全国書店新聞
             

平成18年6月21日号

書店員とともに憲法の意義世に問う/講談社がPOP大賞

講談社は7月20日に『井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法』を出版するにあたり、POP大賞を実施すると発表した。
書店店頭での読者と本とのコミュニケーションの活性化を図るため、優秀なPOPを書いた書店員を表彰しようというもの。事前に内容を抜粋した小冊子を見本として配布、書店員にPOPを書いてもらう。大賞1名に賞金10万円、準大賞5名に3万円を贈呈。受賞作品は新聞やパンフレットなどの宣伝物に使う。応募締切は6月30日(当日消印有効)。発表は7月中旬に同社ホームページで。選定は井上ひさし氏(予定)を審査委員長に、同社児童局局長、書籍販売局局長の3名で行なう。
6月9日に行なわれた記者発表会の席上、佐藤雅伸書籍第二販売部長は「本を売るには編集者の熱意を読者に伝える書店員の存在が不可欠。数年前から『白い犬とワルツを』など本屋のPOPからベストセラーに結びつく事例が多く出ている。多くの書店員にうねりの中に加わってほしい」と参加を呼びかけた。

伊集院静氏が「旅と読書」など語る/新潟組合文化講演会

新潟県書店商業組合は6月6日、新潟市の新潟市民プラザで「世界本の日サン・ジョルディの日記念文化講演会」を開催し、500名の聴衆が集まった。講談社協賛、新潟市教育委員会・新潟日報社後援。
西村俊男理事長あいさつのあと、直木賞作家の伊集院静氏が登壇。「旅と読書」をメインに「ヤンキースの松井選手のこと」「自身の幼少時代のこと」などテーマは多岐にわたり、最後まで笑い声の絶えない和やかな講演会となった。
講演会終了後、図書カードプレゼントの抽選会と100名限定のサイン会を行なった。伊集院氏はお客様にひとこと声をかけ、握手をしながらサインした。
(熊田雅明広報委員)

取引条件改善に取り組む/志賀健一理事長を再選/北海道総会

北海道書店商業組合は6月13日午後2時から札幌市中央区のセンチュリーロイヤルホテルで第30回通常総会を開き、組合員101名(委任状含む)が出席。支払いサイト延長など取引条件改善問題への取り組み、図書館流通センター(TRC)対策、再販擁護などの活動方針を承認した。また、任期満了に伴う役員改選では志賀健一理事長を再選した。
総会は伊澤崇専務理事の司会で始まり、志賀理事長があいさつ。書店組合の重点課題として取引条件改善問題に触れ、「先日の日書連総会で丸岡会長は書店経営実態調査をもとに書店経営環境改善に取り組むと表明した。この問題で最初に声をあげたのは道組合。かねてから支払いサイトを60日にしてほしいと訴え続けてきた。青森組合は90日を主張している。両組合間で意見調整を図りたい。支払いサイト問題は、日書連として業界に提言する時期に来ている」と話した。
ポイントカードとTRC問題については「家電量販店のポイントカードは値引きとの見解を公取委は示した。この見解をテコに再販擁護に取り組みたい。TRCは現在、全国公共図書館で7割のシェアを持つが、これを10割に変えるべく着々と手を打っている。昨年末、道中小企業団体中央会の指導のもと官公需適格組合を設立した。入札に持ち込んで公共図書館をTRCから守ろう」と訴えた。
来賓の日書連・井門照雄副会長は景品規約見直しの経緯を報告。「値引きについては一切認めていないことを認識してほしい」と強調し、「読者とともに我々の財産である再販を守ろう」と協力を求めた。
また、日書連の今後の方針について「書店経営実態調査に基づいて、支払いサイト、返品入帳、マージン拡大の3点を中心に運動を構築したい」と説明。さらに「10坪、20坪の書店にとって最大の悩みは『本が来ないこと』という結果が出た。書店が売りたい本を店頭に置くことができ、読者が買いたい本をすぐ入手することができるようにするための流通システムを研究している」と述べ、中小書店の生き残りに全力を注ぐ考えを示した。
続いて中尾邦幸理事を議長に議案審議を行い、05年度事業報告、収支決算報告、06年度事業計画案、収支予算案などすべての議案を原案通り承認可決した。
このうち「本屋のオヤジのおせっかい中学生はこれを読め」フェアについて、昨年は道組合主催のもと62書店が参加して実施したと報告があった。新聞、テレビでの報道、静岡、愛知両組合での実施要望など、同フェアが全国的に拡大している事例が紹介された。今年は7月18日から8月20日まで実施。期間終了後も中学生の棚のある常設店を増やすこと、朝の読書との連携を深めること、本屋のオヤジ応援団として著名人の巻き込みを検討していることが報告された。
役員改選では理事21名、監事1名を承認。志賀理事長を再選し、別掲の3役を決定した。
総会終了後、能勢仁氏が「今、書店に実施してほしいこと」をテーマに講演。引き続き出版社、取次を交えて懇親会を行なった。
〔北海道組合役員〕
○印新任▽理事長=志賀健一(旭川冨貴堂)
▽副理事長=久住邦晴(久住書房)高宮要夫(誠文堂書店)○高橋千尋(ザ・本屋さん)
▽専務理事=伊澤崇(伊澤書店)

TIBFで本の学校シンポジウム

「本の学校出版産業シンポジウムin東京」が7月8日午前10時から東京ビッグサイトで、東京国際ブックフェアの併催イベントとして行なわれる。「中小書店の生き残り」「書店から見た責任販売制」をテーマに書店の将来を考える。パネリストは井門照雄(丸三書店)、藤原直(金港堂)、村松邦彦(主婦の友社)の各氏など。

講演会、講習会など活動報告/愛媛県第18回定時総会

愛媛県書店商業組合(井門照雄理事長)は6月6日午後4時より松山市二番町のワシントンホテルで、第18回定時総会を開催した。
開会にあたり松岡理事より総会の成立(本人出席17名・委任状22名)が報告された後、井門理事長を議長に選出して議案審議が行われた。
事業報告では、昨年6月実施の「世界本の日・サン・ジョルディの日」馳星周氏文化講演会を始め、日書連共済会への加入促進、松山地区において行なわれた著作権講習会の実施等が報告された。発売日励行委員会からは、この1年間の違反状況が報告された。とくに新居浜地区において違反が継続的に行なわれているとの報告が組合員からあり、委員会として早急な対応を約束した。
光永専務理事より平成17年度決算報告が行なわれ、18年度予算案とともに満場一致で承認された。このあと新入会員・八幡浜市むつみやBMが紹介され、無事総会を終了した。
午後6時より、出版社・販売会社24名の参加をいただき、和やかに懇親会が行なわれた。
(光永和史広報委員)

ひたちなか市へのリブロ出店阻止を決議/茨城総会

茨城県書店商業組合の第20回通常総会が、5月30日午前11時より水戸市の「ホテルテラスザガーデン水戸」で開催され、組合員94名(委任状含む)が出席した。
総会は塚越賢次副理事長の司会で進行、川又英宏副理事長の開会宣言に続き大野豊治理事長が「景気の回復が報道される最近だが、それは一部の大企業のみであり、特に地方の中小商店は非常に厳しい状況が続いている。そんな中、特殊指定廃止問題をみると、出版業界よりも新聞業界の方が団結力があり、その結果が表れている。我々も今こそ手を取り合ってこの困難な時代を乗り切らなければならない」とあいさつした。
大野理事長を議長に選任して議案審議に入り、平成17年度事業報告、決算報告、平成18年度事業計画案、収支予算案等をいずれも可決承認。美野輪博一副理事長より、ひたちなか市新光町に7月オープンする県内最大複合モールに出店予定のリブロについて、出店阻止の議決を求める緊急動議がなされ、協議の結果、リブロの出店阻止の決議が採択された。
審議終了後、来賓の茨城県中小企業団体中央会・喜古謙一郎総務部長の祝辞があり、美野輪副理事長の閉会の言葉で修了した。

「声」/学参版元が学校に値引納入/大分県書店商業組合理事長・大隈劭

大分県書店商業組合は、県教委が昨年県内高校に出した「物品購入マニュアル」の文言の一部が出版物再販制度を無視した惧れがあるので削除するよう、知事・教育長および関係部署に陳情した。
話し合いの場で問題となった事項は、生徒が私費で購入する副教材図書類が、公費で購入する図書と同等の入札により業者を選択する方法が採られたことだ。書店では再販契約に抵触するため受け入れ難く、理解を求めたが納得の行く回答は得られないまま、新学期に突入した。
県としても、各学校の自主判断に任せるとの言質を得たが、マニュアルが生きているため昨年どおり入札制を取り入れた学校が多い。一部の学校では校内販売を禁止したところもあったが、マニュアルに書店で購入するよりも出版社で直接購入する方が割安になると記載されているため、学校では出版元も入札業者に採りいれており、出入り書店は締め出された形となった。
価格決定権のある学参一部版元が、自己の付けた定価を守らず、書店には定価を押しつけ、自らは値引きで納入していることは、出版倫理に悖る行為としか考えられない。版元は、再販制度上何らの拘束も受けず、自由気ままに振舞えるが、多くの版元も望んでおらず、書店と共存の道を選ぶことが業界発展になると思えるので、ルールを設けるのも一つの手段ではなかろうか。

付録と本誌の一体化訴え続ける/東京青年部総会

東京都書店商業組合青年部は6月7日午後4時半からホテルメトロポリタンエドモントで第16回通常総会を開き、会員114名(委任状含む)が出席した。
総会は吉田圭一理事の司会で進行。小宮仁会長が「今年度も青年部が一丸となって問題解決に向かっていく。付録と本誌の一体化を言い続けていきたい。読者謝恩図書カードは今年度も続けて発行いただくよう東京組合に働きかける」とあいさつした。
正副議長に原田福夫、小林洋両氏を選任して審議に入り、平成17年度活動・会計報告、平成18年度活動計画、収支予算など全ての議案を原案通り承認した。
相談役の東京組合・丸岡義博理事長はあいさつで景品規約改定と再販問題に触れ、「青年部、東京組合が一丸となって再販を守っていかねばと感じている。ご支援をいただきながら皆で組合を盛り上げていきたい」と述べた。

日書連のうごき

5月8日S・Jの日共同企画予備抽選会。
5月9日第45回全出版人大会。出版物小売公取協監査会。「春の書店くじ」抽せん会/S・Jの日共同企画抽選会/第1回「本の川柳」発表会。
5月10日日書連会計監査会。
5月11日東洋経済創立110年、会社四季報70年記念祝賀会に丸岡会長が出席。
5月12日学校図書館整備推進会議運営委員会に舩坂常任委員が出席。「オーストリア8日間の旅」出発。第2回JPО運営委員会に志賀副会長と大川専務理事が出席。
5月15日日本出版クラブ運営委員会に丸岡会長が出席。日書連共済会全国地区委員長会議。
5月16日日本図書普及㈱役員会。書店環境改善審議会。出版再販研究委員会4団体事務局会議に大川専務理事が出席。函館地区「日書連マーク」研修会に長尾専門委員が出席。
5月17日日本出版クラブ監査会に丸岡会長が出席。旭川地区「日書連マーク」研修会に長尾専門委員が出席。
5月18日石川県「日書連マーク」研修会に高崎専門委員が出席。
5月19日学校図書館整備推進会議総会に丸岡会長が出席。日本図書普及㈱監査会に井門副会長が出席。「オーストリア8日間の旅」帰国。ベースボール・マガジン社「創立60周年記念祝賀会」に丸岡会長が出席。JPО決算役員会に井門副会長が出席。
5月21日福島組合通常総会に丸岡会長が出席。
5月22日出版倫理協議会に大橋副会長ほか役員が出席。「絵本ワールド」運営事務局会議に大川専務理事が出席。
5月23日日書連情報化推進専門委員会。雑誌発売日・実行合同委員会に藤原副会長ほか役員が出席。
5月24日日書連5月定例理事会。日書連共済会理事会。出版物小売業公正取引協議会総会。正副会長会議。
5月25日日書連第18回通常総会。九州雑誌センター株主総会並びに第1回取締役会。
5月29日第29回出版ゾーニング委員会に大橋副会長が出席。読進協理事会・同通常総会に丸岡会長が出席。出版再販研究委員会に丸岡会長ほか役員が出席。
5月30日文化産業信用組合理事会に丸岡会長が出席。「学校図書館」大阪研修会に長尾専門委員が出席。
5月31日全国中央会通常総会に丸岡会長が出席。ICタグ出版関連業界標準化委員会に大川専務理事が出席。

支部提出議案で苦境の声相次ぐ/福島総会

平成18年度福島県書店商業組合総会が5月21日、福島市の奥座敷・穴原温泉吉川屋で開催された。
総会には組合員5支部総勢30名が参加、粛然とした雰囲気で会が進行され、議長に太田氏(佐周書店)、副議長に国岡氏(若松屋書店)を選出して議事を審議可決した。
支部提出議案では書店経営の苦境から、様々な切実なる訴えが噴出した。最後に日書連丸岡会長が、書店組合員の声を最大限汲上げ、改善すべき所はこれからも声を出して改善を求めていくと日書連の意気込みを述べて締め括られた。
今回は日程の都合で初めての日曜開催となり、お休みにもかかわらず、ご来賓出版社様合わせて16名様のご出席を賜わった。合同懇親会では、NHK出版の紺野支社長様より出版社を代表してご挨拶を戴き、乾杯の音頭で祝宴を開始。最後まで賑やかな懇親が続いた。(大内一俊広報委員)

微増の6549億円/2年連続で前年をクリア/トーハン

トーハンの第59期(平成17年4月1日~18年3月31日)売上高は前年比0・9%増の6549億6500万円となり、2年連続で前年を上回った。
内訳は書籍2531億4900万円(0・8%減)、雑誌3547億5700万円(0・1%増)、MM商品470億5800万円(20・1%増)。返品率は書籍38・1%、雑誌32・3%、MM商品13・5%で合計0・5ポイント増の33・7%。返品率増加は店頭の不振と転廃業の影響を受けたと見ている。
返品増加により運賃が1・3%増加したことに加え、減価償却費を中心とした桶川SCMセンターの諸経費が増加、販売管理費は売上げの伸びを上回る1・2%増となった。これを受け営業利益は1・1%減の127億円、経常利益は営業外収益が費用を上回り、2・9%増の73億円。
特別損失では従来、任意積み立てから特別損失で処理していた役員退職慰労金の会計方針を変更したこと、MM商品の廃棄損などで11億円の特別損失を計上。当期純利益ベースでは12・4%の減益となった。
子会社11社との連結決算では売上高6568億600万円、経常利益80億100万円、当期純利益42億1千万円となった。
期中の取引書店転廃業は369店、1万8153坪。期末社員数2173名。
トーハン損益計算書
(単位百万円)
売上高654、965
売上原価579、103
売上総利益75、862
販売費及び一般管理費
63、127
営業利益12、735
営業外収益3、390
受取利息420
その他の営業外収益
2、970
営業外費用8、818
支払利息29
売上割引8、780
その他の営業外費用8
経常利益7、307
特別利益20
特別損失1、170
税引前当期純利益
6、157
法人税等2、279
当期純利益3、878
前期繰越利益1、296
当期未処分利益5、175

売上高6782億円/3月末の返品24日まで入帳/日販

日販の第58期(17年4月1日~18年3月31日)売上高は6782億1700万円、前年比4・4%減となった。内訳は書籍2520億1600万円(1・5%減)、雑誌3387億5100万円(5・9%減)、開発商品874億4900万円(6・6%減)。
返品率は書籍が2・1ポイント増、雑誌3・6ポイント増、開発商品2・4ポイント増、合計3・0ポイント増の35・8%となったが、これは廃業店増加に加え、無伝返品システム稼動で返品入帳迅速化が図られ、返品締切日を繰り下げたのが要因。昨年まで決算月の返品入帳は3月20日だったが、今年は24日まで入帳し、25日から31日分は無伝分のみ日販の返品に計上した。両者合わせた返品増加分は150億円で、売上げを2%下げ、返品は1・5%押し上げるという。
販売管理費は、返品率上昇に伴い下請費・荷造費が増加、送品運賃は減少し販売費合計でマイナス。一般管理費は人件費減少などで削減、販管費全体で1・6%減少。営業利益は6・3%減の609億円、経常利益は17・4%減の48億円。
しかし、税引後の当期純利益は、前年に減損会計適用により減損損失を出していたため、1億8700万円増の26億700万円となった。日販グループ24社の連結ベースでは売上高7066億円、経常利益58億円、当期純利益28億円。
期中の増床は537店、5万1141坪、減床427店、2万9280坪。従業員1851名。
役員改選は鶴田社長が会長、阿部副社長が副会長、古屋常務が代表取締役社長、柴田副社長が代表取締役副社長になるほか、鎌谷、井上、高見、石田取締役が常務取締役に昇格。加藤哲朗、平林彰、安西浩和、吉川英作各氏が取締役に就任。退任は菅、大野、遠藤、高橋氏。高橋氏は常勤監査役に就任予定。
日販損益計算書
(単位百万円)
売上高678、217
売上原価603、821
売上総利益74、395
販売管理費60、959
営業利益13、436
営業外収益1、024
受取利息162
その他の収益861
営業外費用9、653
支払利息4
売上割引9、479
その他の営業外費用169
経常利益4、807
特別利益949
特別損失1316
税引前当期純利益
4、440
法人税等1、799
法人税等調整額34
当期純利益2、607
前期繰越利益1、136
土地再評価差額金取崩額
1、047
当期未処分利益4、790

レトロな童画塗り絵/金の星社

大正時代、雑誌「金の船」「金の星」の表紙を飾った岡本帰一の世界を楽しむ『大人のための童画ぬり絵』が6月末、金の星社から発売になる。作品12枚付き、定価本体950円。
岡本の作品は子どもの日常生活を題材に西欧文化への夢やあこがれ、詩情を独特なタッチで表現したもの。レトロな絵画で童心気分に戻り、塗り絵を通して脳の活性化にも役立つ。出来上がった絵は切り離して飾れる。初回特典として「大正ロマン絵はがき」が5百名に当る応募券付き。

9月にKING創刊/講談社下期新企画

講談社は6月14日、本社で本年下期新企画を発表した。冒頭、岩崎取締役は「上期は雑誌、コミック、書籍とも計画を達成できず、前年比大幅ダウンになった。編集は読者にとっての価値を見直した誌面を、販売では従来にないやり方を模索したい。3年後の創業百周年に向け、デジタル事業の拡充、北米進出の布石を打っていく。下期は低迷する雑誌に風穴を開けるため『KING』を創刊する」とあいさつした。下期新企画は次の通り。
◇『KING』20代~30代前半の男性をターゲットに、スポーツ、ファッション、グルメ、恋愛、カルチャーなどライフスタイル全般を網羅する月刊誌。9月13日創刊に向け、ウェブ、イベントによる「メイキング・ニュー・キング・プロジェクト」を展開していく。A4変形判・中綴じ、予価税込6百円。
◇『興亡の世界史』(全21巻)講談社創業百周年記念出版の歴史全集。数々の文明や帝国の興亡にスポットを当て、「カルタゴ」「ケルト」「東インド会社」といった従来にない巻編成をとった。四六判ワイド上製、平均384頁+カラー口絵8頁。予価税込各2415円、全巻揃価5万715円。全巻一時払特価4万7250円(07年1月31日まで)。11月刊行開始。
◇『治す・防ぐ・若返る健康医学事典』(全2巻)「食」と「運動」を組み合わせ、すぐに効果を実感できる健康読本。「からだ力編」「こころ力・脳力編」の2冊で構成。AB判仮製ソフトカバー・各巻288頁。予価税込各2400円、函入2巻セット4800円。10月下旬発売予定。
◇『オードリー・ヘップバーン・トレジャーズ』200点の厳選秘蔵写真を収録、34点の豪華なお宝グッズを封入した世界初の公式本。A4判上製函入・192頁、予価税込7350円。9月下旬発売予定。

カード化順調に推移/発券、前年並みの7百億/図書普及

日本図書普及は6月26日に定時株主総会を開催するが、これに先立ち15日に平成17年度決算概要が発表になった。
これによると、平成17年度発行高は図書券184億7200万円、図書カード515億5700万円、合計700億5700万円となり、前年比99・3%。回収高は図書券388億3100万円(前年比75・0%)、図書カード305億7700万円(同174・0%)、合計694億800万円(100・0%)。
昨年10月、完全図書カード化が実現し、昭和35年から45年間続いた図書券発行が終了したが、カード移行は順調に推移し、半年を経過した今年3月期は回収の75%をカードが占めるまでになったという。
損益面では経常損益までは前年並みだが、会計基準変更により本社に隣接する土地の減損処理を行ったため最終損益は大幅な損失。内部留保していた剰余金を取り崩し一括処理を行った。土地の減損損失を別にすると、税引前当期利益は約1億5千万円の黒字。
役員人事では小関道賢取締役と亀川正猷監査役が退任、阿部洋一郎氏(日販)が取締役に、郷田照雄氏(栗田)が監査役に就任する。期末加盟店は1万5576店(336店減)、読取機設置は1万1824店(1380店増)。
図書普及損益計算書
(単位百万円)
売上高369
売上原価236
販売費及び一般管理費
3、704
営業損失3、571
営業外収益2、280
受取利息1、197
有価証券売却益1、000
賃貸収入53
雑収入28
営業外費用47
支払保証料2
賃貸費用45
経常損失1、338
特別利益1、966
未回収収益1、939
貸倒引当金戻入27
特別損失2、842
収益計上券回収損478
減損損失2、363
税引前当期純損失
2、214
法人税、住民税及び事業税
95
法人税等調整額△29
当期純損失2、280
前期繰越利益10
当期未処理損失2、270

来期は5百億円目指す/すいか祭りで國弘社長/太洋社

太洋社は6月10日、文京区水道の本社で「元気!発見!笑顔!」をテーマに第16回すいか祭りを開催。書店128名、出版社116名など250名が出席した。3階特設会場には「開幕!W杯ドイツ大会」「あなたの能力・身体チェック」「ゲド戦記映像関連」「夏の映画化コミックス」「売行き良好書」などを展示。生ビール、軽食も用意され、飲み物片手に商談が行われた。
太洋社を代表して國弘社長は「この数年、出版業界は元気がない。太洋社だけでも元気があるところを見せたい。6月末は当社の決算で、5月までの累計でちょうど100%。来期103・7%を達成すると、売上げは念願の5百億円。太洋社と書店が一体となって無駄のない効率販売と積極販売を目指したい。今日はビールを飲んで、最後まで寛いでいただきたい」と述べた。
6階の第2会場では日経ホーム出版社・中町英樹取締役が「書店業これからの10年」を講演。「商品と顧客を見直し、読者ニーズを先取りしていこう」と、書店に元気を呼びかけた。また、「すいか寄席」として蝶花楼馬楽師匠が一席を演じた。

本屋のうちそと

大手出版社の新刊企画説明会に行き、パンフレットと実物見本を申込むが、零細書店ゆえに最小限の部数。だが、取次から送られてくるのは、こちらの希望数よりかなり多め。この本が買切り三カ月延勘で、三カ月は返品できない。返品すれば早期返品で逆送される。
不幸にして売れなかった場合でも、三カ月後に請求が立つ。返品すると、買切商品だから返品不可と言い、返品するには版元担当者の返品了解がないと出来ない。
それも印刷されている版元の返品了解書ではダメだ。何の本が何冊と書き込まれた担当者の名刺でないと返品できない。その了解した名刺と返品了解書に取次の返品了解書連絡表を付けて返品しなくてはならない。いま、返品流通が共同システムになってアルバイトが事務的に処理してしまうから、うっかりすると返品不能として戻される。返品手数料も取られる。
これを通常返品できるようにならないものか。取次担当者に頼んで返品了解すれば簡単と言う人もいるが、そもそも、なぜ買切品なのか。
このように手間がかかるなら、次回説明会では実物見本はいらないと言って来るより仕方がない。お客様から聞かれた本でも客注品ならいいが、聞かれただけでは注文を躊躇してしまう。
版元から新刊案内のFAXが毎日送られる。ここに「返品フリー」「いつでも返品を取る」と書いてあっても、買切商品だから、取次がとらない場合もあるからねって。出版社情報が知りたいものです。 (とんぼ)