から水道橋の東京ドームホテルで新年懇親会を開催。今年は組合員全員に参加を呼びかけ、総勢で360名が出席する大懇親会となった。懇親会は舩坂副理事長が「今年から一人でも多く参加していただくため、立食方式に改めた。1冊でも多く売りたい書店の気持の現われ」と開会の辞。
続いて萬田理事長は「東京組合は昨年4月で855店。昭和59年の1426店から4割減になる。ただ売上げは当時1兆6千億で、店数だけで出版業界の活況は判断できない。昭和35年は1039店で、売上げ900億程度だ。市場変化、長引く不景気で、書店が激減したことは事実だが、大きな変化は戦後ずっと中小企業の舵取りをしてきた中小企業基本法が平成11年に改正され、従来の大企業と中小企業の二重構造をやめ、保護から支援に大転換したことだ。それと前後して大店法から立地法、街づくり3法が制定され、自主的で活力ある中小企業を育てようと変わってきた。855の組合員はいよいよ粒揃いの書店。一緒に出版業界再生にかけたい。
再販問題、ポイントカードへの考え方を書店新聞1月1日号に書いた。ぜひ読んでもらいたい。今年こそポイントカードに決着をつけなければならない年だ。
業界の積年の問題を解決するには、取次とともに出版社との関係も大事だ。返品入帳の遅れでも、過去に取り決めた文章に拘泥され先に進めないことがあった。既に東ロジや蓮田センターが実現しており、一日も早く解決してほしい」とあいさつした。
来賓の書協朝倉理事長は「60年前の酉年は終戦。後楽園には高射砲が並んでいた。今年も著作権、貸与権、万引き、ICタグと問題が山積している。特に再販、ポイント問題は、今年中に解決し、再販制を維持していきたい」と述べた。
乾杯の音頭をとった取協鶴田会長は「出版業界は1企業では業界改革がむずかしくなっている。共通のテーマを掲げ、業界を再活性化していくことに尽きる。今年は三者共通のテーマを探すことが、業界浮上のカギではないか」と述べ、乾杯のグラスを掲げた。

一致団結して難局乗り切る/宮城新年会

宮城県書店商業組合(藤原直理事長)と在仙版元の「出版みちのく会」、取次・運輸会社の合同新年懇親会が、1月7日午後5時からメトロポリタン仙台で開催、62名が参加した。
懇親会は菅原正敏理事の司会で始まり、藤原理事長が「恒例の合同新年懇親会も今年で通算29回となった。諸先輩のたゆまぬ努力により今日まで継続できたことを喜ばしく思う。年末年始の商戦を見るに、若干好転の兆しを見せ始めてきている。これからも組合員が一致団結して、この難局を乗り切っていきたい」と年頭あいさつした。
続いて、日販・鈴木敏夫東北支社長が「書店と出版社と取次・運輸会社の三位一体で、私たちの業界が少しでも前進するようそれぞれの立場で全力を尽くして取り組んでいきたい」と祝辞。トーハン・野辺忠史東北支社長が「前年は書店発の話題の本、ベストセラー化など、前向きの販売のよい事例がたくさん出てきた。積極的に対応すれば道は開ける」と迫力ある乾杯の音頭で宴を始めた。
なお、1月23日に秋保温泉「きよ水」で移動理事会を開催する予定。
(菅野喜広報委員)

書店の役に立つ組合運営に努力/京都互礼会

京都府書店商業組合(中村晃造理事長)は1月11日に京都ホテルオークラで京都出版業界新年互礼会を開催、187名が出席した。
互礼会は本年度当番のトーハン・松田氏の司会で開会。中村理事長が「昨年は『災』という字に表されたようにいろいろな災害があったが、書店・版元・取次が協力し、交流会等を開いて今の時代に適合したものにしようと努力してきた。売上低迷に歯止めがかかったとは言えないが、①日書連マークの推進、②学校での朝の10分間読書の定着化、③行政等と一体になって万引問題等への対応ができたことなど、明るい話もあった。昨秋よりやや雲行きが怪しくなった感のあるポイントカード問題等とあわせて、書店の役に立つ組合にすべく引き続き努力する」とあいさつして、終始和やかに進行した。
(棚橋良和広報委員)

新春企画・思い出に残る旅②/ニュージーランドの自然を堪能/京都市・向島書店/辻本和樹

1987年8月、私ははじめて南半球の国ニュージーランドを訪ねました。私の旅は観光というよりも現地の友人、知人を訪ねる事が多いのですが、この時もオークランドの空港に友人が迎えに来てくれました。市内に向かう途中あちこちで羊を見て大歓声をあげました。私たちが落ち着いたモーテルは、今では日本人の駐在員や有名人が多く住む高級住宅地に近いタマキドライブ近くのコテージでした。ここをベースに2週間自然にあふれるニュージーランドを堪能しました。
当時のニュージーランドは何と平和な所だったのでしょう、朝コテージの前の庭に牛乳の空き瓶を置き、その下にコインを置いておく、するとちゃんと牛乳が置いてあります。オークランドのメインストリートには新聞スタンドがあり、その代金は横にある筒の中に入れるというようなものでした。当時でも日本では考えられない事でした。
地方に向かう道は広くまっすぐなのですが、山や谷を越えていく時はトンネルや橋で自然を破壊するのではなく、裾野をぐるっと遠回りしたり、地形にそった曲がりくねった道が続きます。天気のいい日に友人に誘われたブッシュウオークを簡単な散歩と考えていた私は、羊のいる草原を抜け自然のままの密林のような木が生い茂る小高い山の頂上にたどりついた時には息がきれていました。途中何度も“ウッド?”“ブッシュ!”と友人とのやりとりがありました。私にはどう考えても密林にしか思えないのですが、彼らには唯の““藪”なのです。改めて自然のスケールの違いを感じました。
その後、日本、韓国をはじめとするアジアの好景気の影響で観光客が増え、空港が大きくきれいになり、目抜き通りには高級ブランド店も進出していると聞きます。当時はテレビのチャンネルも少なく、羊を柵内に追い込む犬の速さを競う番組を延々とやっているのには驚きましたが、その後はアメリカのドラマも増え、イギリスの影響の大きかった国にもアメリカの文化を真似する若者が増えてきたと聞きました。
私には大自然に恵まれた国と思えるニュージーランドですが、今また、もっと自然に戻そうとする動きがあるそうです。イギリスの食料を賄うために木を切り、羊や牛を放し飼いにした草原にもう一度木を植え森林を取り戻そうとしています。ニュージーランド到着後すぐに不便だと感じた事で、タクシーが自動ドアではない、観光地の立ち入り禁止のロープ、展望台などは無くてもやっていける事だとわかりました。不便さよりも自然の美しさや静けさが私には心落ち着くと実感した旅でした。

新規需要創出へ変化恐れず/新春トーハンの会

子どもの読書推進に力点/神奈川新年会

神奈川県書店商業組合は1月14日に横浜市・中華街「華正楼」で新年理事会と9支部合同新年懇親会を開催した。
午後5時半からの懇親会には118名が出席。長谷川理事長は「この数年、子どもの読書を大いに伸ばそうと組合で進めており、神奈川の読書ノートは日書連でも大きく取り上げられている。神奈川新聞と読書推進会に取り組むほか、昨年は県教育委と協力して10月にこども読書推進フォーラムが開催された。週刊東洋経済の新春号でインプレスの塚本社長が、2012年には紙のコンテンツの半分近くがネットに置き換わるだろうと書いていてショックを受けた。私たちは子どもに活字文化を普及しようと読み聞かせ運動を行っている。紙の本は私どもの命の綱。今年も一生懸命声を大きくして叫んでいきたい」とあいさつした。
出版社代表の聖教新聞社神奈川支局・渋谷朋美副支局長は「21世紀を人間性あふれる社会にできるかは幼児期の読み聞かせにかかっている。これからも活字に対する挑戦をしていく」とあいさつ。日販横浜支店・大芝英雄支店長の発声で乾杯した。

内部基盤を固めて改革推進/大阪屋おでんの会

大阪屋の新春おでんの会が1月10日午後12時半より東大阪市の関西ブックシティで開催。書店608名、出版社566名など過去最高の総勢1357名が来会する大盛況となった。会場では「進化と改革への新たな挑戦」をテーマに、「雑誌定期購読新システム」のプレゼンテーションや、「Web―OPAS繁盛くん」の機能紹介などさまざまな展示が行われた。
冒頭であいさつした三好勇治社長は、取引書店265店の年末年始売上について、雪の天候だった年末が約6%マイナス、年始が約3%プラスで5日間トータルでは2%ほど前年より悪かったと報告。同社の近況と取り組みについて、①第58期売上高は11年連続1千億円を達成する見通し②新SA機器によるPOSネットワーク化の展開③KBC開設10周年でさらなる流通改革へ挑戦④ネット事業でのビジネスチャンス拡大⑤第7次中期経営計画の策定⑥店頭活性化と読書推進活動の展開――の各ポイントを説明して、「今年は攻めの姿勢を持ちつつ内部基盤固めに徹する1年。社内の足腰をしっかりさせることが、お得意先のためになるあらゆる改革を前進させる一番の近道だ」と述べた。
自然科学書協会・志村幸雄理事長、講談社・森武文取締役、増進堂受験研究社・岡本惠年会長、新興出版社啓林館・原野隆充会長、大阪府書店商業組合・今西英雄理事長、大阪屋友の会連合会・田村定良会長、大阪屋・鈴木一郎会長の7名で鏡開きを行い、田村会長の発声で乾杯した。

4課題重点に挽回はかる/栗田新春あいさつの会

栗田新春あいさつの会は11日午前9時から本社新物流センターで行われ、出版社、書店640社、988名が出席した。
11時からの鏡開きでは亀川社長が昨年の世相、業界の動きを振り返った後、同社の業績について「9月決算で1・4%増収になったが、ABCの不良債権処理で特損を出し、一括処理した。来期には挽回したい」と報告。今年のテーマとして①1月5日から稼動した新流通センターで効率化、スピード化、正確な配送をめざす、②情報流通を完備する、③棚作りチームで店頭活性化を図る、④栗田読書倶楽部で良書の発見、販売、普及に全力をあげるーーと4つの課題を示し「今年は創業87年。書店、出版社との絆をさらに強く、販売力をつけ信頼を高めたい」とあいさつした。
出版社を代表して主婦の友社村松社長は10年前に比べ雑誌の返品率は10%増えていることを指摘。「返品率を1%下げれば200億円の利益が出る。4月以降、返品率5%下げで雑誌正味を3・5%下げる実験を行いたい」と問題提起し、「賛同する社があれば一緒にやりたい」と呼びかけた。
書店を代表して戸田書店鍋倉社長の祝辞に続き、村松社長、鍋倉社長、亀川社長、郷田専務、東京組合奥村副理事長の5名で鏡開き。奥村社長の音頭で乾杯し、新年を祝った。

中小書店支援策を積極展開/中央社新春会

中央社は11日午前8時半から東京・板橋の本社で「中央社新春会」を開き、書店、出版社など665名が来場した。
正午から3階大ホールで行われた式典であいさつした秋山秀俊社長は、同社6月~12月期の実績について雑誌94・6%、書籍103・9%、総合で97・4%、返品は金額で2ポイント減になったと報告。今年も中小書店支援策を中心に据えて街の本屋さんの個別対応営業を展開し、特に雑誌の増売に力を注ぐとした。具体的には①精度を上げた雑誌配本システムの再構築に投資し、販売機会ロスを防ぐ配本を目指す、②街の本屋さんにもweb―CОS、e―honなどITの活用を促進する、③マニアック化の潮流を見据え、コミックのさらなる市場拡大と販売ノウハウで業界のオンリーワンの存在になる、などの施策を提示。「1000坪の大型店より20軒の50坪の店を!街の本屋さんの充実を!をスローガンに掲げ、全社員参加型の市場開拓を積極的に展開する」と意欲を見せた。
来賓あいさつでポプラ社の坂井宏先社長は「出版社員はいい給料をもらっていながら働かないのが多い。出版は志。激しい情熱がなければ出版業界に真の復活はない」と述べ、出版社は新創業するぐらいの気概が必要と訴えた。続いて中央社・秋山社長、ポプラ社・坂井社長、小学館・大住哲也取締役、中央社共栄会・江馬一会長、三鷹書房・村田安弘社長の5名で鏡開きを行い、小学館・大住取締役の発声で乾杯した。

教育専門取次として頑張る/日教販市会

第54回日教販春季展示大市会は、12日午前9時から文京区の後楽園会館で開催された。
正午に行われたセレモニーで日教販・森内日出美社長は「出版業界はマイナスにやっと歯止めがかかりそうだが、依然厳しい状況が続く。再販・ポイント問題はじっくりと検討せねばならないと思っている。日教販は昨年新しい体制で船出した。経営戦略として、あくまで教育をキーワードにやっていく。幼児から生涯学習まで、専門取次としてオンリーワンの地位を作ろうと全員で確認しあっている。現在情報システム化を進めており、今期中に戸田の在庫を開示できるようにしたい。今年は改革元年という位置づけで頑張る」とあいさつした。
続いて学習書協会・益井英博理事長、辞典協会・鈴木一行理事長、日書連・萬田貴久会長があいさつ。萬田会長は「再販問題に対する私の思いを書店新聞1月1日号で記事にした。是非お読みいただきたい。再販は多様な文化を維持するための生命線であり、ご協力をお願いする。昨年、税財政の三位一体改革論議で義務教育費の補助金を減らして地方に税源を移譲する考えが出たが、今後は地域特性にあった教育が求められるだろう。子どもや教育現場に本を供給する役割を果たすため日教販を通じて力を結集していきたい」と述べて乾杯した。このあと福島日教販会から森内社長に白河ダルマが贈呈され、来賓全員で片目を入れて新春学参商戦を祝った。

2つの設備投資に力入れる/日販新春を祝う会

日販の「2005年新春を祝う会」は12日午前10時半から本社5階特設会場で行なわれ、書店、出版社、日販関係者合わせて1800人が出席した。
鏡開きであいさつした鶴田社長は、年末年始の売上げが94・6%と振るわなかったことについて「市場は縮小しているが、流れに対応して前年をクリアした書店も数多くある。日販の中期経営計画ビー・イノベーターも最終年度。トリプル・ウインプロジェクトでSCM銘柄は常時50点を数え、当たり前の仕事になってきた。本年は葛西に新店売、東京ブックセンターと三芳にDVD物流センターの2つの設備投資を行なう。気合を入れて頑張っていきたい」と年頭所感を述べた。
書店を代表して紀伊国屋松原CEOは「出版界にとって今年最大の課題は再販が維持できるか否か。書店が成り立たなければ、出版社も取次も存在しない。書店新聞1月1日号の萬田会長インタビューを読んで一致して取り組んでほしい」と、再販問題の重要性を訴えた。
文藝春秋上野社長は「景気は少し明かりが見えてきて、これから上がるか下がるかの踊り場にさしかかっている。枠にとらわれず、新しいものに挑戦していきたい」と祝辞。日書連萬田会長、松原CEO、上野社長、鶴田社長の4名で鏡開きを行ったあと、萬田会長が「3者で情報を共有して連携していこう。再販もご支援賜りたい」として、乾杯の発声を行った。

デル・プラドコレクション完成へのこり部品を提供

破産によりデル・プラド・ジャパンのコレクションが中断したままだが、同社の製品物流を受け持ってきた有限会社トライフィールドは「ドールハウス」「ザ・バウンティ」「クラシック・カフェ」の残りを受注販売すると発表した。
各号の小冊子をなくし、組み立てカードのみの提供でコストダウンを図り、従来定価の30%引きで販売。書店経由の定期購読者にも対応する。申込み締め切り1月31日。連絡先は(03)5753・1781番。FAX(03)6404・2088番。

栗田書籍システム、従来比2倍の処理

栗田出版販売はスピーディーな物流と最先端の情報処理を行う「新注文書籍仕分システム」を昨年1年間かけて開発。1月5日から新システムによる出荷配送を開始した。
同システムの特徴は、①ソーター/サーバーを最新にすることで307シュート、1468仕分けを実現。従来比約2倍の1時間あたり8千件の処理能力を持つ、②スリップレスの仕分け処理で、従来の電子短冊発行方式を改良した、③商品追跡システム機能を充実させ、端末より閲覧し出荷指示も出せるようにしたなど。
栗田では、新システムの稼動で注文品の処理がスムーズに行えるだけでなく、データ処理によるあらゆるサービスが提供できる、としている。

小学生のお年玉平均2万4132円

小学館のマーケティングリサーチサービス「おしえてネットくん調査隊」が実施した4千人のアンケート調査によると、2005年の小学生がもらったお年玉の平均は2万4132円で、昨年より536円減ったことが明らかに。
最高は小6女子の12万8千円。使い道ベスト3は①ゲームソフトを買う32%、②すべて貯金31%、③本を買う26%。

新風賞に『グッドラック』/年末年始の会員売上げ微増

書店新風会は1月12日午後5時から新宿のホテルセンチュリーハイアットで第39回新風賞贈呈式と新年懇親会を開催。出版社、取次など212社、308名が出席した。新風賞には『グッドラック』が選ばれ、ポプラ社坂井社長と、著者のアレックス・ロビラ氏に賞状が贈られた。
新年会は中島良太親睦委員長(三和書房)の司会、井之上賢一副会長(久美堂)の開会の辞でスタート。井之上副会長は年末年始の会員店の売上げ状況について「年始1日から営業は61・9%、2日からが38・1%。売上げは平均100・2%。最高が121・7%だった。客数が変わらないは52・4%。少しずつだが、努力が実ってきたようだ」と報告した。
続いて藤原直会長(金港堂)は「21世紀に入ってもう5年目。日本は既に成熟社会に入って人口や経済の大幅な成長は考えられない。イタリアのルネッサンスの時代、日本でも江戸時代に町民文化が花開いたのは生産力が停滞していた時代。決して今が悪い時代ではない。出版業界も成熟の時代を迎え、智恵や独創が求められている。そのことが近い将来、間違いなく成長に結びつく。出版社にはぜひ新しい企画をお願いし、書店は愚直に1冊ずつお客様に届けていきたい」と述べた。
来賓を代表して日書連萬田会長は「時代は転換期。小さな変化でなく、潮流を捉える必要がある。出版業界も基調として8年振りのぬくもりを感じている。新風賞、本屋さん大賞はじめ書店の推薦する本が注目されている。一体で改革に取り組んでいきたい」と祝辞を述べた。
新風賞の贈呈では成田耕造事業委員長が「広告宣伝、イベントなど書店の販売支援戦略に一等地を抜いた」として『グッドラック』の選考経過を報告。藤原会長がポプラ社坂井社長とロビラ氏に表彰状を手渡した。

須原屋研修生OB会に61名出席

須原屋研修生OB会が11日午後5時半から浦和ロイヤルパインズホテルで開かれ、1期生から30期生まで61名と出版社など28名が出席した。
懇親会では須原屋高野隆社長が「研修所は書店後継者育成のため昭和50年に始めて31年。これまでに160名の書店人を送り出した。出版業界はナショナル・チェーンが各地に大型店を出しており、地元書店が苦労している。埼玉には紀伊国屋書店が700坪で出店したが、私どもは原点に戻り、コツコツ商売をしていきたい」とあいさつ。
中越地震で被災した18期生の吉沢直紀氏(小千谷市・山吉書店)が「年を越せたのは皆さんの激励、支援のおかげ。1日も早く以前の営業に戻りたい」と感謝の言葉を述べた。
高野嗣男会長は「浦和は3市合併で106万のさいたま市になり、4月には岩槻も加わって人口118万都市になる。紀伊国屋出店の影響は今のところないが、よい客から移っていくのが恐い。社会変化に対応して守りと攻め両方の経営が同時に必要だ」と書店の直面する課題を指摘した。
出版社を代表して東洋経済新報社浅野純次前会長は「顧客第一主義とは、売上げの中味に目配りし、客が何を求めているのか考えること。書店がつよい経営をすれば、日本はよくなる」と祝辞を述べた。
懇親会に先立って、中央経済社・山本時男社長が「再起論」を1時間半にわたって講演した。

本屋のうちそと

年中無休の店も大晦日とお正月3が日だけは早い時刻に閉店し3世代6人家族みんなで夕食を共にするチャンスです。アルコールがすぐ顔に出る主人にとっても家でお酒を呑みながらの食事はその時だけ。いつもは寝酒と称して時計の針が12時を回る頃しか呑めないのですから。ゆっくり時間をかけた食事には馴れていないのですが、おしゃべりしながら楽しいひとときを過ごすことができました。
年中無休の自営業では家族全員で旅行したことは一度もなく、カレンダーの赤い数字にはまったく無縁です。出かける予定のある時が休日という生活パターンがしっかり板についています。
2人の子どもが小さい頃、主人は時間を見つけては子どもたちを近くの山にドライブに連れていきました。人ごみを避けるように街を離れ、渓流のせせらぎと鳥の声だけの空間で自然を満喫できる時間は主人には最高のお気に入りスポットだったのです。子どもたちも家業の意識が自然に身につき、それほどわがままも言わずに主人の子分を楽しんでいたように思っていました。しかし、ある日娘に「おとうさん、わたしお山だいきらい!」と言われてしまったのです。遊びに連れて行ってくれるのはうれしいけど普通の家庭のような旅行やレジャーに行きたかったのでしょう。両親と交替で夏休みをとり、4人の旅行が実現したのは12年後の4泊5日の北海道でした。
そんな子どもたちももう大人になりました。2人とも土日祝日休みの職場で人生の修行中。娘はそろそろ年頃の予感。後を継ぐかもしれない息子は祖父母や私たちの「年中無休」の毎日をどう感じているのでしょう。
(あかり)

雑誌定期5千件獲得/富山・明文堂書店

富山市・明文堂書店はブックライナー「ざっしの定期便」獲得5千件突破を記念して、12月24日、魚津市の東京第一ホテル魚津で感謝会を催した。
「ざっしの定期便」はトーハンが書店の定期購読読者を増やし、売上増大を支援しようと関連会社ブックライナーと共同で一昨年7月にスタートさせたもので、現在加盟書店2500店。参加出版社300社、対象銘柄1200点。明文堂は社員、パート、アルバイト全員で5千件獲得の目標に挑み、1年半でこれを達成した。
感謝会では実績上位5名にトーハン上瀧会長賞が、10名には明文堂清水社長賞が贈呈された。同店の定期獲得ベスト10誌は以下の通り。①レタスクラブ、②ESSE、③Waggle、④小学1年生、⑤オレンジページ、⑥栗原はるみすてきレシピ、⑦漢字館、⑧With、⑨きょうの料理、⑩家庭画報