全国書店新聞
             

平成15年2月1日号

−無題−

税制等対策特別委委員〔書籍協会〕朝倉邦造(朝倉書店)、相賀昌宏(小学館)、志村幸雄(工業調査会)、大坪嘉春(税務経理協会)〔雑誌協会〕浅野純次(東洋経済新報社)、小此木孝夫(講談社)、大竹靖夫(小学館)、佐野修(新潮社)、浅井淳(文藝春秋)〔取次協会〕金田万寿人(トーハン)、鈴木一郎(大阪屋)、雨谷正己(協和)、風間賢一郎(トーハン)、橋昌利(日販)〔日書連〕萬田貴久(オリオン書房)、井門照雄(丸三書店)、下向磐(分梅書店)、藤原直(金港堂)、中村宣勝(中村書店)日書連税制問題等特別委員会委員委員長=萬田貴久副委員長=井門照雄、下向磐、藤原直、中村宣勝委員=鈴木喜重(千葉)、今西英雄(大阪)、弥富啓治(佐賀)、志賀健一(北海道)、高須博久(愛知)、木野村祐助(岐阜)、森井清城(石川)、今井直樹(島根)、赤沢桂一郎(岩手)、高橋元理(群馬)、斉藤行雄(静岡)、西村俊男(新潟)、面屋龍延(大阪)、村田耕平(兵庫)、吉田達夫(岡山)、山口尚之(福岡)、中山寿賀雄(長崎)、丸岡義博(東京)、柴崎繁(同)、岡嶋成夫(同)、池本武史(神奈川)

税制問題特別委を設置

日書連は1月24日午前11時から箱根・湯本富士屋ホテルで1月理事会を開催。
消費税値上げの動き、総額表示方式の導入などへの対応で、萬田会長を委員長とする「税制問題等特別委員会」の設置を決めた。
書協、雑協、取協、日書連の出版4団体で構成する「税制対策特別委員会」には萬田会長など5名を派遣する。
〔消費税〕萬田会長から消費税問題について「経団連奥田会長から税率引上げ支持の発言があり、小泉首相は自分の任期中は税率を上げないと表明した。
一方で来年4月から総額表示が実施される。
消費税の対応が今年後半の大きな課題になる」と発言があり、1月27日に発足する出版4団体「税制等対策特別委員会」に萬田会長以下、5名の委員(別掲)を送ることを決めた。
また、日書連に担当委員会がないため、萬田会長を委員長とする26名の特別委員会を設置することになり、委員会の編成を承認した。
消費税問題は、昨年12月に与党3党の税制改革大綱がまとまり、簡易課税制度、免税点の見直しのほか、総額表示方式の採用が決まった。
出版物は雑誌は内税だが、書籍は外税表示。
このため書協、雑協が大蔵省に「出版物の総額表示方式は混乱を招く」と適用除外を申し入れたが、大蔵省からは「例外は認めない」と、厳しい回答があり、4団体で特別委員会を設置して対応を探っていくことになったもの。
〔再販〕ポイントカードの対応で12月理事会以降、集英社、東京布井出版の2社からも「ポイントカードは値引き」とする意見表明があったことが報告された。
中村再販委員長は「ポイントカードの実施が再販の弾力運用という見方があるが、これは誤解で、書店が勝手に弾力運用できない。
弾力運用の事例を出版社から集めて情報公開する」と述べて、出版社へのアンケート実施を決めた。
アンケートは書協・雑協の理事クラス50〜60社程度に実施。
非再販本、時限再販本の発行、雑誌長期購読者へのサービスなどについて具体的実施方法を聞く。
〔流通改善〕婦人生活社の倒産に関連して、藤原委員長は「一昨日あたりから取次が常備、長期、雑誌は返品入帳すると連絡してきた。
今後の問題もあり、出版社有事の返品について取次と話し合いたい」と報告。
大阪組合面屋理事はワラジヤ倒産のケースを紹介して「婦人生活社の場合も、返品が取れる銘柄を明らかにしてほしい」と要望した。
また、『ハリー・ポッター』第4巻の取引条件についての質問に答えた藤原委員長は「買い切りなので事前注文通りの部数が入荷した。
これを責任販売という形で考えられないか。
時間をかけて論議していきたい」と説明。
萬田会長は「商品確保の問題と正味引き下げがからんでいる。
責任販売制、完全買い切り、返品歩安入帳と、今までの取引慣行を変えていく機運が出てきた。
藤原委員長を中心に検討を進めてほしい」と注文した。
〔スタートアップ〕1月23日の日本経済新聞に「講談社、小学館など大手出版社がコミックの貸与権を研究している」と報道された問題で、井門委員長が問題の背景を説明。
「マンガ喫茶などの貸し出しに応じて著作者、出版社に料金が入る仕組み。
アメリカなどでは、個人で買う雑誌と、病院で買う雑誌では値段に倍の開きがある。
業界では出版インフラセンターで議論するが、書店と貸与権の関連について正確な情報収集を行っていく」と述べた。
雑誌の定期購読については、インターネットを利用して定期購読サービスを行う「富士山マガジン」との業務提携について報告があり、同委員会で具体案を検討する。
〔組織強化〕組織強化委員会では昨年10月以降、トーハン、日販、大阪屋、栗田、中央社、協和の各社を訪問し、新規取引店の組合加入について協力を求めた。
今年は残る太洋社、日教販にも協力要請を行う。
全国組合員数は昨年4月1日対比で356店減の7932店。

12月は5・0%減少

日販調べの12月期書店売上げは平均95・0%となり、11月期の97・8%より2・2ポイント低下。
昨年1年間では最も大きな落ち込みとなった。
書店規模別では、40坪以下店が12・2%減と2ケタのマイナス。
41〜80坪、81〜120坪は5%弱、121坪以上は4%弱のマイナス。
立地別では商店街が92・3%、駅前93・8%と厳しい状況。
ジャンル別では実用書、学参書、児童書が前年をクリアした。
実用書ではマガジンハウスの『ベラベラブック2』が1巻とともに好調。
『チョンマルブック』もベストセラーに顔を出している。
文芸書は83・4%と大きく減少しているが、これは前年が映画『ハリー・ポッター』第1弾の公開を受け、大きな伸びを示したため。
客単価は1098・5円で、前年比6・3%増加。

共済会給付(1月)

(14・12・12〜15・1・20)▼病気傷害小笠郡菊川町堀之内331菊川佐塚書店佐塚達也殿3口大阪市大正区三軒家西1−2−9大正書房井添守殿2口芦屋市公光町11−8芦屋宝盛館抜井茂夫殿5口久留米市御井町495−1鹿子島尚文堂鹿子島慶正殿3口▼死亡弔慰仙台市青葉区二日町3−25米竹書店米竹シゲノ殿10口横浜市旭区鶴ケ峰2−30文教堂鶴ケ峰店中川晴夫殿4口板橋区高島平7−1−1なります書店中村弘一殿瀬戸市松原町3−2陶文堂書店堀谷住人殿▼配偶者死亡(稲村ハマ子)横浜市保土ヶ谷区岩井町53第二日本堂稲村徳雄殿5口同(菅沼寿江)品川区南品川1−3−6菅沼書店菅沼得治殿(口数のないものは1口)

組合事務所、神奈川教科書販売から賃貸

神奈川県書店商業組合は1月23日午後2時から箱根湯本の南風荘で1月理事会を開催。
理事会のあと、版元、取次17社を交えて新年懇親会を行った。
理事会では、昨年7月、民事再生法を申請した神奈川図書の再建計画について中村理事長が報告。
■文教堂を中心としたグループが新会社を設立し、営業権を1千万円で譲り受け、債務は引き継がないとする提案は不調に終わったこと、■神奈川図書本社の土地、建物は神奈川教科書販売・が購入し、引き続き一部を組合事務所としていくことで合意した−−とした。
また、今春の教科書準拠版、副読本の販売にあたっては、トーハン神奈川支店で在庫を手当てするという報告があったほか、共栄図書、博文社の取扱出版社の情報を組合員に提供していくことになった。
増売関係では、「読書ノート」をこれまでに1万5千冊販売したことが報告されたほか、読書推進会の運動で協力関係にある神奈川新聞社の定期購読を斡旋する方針を了承。
申込ハガキを店頭で配布する。

1箱分の装備に15分

福岡県書店商業組合は1月18日午後2時より福岡情報センター研修室で北九州支部を中心に日書連マークの契約会を実施した。
当日は8書店が参加。
FJナノ事務局より新しい装備ナノソフトの説明があった。
新しい装備ナノソフトは、インターネット経由で日書連マークを取得することができ、学校納品の装備に最新の書誌情報が利用できるほか、書店のID、パスワードを記録したICキーを利用して接続の煩わしさをなくし、セキュリティにも万全を期した。
契約の済んだ書店から新装備ナノをインストール。
インターネットを利用した日書連マーク取得の実技研修では、9号段ボール1箱分の書籍を15分ほどで装備し、参加者から驚きの声があがった。
今回の装備は、学校がコンピュータ化されている前提で、バーコードとラベル貼りだけだったが、フル装備でも書く部分がないために相当の時間短縮が図れる見通し。
納入した日から貸し出しできるという声も出ていた。
福岡組合では、今後、福岡、筑豊、筑後地区と順次契約会を行っていく予定。
福岡組合のホームページで日書連マークの体験ができる。
http://www.nanobit.co.jp/fjnano/index.htm

30万円の補助金支給

〔情報化〕書店IT化支援として小学館、集英社から各600万円、JTB出版から100万円の資金援助があったが、志賀委員長は「学校図書館データセンターを設置する、ホームページを立ち上げるなど、各県組合からIT化プランを提出してもらい、上限30万円の補助金を支給する」と説明した。
これに関連して広報委員会今西委員長は「各県組合に1名のweb担当者をおいてほしい」とし、インターネットを利用した広報活動の検討を提起した。
〔読書推進〕平成14年度の学校図書館図書整備費は130億円ついているが、昨年10月15日現在の調べで予算化を行った自治体は3割を切っていることが高須委員長から報告された。
しかし、15年度予算では80%以上の自治体が計上を準備しており、「学校図書館に予算化を働きかけてほしい」と、書店の役割を強調した。
萬田会長は「こどもの読書活動推進法ができて2年目。
これから広がりを見せる。
日書連の図書館システムも取り込み、学校需要に対応してほしい」と要請した。
「第4土曜日は子どもの本の日」に関しては、今春は茨城、奈良、鳥取、島根の4県でキャンペーンの実施を予定しており、高須委員長は「JPICの読み聞かせサポーター講習会などに積極的に参加して、自店で運動を継続できるのが理想だ」と述べた。
〔増売運動〕船坂委員長は4月23日から27日まで4日間、東京ビッグサイトで実施される東京ブックフェアの準備について報告。
「市会機能がさらに強化される方向」と説明した。
今春の日本縦断文化講演会は、北海道、中国ブロックを除く8ブロックで協賛出版社が決まった。

出版再生で明るい年に

日書連主催の第49回出版販売新年懇親会は1月24日午後5時半から箱根の湯本富士屋ホテルで開催され、出版社、取次、書店など総勢161名が出席した。
懇親会では日書連・萬田貴久会長、出版社を代表して書協・朝倉邦造理事長、取次を代表して取協・金田万寿人会長が年頭あいさつ。
雑協・浅野純次理事長の発声で乾杯した。
3氏のあいさつ要旨は次の通り。
[ポイント問題解決に力点/日書連会長・萬田貴久]昨年10月の移動理事会で、懸案のポイントカードについて「値引き行為であり再販違反」という日書連の見解を採択した。
11月以降には、小学館、講談社など大手出版社から見解が発表された。
今年はこれらを受けて、業界三者が協力して対処を進めていく。
本日の理事会では、再販制度の弾力運用への対応について出版社各社にアンケートを実施することを決めた。
これは、非再販本・時限再販本の発行計画の有無や、雑誌年間予約サービスについての考えなどをお聞きするもので、ご協力をお願いしたい。
もう一つの大きなテーマは消費税の総額表示問題だ。
税率引き上げについて経団連の奥田会長が見解を示すなど、かまびすしい論議となっており、今年後半の課題として浮上してくるだろう。
日書連は過去に署名活動や決起大会を実施しており、今日の理事会では26名からなる税制問題等特別委員会の設置を決めた。
業界4団体による委員会が1月27日に開かれる。
過去の経験を生かして意見を申し上げたい。
出版業界の売上は6年連続のマイナスが予想され、昨年末から1月にかけての販売も伸びなやんでいる。
そうした中で、業界であまり論議されてこなかった取引条件や取引慣行の問題、書店の自己革新の問題について、ぜひテーブルに載せて話し合いをさせていただきたい。
東京組合の広報誌「TOKYO書店人」では「ザ・返品」という特集を組み、アンケート集計で責任販売制、買切制についてもまとめている。
リスクを取って商売を伸ばしたい、それでなければ生き抜くことができないという状況にある。
今年は大きなテーマとして皆さんにも提案し、意見交換をしていきたい。
業界三者で出版文化再生を図り、地域書店の役割に沿ってパワーアップすることに全力を傾けたい。
希望のもてる、明るさを見いだせる年になるよう進めていきたい。
[議論を深め課題に取組む/日本書籍出版協会理事長・朝倉邦造]昨年、渡邊前理事長からバトンを受けて半年が経った。
書協としては、出版社の権利の法制化、違法コピー対策、読書推進運動の3つを中心に活動していく。
再販問題ではポイントカードについて、昨年秋から暮れにかけて業界4団体がそれぞれの立場で真剣な話し合いをしてきた。
1歩でも2歩でも前進しており、今年は明るい結果が見えてくるのではないか。
また、税制と総額表示問題が来月から大きな研究テーマになるだろう。
今年中に対策の結論を出したい。
各団体が単独でというのではなく、すべての問題について4団体が話し合ってお互いの立場を理解しながら、一つの結論を見つけていく時代になったのではないか。
ぜひ皆様のご協力をいただきたい。
出版社は今年も誇りをもって仕事に従事し、社会の期待に応えたい。
明るい業界にして第50回の出版販売新年懇親会を迎えたい。
[中小書店の底上げが重要/日本出版取次協会会長・金田万寿人]取協は書協、雑協、日書連と力を合わせて業界の諸問題に対応していく。
ポイントカードについては業界としていい形になるよう早急に努力する。
昨年暮れに萬田会長以下の皆さんが見えて、日書連未加入店の組合加入促進で協力要請があった。
協力して少しでもお役に立ちたい。
出版業界最大の問題は売上低迷だ。
出版科学研究所調べの平成14年1月〜12月売上は、書籍・雑誌合わせて前年比99・4%。
書籍100・4%、雑誌98・7%だった。
書籍が前年をオーバーしたのは明るい材料で、下げ止まりしてきたのではないかと思う。
ただこれは全体の平均値だから、多くの店では前年を下回っているというのが実感だろう。
二極分化が顕著になっており、中小書店をいかに底上げするかが最大、共通のテーマだ。
力を合わせ、知恵を出してやっていかねばと考えている。
昨秋に鳥取県で国民文化祭が開かれ、出版が初めて参加したが、鳥取組合の永井さんの熱意とご尽力により大成功を収めた。
わたしどもも応援するので、各組合が窓口になってぜひ次回以降も継続してほしい。

出版販売新年懇親会出席者

〔出版社〕あかね書房・岡本雅晴、秋田書店・村山光磨、朝倉書店・朝倉邦造、朝日ソノラマ・金子凱彦、アスキー・遠藤剛、岩波書店・後藤勝治、潮出版社・佐藤保彦、SSコミュニケーションズ・澁谷徹男、旺文社・那須野富雄、オーム社・村上和夫、雄鶏社・五木田一太、角川書店・田中樹生、河出書房新社・野沢慎一郎、学習研究社・糸久哲郎、講談社・浜田博信、幸福の科学出版・中村嘉秀、光文社・須田昌夫、小峰書店・小峰紀雄、ごま書房・池田雅征、三省堂・池野年勝、集英社・奥脇三雄、主婦と生活社・古川一夫、主婦の友社・斎藤民樹、小学館パブリッシング・サービス・小泉明充、祥伝社・藤岡俊夫、少年画報社・平本昭一、昭和図書・大竹靖夫、新星出版社・富永弘一、新潮社・木島秀夫、実業之日本社S・P・中野正文、女子栄養大学出版部・岩佐義彦、JTB出版販売・上月実、聖教新聞社・松島健寿、同・長谷川太作、青春出版社・山口稔、誠文堂新光社・山中建次郎、世界文化社・大塚茂、税務経理協会・大坪嘉春、草思社・渡辺直之、大修館書店・鈴木一行、高橋書店・磯部武幸、ダイヤモンド社・大沼信一、筑摩書房・田中達治、中央経済社・竹内伸介、中央公論新社・小林進、東京大学出版会・大江治一郎、東京ニュース通信社・野沢一浩、東洋経済新報社・浅野純次、徳間書店・岩渕徹、二玄社・渡邊隆男、日本実業出版社・鈴木雅夫、日本文芸社・西沢宗治、日本放送出版協会・安藤正直、農山漁村文化協会・阿部伸介、白泉社・佐藤将、博文館新社・大橋一弘、ハーレクイン・赤堀宏司、ぴあ・北坂和浩、評論社・竹下晴信、PHP研究所・北村民雄、福音館書店・塚田和敏、扶桑社・川庄篤史、双葉社・谷ヶ城五郎、二見書房・吉池茂、ブティック社・志村昌也、文英堂・畑中隆志、文藝春秋・浅井淳、平凡社・根井浩一、ベストセラーズ・加藤保治、芳文社・伊東朋視、ポプラ社・小沼保衛、マガジンハウス・稲垣学、三笠書房・押鐘冨士雄、有斐閣・大場章正、リクルート・川瀬昭男、同・経明純〔取次会社〕トーハン・金田万寿人、同・風間賢一郎、日販・菅徹夫、同・鶴田尚正、同・野谷清、大阪屋・高橋茂、栗田出版販売・亀川正猷、中央社・山坂義行、日教販・大藤耕治、太洋社・國弘晴睦、協和出版販売・雨谷正巳、日本地図共販・武田三男〔業界関係〕日本図書普及・佐藤堅太郎、出版輸送・鳥丸英樹、AIU保険会社・佐藤護、出版ニュース社・清田義昭、新聞之新聞社・片山昂二、文化通信社・星野渉、新文化通信社・白本朋求

貸与権獲得、活動方針に

「21世紀のコミック作家の著作権を考える会」は1月22日、東京・九段下のホテルグランドパレスで第2回総会を開き、書籍に対する貸与権の獲得を今後の活動方針とする貸与権の獲得に関する活動を理事ならびに事務局に一任する第3弾アピール文に賛成する−−の活動方針3項目を採択した。
第3弾アピール文は、現状を打開する最初の第一歩として、コミック作家にも音楽家と同じように貸与権が認められるための行動を始めようというもの。
総会の席上、猪瀬直樹理事は「先進国では当たり前の権利である貸与権が、日本では看過されている。
レンタル店、まんが喫茶、新古書店によってコミック作家の権利が奪われている。
文芸家協会やペンクラブなど他の著作者団体と協力して、権利を獲得していきたい」と述べた。
弘兼憲史理事は昨年10月に開かれた「MANGAサミット」著作権シンポジウムの検討結果を報告し、「新古書店やレンタルコミック店は読者にとってありがたい存在で、運動の意義を理解してもらうことは難しい。
このままでは世界に冠たる日本のマンガ文化は崩壊し、そうすれば新古書店もレンタルコミック店も成り立たないことを訴えていきたい」と話した。
同会事務局の山崎司平弁護士は、経済産業省が昨年10月発表した「書店における万引に関するアンケート結果について」の内容を紹介し、「万引きの理由は換金目的が14%。
新古書店が青少年の犯罪の呼び水になっている。
新刊書店の窮状も見過ごすことはできない」と述べた。
また、柴田未来弁護士は貸与権が認められるよう著作権法改正が早急に求められるとして、法改正に必要な事項と法案成立に向けたスケジュールを説明した。

緑風出版が受賞

中堅出版社108社で構成する出版梓会は第18回梓会出版文化賞を緑風出版、同特別賞をかもがわ出版、東京美術に決定し、1月15日午後6時から東京・神楽坂の日本出版クラブ会館で贈呈式を開いた。
席上、江草忠敬理事長は「出版業界は6年連続マイナス成長の厳しい状況だが、『自転車操業から脱却し、もっといい企画を出せ』との声と受け止めている。
梓会の活動を地道に続けたい」とあいさつした。
選考委員を代表して植田康夫氏は「緑風出版は創業以来、戦争と平和関連の書籍など社会問題に敏感な出版活動を続けてきた。
もう一つの柱のエコロジー関連図書での実績を総合し、顕彰することは大きな意味がある」と選評。
続いて緑風出版の高須次郎社長、かもがわ出版の田村能史社長、東京美術の谷昌之社長が受賞の喜びを語った。

組織基盤強化が緊急課題

静岡県書店商業組合は1月8日午後3時より伊東市の「青山やまと」で第34回新年総会を開催。
組合員34名、出版社と取次7名、総勢41名が出席した。
新年総会は古澤副理事長の司会、開会で始まり、斉藤行雄理事長が新年あいさつ。
組織強化について「昨年度も本県は16件の脱退があり、組織基盤をしっかりさせることが緊急課題で、未加入店の加入促進が急務となっている。
今年度は取次の協力を得ている。
皆様の協力もお願いしたい」と述べた。
また、指導教育については「万引き防止での東京都条例の推移を注目したい」とし、読書推進問題については「息の長い問題だが、昨年に引き続きJPIC、静岡新聞社の協力を得てブックトークキャラバンを、また朝の10分間読書の運動をより広め続けたい」と述べた。
続いて事業、流通問題、広報、拡売、読書推進の各委員会報告があり、菅沼事業委員長は昨年11月27日に日書連マークに関する講習会を開催した件で「必要があれば今後も開きたい」、岩田流通委員長は雑誌発売日違反について「昨年は2件の違反処理をした。
現在は本部委員会がしっかりしているため迅速な対応ができ、ルールを守る風潮になっている」と報告した。
総会終了後、午後6時から懇親会を開き、新年の門出を祝った。
(稲勝元広報委員)

日書連のうごき

11月1日情報化推進委員会。
11月2日神田神保町ブックフェスティバル開会式典へ萬田会長出席。
11月5日出版再販研究委員会。
笠原良郎先生を囲む会へ萬田会長出席。
情報化・秋田県組合研修会へ志賀委員長ほか出席。
11月6日野間読書推進賞贈呈式典へ萬田会長ほか出席。
11月7日全国中央会・外形課税・消費税改悪阻止代表者集会へ下向副会長ほか出席。
11月8日文化産業信用組合懇親会へ萬田会長ほか出席。
11月11日出版クラブ運営委員会へ白幡専務、中小小売商連絡会へ丸岡常任出席。
活字文化推進会議へ萬田会長、活字文化推進フォーラムへ日書連幹部出席。
11月12日情報化・福島県組合研修会へ井門委員長ほかJTB出版事業局旅行文化賞贈呈式典へ萬田会長出席。
11月13日出版物関係輸送懇談会へ大川局長出席。
経産省万引問題打合会へ高島委員長ほか出席。
11月14日沖縄県地区雑誌発売日委員会へ大川局長出席。
11月15日中小小売商連絡会へ丸岡常任出席。
11月17日三重県組合総会へ白幡専務出席。
11月19日TIBF実行委員会へ萬田会長ほか出席。
11月20日雑誌発売日、出店・指導教育、組織強化、共済会運営、流通改善、経営取引、再販・公取協、広報、増売・読書推進、情報化推進各種委員会、子ども読書推進会議へ高須委員出席。
読書週間書店くじ抽せん会開催。
11月21日定例理事会。
共済会、公取協理事会。
図書コード管理センター運営委員会へ井門委員ほか出席。
11月25日スタートアップ委員会開催。
11月26日雑誌発売日本部、同実行合同委員会開催。
11月27日図書普及役員会、出版クラブ理事会へ白幡専務、中小小売商サミットへ萬田会長ほか出席。
11月28日中小小売商サミット陳情行動へ丸岡常任出席。
出版倫理協議会。
JPIC評議員会・同理事会へ萬田会長ほか出席。
11月29日業界4団体事務局忘年会開催。

読みきかせらいぶらりい

●でてきたよコップからカバがでてきた。
カバの口からカバン、ブタの鼻から自動車…そして最後にでてきたのは?ページをめくるたびに思いもつかない展開になる楽しさは、さすが佐々木マキさん!出てくるところと物の組み合わせがちょっと違います。
幼い子がほっとするラストです。
●かいしゃにいこうある日、ぼくは決心した。
かいしゃにいこう、おとうさんみたいに。
電車とバスに乗り造船所につくと、ぼくは楽しい船をデザインしたよ。
車窓の景気や造船所、夢いっぱいの楽しい船がリアルに描かれています。
船の設計しである作者が、息子のために書いた絵本。
英語版あり。
●かぼちゃスープ世界一おいしいスープを作るのは、ネコとリスとアヒル。
役目がそれぞれ決まっていて仲良くやっていたけれど、ある日アヒルがきまぐれをおこして大げんか。
ついにアヒルは家出した。
かぼちゃスープそのままの温もりのある色づかいと躍動感あふれる絵、文章もリズミカルで楽しい。

新BIRDネットPOSデータ・11月期

〔ムック〕『ポケットモンスタールビー&サファイアぼうけんマップ』小学館838円4-09-106082-X『かんたん家計ノート』講談社476円4-06-179386-1『’03シンプル家計ノート』オレンジページ276円4-87303-209-1『トルネコの大冒険3公式ガイドブック』エニックス1143円4-7575-0834-4『2003お料理家計簿』講談社876円4-06-179385-3『’03年賀状CD−ROM』インプレスコミュニケーションズ1419円4-8443-1687-7『クッキン!カンタンおかずレシピ冬’02』オレンジページ476円4-87303-213-X『おもいッきりテレビNO.21』日本テレビ放送網552円4-8203-9837-7『ポケモンルビー・サファイア公式ファンブック』小学館476円4-09-106075-7『’03クッキング家計簿』オレンジページ629円4-87303-208-3〔単行本〕『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』静山社3800円4-915512-45-2『ポケットモンスタールビー・ポケットモンスターサファイアシナリオクリアBOOK』毎日コミュニケーションズ780円4-8399-0935-0『ベラベラブック2』マガジンハウス952円4-8387-1419-X『ポケットモンスタールビー・サファイア公式ぼうけんクリアガイド』メディアファクトリー680円4-8401-0685-1『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』静山社1900円4-915512-40-1『ハリー・ポッターと秘密の部屋』静山社1900円4915512398『ベラベラブックVol.1』ぴあ952円4-8356-0040-1『半落ち』講談社1700円4-06-211439-9『わしズムVol.4』幻冬舎952円4-344-00266-0『テイルズオブデスティニー2』集英社1143円4-08-779206-4〔新書〕『海賊王の帰還』中央公論新社900円4-12-500788-8『十津川警部「標的」(ザ・ターゲット)』角川書店800円4-04-788164-3『愛と殺意の津軽三味線』中央公論新社800円4-12-500789-6『三毛猫ホームズの戦争と平和』光文社762円4-334-07497-9『超文章法』中央公論新社780円4-12-101662-9『海賊島事件』講談社900円4-06-182282-9『不知火海』講談社933円4-06-182286-1『モンスターの花嫁』実業之日本社800円4-408-50405-X『女は男のどこを見ているか』筑摩書房720円4-480-05964-4『読書力』岩波書店700円4-00-430801-1〔文庫〕『ヤーンの時の時』早川書房540円4-15-030706-7『アルジャーノンに花束を』早川書房760円4-15-110101-2『フェアリーテイル』角川書店514円4-04-433619-9『慟哭』東京創元社720円4-488-42501-1『話を聞かない男、地図が読めない女』主婦の友社667円4-07-235217-9『ユタが愛した探偵』徳間書店590円4-19-891805-8『月と貴女に花束をRemains』メディアワークス570円4-8402-2252-5『たそがれ清兵衛』新潮社514円4-10-124721-8『鬱金の暁闇2』集英社419円4-08-600191-8『三毛猫ホームズの恋占い』光文社514円4-334-73412-X〔実用書〕『年賀状データ集Pack43002003年版』ナツメ社1380円4-8163-3339-8『パソコン・カンタン!年賀状2003未年編』エム・ピー・シー952円4-87197-631-9『実用家計簿』高橋書店700円4-471-31025-9『すぐに使える年賀状&年賀Eメールまるごとパック2003年版』ナツメ社980円4-8163-3338-X『3年卓上日誌』高橋書店1800円4-471-62063-0『業務日誌』高橋書店1450円4-471-62055-X『ニューダイアリー(皮革調・エンジ)』高橋書店1550円4-471-62089-4『ニューダイアリー(皮革調・黒)』高橋書店1430円4-471-62086-X『デジカメカンタン年賀状2003』エム・ピー・シー952円4-87197-547-9『ニューダイアリー3』高橋書店870円4-471-62077-0〔コミック〕『ONEPIECE26』集英社390円4-08-873336-3『テニスの王子様16』集英社390円4-08-873351-7『新世紀エヴァンゲリオン8』角川書店540円4-04-713529-1『NARUTO−ナルト−15』集英社390円4-08-873368-1『ベルセルク24』白泉社505円4-592-13722-1『犬夜叉28』小学館390円4-09-125648-1『花より男子33』集英社390円4-08-847568-2『シャーマンキング22』集英社390円4-08-873348-7『BLACKCAT11』集英社390円4-08-873349-5『はじめの一歩63』講談社390円4-06-363176-1

世界の老舗書店・有名店

アメリカはご存じの通り、再販国ではない。
従って本の価格は店によって異なるといっても過言ではない。
しかし実際には本に表示されている価格で販売している店が多い。
とはいうもののアマゾンコムの値引きや、バーンズ&ノーブル、ボーダーズの新刊値引きは有名である。
NYタイムズに掲載されたベストセラーをハードカバー30%オフ、ペーパーバックス20%の値引きである。
この値引きは期間限定である。
アメリカの書店業界は超大型チェーン店と独立系書店の並立によって構成されている。
アメリカ映画「ユー・ガット・メール」はNYマンハッタン、アッパーウエストにある独立系児童書書店が大手チェーン書店に圧迫される情景が舞台になっている。
アメリカの大型チェーン店の寡占率は圧倒的である。
即ちB&N、ボーダーズ、ブックス・ア・ミリオン、クラウン・ブックスの4大チェーン書店で市場占有率は50%である(2000年1月現在)。
アマゾン・ドット・コムの書籍売上は8億ドル(約1000億円弱)で全米書籍小売では第3位になる。
ウェブ書店のシェアは6%であるから、日本の1%前後に比べて遥かに大きく成長している。
NYの書店群の中で、今回はアメリカNo.1の書店バーンズ&ノーブルを中心に紹介してみたい。
売上は32億6000万ドル(約3960億円)である。
1.B&Nユニオンスクェア店現在NYにおけるB&Nの代表店、モデル店のような存在の店である。
五番街から地下鉄で10分もすれば行けるロアーミッドタウンにある。
営業時間は10時〜22時である。
他のB&Nに比べて短時間営業である。
店内は天井が高く、通路も広く、椅子、ソファ、机がふんだんに置かれているので図書館かと錯覚する。
カフェに本を持ち込んで読むのも自由、カーペットに寝転んで読んでいても文句は言われない読者天国の書店である。
ユニオンスクェア店の自由度がどこまであるものかと、地元誌が試した話を現地で聞いた。
それは店内からピザの出前を頼んだそうである。
ピザ屋さんは指定されたフロアに出前に来て、注文者はピザを受け取り読書机で堂々と食べたという。
店側からは何の苦情も出なかった。
まさにB&Nは自由空間の店である。
B&Nの客対応のコンセプトは、“客が店に長くいればいる程、買う本が多くなる”なのである。
ユニオンスクェア店は1階〜4階の総面積は1400坪である。
各階の奥売場には力が入っている。
1階はセルCD売場、2階は児童書売場、3階はコンピュータソフト、4階は大学出版局である。
B&Nにはユニフォームはない。
壁面の棚は8段〜9段と高い。
当然梯子が用意されている。
中置台は5段である。
インフォメーションは随所に設けられている。
ユニオンスクェア店の特色1、レジは1階のみである。
レジは13台並んでいる。
2、各フロアに机、椅子が配置されている。
3、インフォメーションが充実している。
4、クッキングの本が充実している。
5、ブックアクセサリー、読書器具が豊富である。
6、照明はすべて間接照明である。
7、什器、棚、床、天井が木製なので、高級感がある。
2.B&N五番街店NYの中心地にある店である。
3年前に改装して、広く、見やすくなった。
入口を入ると、すぐそばに地下売場行きのエスカレータがある。
地階はこどもの本、文学書、専門書売場である。
エスカレータ周辺はゆったりとした広場になっていて落ち着く。
右側ゾーンはこどもの本売場である。
ぬいぐるみ、おもちゃが置かれていてこどもの国の雰囲気がよく出ている。
NYの真ん中にこんな売場があるなんて不思議なくらいだ。
1階200坪、地階180坪。
1階よりも地階の方が明るい店である。
売場が1階よりもゆったりしているからであろう。
3.B&N本店建物は1932年から使用されているので古色蒼然としている。
この店は大学教科書を主として扱う店である。
年商は300億円。
年間3日間だけ休む。
社員は180人で、新学期には60〜80人のパートを雇う。
国内で発行された本はどんな小出版社でも取り寄せ2〜6週間で送品している。
1階レジカウンター、手荷物預かり施設、一般書客注取扱い所(約150坪)、2階(約150坪)はエンジニアのフロア、3階(約150坪)は総て医学書で、聴診器、理科教材、人体、脳の模型もある。
地階(約20坪)は教科書下取りフロアである。
4.B&Nリンカーントライアングル店この店はB1階〜4階の5層の大型店である。
商品の充実度、陳列、サービス機能は参考になる。
CD売場も迫力がある。
特色は次の通り。
1、CDの在庫は5万枚以上あり、B&N中で一番である。
2、3階にはピアノが置かれ、定期的にコンサートが行われる。
3、1階↓4階のエスカレータが一直線に伸びている。
折り返し式ではない。
店が長い証拠である。
4、2階キッズコーナーはファンタジックである。
読み聞かせがよく行われている。
5.B&Nアッパーウエストサイド店この店は高級住宅街とコロンビア大学を背景にした店で、品揃え、レイアウト、店構えが客筋にぴったりである。
1階、中2階、2階で約900坪、2階のJr.のゲートが印象的である。
カーペットに座った幼児に本を読んでやっている母親が何組もある。
書店の積極さが母親(父親も)とこどもを店に引きつけるのである。
仕掛けがあり、提案がある。
親、子と一緒に書店が考える姿勢が売場に漲っている。
この他、NYにはバーンズ&ノーブル書店はシティコープ店、マンハッタン・モール店、アスター・プレイス店、レキシントン店、六番街店、三番街店、ペンシルベニア店等がある。

ふるさとネットワーク

●福岡芥川賞、直木賞は昨年で127回を迎えている。
このうち九州出身は芥川賞18人、直木賞13人。
なかでも福岡県がいちばん多く、それぞれ7人と8人。
芥川賞の火野葦平、松本清張、平野啓一郎各氏ら6人、直木賞の神崎武雄、多岐川恭、佐木隆三各氏の3人は北九州市出身で、福岡県全体の半数を占めている。
市立松本清張記念館は年間10万人の入場者があるという。
清張記念館は北九州市が建設費25億円をかけて作った近代的な建物であるが、さらに同市は旧市立歴史博物館を活用して郷土ゆかりの作家たちの功績を紹介する「文芸(文学)資料館」(仮称)を整備することを決めている。
書物や研究資料などを一堂に展示して、同市の「誇り」を全国にアピールする。
市教育委員会は「北九州は文化人の宝庫。
作家だけでなく、詩人や俳人にもスポットを当てたい」と話している。
(鹿子島慶正広報委員)●佐賀万葉集に歌われた領布(ひれ)振り山(鏡山)の地元、唐津市鏡地区の住民が「まつらの万葉かるた」を作った。
奈良時代にできた万葉集4500首の中で唐津・東松浦地方に関する歌は30首もあり、それは726年728年にかけて大伴旅人や山上憶良が太宰府に赴任したことが大きく影響しているとのこと。
「海原の沖行く船を帰れとか領布振らしけむ松浦佐用比売(さよひめ)」(山上憶良)など松浦佐用姫の悲恋物語や、玉島川で鮎を釣る乙女への恋歌が多く、15首はゆかりの各地に歌碑が建てられている。
地域の人たちに広く知ってもらいたいとイベントを思い立った鏡地区住民らの「まつらの姫達の宴」実行委員会が、地元出身の画家・中島潔さんの万葉集の絵を挿絵に百人一首式のかるたを作った。
唐津・東松浦郡内の小、中、高校に配り、2月23日にはかるた大会を開くとのことだ。
(近藤甲平広報委員)●長崎島原半島の名物料理「六兵衛」(ろくべぇ)、チョット変わった食べ物です。
今から200年以上前の寛政4年(1792年)に雲仙普賢岳が大噴火をおこした時、農作物にも大きな被害が出て、この地一帯に食料危機が発生しました。
深江村に住んでいた六兵衛さんは、ここのやせた農地で薩摩から渡って来た甘しょ(唐芋)を作っていましたが、この飢饉で米や麦に替わる食べ物として芋を使って考案したのが六兵衛の始まりと言われています。
芋を粉にして、山芋をつなぎに使い、熱湯でこねて麺状にして食べます。
妙に黒っぽいこの麺は、芋の粉を熱湯でこねる段階で自然にこんな色に変わるそうです。
麺の長さも36センチと短く、当然箸で食べるのも大変で、むしろ汁と一緒にすする感じになってしまいます。
チョット見た目では、真っ黒なうどんです。
是非一度食してみて下さい。
(古瀬寛二広報委員)●熊本熊本県が主宰する「草枕文学賞」。
言わずと知れた夏目漱石の名作『草枕』から名をとった文学賞だ。
漱石と熊本の縁は深い。
漱石は明治29年(1896年)、旧制第五高等学校(現・熊本大学)の英語教師として熊本に赴任し、それから4年3カ月熊本で暮らした。
そして、熊本滞在の体験をもとに天水町を舞台とした『草枕』、阿蘇を舞台とした『二百十日』が生まれた。
熊本は漱石が作家を志した地でもある。
そこで熊本県は漱石来熊百年にあたる平成8年(1996年)、漱石の偉業を顕彰し、作品の舞台となった熊本を全国の人たちに知ってもらうため「草枕文学賞」を創設した。
昨年行われた第3回は応募総数792編のうち約8割が県外からの応募で、優秀賞は埼玉県の原口啓一郎さんが受賞した。
「文豪漱石を育んだ熊本」のイメージを全国に知らしめることができたのではないか。
(川元義次広報委員)●大分健康ブームで「安心」の雑誌が売れているが、大分県には「安心院」と書いて「あじむ」と読む町がある。
焼酎日本一「いいちこ」でおなじみの三和酒類は平成13年10月、同町・家族旅行村内に「安心院葡萄酒工房」をオープンした。
盆地のため朝夕の気温差が激しく、芳醇なワインを産むベリーA・デラウェアの葡萄畑が多くある。
丘の頂上の朝霧台からは別府、湯布院、中津、豊前の山々を眺めることができ、冬の早朝、安心院町全体が朝霧に包まれると、雲の上の仙人になった気分が味わえる。
園内には醸造場、貯蔵庫、ワイン試飲ショップもあり、工場見学ができる。
駐車場ロータリーには松本清張の文学碑が建ち、同町を舞台に邪馬台国はどこにあるかをたどる短編推理小説『陸行水行』の冒頭の一節が彫られている。
塩分を含む町営温泉センターは腰痛、肩こり、旅の疲れを癒してくれる。
(金光直明広報委員)●宮崎宮崎県の温暖多照な気候を活かし、亜熱帯作物の試験研究や生産技術の開発に取り組んでいる南郷町「県総合農業試験場亜熱帯作物支場」に「トロピカルドーム」と「有用植物園」がオープンし、観光エリアとして人気を博している。
大温室「トロピカルドーム」は高さ17メートル、奥行き48メートル、面積845平方メートル。
プルメリアなど花き・花木約80種、スターフルーツなど果樹約30種を展示している。
また、「有用植物園」は面積約19ヘクタールの中に亜熱帯植物約6百種、2万3千本が生い茂る。
「トロピカルガーデン」「不思議の森」をはじめ、眼下に日南海岸の素晴らしい景色を眺めながら休憩できる「オーシャン広場・デッキ」、散策の疲れを癒せる「展望広場」、森のトンネルの中を通る土の園路の感触を楽しめる「散策の森」など12のテーマゾーンがある。
(今村栄広報委員)●鹿児島「川内」ご存じでしょうか。
「せんだい」と読み、人口7万4千人の市です。
実は地元川内高校出身の2人がプロ野球人となりました。
1人は亜大のエース投手木佐貫、もう1人は近鉄5位指名宇都投手です。
木佐貫は高3の時、県予選決勝で杉内(ダイエー)と投げ合い惜敗しましたが、今回めでたく巨人入り。
現在高3の宇都は県下ナンバーワン右腕として、その名を高めていました。
2人の共通点は、高校球界名門の鹿実、樟南など多数の誘いを断り、県立進学校に入学してきたことです。
4歳違いですが、県立高校から同時に2人もプロ野球人が出るなんて珍しく、川内市民は喜びにわいています。
また、巨人軍上原投手のお母さんは高校まで川内で過ごし、おじいちゃんは元市役所課長で市会議員まで務めた人です。
「せんだいガラッパ」の3人に大きな拍手をおくります。
(濱田晴樹広報委員)●沖縄沖縄の酒といえば泡盛。
泡盛の中でも5年10年と寝かせて熟成した古酒を、沖縄ではクースと呼ぶ。
その芳醇な香り、まろやかに熟成したクースは、琉球王朝時代には選ばれた者だけしか飲むことのできない、格の高い酒であった。
さて、その造り方は、口の小さな甕に度数の高い新酒泡盛を注ぎ込み、ひたすら時の経つのを待つだけ。
40度の泡盛を仕込めば、20年後には立派なクースになっている。
近年、子や孫の誕生祝に仕込み、20年後の成人式には熟成した古酒で祝うことのできる「記念クース造り」が、盛んになってきた。
クースは甕で貯蔵したものが多いが、瓶のままで何十年も貯蔵し、素晴らしいクースになるものもある。
泡盛は持っているだけですごい付加価値がつく銘酒なのである。
今や銀行預金にも利子がつかない時代。
それでも、まだ、銀行にお金を預けますか?(安仁屋博一広報委員)

カジノ情報誌を創刊

将来のカジノ創設を見据え、日本初のカジノ情報誌「CASINOJAPAN」(カジノジャパン)が1月25日創刊された。
季刊。
国際カジノ総合研究所発売、プリンツ21発行。
A4変形判・無線綴じ、定価980円(税込み)。
カジノ創設を検討している全国12カ所の地方自治体、ホテル・旅館業界、ロータリークラブ・ライオンズクラブなどを想定読者に、徐々に一般読者を増やしていく。
発行部数5万部。
創刊号の巻頭特集は「日本にカジノをつくろう●」。
猪瀬直樹、室伏哲郎氏らの座談会「余暇の過ごし方に革命を!」、衆議院議員・平沢勝栄氏らの座談会「パチンコ業界の現状とカジノ」などを掲載。
1月23日の出版説明会で日本カジノ学会の室伏理事長は「カジノは国際観光産業の集客の核。
先進国でカジノがない国はない。
21世紀はモノづくりよりサービス産業の時代。
カジノをないがしろにしては国は栄えない」と創刊の意義を強調した。

−無題−

*検品レス書店が増加/トーハン上尾、事故率10万分の3以下に*トーハン上尾センターが全面稼働して9か月が経過したが、昨年12月までの全雑誌発送の事故率は10万分の2・6冊となり、書店の検品レス化も進んでいる実態が明らかになった。
同社が取引店1459店を無作為抽出して行った調査によると、上尾センター稼働後に検品レスを実施した書店は23・5%に当たる344店、検品レスを検討している書店は8・6%の126店となり、合わせて32・2%の書店が検品レスへの対応を示していることが明らかになった。
浦和市・須原屋本店の小泉取締役は「検品レスにした結果、1日当たり30〜40分の作業時間が軽減でき、あいた時間は商品整理に当てている」と言い、トーハンでは120坪クラスのインショップで、パート・アルバイトの人件費節減は年間45万円強になると試算している。

講談社、ランダムハウスと合弁会社

講談社は1月23日、アメリカのランダムハウス社と対等出資の日本法人「ランダムハウス講談社」を設立し、書籍を中心に業務提携すると発表した。
5月に設立、年末から来年にかけて出版活動を開始する。
資本金や役員は未定。
ランダムハウスの出版物のほか、新たな版権を獲得し翻訳刊行する方針で、日本人作家の作品も海外で販売する。
講談社浜田博信副社長は「出版社も国際化は避けて通れない。
世界一の出版社と合弁会社を作り、海外展開に力を貸してもらう。
本の作り方、売り方を学ぶには合弁会社がよいと判断した」と説明。
田代忠之専務は「一般書分野で日米合弁会社設立は初の試み。
人材交流、ノウハウ共有、コミックの海外展開など、親会社間の業務提携も積極的に進める」と述べた。
池永碩ランダムハウス・アジア会長は「当社は系列出版社多数で構成する総合出版社。
英・独・スペイン語圏で事業展開している。
アジア市場で講談社と合弁会社を設立できることをうれしく思っている。
提携によりフレッシュな作家を発掘するとともに、当社の作品を提供していきたい」とあいさつした。

広告収入減が響き

日経BP社は1月22日、永田町の本社で報道関係者を集め、前年度決算の概要と新媒体創刊を発表した。
第35期決算(02年1月〜12月)は売上高588億円で前年比9%のマイナス。
内訳は広告275億円(前期比88%)、販売265億円(同95%)、その他48億円(同94%)で、税引前利益は前期より70%少ない15億円だった。
記者会見で日経BP河村有弘社長は「残念ながら、売上1割減、税引前利益で7割の大幅減益になった。
今期は新しい元気印の日経BPを目指し、ベンチャービジネス局、先端技術情報センターなどを新設した。
ここを基盤に新しい媒体を作り、組織整備で強いモデルを再構築する」と述べた。
新雑誌では『日経アドバンテージ』『日経食品マーケット』の直販2誌を創刊するほか、『日経オープンシステム』を『日経システム構築』に改題。
『日経エンタテインメント』の臨時増刊として『MovieDX』『MusicDX』を年4回発行する。

本屋のうちそと

梅か桜かと言われたら断然梅派なのに、“ボンバイ”なる言葉さえ知らなかった。
ところが、宿だけ決めて何の計画も立てずに出かけた先で、盆梅展なるものに出会った。
このシーズンの観光の目玉になっているほど有名なものらしい。
“みどりのゆび”のチトとは大違いで、私の持っているのは“茶色の指”である。
とにかく片っ端から枯らしてしまう。
かろうじて生き残っているのは、二株のアイビーだけで、しかもしょぼしょぼと生気がない。
普通の観葉植物でさえこれだから、盆栽などとてもとても。
だからまったく興味がない。
というのはいいわけで、もの知らずもいいところである。
こじんまりとした建物と庭園には、大小さまざまな梅の盆栽が並んでいる。
床の間に置けそうなものから、身の丈を越そうかというものまで、どれも丹精の後がしのばれるものばかりである。
おもしろかったのは、この世界では若いことに価値がないということである。
幹は枯れ果て、皮の一部が残っているだけのように見える。
その上部に、瑞々しい梅の花が凛としたたたずまいを見せている。
さすがに梅林ほど香気に満ち満ちているわけではないものの、見事な梅の花である。
樹齢一〇〇年はめずらしくないし、四〇〇年というものまであった。
この勁さと美しさは、生き抜いてきた時間だけが許す特別のものなのだろう。
五〇、六〇まだひよっ子。
花たちの間からそんな声が聴こえてきた。
(如意)

雑誌返品から協業化

日販、大阪屋、栗田、日教販、太洋社の取次5社と講談社、小学館の共同出資により設立した出版共同流通・は、埼玉県蓮田市に「蓮田センター」を開設。
1月20日に現地で開設披露パーティーが行われた。
蓮田センターは返品物流の効率化を実現するため、「無伝票返品システム」を導入。
昨年12月24日より雑誌の返品処理を開始している。
同センターの処理能力は1日段ボール6万5千個、200万冊。
トラックから下ろされた荷物は、専用ラベルを着荷管理システムで自動的に読取り、運送会社からの受領を確認。
「解荷システム」で段ボールとデータを再確認したあと、毎時6600冊処理できる「自動検品仕分システム」でバーコードを自動読取りし、商品情報を取得、版元別に仕分け処理する。
出版社の了解により、大部分の商品はプレス加工し、製紙リサイクルに適したベール状態に加工して再資源化を推進する。
雑誌に続き、今秋にはコミック、続いて文庫と無伝票化を進める。
20日は午前11時から協業5社社長らで神事と稼働式、テープカットを行ったあと正午から見学会。
引き続き行われた披露パーティーでは、出版共同流通菅社長が「蓮田センターは取次5社が手を携え、講談社、小学館も参加して設立した会社。
信頼を基盤に業界の構造改革に取り組む。
返品伝票を排除することで、書店の返品作業が軽減し、精算業務も迅速化する。
単店、単品別データを把握して、市場ニーズにマッチした商品を供給するSCMの一助にもなる」とあいさつ。
出版社を代表して講談社浜田副社長は「出版の枠を越えたメディア競争の時代に新刊情報や書誌データ、注文の仕組みなど、できるものは共同していくべき。
大量生産、大量消費、大量廃棄の時代は終り。
蓮田センターの稼働で社会的ロスを少しでも省いてほしい」と祝辞を述べた。
講談社浜田副社長、小学館鉢谷常務、取次5社社長らで鏡開きを行い、開設を祝ったあと、日書連萬田会長が「業界3者はもちろん、運輸、故紙とのコラボレートで新しい時代を画する事業がスタートした。
活字文化再生にはずみがつくことを願っている」と述べ乾杯、センターの開設を祝った。