全国書店新聞
             

平成16年3月1日号

特別委ガイドラインを了承/4月1日から消費税総額表示

書協、雑協、取協、日書連の4団体で組織している税制等対策特別委員会は、2月13日付で「消費税の総額表示への対応について(増補版)」=2面掲載=をまとめ、ガイドラインとして発表した。2月19日に行なわれた日書連理事会では同ガイドラインについて説明があり、これを了承した。書協、雑協の2団体は連名でお客様向けポスターを作製し、取次を経由して3月中に書店に配布する。
〔消費税〕
4月1日に迫った消費税総額表示実施に向けて4団体特別委員会がまとめたガイドラインは、再販出版物の価格決定権は出版社にあり、出版社が責任を持つことを前提に、①現行の価格表示を継続できる、②できるだけ手間と費用をかけない方法を、財務省等と打ち合わせてまとめたもの。
総額表示は書籍の場合、原則として挟み込まれた定価カード(スリップ)で行い、書店店頭にポスターを掲示して読者への案内を行う。ポスター(別掲)はA3判で8万枚を配布する。
これに関連して、日書連が1月理事会以後、緊急に行ったPOSレジ使用アンケート調査の結果が発表され、①回答のあった189店中151店(80%)がこの10年間で導入している、②POSレジメーカーはIBM、日本NCR、富士通、東芝テックの順、③リースが74%を占める、④メーカーから総額表示変更に関する通知は「ない」が65%という結果が報告された。ソフト入替費用などであいまいな部分があるため、柴崎委員を委員長とする専門委員会を設置、メーカーごとの対応と金額を明示していくことになった。
〔公取協〕
出版物小売業公取協が照会していた「送料の無料サービス」について、2月2日に公取委から回答があった。公取委の回答は「同サービスは景品類に該当するが、制限は適用しない」という趣旨。
小売公取協影山専務理事は「従来、送料無料サービスは景品として対応してきたが、今後は規約対象からはずれ、再販上の割引類似行為として対応する必要がある」と述べた。
また、11年ぶりに出版小売公正競争規約の解説書を作成するため、編集委員に丸岡、下向、池本、岡嶋、山口の5名を承認した。
〔再販〕
岡嶋委員長がポイントカード問題の経過について報告を行い、ヤマダ電機以外の量販店として、ビックカメラ、ヨドバシカメラ両店にも取引取次の日教販を通じて再販出版物へのポイント提供を中止するよう働きかけていると説明した。
阪急ブックファーストで実施しているポイントカードは、年間買上額の5%優待と合計すると8%のサービスになっていたが、順次「ペルソナJCBカード」に切替えられ、新カードではブックファーストの購入にはサービスをつけない。
岡嶋委員長は、引き続き各出版社にポイントカード中止を求める働きかけを行うよう攻勢を強めてほしいとし、児童図書出版協会にも協力を求めたと述べた。

買い切りなら65掛け以下/ハリポタで静山社に申し入れ/日書連理事会

〔流通改善〕
9月に発売が予定される「ハリー・ポッター」第5巻の販売条件について静山社に確認したところ。同社からはまだ未定という回答があったことが報告された。このため、買い切りなら正味は65掛以下とする日書連買切8項目を提示することになった。
増刊・別冊のL表示問題は表示の誤りや返品入帳の未徹底などが指摘され、取協進行委員会にチェックを求めることにした。週刊朝日の発売日問題では藤原委員長が書店への品渡しを早められないか取次に申し入れたいとした。
〔情報化〕
2004年版日書連MARC&司書ツールの斡旋が始まったが、志賀委員長は「書店には月額2千円、年間2万4千円で提供することに変更はない」と補足説明を行った。
各県組合の情報化のための第2次補助金については、32組合から申し込みがあり、20万円と25万円に分けて総額700万円の追加補助を支出する。
〔スタートアップ〕
出版物にも貸与権をという著作権法の改正は、所要の委員会を通過し、今国会で成立可決する見通し。施行は来年6月1日からとなる見込みで、コミックについては新刊は3ヶ月貸出し禁止、レンタル本は1冊分の定価上乗せなどが検討されている。
夏の雑誌愛読月間キャンペーンは今年も継続し、効率的な展開のため東京、愛知を重点地区に決めた。〔組織強化〕
中小企業基本法の改正に伴い、同法との整合性を図るため日書連の定款見直しが進められてきたが、全国中央会の指導のもとに5月総会での可決をめざすことが報告された。
〔指導教育〕
昭和38年に制定された出版販売倫理綱領改定案が丸岡委員長から示され、承認された(3面に全文)。
携帯電話によるデジタル万引きの件では、「携帯電話のご使用及び撮影はご遠慮下さい」というタテ・横2種の棚用ステッカーを作成、各県組合に送付する。〔増売運動〕
今年の「心にのこる子どもの本夏休み売行き良好書セール」の実施要綱が承認され、絵本、読み物、遊びと学習、読み聞かせらいぶらりい絵本の各セットを販売する。販売目標は2850セット、2億円。注文締め切り4月16日。
また、理事会の席で昨年実施した読書週間書店くじのWチャンス賞100名の抽選を行った。今回は5876通の応募があった。

2004年の輸送統一休暇

2004年度の郵送統一休暇を検討していた取協休配日研究委員会は、①ゴールデンウイークはカレンダー通りの配送、②夏期統一休暇は8月13日(金)、14日(土)、15日(日)の3日間、③年末年始は週刊誌の年内最終発売が12月27日(月)、年始は週刊誌、一般紙とも1月4日(火)全国一斉発売とする案を固めた。

消費税の総額表示への対応について(増補版)

はじめに
平成15年度税制改正に伴う消費税法の改正で、中小事業者の特例措置、申告納付制度の見直しとともに、新たに消費税法で事業者が消費者に対して価格をあらかじめ表示する場合には、消費税額を含めた支払総額を表示することが2004年4月1日から義務付けられました。価格を表示する事業者は、消費税法では消費者に資産等を譲渡する事業者ですが、再販出版物の場合は再販契約上、出版社が定価を表示し、再販価格を指示していますので、実質的に出版社が責任を持つこととなります。
当特別委員会は、この消費税の総額表示への対応にあたり、①現行の価格表示を継続できること、②出来るだけ手間と費用が掛からない方法とすることを前提とし、財務省等との打合せを含め検討を行い、再販出版物の価格表示等のガイドラインをまとめました。
このガイドラインは、出版社、取次会社、書店における消費税の総額表示への適切な対応の参考資料として当特別委員会でまとめたものですので、趣旨をご理解の上それぞれで対応していただきたいと存じます。その後、総額表示等への対応についての問い合わせ等を検討し、当特別委員会では、ここにより分かり易くするために表現、例示、資料を補い増補版を作成いたしました。したがって、2003年6月3日付のガイドラインについて変更するものではありません。
Ⅰ.現行方式を継続できる項目
1.価格表示(出版物自体への表示)
(1)再販出版物の価格表示(書協・雑協税制専門委員会1996.7.30及び1997.2.13)
①雑誌定価1050円(本体1000円)
②書籍定価本体1000円(税別)
定価(本体1000円+税)
または定価本体1000円+税
定価1050円(本体1000円)⑤
上記本体部分をとする方法もある。
*本体価格の表示は、書店のレジ対応からも必須である。
(2)コードの価格表記現行通りの表記
①ISBN
ISBN4-0000-0000-C/D
C△△△△¥¥¥¥¥E(¥=本体価格〉
②書籍JANコード
1段目978ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩC/D
2段目192CCCC\\\\\C/D(\=本体価格)
③共通雑誌コード
T11-ⅠⅠⅠⅠⅠ-ⅤⅤ-PPP-C/D
*共通雑誌コードは、2004年6月から新コード体系に変更。
4910IIIIVVYC0PPPP
フラグ予備コード①現行雑誌コード号数年号予備コード②本体価格
JANコードアドオンコード
(3)価格表示上の留意点
定価および本体価格の表示においては、一般消費者〈読者)の価格表示への誤認を招かないような表示が必要であり、計算上矛盾の生じない表示が望ましい。
①表示上は、原則として円未満を四捨五入とするのがもっとも誤差が少ない。
・書店等の取扱いは、円未満を四捨五入するかまたは切捨てで処理している。
②セット価格の算定事例(分売する場合)
全10巻の場合、一巻定価1&#44