全国書店新聞
             

平成30年6月1日号

6月21日に日書連通常総会

日書連は6月21日(木)午後1時、東京・千代田区の書店会館で第30回通常総会を開催し、平成29年度事業報告・収支決算報告、平成30年度事業計画案・収支予算案、平成30年度借入金最高限度額案、平成30年度役員の報酬額案などを審議する。
また、当日午前10時半から定例理事会を開催する。

7月5日、宮城で開催/書店東北ブロック大会

第70回「書店東北ブロック大会」(藤原直会長)が7月5日、6日の両日、宮城県書店商業組合の設営により、仙台市太白区の秋保温泉「佐勘」で開催される。
5日は午後1時半より会員のみによる第1部大会、午後2時半より参加者全員による第2部大会(俳優・宇梶剛士氏の記念講演、出版社紹介)、午後6時より大懇親会を行う。
6日はゴルフと観光。

軽減税率の適用実現を提起へ/活字文化議連・子ども議連、6月11日の総会で

活字文化議員連盟、子どもの未来を考える議員連盟は6月11日午後2時、東京・千代田区の参議院議員会館で総会を開催する。文字・活字文化推進機構共催。関係者ら約200名が出席する。
総会では①新聞、書籍・雑誌への軽減税率の確実な適用を実現すること、②東京オリンピック・パラリンピックの文化祭典として、日本のすぐれた絵本文化を世界に発信すること――などの活動方針が提起される予定。
当日は、活字文化議員連盟・細田博之会長、子どもの未来を考える議員連盟・河村建夫会長のあいさつ、活字文化議員連盟・笠浩史事務局長による活動方針の提案、各界からの発言で日本新聞協会・白石興二郎会長、出版広報センター・堀内丸恵センター長、作家の林真理子氏が登壇する。
問い合わせは文字・活字文化推進機構まで。℡03(3511)7305

書店環境改善、粗利30%以上必要/「実務者会議」書店側メンバーが初会合/日書連理事会

日書連(舩坂良雄会長)は5月17日、東京・千代田区の書店会館で5月定例理事会を開催。業界3者で書店経営の環境改善や出版業界の課題解決を話し合う実務者会議の書店側メンバー6名が初めて顔を合わせ、指導教育委員会と拡大委員会を行ったことが報告され、書店経営を継続するためには粗利益率30%以上の確保が必要との方針を確認した。
[指導教育委員会]
書店環境改善「実務者会議」の書店側メンバーである鈴木喜重副会長(指導教育委員長)、面屋龍延副会長、井上俊夫理事、春井宏之理事、中島良太理事、矢幡秀治・東京組合常務理事の6名と指導教育委員会の拡大委員会は5月16日に行われ、活発に議論した。
鈴木委員長は「書店環境改善のためには粗利益率30%以上が必要。業界3者による実務者会議を6月からスタートし、1年ぐらいかけて実現への道筋を検討したい」と方針を示した。
[組織委員会]
中山寿賀雄委員長は、準備を進めている日書連定款変更の件で、「賛助会員」の条文の新設、および賛助会員について必要な事項を定めた「賛助会員規約案」を説明した。また、ここ5年間専務理事が置かれていない実情に即して、「会長、副会長及び専務理事」の条文から「専務理事」の文言を削除したいと提案した。
定款変更の今後のスケジュールは、全国中小企業団体中央会と相談して定款変更案を作成。6月以降に開催予定の臨時総会での決議を経た後、所管行政庁に認可を申請する。
日書連会員45都道府県組合の組合員の4月期加入・脱退状況は、加入2店、脱退18店で前月比16店純減。日書連の推定所属員数は3233店になった。
[取引改善委員会]
北海道で返品現地処理の実現を目指す活動について、柴﨑繁委員長が報告。「表紙返品、データ返品の実績がある沖縄組合は、九州雑誌センターを参考にして今のシステムを作ったと聞いている。北海道も沖縄の事例を参考にシステムを構築したいが、沖縄と北海道では人口や面積など様々な面で条件が異なり、そのままという訳にはいかない。研究しなければならないことがたくさんある。返品現地処理小委員会の委員を務める北海道組合・志賀健一理事長を中心に、沖縄と九州雑誌センターの資料を収集して研究を進めたい。志賀理事長による現地視察も考えている」と述べ、返品コスト削減につながるシステムの構築に意欲を示した。まず北海道で実現可能なシステムを作り、これをもとに他県にも広げていきたい考えだ。
[流通改善委員会]
日本出版取次協会と日本雑誌協会で組織する流通改革プロジェクト(合同PT)は、当初予定していた8月31日(金)の平日休配日を今年度は見送ると発表した。藤原直委員長は「組合員に周知徹底してほしい」と求めた。
図書館問題では、茨城県守谷市が来年度、市立図書館の運営を民間委託から市の直営に戻すことを決めたと報告。同市は16年度から守谷中央図書館などの運営を図書館流通センター(TRC)と県内企業で作る共同企業体に指定管理者制度に基づき委託していた。藤原委員長は「住民からサービスの質について問題点を指摘する声が出ていたようだ。全国の指定管理に関する動きを引き続き注視していきたい」と述べた。
また、雑誌発売日励行本部委員会に年1回提出している要望書を今年も提出するとして、雑誌発売日問題で意見があれば寄せてほしいと呼び掛けた。
[読書推進委員会]
今秋実施する「第45回読書週間書店くじ」の実施要項が決定した。実施期間は10月27日~11月9日の2週間。西村俊男委員長は「今後も継続しなければならない事業」と協力を求めた。
読売新聞東京本社は27回目となる「読売新聞本屋さんへ行こう!キャンペーン」を9月12日~10月14日に実施する。書店で購入した書籍・雑誌のレシートをハガキに貼って応募してもらい、抽選で図書カード(総額30万円予定)をプレゼントする。実施エリアは東京、埼玉、千葉、神奈川、茨城、群馬、山梨、静岡の1都8県。前回の3月実施時に参加した書店を中心にポスターおよび応募ハガキを送付する。
[書店再生委員会]
公正取引委員会が5月14日に行った「出版業界への著作物再販ヒアリング」に日書連、書協、雑協、取協が出席し、再販制度の弾力運用の現状、取引条件の変化、書籍・雑誌の物流の変化、電子書籍の状況の変化などについて説明した。日書連からは本間守世委員長が出席した。本間委員長は「書店―取次の取引条件の変化や、書店が置かれている厳しい現状を話した」と当日の模様を報告した。
[広報委員会]
9月19日に開催する全国広報委員会議について面屋龍延委員長が報告。今回は「各都道府県組合の広報活動のあり方」をメインテーマにグループ討議と全体討議を行うと説明した。
[政策委員会]
「JPIC読書アドバイザー養成講座」(出版文化産業振興財団主催/実施期間18年8月25日~19年3月10日)、第18回「家の光読書エッセイ」(家の光協会主催/募集期間7月2日~11月9日)、第5回「北海道書店大商談会」(同実行委員会主催/9月4日、札幌市中央区・札幌パークホテルで開催)の後援名義使用をそれぞれ承認した。

「粗利30%なければ明日も知れない状態」/面屋理事長、書店環境改善に全力尽くす方針示す/大阪総会

大阪府書店商業組合(面屋龍延理事長)は5月18日午後2時から、大阪市北区の尼信ビル会議室で平成29年度通常総会を開催し、組合員105名(委任状含む)が出席。面屋理事長は粗利益率30%以上獲得と出版物への消費税軽減税率適用の実現を柱に運動を進める方針を示した。
総会は堀博明副理事長の司会で進行。面屋理事長は開会あいさつで、疲弊する書店業界の現状に言及。NHKテレビの「あさイチ」で、現在の書店事情とともに、書店の利益率が22%であると報道されたことを紹介して、「書店の状況が全国に放送されたのは画期的だが、我々はよく22%の中で苦労してやってきたなと思う。書店の粗利益率がせめて30%になるようにしないと、明日をも知れない状態だ。本日は皆さんに議案書を審議いただき、生き残る道が見出せるようにしていきたい」と述べた。
続いて、正副議長に二村知子常務理事、家村英嗣理事を選任して議案審議を行い、平成29年度事業報告、収支決算書、平成30年度事業計画案、収支予算書案など全ての議案を原案通り承認可決した。
平成29年度事業を総括した面屋理事長は、書店の経営環境改善に向け、日書連では書店の粗利益拡大などを求める要望書を作成して出版社、取次と意見交換したことを説明。出版業界の課題を解決するため出版社、取次、書店で構成する「実務者会議」の設置を提案し、面屋理事長も加わった業界三者のメンバーがこのほど決定したと報告して、30%以上の粗利益率はどうしたら得られるか協議の中で研究していきたいと述べた。
また、組合による大阪府立図書館、大阪市立図書館への納本や、組合書店による大阪市立小中学校図書館への納本について国会議員や府市会議員に請願を行うなど、実現に向け様々な活動を行っていると説明した。
事業報告では、読書推進委員会から、「本の帯創作コンクール(帯コン)」には全国12都府県から1万2841点の応募があったことを報告。初めて海外からの応募としてフランスのパリ日本人学校から作品が寄せられるなど、参加校は298校、参加自治体数は54にのぼったと説明した。
大阪市東淀川区役所が行う「平成29年度絵本読み聞かせ事業」は、大阪組合、出版文化産業振興財団、おはなしボランティア「とことこ」、モダンブックスの4者が協定を結んで受託して実施したと説明。30年度の同事業については、区役所から提示された予算枠では実施不可能と判断し、応札手続を行わなかったと報告した。
平成30年度事業計画案について面屋理事長は、政治への働きかけとしては、消費税軽減税率適用や、アマゾン対策、地元書店による公共・学校図書館への図書納入の実現を求めたいと述べた。また、電子書籍やdマガジンについて価格や配信日で出版社に配慮を要請したいとしたほか、粗利益率30%獲得、「帯コン」「読書ノート」運動や大阪府との共同事業「OSAKAPAGEONE」による読書推進などを掲げ、「今年は特に、消費税問題と粗利益率30%獲得を柱に進めたい」と述べた。

読書推進、市場拡大につなげる/「理事会を電話会議で」導入実験開始/愛知総会

愛知県書店商業組合は5月18日、名古屋市千種区のホテルルブラ王山で第35回通常総会を開き、組合員104名(委任状含む)が出席。春井宏之理事長は「日本ど真ん中書店大賞」の取り組みなどを紹介しながら、読書推進運動で市場を広げていく方針を示した。
総会は伊藤信高理事(大阪屋書店)の司会で進行。冒頭あいさつで春井理事長は、組合から各書店へタイムリーに情報提供を行うことの重要性を指摘し、そのためにホームページや電子メール連絡網の充実を図っていると説明。さらに一歩踏み込んで理事会や部会を電話会議で行えるようにしたいとして、LINEのグループ通話機能を利用した電話会議の導入実験を今期から始める意向を示した。「会議で実際に顔を合わせることは大切。ただ、遠隔地や仕事の都合で会場に足を運べない方もいる。この仕組みができれば、実際に会場に足を運ばなくても会議に参加することができ、より多くの役員や組合員の意見を組合活動に反映することができるようになる」とメリットを強調した。
また、「日本ど真ん中書店会議」を8月22日、名古屋市千種区の吹上ホールで開催することを報告し、「会場に足を運べば普段会うことができない出版社と情報交換することができる。ぜひ多くの書店員に来場していただきたい」と呼びかけた。
同時開催する「日本ど真ん中書店大賞」は、今年から公共図書館の図書館員、高校図書館の先生の投票も受け付ける形に変更すると報告し、「世の中の人たちを巻き込んで本を読んだほうがいいという気持ちを作る作業を書店がやらなければ、将来的にどんどん市場が縮小していく。どうすれば拡大するかを常に考えなければならない」と、読書推進運動への積極的な取り組みを訴えた。
引き続き林茂夫氏(松清本店)を議長に議案審議。平成29年度事業報告、収支決算報告・監査報告、平成30年度事業計画案、収支予算案などすべての議案を原案通り承認した。
事業報告は各部会の担当副理事長が説明。①「サン・ジョルディフェスティバル名古屋2018」で「本屋さんが選んだ、子どもに読み聞かせたい絵本101冊」の展示販売などを行った、②「日本ど真ん中書店会議~第2回どえりゃあ書店大商談会」を開催し、出版社150社が出展、書店員353名が来場。「日本ど真ん中書店大賞」では小説部門、時代・歴史部門、よりよい暮らし部門の受賞作を発表した、③「第56回青少年によい本をすすめる県民運動」で、出版社18社から寄贈された児童書1900冊を94校に届けた、④一般市民にも書店業界を理解してもらうため「愛知書店新聞」を愛知県図書館などに配布した――などの報告があった。
総会終了後、出版物小売業公正取引協議会・元永剛専務理事が「『景品』『値引き』のルールを理解していますか?」を講演した。

「春夏秋冬本屋です」/「うれしいできごと。」/東京・山陽堂書店取締役・遠山秀子

先月「私たち72年ぶりに青山で再会したんですよ」と80歳を過ぎた女性3人が来店されました。10歳頃まで青山に住んでいたとのこと。
73年前、青山一帯は5月25日の山の手大空襲で焼け野原となり、この3人の女性も空襲で家を失い、青山の地を離れました。私は、「もしかしたら、あの地図に3人の家が載っているかもしれない」と、一軒一軒名前が書かれている『昭和10年の青山・表参道街並図』を広げ、住んでいた場所を探してもらいました。
「ここ!」
3人の住んでいた場所がみつかりました。なんとも嬉しそうな様子がこちらまで伝わってきます。一瞬にして子どもの頃に戻るのか、3人で広いお庭で遊んだことなど話しています。
「兄にも見せてあげなくちゃ」
「今日は、最後にここに寄ってよかった」
しばらく当時の話に花を咲かせ、それぞれ地図をご購入くださり店を後にされました。こういうことがあると、お役に立ててよかったなあ、と嬉しくて、こちらまでエネルギーをいただけます。
山陽堂ではここ数年、山の手空襲のあった5月25日前後に、戦前・戦中・戦後にかけての青山周辺の写真を展示しています。毎年必ず時間をかけて来てくださるお客様もいらっしゃるので張り合いがあります。
2度目の東京オリンピックを前に変わり行く青山、この街の記憶を当店なりに残していけたらと願っています。

やま読ラリー、ブックフェアなど読書活動促進事業の活動報告/山梨総会

山梨県書店商業組合は5月7日、甲府市太田町の割烹きよ春で第30回通常総会を開催し、組合員18名(委任状含む)が出席した。
総会は渡辺卓史専務理事(卓示書店)の司会で進行し、冒頭のあいさつで大塚茂理事長(柳正堂書店)は「理事長になり1年が経過した。皆様のおかげで『やま読ラリ―』『ブックフェア2017inやまなし』などの事業を開催できた。今後は組合の収入になる、独自の施策を行いたいと思っている。また、読書促進活動として『やまなし読書活動促進事業』を実行委員会とともに推進していきたい」と述べた。
続いて大塚理事長を議長に議案審議に入り、平成29年度事業報告・決算報告および監査報告、平成30年度事業計画案・予算案などすべての議案を原案通り承認可決した。
事業報告では書店・出版社・図書館・県教育庁で取り組む「やまなし読書活動促進事業」の活動について報告。組合主催で昨年12月5日に行った「ブックフェア2017inやまなし」において、「山梨の読書推進を考えるシンポジウム」が開かれ、須藤令子理事(朗月堂)の基調報告と書店・出版社・図書館・県教育庁をパネラーとしたパネルディスカッションを実施し、それぞれの立場からの事業への関わりと今後の取り組みについて発表が行われたことを報告した。
事業計画案では、今年度の新たな事業として、組合と出版社との個別契約による売上報奨制度を交渉していくとの説明があった。
(事務局・萩原清仁)

全国6地域で書店商談会/各実行委員長から開催概要説明/東京の商談会は来年2月開催

2018年度に全国各地で開催される書店商談会の合同記者会見が5月16日、東京・千代田区の書店会館で行われ、東京・大阪・北海道・九州・中部・静岡の各商談会実行委員長が出席して開催概要を説明した。
記者会見には、「書店大商談会」実行委員会・矢幡秀治実行委員長(真光書店)、「BOOKEXPO2018」実行委員会・洞本昌哉実行委員長(ふたば書房)、「北海道書店大商談会」実行委員会・中尾邦幸実行委員長(マル五中尾書店)、「九州選書市2018」実行委員会・安永寛委員長(福岡県書店商業組合理事長、金修堂書店)、「日本ど真ん中書店会議」実行委員会・春井宏之委員長(愛知県書店商業組合理事長、正文館書店)、「静岡書店大商談会」実行委員会・江﨑直利実行委員長(静岡県書店商業組合理事長、藤枝江﨑書店)が出席した。
会見の冒頭で、日書連・舩坂良雄会長が応援メッセージとして「全国で書店商談会が活性化されているのは大変ありがたい。我が業界は未曽有の厳しい状況。紙の本の良さを読者にわかっていただく努力をしていかなければいけない」とあいさつした。
第9回「書店大商談会」は2019年2月上旬の午前11時~午後5時半、東京都文京区・東京ドーム「プリズムホール」で開催予定。出展料は3万7800円(税込)。複数ブース出展の場合は2ブース目以降3万2400円(税込)。目標は出展250ブース、来場書店1000名、商談成立1億円(本体価格)。児童書に特化した分科会を今年9月に開催予定。矢幡実行委員長は、2月開催に移行した理由について「他の商談会が9、10月に集中しており、今年2月にコミック分科会を開いてみて書店が集まっていただけると感じた。出展社が新年度に向けた品物を揃えられることも勘案した」と述べた。
「BOOKEXPO2018秋の陣~貫け!書店魂」は11月7日(水)午前11時~午後6時、大阪市北区・グランフロント大阪地下2階「コングレコンベンションセンター」で開催する。出展料は3万2400円(税込)。ジャンルの異なる2ブース目から2万7000円(税込)。目標は出展230ブース、来場書店1100名。好評の「目指せPOP王!西日本POP王決定戦」を今年も実施。児童書コーナーでの絵本作家サイン会を予定する。OSAKABOOKOneProjectや、京都本大賞などの活動をアピールする特設ブースも設ける。
第5回「北海道書店大商談会」は、9月4日(火)午前10時~午後4時、札幌市中央区・札幌パークホテルで開催する。出展料は2万9700円(税込)。出展申込は既に締め切っている。目標は100ブース、来場書店230名程度、商談成立額2200万円以上。イベントでは、「第3回北海道ゆかりの本大賞」に加え、「第1回北海道ゆかりの絵本大賞」を実施。「ゆかりの本大賞」はジャンル不問とし、出展社からの自薦も受け付ける。
第7回「九州選書市」は9月11日(火)午前10時~午後4時(予定)、福岡市中央区・電気ビル共創館「みらいホール」で開催する。出展社は約120社を予定。トーハン会・日販会の協力を得て、選書市に合わせて九州トーハン会、九州日販会の開催が予定され、多くの書店の来場を促進する。
第2回「日本ど真ん中書店会議」は8月22日(水)午後0時半~5時半(予定)、名古屋市千種区・名古屋市中小企業振興会館「吹上ホール」で開催する。出展社数は最大150ブースを予定。出展社には、中日新聞夕刊にて合同での広告掲載を予定する。イベントでは、第2回「日本ど真ん中書店大賞」を、小説部門、テーマ部門と、時代・歴史部門をご当地部門に変更して実施する。
第3回「しぞ~か本の日!書店大商談会」は、12月4日(火)開催予定。第1部は商談会、第2部は静岡県内の書店員と図書館員による投票で選ぶ「静岡書店大賞」の発表・授賞式、第3部は懇親会を行う。

書店組合総会スケジュール

◆長野県書店商業組合「第34期通常総会」
6月12日(火)、松本市の浅間温泉で開催。
◆鳥取県書店商業組合「第30回通常総会」
6月25日(月)、東伯郡琴浦町のまなびタウンとうはくで開催。

「文学クイズ」高校生と協力/青森市図書館の運営業務を受託/青森総会

青森県書店商業組合(成田耕造理事長)は5月8日、青森市のアラスカ会館で第31回通常総会を開き、組合員22名(委任状含む)が出席した。
総会は藤村真専務理事の司会、田中麗子副理事長の開会で始まり、成田理事長があいさつ。2017年の出版物の販売動向について言及した成田理事長は、「紙の出版物の売上は1兆3700億円、雑誌が10・8%減となり、雑誌が書籍を下回ってしまった。電子の出版物を含めても4・2%落ちている。dマガジンなどの読み放題スタイルは、雑誌の発売日が1~2日遅れの地方書店にとっては脅威になっている」と危機感を示した。
県組合の活動では、サン・ジョルディの日に合わせて去年同様、「あおもり文学クイズ」を実施したとして、「去年は問題が難しすぎたという課題があり、今回は青森市、弘前市、八戸市の高校生に問題を作成してもらった。組合書店だけでなく高校にも解答用紙を配布し、若い人の力を借りて読書推進に努めた」と説明。また、青森市の図書館について、県組合として初めて運営業務を指定管理者として受託したことを説明し、「今までライバルと言われてきた図書館と連携したのは、本離れという強大な敵に、紙の本を扱う者同士がともに立ち向かっていかなくてはならないためだ」と述べた。
続いて成田理事長を議長に選出して議案審議を行い、平成29年度事業報告、収支決算、平成30年度事業計画案、収支予算案など第1号から第7号議案まで原案通り承認可決。第7号議案の理事及び監事の任期満了に伴う改選では、役員全て重任となった。
この後、取次、出版社、新聞社、中小企業団体中央会、運送会社を交えて懇親会を行い、相互の親睦を深めた。また、参加者が見守る中で「あおもり文学クイズ」の抽選を行った。クイズには257名の応募があり、当選した50名に図書カード1千円を贈呈する。
(伊藤篤広報委員)

「人生100年時代」迎え出版界を元気に/日書連・本間副会長に長寿祝賀/全出版人大会

第57回全出版人大会(主催・日本出版クラブ)が5月8日、東京・千代田区のホテルニューオータニで開かれ、出版社、取次、書店など約550名が出席。「『人生100年時代』を迎えても、長く人生の楽しみとなる本を出版し続けていく」とする大会声明を採択した。また、長寿者39名を祝賀し、永年勤続者314名を表彰した。日書連関係では本間守世副会長が長寿祝賀を受けた。
式典の冒頭、野間省伸大会会長(講談社)は「物流配送問題、雑誌の売上減、書店の減少、出版物の軽減税率適用など様々な問題が山積している。これらの諸問題を解決していくためには、もはや業界の改革は待ったなしともいえる。旧来の慣習を打破して、それぞれが変化に向けた行動を起こさなければ業界全体として沈没しかねない。また、著作権を無視した海賊版サイト問題も出版業界を大きく揺るがした。これを放置することは、紙の売上だけでなく、新たな芽が出始めた電子出版ビジネスの根幹を揺るがしかねない。著作権侵害行為には各関係機関と連携を取りながら、これからも厳しく対応していく」とあいさつした。
南條光章大会委員長(共立出版)は「大会声明のキーワードは『人生100年時代』。長寿祝賀の皆様には、これからの数十年がさらに充実した年月でありますよう、そして高所大所から出版界に助言、注文をお願いしたい。永年勤続表彰の皆様は、成果や実績がより求められ苦労されている年代と思うが、挑戦を恐れず努力してゆかれるよう願っている」と述べ大会声明を朗読。拍手で採択した。
丹羽秀樹文部科学副大臣、羽入佐和子国立国会図書館長の祝辞に続き、長寿者代表の柴生田晴四氏(東洋経済新報社)に相賀昌宏大会副会長(小学館)から寿詞と記念品、永年勤続者代表の髙須麻里江氏(偕成社)に鹿谷史明大会副会長(ダイヤモンド社)から表彰状と記念品が贈られた。
柴生田氏は、「健全な経済社会の発展のためには、正しい知識と考え方を身に付けた自立した市民が不可欠な存在で、それを支えるのがメディアの役割。我々は、紙媒体にとどまらず、電子出版やインターネットを通じた新しいビジネスを積極的に展開し、利用者の新しいニーズに対応していかなければならない。これは紙を捨ててデジタルの世界に身を投ずるということではなく、媒体を選ぶのは利用者だ。出版の新しい世界を勇敢に、かつ着実に切り開いていってほしい」とエールを送った。
髙須氏は、子育てをしながら仕事をしていると話して、「偕成社は刊行から40年以上読み継がれているロングセラーをいくつも出版している会社。1人の子どもを育てるように1冊の本を大切に長く売り続けることが自分の仕事の1つだと思っている。20年、30年先の子どもたちも同じように本を手に取れる環境を作れるように今後も仕事に励みたい」と謝辞を述べた。
このあと、東京大学・大学院薬学系研究科教授で脳研究者の池谷裕二氏が講演を行った。
続いて行われた懇親パーティでは活字文化議員連盟会長の細田博之衆議院議員があいさつ。細田氏は出版物の軽減税率について「食品には軽減税率が適用される。新聞と出版は文化的な栄養であり現状で据え置きたい。この1年間が勝負だ。『食品は体の栄養、出版物は頭のための栄養になる』。これを標語に皆で一緒に頑張ろう」と述べた。
【大会声明】
ここ数年、「人生100年時代」という言葉をよく耳にするようになりました。
「人生50年」と言われていた時代に比べると、日本人の身体的、精神的有り様が大きく変わってきたことが伺えます。さらに数年先には65歳以上の人口が3割を占めるという超高齢化社会が迫っており、長寿化によって、人生設計のあり方や老後の過ごし方が、新たな不安として身近な問題となっています。成熟しつつある日本社会は、不安な一面も生み出してきています。佐藤愛子さんの『九十歳。何がめでたい』や105歳で亡くなられた日野原重明さんの生き方や言動が多くの人に受け入れられているのも、身近にある不安を和らげるための示唆に富んでいるからでしょう。
その一方で、今年から18歳人口が、減少していく傾向にあります。まさに少子高齢化社会の世の中に移っています。また、大学全入学時代が可能になることで、大学によっては存続が危ぶまれるという由々しき問題にも直面しています。科学技術大国日本としての打開策が求められるところです。
このように、日本社会全体が大きな転換期を迎えています。
この先を見通せない不安定な時代にこそ、自分が生きていく上での指針となる本、豊かに人生を楽しむための本、長寿を安心して過ごすための本との出会いが一層求められているのではないでしょうか。おそらく多くの読者は、人生を確固として生き抜くための「知恵と教養」を身につけたいと希求しているはずです。
ただ、出版界自体も大きな転換期を迎えていることに変わりはありません。
書店数の大幅な減少のみならず、出版物流の深刻な危機が顕在化しています。電子出版ビジネスの根幹を脅かす海賊版問題は、政府も動かざるを得ない大きな社会問題となっています。
出版界が解決していかなければならない問題は山積しています。課題に立ち向かって質の良い本を出してくための改革を怠れば、読者を失うだけではなく、出版界も立ちゆかなくなってしまうでしょう。
このたび、長寿祝賀を受けられる方々を始め、出版に携わって来られた先人たちは、人々が心豊かに生きていく上で必要な「知恵と教養」を読者に供すべくたゆまぬ努力をされてこられました。心の豊かさを養う多種多様な本が身近にあるのは、その賜物といえます。先人の知見を活かしつつ、新たな出版活動に挑戦していくことが、今後の出版界を担っていく若い方たちの役目であろう、と思います。
この不安定な時代にあって心豊かな人生を送るために、そして、「人生100年時代」を迎えつつある今こそ、出版界が元気であることが何より大切です。本日、表彰される皆さんを始め、ご来会の出版に携わるすべての皆さんとともに、出版の未来のために、知恵を絞りながら鋭意努力することを誓い合いたいと思います。
「人生100年時代」を迎えても、長く人生の楽しみとなる本を出版し続けていくことを、本年の全出版人大会の声明といたします。
平成三十年五月八日
第五十七回全出版人大会
【長寿祝賀】(39名)
敬称省略、氏名50音順
岩渕徹(徳間書店前代表取締役社長)
上田紀人(福音館書店常務取締役)
牛木正樹(光文社元専務取締役)
越後谷隆(ダヴィッド社取締役社長)
大浦和義(新興出版社啓林館元取締役)
大塚茂(世界文化社取締役)
大槻精一(栗田出版販売元取締役)
風間賢一郎(中央社前代表取締役社長)
川戸秀夫(大日本図書元常務取締役)
紀伊萬年(光村図書出版元常務取締役)
小島正利(教育出版取締役専務執行役員)
阪本稔(医学書院元常務取締役)
佐藤清靖(春秋社取締役)
塩澤昭典(光村図書出版元取締役)
芝山博(白水社元専務取締役)
柴生田晴四(東洋経済新報社元代表取締役)
千石雅仁(東京書籍代表取締役社長)
高橋基陽(光文社元代表取締役社長)
巽駒太郎(光村図書出版元専務取締役)
田谷和明(東洋経済新報社元取締役)
時枝良次(光村教育図書取締役会長)
柳楽節雄(家の光協会元専務理事)
南波博(大日本図書元常務取締役)
丹羽直博(鉄道現業社取締役編集長)
信沢孝一(共立出版取締役)
波田野健(大日本図書取締役相談役)
花村隆(東京法令出版元取締役)
樋口良子(開隆堂出版顧問)
藤川博(教育出版前監査役)
堀内久美雄(音楽之友社代表取締役社長)
本田和美(トーハン元常勤監査役)
本多健治(双葉社元取締役)
本間守世(日本書店商業組合連合会副会長)
松園光雄(徳間書店元取締役)
丸山英明(近代セールス社元専務取締役)
持田克己(講談社顧問)
横山至考(講談社元顧問)
吉田利明(教育出版前取締役常務執行役員)
渡部哲治(清水書院前取締役社長)
【永年勤続者表彰】(314名)
あかね書房=武井純哉
秋田書店=駒林歩、田中審、和田浩一朗
朝倉書店=中川良一、松澤梨香
家の光協会=広重義晃、魚谷昌宏、三枝慎吾
医学書院=諸星純、和田学、齊藤浩、西川慶人、西村僚一、金井真由子、伍井さゆり、水野茂雄、中島友子、落合崇、石川亜祐子、石塚純一
医歯薬出版=綾野泰子、坂井洋介、菅野紀彦、中村さやか、松崎祥子
岩波書店=渡辺尚人
大阪屋栗田=矢野智彦、工島真理子、樋口和彦、堂井貴之、竹原宏幸、濱本綾子、中島千晴、谷本創、寺西洋一、北元亮太
宙出版=反保浩、齋藤恵美、大竹美香、横田聡子
オーム社=金野典彦
偕成社=藤坂康司、藤田隆広、髙須麻里江
開隆堂出版=武者丈郎
学研ホールディングス=黒須夏子、千代延勝利、福本高宏、大西由美子、古川英里
金子書房=岩城亮太郎、天満綾、池内邦子
河出書房新社=鈴木美佳子
教育芸術社=中山敦弘、山中隆、川村敦史
教育出版=加瀬琴己、児島素志、平松軍治、後藤友紀、山下貴道、田中俊輔、西岡敬祐
きんざい=梅原康貴、田中弘道、山口朋子
近代セールス社=長谷川健太、湊由希子
くもん出版=上岡由紀男、安井真彦
暮しの手帖社=菅原歩
建帛社=廣田鋭爾
講談社=淺川有子、市原真樹、住吉慎吾、青木肇、菅朋子、里村孝人、稲垣浩二、都丸尚史、淺川継人、河本清澄、山崎英文、本橋浩子、岩間秀和、渡邉靖子、杉原幹之助、杉田光啓、奥村健太郎、菅間徹、大津留久美子、宮本雅代、丸山亜紀子、堀寿郎、小林龍之、秋吉敦司、斎藤武史、梶慎一郎、瀬尾傑、高月順一、山口健二、押田英範、辻浩、中谷淳史
光文社=三宅貴久、永島大、小松現、丸山知明、原里奈、内田奈緒、山梨覚子、小林美奈子
三省堂=佐藤洋一、星友規、末竹亮太、小畑直輝、福本健太郎、宮本紘治、鈴木菜々美、細谷幸代、池田正人
実教出版=鈴木彩子、設樂卓、福田賢太郎
主婦と生活社=栃丸秀俊、金泉愛、石原英衣子、徳増佑子
主婦の友社=田中信行、北﨑満
数研出版=東郷哲、鈴木克憲、松尾伸幸、沼崎陽介、室山義人、今西健介
成美堂出版=多部田正志
税務経理協会=熊澤克仁
世界文化社=和泉亜紀、池田吉一、新井紀一、中村重樹、佐藤学
第一学習社=三田征弘、山田智之、山下真一朗、渡邊勇二
大日本図書=横田宏
ダイヤモンド社=船津展子、寺田豊、木村香代、山本猛嗣、榎本佐智子、坪谷美智子、武井康一郎、音・(さんずいに「和」)省一郎、佐藤寛久、辻葉子
淡交社=松村美智雄、前田浩之、深田智之、水澤美穂
筑摩書房=増田健史、石島裕之、中島稔晃
チャイルド本社=金沢麻衣子、飯浜宏文、佐藤伸介、藤野佳織、石坂正
中央社=保科寛、中村祐次郎
中央本社=原布三世
東京書籍=清水成章、軽谷修治、窪田直、蛭田修司、木村潤、川辺由紀、城隆史、岡沢優、浅野進二、中村雅子、佃公範、本田修
東京大学出版会=阿部俊一
東京法令出版=瀧澤忠一、丸山修、篠塚公治、野呂瀬裕行、三富知洋、曳野優香、小平志穂、坂口淳、和田宏一、倉嶋和泉
童心社=井上厚治、橋口英二郎
トーハン=羽生直人、荻野晃久、稲葉秀明、小柳貴史、釜井隆介、石井克実、関喜徳、紺野彰、大西浩平、和田成雄
東洋経済新報社=田中大雅、一見益男、佐山邦彦、鈴木雅幸、大久保幹人、藤井啓司、高橋利紀、久野貴也、堀川美行、船橋一宏
図書文化社=串田光、串田奈生子
永岡書店=池内明、久保昌弘、横山卓、菅原竹文
南江堂=梶村野歩雄、吉野正樹、千田麻由、熊澤奈央、延広真美、木村敦子
日本加除出版=櫛田美絵子、鈴木基修
日本出版販売=岩城耕一郎、土屋洋一郎、野上巳知夫、富士本隆、渡部淳、高瀬泰之、川崎将嗣、長豊光、山本貴也、原田弘幸
農山漁村文化協会=馬場裕一、蜂屋基樹、河津祐子、川﨑大地
白水社=鈴木美登里、鈴木裕子
ひかりのくに=山中健二、今浪修平、梅﨑信良、坂上渉、本城圭祐、長谷川慶、藤原照久、中山真理、吉田久美、若藤大介
ヒョーロン・パブリッシャーズ=増田一弘
福音館書店=勅使河原考史、髙井彩乃、谷口高浩
富士経済マネージメント=岸田直子、水野愛子
双葉社=平松聖子、中阪健一、山沢英三郎、佐野健二
文英堂=手嶋俊子、丸田有吾、坂口義富
ぶんか社=吉田周、石川朗
文藝春秋=坂本一馬、中村雄亮、八馬祉子、山口洋介、山下奈緒子、山元茂樹、森田洋彦
文光堂=清水俊哉
ポプラ社=平林正子、富田かな子、田中絵里
マガジンハウス=鮎川隆史、舛水寿夫、戸田史、宮川洋一、中島慶子、長尾あかね、右田昌美、奥村麻里子、林恵美子、今井涼子
光村教育図書=佐藤孝
光村図書出版=笹川菜穂、大川香恵、青木直和、中島浩二、小深田賢人、清野登志子
緑書房=石黒健治
明治図書出版=古賀友季子、川村泰介、遠藤真衣子
メヂカルフレンド社=吉川高貴
有斐閣=丸澤さやか、得地道代、吉川ふみえ
吉川弘文館=春山晃宏、飯田智子、永田伸

「出版流通学院書店研究会」がセミナー開催/松浦弥太郎氏ら講師に

日販は6月12日午後2時、東京・千代田区の本社5階会議室で、「出版流通学院書店研究会セミナー」を開催する。
書店の経営幹部候補が課題解決力・マネジメントを学ぶ出版流通学院の卒業生で組織する同研究会が毎年1回開催しているセミナーで、今年で21回目。今回の講座内容は以下の通り。
▽第1講「本を売らない本屋の三十年」講師=「くらしのきほん」主宰/エッセイスト・松浦弥太郎氏▽第2講「人材確保が難しい時代の採用」(仮題)講師=働きかた研究所代表取締役・平田未緒氏
参加費は会員1000円、非会員3000円(セミナー終了後の情報交換懇親会は参加費無料)、当日受付で支払い。定員50名(先着順)。申込締切6月5日(火)。
問い合わせ・申し込みは出版流通学院書店研究会事務局(日販営業推進室出版流通学院内)まで。℡03(3233)4791

新会長に藤井武彦氏/取協総会

日本出版取次協会(取協)は4月25日、東京・千代田区の取協会議室で第66回定時総会を開催し、平成29年度事業報告、収支決算を承認。引き続き任期満了に伴う役員改選を行い、新会長に藤井武彦氏(トーハン社長)が就任した。平林彰前会長(日販社長)は常務理事に就いた。
平成30年度事業計画の推進・重要テーマは、①出版流通改革・インフラ整備の継続推進、②消費税・軽減税率要請に伴う諸問題解決、③再販制度弾力運用(時限再販・部分再販)の拡大、実績向上、④JPO出版情報登録センター近刊情報登録及び内容登録の充実促進。
藤井会長は就任あいさつで、平林前会長の取り組みに謝意を表明して、「会長が交代したからといって連続性がなくなるわけではなく、事業計画を下地として活動していく。また、軽減税率の活動は時間との戦いで、適用に向けて取協としてもしっかり取り組んでいく。雑誌・コミックの売上の落ち込みはひどくなっており、様々な波及があるが、輸送問題も大きな課題。休配日問題、時間緩和など実績が上がってきているが、さらに課題に取り組む必要がある」と述べた。
〔取協役員〕
会長(トーハン)
藤井武彦
常務理事(日本出版販売)
平林彰
同(大阪屋栗田)大竹深夫
同(中央社)加藤悟
同(日教販)渡部正嗣
同(協和出版販売)
髙田聡
理事(トーハン)川上浩明
同(日本出版販売)
安西浩和
同(日本雑誌販売)
齊藤隆巳
監事(鍬谷書店)鍬谷睦男
同(公認会計士)山本和夫

「読書ノート」123校が当選/大阪組合

大阪府書店商業組合(面屋龍延理事長)は5月12日、大阪市北区の組合会議室で定例理事会を開催した。
面屋理事長は、日書連、出版社、取次の3者で書店経営環境改善等を協議する「実務者会議」について今までの経緯や業界での位置付けを説明。理事から書店の現状報告や要望が寄せられた。各委員会の主な審議・報告事項は次の通り。
[読書推進委員会]
5月9日に読書ノート抽選会を実施。147校・5万8848冊の応募があり、当選は123校、4万9888冊となったことを報告した。
「本の帯創作コンクール」課題図書の新聞掲載日は6月7日を予定し、課題図書の店着は、6月2日が休配日で6月1日の配送業量が多くなるため、トーハンは5月31日、日販・大阪屋栗田は6月4日になると報告した。
大阪読書推進会総会は、6月20日に朝日新聞大阪本社12階会議室で開催する。
[レディース委員会]
レディースランチは7月18日(水)、大阪市北区の旧桜ノ宮公会堂で開催。募集は6月11日の理事会FAX通信と同送を予定し、同29日締切とするが、会場の関係で定員40名になり次第締め切ると説明した。
(石尾義彦事務局長)

「寄稿」/街の書店に生存権を!求められる「地産地消」の取り組み/佐賀県書店商業組合理事長・堤洋

街の書店と教材販売会社には商売上の境界があります。教材販売会社は学校等に教材・学習参考書を納入し、書籍・雑誌等はあまり扱っていませんでした。しかし、長引くデフレ不況や少子化の社会情勢を受けて、教材販売会社が垣根を越えて書籍・雑誌の分野に参入してきました。一方、教材業界には出版社からの指定取扱店制度があり、われわれ書店は教材販売会社の商材を取り扱うことができないのが現状です。
教材販売会社は書籍を納入するにあたりリアル店舗を構えていませんが、街の書店はリアル店舗を構えており、そのために相当な経費(家賃、電気代、人件費等)を必要とします。街の書店が置かれている経営環境では、「図書資料の装備費用無償」の条件のもと、地産地消の地元の街の書店からの納入は不可能です。
佐賀県の公共図書館、学校図書館の多くは東京の大手企業から納入しており、次々と地元の街の書店が姿を消す一因となっています。その結果、佐賀県は全国で一番、街の書店が消えた県となってしまいました。10市10町のうち1市6町に書店がないのです。
街の書店は単に書籍・雑誌を納入しているだけではない、大きな社会的使命を担っていると信じています。地域の皆様に多種多様な本に親しんでいただき、読書を通じて豊かな想像力、思考力を育み、脳を鍛え、また日々の暮らしに役立つ様々な情報を発信しています。また、本と親しむ「場」「環境」「きっかけ」を提供しています。
文化は紙の本から誕生します。街の書店もまだまだ力不足ではありますが、「文化香る街づくり」に少しでも役立つよう日々精進しています。しかし、佐賀県の経済情勢、社会情勢、図書資料の地産地消が優先されていない現実が、街の書店の「生存権」を奪おうとしています。
今年2月末に武雄市で、小中高校の教科書まで取り扱っていた地元の街の書店が姿を消しました。「ツタヤ図書館」の影響はなかったのでしょうか。このままだと佐賀県の街の書店は生き残ることができません。ナショナルチェーンすら経営環境は厳しく、閉店を余儀なくされるところも出てきています。
佐賀県の特殊事情ですが公立高校のICT(情報通信技術)教育推進によりタブレット教育が義務化されたことで、電子辞書、紙の辞書、参考書、副読本等の売上が激減しています。そして2020年には、小学1年生からタブレット教育が義務化される予定です。
今後、ICT、AI(人口知能)等のIT技術は、われわれが想像する以上のスピードで拡大していくでしょう。そういう時代だからこそ、現在の日本を築いた「読み・書き・そろばん」の寺子屋の教育制度、基礎教育、幼児教育が重視されなければなりません。脳、特に海馬を鍛えるためには読み聞かせが最適であることが立証されています。人間の脳、心、精神は5~6歳までにほぼ形成されると言われています。電子書籍、タブレット、スマートフォン、SNS等で子育てや幼児教育はできません。今後の子育て支援策の1丁目1番地は街の書店の「生存」ではないでしょうか。
街の書店は行政とスクラムを組んだ社会的貢献が可能です。読書推進、読み聞かせ、青少年育成、図書館問題等、正面からスクラムを組めるのは街の書店しかありません。
街の書店に生存権を!

「いといがわ復興マルシェ」で絵本の読み聞かせや展示即売/新潟組合が協力

2016年12月の糸魚川大火からの復興を願って、新潟県内外の金融機関や地元経済団体などで構成する実行委員会が主催する「第2回いといがわ復興マルシェ」が4月21日、糸魚川市大町の「にぎわい創出広場」で開催された。
「いといがわ復興マルシェ」には飲食や物販など県内外の49団体が出店、4500人が来場し、賑わいあふれるイベントとなった。糸魚川信用組合本町支店のロビーでは、「おはなしひろば~本とあそぼう~」と題して、東京都信用組合協会、出版文化産業振興財団(JPIC)、新潟県書店商業組合の協力のもと、JPIC読書アドバイザーによる絵本の読み聞かせが計3回行われ、乳幼児からお年寄りまで100人を超す来場者が参加した。また、読み聞かせと同時に絵本の展示即売も行われた。
会場周辺は、再開した店や酒蔵、住宅も再建され、復興へ向けて着実な歩みを進めている。
(酒井久和広報委員)

専務理事に新潮社・渡辺正信氏が内定/JPO

日本出版インフラセンター(JPO)は5月9日、東京・新宿区の日本出版会館で定例理事会を開き、6月13日に開催する定時総会の議案書について審議した。役員選任については、大久保徹也専務理事が6月13日付で辞任し、後任に新潮社社長室顧問の渡辺政信氏が就任することを内定した。また、永井祥一顧問が6月13日付で退任する。
4月23日にスタートした出版情報登録センター第2フェーズの状況については、これまで大きなトラブルは無く、新形式で書誌情報を登録した出版社は、ウェブ入力が206社、書籍1405点、ファイル送信は2社と説明した。
また、JPO―ICタグ研究委員会(眞鍋礼孝委員長、豊国印刷)を新設。これまでの研究成果や活用事例をまとめるとともに、現在のICタグ関連の成果や最新動向を整理し、導入に向けた今後の課題について必要な提言を行っていく。

「本業の復活」新中計で推進/本を起点に広がる可能性追求/日販懇話会

日販は5月15日、東京・文京区の東京ドームホテルで2018年度日販懇話会を開き、会員書店、出版社など336名が出席。平林彰社長は17年度決算で取次事業が赤字に転落したことを明らかにし、「取次業は崩壊の危機にある」と危機感を示して、新しい中期経営計画で「本業の復活」を推進すると決意を語った。
平林社長は2017年度決算概況を報告。連結で減収増益、単体で減収減益になるとの見通しを示した。
連結営業利益は微増で、投資していく上での防衛ライン30億円を下回った。取次事業は大幅減益。小売事業が6年ぶりに10億円近い黒字に転換したことが増益に貢献した。
単体営業利益は大幅減益で10億円を下回った。取次事業は5億円を超える赤字に転落した。書店ルートは大幅減益、CVSルートは赤字幅が拡大している。商品別では、雑誌は約5億円と5年間で6分の1に縮小した。書籍は平林社長が入社してから30年以上赤字が続いているという。赤字の要因として、仕入条件、文庫など低定価商品のシェア拡大、返品率の高さをあげた。
平林社長は「雑誌の利益に依存してきた取次業は、誇張ではなく崩壊の危機にある。書籍はそもそも取次業として成立していなかった。取次業だけでは食べていくことができないところまできている」と強い危機感を示す一方で、「全国津々浦々に出版物を届けることに矜持を持っている。これからも日本の文化を形成する出版物を扱うことを本業とする会社でいたい」と決意を表明した。
目指す方向性として「書店と出版社に必要とされる取次業の追求を改めて真剣にやっていくこと」に言及し、「卸としての経済合理性」と「データによる企画提案」という存在価値を磨いていきたいと強調。「卸としての経済合理性は、書店と出版社の間に立って、回収、請求、精算、物流、情報のトランザクションが簡易にできること。直取引に負けない価値がここにはある。また、データによる企画提案は、網羅的に集まっているデータ自体に存在価値があり、出版社から見て店頭の在庫が見えることを実現している。これを価値と感じてもらえると信じている」と述べた。
そして、「本を起点に広がる可能性に挑戦する」をコンセプトに、今年4月からスタートした新たな中期経営計画「BuildNIPPANgroup2・0」を説明。基本方針は「本業の復活」で、取次事業と小売事業を本業と定義。「取次事業は一から作り直す。小売事業は私たちが考える儲かる書店、魅力ある書店を作り、取引先書店に提案する。文具、雑貨、エンターテインメント、映像への出資など、本業を支える周辺の事業も成長させたい」と述べた。
実現するためのキーワードとして、①「書店を増やす」…読者が本を手に取る場所を増やしていくために出店加速へ舵を切る。そのためには、書店が出店の投資をして、投資回収できるマージンが必要。既存店はリノベーションが必要、②「プロダクトアウトからマーケットインへ」…新刊はJPROに登録された近刊情報に基づいて予約。既刊は日販や出版社の在庫が書店から見える状態で、日販は満数配本し、書店は売り切るか返品の上限がある中で商売する、③「返品をもっと減らす」…買切や返品制限のある商売に変える。雑誌については返品現地処理化を模索する、④「在庫の見える化と確約」…日販在庫、出版社在庫、書店在庫のネットワーク化を進め、消費者からも見えるようにする、⑤「物流コストの圧縮」…流通センターの再編は避けて通れない。取次間で物流協業を拡大し、他産業との協業も模索する――の5つをあげた。
最後に、書籍の定価の問題で、同じ文庫本でも日本とアメリカでは平均定価に約1000円の差があることを例にあげ、「海外並みの定価に引き上げてほしい」と出版社に訴えた。
続いて、中西淳一執行役員が「『本』業の復活に向けて」、富樫建執行役員が「2018店舗イノベーション戦略」、大本佳奈・システム部ビジネスソリューション課係長が「AI選書サービスSeleBoo」と題してプレゼンテーションを行った。
この後、小松製作所・坂根正弘相談役が「日本と企業の課題~コマツは日本の縮図~」と題して記念講演を行った。

大阪屋栗田、楽天の子会社に/書店の新しい収益構造を創出/楽天の会員基盤とIT基盤を活用

大阪屋栗田は5月25日、第三者割当増資を実施。楽天、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館、大日本印刷(DNP)の6社より追加出資を受け、大阪屋栗田は楽天の子会社になったと発表した。社長には楽天出身の服部達也副社長が就任する。大竹深夫社長は特別顧問に就く。
増資後の出資比率は、楽天が51・0%、出版社4社とDNPが各9・5%、大阪屋栗田の持株会社OSSが1・6%となる。楽天は2014年11月に出版社4社およびDNPと共同で大阪屋栗田(旧・大阪屋)に資本参加し、筆頭株主(35・19%)として経営に参画してきた。
今後は、楽天が持つ会員基盤やIT基盤の活用、出版社4社の持つコンテンツおよびDNPの流通網、大阪屋栗田が有する物流基盤や書店ネットワークとの連携の強化を通じて、従来の取次ビジネスの枠にとらわれない幅広い事業分野におけるシナジーの創出を図る。
具体的には、全国の書店で導入を進めている共通ポイントサービス「楽天ポイントカード」や、5月8日から提供を開始した、書店からお得で便利な情報が届くスマホアプリ「ReadeePLUS+(リーディープラス)」、書店におけるアプリと連動したデジタルサイネージの活用など、書店の書籍販売をサポートする新しいエコシステムの創出を推進する。
[役員構成]
取締役会長
笠原和彦(楽天)
代表取締役社長
服部達也(楽天)
専務取締役
川村興市(楽天)
取締役
金田徴(日本出版販売)
同平野真一郎(楽天)
同関谷幸一(KADOKAWA)
同佐藤隆哉(小学館)
監査役髙橋洋(楽天)
同吉富伸享(講談社)
同林秀明(集英社)
同財前秀臣(DNP)
特別顧問
大竹深夫(講談社)
相談役
森武文(講談社)
同東田英樹(集英社)
同山岸博(小学館)

生活実用書・注目的新刊/遊友出版・斎藤一郎

大阪では70年万博の太陽の塔と、制作した岡本太郎が注目されている。東京はオリンピックを控えて、案内本が盛んだ。
加藤佳一著『都バスで行く東京散歩』(洋泉社925円)もその1冊。8年前のものをリニュアールした最新版である。
都バスには一日乗車券があって乗り放題、大人500円、子供は半額。都営地下鉄や都電などにも乗れるのは700円。「山手」散歩から始まり下町、城東・城南、城北・城西、多摩の全5章。
渋88系統ルートは渋谷起点に新橋まで。南青山には岡本太郎記念館があり、六本木ミッドタウンでは写真歴史博物館に寄り、虎ノ門ヒルズは至る所に彫刻、絵画。新橋は旧新橋停車場近くの汐留に2つのミュージアム。
梅70という西武新宿線の花小金井から、青梅まで伸びる路線もある。さらに青梅から御嶽駅に行く路線。吉川英治記念館などにも立ち寄れる。
松本典久著『山手線の謎2020』(実業之日本社800円)は建設中の品川新駅(仮称)を含む30の駅物語と歴史を紹介。乗降客の最多は新宿だが、一番少ない駅は鶯谷である。1971年に西日暮里駅が開業し、現在の形になった。御徒町と秋葉原も1925。東京の変遷は興味深く、知らないことばかりだ。