全国書店新聞
             

令和元年8月15日号

図書納入で地域書店の優先求める/公共図書館プロジェクトが活字議連に答申

活字文化議員連盟の公共図書館プロジェクトは6月24日、東京・千代田区の衆議院第1議員会館で、公共図書館の改革に向けた答申書「公共図書館の将来―『新しい公共』の実現をめざす」を議連会長の細田博之元官房長官と同事務局長の笠浩史衆議院議員に提出した。答申書は、図書納入で地域書店を優先することや、「3点セット」入札から個別入札への転換などを求めている。
同プロジェクトは公共図書館改革の課題解決に向け、政策立案のための調査・研究を行うことを目的に発足。2月6日に初会合を開催して以降、公共図書館、システムベンダー、指定管理者、書誌情報作成企業、書店、装備団体、司書、有識者など13団体6個人からのヒアリングも含めて計8回の討議を行い、その内容を踏まえて答申書をまとめた。
文字・活字文化推進機構の肥田美代子理事長が座長を務め、日書連からは髙島瑞雄顧問(図書館サポート部会担当)が委員として参加。地域書店を優先した図書納入や競争入札の問題について発言してきた。
答申書は、①首長の指導力と住民参画による図書館運営、②MARC選択の多様性確保とNDCの付与、③図書館納入は地域書店を優先、④司書の社会的地位の確立、⑤新しい評価指標づくり――を提言。
図書館納入については、公共図書館は地域書店からの図書購入を優先し、装備作業は地域の福祉施設と連携。障害者雇用の拡大や税金の域内循環など新たな地域循環型の経済効果を創出することを求めている。
入札については、指定管理者、書誌データ、図書館納入業者の「3点セット」入札を止め、個別入札へ転換。官民協力のもと選書用近刊情報へNDC(日本十進分類法)を付与する仕組みの構築を要望している。
このほか、司書については、非正規職員の比率を就業者全体の比率程度に改善し、正職員への昇格のルールや同一労働同一賃金の原則を確立。国・地方公共団体の責任で司書の研修活動・研修会への参加を奨励することを求めている。
図書館運営では法整備も視野に「わが国の公共図書館のあり方に関する協力者会議」(仮称)の設置、新しい指標づくりでは「公共図書館の評価指標に関する協力者会議」(仮称)の設置を提言している。

5%還元で集客するには?/キャッシュレス説明会を開催/大阪組合

大阪府書店商業組合は7月24日、大阪市北区の尼信ビルでキャッシュレス説明会を開催。書店、在阪取次5社など65名が出席した。
面屋龍延理事長は「出版物の軽減税率適用は実現しなかったが、政府は増税時の景気対策として、中小店でキャッシュレス決済で支払った顧客に利用額の5%分のポイントを還元する仕組みを始める。どうしたら自店で買っていただけるか、考えなければいけない。外商でも5%還元の決済方法があるかという問題もある」とあいさつした。
このあと説明会に移り、経済産業省に依頼して講師に招いた中小企業診断士の川原茂樹氏が、経産省「キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元事業)」の全体を説明。
続いて全国書店再生支援財団理事で日書連顧問の髙島瑞雄氏が、同財団設立の経緯と、同財団が提案する三菱UFJニコスの決済端末、同財団から先着300法人に1法人1回限り10万円の補助があることなどを説明した。
また、電子決済サービスを展開するPayPay(ペイペイ)がブース展示とデモを行い、決済料率や端末操作、外商ではコピーしたQRコードを提示して顧客に読み取ってもらう方法などをプロジェクターを使って説明した。
(石尾義彦事務局長)

「本の日」図書カードプレゼントキャンペーン/雑協会員社の雑誌にPR広告

日書連が事務局を務める「本の日」実行委員会(矢幡秀治代表)は、読者応募企画「図書カードプレゼントキャンペーン」のPR広告の掲載を、日本雑誌協会(雑協)会員社の発行する雑誌に掲載するよう協力要請した。雑協は7月17日の理事会で承認した。
このキャンペーンは昨年も実施した目玉企画。11月1日~11日の期間、書店店頭に掲示されたポスターのQRコードを読み取って応募すると「図書カードNEXTネットギフト」10万円分などが当たるもの。
同実行委員会は、雑誌広告によって多くの読者にプレゼント企画を知ってもらい、「本の日」の趣旨である読者と本の出会いを作りたいとしている。

ポイント還元事業、加盟申請24万店に/経産省

経済産業省は7月31日、10月の増税時の景気対策として行うキャッシュレス決済のポイント還元事業について、7月30日時点の加盟店登録申請数が23万9237件になったと発表した。審査を完了した登録加盟店は4700店で、このうち「書籍・玩具・音楽CD」業種は5店にとどまる。
10月の事業開始が近づくと申請が急増し、事業参加に間に合わない可能性があるため、経産省は早めの申請を呼びかけている。

読書週間書店くじ実施要項

▽実施期間令和1年10月27日(日)より11月9日(土)まで。書籍・雑誌500円以上購入の読者に「書店くじ」を進呈
▽発行枚数110万枚。書店には1束(500枚)3571円(税別)で頒布
▽申込方法と申込期限注文ハガキに必要事項を記入し、束単位で所属都道府県組合宛に申し込む。締切は8月20日(厳守)
▽配布と請求方法くじは取引取次経由で10月20日前後までに配布。代金は取引取次より請求
▽当せん発表12月5日(木)。日書連ホームページ並びに書店店頭掲示ポスターで発表
▽賞品総額682万円
当せん確率は23本に1本
1等賞=図書カード
又は図書購入時充当5000円
110本
2等賞=同1000円220本
3等賞=同500円3300本
4等賞=図書購入時に充当100円
44000本
▽賞品引き換え取り扱い書店で立て替え。図書カードの不扱い店または図書カードが品切れの場合は、お買い上げ金額に充当
▽引き換え期間読者は12月5日より令和2年1月10日まで。書店で立て替えた当せん券は同1月31日までに「引換当せん券・清算用紙」(発表ポスターと同送)と一緒に日書連事務局に送付
▽PR活動「読書週間書店くじ」宣伝用ポスターは日書連ホームページ(http://www.n-shoten.jp)よりダウンロード(郵送はしません)。全国書店新聞に実施要項を掲載。日書連ホームページで宣伝

キャッシュレス対応の推進促す/図書納入問題への取組み継続/岐阜総会

岐阜県書店商業組合は6月28日、岐阜市の岐阜キャッスルインで第36回通常総会を開き、組合員40名(委任状含む)が出席した。
総会では、池田副理事長の開会あいさつに続き、木野村匡理事長があいさつ。出版物の推定販売金額の落込みや、電子雑誌の定額制読み放題サービスの会員数がここ2年連続で減少していることに触れ、その上で「高額のグルメ情報書籍が大ヒットしたのは紙の書籍の可能性を感じさせる事例だ。組合員減少に歯止めがかからない状況だが、組合として学校や図書館納入の見積合わせや入札の見直しについての要請に、引き続き取り組んでいきたい」と述べた。また、10月からの消費税増税に伴う政府のキャッシュレス・消費者還元事業について中小規模事業者の優位性を説明し、推進を促した。続いて議案審議を行い、全ての議案を承認可決した。
総会終了後、出版社など18人が参加し、各社の紹介と懇親会が行われた。
(寺田澄男広報委員)

光永和史理事長を再選/読書感想文課題図書の販売目標達成/愛媛総会

愛媛県書店商業組合は6月11日、松山市のANAクラウンプラザホテル松山で第31回定時総会を開催し、組合員29名(委任状含む)が出席した。
総会は司会を務める山本理事の開会の辞で始まり、あいさつを行った光永和史理事長は、昨年の愛媛新聞社読書感想文コンクール課題図書の販売が目標の7千冊を達成できたこと、偕成社の協力で開催した廣島玲子氏講演会「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」が大変盛況だったことを報告。また、ヤングアダルト出版会の研修が愛媛県で行われ、組合員の多くの店舗で会員メンバーの訪問を受け入れたことや、研修会・懇親パーティーへの出席で協力を得たことについて、組合員に謝辞を述べた。
この後、光永理事長を議長に選任して議案審議を行い、平成30年度事業報告・収支決算報告等、令和1年度事業計画案・予算案ともに満場一致で承認した。役員改選では、光永理事長以下現体制による組合運営の継続が決定された。
総会終了後、出版社・取次10社が参加して和やかに懇親会が開催された。
[愛媛組合役員体制]
▽理事長=光永和史(松山堂書店)▽副理事長=松岡省自(アテネ書店)▽専務理事=足立岳彦(愛媛官報販売所)
(松岡省自広報委員)

日書連のうごき

7月1日万引防止出版対策本部に事務局が出席。
7月3日JPO運営幹事会に事務局が出席。
7月4日書店東北ブロック大会に矢幡会長が出席。発売日本部委員会に事務局が出席。
7月9日簡易レジ研究でリクルートとの意見交換に志賀理事、東京組合・平井副理事長が出席。
7月10日返品現地処理で中央社と意見交換に柴﨑副会長、志賀理事が出席。
7月11日公取協で出版社との意見交換に元永専務が出席。JPO運営委員会に事務局が出席。
7月16日読進協読書週間ポスター選定に事務局が出席。
7月18日出版倫理協議会に事務局が出席。
7月19日子どもの読書推進会議総会に春井副会長が出席。
7月24日本の日実行委員会に矢幡会長が出席。
7月25日文化産業信用組合理事会に矢幡会長が出席。公取協会月例懇談会に矢幡会長、柴﨑副会長が出席。
7月26日出版平和堂委員会、平和堂維持会に事務局が出席。
7月29日消費者庁、公取委訪問に矢幡会長、柴﨑、渡部両副会長、公取協・元永専務が出席。
7月30日書店再生財団定例理事会に矢幡会長、髙島顧問が出席。

「春夏秋冬本屋です」/「現場こそ書店の花形」/東京・教文館取締役・森岡新

1986年4月1日、中村義治前社長のもと、教文館での書店人としての日々が始まりました。入社したその日、何の紹介もなく、いきなり棚卸の現場です。そして、朝一番に幼年誌の付録組みや雑誌の検品、棚掃除、カウンター業務。縁故採用だったこともあり、扱いづらい新人だったはずです。そんな周りの見方を払拭するため、入社当時は懸命に走り続けました。
一番の思い出は、1987年に刊行されたスーパーベストセラー『ノルウェイの森』が品切れになった時、どうしてもお客様に届けたくて、他の書店で買って店頭に並べるという、儲け度外視の荒業まで使ったことです。おかげで新刊配本の妙や商品確保の難しさを学ぶことができました。
1988年に創刊された週刊誌「AERA」「Hanako」も忘れることができません。ともに教文館名物の店頭販売とバックナンバー常設の基礎を作ってくれた雑誌です。売ることの喜びを教えてくれました。入社間もない時期にその販売に携われたことは私の財産です。現場こそ花形だと心から思います。
アマゾンとスマホの登場で出版界を取り巻く環境は激変しましたが、これからも書店が街に根付いた存在であり続けられるように、変化を恐れずチャレンジしていくことが必要だと思います。本の力を信じて、お客様に寄り添って。

「九州選書市」時間延長で商談の促進図る/福岡理事会

福岡県書店商業組合(安永寛理事長)は6月24日、福岡市中央区の組合会議室で定例理事会を開催した。
理事会では、日書連報告と、5月開催の九州雑誌センター株主総会について報告が行われた。
毎年海の日に開催する「第16回万引防止街頭キャンペーン」については、多くの書店の参加を求める呼びかけを行った。
福岡組合が主催する第8回「九州選書市2019」は9月18日(水)午前10時から、福岡市中央区の電気ビル共創館みらいホールで開催。今年は終了時間を1時間延ばして午後5時までとし、より多くの商談時間を確保できるようにした。また、商談会と並行して実施するイベントとして、昨年も好評だった「POP作成講座」と「読み聞かせ」を行う。現在、実行委員会を中心に準備を進めていると説明があった。
国を挙げて取り組みが行われている「働き方改革―一億総活躍社会の実現に向けて」について、福岡働き方改革推進支援センターの石﨑憲子氏から説明があり、大きなポイントとして①労働時間法制の見直し②雇用形態に関わらない公正な待遇の確保――の2つが挙げられた。
(加来晋也広報委員)

池田理事長体制3期目に/生き残りへ一層の奮起求める/茨城総会

茨城県書店商業組合は6月26日、水戸市の茨城県教科書販売会議室で第33回通常総会を開き、組合員59名(委任状含む)が出席した。
総会は青天目敦理事の開
会の辞で始まり、あいさつした池田和雄理事長は、10月の消費税増税について、政府が進めるキャッシュレス・消費者還元事業への対応が急務になると指摘。また、組合員の減少に懸念を示し、「日書連では書店を残すための経営改善策として粗利30%以上の実現や、『本の日』キャンペーンへの取り組みを進めている。ここが踏ん張りどころだ」として、各自が知恵を絞り皆が情報を共有して力を合わせようと呼びかけた。
議長に川又英宏副理事長を選出して議事を進行し、平成30年度事業報告、収支決算書、監査報告、令和1年度事業計画案、収支予算案等すべての議案を原案通り可決した。
任期満了に伴う役員改選では、選考委員会(塚越賢次選考委員長)が理事13名、監事2名を選出して承認。初理事会を開催し、池田理事長の再選を決定した。池田理事長は3期目。その後、新役員人事(正副理事長・監事)の発表が行われた。
池田理事長は就任あいさつで、「消費税増税に伴い消費の減退が予想されるなか、より一層の踏ん張りが求められる。来年度はオリンピックの盛り上がりもあり、その機運に乗じて皆が協力し頑張っていこう」と述べ、河原崎美津江理事の閉会の辞で総会を終了した。
[茨城組合役員体制]
▽理事長=池田和雄(一貫堂書店)▽副理事長=川又英宏(茨城県教科書販売)田所和雄(忠愛堂田所書店)青天目敦(ヤマサン)
(飯田浩一郎広報委員)

2020年を「学校図書館年」に/JPIC評議員会で肥田理事長

出版文化産業振興財団(JPIC)は6月26日、東京・千代田区の出版クラブビルで第71回評議員会を開催。2018年度事業報告・決算案、19年度事業進捗状況、役員の一部交代など全議案を承認した。
冒頭あいさつで肥田美代子理事長は「2020年を『学校図書館年』にすべく国会議員に検討・調整をお願いしており、次の臨時国会には決まると思う。来年は、学校図書館図書購入予算220億円を自治体が充分に活用できる方向を目指していきたい」と述べた。
19年度事業については、書店店頭イベントと読者コミュニティを連携して若い世代に新たな読書体験を提供する「LiveatBookstore」(光文文化財団と共催)は、昨年度は京都で実施したが今年度は地域を限定せず、店頭で読書推進イベントを開催したい書店や出版社を募集する。
翻訳出版等の国際展開では、内閣府と進める「JAPANLIBRARY」事業は19年度に15タイトルを出版する予定。日本国際問題研究所の英訳出版事業、日本財団の図書寄贈事業にも引き続き協力していく。
役員の一部交代では、舩坂良雄副理事長(日書連前会長)、西村俊男常務理事(同前副会長)が理事を退任し、日書連・矢幡秀治会長、同・春井宏之副会長が理事に就任。評議員は、小林毅氏(前NHK出版専務)、斎藤健司氏(日本書籍出版協会常任理事)、髙杉昇氏(前家の光協会代表理事専務)、宮本哲男氏(前岩波書店取締役)、齊藤隆巳氏(前日本雑誌販売社長)、春井日書連副会長が退任し、坂本政謙氏(岩波書店取締役)、関口聡氏(家の光協会代表理事専務)、田中伸一氏(NHK出版常務)が新たに就任した。

組合への助力に感謝の言葉/岡山総会あいさつで小野理事長

岡山県書店商業組合は6月28日、岡山市の岡山県教科図書販売藤原営業所で第32回通常総会を開催し、組合員45名(委任状含む)が出席した。
小野正道理事長はあいさつの中で、長年にわたり岡山県書店商業組合に貢献した中村文亀堂の中村博明氏が今春亡くなったことに言及し、全員で黙祷を捧げた。小野理事長は「中村氏にはいろいろな助言で書店組合を助けていただいた。また、岡山県教科図書販売の林部長にはお忙しい中事務局をお願いしており、感謝申し上げる」と述べた。
総会は事務局の林氏の司会で進行し、議長に小野理事長を選任して審議。平成30年度事業報告ならびに収支決算書報告、平成31年度事業計画・予算案などすべての議案を原案通り承認可決した。
最後に、荒木書店の荒木氏より、「新聞広告に出ていた、岡山県の出版社が出している天皇在位30年の本が入荷しにくく、大手しか販売できないのは問題では」と問題提起があった後、総会を終了した。
(横井憲五広報委員)

新理事長の森朗氏/広島総会

広島県書店商業組合は7月22日開催の総会で、6月21日に死去した山本秀明理事長(金正堂)の後任に森朗氏(森書店)を選出した。

日経MJ「日本の専門店調査」/CCC、3606億円で首位/書籍・文具部門売上高ランキング

日経MJ(7月10日付)は「第47回日本の専門店調査」(2018年度)を発表した。これによると、全国の有力専門店344社の総売上高は26兆6467億円と前年比3・2%増。増加は4年連続となった。ネット通販が普及する中、専門店の経営環境は厳しさを増しているが、店舗網を巧みに活用した企業は成長を持続しており、戦略の巧拙が業績の明暗を分けていると同紙は指摘している。
全24業種(その他業種も含む)のうち、増収は5割超にあたる14業種で、前回からは4業種減。好調だった楽器・CDのほか、紳士服や婦人服・子供服が減収に転じた。好調だったのは総合ディスカウントストア(6・4%増)や100円ショップ(5・1%増)など比較的単価の安い業種だった。増収率が5%超の業種は5業種で、前回から2業種減少した。
書籍・文具部門を見ると、全体の売上高は8・8%増と前回調査から大きく伸長した。牽引したのは1位のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)で、徳間書店、主婦の友社の買収効果に加えて大型店も好調で、30・4%増と売上を伸ばした。CCC以外の上位企業は前年実績を下回るケースが目立ち、2位の紀伊國屋書店は0・2%減となったほか、丸善ジュンク堂書店が2・2%減、未来屋書店が6・3%減など、書籍・雑誌販売の低迷でマイナスとなった。
総売上高経常利益率は、1位がCCCで5・4%、2位がリラィアブルで3・4%、3位がフタバ図書で2・7%。
1人当たり総売上高は丸善ジュンク堂書店が7億9138万3千円、3・3平方㍍当たり直営店売上高は有隣堂が250万8千円、直営+FC新設店舗数はブックオフグループホールディングスが13店でトップだった。

6月期は前年比3・0%減/コミック11ヵ月連続プラスに/日販調査店頭売上

日販調べの6月期店頭売上は前年比3・0%減。書籍と雑誌は前月に比べやや回復したものの、前年を下回った。コミックは堅調を維持し、11ヵ月連続の前年超えとなった。
雑誌は同4・3%減で、内訳は月刊誌が同2・2%減、週刊誌が同6・5%減。「リンネル8月号」(宝島社)、「幼稚園7月号」(小学館)が売上を牽引し、前年比プラスとはならなかったが前月から2・5ポイント改善した。
書籍は同3・5%減。ビジネス書、学参、児童書の3ジャンルで前年を上回った。特に学参は『英単語の語源図鑑』(かんき出版)が売上を牽引し、同3・3%増。児童書は「おしりたんてい」シリーズ(ポプラ社)が好調に推移したほか、『おもしろい!進化のふしぎもっとざんねんないきもの事典』(高橋書店)も売上を伸ばした。新書は、上半期ベストセラー1位を獲得した『一切なりゆき』(文藝春秋)が引き続き好調だったが、前年を下回った。
コミックは同0・7%増。新刊は、『約束のネバーランド14』『ハイキュー!!38』が売上に貢献。既刊もテレビアニメ化した『鬼滅の刃』が継続して好調だった。前年に『ONEPIECE89』『SLAMDUNK新装再編版1~6』(いずれも集英社)が発売されていたのが影響し、前月差では4・6ポイント減となったが、11ヵ月連続プラスになった。

書店大商談会を9月25日開催/東京ドーム「プリズムホール」で/来場書店1千人目標に

第10回「書店大商談会」(主催=「書店大商談会」実行委員会)の出展社説明会が7月9日に東京・新宿区の牛込箪笥区民ホールで開催された。
書店大商談会は9月25日(水)午前11時~午後5時半、東京都文京区の東京ドーム「プリズムホール」で開催する。出展は7月9日現在で205社215ブース。出展250ブース、来場書店人数1千名、商談成立額1億円(本体価格)を目標としている。
説明会の冒頭であいさつした矢幡秀治実行委員長(真光書店、日書連会長)は、今回9月の開催としたことについて「前回は他の商談会が多く行われる9月と10月を外して今年2月に開催したが、書店からのアンケートで『2月は厳しい』という意見をいただいた。2月開催は1つの挑戦で、書店や出展社のためになると考えたが、残念な結果となったことはお詫び申し上げたい」と述べ、「第10回を迎え、多くの書店に参加していただけるよう努力していく。出展社には、多くの方に来てもらえるような案をたくさん出していただきたい」と協力を呼びかけた。
書店への事前周知・集客手段として、8月上旬から開催直前まで、案内チラシ数種類を首都圏書店に限らず広く配布。8月下旬~9月上旬には出展社の情報を掲載したパンフレットを書店に配布する。フェイスブックやツイッターを使い、イベントやサイン会情報、各出展社の特典情報や取扱い商品などの情報を発信していく。
出展社には、お薦め既刊本のPRや、商談会のみの特別セット、本以外の開発商品、作家やタレント等によるサイン会等の実施を要請。書店の来場・仕入を促進するため購入額の5~10%を還元する「キャッシュバック券」の配布についても実施を依頼した。

古泉淳夫理事長を再選/地域の図書館、学校との協力関係大事に/鳥取総会

鳥取県書店商業組合は6月27日、東伯郡の「琴浦町生涯学習センター」で第31回通常総会を開催。議決権保有組合員(支店加盟除く)17名は委任状出席を含め全員出席した。
総会は議長に古泉淳夫理事長(鳥取今井書店)を選任して議案審議を行い、馬野理事が平成30年度事業報告と収支決算報告、杉嶋副理事長が令和1年度事業計画と予算案を説明した。任期満了に伴う役員改選では新理事10名を選出して承認。7名が重任、3名が新任となった。その後、別室で代表理事の選出を行い、古泉理事長を再選。副理事長に杉嶋運一氏(杉島書店)、下山雄士氏(下山書店)を選出した。就任あいさつに立った古泉理事長は「鳥取方式と呼ばれる地域の図書館、学校との協力関係を大事にしたい。また、組合員間のこれまで以上の情報交換及び協力をお願いしたい」と述べた。
総会終了後、組合員研修を行い、「働き方改革の概要及び対応に係わる留意点について」をテーマに、地元の社会保険労務士が厚生労働省の資料を使って説明。「キャッシュレス・消費者還元事業の概要について」をテーマに、鳥取県中央会の指導員が経済産業省の資料を基に解説した。タイムリーな内容で、組合員から多くの質問が寄せられた。(井澤尚之広報委員)

新社長に大熊恒太郎氏/NET21

NET21は7月23日に開催した第18回社員総会で新役員を選出し、大熊恒太郎氏(第一書林)を代表取締役社長に新任した。田中淳一郎社長(恭文堂)は代表取締役会長に就任した。
[役員体制]
▽代表取締役会長=田中淳一郎(恭文堂)▽代表取締役社長=大熊恒太郎(第一書林)▽取締役副社長・会計担当=今野英治(今野書店)▽取締役・財務担当=曽根豊久(いろは堂)同・総務担当=野条郁二(ブックランドサンクス)同・渉外担当=面屋洋(清風堂書店)

「出版社はプロダクトアウト志向で」今村理事長が考え示す/出版梓会懇親の集い

出版梓会は7月23日、東京・千代田区の如水会館で2019年業界・会員社懇親の集いを開催し、会員出版社、書店、取次、業界団体など約180名が出席。今村正樹理事長(偕成社)は「今の時代でも出版社はプロダクトアウトを志向すべき」との考えを示した。
はじめにあいさつした今村理事長は、取次大手からマーケットイン型の出版流通改革案が提唱されていることに触れ、「現在行われている配本、委託制度の無駄は見直されなければならないが、その次に来るスキームがどういうものか、まだはっきりしない。現実問題として、書店の場合、本部が買切りを打ち出しても、現場は買切りなら買わないと拒絶する状況が続いている。そこを少しずつ変えていかないと本当の意味での改善にはならない」と指摘した。
また、中村勝哉氏とともに晶文社を創業した伝説の編集者でウィリアム・モリスの研究者としても知られる小野二郎氏の仕事と思想をたどる展覧会「ある編集者のユートピア」を6月に世田谷美術館で見た感想として、「出版はプロダクトアウトだという思いを強くした」と述べ、「これだけ時代が進み、出版社がプロダクトアウトであり得るかは難しいところもある。ただ、たとえば光文社の新訳古典文庫は非常に斬新で、『カラマーゾフの兄弟』のブームを引き起こすなど、プロダクトアウトに相応しい企画だった。今のような時代にあっても出版社はますますプロダクトアウトを志向していくべきではないか」と提言した。
来賓を代表して日販・安西浩和専務執行役員があいさつし、日本書籍出版協会・相賀昌宏理事長の発声で乾杯した。

6月期販売額は12・3%減/2ヵ月連続で2ケタ大幅減/出版科研調べ

出版科学研究所調べの6月期の書籍雑誌推定販売金額(本体価格)は前年同月比12・3%減と2ヵ月連続で2桁マイナスとなった。内訳は書籍が同15・5%減、雑誌が同8・9%減。雑誌の内訳は月刊誌が同8・0%減、週刊誌が同12・9%減。
書籍は出回り金額が同12・5%の大幅減。これは前年同月『新・人間革命(30)(上)』(聖教新聞社)が初版76万部で刊行されたため。雑誌は週刊誌のマイナスが大きい。総合週刊誌やビジネス誌などで刊行が1号少ない雑誌が多かったことに加え、青年コミック誌の部数減が著しかった。
返品率は、書籍が同2・0ポイント増の43・4%。雑誌が同0・2ポイント増の44・7%。内訳は月刊誌が同0・3ポイント減の44・8%、週刊誌が同2・5ポイント増の44・4%。書籍、雑誌ともに悪化した。
書店店頭の売上げは、書籍が約3%減。ビジネス書は『メモの魔力』(幻冬舎)や『FACTFULNESS』(日経BP発行/日経BPマーケティング発売)、『Thinkclearly』(サンマーク出版)などヒット作が多く約7%増。児童書は「おしりたんてい」シリーズ(ポプラ社)が好調を持続して約3%増となった。
雑誌は、定期誌が約3%減、ムックが約6%減、コミックスが約1%増。コミックスは『約束のネバーランド』(集英社)や『五等分の花嫁』(講談社)などが売上げを伸ばした。

東海、北海道で商談会/商談と情報交換の場ぜひ参加を

■第3回日本ど真ん中書店会議
8月28日(水)午後0時半~5時半、名古屋市千種区・名古屋中小企業振興会館(吹上ホール)第1ファッション展示場で開催。同実行委員会(春井宏之実行委員長=愛知県書店商業組合理事長)が主催。愛知県書店商業組合、岐阜県書店商業組合、三重県書店商業組合が共催。
午後0時半に開会挨拶、午後0時40分に「第3回日本ど真ん中書店大賞2019」表彰式を行い、午後1時に商談会を開始する。受賞者らのサイン会も行われる。また、出版社5社と商談してアンケートに記入した書店に、図書カード500円分1枚を進呈する。
問い合わせは同実行委員会(愛知県書店商業組合内)まで。
℡052(205)8330 メール &#100