全国書店新聞
             

平成21年9月1日号

日書連MARC研修会を開催/鹿児島組合

鹿児島県書店商業組合は約2年前からコンピュータハウスナノビットとともに市教育委員会と交渉を続けてきたが、このほど日書連MARCが市内小中学校77校に導入された。
これを受け、同組合は7月27日と8月3日に日書連MARC研修会を開催し、鹿児島市内の15書店・20名が参加した。

読書推進運動で店頭支援/組合員に役立つ組合作る/神奈川総会

神奈川県書店商業組合は8月21日午後2時から横浜市中区の神奈川平和会館で第32回通常総会を開き、組合員149名(委任状含む)が出席。山本裕一理事長(信濃屋書店)は売上減少や組合員減少など書店業界を取り巻く環境の厳しさを訴え、組合員の役に立つ組合作りを目指す方針を示した。また、各委員会報告では読書推進、情報化で店頭を支援していく考えを打ち出した。
総会は筒井正博常務理事(伊勢治書店)の司会で進行し、山本理事長があいさつ。「昨年の総会で理事長職を仰せつかって、あっという間に1年がたった。就任早々、アメリカ発の世界同時不況の波を受け、日本も大変な不況に襲われた。12月になると個人消費が落ち込み、書店業界も先行きがますます懸念される状況になった。しかし、書店業界の売上減少ペースは比較的緩やかなもの。自動車販売店などは販売台数が半分に落ち込んだと聞いている。厳しい業界はたくさんある。書店はまだ恵まれているほうではないかと思う。来年度は今期にも増して厳しい状況になるかもしれないが、皆さんのお役に立てる組合にすべく努力する」と述べた。
村上弘一常務理事(村上書店)を議長に選任して進めた議案審議では、平成20年度事業報告、平成21年度事業計画案、決算・予算案などすべての議案を原案通り承認可決した。
事業報告全般について山本理事長が説明。「書店業界は過去10年、対前年比マイナス成長が続いている。組合加盟書店も毎年減少が続き、期初318店が期末には284店にまで減少した。出版業界では雑誌の落ち込みが顕著となり、有力月刊誌の休刊が相次いだ。出版社の倒産もあり、あらためて有事出版社の問題が浮上してきた。出版科学研究所によると、書籍販売金額は前年比1・6%減、月刊誌4・5%減、週刊誌4・5%減。金額返品率は書籍0・7ポイント増、月刊誌1・3ポイント増、週刊誌1・6ポイント増だった」として、書店業界を取り巻く環境に厳しい見方を示した。
増売・読書推進では①神奈川県読書推進会主催、神奈川組合後援で第3回「大好きな本絵画コンテスト」を開催し、幼稚園・保育園児から1283通の応募があった、②昨年10月25日に横浜・みなとみらい「はまぎんホールヴィアマーレ」で開かれた「子ども読書活動推進フォーラム」に協力。書籍販売を行った、③神奈川県夏の推薦図書の増売を図る、④4月23日に神奈川新聞へサン・ジョルディの日PR広告を出稿した――などの報告があった。
情報化推進では、神奈川組合ホームページについて、本屋の店頭にある本を読者に結びつけ、書店の売上向上に貢献することを目的とするとの方針が説明された。また、日書連MARCの説明会を近日中に開催する予定と報告があった。
返品入帳問題については、いっそうの改善を要求していくとして、6月に顧問弁護士と相談のうえ中小企業庁長官宛て陳情書を作成、全国中小企業取引振興協会を訪問して相談したとの報告があった。また、選挙後に政治状況が落ち着いてから、公取委、経済産業省にも相談したいとの方針が示された。
出版販売倫理では、県青少年課から青少年不健全図書の区分陳列を励行するよう要請があるが、小口止めシールを貼っていない成人図書が送られてくるケースが多数あるとして、出版社、取次に小口止めシール貼りの徹底を引き続き働きかけていくことになった。また、県青少年課を通して雑協、取協にも要請する。
質疑応答では「取次は返品入帳処理後に書店に請求すべき」「有事出版社の返品についてすべての書店を公平に扱ってほしい」「日書連共済会の残余財産は再度総会を開き、使途について民意を聞くべき」などの意見があった。これに対して、来賓として出席した日書連・大橋信夫会長は「返品入帳は取次や地域によって差がある。一つひとつ着実に処理し、業界用語の統一にも積極的に取り組みたい。税務署の当初の説明と異なったため、日書連共済会残余財産約5億円の使途をまだ決めていない。あらためてご返事させていただきたい」と述べた。また、山本理事長は「有事出版社問題は業界全体でセーフティネットをかけるシステム作りに取り組まねばならない」として、理解を求めた。
このあと大橋会長が「神奈川組合は日書連にとって心強い応援団。理論的な方もいらっしゃる。山本理事長をはじめ多くの方々の力で日書連を支えていただきたい」と祝辞を述べ、井上俊夫副理事長(井上書房)の閉会の辞で終了した。
総会終了後、午後5時半から中華街の中華料理店「華正楼」に会場を移し、出版社、取次などを交えて懇親会を開催した。山本理事長があいさつし、共同購買事業への理解・協力に対して聖教新聞社、リクルート、日本図書普及の3社に感謝状を贈呈した。版元を代表してリクルート・尾形喜光氏があいさつし、トーハン・田名網智志氏の発声で乾杯した。

「スポーツ・健康科学書総目録2010年版」

スポーツ・保健体育書目録刊行会(太田博会長=杏林書院)は、このほど『スポーツ・健康科学書総目録2010年版』を刊行した。A5判224頁、110社・2600点掲載。頒価税込300円。
総記、健康科学、スポーツの3部門を大項目に、中項目19、専門項目81に小分類して掲載。1976年の創刊以来、毎年、図書館の選書や専門家の関連書収集等に利用されている。今年度版は、過去1年間の新刊をピックアップした「新刊書名索引」を巻頭に設け、目録の小口部分に「爪」を、本文の最初に「インデックス扉」を設けるなど、リニューアルを図った。

「ポケッター」2010版の申込み

日書連共同購買・福利厚生委員会は年末年始の贈答・販売用に「ポケッター2010年版」、名入れ印刷の代用に便利な「店名刷り込みシール」を斡旋します。どうぞご利用ください。頒価すべて税込み。
◇ポケッター2010(78×127×3㍉、のし袋付、送料込み)
①店名なし=1セット(百部)8150円②店名入り=5百部以上(印刷場所は後ろ見返し。のし袋への印刷は不可)。5百部以上・1セット(百部)当たり1万150円、1千部以上・1セット当たり9350円、3千部以上・1セット当たり8850円
◇店名刷込みシール(55×25㍉、5百枚以上・百枚単位)
5百枚以上・百枚当たり1050円、1千枚以上・百枚当たり950円、3千枚以上・百枚当たり600円
※「ポケッター店名入り」「店名刷込みシール」の書体は細ゴシック体または明朝体に限る。
ご注文は所定の申込用紙に必要事項を記入の上、所属都道府県組合へ。11月上旬頃に取引取次店より配送。

小規模中学に図書寄贈/SJチャリティ販売で/愛知

愛知県書店商業組合(谷口正明理事長)は7月24日午後4時から名古屋市の組合事務所で7月理事会を開催した。
サンジョルディ委員会の報告では、4月18日、19日に名古屋で行った本のチャリティ販売の代金の一部をあて、県内の小規模中学校7校に図書を寄贈したことが報告された。寄贈した図書は1校あたり121冊で、ブックランドぱぴるす、松屋書店、近藤商店、宝文堂書店、ページワン、岡崎書房が参加した。写真は岡崎市立河合中学校で図書を寄贈する西三支部近藤支部長(右端)。
読書推進委員会からは、「中学生はこれを読め」のキャンペーンが今年も愛知県75店、三重28店の合計103店でスタートしたと報告した。
共同増売では中日劇場の山本一力講演会場で出張販売を行い、6万7千余円を売り上げた。
このほか出店問題ではジュンク堂名古屋ロフト店、再販問題では杉山商事が美容院向けのチラシでヘアカタログ3冊を無料進呈するとうたっていることが報告された。
(榊原壮一広報委員)

『本はよかばい』第3集/今秋発刊に向け準備/熊本組合

熊本県書店商業組合は8月12日午後4時から熊本交通センターホテルで平成20年度通常総会を開催し、組合員39名(委任状含む)が出席した。
総会は事務局木村氏の司会で始まり、冒頭あいさつで、長崎晴作理事長は日頃の組合活動に感謝の意を表したあと、この秋には中学生向け読書ガイド『オーイ中学生本はよかばい』第3弾を発刊すると述べた。
議案審議では平成20年度事業報告、決算報告、平成21年度事業計画案、予算案などが審議され、いずれも原案通り承認可決された。
総会終了後、熊本県中央会の園田氏から、熊本県中央会の現状について説明をいただいた。
総会第2部では女子プロボウラーの西村美紀さんが「どん底からの脱却」と題して講演会を行い、プロボウラーの苦労話を聞いた。その後、西村プロを交えて親睦ボウリング大会、懇親会を行った。
(宮崎容一広報委員)

屋形船で納涼会/江東・江戸川支部

東京組合江東江戸川支部は8月21日、東京湾に納涼船を仕立て、恒例の夏季交流会を行い、支部の書店18名と出版社、目黒・世田谷支部青風会などから25名が参加した。
屋形船は午後6時に小名木川の大富橋を出船。本間守世支部長(本間書店)は「今日はゆっくり夜景を楽しんでください」とあいさつ。青風会・越石武史氏(甲文堂)は「東京では青風会のビールパーティと江東江戸川の屋形船が納涼会の双壁。明日から仕事に精を出しましょう」と乾杯の音頭をとった。納涼船は隅田川を下り、レインボウブリッジ、お台場沖と夜景を楽しみながら、懇親した。

第2回『坂本龍馬 幕末歴史検定』来年3月、全国4都市で実施

幕末の歴史を背景に坂本龍馬の知識を問う第2回「坂本龍馬 幕末歴史検定」が来年3月21日に東京・京都・長崎・高知で開催される。主催は全国最大の龍馬ファンクラブ「全国龍馬社中」、龍馬のゆかりの地、長崎から長崎新聞社が共催として参画。企画運営は日販が担当する。
検定は難易度により初級、中級に分けて行われ、主に検定公式テキストと問題集(新人物往来社刊・11月に改訂版発売予定)から出題される。申込受付やテキスト・問題集など詳細情報は、オフィシャルサイトで随時発表。(http://www.kentei-uketsuke.com/ryoma)

前年割れ37カ月目に/児童書・辞典のみ微増/日販調べ

日販経営相談センター調べの7月期書店分類別売上調査がまとまった。7月は平均93・6%で、2006年6月期から37カ月連続の前年同月割れとなった。
7月期が大きく前年割れになった最大の要因は、前年同月にハリーポッター最終巻の発売があったため。
文芸書は昨年7月期に168・4%を記録したが、今年はこの反動で62・1%となった。
児童書は「ハリポタ」を除いても冊数比107・4%、金額比110・5%と好調。小学館の『くらべる図鑑』が好調で、課題図書の平均定価が前年より140円高かったことがプラスに働いた。
辞典は小学生向け辞書が冊数比127・3%、金額比129%と伸びている。辞書引き学習の浸透・定着で伸びたとみられる。
客単価は1194・8円。99・8%と3カ月ぶりに減少した。今年1月から微増傾向だった平均商品単価が98・2%と減少に転じたため。

「色ある書店木を育てよう」生き残る書店運営の実践/掛川市・戸田書店掛川西郷店・高木久直氏/栗田出版販売実務セミナーより

書店経営研究会と栗田出版販売、栗田・書店共済会が共催する出版販売実務セミナーが8月26日に文京シビックセンターで行われ、書店・出版社など47名が出席。第1講でかんき出版営業部次長の松本健一氏、第2講で掛川市・戸田書店掛川西郷店店長の高木久直氏が講演した。この中から高木氏の講演「色ある書店木を育てよう~生き残る書店運営の実践」を抄録する。
レジュメに「色ある書店の木」として、私が思う書店経営の図を書いた(下図)。この書店木を育てていくことが我々運営者の仕事だ。今日は木の上の部分である、店内の実践活動を中心に話しを進めていく。私が最も大切と位置づけているのは、太い幹の部分だ。どのような運営をしていきたいのかという経営理念に当たる。まず、自分の店の確固たる目標を定め、自店のアイデンティティーをお客様に示して喜んでいただくということだ。
幹から派生する枝の部分として、理念を実現するための取り組みを挙げた。最も大切なのが、①の従業員教育だ。これは、自分に続いてくれる、理念をかなえる良き理解者を育てることに他ならない。私はエリアマネージャーとして静岡県の各店舗を回っているが、従業員の能力を一定レベルまで成長させることを教育の旨としてほしいと言っている。従業員を積極的に褒めることも伸びるスタッフを育てる要因となる。
②は商品展開力。この要としてまず仕入能力があり、雑誌部門と書籍部門に大別される。第一に考えてほしいのは雑誌は書店の食い扶持だということだ。書店の価値は、コンビニで陳列されていない雑誌が店にあるということ。自店のキャパやお客様の嗜好性を加味して、店に合うものを入荷していきたい。雑誌の入荷チェックと配本調整の実施は確実にやる。配本を自動的にカットされたアイテムは、我々から働きかけないと復活することはない。
書籍の話しに移ると、話題書はそうそう入荷しない。入荷のために最大限の努力はすべきだが、無理ならこだわらずに別にシフトした方が売上げ向上につながる。書店の売上げの大半は話題書以外で占められるから、この部分で自分の店らしい色を付けた、勝負ができる仕入をしようということだ。
店の商品展開力は、入ってきた新刊に、どういうインスピレーションを感じることができるかに関わってくる。どこに陳列するか、追加発注すべきか、うちにはいらないと判断するか。こういうセンスは、毎日商品とお客様に触れて、観察力を研ぎ澄ませていれば、数カ月で充分身に付けられる。店長と従業員が商品の見方を毎日話し合っていく必要がある。
③の独自力について。一度足を運んでくれたお客様をリピーターに変えるために、自店だけのメリット、独自力を構築していかなければならない。私が経営の理念としてきたのは、「他の書店がやらないからやる」ということだ。
私の店では例えば、店にベーゴマなど昔の玩具を置き、従業員はベーゴマを回せることを必須にした。回し方を教えてもらいたいお子さんは遠慮なく声をかけてくださいと書いておくと、結構大人も聞いてくる。レジ前に冷やしたラムネを置いて、昔の駄菓子屋みたいな雰囲気を作り上げてみる。男性社員によるお話し会をしたり、絵画の実演販売や、出版社とタイアップしたパネル展を開いたりした。独自色の出し方はさまざまで、何かアクセントになるようなことをする。発展を望むならギャンブル精神も必要だ。自分の感覚を疑ってみることも大切。固定観念にとらわれず、独自色を構築してほしい。
④の空間プロデュース力は、居心地の良い空間を提供できているかが成功のカギだ。まず、店の中で汚い状態を作らないことが大切になる。店内のBGM、展示物のチョイスであったり、さまざまな要素が織り成す雰囲気一つでお客様を呼べるようにもなる。
いくつか例を紹介すると、店内に買い物籠を置いたり、各所に老眼鏡をぶらさげておくのもけっこう喜ばれる。これらは百円ショップで売っている。学参コーナーに手作りの神社を作って賽銭箱や厚紙の絵馬を置いたら、中高生が「○○合格祈願」というのをたくさん貼ってくれた。商品一辺倒ではなくて、店内外に目を配ると意外にアピールできるポイントは多い。
⑤のアピール力について。まず当店の存在を知っていただくことだ。手間はかけても、経費はなるべくかけない方向を考える。私は社員になってからお客様へ配る通信を書き続けているが、これを毎月地元メディアにも送っている。地方では話題のネタ探しをしているので、けっこう取材がくる。ホームページやブログも手作りでやれば工夫次第でアピールできる。
店に来たお客様に一番いいのはPOPだ。当店のPOPのコンセプトは、面白い言葉を考えてお客様を立ち止まらせようということ。お客様の多くは何か背中を押してくれるものを求めていると思う。POPを全て取り除いて1カ月間売上げ動向を調べたことがあるが、私の店では3%落ち込んだ。確かにお客様はPOPで本を買ってくれていることが分かり非常に勉強になった。
⑥のプラスアルファに関しては、その店の持つ付加価値であるとか、情報に対するレスポンスの早さといったさまざまな要素が考えられる。確固たる経営理念のもとに、以上のことを実践していけば、決して書店経営は困難ばかりではない。冬来たりなば春遠からじと言う。来たるべき春に向け、我々書店人はやれることを徹底的にやろう。

読みきかせらいぶらりい/JPIC読書アドバイザー・伊藤悦子

◇2歳から/『おやすみ、ぼく』/アンドリュー・ダッド=文、エマ・クエイ=絵/落合恵子=訳/クレヨンハウス1575円/2009・4
眠りつく前のひととき。オランウータンの子どもが「あし」「ひざ」等の体の様々な部分に「おやすみ」と言葉をかけてから、眠りについていきます。今日一日頑張った体に感謝の気持ちを込めて、優しく言葉掛けをしているようです。小さなお子さんから大人の方まで癒される絵本です。
◇4歳から/『でっこりぼっこり』/高畠那生=作/絵本館1260円/2009・8
大地に『ぼっこり』と足跡の形をした山が出現。これは何でしょう?実は、きょだいじんの足跡なのです。ある日、きょだいじんが、マラソンをはじめたので地面に『ぼっこり』穴が空く。『ぼっこり』あればその裏側には『でっこり』がある。馬鹿馬鹿しさの裏には真理があるようです。
◇小学校低学年向き/『おおかみのおいしゃさん』/オルガ・ルカイユ=文・絵/こだましおり=訳/岩波書店1890円/2009・4
病気になったウサギのマルクをお母さんはお医者さんに連れて行くのですが、どのお医者さんの所へ行っても変な治療法ばかり。ふくろうがやってきて「おおかみのおいしゃさん」に行くようにアドバイスをします。ユーモアとドキドキする物語と迫力ある絵は読み聞かせにぴったり。

東京組合青年部の新リーダー/若手書店人の個性、活力引きだす/板橋・赤城書店牛房邦夫氏

東京組合青年部は来年2月に創立20周年を迎える。現在の会長は10代目の牛房邦夫氏(54歳、板橋区・赤城書店)。8月に店をリニューアルしたばかりという牛房さんを訪ねて、店舗リニューアルで目指したもの、東京青年部の活動と当面する課題、役割などについて聞いてみた。
〔25年目のリニューアル〕
赤城書店を訪ねて、都営三田線本蓮沼駅から地上に出ると、国道17号線(中山道)に面して間口2間半、奥行き7間の細長い店舗があった。
この細長い構造を生かして、正面を1枚の大きなガラスにしたのが改装のポイント。店の前に週刊誌の販売台を置かず、広いガラス面と壁面のレンガ、入口ガラスドアの木枠というシンプルな組み合わせが、美容院かブティックのような洒落た雰囲気を演出している。明るい店内は国道の向こう側からでも奥まで見通せる。スチール棚は特色の「紅(くれない)」。棚エンドと壁の柱は茶の木目調でおさえた。
店内右手に児童書を並べたので、ガラス越しに通行客に扱い商品をアピールできる。レジは思い切って店内一番奥まった場所に移動した。今までは入店客の背中しか見えなかったが、リニューアルしてお客様の顔が見えるようになった。
赤城書店は昭和22年、群馬から出てきた父、延男さんが創業した。邦夫さんは昭和29年、4人兄第の二男として生れ、私立城北中学・高校から学芸大学に進んだ。大学3年の時、父親が病で倒れた。「まだ小学生の弟がいて、商売を継ぐとすれば自分しかいなかった」。父親の病気は持ち直したが、牛房さんは文京区白山の南天堂書房で4年間、書店の実務をたたきこまれた。
4年後、牛房さんが赤城書店に帰ってくるのをきっかけに、店は2階建て10坪の店舗から3階建て売場16坪の店に拡張し、父親とともに働くことになった。今回の模様替えは、それから数えて25年目のリニューアルになる。
都営地下鉄の駅前、国道17号線沿いで立地は悪くないはずだが、本蓮沼の乗降客は1日1万人と三田線では最少。客層は20代男女とマンションに住む若いファミリーが中心だ。周辺は凸版印刷板橋工場が近く、下請け工場が多かったが、工場は次々に移転していき、跡地にマンションが増えた。新住民の増加で増えたのはスーパーとCVS。この3年でセブンイレブン、ファミリーマート、サークルKが立て続けに進出し、雑誌の売れ行きが目に見えて落ちてきた。
店舗リニューアルとともに、牛房さんは学参をカットした。品揃えを強化したのは児童書。図鑑も並べるがシリーズ最新刊を並べたい。外から見える一等地を児童書の棚にしたのは、家族で来られる店にしたかったからだ。
壁面は棚1本分を人文書にあてている。リニューアルして3日目は人文書の売上げが1割を占めた。客単価が高いせいもあるが、青年部の掘り出し選書を長く扱ってきた経験から、固定客がついてきた手ごたえを感じ始めている。
〔近所にいる人文書ファン〕
牛房さんは店舗リニューアル前に返品作業で腰を痛めてしまった。壁面の棚詰めに難儀していると、青年部副会長の小川さんが引き受けてくれた。その辺は緊密なネットワークというか仲間意識が徹底している。
東京青年部は今、会員数が140前後。以前に比べ絶対数は減ったが、メンバーは代替わりして若手が増えてきた。毎月1回、10名ほどが参加して書店会館で理事会を開いている。
現在、力を入れて取り組んでいるのは、会員のネットワーク化。会員書店の在庫を開示して全点検索できる仕組みを考えている。また、各書店ごとのホームページ作成を支援する。ホームページがあることで、書店のモチベーションが高くなる。本部も個店も書き込める双方向性のあるシステムにしたい。
すでに実績の上がっているのは「掘り出し選書」。4書店で1グループを作り、3カ月ごとに4出版社の商品をローテーションしていく。書店は90㎝棚1段を確保し、売れた商品は補充して次の店舗に回す。青年部発足当初から続いている企画で、今年も32店が参加している。出版社は今回、岩波書店、新曜社、未来社、青土社など11社がエントリーしてくれた。
「専門店化を目指しているわけではなく、ご近所に必ずいる人文書ファンを開拓するのが狙い」と牛房さん。そもそものアイデアは杉並・信愛書店の原田福夫氏だが、「青年部で原田さんに会ったことがきっかけで人文書と出会った。それが売れることも驚きだった」
同じ規模の本屋をやっていても、人によって切り口が違う。意外な意見や考え方を持っているのが面白い。ベストセラー・リストに出てこない売れ筋を教わることもしばしばある。青年部の役割を聞くと、「新人の発掘ですか」と答えが返ってきた。「青年部も第3世代に入ってきた。ぼくなんかつなぎ役」と自らの役割を分析する。強引にまとめ上げるタイプではない。休日に骨董市を冷やかすのが趣味。

こうすれば絶対売れる!/講談社『CDえほんまんが日本昔ばなし』/山口県書店商業組合理事長・冨永信

〔読者と書店、待望の企画〕
全国日書連加盟書店の皆様、こんにちは。皆様ご存じの通り、今年講談社が創業100周年を迎えました。全国書店の中には百数十年の歴史を有する書店もありますが、いずれにせよ100周年といえば長くてすごい年月です。その間、日本の出版界のリーディングカンパニーとして、どれほど我々書店界と全国の地域読者に名著を提供してきたことか……。いまさらながら書店人として、また読者として心から感謝と畏敬の念でいっぱいです。
今年は講談社創業100周年記念イヤーとして様々な「ありがとう100周年キャンペーン」を打ち出していますが、今秋10月16日に書店、読者待望の創業100周年記念企画が満を持して発刊されます。『CDえほんまんが日本昔ばなし第1集5冊セット』(6825円)です。
〔人間らしく生きる知恵が〕
現代の世は猟奇的犯罪・いじめ・不登校・自殺が頻発している状況下で、いずこの親も祖父母も我が子、我が孫は素晴しい人間として心豊かに成長していってほしいと願っているはずです。本書はそんな子を持つ親御さんの願いを叶えるべく、日本の伝統的な素晴しいお話で、恩返し、親孝行、人への思いやり、そして知恵や勇気等々、教科書では決して教えてくれない、人間として一番大切な部分を身につけさせてくれる格好の本が6825円で購入できるのです。
人間が人間らしく生きる知恵が満載の本書は3通りの楽しみ方ができます。①絵本だけを使って読み聞かせ、②CDだけを流して朗読を聴く(夜、寝るときなど)、③CDを聴きながら絵本を見る(1人でも親子でも)。とりわけ、本書の売りでもある、テレビ放映当時のままの、名優・市原悦子、常田富士男さんの朗読CD付きであることを強調してください。
私は山口県庁の公職を2つ(県青少年環境浄化対策委・県こども環境クリーンアップ対策委の県代表委員)拝命していますが、先月もテレビカメラが入って県庁で会議をした際、思わず耳を疑う数字が発表されました。平成20年1月~12月に19歳以下の青少年の自殺者が611名もいたそうです(警察庁調べ)。
また、かつてある県のお爺さんのお孫さんがいじめを起因に自殺した際、お金ならいくらでも出すから可愛い孫の命を返してほしい、そして願わくばこれを最後にしてほしい……と悲痛に訴えていました。6825円で人の心の奥底が慮れれば、いじめることもいじめられることもなく、人に対する思いやり、家族を思う心が身に付けば本当に安いものです。
また、毎年の中高大学生のインターンシップで、今の大人の社会に不信感を持っている青少年には「確かに訳のわからない大人がアメーバのごとく増殖している。でも、これだけはわかってほしい。すべての大人が腐っているとは思わないで……。絶対数は少なくなったものの、まだまだあなた方が信じて足りる、尊敬できる本物の大人がいるからネ。ぜひ将来そちらの方へ入って、いつか偽物を駆逐していこうね……」と。
〔昔話で健全な心育む商品〕
この本の発刊を待つ子供たちは、貴店の商圏にも必ず多くいらっしゃいます。要はこれ程に編集者の真心のこもった本を、我々書店が一軒でも多くのご家庭に、可愛いお子様のため、可愛いお孫さんの心健やかな成長のためにという願いを込めて、5人~10人にあたって断られたからといってめげるのではなく、徹底的に編集のコンセプトを含めてご案内するかです。
約10坪クラス~2000坪クラスの全国日書連加盟書店がいかに総力をあげてプライドを持って売りまくるか、それはひいては貴店の利益確保のため、そして講談社に対する「つるの恩返し」でもあるのです。この経済情勢下でも子供の教育投資だけは惜しまぬ親御さんがほとんどです。ましてや6825円ですから。お客様の断り文句は①必要性、②価格、③置き場所が上位です。①は可愛いお子さんの心豊かな成長を願って。②は恩返しや親孝行等、一番大切な部分がたった6825円で買えます。③は5冊セットで横幅6・5㎝で決して場所はとりません(指で「わずかこれだけのスペースです」と表現してください)。
あらためてお勧めの仕方を要約します。「今年の10月16日にお子様にとってかけがえのない本が待望発刊されるんですヨ。日本で一番大きな講談社が今年ちょうど創業100周年を迎えるにあたって、文学全集にするか美術全集にするかといろいろ思案した上で、今の世の中は変な事件ばかりなので、子供さんが健全な心で育ってほしい、そんな願いをこめて、日本の伝統的な昔話で恩返しや親孝行、そして知恵や勇気をこの本で知ってくれればということで、昭和50年からテレビ化されて大反響だった「まんが日本昔ばなし」の5冊セットCD付きを100周年記念出版として発売することになったのです。当時の音源そのままで、市原悦子、常田富士男の朗読で、目で読んで耳で読んでもらう画期的な本です。6825円の税込です。今、全国的にものすごい予約なんですよ。やはり子を思う親の気持ちはいつの世もいっしょなんですネ。ぜひ親子のふれあいをしていただいて、成長につれて何度も読み直してみて下さい。この本がお家にあるお子様はお幸せだと思います。ご予約くだされば、入荷次第、お電話(お届け)いたします」
〔総力結集して予約活動を〕
かつて「ポプラディア全13巻」が5000セット目標のところを、私が行ったポプラ社全社員研修会の講演をきっかけに火がつき、その後、スーパーエースの寺田、武井両氏ほか全社員の壮絶な闘いで業界を席巻し、なんと4万セットを達成しました。
今回の講談社企画も全書店、取次が総力を結集して取り組めば、爆発的予約は可能です。ただし責任販売制(6・5掛)のポイントはいかにお客様に心を込めてご説明申し上げて事前予約を取るかです。皆で血ヘドを吐く思いで、全国で地殻変動を起こしましょう。
重ねて言います。本気でやれば、あなたのお店でも必ず予約はたくさん取れます。日書連加盟書店パワーを今こそ発揮して、講談社100周年のはなむけにしましょう。
今回は会長、社長自らが目一杯予約活動をしてください。はなはだ拙文ではありますが、社内すべての皆様にご高覧いただければ幸甚です。
最後に野間佐和子社長、省伸副社長ほか多くの友人である編集、販売の皆様、100周年本当におめでとうございます。

〔内容〕
●絵本5冊
各巻に昔話を4話ずつ収録。うち2話は「読み聞かせ」のできる絵本形式(各約20ページ)、2話はダイジェスト形式で構成。
●CD5枚
テレビ放映時間に使用された音声を4話分収録(朗読・市原悦子/常田富士男)
1、「ももたろう」「したきりすずめ」ほか2話、
2「十二支のゆらい」「かぐやひめ」ほか2話、
3、「かちかち山」「つるのおんがえし」ほか2話、
4、「さるかに合戦」「ねずみのすもう」ほか2話、
5、「かさじぞう」「ぶんぶく茶がま」ほか2話

全国4会場に1万5千人が来場/トーハンこどもBF

トーハンは取引書店との共催で「2009こどもの本ブックフェア」を全国4会場で開催し、盛況裏に終了した。今年は5月29日~31日の熊本会場(熊本市興南会館)を皮切りに、7月20日~22日京都会場(京都市勧業館)、7月22日~25日福岡会場(博多スターレーン)、7月24日~26日岡山会場(コンベックス岡山)の各会場で開催、合計約1万5千人が来場した。
開幕セレモニーでは協賛団体の代表者があいさつに立ち、熊本会場では福音館書店・塚田和敏社長と熊本県書店商業組合・長﨑晴作理事長、京都会場では、くもん出版・土開章一社長、福岡会場では理論社・下向実社長、岡山会場では、ほるぷ出版・図師尚幸社長がそれぞれあいさつした。
各会場とも児童書約2万点、保育・教育書約5千点の合計約5万冊をテーマ別に展示即売。親子連れをはじめとする一般読者に加え、学校図書館関係者も多数来場し、学校図書館用セットや児童書・教育書を熱心に選書する姿が目立った。
会場では「はらぺこあおむし」などロングセラーを集めた「ミリオンぶっく」のコーナーから、「第一回MOE絵本屋さん大賞」を受賞した近年注目の絵本までを幅広く展示紹介。今年は7月22日の皆既日食に合わせ、「2009世界天文年星空ブックフェア」特設コーナーも設置され、注目を集めた。また、科学の実験など参加型イベントも開催されて好評を博した。なかえよしを氏、香川元太郎氏のサイン会には長蛇の列ができ、人気の高さをうかがわせた。この他、学校図書館向けに各講習会も実施。特に福岡会場の「手づくりPOP講習会」には百校を超える参加があった。

移転

◇PHP研究所東京本部
8月24日から左記へ移転した。
新住所=〒102―8331千代田区一番町21、一番町東急ビル2階(受付)、11階、12階。電話、FAXの変更はない。

平成21年敬老の日読書のすすめ/読進協

読書推進運動協議会は「平成21年敬老の日読書のすすめ」の推薦図書のリーフレットを作成した。
▽上坂冬子、曽野綾子『老い楽対談』海竜社▽三浦雄一郎、白澤卓二・解説『デブでズボラがエベレストに登れた理由』マガジンハウス▽熊谷達也『ゆうとりあ』文藝春秋▽森光子『人生はロングラン』日本経済新聞出版社▽リータ・レーヴィ・モンタルチーニ、齋藤ゆかり・訳『老後も進化する脳』朝日新聞出版▽安野光雅『木のぼりの詩』日本放送出版協会▽白江亜古、Grazia編集部・編『ニッポン・ビューティ』講談社▽「いい人に会う」編集部・編『忘れられない、あのひと言』岩波書店▽福間良明『「戦争体験」の戦後史』中央公論新社▽武良布枝『ゲゲゲの女房』実業之日本社▽葉室麟『秋月記』角川書店▽佐藤葉、清水まさみ『60歳から少しだけ社会貢献を始める本』実務教育出版▽市橋芳則『昭和に学ぶエコ生活』河出書房新社▽山本兼一『利休にたずねよ』PHP研究所▽椎名誠『大きな約束』集英社▽吉川敏一『いくつになっても年をとらない9つの習慣』扶桑社▽長門裕之『待ってくれ、洋子』主婦と生活社▽荒木源『オケ老人!』小学館▽五木寛之、帯津良一『生きる勇気、死ぬ元気』平凡社▽齊藤祐子『集まって住む「終の住処」』農山漁村文化協会▽小山敬子『夢見る老人介護』くもん出版▽服部祥子『あこがれの老い』医学書院▽佐野洋子『だってだってのおばあさん』フレーベル館▽城山三郎『どうせ、あちらへは手ぶらで行く』新潮社▽尾形明子・長谷川啓・編『老いの愉楽―「老人文学」の魅力』東京堂出版、▽スコット・フィッツジェラルド、都甲幸治・訳『ベンジャミン・バトン奇妙な人生』イースト・プレス

催し

◆大阪屋、新春おでんの会は1月9日に
大阪屋の新春恒例行事、「おでんの会」は毎年1月10日戎の日に開かれているが、来年、平成22年は1月10日が日曜日に重なるため、来年は9日(土)の宵えびすに開催することを決めた。
場所は東大阪市の関西ブックシティで正午より開催する。

人事

★トーハン役員人事
(8月18日付)
中央社社長を退任した正能康成氏が上席執行役員に就任した。
解・図書館営業部長委嘱
上席執行役員谷川直人
委嘱・図書館営業部長
上席執行役員正能康成

函館、松山でこどもワールド開催/日販

日販は8月1日から3日まで函館市と松山市で「本と遊ぼうこどもワールド2009優良児童図書展示会」を開催。函館会場には3375名、松山会場には3964名が訪れた。
函館・棒二森屋本館で開催した北海道会場では開会式で日販柴田克己副社長が「函館では初めての開催。講演会や読み聞かせ会など数多くの企画を用意したのでゆっくりご覧下さい」、児童出協・竹下晴信会長は「一冊でも多くの本と出会い、ふれあっていただきたい」とあいさつした。
会場では、赤ちゃんがはじめて出会う本ファーストブックコーナー、ユーモア絵本などが関心を集めた。函館市で生涯学習の講師を務める近江幸雄氏による「函館の歴史語りべ」などが開催され、日販社員たちによるバルーンアートも子どもたちから好評を博した。また、キャラ屋川下氏による「どうぶつにがおえ」や、香川元太郎氏の迷路遊び&サイン会、フリーアナウンサー・タレントの橋本志穂氏による読み聞かせと講演会が行われた。
松山会場は松山市総合コミュニティセンター企画展示ホールで開催。松山会場は1995年以来14年ぶり3回目。
開会式で日販橋昌利専務は「子どもたちへの読書の普及は業界の責務であり、私たち大人から日本の未来への贈り物だ。引き続き出版社、書店、関係団体と手を携え、子どもたちの読書推進に取り組んで参りたい」とあいさつした。
会場ではしかけ絵本などのコーナーが人気を集め、「ぬりえ」スペースでは、協力いただいた幼稚園からの作品約800枚を展示。ボランティアグループによるおはなし会や、日販社員によるダンボール工作教室なども開催された。また、絵本作家・川端誠氏による親子で楽しめるライブ&サイン会、キャラ屋川下氏の「どうぶつにがおえ」の実演が行われた。

本屋のうちそと

先月の当コラムに畏友の廃業のことを書いたが、7月に支部組合員さんがあと2軒廃業していた。1軒の奥さんは、私の小学生時代の同級生の妹さんで品揃えも工夫され、商品調達にも意欲をもって挑んでおられたが、現在はシャッターが下りたままだ。もう1軒はすでに居酒屋に店構えが替わっている。
毎年恒例の納涼支部会を開催したが、出席者は5名。四、五年前は10数名の出席者があって、2次会へ繰り出したものだ。支部報告の後、懇談の中で近況を話し合ったが、8月に入って景況がさらに悪化していること、特に来店客数が落ち込んでいること、テレビで話題になった「中居正広」の本などは配本もなく、注文も出来ない現状が語られた。
一体町の本屋は何を売れば良いのだろう。出版社は年間購読の特約キャンペーンで書店店頭の予約客を掠め取っている。情報操作キャンペーンの「1Q84」は書店に在庫の山を残した。タレント本はコンビニと特約店グループにだけ配本された。弱肉強食の競争原理では当たり前のことなのだろうが、お客様が欲しいといって注文された商品が届かない理不尽は何に起因するのだろうか。書店の予約契約客を出版社が囲い込む不条理の動機は何れにあるのか。
再販制度で最終価格が決定されている中で、出版社は自己の利益の最大化だけを望むのであれば、書店は要らないと言って欲しい。望まれない存在を続けるよりも廃業が合理的選択肢だと考えている。
(井蛙堂)