全国書店新聞
             

平成27年1月1日号(後)

再販弾力運用に言及/舩坂会長「読者が喜ぶ企画を」/日書連出版販売年末懇親会

日書連主催の出版販売年末懇親会が12月17日、東京・千代田区の帝国ホテルで開催され、書店、出版社、取次、日書連役員ら総勢245名が出席した。
懇親会は面屋龍延副会長の司会で進行し、舩坂良雄会長があいさつ。「書店店頭が活性化しなければ、出版社、取次も苦しくなる。書店だけでなく出版業界全体が良くなる提案をしていきたい」と抱負を語った。
また、再販制度の弾力的運用に言及し、「時限再販、部分再販について提案していただき、それを真摯に受け止めていきたい。店頭で読者が喜ぶ企画を行い、業界を盛り上げよう」と述べた。
消費税問題については「10%への引き上げは1年半先送りされた。景気弾力条項が外れたので今度は確実に10%になる。書籍、雑誌へ軽減税率を適用するよう求める運動を出版4団体で継続して行いたい」と述べた。
来賓の日本書籍出版協会の相賀昌宏理事長(小学館)は「いま販売チャンネルは多岐にわたっており、出版社はネット書店とも付き合っている。そこで新たな読者開拓の実験も行っている。しかし、地域の書店こそ大事だという信念に揺るぎはない。ネット書店で行っている実験で得られた経験の中から、書店でも使えるものを見つけたいという思いを持っている」と理解を求めた。
また、再販制度の弾力運用について、「最近は書店でも定期購読が進んでいる。お客様が1~2年間定期購読してくれれば、部分再販で若干のサービスが出来る。話し合い、理解し合いながら挑戦したい。最後は各社の判断になる。15年は具体的な動きが出てくるのではないか」と指摘。最後に「書店が元気になるための仕掛けをし、新しい売り方にも取り組んでいきたい」と意欲を語った。
日本出版取次協会の藤井武彦会長(トーハン)は「消費税率10%引き上げの時期が1年半先送りになったのは追い風。世論のコンセンサス作りを行いたい」と提言。「15年は明るい希望の持てる年に」と乾杯の音頭をとった。

新理事長に都渡正道氏/「活発な組合活動行う」/福岡総会

福岡県書店商業組合は11月26日、福岡市中央区のセントラルホテル福岡で第36期通常総会を開催し、組合員157名(委任状含む)が出席。役員改選で都渡正道副理事長(菊竹金文堂)を新理事長に選出した。
総会は大石宏典副理事長の開会の辞で始まり、長谷川澄男理事長があいさつ。平山淳常務理事を議長に選出して行った議案審議では、長谷川理事長が組合の事業活動の概況を報告。各委員会から活動報告、会計報告等が行われ、すべての議案を原案通り承認可決した。任期満了に伴う役員改選では都渡副理事長を新理事長に選任した。
所信表明のあいさつで、都渡新理事長は「長谷川前理事長が行ってきたサン・ジョルディ企画への参加、万引防止街頭キャンペーンや九州選書市の開催など、良い企画は継続する。無駄をなくし、組織力の強化を図り、活発な組合活動を行っていきたい」と抱負を語った。(西村勝広報委員)
〔福岡組合新役員体制〕
○印は新任
▽理事長=○都渡正道(菊竹金文堂)▽副理事長=○安永寛(金修堂書店)、○森松正一(森松尚文堂)

わが社のイチ押し企画/学研マーケティング・書籍販売部学参・辞典課・小林伸一

平素は格別のご愛顧、ご高配を賜り、厚く御礼を申し上げます。2015年が皆様にとって幸多き1年になりますよう、心より祈念いたします。
さて、新学習指導要領に基づき、中学校では「英語」の語彙数が従来の900語程度から1200語程度へと拡充され、ほとんどの教科書で辞書引き学習のページが設置されました。また、小学校では「英語」の授業開始時期を現在の5年生から3年生に前倒し、5年生からは教科に格上げすることを文科省が検討しはじめました。これにより、中学校での辞書引きの必要性はさらに増していくことが期待されます。
弊社の中学生向け英語辞典の『ジュニア・アンカー』シリーズは、まさにこのような小学校高学年から中学の早い時期から基礎的な英語力をつけようというお子さんにピッタリの辞典です。
指導要領では「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を身につけることが重要とされています。英和辞典はおもに英語を読んだり聞いたりする、いわば《受信型》の英語を勉強する際に使用されますが、『ジュニア・アンカー英和』では「表現力UP」「ことばMAP」コーナーを設け、中学生が「話したい」「書きたい」と思うことをまとめて掲載することにより、《発信型》英語にも役立てるよう工夫しています。
また、『ジュニア・アンカー和英』でも、「通じる!しっくり表現」「日本語NAVI」といったコーナーを設け、和英辞典を引くにあたって更に一歩進んだ学習に役立つようにしています。
新学期に向け、オールカラーで英検対応とした『ジュニア・アンカー英和辞典エッセンシャル版』をラインナップに加え、計6点で展開してまいります。
『ジュニア・アンカー』シリーズは、おかげさまで中学生向け英語辞典販売実績3年連続№1となりました。これもひとえに書店様のご支援の賜物と、この場をお借りして感謝申し上げます。今後とも『ジュニア・アンカー』シリーズをよろしくお願い申し上げます。

わが社のイチ押し企画/講談社・販売促進局局長・長渕和弘

新年明けましておめでとうございます。
旧年中は弊社出版物に格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。
さて、2015年の大注目企画をジャンルごとに紹介させていただきます。
【書籍】今年は、当社ディズニー出版65周年、「青い鳥文庫」35周年、東野圭吾作家活動30周年、はやみねかおる作家活動25周年、キャラクターものでは『ムーミン』70周年、『ミッフィー』60周年等、「周年」が目白押し。
また『流星ワゴン』(重松清)がTVドラマ化に、『ST』(今野敏)が劇場映画化に、と映像化も引き続き実現してまいります。関連書籍のご販売をどうぞよろしくお願いします。
【コミック映像化情報】
アニメは『純潔のマリア』(1月11日~、TOKYOMX他)『銃皇無尽のファフニール』(1月~、TBS系)『シドニアの騎士』(4月~、劇場版は3月6日~)の他、『アルスラーン戦記』『山田くんと7人の魔女』『監獄学園』『聲の形』が決定。映画は『繕い裁つ人』(1月31日~)『リトル・フォレスト冬/春』(2月14日~)『寄生獣完結編』(4月25日~)『新宿スワン』(春)の他、『進撃の巨人』劇場版後編(6月27日~)と実写版前後篇2部作(夏)予定です。
【雑誌】『ディズニーファン』が創刊25周年を迎えます。定期購読率が高いのが特長。ぜひお取り組みをお願いします。
5月25日には、弊社女性誌としては10年ぶりの創刊となる、シニア向け女性誌『おとなスタイル』を季刊誌として刊行します。
1月27日にパートワーク『「ルパン三世」DVDコレクション』(隔週刊・全45巻)を創刊。続いて4月8日には、シリーズムック『「進撃の巨人」公式フィギュアコレクション』(月刊・全12巻)を創刊します。
本年もたくさんの話題作を刊行して参りますので、皆様のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

わが社のイチ押し企画/小学館・小学館PS営業企画部・渡辺光昭

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。本年もよろしくお願いいたします。
2015年の新企画商品といたしまして、2月25日に「にっぽんの図鑑」を発売いたします。《計画販売制・委託販売制併用》
この商品は、累計130万部のプレNEOシリーズの第9弾になります。内容面としては「にっぽんのこころ」「にっぽんのくらし」「にっぽんのでんとう」と大きく分けて、こどもに「これだけはしっておいてほしい」という「にっぽん」をわかりやすく解説しています。
一つずつ例に出しますと、「にっぽんのこころ」では、あいさつ、かみさま、おてら、じんじゃ、えんぎものなどの見出しを立てています。
「にっぽんのくらし」では、わしょく、おやつ、あそび、いえ、ことばなどの見出しを、そして「にっぽんのでんとう」では、まつり、かぶき、だいどうげい、らくご、すもうなどの見出しを立てています。
これらは見出しの一部ですが、大人でも曖昧な説明しかできないことがたくさんあるのではないでしょうか。本書は身近なことから「にっぽん」の文化、風習、伝承、こころを知ることができる1冊となっております。
初回限定特典としましては「妖怪ウォッチおり紙」(5種×2=10枚)をお付けいたします。この特典にした理由としては、もちろん現在の妖怪ウォッチのブームもあるのですが、本書には「にっぽんのこころ」のなかに〝ようかい〟の見出しを立てているということがあげられます。是非、特典を活かしていただき、発売前からの予約獲得活動をお願いいたします。
この商品が発売になりましたら、間もなく「小学一年生」4月号が発売となり新入園、新入学のお祝いの時期となります。「にっぽんの図鑑」も「小学一年生」も、プレゼント品として2点あわせての拡販をお願いいたします。
今年も書店様の利益に貢献できるたくさんの新商品を出してまいりたいと思います。引き続きのご支援の程、よろしくお願いいたします。

わが社のイチ押し企画/ポプラ社・児童書編集局第三編集部・小堺加奈子

今から40年前、「めがねうさぎ」という1冊の絵本が誕生しました。主人公はその名の通り、めがねをかけたうさぎです。名前はうさこ。最近目が悪くなり太い黒縁めがねをかけはじめました。その設定だけでもインパクトがありますが、このお話にはもう1人の主人公がいるのです。うさこを怖がらせようとあの手この手で頑張るおばけです。
この2人による絶妙なやりとりが人気を呼び、翌年に続編「おばけのてんぷら」が刊行されると、めがねうさぎシリーズは瞬く間に小さな子どもたちの人気絵本となりました。かくいう私もその1人。家や園で繰り返し絵本を開いては陽気なうさことおっちょこちょいなおばけの虜になっていきました。
包装紙やチラシという身近な紙を使い表現された貼り絵もこの絵本の魅力の1つ。柔らかい毛並みのふわふわうさこと、おもちのようなつるんとしたおばけ。そしてどこか懐かしい色彩と質感。「おばけのてんぷら」に出てくる揚げたてサクサクのおいものてんぷらにヨダレを垂らした記憶があるのは、私だけではないはずです。
それから26年の歳月がたち、めがねうさぎシリーズには、夏と冬のお話が加わりました。舞台は海とクリスマス。ここでもおばけはうさこを怖がらせようと知恵をしぼりますが、おとぼけ具合では負けないうさこ。なかなかおばけの怖さに気がつきません。
作者のせなけいこさんが描く、想像をうらぎるストーリー展開。そして、ちぎり絵と切り絵によって作られる温かさと斬新さの色褪せない世界。シリーズは累計150万部を超え、40年たった今も、新しい読者を魅了しつづけています。今や3世代で読み継がれているめがねうさぎシリーズ。今年は40周年を記念して、さまざまな企画を考えています。ぜひ楽しみにお待ちください。

わが社のイチ押し企画/金の星社・編集部・大河平将朗

鳥のように自由に空を飛びたい!と、昔から人類は夢みてきました。かつて地球上では恐竜が繁栄し、その中に羽毛をもった恐竜が現れました。それらの一部が進化し、鳥になったと考えられています。地球環境の大きな変化でほとんどの恐竜は絶滅しましたが、鳥たちは姿を変えながら、進化を続けています。
今から180年ほど前、ガラパゴス諸島でフィンチの仲間が島の環境によって、くちばしの形や生態が違うことをダーウィンが発見しました。キツツキフィンチは小枝で幼虫をとり、サボテンフィンチのくちばしはサボテンの花の蜜や花粉を食べるのに適した形になり、オオガラパゴスフィンチは硬い種を割れる太いくちばしになり、ハシボソガラスフィンチはほかの鳥の血を吸うことを覚えました。これらも進化の一例と考えられています。
鳥のくちばしは種類によって、長さや太さや形が異なります。食べものの種類や、とる場所が違うからです。鳥はくちばしを食べるときに使うだけでなく、くちばしで巣材を運び、巣を作り、羽毛の手入れをし、お互いのコミュニケーションにもくちばしを使います。
光村の小学校国語教科書でも「くちばし」を学習します。その単元の執筆者・村田浩一氏が監修した「くちばしのずかん」(全3巻)は、探求的な学習にも最適なシリーズです。「ふしぎなくちばしの鳥たちにとって大切な環境が、実は私たち人間にとっても大切なのだということに気づいてもらえれば、とても嬉しいです」と、村田氏は「監修のことば」で語っています。いろいろな鳥のくちばしについて、特徴・構造・食べもの・役割・進化などをわかりやすく解説した美しい写真図鑑「くちばしのずかん」シリーズ、ラインナップは次のとおりです。『のやまのとりキツツキ・オウム・ハチドリほか』『みずべのとりカワセミ・シギ・タンチョウほか』『みぢかなとりスズメ・メジロ・カラスほか』。A4変型判上製、定価各2484円。

わが社のイチ押し企画/三省堂・辞書出版部編集長・武田京

三省堂は、1959(昭和34)年に日本で初めて小学生向けの国語辞典を刊行しました。『三省堂例解小学国語辞典』『三省堂例解小学漢字辞典』は60年に及ぶその伝統を受け継ぎ、1997年の刊行以来幅広く読者のご支持をいただいて参りました。
2009年の「第四版」では他社に先駆けて「軽い辞書」を実現、さらに、辞書活用のうえで注目すべき深谷圭助先生開発による「辞書引き学習」にも早くから対応し、総ルビ辞書を実現するとともに、付箋を貼りやすい紙面を開発するなど、たゆまぬ努力を重ねています。
今回は、新たに以下の改訂を施しました。
①小学生にとってのわかりやすさ・使いやすさの追求。…用例から意味が分かる(国語辞典)・漢字の意味を理解しやすい熟語分類(漢字辞典)など従来の特長を一層育てるため、小学校の先生方よりご意見を頂戴し、紙面に反映させました。また、言葉の解説が読みやすく漢字を大きく示した見やすいレイアウトを工夫し、五十音引きガイドや「部首スケール」などの新機軸を導入しました。
②最大級の収録語数・字数の実現。…国語辞典では全社全教科の小学校教科書を調査し必要な語彙を増補、漢字辞典では常用漢字に加えて人名用漢字やその他の漢字も収録しました(最大の収録字数)。
③最新の漢字情報に対応。…最新「常用漢字表」に加えて「異字同訓」の漢字の使い分け例」(平成26年文化庁発表)にも対応、「初め・始め」「温かい・暖かい」など大人でも迷うことが多い漢字の使い分けの最新情報を収録しました。
④楽しく学べて役に立つ学習コラム多数を収録。…小学辞書では最大となる、さまざまなテーマのコラムを収録しました。
⑤小学校学習指導要領(伝統的な言語文化の重視)に対応。…コラムや特典ポスターなどで百人一首や故事成語などを収録しました。
⑥最後に、お子さんに楽しく学んでいただけるよう「ジテンジャー」小冊子も付いています。
新学期商戦に向け、拡販商品としてのご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

わが社のイチ押し企画/新潮社・出版部・小林由紀

週刊新潮連載中から「展開が読めない」「語り手の体験に共感する」と大きな反響を呼んだ浅田次郎さんの長編小説『ブラック オアホワイト』を、2月に満を持して刊行します。この小説は「夢」という装置を使い、日本経済を牽引してきた総合商社の一社員の目を通して近代日本の姿を描きだす、手練れ作家の企みに満ちた作品で、現代小説でありながら歴史小説でもあり、ミステリーでもあります。
60代の「私」は同級生の葬儀で旧友の都築君と再会し、青山の高層マンションの一室で彼の話を聞くこととなります。それは三代続くエリート商社マンの都築君がバブル期にスイスやパラオ、ジャイプール、北京で見たグロテスクな「黒い夢」と人間美溢れる「白い夢」の話。満鉄理事を務めた祖父、裳裾を引いて現れる美しい女、悪意をむき出しにする同僚たちが登場するリアルで啓示に満ちた夢は彼の実生活に影響を与え、順調だったはずのキャリアの階段も踏み外してしまいます。「私」はその話に引き込まれながらも、彼がなぜ夢の話をするのか疑問を抱きはじめ、ついに最後の夢が語られる時、都築君の驚くべき真意が明らかになるのです。
夢が現実へと収斂していくラスト40ページのサスペンスフルな展開は圧巻。『蒼穹の昴』シリーズや『終わらざる夏』『壬生義士伝』で時代の激流に翻弄される人々を描き続けてきた著者の鋭い史観が息づく、新たな浅田文学の誕生です。
従来の浅田ファンはもちろん、日本経済を動かすビジネスの最前線で活躍されてきた読者、戦後70年という節目の年に日本の歩みを振り返ってみたいと思われる読者まで幅広い層に読んでいただきたいと思います。

わが社のイチ押し企画/双葉社・営業局次長・奥山秀

明けましておめでとうございます。
旧年中は格別なるご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
昨年弊社では、コミックスを大きく売り上げを伸ばすことが出来ました。WEB発信の『王様ゲーム』シリーズ、『奴隷区僕と23人の奴隷』などをはじめ、多くの書店員さんに後押しされた『orange』『ぼくは麻里のなか』『富士山さんは思春期』など、好調なセールスとなり、実売前年比130%超となりました。
書籍分野においては、一昨年10万部超のヒットとなった柚木麻子著『ランチのアッコちゃん』の続編『3時のアッコちゃん』や、人間の暗部を抉った問題作『ケモノの城』(誉田哲也著)などの話題作も刊行することが出来、創刊30周年を迎えた双葉文庫におきましては、「佐伯泰英居眠り磐音シリーズ」はもちろん、『ユリゴコロ』(沼田まほかる著)や、テレビドラマ化で売り上げを大きく伸ばした湊かなえ著『Nのために』は86万部を突破し、これも書店様のお陰と感謝しております。また、満を持してスタートしたライトノベルレーベルの「モンスター文庫」も好調に推移し、本年は更なるラインナップの拡充を図りヒット作品を作り上げてまいります。
また、本年は年頭から弊社作品の映像化が続々と始まります。1月8日より双葉文庫『残花繚乱』(岡部えつ著)のTBS系連続ドラマ化(主演・田中麗奈)、1月9日よりコミック『ウヒョッ!東京都北区赤羽』(清野とおる著)のテレビ東京系実写連続ドラマ(主演・山田孝之)、1月10日より双葉文庫『アイアングランマ』(飯田譲治著)のNHKBS連続ドラマ(大竹しのぶ・室井滋W主演)、さらに1月末にはコミック『マエストロ』(さそうあきら著)が、松坂桃李・miwa・西田敏行出演で映画化され全国約300館で公開されます。これらの原作文庫・コミックスを、年始より是非店頭展開の上、売り伸ばしをお願い致します。
双葉社は今年も書店様、読者の方々のご期待に応えるべく努力を重ねてまいります。何卒、倍旧のご支援お力添えをよろしくお願いいたします。

前年同期比で92・63%/2014年上期ABCレポート

日本ABC協会は2014年上半期(1月~6月)雑誌発行社レポートを発表した。今回掲載したのは41社163誌。各雑誌部数の前年同期比の平均(既存誌ベース)は、週刊誌94・12%、月刊誌92・18%、合計92・63%となった。
総合週刊誌は、『週刊文春』が2013年下期から1万8千部減少したものの45万部で部数トップ。2位の『週刊現代』は1万4千部減の35万2千部、3位の『週刊新潮』は2万1千部減の32万9千部でともに部数を落とした。前期に好調だった『週刊ポスト』は4万部減の27万8千部と30万の大台を割り込んだ。新聞社系では、『週刊朝日』は11万部で2千部減となったが、『サンデー毎日』は7千部増の6万1千部と盛り返した。
ビジネス誌は、『週刊ダイヤモンド』が8万4千部でほぼ横ばい、『週刊東洋経済』は1千部減の5万9千部だった。『プレジデント』は1万7千部増の18万部と好調だった。
女性週刊誌は、『女性セブン』が2万4千部減の22万部、『女性自身』が2万2千部減の21万5千部、『週刊女性』が1万3千部減の12万6千部といずれも振るわなかった。
女性月刊誌では、『CLASSY.』が2万4千部増の16万6千部と好調を続けている。

11月期は2・2%減/コミックは3ヵ月連続プラス/日販調べ

日販営業推進室調べの11月期分類別売上調査は、雑誌・書籍・コミック合計で対前年売上増加率が2・2%減(先月3・5%減)となった。
雑誌は5・3%減(同7・0%減)。ムックは、好調が続く『妖怪ウォッチ2元祖本家オフィシャル攻略ガイド』(小学館)など攻略本銘柄が売上を牽引したものの、5・6%減と前年には届かなかった。
書籍は3・9%減(同6・2%減)。文庫は、映画公開された『紙の月』(角川春樹事務所)が売上を伸ばしたが、前年の新刊を含む売上良好銘柄の影響を受け、5・5%減とマイナスが継続。学参は5・8%増で、高校学参を中心に売上が好調だった。
コミックは6・4%増(同8・2%増)。最終巻となる『新世紀エヴァンゲリオン14』(KADOKAWA)等の売上好調銘柄の影響で、3ヵ月連続でプラスになった。

「妖怪ウォッチ」が大賞を受賞/DIMEトレンド大賞

今年のトレンドを映し出す注目商品、ヒット商品などを表彰する「第27回2014小学館DIMEトレンド大賞」の発表・贈賞式が11月13日、東京・中央区のマンダリンオリエンタル東京で開かれた。
大賞に選ばれたのは、今年ゲームやアニメが大ヒットした「妖怪ウォッチ」。生みの親であるレベルファイブの日野晃博社長は「妖怪ウォッチは、たくさんのメディアに展開することを考えて企画したが、いろんな分野のクリエイターたちをつないだすごいコンテンツに育ったと思う。新しい時代のエンターテインメントとして、全ての分野で記録を作り続ける素晴らしいコンテンツに育てていきたい」とあいさつした。
「話題の人物賞」は、今年AKB48を卒業した女優の大島優子さんと、お笑いコンビの「どぶろっく」が選ばれた。大島さんは「今年は変化の年を掲げて、今後の自分に期待を持ちつつ過ごしていた。その中でこの賞をいただいてすごくうれしく、今後の励みになる」とあいさつ。どぶろっくの2人は「もしかしてだけど」の歌ネタを披露して会場を沸かせた。

朽木祥、ミロコマチコ両氏に/小学館児童出版文化賞の贈呈式

第63回小学館児童出版文化賞は、朽木祥氏『光のうつしえ廣島ヒロシマ広島』(講談社)とミロコマチコ氏『ぼくのふとんはうみでできている』(あかね書房)に決定し、11月6日に東京・千代田区の如水会館で贈呈式が行われた。
始めに、小学館の相賀昌宏社長が「ぜひ店頭で受賞した2作品を手に取ってほしい。また、自分に合った児童書を読んで、子どもや年配の方にも薦めていただけたらと思う」とあいさつ。審査委員の荒井良二氏が選評を述べた後、受賞者に賞が贈呈された。
受賞者あいさつで朽木氏は「戦争を、広島を記憶することは、私たちの世界を脅かすかもしれない愚かな主義や思想を警戒することと同義だと考えている。真摯な記憶と真剣な警戒の先にきっと見えるはずの、幸福や希望ある未来を子どもたちに語りたい」、ミロコ氏は「私は人とのつながりで非常に運が良いと思っている。大人になってから出会った人たちのおかげで、物事への良い向き合い方、考え方、取り組み方を教わった。そういう人たちと関わり合って本を作る仕事ができていることをとてもうれしく思う」と語った。

生活実用書/注目的新刊

目出度さもちう位なりおらが春、という句は1819年59歳の小林一茶のもの。ちう位は信濃の方言。あやふやでどっちつかずの意味である。阿弥陀様任せの我が身だから掃除もせず、ありのまま正月を迎えるというのである。200年前も厳しかった。
おめでとうと言いながら、年々正月は晴れやかさを失っているが、百歳でなお元気にしておられるのは、理屈抜きで目出度いと言えるだろう。
笹本恒子著『100歳の幸福論。ひとりで楽しく暮らす5つの秘訣』(講談社+α文庫A151―1830円)は、日本初の報道写真家、吉川英治文化賞や日本写真協会功労賞などを受賞した百歳の「好奇心ガール」が語る素敵なバラ色の人生論だ。
食べることは生きること。食の発想法は、旬のみずみずしい材料を手にして、その味や美しさを生かすように調理し、自然物の命をありがたくいただく。デパ地下が便利でも、出来合いのお総菜はまっぴらで、三食を手作りする。「無精はますます老いを重ねるのです」という。
秘訣①は、温かい家で暮らす。次はどうしてそんなに若いの?に答えて②ちゃんと食べる、ちゃんと歩く。③身だしなみに手を抜かない。④年齢を悟られずに生きる。ホントに大事なのはココロモチ。⑤読む・書く・仕事&恋をする。と、5つの秘訣である。
エイジレスで生きるためには、たえず緊張と努力が必要なのである。特に女性は50代60代の爛熟期が一番美しいと説く。言葉遣い、立ち振る舞い、泣きたい時の対処など。あらゆる知恵の詰まった本。
まど・みちお著『百歳日記』(NHK出版生活人新書331740円)は童謡「ぞうさん」で知られる詩人が語る穏やかな日々である。
「何せひとりでおるでしょ。そうすると寂しくて、何か書かずにおれないのです」と、小さいノートを日記帳にして書き込む。黒と赤の二色。黒は頭で考えたこと、赤は心で言っていることなのである。
五感が老いても、感じ方が変わったことはないという。時によって五感のうちのどこで感じるかが変わっている。温かな17篇の詩も収録。4年で7刷のロングセラー。
はからずも、歳を重ねる素晴らしさを教示してくれる。本の力はやっぱりすごい。
(遊友出版・斎藤一郎)

小説部門の2作品に大賞/電撃大賞

KADOKAWAアスキー・メディアワークスブランドカンパニーが主催する「第21回電撃大賞」の贈呈式が、11月14日に都内のホテルで行われた。
今回からコミック部門として「電撃コミック大賞」を新設。応募総数は電撃小説大賞が5055作品、電撃イラスト大賞が753作品、電撃コミック大賞が423作品の合計6231作品となった。大賞に選ばれたのは、小説部門の鳩島すたさん『陸なき惑星のパラスアテナ~二少女漂流記~』と、新田周右さん『φの方石』。小説部門はこの他、金賞1点、銀賞3点、メディアワークス文庫賞1点、電撃文庫MAGAZINE賞1点が受賞。電撃イラスト大賞は金賞2点、銀賞3点、選考委員奨励賞2点、電撃コミック大賞は金賞2点、銀賞2点、選考委員奨励賞4点が受賞した。
贈呈式でアスキー・メディアワークスの塚田正晃ブランドカンパニー長は、「今年も6千通以上の、魂のこもった凄い作品が集まった。選考委員の先生方も魂を込め、選びに選んで受賞作品を決定した。皆さんは自信を持ち胸を張って受賞していただき、これからもいい作品を作ってほしい」と激励した。

第67回野間文芸賞に笙野頼子氏

野間文化財団が主催する第67回野間文芸賞は、笙野頼子氏の『未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の』(講談社)に決定。第36回野間文芸新人賞は松波太郎氏の『LIFE』(講談社)、第52回野間児童文芸賞は岩瀬成子氏の『あたらしい子がきて』(岩崎書店)が選ばれ、12月17日に東京・千代田区の帝国ホテルで贈呈式が行われた。