全国書店新聞
             

平成18年10月1日号

ネットで学ぶ書店業務/新人研修、eラーニングで

日書連は新人書店従業員がパソコン端末からインターネットを通じて書店の基本業務や出版関連の知識を学べるeラーニングシステム『書店の基本業務』を開発。10月16日より日書連のホームページ「本屋さんへ行こう」から受講できることになった。
この教育システムは、新人従業員の情熱や意欲を育て、書店経営の活性化につなげようと日書連指導教育委員会(大橋信夫委員長)が企画したもので、小学館グループの協力を得て㈱ネットラーニング(岸田徹社長)が制作。『たたかう書店』など著書多数を執筆する青田恵一氏が監修した。
コースは1日約10分の教習を全10章、最後の確認テストを含めても全教程を2時間ほどで終了できる構成。内容は「書店で働くこと」「開店前の仕事」「レジ・カウンターの仕事1・2」「接客応対と電話」「売場の管理」「注文」「提案」「読者満足」「よりよい店作りのために」。
重要ポイントは図解、アニメ、クイズ形式の設問などで楽しく学べる。レッスンのほかに応用情報や実務に使える資料もダウンロードできる。
受講希望書店には無償でIDとパスワードが支給され、日書連のホームページ「本屋さんへ行こう」からログイン。インターネットに接続できるパソコンさえあれば、いつでもどこでも受講できるのが特徴だ。

総付景品緩和に反対/出版物小売公取協

公正取引委員会消費者取引課が総付景品規制の緩和について関係各団体に意見を求めてきたのに対し、出版物小売業公正取引協議会(井門照雄会長)は「総付景品の緩和には反対します」と回答したことが、9月20日の出版小売公取協理事会で報告になった。
現行の総付景品規制は「取引価額の10分の1、千円未満は百円」。公取委が今回示した見直し案は①取引価額の10分の1を「10分の2」または「10分の3」に緩和する、②取引価額千円未満の場合は百円とある「百円」を「2百円」または「3百円」に引き上げる、③来店者景品は総付景品として規制しない。すなわち上限額を設けない、④その他一定程度の緩和――というもの。
出版小売公取協は「消費者の商品選択の目を歪めるおそれがあり、本来好ましくないと制限してきた景品提供を、競争手段として一層緩和し、再評価するような経済政策には疑問を感じる。書店業の利益率は低く、景品競争に耐えられる体力はない。書店業の取扱商品は著作物であり、文化的観点から景品付き販売は好ましくない」と反対理由を説明している。

読書週間書店くじ、申込みは今すぐに

10月27日から始まる読書週間に協賛して日書連は読書週間書店くじを配布します。今回の特賞は「英国7日間の旅」60本。1等賞は「図書カード1万円」が600本。書店くじの申し込みがお済みでない書店は、今すぐ、日書連「書店くじ係」へお申し込み下さい。頒価は1束(500枚)消費税込みで3750円です。

新販売システム成功へ、積極的注文呼びかけ

日書連と講談社がタイアップして打ち出した「新販売システム」は、完全買切り、受注生産で注文部数は満数配本する上、書店マージンは普通正味に特別報奨18%を加えた40%を実現した。9月21日に開かれた日書連理事会は、新販売システムを成功させようと各書店に積極的な注文を呼びかけた。
日書連と講談社がタイアップして実現した「新販売システム」について藤原委員長は「9月4日発表、25日までに県組合に申し込みと日数は短いが、組合員にもう一声かけてほしい」と協力を呼びかけた。
『新装版窓ぎわのトットちゃん』『大型版だいじょうぶだいじょうぶ』は10月27日に発売になるが、講談社では10月28日にブロック紙、29日には朝日新聞に2点の広告を掲載する予定。
『トットちゃん』は黒柳事務所を通じて「徹子の部屋」でも取り上げるよう働きかけているほか、お笑いタレントはなわが歌う『だいじょうぶだいじょうぶ』は携帯を通じてダウンロードでき、店頭で同曲を流すことができないか検討している。
丸岡会長は各県組合に特段の販売協力を求めた。各県組合の日書連への部数報告は9月28日まで。

年内に日書連共済会総会/4分の3以上の賛成で解散

保険業法の改正で存続がむずかしくなった日書連共済会は、年内に総会を開き4分の3以上の賛成を集めて解散する見通しが強くなった。
9月21日の共済会理事会では、木野村運営委員長、伊澤副委員長らが「7月理事会で存続は困難という結論を得た。これを受けて弁護士と解散手続き、財産処分を相談した」と報告。
現在、日書連共済会には約2500人が加入し、4分の3以上の賛成で解散できることを説明した。解散後、ブロック単位で運営する可能性については、「日書連共済会は、この5年来赤字続き。会費が倍になり保証が半分なら一般的損保の方が得にならないか」とした。
この結果、10月6日に地区委員長会議を開き、総会開催と解散賛成のとりまとめに協力を求めることになった。

年内に意見集を発行/書店経営実態調査第2弾/9月理事会

〔書店経営実態調査〕
書店経営実態調査報告書の第2弾として「意見集」をとりまとめているところだが、高須委員長から年内には冊子にまとめたいと報告があった。
また、9月14日に日本出版学会出版経営研究部会のシンポジウムが開催され、高須委員長が出席。今回の書店経営実態調査の結果と、今後の日書連の対応を説明したと報告した。
〔環境改善ワーキング〕
9月20日に書店会館で返品入帳問題をめぐり、トーハン、日販とそれぞれ意見交換を行ったことが鈴木座長から報告された。
トーハンは石井孝文営業副本部長、日販は金田徴書籍仕入課長が出席。日書連は月末ぎりぎりまでの返品入帳を求めたが、トーハンからは「出版社の返品入帳を早めなければ、むずかしい」という回答があったという。トーハン、日販とは今後も会合を重ね、改善方法を探っていくことになった。
神奈川組合が8月25日の県組合総会で採決した「返品入帳スピードアップの決議」の扱いについては、文章を多少修正したうえ、日書連から取次各社に申し入れを行うことを了承した。〔指導教育〕
「本屋の現場発のアイデアを」と募集した懸賞論文「私の書店論」は8月末までに書店、学生、研究者、取次、読者などから27編が寄せられ、正副会長、指導教育委員会委員など23名の審査委員が1編ずつ論文を審査した。審査委員の投票をもとに、9月20日に審査委員会を行い、特選1点、入選3点を内定。審査結果は10月27日の文字・活字文化の日に発表する。表彰は11月21日、出版クラブで開かれる読書週間書店くじ抽選会の席で行う。
福岡県がこの夏からスタートした万引き防止シールの件では、福岡組合山口理事長がその後の経過を報告。福岡県警には新潟、茨城、和歌山、富山、群馬、長崎、大分、熊本、佐賀の9県から問合せがあったとして、該当県組合から行政、警察に働きかけて予算をつけてもらってはどうかと問題提起があった。
〔再販研究〕
セブン・ワイ・ホールディングス1周年で付けたお買い物クーポン券、未来屋書店の雑誌定期購読申込み者に提供する図書カードの事例が岡嶋委員長から報告され、精査して再販研究委員会に提起したいとした。
〔取引改善〕
5月の日書連総会で松戸・白樺書房から返品冊数と入帳金額が合わないと訴えのあった問題は、千葉組合村田副理事長の立会いでトーハンと交渉を続けた結果、運送会社が90万円を支払うことで和解したと報告があり、白樺書房・青柳氏が日書連の支援に感謝を述べた。
〔情報化〕
青森組合鶴谷理事長から3年目を迎えた青森県図書情報装備センターの状況が報告された。
青森では県組合情報化推進チームと青森図書の協力で日書連マークと図書館ソフトの普及活動を展開しており、県内小・中学校303校のうち68%を地元書店が日書連マークで納入していると説明した。
〔組織強化〕
8月期の新規加入は19店、脱退94店で差し引き75店のマイナス。4月から8月の累計では194店減となり、8月末現在で組合員は6489店となったことが報告された。
〔増売運動〕
読書週間書店くじは9月理事会までに375万枚の注文があった。販売促進のため、各都道府県組合に5千枚単位、1枚5円で斡旋を行う。
〔消費税〕
医療、福祉予算が軒並み削減する中で、国民の中から消費税上げの議論が起きるのを待っているという新聞報道を面屋委員長が紹介。丸岡会長は「安倍政権の対応を見守っていきたい」と述べた。
〔共同購買〕
日書連特製の薄型手帳『ポケッター07年版』は9万9千部の受注があり、残りは1万部なので早めに注文いただきたいと中山委員長が報告した。
春の書店くじ特賞「オーストラリア6日間の旅」は11月9日に出発するが、組合書店にも旅行への参加を呼びかけた。旅行代金19万2千円。
〔新年懇親会〕
来年1月26日に箱根湯本・湯元富士屋ホテルで開かれる出版販売新年懇親会実行委員が決まった。実行委員長に大橋副会長(東京)、委員は作田幸久(三重)、西本功(奈良)、今井直樹(島根)、田中隆次(宮崎)の4氏。
〔広報〕
山口委員長から10月11日(水)午後1時より書店会館で全国広報委員会議を開催することが報告された。

共済会給付

(18・8・24~18・9・14)
▼病気傷害横浜市港北区綱島西3―6―25アサヒ書店大胡正治3口
川崎市幸区小倉1352飯野誠文堂飯野武夫殿
射水市立町12―38川辺書店川辺正三殿3口
京都市東区三条通東大路東入ブックスアリス西野達夫殿
▼死亡弔慰上尾市宮本町5―18三協堂書店三井田安司殿2口
長野市中越2―40―40北長野書店宮下文雄殿4口
▼配偶者死亡(石田ミツ)高島市安曇川町1―1ブックス年輪石田正夫殿2口
▼水害岡山市表町2(天満屋地下タウン)精文堂石原瑛治殿3口4万4千円
▼住居水害沖縄市南桃原3―1―11朝野書房喜友名朝勇殿3口13万2千円
▼住居雪害山形市六日町7―27恵陽堂書店秋葉恵子殿3口6万7千円
▼床上浸水(倉庫)諏訪市高島4―1493誠林堂滝沢秀一殿8口40万円
▼その他被災さいたま市岩槻区西町1―4―16岩槻書店中村登殿2口6万円
平塚市中原2―21―22たまる書房中原店田丸勲殿3口3万円
▼漏水新潟市花園1―1―1文信堂書店COCOLO万代西村俊男殿1口1万7千円

1610万円を販売/子どもの本まつり

子どもの読書推進会議とJPICは9月16日から18日の3日間、上野公園で第4回「子どもの本まつりinとうきょう」を開催した。日本児童図書出版協会、ヤングアダルト出版会の協力によるチャリティ・ブック・フェスティバルには48社が参加。絵本、児童書を20%引きで販売した。3日間の購入客数6130人、売上冊数1万5947冊、売上額は過去最高の1610万円だった。出版社共同企画の謝恩価格本コーナーは52万円の売上げ。

3カ月連続前月下回る/8月期は4・6%マイナス/日販調べ

日販経営相談センター調べの書店8月期分類別売上げ調査がまとまった。8月期は平均95・4%で、7月期の98・5%を3・1ポイント下回った。売上げ構成比の高い雑誌が94・8%、コミックが91・7%と前年を大きく下回ったことが影響した。
書店規模別では、201坪以上店がほぼ前年並みだったのを除いて、各規模とも3~6%のマイナス。50坪以下店は6・5%減と最も下げ幅が大きかった。
ジャンル別で前年同月を上回ったのは文庫4・4%増、児童書0・5%増、実用書2・1%増の3部門。
好調が続く文庫は、映画化・ドラマ化作品のほか、細木数子の『六星占術シリーズ』(ベストセラーズ)が順調な売行き。コミックは8・3%の大幅なマイナスで、前年ヒットした『NANA』ほどの大型銘柄が少なかった。
平均客単価は2・3%増の1113・3円。

神戸へ秋の親睦旅行開催/三重組合

三重県書店商業組合(作田幸久理事長)は9月3日、伊勢、桑名から2台のバスに乗って秋の親睦旅行を実施した。
阪神の震災より急激な復興ぶりをみせた神戸の街に向かい、昼食はホテルオオタニでバイキング。世界初のパイプ構造でできた、神戸港のシンボルタワーである神戸ポートタワーから、六甲山の山裾に広がる神戸の街なみを望んだ。豪華客船によるクルージングの後、アサヒビール西宮工場で厳選された原料からうまいビールができるまでを見学。20分間試飲会で、さすができたての旨さには驚いた。
車中で岡森理事から絵本ワールド開催と、雑誌袋斡旋経過について説明を受け、初秋の親睦旅行で一日楽しく過ごした。
(藤田忠男広報委員)

取協・新出版ネットワーク/ISBN改定で対応案提示

取協は9月21日、東新橋・汐留シティセンター24階の富士通大会議室で、新出版ネットワークのISBN規格改定への対応に関する説明会を開催した。2007年1月からISBNが現行の10桁から13桁に拡大されるのに伴い、オンライン受発注についての対応方針をまとめて出版社に提示したもの。
説明会では、取協情報システム研究委員会・中村勉委員長(トーハン)が、新出版ネットワークで使用している「業界オンライン標準データフォーマット」について、ISBN規格改定への対応案を説明した。
データフォーマットの商品コード欄は10桁分しかなく、これを13桁に拡大すると全体のレイアウトが大きく変わるため、大幅なプログラムの修正が必要になる。中村委員長は、①限られた時間の中で対応できる、負担の少ない方法。②プログラムの切替え時期を柔軟に調整できる方法。③出版社、取次ともに個別の特別対応を必要としない方法――をコンセプトに、現行フォーマットを変更しない対応法を考案したと述べ、以下の方法を提案した。
1.在庫データ、納品データなど、出版社から取次に送るデータについては、出版社が旧ISBNコードで管理する場合は従来通りの方法で商品コードを設定。出版社が新ISBNコードで管理する場合は、①「978」の接頭コードを除いた10桁、②「978」を除いた上、末尾のチェックデジットを空白にする――のいずれかの方法で商品コードを設定する。
2.発注データなど、取次から出版社に送るデータは、商品コードに従来通りの旧ISBNを設定。新ISBNコードで管理する出版社は、13桁の新ISBNへ変換後に自社システムに接続する。
質疑応答で、取次―書店間の対応についての問いに中村委員長は「全て個別対応なので統一した答えは出せないが、トーハンの例で言うと、10桁も13桁も両方対応できるので、書店の希望する方法でやるようにしている」と回答した。
取協では、今回の提案について各出版社からの回答を集約するほか、13桁ISBNへの完全対応も含めた新フォーマットの研究を平行して進めていく。

増売委員長に筒井氏/神奈川組合

神奈川県書店商業組合(長谷川義剛理事長)の定例理事会が9月11日に神奈川県社会福祉会館で開催された。主な審議事項は次の通り。
1、各委員会構成について検討した結果、新たに増売委員会を作り委員長に筒井正博氏(伊勢治書店)を決定。情報化推進委員長に清水屋純一氏(たらば書房)、事務局に小林倫子氏が決まり、他の委員長は全員留任となった。
2、県教育委員会の主催により10月28日に横浜市西区の「はまぎんホール」で、かこさとし氏の講演会が行なわれることになり、西支部を中心として全面協力することになった。
3、日書連で企画した新販売システムについては全面協力することとなり、組合員への徹底を申し合わせた。
4、小田原支部の理事から、同地区の湯河原町真鶴町書店が返品運賃を負担させられており、同じ組合員なのに他地区に比べて大変不公平であるとの発言があり、今後検討することになった。
(平井弘一広報委員)
〔神奈川理事会日程〕
平成18年=11月8日(水)
平成19年=1月12日または19日(金)新年会予定、3月5日(月)、5月9日(水)、7月4日(水)、8月6日(月)、8月24日(金)総会予定

読みきかせらいぶらりい/JPIC読書アドバイザー・岡田清香

◇2歳から/『ちゅっ、ちゅっ!』/M・ワイルド=文/B・S・マルゾー=絵/なかがわちひろ=訳/主婦の友社1050円/2005・9
目が覚めてすぐ、遊びに行こうと飛び出した元気なかばのぼうや。途中聞こえてきた音に大事なことを思い出し、お母さんの元へ一目散に駆け戻る。暖かい色合いの草原や木々の下で、動物の親子が寄り添い見つめあう眼差しの優しさ。ふんわり気分に包まれて幸せなひと時になりそう。
◇4歳から/『りんごりんごろりんごろりん』/ひだのかな代=作/新風舎1470円/2006・6
あるひどこかの山の中。真赤なりんごを取り合って動物たちが大喧嘩。勢い余って坂道に落ちたりんごを追いかけ、みんなころころ転がり出した。くっきりしたコントラストで動きを捉え、動物達の表情も生き生きして面白い。リズミカルな言葉が軽快に弾み親子で一緒に楽しめそう。
◇小学校低学年向き/『ふつうに学校にいくふつうの日』/C・マクノートン=文/きたむらさとし=絵/柴田元幸=訳/小峰書店1365円/2005・5
ふつうの男の子のふつうの一日の始まりはセピア一色。教室に全然普通じゃない先生が現れて、突然フルカラーの世界が輝き出した。遥かに広がる想像の飛行へと導いてくれる旋律との出会いは、まるで魔法のよう。さらっとユーモアを織り込んで、ふつうの子を爽やかに勇気付ける絵本。

絵本ワールド、総代会について討議/兵庫理事会

兵庫県書店商業組合(三上一充理事長)は9月12日、海員会館エスカル神戸で定例理事会を開催した。
三上理事長は、冒頭のあいさつの中で、10月8~9日に開かれる「絵本ワールドinひょうご」及び24日開催の総代会について、組合員のさらなる協力と参加を要請した。
また「絵本ワールド」に関して事務局から、今回の開催場所である六甲アイランド南端の神戸国際大学について、距離的には遠くなり面積は昨年の約半分になって集客が危ぶまれるが、「子供の国」「ワークショップ」など内容をパワーアップしているので、神戸新聞社などの広報活動に力を入れるとの報告があった。さらに、大阪屋からのマージンの引き下げを受けたことに対し、経緯を説明するとともに日書連に申し入れをし、確認すると述べた。
各支部からは、10月の総代会に向け支部総会が行われたことと、今後の予定について報告があった。また、中小書店が閉店や脱会する反面、大型店やチェーン店の出店の報告が多く寄せられた。
(中島良太広報委員)

ふるさとネットワーク/東海ブロック編

〔山梨〕
山梨市の高台に位置する「山梨県笛吹川フルーツ公園」は、フルーツの歴史や科学について多角的な展示をした「くだもの館」や図書室、バナナやパパイアをはじめ珍しい熱帯果樹が植えられ、空中回廊やテラスを設けて立体的に楽しめる「トロピカル温室」、県産品の売店や農産物の直売所、レストランやアクアアスレチック、乗り物ひろばなどもあり、子供たちと来ても十分楽しめる所である。
ここからの眺望は新日本三大夜景にも選ばれており、傾斜面の地形を活かした広大な公園内どこからでも甲府盆地の夜景を見渡せる。温室ドームのライトアップや、ワイン型の噴水がライトアップされ、見所がたくさんある。またフルーツラインと呼ばれる道路からは、車窓から流れゆく夜景を十分楽しめるドライブコースとして人気を集めている。(上田久広報委員)
〔静岡〕
浜岡原発の北にある池宮神社畔の「桜が池」の神事「お櫃納め」は毎年9月21~23日に行われる。平安末期、仏陀入滅より56億7千万年後に出現するという弥勒菩薩に教えを請うため、皇円上人は龍蛇に身を変えて池深くに沈まれた。その師の供養に、法然上人が赤飯を詰めたお櫃を沈めた事に始まるこの神事は、8百年余りも続いている。沈められたお櫃が、数日後には空になって浮いてくる事や桜が池と地中で続いているとされる諏訪湖にもお櫃が出るとも言われるこの伝説は遠州7不思議の1つとされている。遠州灘で身を清めた氏子遊泳団の若者が1個づつお櫃を持って泳ぎ、池に沈めていく様は、まさに奇祭。祭りの3日間は、祭り屋台を引き回す掛け声や参道にあふれる見物客で、普段森閑とした桜が池が大賑わいの喧騒につつまれる。(白松猛広報委員)
〔愛知〕
組合書店でオリジナル企画を販売しようと、愛知組合の東三河支部と西三河支部が合同で『家康三河紀行』上・下巻、各980円を取り上げた。目標は1000部で、直取引のため粗利は約3割を確保。ブックレット風で、ストーリー性を持たせた表現なので、「体感する歴史」本として、読者に大変おすすめしやすい。また、案外知られていない家康の「三河統一」においての苦しんだ時代の足跡が内容に盛り込まれた。
役員らの熱意が通じたのか、多くの組合員の参加があり、上々のスタートをした。「成せば成る」「一寸の虫にも五分の魂」の心意気が伝わってくる。「町の本屋」の底力が試されるであろう。また、これを機会に各書店店頭に「家康本」コーナーが再現されるのも、書店活性化の一方法かもしれない。
(榊原壮一広報委員)
〔岐阜〕
岐阜県中部に位置する郡上市。郡上八幡(旧八幡町地区)は飲食店の店頭を飾る「食品サンプル」発祥の地として有名だ。
食品サンプル製作を初めて事業化したのは八幡町出身の故・岩崎瀧三氏。同氏が設立した岩崎グループで全国シェア50%以上、市全体で全国シェア70%を占め、市内には食品サンプルを製造する会社のほか、食品サンプル作りの体験ができる観光施設がある。食品サンプルは郡上八幡を代表する地場産業である。
食品サンプル作りが体験できる観光施設の1つに食品サンプル創作館「さんぷる工房」がある。築150年の町屋造りを利用した外観で、観光客に大人気のスポットだ。サンプル品のお土産や体験コーナー、プロの製作工程を無料で見学できる。写真の美味しそうなラーメンも恐ろしいぐらい本物にそっくりだ。
〔三重〕
三重は古来「美し国」「御食の国」、ウマシクニ、ミケノクニと呼ばれ、豊かな自然と食材に恵まれています。日本の真ん中にあって、中部と関西の大都市機能も享受できる県です。
中でも伊勢市は神宮をはじめ数ある観光資源があり、これらを生かした伊勢志摩地域中核都市圏にふさわしい、バランスのとれた発展を目指しています。
伊勢の街は一歩足を踏み入れると、タイムスリップしたような世界に触れることができます。また、文化やスポーツを体験することもでき、その後は地域の新鮮な特産物を堪能することができる街です。
数年後に遷宮を迎える伊勢の街を是非訪れてください。(藤田忠男広報委員)

トーハン、日販創立57周年記念式典行なう

◇トーハン
トーハンは9月19日午後4時から本社8階大ホールで創立57周年記念式を開き、あわせて永年勤続者として30年勤続52名、20年勤続33名、10年勤続65名を表彰した。山﨑厚男社長のあいさつ要旨は以下の通り。
「今年度の目標は、売上高6713億円強(前年比102・5%)だ。現在9月期途中だが、売上、利益を強く認識して全社員一丸となって目標達成に向け取り組んでほしい。競争激化の環境下にあり、昨日と同じ磐石さが明日も保証されているとは言えない。明日存亡の危機に陥るかもしれないという危機感をもってもらいたい。
年度期限の目標達成にはスピード感と情熱をもった行動が必要だ。加えて、中長期的な成長を確保するために必要なことは、「トーハンじゃなければだめなんだ」と顧客にどうやって言っていただくかということ。どんなにすばらしい商品やサービスでも、競争が激しくなれば同質化し、お客様の判断基準は価格の安い方向に向いてしまう。コモディティ化を防ぐためには、顧客を感動させて、他へ振り向かせないようにする。まさしくこのために桶川を作ったのだ。これからが本番になるが、桶川の使い方については集中特化して推進する。マスマーケティングからワントゥワン、顧客への個別対応へと、前例踏襲の世界を打破する。
桶川を使って他が真似できないビジネスモデルを作るには、どうしたらよいのか。誰も手取り足取り教えてはくれない。時代は急速に変化し、昨日正解だったことが今日は通用しない。あっという間にコモディティ化し、顧客から見捨てられてしまう。桶川を使って、そういう事態を防ぐためにそれぞれが考え抜いて新しいことを始めなければいけない。
トーハンは桶川という武器を使い、常に新たなことに取り組み続ける皆さんの力をもって、顧客を感動させ、他へ振り向かせないようにする。さらに、顧客が拡大し、結果、出版文化の維持向上が図られるということになる。そこを目指すのである。本当に有意義で、やりがいもあり、誇りのもてる仕事だ。
今年度も既に半ばを迎え、まもなく折り返し点にさしかかる。残された時間は有限だが、強い意志と実行力をもって行動し、結果を出すには十分な時間だ。変化を恐れず、自らの可能性を信じて、今こそ明日への挑戦を加速していこう」
◇日販
日販は9月8日、日販本社5階会議室で創立57周年式典を挙行。あわせて社長賞(3組)のほか、特別協力賞、日販事業グループ優秀賞、日販事業グループ貢献賞、日販事業グループ特別賞の表彰も行なった。古屋文明社長のあいさつ要旨は以下の通り。
「日販は今期から新しい中期経営計画『NEXT』をスタートさせた。『新たな成長を実現する構造改革の推進』を基本方針として、改革をさらに推し進め、新しい成長領域にグループ全体で進出していくことを目指している。
第一の基本戦略『効率販売と売上シェアアップを実現する本業の革新』においてはまず、責任販売やインセンティブ契約の拡大、店頭のさらなる活性化など、トリプルウィンの深化・拡大が求められる。また業界全体の収益力アップのためにも、取次が持つマーケットデータを活用して販売効率を高めていくことが必要だ。さらに取引先の繁栄、他店との差別化につながるCRMの推進も、これからの重要なテーマだ。
第二の基本戦略『取引先の課題解決を支援する情報・物流インフラの構築』においては、王子のリニューアルについて、他産業に伍するまで改革のレベルを引き上げていくことが望まれる。またSAシステムについては、大規模店向けの『WEB―TOTAL』、小規模店向けの『Z―UPネットワーク』等、日販の流通インフラをより強固にするために、普及拡大に力を注いでほしい。この他にも、グループ全体でさまざまな事業領域に積極的に進出し、日販グループの収益拡大を目指していきたい。
『NEXT』においては、幅広い革新的な施策に取り組んでいくわけだが、忘れてはならないのは、全役職員が改革の一翼を担っているということだ。各人が自分の目標をしっかり見極め、果たすべき責任を全うすることをお願いする。日販の強みは、ボトムアップが活発に行なわれているということではないか。この風土を大切にし、全社員が活発に経営に参画できるような会社であり続けたい。皆さん方の積極的な関与をぜひお願いする」

新・アジア書店紀行/ノセ事務所代表取締役・能勢仁

第5回ニュージーランド北島
〔ニュージーランドについて〕
ニュージーランドは北島と南島からなっている。国土は27万平方㌔、本州の1・2倍)であり人口は僅か349万人(横浜351万人)である。従って人口密度は日本の25分の1である。人より羊の方が多いといわれるのも、むべなるかなである。最南端は南緯46度であるから、日本の稚内に当たる。位置関係は丁度日本の逆と思えばよい。住宅は北向きがよく、南風は嫌われる。季節も反対になる。
〔オークランドの書店〕
ニュージーランドの首都はウェリントンであるが、国内一番の都市はオークランド(人口135万人)で、ニュージーランドの玄関の役目を果たしている。
1.ウイットコール書店Whitcoulls
所在地はクイーン通りとビクトリア通り交差点角にある。銀座4丁目角である。6階建てビルの1~3階を使用している。1階入り口にレジがあり、少し離れた所にインフォメーションコーナーがある。共に2名の女性が待機している。1階店頭でバーゲンを実施中1ドルフェア、5ドルフェアで、多くの人を集めていた。
1階は間口15間奥行20間300坪である。右三分の二は本、左三分の一はカード、文具である。店中央に昇降のエスカレーターがある。1階は新刊、バーゲンブック、ガイド、マップとニュージーランドブックが主である。
中2階はエスカレーターを囲んで、雑誌売場とDVD売場に二分されている。雑誌売場だけで40坪はある。レジカウンターとインフォメーションカウンターは兼用で、約5㍍と大きい。
2階の右三分の一はこどもの本、ゲーム、ジグゾー中央の三分の一はレジとバーゲンブック、左三分の一は実用書、専門書、コンピュータ書、小説、詩となっている。売場は24間×18間=432坪である。こどもの本に力が入っている。中でもファーストブック、LearningAids、5~8歳、8~12歳と分けている。社会科学、人文科学は少ない。理工、自然科学書は殆どない。僅かにサイエンスの棚があるだけである。
競合店として道を挟んでボーダーズがある。専門書はボーダーズの方が量、質共に充実している。こどもの本は互角か、少しウイットコールの方が強い。この店の特色は文具に強いことである。多分オークランド一番であろう。
2.ボーダーズ書店
所在地はテアトロの1階、シビックシアターの隣である。1階は8間×10間=80坪、入口にレジがあり、左側は雑誌ゾーン、中央に地下売場にゆく階段がある。右側は新刊、フィクション、ノンフィクションがある。1階奧にインフォメーションとその前にバーゲンコーナーがある。
この店の内部構造は入り組んでいる。1階右奧から中地階売場Cooking、Animal、Healthの並んでいる売場30坪にゆける。そこからボーダーズ・カフェに行ける。そしてカフェ端の階段をおりると地階売場約200坪の専門書、児童書売場に出られる。反対に半地階左奧から階段を降りると、そこにはビデオ、DVD、CD売場とトイレ入口である。その売場を通過し階段を降りると、前記の200坪の児童書、専門書売場に行ける。この地階がボーダーズで一番充実しているフロアである。
その理由は売場がゆったりしているからである。こどもの本、コンピュータ、レファレンスブック、ロマンス、クライム、芸術、建築、スポーツ、マップ、バーゲン広場がある。読者用のソファ、椅子が豊富に用意されているのも特色である。400㍍の至近距離にウイットコールという競合店があるが、専門書ではボーダーズに軍配があがる。専門書、芸術、歴史、特にMilitaryHistoryは充実している。迷路の売場は池袋リブロに似ている。
もう一つの特色はスタッフの薦める本50点全部にコメントがつけられていることである。隣にベストセラー棚があるが、読者はスタッフ・チョイスの棚の前に群がっている。インフォメーション機能の多いことも特色である。ボーダーズの買い物袋を4ドル90セント(400円)で買ったが、生地、縫製、体裁、色彩ともにお粗末であった。
3、ダイモックス書店DymocksBooksellers
オークランド第三の大型書店である。クイーン通りから一本西側のエリオット通りにある。スミス&コーイデパートの裏側にある。アトリアムショッピングセンターの一階にあり、通りから見える単独店形式の明るい大型書店で、大人の店という感じがする。文芸、新刊、アート、Cooking、Home、ガーデニング、コンピュータ、旅行書に力が入っている。
奥行きの深い書店で26間はある。ワイドは15間であるから、390坪のワンフロアの大型書店である。ボーダーズ、ウイットコールに比較して、ワンフロア、路面店であることは強みである。店の奧では約30坪を使ってバーゲンセールを大々的に実施している。
これは市内一番である。この売場はSC側からも入れる場所なので、実施場所としては効果的である。店頭の雑誌売場は場所もよく、240誌が並んでいる。レジは2カ所だけ、男5人、女7人の要員である。サービスも良い。
4.ペーパープラス
PaperPlus
この店はオークランドの中心地から離れたパーネル通りの真ん中にある17間×3間=51坪の店である。パーネル通りは一軒一軒が個性的な商店通りで、その中心地にペーパープラスはある。ウイットコール書店を大型チェーン店とすれば、この店は中型チェーン店である。クインズタウンにも、ロトルアにもあった。このチェーンに共通していることは本60、文具40といった割合で、文具に力が入っている。それと地域密着型の書店である。専門書は無いかわりに、雑誌、最寄り書籍が多く並んでいる。地元の人には便利な店である。このパーネル通りのペーパープラスは、鰻の寝床タイプの店で、手前本、奧文具である。レジは店中央に1カ所、男性店長が居た。読者とにこやかに話しているのは馴染み客なのであろう。

入りやすく買いやすい店作りテーマ/トーハンでセミナー

トーハン・コンサルティングは10月18日午後1時から東京・東五軒町のトーハン本社でトーハン書店大学「入りやすく買いやすい売れるお店作り入門セミナー」を開催する。
講師は公開経営指導協会の河野英俊氏。プログラムは①お客さまが入りやすいお店にする方法②お客さまが買いやすいお店にする方法③陳列とPOPのポイント④カテゴリーマネジメント⑤お店の利益をチェックする3つの効率⑥まとめ「提言・売れる書店になるために(戦略と具体策)」――の6部で構成。
客の視点に立って自店の売場を見直したい、売場改善についての考え方や具体的な手法を学びたい書店員が対象。小売店としての売場の魅力を高め、客の心をつかむ競争力をつけるために必要不可欠なスキルを習得することを目的として、「入口」「レイアウト」「陳列」「POP」などのテーマから、客の視点に立った売場作りや、すぐに実行できる具体的な手法を学ぶ。
受講料(テキスト代、資料代、消費税含む)は1名につき全国書店共助会加入店1万円、同・非加入店2万円。問い合わせ・参加申し込みはトーハン・コンサルティング教育事業部まで。℡03‐3267‐8686

鏑木蓮、早瀬乱両氏が受賞/江戸川乱歩賞

第52回江戸川乱歩賞に鏑木蓮氏『東京ダモイ』と早瀬乱氏『三年坂火の夢』が決まり、9月15日午後6時から日比谷の帝国ホテルで贈呈式が行なわれた。
日本推理作家協会・大沢在昌理事長は「この賞を受賞した作家は、次回受賞作が発表されるまで、次の作品を書くことができないというジンクスがある。今回受賞された2氏がこのジンクスを破り活躍することを祈っている」と祝辞を述べた。
講談社・野間佐和子社長は「受賞者2氏はすでに他の文学賞も受けている実力者。今後も魅力ある作品を」、フジテレビ・村上光一社長は「映像化し、受賞作のお手伝いをしたい」といあいさつした。
大沢理事長から正賞の江戸川乱歩賞と副賞1千万円(2作受賞のため折半)が手渡されたあと、井上夢人氏が「力作が集まり、ダブル受賞の方向で選考した。新鮮で将来が期待できる2氏を選ぶことができた」と選評した。
鏑木氏は「題材は殺人事件だが、読者に生きる勇気を与えることができるミステリーを書いていきたい」、早瀬氏は「無茶苦茶なところが選考委員の心に残ったのではないか。たゆまず努力して書き続けたい」と受賞の言葉を述べた。

人事

☆主婦と生活社
(9月26日付)専務取締役(管理本部長)高納勝寿
常務取締役(広告本部長)佐々木行夫
☆土木・建築書協会
(9月20日付)
▽会長=森北肇(森北出版)▽副会長=後藤武(彰国社)▽財務委員長=松元龍治(山海堂)▽販売促進委員長=坂田繁(近代図書)▽研修委員長=飯田眞理(技術書院)▽会計監査=佐藤弘(相模書房)長祥隆(技報堂出版)
☆三省堂書店
(9月20日付)
〔組織改正〕
1、社長室を新設する。
2、総務室と人財開発室を統合し、総務・人財開発室とする。
3、店売グループにCS担当スーパーバイザーを置く。人財開発室CS担当は廃止する。
4、企画事業部システム営業担当を廃止し、その機能を外商推進室が引継ぐ。
〔人事異動〕
理事社長室長手塚弘
理事経営戦略グループ次長総務・人財開発室長
茂木光則
店売グループチーフスーパーバイザー兼FC店舗担当リーダー小野寺利雄千葉エリアマネージャー
横内正
広名古屋・関西エリアマネージャー関谷純
東東京エリアマネージャー
奥出真紀夫
総務・人財開発室室次長兼総務担当リーダー大野誠
外商推進室総括担当リーダー手島一博
店売グループCS担当スーパーバイザー桜田洋二
同長谷川芳典
社長室秘書担当久野正博

大阪日販会/出版博覧会に250名参加

大阪日販会は9月6日、大阪市の大阪会館で第9回大阪日販会出版博覧会(オオサカパンパク)を開催。会員書店をはじめ出版社、日販関係者など総勢250名が参加した。会員書店の参加人数は過去最高の114名だった。
会場内では出版社40社がブースを出展。各ブースでは出版社側から会員書店に「仕掛け販売推奨商品」「おすすめ商品」などを紹介、活発に商談が行なわれた。
商談会終了後、大阪日販会・長谷川政博会長が挨拶に立ち「オオサカパンパクも回を重ね9回目を開催することができた。大阪日販会の企画として定着した感があり、今回も数多くの会員、出版社が参加し、商談風景も非常にいい雰囲気を感じた。オオサカパンパクのコンセプトは『人と人との出会い』。商談を通じた出会いを財産として今後の商売に活かしていただきたい」とあいさつした。
続いて、参加出版社による1分間おすすめ商品PR「得トーク」が行われた。「出版社がたくさん参加しているのに数社しか商談が出来ない。情報がもっとたくさん欲しい」との会員書店からの声によって始められた企画で、参加書店は熱心に聞き入りメモを取っていた。その後、商談会を再開。終了間際まで各ブースとも来客が絶えることなく、盛況のうちに終了した。

第18回読書感想画コンクール、指定図書決まる

全国学校図書館協議会と毎日新聞社が主催する第18回「読書感想画コンクール」の指定図書が以下の通り決まった。
〔小学校低学年の部〕
『ゆうひのしずく』あまんきみこ、小峰書店、1365円、『ソレイユというなのふしぎな子』さかきかずこ、草炎社、1155円、『はたけしごとにとりかかろう』ジョーン・ホルブ、評論社、1365円、『わたしのあかちゃん』澤口たまみ、福音館書店、880円
〔小学校高学年の部〕
『菜緒のふしぎ物語』竹内もと代、アリス館、1365円、『ハロルドのしっぽ』ジョン・ベーメルマンス・マルシアーノ、BL出版、1470円、『あなたの声が聞きたい/聴覚障害の両親に育てられて』岸川悦子、佼成出版社、1575円、『象と生きる』新村洋子、ポプラ社、1365円
〔中学・高校の部〕
『キップをなくして』池澤夏樹、角川書店、1575円、『黒猫が海賊船に乗るまでの話』古市卓也、理論社、1680円、『EGR3』へレン・フォックス、あすなろ書房、1680円、『アホウドリに夢中』長谷川博、新日本出版社、1575円、『ちいさな命がくれた勇気/ナチスと戦った子どもたち』キャシー・ケイサー、主婦の友社、1680円

本屋のうちそと

先月、懇意にさせて戴いていた書店さんお2人が廃業された。後継者がないことが理由だそうだ。
私の場合も、大学生の子供が2人いるが、本屋を継ぐ意思を持っていない。こちらも継げと言うつもりもない。
今年は、トーハンと日販は社長の交代、大阪屋は会長の退任と経営トップの人事異動があった。大企業であれば、事業の継承はそれほど問題がない。個人企業であれば、代表者に全てが懸かっている。銀行の融資はときには生命保険に加入している事が条件になる場合がある。年齢が70才を超えると、事業継承者の同意の印鑑がなければ融資に応じてもらえない。80才を越えると、掛け捨ての医療保険も加入できない。
高齢の個人経営者は事業を継続して行く上で余りにもハンデが多すぎる。
高齢の夫婦で本屋を営んでいる知り合いは、「本屋で儲けは出ない。夫婦の年金で暮らしていて、本屋はボケ防止でやっている」と自嘲気味の発言をされている。
私も今年の8月で本屋を始めて満30年になった。70才まではあと11年あるというものの、ぼちぼち「出口」を意識しておかなければならない歳になりつつある。
考えたくない事を考え、考えられない事に備えなければ事業は続けられない。
ちりぬべき時知りてこそ世の中の
花も花なれ人も人なれ
(井蛙堂)