全国書店新聞
             

令和4年4月1日号

春の読者還元祭2022/QRコード付きしおりと雑誌カード4月20日から配布/店頭・外商で販売促進に活用を

日書連は、「春の読者還元祭2022」を4月20日~5月5日に全国の書店で実施する。今回は、販促物として「しおり」に加え新たに「雑誌カード」を用意し、購入した読者や外商先に配布できるようにした。記載したQRコードから応募サイトにアクセスすると、抽選で3000名に図書カードネットギフト1000円分が当たる。キャンペーン期間を5月のゴールデンウィークまで拡大しており、しおりと雑誌カードを活用してお店の販売を盛り上げたい。
「読者還元祭」は、前回は販促物として「しおり」500枚(5種類各100枚)を用意したが、今回は「しおり」(1種類150枚)+「雑誌カード」(A5サイズ150枚)+「店頭ポスター」(A3)を封入したセットに変更した。しおりと雑誌カードともに同一の応募用QRコードを記載する。店頭ポスターはキャンペーン告知用で、QRコード掲載の応募ポスターは作成しない。
今回しおりの枚数を減らしたのは、書店くじからしおりへの変更に伴い、一度の会計で複数枚を読者に渡すメリットが薄れ、書店くじを踏襲した1束500枚では多いという指摘が複数あったため、見直しを行ったもの。しおりのデザインには大正・昭和期の版画家、川瀬巴水の作品「三保の夕」を用いた。
新たに用意した雑誌カードには、女性ファッション誌の客層分布や発売日一覧などを掲載する。店頭では定期購読の促進、外商では配達の定期誌が休刊した際の代替提案に役立ててもらおうというもので、雑誌カードとしおりを併用することで外商比率の高い書店も参加しやすい企画にした。
販促物の購入店は、日書連ホームページ(https://www.n-shoten.jp)のキャンペーンサイトで「実施書店」として都道府県ごとに掲載する。なお、販促物を購入して150件以上の応募者を獲得した日書連傘下組合加盟書店のみを対象に、1店につき3300円(税込)の報奨金を支給する。
また店頭活性化の一環として、全組合加盟書店にしおり20枚を無料で4月下旬までに直送する(雑誌カードの配布は無し)。
キャンペーン期間中、書籍・雑誌を一定金額(税込500円以上が目安)の購入客や外商先にしおりまたは雑誌カードを進呈。読者は記載されたQRコードをスマートフォンで読み取り、応募サイトにアクセスして必要事項を入力し応募する。当選者には7月初旬までに日本図書普及より直接、図書カードネットギフト1000円分をメール送信する。当選発表はメール通知をもって代える。
「春の読者還元祭2022」は、日書連ホームページ、公式ツイッター(@shotenmatsuri)で告知する。「店頭ポスター」は日書連ホームページからダウンロードできる。

サン・ジョルディ名古屋、今年も中止

「サン・ジョルディ名古屋実行委員会」(愛知県書店商業組合、日本・カタルーニャ友好親善協会)と中日新聞社が主催する「サン・ジョルディフェスティバル名古屋2022」は、4月下旬に名古屋市内で開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、一昨年、昨年に続き今年も中止とすることが決定した。

河出書房新社伊能忠敬関連書を特別増売/書店マージン30%達成報奨施策に取組む/東京組合

東京都書店商業組合(矢幡秀治理事長)は3月3日、東京・千代田区の書店会館で定例理事会を開催した。
理事会に先立ち、河出書房新社の担当者が「伊能忠敬69プロジェクト」について説明。5月に公開される映画の原作である河出文庫『大河への道』(立川志の輔著)など伊能忠敬の関連書籍を対象に、報奨によって書店マージン30%を提供するフェアを実施するもので、事業・増売委員会では、『大河への道』5冊とフェアのAセット(文庫『伊能忠敬』『伊能忠敬の日本地図』各5冊、『図説伊能忠敬の地図をよむ』『伊能図探検』各3冊)を特別増売商品として取り組むことを諮り、承認した。
矢幡理事長は、日書連が実施する「春の読者還元祭2022」について、しおりと雑誌カード、店頭ポスターのキャンペーン販促物1セットを、休業店を除く全組合員に配布することを提案し、実施を決めた。

太田光さん、池上彰さんら著名人のインタビュー公開/東京組合、YouTubeで

東京都書店商業組合のYouTubeチャンネル「東京の本屋さん~街に本屋があるということ~」(https://www.youtube.com/c/tokyo-shoten)では、爆笑問題の太田光さん、ジャーナリストの池上彰さん、教育評論家の尾木直樹さん、モデルのトラウデン直美さんなど、本屋好き著名人のインタビュー動画を公開している。
インタビューで太田さんは、母による読み聞かせで本に親しみ、小説家志望だった父の影響もあって高校時代には太宰治や島崎藤村などの私小説を読みふけったと振り返る。一番好きな太宰の作品も披露する。池上さんは、小学生の時、近所の書店で出会った1冊の本が人生を決めたという。「書店は『知のインフラ』。そこで皆がいろんなことを学び、読むことができるということで地域や国の文化が維持されている」と指摘する。
「東京の本屋さん」では72書店の紹介動画や、書店を舞台にしたドラマ「本を贈る」も公開している。

「ひとみキラキラ 本にどきどき」/4月23日からこどもの読書週間

読書推進運動協議会(読進協、野間省伸会長)は2022年・第64回「こどもの読書週間」を4月23日から5月12日まで、「子ども読書の日」(4月23日)から「こどもの日」(5月5日)を挟み実施する。
今年の標語は「ひとみキラキラ本にどきどき」。読進協は実施にあたり、全国の公共図書館、小中高等学校図書館、書店、出版社、報道機関などにポスターや広報文書を配布してPR。読書週間の趣旨を示すマークを作成し、期間中またはその前後を通じて各社が発行する雑誌・新聞・広報紙誌などに使用するよう呼び掛ける。また、都道府県の読進協、関係各団体の協力を得て、以下の各種行事実施を推進する。
▽公共図書館、公民館、小中高等学校の学校図書館で「子どもの読書研究会」「子ども読書のつどい」「親と子の読書会」「大人による子どもの本研究会」「子どもの読書相談」「児童図書展示会」「児童文学作家による講演会」「児童図書出版社との懇談会」などの開催。「読書感想文・感想画コンクール」の実施
▽都道府県の読進協による都道府県単位の「子ども読書大会」などの開催
▽出版社、新聞社、放送局、文化団体などによる被災害地域、児童養護施設、矯正施設などへ向けた「図書・雑誌の寄贈運動」の実施

中高生向けに読書推進活動/中高生と書店組合の推薦図書24点を選定/兵庫組合

兵庫県書店商業組合(森忠延理事長)は、県下の中学生・高校生へ向けた読書推進活動「どっぷりつかるなら読書がいいね!」を2月から展開。中高生と兵庫組合からの推薦図書24点を選定し、毎月1冊の読書を提案している。
この活動は、中高生のネット依存やそれに伴うトラブルの防止と、読書の楽しみを再認識し、本に親しんでもらおうという趣旨で、兵庫県の後援により行っているもの。中高生と組合加盟書店から推薦図書と200~300字の推薦文を募集し、中高生から12点、兵庫組合から12点、合計24点の推薦図書を選定。推薦図書を掲載したポスター(写真)を作成して県下の中学校・高校や組合加盟書店に送付した。
この事業を盛り上げるため、6月12日にオンライン読書講演会「夢をかなえる脳と心の育て方~未来のカギはスマホに負けない強い心」(講師=東北大学加齢医学研究所助教・榊浩平氏)、11月6日に推薦図書24点が対象の「ビブリオバトルオンライン大会」を計画。事業の発信には専用のLINE公式アカウントを開設し、組合ホームページと連動させていく。また、中学校・高校へのポスター送付に合わせ、2023年の推薦図書募集についても案内し、中高生に応募を呼びかけている。推薦図書24点は次の通り。
〈中高生の推薦図書〉
▽『また、同じ夢を見ていた』(住野よる著、双葉文庫)▽『星の王子さま』(サン=テグジュペリ著、新潮文庫)▽『わが家は幽世の貸本屋さんあやかしの娘と祓い屋の少年』(忍丸著、ことのは文庫)▽『フーガはユーガ』(伊坂幸太郎著、実業之日本社文庫)▽『月まで三キロ』(伊予原新著、新潮文庫)▽『余命10年』(小坂流加著、文芸社文庫NEO)▽『兎の眼』(灰谷健次郎著、角川文庫)▽『細川ガラシャ夫人上・下』(三浦綾子著、新潮文庫)▽『ボトルネック』(米澤穂信著、新潮文庫)▽『自転しながら公転する』(山本文緒著、新潮社)▽『硝子の塔の殺人』(知念実希人著、実業之日本社)▽『女子中学生の小さな大発見』(清邦彦著、新潮文庫)
〈兵庫県書店商業組合の推薦図書〉
▽『ウニはすごいバッタもすごいデザインの生物学』(本川達雄著、中公新書)▽『書斎の鍵父が遺した「人生の奇跡」』(喜多川泰著、現代書林)▽『漫画版日本の歴史07戦国大名の登場室町時代中期~戦国時代』(山本博文監修、角川文庫)▽『本日は、お日柄もよく』(原田マハ著、徳間文庫)▽『挑戦常識のブレーキをはずせ』(山中伸弥・藤井聡太著、講談社)▽『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(ブレイディみかこ著、新潮文庫)▽『「育ちがいい人」だけが知っていること』(諏内えみ著、ダイヤモンド社)▽『読書嫌いのための図書室案内』(青谷真未著、ハヤカワ文庫)▽『翔ぶ少女』(原田マハ著、ポプラ文庫)▽『立ち上がれ、何度でも』(行成薫著、文春文庫)▽『ホケツ!』(小野寺史宜著、祥伝社文庫)▽『無私の日本人』(磯田道史著、文春文庫)

最優秀賞に冠文堂書店(宮城)/子どもの本秋・冬セール店頭飾り付けコンクール

日書連主催、日本出版取次協会、日本児童図書出版協会協賛の増売運動「2021年心にのこる子どもの本秋・冬セール」店頭陳列飾り付けコンクールの審査結果がこのほど発表され、最優秀賞の冠文堂書店(宮城県・仙台市)をはじめ優秀賞、アイデア賞の各賞を選んだ。
冠文堂書店の担当者は、飾り付けについて「『ひらいてごらん、心にのこる子どもの本』をテーマに、棚は面陳を中心に季節に応じ工夫した。また、当店オリジナルの飾り付けコーナーは今年も『サンタさん本のプレゼントもよろしくね!』をテーマにレゴブロックなども使用し、クリスマスの雰囲気を演出した」とコメントしている。
各受賞書店は次の通り。
▽最優秀賞=冠文堂書店(宮城県・仙台市)
▽優秀賞=加賀谷書店東通店(秋田県・秋田市)宝屋書店(愛知県・知多郡)あおい書店富士店(静岡県・富士市)
▽アイデア賞=ブックスページワン板橋店(東京都・板橋区)文信堂書店(新潟県・新潟市)アクトピアブックセンター(愛媛県・大洲市)黒木書店長住店(福岡県・福岡市)黒木書店七隈店(福岡県・福岡市)ブックスグリーンウッド中原店(佐賀県・三養基郡)

「春夏秋冬本屋です」/「リニューアル顛末記」/埼玉・水野書店代表取締役・水野兼太郎

日本初の人形博物館がオープンするなど、地元岩槻は街も人の流れも大きく変化している。このような時代に地域書店として生き残っていくにはどうしたらいいかを学ぶため、全国各地の書店を視察。様々な書店を見る中で、岩槻に合った業態の店作りをすることが大切と気づき、店舗をリニューアルした。
地域環境が変化する中で安らぎと憩いの場を提供できるよう、60坪の店舗の半分をカフェスペースにした。プロジェクターや音響機器、電子ピアノも導入し、様々なイベントに対応できるようにした。書店スペースには子どもが遊べるサークルやおもちゃを置き、絵本コーナーも充実させ、親子連れが楽しく過ごせるようにした。子どもの姿が見える場で、お母さんにもくつろいでいただきたいと思ったのだ。また書籍の在庫が減った分、選書に力を入れている。
リニューアルした店の名前は「Books&Cafemao-mao」。絵本に出てくる「まおまおちゃん」から拝借した。中国語で猫という意味だ。
2019年11月22日に誕生した「子猫」は、よちよち歩きを始めた途端コロナ禍に襲われて、一歩先も見えない「迷い猫」となり途方に暮れた。しかし、ようやく常連さんも増え、サークル帰りの中高年の方々の憩いの場となりつつある。書店スペースでは絵本の読み聞かせやワークショップなどを開催し、皆さんに楽しんでいただけるようになってきた。
書店業の新たな道を模索する日々が続いている今日この頃だ。

大垣書店イオンモールKYOTO店が導入/サインポストのセルフレジ

サインポストは3月9日、簡単な操作で書籍の読み取りから支払いまで行うことが可能な書店向けセルフレジ「ワンダーレジ-BOOK」が大垣書店イオンモールKYOTO店(京都市南区)に設置されたと発表した。
「ワンダーレジ-BOOK」は、利用客が購入する本をレジ台に並べてスタートボタンを押し、画面の案内に従って進むだけで簡単に書籍を購入できるセルフレジ。複数の本でも一度で簡単に精算することができる。操作に迷わないシンプルな画面UIを独自開発し、さらに音声による操作案内を標準搭載している。店舗の雰囲気やキャンペーンなどに合わせ、筐体に自由なデザインを施すことも可能となっている。
大垣書店イオンモールKYOTO店に設置した「ワンダーレジ-BOOK」は、文献社が提供する書店トータル管理クラウドサービス「書店WEB」とのシステム連携を初搭載しており、従来のPOSレジと同様に一元的な販売管理や在庫管理等を実現している。

「ロス対策士」書店で育成を/各書店組合にロス対策プログラムの受講促進/万引防止出版対策本部

万引防止出版対策本部(出版万防、矢幡秀治本部長=日書連会長)は、全国万引犯罪防止機構(万防機構)が実施する「ロス対策士」検定試験の受験対策プログラムと、ロス対策(ロス・プリベンション)修得のための3つの無料ライブウェビナープログラムを用意。4月1日付で各都道府県書店商業組合に対し、ロス対策士検定試験の受験とプログラムの受講を勧める案内を送付した。
万引等の不正行為や管理ミスなど店舗における損失を防止する「ロス対策」は小売業にとって喫緊の課題であり、実務に活かせる知識を幅広く知ってもらうことが重要だとして、出版万防では各書店でのロス対策士育成を働きかけるなどの促進活動を行っている。万防機構のロス対策士検定試験は昨年7月にスタートしてこれまで3回試験を行い、計357人のロス対策士が誕生。第4回検定試験が5月17日(火)に実施される。
用意する受験対策プログラムと3つの無料ライブウェビナープログラムは以下の通り。いずれも講師は万防機構理事・LP教育制度作成委員会委員長の近江元氏で、ライブでの提供となる。問い合わせは、万引防止出版対策本部・阿部信行事務局長(℡03‐5244‐5612)、近江氏(電子メールlpj@manboukiko.jp)まで。
1.「ロス対策士」受験対策オンラインセミナー
ロス対策士検定試験を受験する個人を対象に、5月17日の試験に合わせ開催するもの。開催日時は4月20日(水)午後3時~5時、受講料無料。申込は万防機構ホームページから(https://www.manboukikou.jp/)。申込締切は4月15日(金)
※同セミナーは今後も試験に合わせて適宜開催する。組合単位開催の要望にも対応するので、出版万防事務局に相談を。
2.ロス対策無料ライブウェビナープログラム
※以下の3プログラムは、受験対策としてではなく組合加盟各書店のロス対策強化のため行うもので、組合単位での受講となる。プログラムは単独でも、複数の組み合わせでも受講可能で、組合の要望に応じてアレンジする。開催日時及び受講時間と併せて出版万防事務局に相談を。
①プログラムA「万引窃盗そしてロス~万引の事例・傾向・対策」
内容=万引事例とロス対策の考え方、具体策について説明/対象=ロス対策責任者、教育研修責任者
②プログラムB「ロス対策!具体的事例と対策」
内容=不明ロスに絞り、上記プログラムAの短縮版/対象=プログラムAと同じ
③プログラムC「ロスとは何か?対策の指針はこれだ!」
内容=不明ロスと機会ロスについて、その取り組みの考え方と方法について総合的に説明する/対象=ロス対策責任者、教育研修責任者、店舗運営、在庫管理、商品部

「子どもの読書活動推進フォーラム」4月23日に

「子どもの読書活動推進フォーラム」(文部科学省、国立青少年教育振興機構主催)が、子ども読書の日の4月23日(土)午後1時、東京・渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催される。
文部科学大臣表彰(優秀実践校、優秀実践図書館、優秀実践団体・個人)、お笑い芸人で作家の又吉直樹氏と友愛福祉会理事長の馬場耕一郎氏をパネリストに、日本テレビアナウンサーの杉上佐智枝氏をコーディネーターとするシンポジウム「子ども時代の読書活動の重要性」、事例発表と対談、表彰式が行われる。

金賞に宮脇書店本店/神宮館こよみディスプレイコンテスト

宮脇書店本店(香川県)は、神宮館が昨年11月から今年1月末まで募集していた「神宮館こよみ増売ディスプレイコンテスト」で金賞を獲得した。神宮館はコンテストの結果を2月25日、同社ホームページで発表している。
宮脇書店本店のディスプレイは、和のテイストを前面に出したもので、和の文様的な飾りを施しコーナー上のつるし飾りも手作りした。大きなコーナー看板には文字を切り出し、浮き出るようにクッション材を挟んで字が埋もれない工夫を凝らした。神宮館の審査員から「こよみと和の雰囲気を、文様やつるし飾りで可愛らしく、分かりやすく表現していただいた。立体的な文字など、細かなこだわりも見逃せない」と評された。宮脇書店本店には賞金10万円が贈られる。
コンテストはこのほか、銀賞(賞金5万円)3店、佳作(賞金1万円)10店、伸長率賞(賞金5万円)1店の受賞が決まった。

BOOKSあんとくとフライヤーが業務提携/店頭フェアをスタート

本の要約サイト「flier」を運営するフライヤーは、BOOKSあんとく(福岡県)と業務提携し、3月1日からBOOKSあんとくの店舗でフェア展開を開始した。フライヤーが九州エリアの書店チェーンと販促で組むのは初めて。
フェアを実施するのは、BOOKSあんとくのみづま店(福岡県)とやまが店、あらお店(ともに熊本県)の3店舗。フライヤーで要約を公開している書籍の中から、「月間ランキング」(全店舗で展開)、「話題の本」(みづま店のみで展開)のカテゴリーに分けて、10~20銘柄の書籍を展開する。
また、各書籍のPOPに掲載されているQRコードからフライヤーの要約ページにアクセスでき、本の重要ポイントや全体像を知ることができる「非接触立ち読み」が体験できる。
フェア展開する書籍は、「月間ランキング」が『人は聞き方が9割』(すばる舎)『うまくいっている人の考え方完全版』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、「話題の本」が『認知症世界の歩き方』(ライツ社)『「数値化」仕事術』(PHP研究所)など。展開書籍は、今後順次入れ替える予定。

「雑誌のもくろくアプリ版」/4月15日から提供開始/JPO

日本出版インフラセンター(JPO)は3月16日、「雑誌のもくろくアプリ版2022」を開発し、4月15日から提供を開始すると発表した。
この「アプリ版」は、雑誌目録刊行会が発行し、3月16日発売をもって休刊となった紙版「雑誌のもくろく」のデータをベースに、雑誌コード管理センターと連携して休刊や刊行変更などの最新情報も掲載する。これにより、書店はスマートフォンで雑誌の刊行情報を簡単に検索できるほか、毎月の最新情報も確認できるようになる。
PWA(疑似アプリ)と呼ばれるWEB版で提供し、データの項目立ては、洋雑誌を掲載しないほかは、ジャンル分け、掲載項目など紙版と全く同じ。雑誌コードセンターとの連携で月1回最新データにアップデートする。将来的には、出版情報登録センター(JPRO)と連携し、雑誌各号の特集内容、付録内容、返品期限なども確認できるようにする予定。
利用方法は、書店、図書館は、https://zassimokuroku.jpからアクセスし、BooksPROのID、パスワードでログインする(BooksPROへのユーザ登録が必要)。出版社は、https://compact.zassimokuroku.jpからアクセスし、JPROのID、パスワードでログインする(利用にはJPRO参加が必要)。

トーハンと大日本印刷/桶川書籍流通センターに配本機能統合/製造物流の最適化目指す

トーハンと大日本印刷は3月10日、東京都北区にあるDNP書籍流通センター(赤羽SRC)をトーハン桶川センター(埼玉県桶川市)内へ移設し、桶川書籍流通センター(桶川SRC)とすることと、関連する取り組みの拡大について合意したと発表した。
桶川SRCの所在地は埼玉県桶川市大字上日出谷1202‐1トーハン桶川センター5階内。床面積は1200坪。10月より稼働を開始し、移設は順次進めて来年1月に完了する予定。
両社は2021年より全面的に提携し、「製造物流改革」「情報流通改革」「商流改革」「販促改革」の4つの観点から、生活者を起点とした出版流通改革(出版DX)に取り組んでいる。今回の桶川SRCへの移設は「製造物流改革」の一環だ。
桶川SRCでは、同センターを活用する書店からの注文に対し、同センターの在庫および在庫データを連携する出版社倉庫の在庫から迅速に出荷し、POD(プリント・オン・デマンド)製造による品切れのない出荷も行う。「商品供給リードタイム」と「出荷可能なラインナップ」の両面から可能な限りマーケットの需要に応えることで、読者が読みたい本を読みたいときに入手できる環境を整備する。
両社で試算したところ、①市場ニーズに沿った在庫メンテナンスを行い、最短で受注翌日に書店へ納品、②出版社在庫のデータ連携により、取り寄せ品も1週間以内に書店へ納品可能、③在庫がない注文に対して、PODで確実に書店へ納品可能――という効果が見られた。
今回の統合により、書店注文の30%相当が翌日納品可能であり、出版社倉庫からの取り寄せも含むすべての注文品の平均リードタイムが2日間短縮できる結果を得たという。現在赤羽SRCで連携しているDNPグループの書店および連携を予定していたトーハングループ書店と三省堂書店に加え、新たに未来屋書店の実証実験への参画が決定している。今後は連携書店の拡大を進めていく。
また、読者からの注文の約30%が出版社在庫からの出荷となっている。桶川SRCは出版社在庫とのデータ連携を行うことで、書店店頭で出版社の在庫状況も確認できるため、読者に利便性・安心感を提供できる。現時点で連携出版社は赤羽SRCでの14社から22社に増加しており、引き続き連携出版社の拡大を図っていく。
さらに、読者からの注文のうち約15%はSRC・取次・出版社に在庫がなく、短期での調達が困難となっている。これに対し桶川SRCはDNP書籍製造一貫工場と連携し、PODによる短納期・小ロット生産で「新刊・売れ筋商品の欠品」と「品切れ重版未定」の根絶を目指す。

トーハン機構改革と役員人事

トーハンは2月21日、3月1日付の機構改革と役員人事を発表した。
【機構改革】
〈本部・部・室〉
▽CVS第一部とCVS第二部を統合し、その名称をCVS部とする
〈グループ〉
▽経営戦略部のマーケットイン型流通担当を廃止し、その機能をグループ書店事業部マーケットイン型販売グループに移管する▽営業統括部に、営業サポートグルーブとシステム開発グループとシステムサポートグループと店頭企画開発室を置き、ストアプロデュースグループと店舗システム企画グループを廃止する▽営業統括部のトーハン桶川コールセンターの機能を、営業サポートグループに移管する▽東日本支社と東海近畿支社と西日本支社に、それぞれ販売企画グループを置く▽支社総括担当役員下の販売企画グループを廃止し、その機能を営業統括部および東日本支社販売企画グルーブと東海近畿支社販売企画グループと西日本支社販売企画グループに移管する▽京都支店の第一グループと第二グループを廃止する▽CVS部に、CVS第一グループとCVS第二グループとCVS調整グループを置く
【役員人事】
解CVS第一部長兼任委嘱上席執行役員塚田達夫
解支社総括担当兼任委嘱上席執行役員齊藤貴
解書籍部長兼任委嘱執行役員山下康治

講談社、小学館、集英社と丸紅グループ/新会社「PubteX」設立/AIとRFID活用で流通改革目指す

講談社、小学館、集英社と丸紅、丸紅フォレストリンクスは3月24日、デジタルトランスフォーメーション(DX)で出版流通を持続可能なものに改革する新会社「PubteX(パブテックス)」を3月11日に設立したと発表した。人工知能(AI)やICタグの活用を通じて業界サプライチェーン全体を効率化し、書店経営改善を支援する。
パブテックスは①AI等の先端技術を活用した出版物の発行・配本最適化ソリューション事業、②RFIDソリューション事業――の2つの事業に注力する。
①では、AI等の先端技術を活用して出版物の発行・配本量を最適化するサービス(以下、「AI発行・配本最適化サービス」)を出版社に提供することで、業界が抱える構造的な課題の一つである返本率の低減を目指す。
出版界で活用されている様々な「データ」を縦断的・横断的かつ統合的に活用し、タイトルごとに異なる販売特性にフィットした「AIモデル」を活用して継続的に進化させていくことで、業界サプライチェーン全体の効率化を目指す。
また、AI発行・配本最適化サービスを支えるシステム基盤として、丸紅の「デジタルSCМ事業」の戦略的パートナーで、最新鋭のサプライチェーンシステムをグローバルに展開している米国o9Solutions(オーナイン・ソリューションズ)の「o9DigitalBrainplatform」を活用する。AI発行・配本最適化サービスは4月から段階的に開始することを目標としている。
②では、RFID(ICタグ)を出版物に装着し、記録された各種データを用いて、在庫や販売条件の管理、棚卸の効率化や売場での書籍推奨サービス、万引防止に至るまで各種サービスを運営し、書店のオペレーション・経営改善を中心に出版流通の課題解決の支援を行う。RFIDソリューション事業は2023年7月から開始することを目標としている。
また、出版流通の改革に効果が期待されるRFIDの普及を目指し、その機能やサービスを研究・公開する場として、同社内にRFIDショールーム(ラボ)を今夏を目指して開設。業界に理解を深めてもらう活動を行う予定。
新技術の導入を推進することで、出版社・書店・取次など業界に広く利用を促し、出版流通改革、出版界全体の最適化を通じて、出版界の課題を解決するだけでなく持続可能な社会作りに貢献。「書店で本を選ぶ楽しみ」を次の世代に伝えていくことを目指す。
これら2つの事業を推進するため、物流・商流を担う取次、オペレーションの改善に前向きな全国の書店、高度な技術を有する印刷会社・製本会社をはじめとした関連会社の協力を得ながら連携を深めていくとしている。
パブテックスは丸紅が34・8%、他の4社が16・3%ずつ出資。代表取締役社長に丸紅の情報・不動産本部本部長付部長の永井直彦氏、取締役会長に小学館専務取締役の相賀信宏氏がそれぞれ就いた。
[役員構成]
取締役会長(非常勤)相賀信宏
代表取締役社長
永井直彦
取締役常務執行役員
中川公雅
取締役(非常勤)
阿部達也
同栗原剛
同大日方直樹
同峰岸延也
同隅野叙雄
同井出靖
同堂垣孝夫
監査役(非常勤)
佐久間孝広
同堂垣孝夫

1月期販売額は4・8%減/コミックスのマイナス続く/出版科研調べ

出版科学研究所調べの1月期の書籍雑誌推定販売金額(本体価格)は前年同月比4・8%減となった。内訳は書籍が同0・9%増と微増、雑誌が同12・3%減と2桁減になった。雑誌の内訳は月刊誌が同14・4%減、週刊誌が同2・3%減。
書籍は返品改善が続き、堅調に推移した。雑誌はコミックスの動向に大きく左右される状況が続く。コミックスは前年同月に『呪術廻戦』『鬼滅の刃』(いずれも集英社)、『進撃の巨人』(講談社)など大ヒットが集中し約3割の伸長を示していたため、当月は大幅に減少。一方、週刊誌は「週刊少年ジャンプ」(集英社)の本数が一本多かったことに加え、週刊分冊百科の創刊が前年より3点多かったことで、減少幅が小さかった。
返品率は書籍が同1・7ポイント減の30・2%、雑誌が同1・0ポイント増の43・3%。内訳は月刊誌が同1・6ポイント増の43・8%、週刊誌が同1・5ポイント減の41・0%。単月で週刊誌の返品率が改善したのは21年5月期以来。
書店店頭の売上げは、書籍が約6%減。各ジャンルともマイナスとなったが、児童書は前年並みだった。前月に続き『898ぴきせいぞろい!ポケモン大図鑑(上・下)』(小学館)や「パンどろぼう」シリーズ(KADOKAWA)の売行きが良かった。
雑誌の売上げは、定期誌が約7%減、ムックが前年並み、コミックスが約28%減だった。

「御書印プロジェクト」2周年/参加書店500店目指し追加募集

小学館と小学館パブリッシング・サービスが事務局を務める「御書印プロジェクト」は3月1日で2周年を迎え、さらなるプロジェクトの拡大を目指して参加書店の追加募集を始めた。来年3月時点の参加書店500店、御書印帖の出回り数3万冊、押印数6万回を目標としている。
このプロジェクトは、全国の参加書店で「御書印ください」とお願いすると、書店のオリジナル印を含む3つの印が捺され、訪問した日付と書店員が選んだフレーズ(縁のある本のタイトルや一部)が御書印帖に記入される。
この2年間で参加書店は47都道府県321店(閉店9店含む)に増えた。異なる50書店を巡礼した「巡礼完了者」は52名、複数回巡礼者も4名いる(1月末時点の数字)。これまでの御書印帖の出回り数は1万7000冊、御書印の押印数は2万3000回を突破している(21年9月実施の書店アンケートに基づく推定)。
書店別の押印回数ランキング(2月、御書印プロジェクト事務局調べ)は、①銀座蔦屋書店(1025回)、②三省堂書店神保町本店(868回)、③書泉グランデ(784回)、④東京堂書店(764回)、⑤内山書店(661回)の順。

日教販学習図書まつり/漫画「ガクサン」とタイアップ

日教販は3月14日~5月8日、新学期の参考書売場を盛り上げる「第70回学習図書まつり」を開催している。
今回は講談社「モーニング」で連載中の学習参考書出版社を舞台にした人気漫画「ガクサン」とタイアップ。同作品の登場人物をモチーフにし「ガクサン(学参)を知ろう!」と謳ったポスターを店頭に掲示して、売場の活性化を図る。
また、抽選で200人に1000円の図書カードが当たる「新学期応援キャンペーン」を実施している。

日販・PHP研究所・大日本印刷/POD用いて受注出荷率90%を実現

日本出版販売(日販)はPHP研究所、大日本印刷(DNP)とともに、デジタル印刷技術(POD)を用いた商品供給体制を構築し、2021年12月時点の受注出荷率が90%(前年比37ポイント増)と大幅に改善した。
日販は持続可能な出版流通の実現を目指して改革に取り組み、これまでもアドバンスMDやリリーフAなどの商品供給サービスを作りながら、店頭売上の最大化や返品率の削減に取り組んできた。しかし、ジャンルや商品によっては書店の注文に応えることができず、潜在的な注文も含め機会損失を発生させていた。
こうした状況を受け、21年5月から、書店店頭の欠品防止による売上拡大、および返品や製造ロスが極力発生しない商品供給の実現を目指し、DNPのPODを用いて、PHP研究所と受注出荷率向上の取り組みを開始した。PHP研究所は同年1月から、書店の収益改善を目的とする日販の施策「PPIプレミアム」にも参画している。
今回は、PHP研究所の商品ジャンルの中でも特に受注出荷率が低い傾向にあった文庫・新書でPODの取り組みを実施した。
この取り組みでのPODは、1冊単位での製造を行うオンデマンド方式ではなく、市場在庫が僅少な商品を対象に、必要数を事前に予測して製造と供給を行う少部数製造方式。具体的なフローは、①日販からPHP研究所へ、受注・売上動向を元に2週間分の需要予測を行い、必要数を発注、②PHP研究所からDNPへ、出版社在庫が欠品する前に必要数が満数供給されるよう、POD製造を依頼し倉庫へ納品、③PHP研究所の倉庫から日販に必要数を満数納品、日販から書店へ出荷、④受注に対する出荷実績を日販よりPHP研究所へ提供。
現在このフローは安定稼働しており、受注出荷率が20年12月の53%から21年12月は90%へと大幅に改善。出荷金額に換算すると前年比38%増と大幅に増加した。
今後、3社は出荷率をはじめとする課題のさらなる改善を図るとともに、需要予測の活用なども加え、書店の収益改善につながる出版流通改革のスキームのモデルを研究し、POD製造の在庫を日販に直接納品してもらうなど、製造・流通の一体化に向けて取り組んでいく。また、今回の事例を踏まえた取り組みについて、より多くの出版社に参画してもらえるよう提案していくとしている。

日販、出版流通改革を加速/書店マージン改善へ手応え/PPIプレミアム参加書店で27・3%に

日本出版販売は3月1日、出版流通改革の2月までの取り組みをまとめた「出版流通改革レポートVol3」を公表。同社が取り組む低返品・高利幅スキーム「PPIプレミアム」で参画書店の平均マージンが27・3%となり、着実にマージン改善が進んでいることを明らかにした。
「PPIプレミアム」は、新刊売上率アップ、在庫シェアアップ、優先的な店頭展開、在庫管理・返品運用について、書店・出版社・日販の3者が密にコミュニケーションをとり、タイムリーに改善を重ねることで、売上拡大と返品削減を実現する施策。参加書店の平均マージンは27・3%で、施策を開始した19年3月時点実績と比較して0・7ポイント改善した。先行して取り組んできたグループ書店では27・7%となり、23年度の目標であるマージン30%に向けて具体的な道筋をつけた。
参加出版社は新たに実業之日本社、講談社の2社が加わり、計20社となった。4月以降、さらに7社が参加を予定している。TSUTAYAの7掛けスキームを含めた書籍粗利改善の出版社の取り組みシェアは36・7%となった。
参加書店は新たに有隣堂が加わり、計11法人(グループ書店3法人含む)となった。TSUTAYAの7掛けスキームを含めた書籍粗利改善の書店の取り組みシェアは40・4%に拡大した。
グループ書店3法人は2019年から取り組みを行い徹底して運用できていることから、POS実績が前年比4・4%増、返品率21・7%と好調だった。これに対し、グループ書店除く8法人はPOS実績が前年比2・8%減、返品率14・6%と、売上拡大の面で課題を残した。
グループ書店の取り組みを通じて得られた成功事例や運用のノウハウを用いて実績の向上に努めることに加え、日販の営業部門と仕入部門の週次確認会「PPIプレミアムLAB」に今冬から出版社と書店を招き「3者で販売手法の研究・実証ができるオープンなミーティング」へとアップデート。昨年12月にスターツ出版、1月にPHP研究所による勉強会を開催した。
今後も多くの出版社、書店を招き、「PPIプレミアムLAB」を起点に3者で店頭を盛り上げていく。
[参加書店]
積文館書店、リブロプラス、Y・space、オー・エンターテインメント、啓文社、三省堂書店、真光書店、八文字屋、ふたば書房、文教堂グループホールディングス、有隣堂
[参加出版社]
ポプラ社、TAC、翔泳社、童心社、インプレス、SBクリエイティブ、新星出版社、スターツ出版、平凡社、PHP研究所、徳間書店、KADOKAWA、光文社、サンクチュアリ・パブリッシング、世界文化社、東洋経済新報社、扶桑社、フレーベル館、実業之日本社、講談社、明日香出版社、アルク、集英社、ベレ出版、三笠書房、フランス書院、他1社(4月以降予定)
※PPIプレミアム取り組み開始時期順

講談社83期決算、増収増益に/紙の本、8期ぶりに前年上回る/副社長に金丸徳雄専務

講談社は2月21日、東京都文京区の本社で定時株主総会及び取締役会を開き、第83期(2020年12月1日~21年11月30日)決算を発表した。紙の本の売上が8期ぶりに前年超えと復調する一方、電子・版権収入も大きく伸長し、増収増益を達成。役員人事では金丸徳雄専務取締役が取締役副社長、森田浩章常務取締役が専務取締役に昇任した。
売上高は前年比17・8%増の1707億7400万円、当期純利益は同43・0%増の155億5900万円で、大幅な増収増益となった。
売上高の内訳は、紙の書籍と雑誌を合わせた「製品」は同4・4%増の662億8600万円、デジタル関連や国内・海外版権などの「事業収入」は同27・4%増の910億2800万円、「広告収入」は同27・6%増の70億4300万円、「その他」は同147・9%増の32億4300万円、「不動産収入」は横ばいの31億7300万円だった。
「事業収入」のうちデジタル関連は同29・4%増の704億円、このうち電子書籍は同30・2%増の690億円と、初めて電子書籍の売上が紙を上回った。国内版権は同38・9%増の114億円、海外版権は同4・2%増の91億円だった。
新役員体制は次の通り。◎印は昇任、○印は新任。
代表取締役社長
野間省伸
取締役副社長(管理部門・グループ会社統括、社長室担当)◎金丸徳雄
専務取締役(コミック編集統括、第三事業局、第四事業局担当)◎森田浩章
常務取締役(営業統括)
峰岸延也
同(ライツ・メディアビジネス統括)古川公平
同(編集統括、第二事業局、第五事業局担当)
鈴木章一
取締役(編集総務局、第六事業局担当)清田則子
同(経理局担当)
吉富伸亨
同(広報室、IT戦略企画室担当)吉羽治
同(総務局担当)
菊池俊行
同(第一事業局担当)
髙橋明男
同(ライツ・メディアビジネス局担当)松本智
同(販売局担当)
角田真敏
同(非常勤)野内雅宏
常任監査役白石光行
同○乾智之
監査役金子眞吾

日販組織改定/「マーケティング」「文具雑貨商品」「プラットフォーム創造事業」3本部を新設

日本出版販売(日販)は2月18日、2022年度(22年4月1日~23年3月31日)の組織改定を決定した。4月1日付で「マーケティング本部」「文具雑貨商品本部」「プラットフォーム創造事業本部」の3本部を新設する。
マーケティング本部は、仕入流通本部と営業本部を統合して双方の連携を高め、一気通貫でマーケティング活動に取り組む。エリアごとに異なる人々のニーズを満たすバリューを企画し、パートナー企業とともに提案・提供する。戦略策定、マーケット情報の収集・分析、商品・サービスの企画・調達を行い、書店への集客増加、新規顧客の掘り起こし、出版社との新しいビジネス創出など、業界全体の発展につなげる。
また、エリアを起点にマーケットを拡げる方針に基づき、営業各支社にエリアマーケティング課を新設。それぞれの地域に根差したビジネスを開拓する。さらに、エリアマーケティング強化の観点から、従来の特販支社と首都圏支社を統合し、特販首都圏支社として再編する。
文具雑貨商品本部は、グループ会社の中三エス・ティが担っていた文具のメーカー仕入機能および書店ルートの販売事業を吸収分割により承継する。文具雑貨の営業・流通の機能を一層強化することで、取引書店でり商材の拡大とともに、メーカーと書店の距離を縮め、マーケット価値の最大化を実現する。
プラットフォーム創造事業本部は、プレイス創造事業とIPソリューション事業に取り組む。プレイス創造事業では「文喫」の事業拡張、地域の遊休資産のリノベーションによる公共的プレイスの開発、本を武器としたプロデュース事業など。IPソリューション事業では出版社やメーカーが持つIPを生活者視点で束ねることで付加価値を創造し、新たなプラットフォームを通じて価値提供していく。

日販調査店頭売上/2月期は前年比17・6%減/週刊誌は2ヵ月連続で前年超え

日本出版販売(日販)調べの2月期店頭売上は前年比17・6%減となった。雑誌は週刊誌が2ヵ月連続で前年を上回ったものの、その他の雑誌、書籍ジャンルはすべて前年を下回った。コミックは前年の「鬼滅の刃」「呪術廻戦」関連商品が好調だった影響が続き、同30%を超える大幅なマイナスとなった。
雑誌は同7・9%減。週刊誌は「隔週刊ビッグスケールF1コレクション」(デアゴスティーニ・ジャパン)など分冊百科が好調で、同2・0%増と2ヵ月連続の前年超えとなった。書籍は同10・5%減。すべてのジャンルで前年を下回り、特に新書、文芸書、専門書の落ち込みが大きかった。コミックは同34・4%減となった。

日販GHD/中西淳一取締役が常務に

日販グループホールディングス(日販GHD)は2月18日開催の定例取締役会で、4月1日付の役員・執行役員等の体制を決議した。社外取締役にフリージャーナリストの大門小百合氏が新任(6月28日就任)。執行役員・NICリテールズ代表取締役副社長の近藤純哉氏は同・代表取締役社長に昇任し、執行役員・NICリテールズ代表取締役社長の露木洋一氏は同・取締役会長に就く。
日本出版販売(日販)では、中西淳一取締役が常務取締役に昇任。野口瑞穂執行役員と小松和広執行役員が取締役、田中宏樹氏と徳田毅氏が執行役員に新任する。
日販GHDと日販の新経営体制は次の通り。◎印は昇任、○印は新任。
□日販グループホールディングス
代表取締役社長
吉川英作
取締役会長平林彰
専務取締役(グループ経営戦略担当)奥村景二
同(グループガバナンス担当、グループ財務・人事担当)酒井和彦
取締役(グループIT担当、不動産事業担当)
富樫建
社外取締役(カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役社長兼CEO)
増田宗昭
同(学研ホールディングス代表取締役社長)
宮原博昭
同(ジャーナリスト)
○大門小百合
常勤監査役西堀新二
社外監査役(税理士法人髙野総合会計事務所代表社員)真鍋朝彦
同(森・濱田松本法律事務所パートナー)金丸和弘
執行役員・取次事業責任者(日本出版販売代表取締役社長)奥村景二
同・取次事業責任者(MPD代表取締役社長)
長豊光
同・小売事業責任者(NICリテールズ代表取締役社長)◎近藤純哉
同・海外事業責任者(日販アイ・ピー・エス代表取締役社長)佐藤弘志
同・雑貨事業責任者(ダルトン代表取締役社長)
君塚真
同・エンタメ事業責任者(日販セグモ代表取締役社長)安井邦好
同・コンテンツ事業責任者(ファンギルド代表取締役社長)梅木読子
同・グループシェアード責任者(日販ビジネスパートナーズ代表取締役社長)
小松和広
同・グループIT責任者(日販テクシード代表取締役社長)藤澤徹
同(NICリテールズ取締役会長)露木洋一
同(日販グループホールディングス事業統括室長)
平岡隆
□日本出版販売
代表取締役社長(流通改革責任者、マーケティング本部長)奥村景二
取締役副社長(社長室担当、広報担当、渉外担当)
安西浩和
専務取締役(物流本部長)
酒井和彦
同(マーケティング本部副本部長、支社担当東日本エリア統括、図書館営業部担当)髙瀬伸英
常務取締役(プラットフォーム創造事業本部長)
富樫建
同(マーケティング本部副本部長、流通改革推進部・仕入部担当)◎中西淳一
取締役(CVS部・ネット営業部担当)伊藤宏治
同平林彰
同吉川英作
同(文具雑貨商品本部長)
○野口瑞穂
同(管理本部長)
○小松和広
監査役小河洋一郎
同西堀新二
執行役員(支社担当西日本エリア統括)竹山隆也
同(支社担当TSUTAYA事業統括)長豊光
同(物流本部副本部長、王子流通センター所長)
太田紀行同(マーケティング本部副本部長)○田中宏樹
同(管理本部副本部長、人事部長)○徳田毅

生活実用書・注目的新刊/遊友出版・齋藤一郎

コロナ禍、ロシアのウクライナ軍事侵攻などで不安な日々が続く。こういうご時勢だからこそ「心の実用書」「生き方の実用書」である文学作品を読みたい。そこで今回は〈特別編〉として子ども向けの文学作品を2冊紹介する。
遠藤周作著『稔と仔犬青いお城』(河出書房新社1700円)は著者若き日の知られざる貴重な童話2作を収める。「稔と仔犬」はカトリックの新聞「新世界」に1955年から連載。少年の孤独が仔犬との関わりの中に浮かび上がる。「青いお城」は「りぼん」に1963年から連載。バレエを踊りたい少女とそれを助ける悪ぶった少年の、いじめられながらも立ち向かう交流の健気な姿を描く。いずれも単行本未収録作品。著者の優しい眼差しによって貫かれている。
廣嶋玲子・作/jyajya・絵『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』(偕成社900円)は本紙前号でも紹介された、「こどもの本総選挙」1位の児童小説。第1話「型ぬき人魚グミ」は、いつもの道に突然現れた駄菓子屋に誘われる。幸運を求める幸運な人だけが見つけられる店でござんす、とおばさん。少女が泳げるようになりたいと言うと、型ぬき人魚グミが出される。10円でござんす、のグミを買って帰ると…。現在16巻まで発売されている。”