全国書店新聞
             

平成30年8月15日号(前)

粗利30%以上、結束して獲得/組合員数減少対策が急務/関東ブロック会

日書連・関東ブロック会は7月22日、茨城県書店商業組合の設営によりつくば市の山水亭で2018年定期総会を開催。鈴木喜重ブロック会長(千葉組合理事長)は、粗利益30%以上の獲得を目指す日書連の運動に関東ブロック会も一致結束して協力しようと呼びかけ、日書連の舩坂良雄会長は粗利益30%以上の実現に向けた方策を業界3者による実務者会議で検討していると報告した。
総会は鈴木ブロック会長、群馬組合・竹内靖博理事長、埼玉組合・吉田矩康理事長、神奈川組合・山本裕一副理事長、茨城組合・池田和雄理事長をはじめ会員組合の役員ら計22名が出席。茨城組合・田所和雄副理事長の司会で進行し、同・池田理事長の開会の辞に続き、鈴木ブロック会長があいさつ。
鈴木ブロック会長は、はじめに栃木組合が組合員減少による組合費削減のため3月31日付で日書連を脱会した経緯を説明。粗利益30%以上の獲得を目指す運動については、「舩坂会長は実行力がある。就任してすぐに外商雑誌の買切による報奨金で収益改善を図る施策を提案し、今は粗利益30%以上の実現に向けて自ら動いている。書店を続けるには粗利益30%以上が必要という書店の声を出版社と取次に伝え、業界3者による実務者会議でどうすれば実現できるか話し合っているところだ。関東ブロック会も一致結束して推進しよう」と協力を呼びかけた。
続いて日書連・舩坂良雄会長があいさつし、日書連の重点課題として①書店環境改善、②出版物への消費税軽減税率適用、③万引防止対策――の3点を報告。
書店環境改善の取り組みについては、書協、雑協、主要出版社、取次を訪問し、全国小売書店経営実態調査の結果をもとに「安定した書店経営のためには粗利益30%以上が必要」と訴え、実現への方策を研究するため業界3者による実務者会議を設置したと報告。「各社が厳しい中、書店が中心となって業界3者の話し合いの場を持てたことは大きな一歩」と評価し、来年3月までに一定の結論を出したい意向を示した。
消費税軽減税率適用については、「来年10月に消費税率10%への引き上げが実施される。今秋までが正念場」と強調。自民党税制調査会メンバーの国会議員に各選挙区の地元書店組合から陳情活動を行うよう要請したことを説明し、関東選出の額賀福志郎小委員長(衆・茨城2区)、甘利明副会長(衆・神奈川13区)、小渕優子副会長(衆・群馬5区)、山際大志郎幹事(神奈川18区)への陳情で協力を求めた。
万引防止対策では、「万引防止出版対策本部」の発足と、渋谷地区の書店間で万引に関する情報を共有し防止に取り組む「渋谷プロジェクト」の準備状況を説明。「これまで書店だけ万引被害の負担をしてきたが、出版業界全体の問題として取り組んでもらえるようになった」と述べた。
このあと鈴木ブロック会長を議長に議事を行い、すべての議案を原案通り承認。各県組合からの報告では、組合員数減少と図書館納入問題への対策が喫緊の課題との意見が目立った。
続いてベレ出版・内田眞吾取締役相談役が「なぜ本屋の無い地域への出店という暴挙を、あえて行ったのか?~本と書店の大切さを再認識するために~」をテーマに講演。茨城組合・川又英宏副理事長の閉会の辞で総会を終了した。

18年上半期の紙市場/8・0%減の6702億円

出版科学研究所は2018年上半期(1~6月)の出版統計を発表。これによると、紙と電子の出版物の市場規模(推定販売金額)は前年同期比5・8%減の7827億円となった。
紙の出版物(書籍・雑誌合計)の推定販売金額は同8・0%減の6702億円。内訳は書籍が同3・6%減の3810億円、雑誌が同13・1%減の2892億円だった。

図書館納入実態調査を実施/「いばらき読書フェス」が盛況/茨城総会

茨城県書店商業組合は6月26日、水戸市の茨城県教科書販売で第32回通常総会を開催。組合員55名(委任状含む)が出席した。
総会は秋山誠二理事の開会の辞で始まり、池田和雄理事長があいさつ。「平成29年度書籍・雑誌販売金額は前年比6・9%減となり、特に雑誌とコミックが大きく落ち込んだ。地方の中小書店の経営基盤である雑誌は高回転率が望めず、経営が厳しくなっている」と指摘。日書連では、書店粗利益30%以上を実現するための運動や出版物への消費税軽減税率の適用を求める運動などに取り組んでいると説明した。
議長に川又英宏副理事長を選出して議事を進行。平成29年度事業報告、収支決算書、監査報告、平成30年度事業計画案、収支予算案などすべての議案を原案通り可決。事業報告では、①「いばらき読書フェスティバル」で茨城県に関する出版物(蔵出し本)の展示・販売が盛況だった、②茨城県教科書販売・秋田順一氏が水戸裁判所で万引防止講習を行った、③公立図書館および公立小中学校図書館への納入実態調査と現状把握の集計結果を報告した、④小学館『最新世界大地図』を増売企画として取り上げ、茨城県教科書販売とタイアップして組合加盟各書店が増売に取り組んだ――などの報告があった。
来賓の県中小企業団体中央会・近藤哲生事務局次長が祝辞を述べ、塚越賢次理事の閉会の辞で総会を終了した。(高橋雅夫広報委員)

読書週間書店くじ実施要綱

▽実施期間平成30年10月27日(土)より11月9日(金)まで。書籍・雑誌500円以上購入の読者に「書店くじ」を進呈
▽発行枚数130万枚。書店には1束(500枚)3571円(税別)で頒布
▽申込方法と申込期限注文ハガキに必要事項を記入し、束単位で所属都道府県組合宛に申し込む。締切は8月20日(厳守)
▽配布と請求方法くじは取引取次経由で10月20日前後までに配布。代金は取引取次より請求
▽当せん発表12月5日。日書連ホームページ並びに書店店頭掲示ポスターで発表
▽賞品総額1859万円
当せん確率は9・6本に1本
1等賞=図書カード
又は図書購入時充当1万円260本
2等賞=同1千円390本
3等賞=同5百円5200本
4等賞=図書購入時に充当百円13万本
▽賞品引換え1、2、3、4等賞は取扱書店で立替え。図書カード不扱い店または品切れの場合は、お買い上げ品代に充当
▽引換え期間読者は12月5日より平成31年1月10日まで。書店で立替えたくじは平成31年1月31日までに「引換当せん券・清算用紙(発表ポスターと同送)」と一緒に日書連事務局に送付
▽PR活動「読書週間書店くじ」宣伝用ポスターは日書連ホームページ(http://www.n-shoten.jp)よりダウンロード(郵送はしません)。全国書店新聞に実施要綱を掲載。日書連ホームページで宣伝

五十嵐太右衞門理事長を再選/県内出版物をHPで発信/山形総会

山形県書店商業組合は7月20日、山形市の山形県教科書供給所会議室で平成29年度通常総会を開催、組合員26名(委任状含む)が出席した。
総会であいさつした五十嵐太右衞門理事長は、日書連で取り組んでいる「書店粗利30%獲得」について言及し、山形組合も協力し必ず実現しようと述べた。また、11月1日の「本の日」を県内読者に啓蒙していきたいとしたほか、再来年山形で行われる「書店東北ブロック大会」の準備をスタートすると述べた。
五十嵐理事長を議長に選任して議事を行い、第31期事業報告、収支決算書、第32期事業計画、予算など全ての議案を原案通り承認可決した。平成30年度活動計画については、日書連実施の読書推進活動への取り組みや、県立図書館とタイアップした読書推進活動の実施、組合ホームページによる県内出版物等の全国への発信を行うことを決めた。任期満了に伴う役員改選では、理事6名、監事2名を選出、五十嵐理事長の再選を決定した。
(五十嵐靖彦広報委員)

「春夏秋冬本屋です」/「店の不安要因?」/福井・じっぷじっぷ代表取締役社長・清水祥三

10年ほど前、父がもうすぐ90歳という頃、散歩に出て、顔面に怪我をして帰ってきたことがあった。本人はあまり覚えておらず、取りあえず治療のため翌日、姪に病院へ連れて行ってもらった。広い待合室で診察を待っている時、父が姪に聞いたそうだ。「華子はどこが悪いんや?」急に言われた姪は「ええ?何言うてるの!私じゃないよ!じいちゃんやがね!!」その答えに父は「エっ!?じいちゃんか!!」この話、ことあるごとに笑い話として他人に話しウケてきた。
先日、事務所の冷蔵庫を毎日開けるたびに黒くなっていくバナナが1本、目に入る。気にはなるし怒りも少しわいてきたので、朝の作業中にパートさんたちに「誰なんだい?冷蔵庫に入れっぱなしのバナナ!」「えっ?社長ですよ!」「みんなが社長だって…」「エエっ!お、俺か!そういえば先週、冷蔵庫に入れたような…。俺か」ショック!この調子だと自分でベストセラーを返品しておいて、「誰が返した~!」なんて言いだしかねない。
我行忘却悪業他所為(自分の行為は直ぐに忘れて悪い結果は人のせいにするという造語)。中高生の活字離れや雑誌、コミックの売上低下等に加えこんな身近にこの店の先行き不安要因が潜んでいたなんて…。
さてさて、今日も店のみんなにサポートを受けながらがんばりますか。

11月1日は「本の日」全国書店でフェアなど実施/「本の日」実行委員会を設立

11月1日を「本の日」として全国の書店でキャンペーンを展開しようと、全国の書店・書店会で構成する「本の日」実行委員会が発足。7月30日に東京・新宿区の日本出版クラブ会館で設立式が行われた。
「本の日」は書店新風会の大垣守弘会長(大垣書店)が提唱し、日本記念日協会に申請して昨年制定されたもの。実行委員会は、一部の書店や書店会に限定せず、設立後も幅広く参加を呼びかける。出版社、取次、関係団体にも働きかけ、出版業界を挙げた恒例行事とすることを目指す。
キャンペーン期間は10月1日から11月30日まで。「11月1日は本屋へ行こう!」キャンペーンとして趣旨に賛同する書店がブックフェアやイベント等を独自に展開するほか、実行委員会として絵本のビブリオバトルや図書カードが抽選で当たるプレゼントキャンペーン等を実施。「本の日」オリジナルロゴを作成し、SNSにより各イベント情報の拡散を行う。
設立式で、実行委員会設立発起人代表の日書連・舩坂良雄会長は、「大垣会長が、この業界をよくしたい、1冊でも多く売っていきたいという考えから構想したのが、この『本の日』。全国の書店に周知徹底し、本の増売とお客様に喜んでいただける仕組みを考えたい。キャンペーンの具体的な内容が固まってきたので、日書連の9月理事会で賛同を得て企画を盛り上げていきたい」と述べた。
来賓を代表してあいさつした日本書籍出版協会・相賀昌宏理事長は、「この運動を大きくするには、まず出版業界で働く人間が率先して『本の日』に書店に行くようにすることが大事。書店に人が集まるならば、何かやろうじゃないかという考えになる」と指摘。製紙、印刷、加工業者、作家など業界関係者にも呼びかけ書店に足を運んでもらうようにしたいと述べた。
実行委員を代表してあいさつした大垣氏は、「今まで我々は、出版社が作り取次から配本された本を並べるだけで、努力が足りなかったのではないかと、新風会で話をしていた。個々の書店がお客様にファンになっていただくことが大事だと思い至った。『本の日』を書店に足を運んでいただくきっかけとし、書店の魅力を我々自身で発信して読者を増やしていきたい」と述べた。
〔「本の日」実行委員会設立発起人〕
▽設立発起人代表=舩坂良雄(大盛堂書店)
▽設立発起人=大垣守弘(大垣書店)須藤令子(朗月堂書店)髙橋小織(BOOKS隆文堂)武田初男(ラムラブックセンター芳進堂)田村定良(田村書店)林田芳幸(啓林堂書店)藤原直(金港堂)矢幡秀治(真光書店)山本秀明(金正堂)
〔「本の日」実行委員会メンバー〕
▽実行委員=亥角政春(金高堂書店、金文会)大垣守弘(書店新風会代表)須藤令子(大田丸)髙橋小織(絵本・日本プロジェクト代表)武田初男(東京トーハン会代表)田村定良(西日本OaK友の会代表)林田芳幸(阪奈トーハン会代表)藤原直(東北日販会代表)矢幡秀治(東京日販会代表)山本良(福岡金文堂、金文会)
▽プロジェクトメンバー=赤井良隆(大垣書店)井之上健浩(久美堂)奥野康作(ブックエース)奥村知佐子(南天堂書房)木村歳一(明正堂)草彅主税(有隣堂)中島剛(三省堂書店)林田幸一(啓林堂書店)舩坂仁子(大盛堂書店)森文吾(八重洲ブックセンター)

組合取上げ商品増売に重点/組合員研修で講演会を実施/鳥取総会

鳥取県書店商業組合は6月25日、東伯郡の「琴浦町生涯学習センター」で第30回通常総会を開催。議決権保有組合員(支店加盟除く)17名は委任状出席を含め全員出席した。
総会では、古泉淳夫理事長を議長に議案を審議。古泉理事長は日書連の活動について説明し、「出版業界、書店業界は引き続き厳しい状況にあるが、地域で信頼を得ている地元書店はこの困難を乗り越えてこそ本物だ」とあいさつした。
審議では、窪田憲三副理事長が平成29年度事業報告及び平成30年度事業計画案、馬野清史理事が収支決算報告を行った。また、杉嶋運一副理事長が平成30年度予算案を説明し、全て原案通り承認可決した。30年度予算案については、財政事情は年々厳しくなってきているが、事業計画の中で増売運動委員会が重点目標に掲げている「組合取り上げ商品」(主に郷土出版物)を組合員が販売協力することで、組合の収入を確保しようと再確認した。
総会終了後、組合員研修として「むらの話、ほんの話」と題し、地域の文化的事業へ積極的な関わりを持っている前田昇氏(ブックスタート理事、本の学校副理事長)が講演した。
(井澤尚之広報委員)

TS流通協同組合が解散へ

TS流通協同組合は7月17日、取引出版社に対して、7月31日をもって受発注システムを終了し解散の手続きを開始するとの案内を送付した。
TS流通協同組合は1999年10月に設立。読者の注文を早く確実に届けることを目的に運営してきたが、組合員書店の減少と売上減少が続き、加えて輸送コストの負担が増加しており、組合運営を維持することは困難と判断した。
清算業務の日程については、受発注システムを7月31日に終了、商品受取りは8月20日、請求書締めは8月31日、請求支払いは9月28日。

6月期販売額6・7%減/書籍は2・1%減と小幅な落ち込み/出版科研調べ

出版科学研究所調べの6月期の書籍雑誌推定販売金額(本体価格)は前年同月比6・7%減となった。
部門別では、書籍は同2・1%減と比較的小幅な落ち込みにとどまった。『新・人間革命』(聖教新聞社)の最新刊など大部数の新刊が多かったほか、返品率が改善されたことが小幅のマイナスに収まった要因になった。雑誌は同11・2%減。雑誌の内訳は、月刊誌が同11・5%減、週刊誌が同9・6%減と厳しい状況が続く。
返品率は、書籍が同0・2ポイント減の41・4%、雑誌が同0・3ポイント減の44・5%。雑誌の内訳は月刊誌が同0・4ポイント減の45・1%、週刊誌が同0・5ポイント増の41・9%。月刊誌はコミック、ムックなど不定期誌の返品が大幅に改善した。
書店店頭の売上げは、書籍が同約2%減。その中で児童書は約5%増と健闘。人気シリーズの最新刊『続々ざんねんないきもの事典』(高橋書店)やヨシタケシンスケの新刊絵本などが販売を押し上げた。
雑誌は、定期誌が約8%減、ムックが約2%減、コミックスが約4%増。コミックスは大幅減が続いていたが、6月期は集英社から『ONEPIECE』89巻の発売と『SLAMDUNK新装再編版』(書籍扱いコミックス)が一気に6冊発売され、売行きも好調だったことからプラスになった。

店頭でのベルマーク回収に協力を要請/大阪理事会

大阪府書店商業組合(面屋龍延理事長)は7月14日、大阪市北区の書店組合会議室で定例理事会を開催した。
庶務報告では事務局から、6月18日に発生した地震の組合員書店の被害状況について報告。組合会議室棟が大阪市から「要注意」認定を受け、壁の補修工事を行うことを説明した。
面屋理事長からは重要議題として、6月15日に開かれた日書連「書店環境改善実務者会議」の内容を報告して議論した。また、6月21日開催の日書連理事会・総会や、7月7日に出版物への軽減税率適用に向け自民党竹本直一代議士(第15区選出)へ陳情したことを報告した。
[読書推進委員会]
「本の帯創作コンクール(帯コン)」の最終審査会までの日程について報告した。また、大阪市立中央図書館で行う大阪市版展示会について、設営を7月19日14時、撤収を8月8日10時に行うとして理事の参加を募った。
ベルマーク事業団が帯コンに協力することとなり、ホームページの相互リンクを貼ったことを報告、書店店頭でベルマークの回収をお願いしたいと要請した。資材は取次から送付するとし、回収箱はレジ横に設置するよう求めた。
[経営活性化委員会]
近畿ブロック講演会が、北海道・いわた書店の岩田徹氏を講師として、10月3日に大阪駅前第3ビル17階1号会議室で開催されると報告した。
[出版販売倫理・共同受注委員会]
6月26日に行われた大阪青少年環境問題協議会役員会・理事会について会議の内容を報告した。
[事業・増売委員会]
販売用カレンダーのカタログは7月24日の「組合だより」と一緒に発送すること、仕入れ価格は単価が10円アップ、取引条件は昨年通りと報告した。
[日書連報告]
9月3日締切の「心にのこる子どもの本秋・冬セール」について積極的な申し込みを呼びかけた。
(石尾義彦事務局長)

小野正道理事長を再選/少数精鋭で難局乗り切る/岡山総会

岡山県書店商業組合は6月30日、岡山市の岡山県教科図書販売藤原営業所で第31回通常総会を開催し、組合員40名(委任状含む)が出席した。
総会の冒頭で小野正道理事長(小野書店)があいさつ。小野理事長は、「本日はわが組合の精鋭が出席している。事務局をお願いしている岡山県教科図書販売の林部長も出席。少数だが心強い限り」と出席者をねぎらった。
総会は事務局の林氏を司会に進行し、議長に小野理事長を選任して審議。平成29年度事業報告ならびに収支決算書報告、平成30年度事業計画・予算案などすべての議案を原案通り承認可決した。また、その他の議案で、栃木組合が3月31日付で日書連を脱会したことに触れて、組合を取り巻く現況の厳しさが報告された。
役員改選では、小野理事長を再選。長田勝志副理事長(オサダ文昭堂)が退任し、岡邦彦氏(愛文社書店)が副理事長に就任。また、常務理事に石附俊勇氏(開進堂書店外商部)が就任した。
最後に閉会あいさつで春名武副理事長(昭文堂書店)が、「少数ではあるが今以上に頑張っていこう」と結んだ。
(横井憲五広報委員)

日書連のうごき

7月4日JP0運営幹事会に事務局が出席。
7月5日書店東北ブロック大会に舩坂会長が出席。
7月12日子どもの読書推進会議総会に西村副会長が出席。公取協会講演会に柴﨑、本間両副会長が出席。JPO運営委員会に事務局が出席。
7月17日読書推進運動協議会ポスター等選定委員会に事務局が出席。読売吉野作造賞贈呈式に舩坂会長が出席。
7月19日JPRO管理委員会に事務局が出席。出版倫理協議会に事務局が出席。
7月20日出版平和堂委員会、平和堂維持会に事務局が出席。
7月22日書店関東ブロック会に舩坂会長が出席。
7月24日書店環境改善実務者会議に鈴木、面屋両副会長、春井、中島両理事、東京都組合・矢幡常務理事が出席。
7月25日文化産業信用組合理事会に舩坂会長が出席。万防機構理事会に事務局出席。
7月27日出版梓会70周年懇親の集いに事務局が出席。
7月30日「本の日」実行委員会設立式に舩坂会長が出席。
7月31日軽減税率専門委員会流通WGに柴﨑副会長が出席。

児童書分科会を10月1日開催/年末年始商戦に照準/書店大商談会

第9回「書店大商談会」児童書分科会(主催=「書店大商談会」実行委員会)の説明会が7月11日、東京・新宿区の日本書籍出版協会会議室で開催された。
児童書分科会は10月1日(月)午前10時半~午後4時半、東京・千代田区の一橋大学一橋講堂中会議室で開催する。出展は50ブース、来場書店人数150名を目標としている。出展料は1万4千円(税込み)。商談会の商品案内・特典等をまとめた小冊子を作成し、来場書店特典として当日配布する予定。分科会終了後は懇親会を千代田区一ツ橋の「泰南飯店」で開催する。
この分科会は、クリスマス・年末年始商戦に向けた商品の受注にあわせ、来年2月6日開催の「書店大商談会」本会と分けて初めて開催されるもの。昨年まで「年末年始児童書受注会」を開催していたNET21が協力して実施する。
説明会では、冒頭で矢幡秀治実行委員長(真光書店)があいさつ。矢幡委員長は、書店大商談会を来年2月に移行した理由について、「10月中旬頃の開催では年末商戦に少し遅く、秋は他の地区でも商談会が多いので、出版社も非常に忙しい時期。2月ならば新年度の商品を書店に宣伝していただけるという考えがあった。また、今回はコミック分科会は開催しない」と説明。
さらに今回の分科会開催について、「児童書は、来年度の商材も重要だが年末商戦が一番重要だと考えている。そのため、NET21の協力をいただき児童書分科会を10月1日に開催することになった。2月でなく年内に行うということは重要で、書店でも非常に期待している。ぜひ出展して分科会を盛り上げていただきたい」と述べた。
児童書分科会担当の藤村誠一氏(藤村書店)は「NET21では昨年まで児童書受注会を5回開催してきた。今回は大きな会場でたくさんの出版社に出展いただき、多くの書店を呼べると期待している。書店にとって年末年始は書き入れ時。児童書出版社にとってもクリスマスと年末年始は一番売上げが出る大切な時期だ。この分科会は、出版社と書店、子どもたちをつなぐ大切な会になるはず。この会に来れば書店にとって大きなメリットがあるという企画をお願いしたい」と協力を呼びかけた。
最後に、髙橋小織副実行委員長(BOOKS隆文堂)は「書店大商談会とNET21の商談会両方に出展していた出版社も、どちらか一方に参加した出版社にとってもプラスになるとの考えから、一緒に児童書の商談会をさせていただくことにした。2月の書店大商談会にもぜひ出展し、新学期の商品をアピールしていただきたい。11月に開催する大阪のBOOKEXPOに出展する出版社の商品情報を、書店大商談会に来場した書店に提供したいと考えている。また、書店大商談会に出展した出版社の情報は、大阪や北海道の商談会に来場した書店にも提供する予定でいる。商談会に出展すると全国に情報が伝わる形にしたい」と述べた。

「親子の日」に親から子へ本を贈ろう/阿刀田高氏らが本を贈る魅力をトーク

「『親子の日』に〝本を贈ろう〟フェア」のPRイベントが7月13日、東京・渋谷区の渋谷ガーデンタワーで開かれ、作家・阿刀田高氏と新潮社出版部・中瀬ゆかり部長が、本を贈る習慣や本の価値についてトークセッションを行った。
このフェアは、7月第4日曜日の「親子の日」に、親が日頃なかなか言葉にして伝えられない想いを「1冊の本」に込めて子どもに贈ろうという新しい習慣を提案するもの。TSUTAYAが幹事となって「本でつながる『親子の日』書店プロジェクト」を発足し、参画する書店約900店で7月1日から7月22日までフェアを開催。「親から子へ贈りたい本」の推薦本コーナーを展開し、メッセージを書き込むことができるしおりや、オリジナルブックカバーを配布した。
阿刀田氏は、今春まで6年間にわたり山梨県立図書館館長を務めたこと、山梨県が推進する「やまなし読書活動促進事業」の一環として、県内公立図書館や書店が連携して「贈りたい本大賞」を実施したことを紹介。本を贈った喜び、贈られた喜びを短い文章で表現してもらい、本を贈る運動のきっかけとして成果を上げたと述べた。
普段から親しい人に本を贈っているという中瀬氏は、「本という1つの共通した物差しでお互いの価値観を知ることができる、人と分かり合える最大のツールだと思う。人に本を贈るというのはその人のことを知りたいということでもあるし、私のことを知ってほしいということでもある。その意味ではラブレターみたいなところがあり、私の履歴書を渡すような気持ちでドキドキしながら渡している」と話した。
また、阿刀田氏は「本には存在感がある。例え親から本を贈られた子どもがその時は関心を持たなくても、全く影響がないとは思わない。『あの時にこの本をもらったな、小難しくて嫌な本だと思ったけれど、これを俺に託したんだ』と絶対に覚えている。贈られた本は『俺はここにいるんだぞ』と主張している。読まれるのに越したことはないが、そこにあるだけで意味を持っている」と語った。

京都本大賞受賞作『京都寺町三条のホームズ』/著者の望月麻衣氏が第10巻発売記念してサイン会

京都本大賞実行委員会主催、京都府書店商業組合後援による望月麻衣著『京都寺町三条のホームズ』(双葉社)第10巻発売記念のサイン会が7月21日、京都市下京区・JR京都駅前のキャンパスプラザ京都で開催された。
同書は第4回京都本大賞受賞作のシリーズで、番外編を入れると第11巻目。2年前に受賞記念サイン会を開催しているが、今回は節目の第10巻となることから再びサイン会を開催することになった。
冒頭のあいさつで、望月麻衣氏は「皆さんにお会いできるのをとても楽しみにしていた。シリーズは10巻目となり、アニメも始まった。まだあまり実感がないが、書店組合と読者の皆さんのおかげだと思っている」と謝意を述べた。
サイン会の告知は、同巻発売1ヵ月前から組合加盟書店店頭で予約者に整理券を配り、京都組合ホームページや、京都本大賞実行委員会および望月氏がツイッターやフェイスブックなどのSNSで情報拡散した。
参加者は先着順に指定の札を受け取りサインの順番を待ったが、この間、前回作成した1巻に関するクイズを解いたり、望月氏へ贈る色紙にメッセージを残すなどして、有効に時間を過ごした。
アニメが始まった影響もあり、計170名の読者が来場。客層は女性が中心で、遠方から駆け付けた熱狂的なファンもいた。
後半のプログラムでは、抽選会が行われ、サイン入りアニメ台本やポスター、バッジなどファン垂涎の景品が贈られた。
最後にファンとともに集合写真を撮るなど、終始和やかな雰囲気だった。
(若林久嗣広報委員)

安井唯善専務理事に県産業振興功労賞/兵庫組合から19人目の受賞

兵庫県書店商業組合は7月10日、姫路市のイーグレひめじで定例理事会を開催した。毎年7月は各支部が持ち回りで開催しており、今年は姫路が担当した。
国宝姫路城を眼下に望む会議室で議事を進行。6月から準備を進めてきた「くすのきしげのり氏講演会」が豪雨の影響で7月7日に中止となったため、事後対応策を話し合った。講演会には県内から100名余の申込があり、即売本も準備万端の中で中止となったため、近日中に再設定することとなった。
理事会終了後、会場を同館レストラン「ミレ」に移し、懇親会を開催。5月3日に発表された兵庫県産業振興功労賞を同組合の安井唯善専務理事(安井書店)が受賞し、その祝賀を兼ねての懇親会となった。
書店組合関係者の受賞は平成9年以来、今年の安井氏で19人目となる。ほぼ毎年の受賞は兵庫県が書店組合の機能を高く評価している証左といえる。
書店19名、出版社5名、取次8名、運輸設備3名が出席した祝賀会は、森井宏和理事(森井書房)の司会で進行。中島良太理事長(三和書房)、トーハンの坂口裕史神戸支店長、小学館パブリッシング・サービスの西川雅司関西支社長の3氏が祝辞を述べた。村田耕平理事(三宮ブックス)が受賞経過を報告し、三上一充理事(三上尚文堂)の乾杯の発声で開宴した。大橋洋子副理事長(流泉書房)から花束が贈呈され、井上喜之理事(井上書林)が閉会の辞を述べた。
(安井唯善広報委員)

リアル店舗低迷、6・2%減収/書籍・CD・ビデオ・楽器卸/日経MJ17年度日本の卸売業調査

日経MJ(8月1日付)は「第47回日本の卸売業調査」の結果を発表。2017年度の全14業種の売上高は前年度比2・0%増、営業利益は9・6%増となったが、食品卸など半数の業種は減益にとどまった。
調査は927社を対象に6月上旬~7月中旬に実施し、570社から回答を得た。このうち前年度と比較可能な企業は503社。
17年度は全体で2期ぶりの増収増益となったが、1年前と比べた景況感を聞いたところ「悪化」と答えた企業は2割超と「改善」を上回り、本格的な景気回復には依然として懐疑的な企業が多い。悪化の理由のトップは「受注量の減少」(63・4%)。「物流コストの転嫁が進んでいない」(37・6%)も目立った。物流コストの上昇や卸を飛ばした製造と小売の直結などが、卸の経営環境に暗い影を落としているようだ。
業種別では、「その他」を除く13業種のうち8業種で売上高が前年を上回った。営業利益は7業種がプラスとなった。
書籍・CD・ビデオ・楽器卸の売上高は前年度比6・2%減と落ち込んだ。営業利益は同19・3%減、経常利益は同20・1%減、税引後利益は同35・8%減。「スマートフォンの普及で娯楽の幅が広がり、店舗で書籍やソフトウェアを買う消費者が減少傾向にある。特に漫画は著作者に無断で作品を無料公開する海賊版サイトが登場したことでも打撃を受けた」と同紙は分析している。
売上高1位の日販は7・3%減と5期連続の減収となった。相次ぐ休廃刊やスマホ向け読み放題サービスの台頭で雑誌が大きく落ち込み、書籍の慢性的な赤字を補えなくなった。漫画の送品冊数が減り、コンビニ向けの配送効率も悪化した。しかし、グループ書店の本部経費圧縮や文具・雑貨売場の拡大などで7・2%の営業増益を確保した。
2位のトーハンは6・8%減と4期連続の減収だった。運賃上昇による配送費の増加が響き、営業利益は29・4%減となった。
3位の大阪屋栗田は3・9%減収だった。5月に楽天が子会社化を発表し、ネット書店と連携し販売予測の精度を高め、収益改善を目指す。

CCC、有隣堂、フタバ図書が増収/日経MJ「日本の専門店調査」書籍・文具部門売上高ランキング

日経MJ(7月11日付)は「第46回日本の専門店調査」(2017年度)を発表した。これによると、全国の有力専門店370社の総売上高は26兆883億円と前年比3・3%増。増加は3年連続。インターネット通販が成長する中で、「店舗に来るとお得になる」と顧客に思わせる仕組みを講じる家電量販店や服飾大手が営業利益で高い伸びを示した。
全24業種(その他業種も含む)のうち、増収は4分の3にあたる18業種。消費者の節約志向などを背景に、リサイクルショップ(9・7%増)や100円ショップ(7・3%増)など、比較的安価で商品を提供する業種が好調だった。増収率が5%超の業種は7業種で、前回から2業種増加。一方で、同業種内でもネット対応などの差により優勝劣敗が見られ、先進的な取り組みに着手できるかが一層問われるようになると同紙は指摘している。
書籍・文具部門を見ると、全体の売上高は0・8%増と前回調査から横ばいだった。1位のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は福岡市の複合書店など大型店を展開し、プライベートブランドの文具も好調で、8・4%増と大きく伸長。2位の紀伊國屋書店は16年の新宿南店の縮小などが影響し2・4%減。4位のブックオフコーポレーションは売上高は4・4%減だったが、店舗コスト削減や不採算店の閉鎖を進めたことで経常利益は増加した。
総売上高経常利益率は、1位がCCCで6・6%、2位がリラィアブルで4・3%、3位がフタバ図書で2・7%。
1人当たり総売上高は丸善ジュンク堂書店が7億6802万円、3・3平方㍍当たり直営店売上高は有隣堂が544万円、直営+FC新設店舗数はヴィレッジヴァンガードコーポレーションが19店でトップだった。

参考書「書店で探す」7割/高校2、3年生対象に調査/旺文社

旺文社は、このほど「高校生の参考書選びに関する調査」の結果を発表。調査によると、学習参考書は「リアル書店で探して買う」高校生が多数を占めることが分かった。
この調査は、大学受験向け英単語アプリ「ターゲットの友」シリーズのユーザーに向けて、今年3月26日~4月19日の期間にWebアンケートを行ったもの。今年4月からの高校2年生・3年生を対象とし、回答総数は1025人(男43・7%、女56・3%)。
学習参考書をどのように探すかを尋ねると、「書店で実物を見る」が最も多く71・2%にのぼった。書店まで足を運んで書籍を手に取り、利用する参考書を自分の目で選ぶという方法がスタンダードであることがうかがえた。また、〝口コミ〟の情報を重視する選択肢も多くの回答を集めた。「先生に聞く」「友達や先輩に聞く」「家族に聞く」の重複回答を統合した、〝誰かに聞く〟回答の割合は全体の66・9%に達し、高校生が身近な人からの情報を重視していることがわかった。中でも、「先生に聞く」が48・9%と全体の半数近くに達しており、学校や塾の先生に対する信頼の高さがうかがえる。このほか、「ネット書店の情報」「Twitter等のSNS」「受験関連の記事サイト」という、インターネット系の情報を元に探すという回答を統合した割合は47・3%だった。
同じ質問の結果を、回答者が過去1年間に購入した学習参考書の冊数が4冊以上と3冊以下に分けてみると、「書店で実物を見る」割合は4冊以上が80・7%、3冊以下が63・0%で、購入冊数が多い高校生は書店で実際に手に取って探す傾向が高いことが分かった。このほか、購入冊数が多い層は、「受験関連の記事サイト」(41・7%)、「ネット書店の情報」(28・3%)などインターネットを利用した探し方の回答割合も総じて高く、幅広い情報に触れる機会の多さと購入冊数に相関関係があることがうかがえた。
参考書を選ぶときに重視することについて聞いた質問では、最も多かったのが「レベルが合っているか」で73・4%。次いで「解説の充実度」(59・7%)、「ページの見やすさ」(42・9%)となった。過去1年間の購入冊数で見ると、「解説の充実度」は「4冊以上」購入した高校生が、「3冊以下」を10ポイント近く上回り、体裁や価格より内容に重点を置く傾向が見られた。
学習参考書をどのように購入することが多いかを尋ねたところ、トップは「書店(親のお金)」で54・5%。半数以上が参考書代を保護者から預かり、書店で購入していることがわかった。次が「書店(自分のお小遣い)」(34・9%)で、リアル書店で学習参考書を購入すると答えた高校生は全体の9割近くに達した。一方、「ネット書店(親のお金)」は6・2%、「ネット書店(自分のお小遣い)」は2・6%で、ネット書店での購入割合は1割以下にとどまった。この他「親が購入してくる」は1・7%だった。
参考書選びで悩んでいることは「参考書の種類が多すぎて選ぶのが大変」「自分に合う参考書をピッタリと決められるかが心配」という声が多く、大学受験までの時間が限られる中で、利用すべき学習参考書の選定に悩みを抱える高校生が多いことがうかがえた。