全国書店新聞
             

平成14年10月21日号

11月3日「まんがの日」コミックス買うとクジ

漫画家、出版社、書店の協力で、毎年11月3日を「まんがの日」に制定するキャンペーンが始まっている。
「まんがの日」を機会に、まんがの持つ楽しさを喚起、話題化させ、社会的ムーブメントにつなげることで、漫画市場全体を活性化させるのが狙い。
新刊書店を支援する「まんがの日書店キャンペーン」として、書店でコミックスを購入いただいたお客様には当選ハガキ付ジグゾーパズルを進呈。
当たりが出ればハガキを事務局に送ってもらい、折り返し5百円の図書カードをプレゼントする。
当選者は10万人規模。
ジグゾーパズルは秋田書店、講談社、集英社、小学館、白泉社の5社のコミックス・キャラクターが相乗りしており、それ自体で価値のあるオリジナルなサービス品。
各社4キャラ、4種類製作する。
全国の書店1万店には■当選はがき付きジグゾーパズル128枚、■くじ引き用ボックス、■A2判ポスター、■B3半裁ポスターが入った拡材セットが取次経由で配布される。
セットの到着は今月末。

読書ノート運動中心に

ステージアップ読書ノート、夏の読書感想文コンクールなど、神奈川県の読書活動の推進役として「神奈川県読書推進会」が10月10日に発足した。
横浜市・神奈川新聞社で行われた設立準備会では、規約、今後の活動などを承認。
会長に神奈川新聞社水木初彦社長、副会長に神奈川県書店商業組合中村宣勝理事長を選出して活動していくことになった。
神奈川県は読書推進協議会が未設置の数少ない県の一つ。
今春から「読書ノート」運動に取り組んでいる神奈川県書店組合は、同運動の推進母体として神奈川県読書推進協議会の設立を働きかけてきたが、県立図書館との調整が遅れたため、ひとまず、神奈川新聞社、書店組合を中心に「読書推進会」を立ち上げた。
10日の設立準備会には県組合から中村理事長、長谷川、池本両副理事長、岡本事務局長など8名、神奈川新聞社から石井企画開発局長、小北次長、児童書出版社5社、トーハン、日販などが出席した。
あいさつした中村理事長は「子どもたちが本に触れる機会が減っている。
地域のボランティアも仲間に、幼児期から活字に親しんでもらうのが目的。
将来的には読進協にもっていく」と、読書推進会の性格を説明。
神奈川新聞石井局長は「新聞を読まない世帯が2割に達し、活字離れが進んでいる。
この運動を通じて読書活動が盛んになることを願っている」と述べた。
神奈川組合が展開している「読書ノート」は、既に56名の子どもが100冊を達成。
読書週間の初日、27日に神奈川新聞紙上で氏名を発表するほか、書店を通じて表彰状を渡すのが、読書推進会の初仕事になる。
神奈川新聞が主催する夏の感想文コンクールは次回から読書推進会の行事とし、書店組合は飾り付けコンクールを計画している。

−無題−

神奈川県読書推進会規約(要旨)第1条(名称)この会を「神奈川県読書推進会」と称する。
第2条(目的)2001年12月に「子どもの読書活動の推進に関する法律」が成立したのを受けて、神奈川県内で読書や活字にかかわる県民、行政、企業等が、次代を担う子どもたちを中心に広く県民に、読書の楽しさ、面白さ、活字の大切さなどを知らしめていくのを目的とする。
よって、地域社会の文化の向上に寄与する。
第3条(事業)前条の目的を達成するために、次のような事業を行う。
■「夏のすいせん図書読書感想文コンクール」、■「ステージアップ読書ノート」運動の推進、■神奈川県児童福祉審議会へ「推薦図書」の候補を推薦する、■書店店頭での読み聞かせ運動の推進、■朝の10分間読書推進、■その他目的を達成するために必要な事業第4条(会員)会の趣旨に賛同する公的機関、神奈川県書店商業組合、神奈川新聞社、県民個人、読書サークル、児童文庫などグループ・団体。
第7条(事務局)神奈川県書店商業組合内に置く。

井狩春男の必殺まるす固め・7

☆鈴木書店がツブレて10カ月が過ぎた。
半年で失業保険が切れてしまい、就職口が見つからない、最後までなんとかしようとガンバッた仲間たちのことが気にかかる。
できることならなんとかしてさしあげたいが、非力でそれもかなわない。
お前はどうなんだ、と言われそうだ。
小生は新聞・雑誌に原稿を書かせていただいて、かろうじて食べている。
自分には、どうにもならなかったらホームレスになるという覚悟がある。
ホントーである。
そうなったら、たぶん1カ月くらいで、どこか人目のつかないところで飢えて死んでいるだろう。
ホームレスですら、うまくやっていけそうもないのである。
生活するのが不器用なのだ。
いつかホームレスになる、と思っているから、ほとんどのホームレス本(?)を読んでいる。
ホームレス本の評論家になれる?『ニューヨーク底辺物語』(扶桑社)は、16年間のアメリカ生活の中で、会社社長からホームレス(6年間)までを経験した日本人、境セイキ(40)が、ニューヨークの底辺に生きる人たちの横顔を紹介している。
境さんは同時テロの時、ニューヨークでホームレスをしていた。
犠牲者になっていたら、死者・行方不明者の約2800人にはカウントされなかった身分だ。
境さんはドラッグに溺れて家を失った。
空き缶を拾いながら路上生活を続けた。
道に座って紙コップを前に置く。
紙コップがなければ、ただのホームレス。
「乞食」である証しに紙コップを置くのだ。
ヨロイを脱ぎ裸になった。
「肉体的に、精神的にすべての僕をさらけ出し」た。
「人の内面は外面を作る」。
乞食として座ることで、「様々な人達の様々な反応」が見れる。
精神修養にもなる。
「ずっと座り続けたい」と願っているが、卒業しなければ、とも思うのである。
『名前のない女たち』(宝島社)には、ホームレスだったAV女優が登場する。
現在19歳の結城杏奈。
父親は弟が生まれて間もなく借金を残して蒸発。
一家は取り立てから全国各地を転々と逃げ回った。
「ママはいろんなところで頭を下げてボロボロ」。
可哀想やから外で暮らそうと、ホームレス生活になった。
やがて彼女は風俗でナンバーワンになり、月200万近く稼ぎ、借金を返す。
2人の迫力は、小生にないものである。

滋賀組合が学校図書館問題研修会

滋賀県書店商業組合(西川忠夫理事長)は9月28日、大津市の滋賀会館で「学校図書館問題(動向と対策)研修会」を開催。
奈良県書店商業組合の庫本副理事長が「学校図書館その動向と対策」、京都府書店商業組合の辻本指導教育委員長が「京都市立小・中学校の取組み」を演題に講演した。
参加者は21名(組合員総数94名)と小人数ながらもみな真剣で、熱心に聴き入っていた。
1時間にわたる質疑応答では、庫本、辻本両氏の広範な知識をもって当組合員から疑問点をうまく引き出していただき、活発に質問が出された。
ただ、参加者の基礎知識には大きなばらつきがあり、当日配布したたくさんの資料は事前に配布するなどの配慮が必要だった、と反省させられた。
また、参加者の意欲を結実させるためにも、今後継続的に有志による勉強会を開く方向で検討している。
(石岡英明広報委員)

「体調整え正式復帰めざす」

大阪府書店商業組合(今西英雄理事長)は10月12日午後2時から大阪市北区の組合会議室で定例理事会を開催。
入院リハビリ中の今西理事長が病院の外出許可を得て出席し、「体調を整えて正式復帰できるようにしたい。
当面の日常業務は面屋副理事長に引き続き代行していただく」とあいさつした。
主な審議内容は以下の通り。
〔総務委員会〕組合費改定の要望について、減額を申請する組合員は売上を証明する決算書または取次からの仕切り書三カ月分(平均値を求めるため)を添えて申請することに決定。
店舗移転、業容縮小転換した1店については新年度よりの減額を承認した。
〔出版販売倫理委員会〕大阪府青少年健全育成条例に規定している有害図書類指定制度の見直しについて、10月24日、府青少年課担当者と意見交換会を開く。
組合からは金田副理事長と虎谷、石尾、戸和各常務理事が出席する。
〔事業委員会〕松江市の美術館のしおりを斡旋する。
書店取り扱い手数料はしおり1枚あたり1円。
1書店につき5000枚を予定。
〔出店問題委員会〕5件の出店連絡があったが、各出店地区の組合書店から説明会の開催要請がなかったと報告があった。
これに対して、支部からの要請がなくても組合加入の要望を行ったりコミュニケーションを図ったりするためにも開催すべき、とクレームがついた。
〔経営活性化委員会〕日書連マークに関連した情報システムの「情報BOX」の組合斡旋価格について説明があり、「情報BOXVer4」の完成が11月にずれ込んだのでまだ流動的なところがある、決まり次第通知すると報告があった。
また、TRCも自社システムをセールスに回っている、注意してほしいと指摘があった。
組合ホームページ「なにわの町の本屋さん」のリニューアルについては、「サーバーは替えない。
内容をどのように変えてほしいか希望を言ってほしい」と要望があった。
〔雑誌発売日励行委員会〕阪急上新庄駅の陳列違反(運営細則では発売違反)は、当該誌の版元小学館の見解では販売事実がなかったということで措置はなかった。
措置するのは出版社だから、組合としては不服ではあるが、今回はとりあえず鉾をおさめることにした。
ただ他の出版社は少し見解の違いもあるようなので、今後もあきらめず個々の事案に対処したいと報告があった。
〔大阪市教職員厚生会図書納入事業〕組合員各位の努力の結果、前年同期比108・3%の売上があった。
北区、福島区、中央区など一部地区ではまだ組合書店が納入していない学校が見受けられる。
関心のある書店は事務局に問い合わせてほしいとの報告があった。
〔日書連共済会〕大阪組合の日書連共済会加入率は23・9%に過ぎず、東京組合の56・7%に比べて著しく見劣りがする。
加入率アップのため、理事各位は組合員に一声かけてほしいと要望があった。
(中島俊彦広報委員)

「藤沢周平ゆかりの地図」改訂版

『藤沢周平とその作品ゆかりの地図−鶴岡〈海坂〉版−』の全面改訂版が10月5日に出た。
山形県書店商業組合鶴岡支部長をつとめる鶴岡書店・佐藤一雄社長と地元の藤沢ファンで作った同地図刊行会の発行、鶴岡書店が発売している。
この地図は1999年に初版を発行して以来、これまで4刷1万6千部を発行。
全国藤沢ファンの強い支持を受けてこのほど全面改訂版発行に踏み切ったもので、今回は藤沢氏と作品ゆかりの地111ケ所をとりあげている。
A2判、本体172円。
藤沢周平は鶴岡市出身の作家で、没後5年たった今でも圧倒的な人気を誇っている。
この11月には山田洋次監督初の本格時代劇で、藤沢作品初の映画化である『たそがれ清兵衛』が公開される。
主演は真田広之と宮沢りえ。
幕末に生きた名もない下級武士と家族の姿を、日本に残る美しい風景とともに感動的に描いている。
鶴岡書店の佐藤社長は「映画の成功にも貢献できれば」として同店内で予告編ビデオを上映するとともに、タタミ1畳ほどに拡大した地図を掲示し、来店客にアピールしている。

新刊の充実求める

本はなじみの書店の店頭で見て購入。
新刊本は必ず置き、注文品を速く正確に取り寄せてほしい−−青森県書店商業組合は、読者がいつも本を買うところや購入するきっかけ、書店に望むことを尋ねた「お客様アンケート」を実施した。
調査は組合員98書店に30部ずつアンケート用紙を送付。
8月21〜31日に来店者に対して行い、32書店639人の回答を得た。
[店頭で見て購入]最初の設問は「いつも本を購入している(配達を含む)ところ」を、各ジャンル別に聞いたもの。
雑誌では「なじみの書店」が38%でトップになった(図1)。
次いで「近所の書店」25%、「決まってない」17%、「コンビニ」16%、「スーパー」4%の順。
これを性別年代別にみると、男性では「なじみの書店」は10代が29%、20代が18%と低めなのに対し、60代以上で65%と上の世代ほど高率。
逆に「決まってない」「コンビニ」は若年層ほど多かった。
「近所の書店」は各世代とも20〜30%台にのぼった。
女性でも同様の傾向がみられ、「なじみの書店」は10代がやや低いものの各世代で高い。
「スーパー」が男性より高めで、60代以上では12%。
一方、男性の若年層で多い「コンビニ」は少なく、10代、20代でも9%にとどまった。
コミック&文庫は、全体では「なじみの書店」が36%でトップだが、「近所の書店」「決まってない」がともに26%。
「コンビニ」5%、「スーパー」と「古本屋」3%となった。
男性をみると「なじみの書店」は50代を除く30代以上で40%超の高率。
50代では24%と低めだった。
20代は32%、10代は25%で、この世代では「決まってない」「コンビニ」という人が多い。
女性では、「なじみの書店」は20〜40代で40%超、その他の世代は30%前後だった。
「決まってない」は10代と50代以上で36〜38%と高めだが、20〜40代では25%ほど。
一般書の購入は「なじみの書店」37%、「決まってない」23%、「近所の書店」21%、「種類の多くある書店(大型店)」17%の順。
男性は「なじみの書店」は10代の10%に対し、60代以上は60%と上の世代ほど増加。
女性も同傾向だが、20代でも37%と高い水準になっている。
「決まっていない」は男女とも若い層が高く10代では3分の1を占める。
「大型店」は60代で低いほかは15〜20%ほど。
専門書になると、「なじみの書店」が32%に対して「大型店」26%、「決まってない」25%と肉薄。
「近所の書店」は14%だった。
「なじみの書店」は高齢層ほど高く、60代以上男性で50%、女性で42%。
「近所の書店」は若年層の方が高い傾向がみられた。
「大型店」の比率が一般書よりも各世代で5〜10ポイント程高まっている。
「決まっていない」は若年層で多く10代女性は46%に達する。
第2の設問は「本を購入する動機(きっかけ)」について聞いたもの。
雑誌では、「店頭で見て」が45%で首位。
「毎週定期購読」33%、「新聞広告を見て」15%、「マスコミ等の評判」5%、「ポスターなどを見て」2%となった(図2)。
「店頭で」は、60代以上男性が12%と低いほかはすべて30%を超えている。
20代で最も高く、男性で54%、女性で63%に達した。
「定期購読」は10代男性が目立って高く58%。
「新聞広告」は上の年代ほど高い傾向で、60代以上男性で31%、60代以上女性で44%。
コミックでは、全体の53%を「書店店頭で見て」が占めた。
次いで「雑誌を見て」32%、「マスコミや口コミ等の評判」12%。
男性をみると「書店店頭で」はどの世代でも40%以上と満遍なく高い。
「雑誌で見て」は60代で14%とやや少ないが、他の世代は28〜39%にのぼっている。
女性も「書店店頭で」が各世代で48〜86%と高率。
「雑誌で見て」は若年層で多い。
小説類は「書店店頭」が48%で、「新聞広告」「マスコミ」が23%で並ぶ。
男性では「書店店頭」は10代で圧倒的に多く69%。
40代で35%、50代で42%とやや低いほかは各世代で半数を超える。
「新聞広告」は若い層は僅かだが、50代で44%、60代以上で35%に達する。
「マスコミ」は逆に若年層で20%ほどを占めた。
女性では、「書店店頭」は10代で71%に達したが、20代以上では半数以下にとどまった。
「新聞広告」は男性と同様の傾向で、60代では57%。
「マスコミ」は20代41%、30代31%、40代34%と高い傾向にある。
実用書は「書店店頭」が60%。
以下、「新聞広告」18%、「マスコミ」15%、「書店の勧め」4%、「インターネット」3%の順。
男性では「書店店頭」が若年ほど高く、上の世代でやや低め。
「新聞広告」は逆の傾向になる。
「インターネット」という人が10〜50代で4〜7%みられた。
女性は「書店店頭」が20代で67%、30代で72%と高い。
「新聞広告」は60代以上で53%に達する。
また「書店の勧め」が10代で25%、60代で13%にのぼった。
専門書は「書店店頭」が49%。
「内容案内書を見て」19%、「新聞広告」15%、「マスコミ」9%、「インターネット」4%、「書店の勧め」3%となった。
男性で「書店店頭」は10代〜20代では6割を超えるが、高齢層ほど下がり60代以上で19%。
60代以上は「新聞広告」が4割に達している。
女性でも「書店店頭」は同じ傾向。
「新聞広告」が60代以上で58%を占めるが、他の世代では4〜17%と少ない。
[新刊、注文対応を重視]「現在の書店に望むこと」を、26項目の中から最大7つまで選択してもらう設問では、「新しく出版された本は必ず置いてほしい」が257票でトップになった(別掲)。
次点が「注文品を速く正確に取り寄せてほしい」で、このほか、陳列場所の分かりやすい標記、出版情報、品揃えの充実などが上位にランクした。
アンケートの最後では、書店への要望を自由に書いてもらった。
「新刊を充実させて」「新刊は早めに店頭に並べてほしい」など新刊の扱いに関する注文が多く見られたほか、「買った本がすぐ読める場所がほしい」「もっとおしゃれな空間を作り出してほしい」といった店舗に関する希望、「本の場所が分かりやすい店」「成人向けの本が目に付きやすいところにある書店は利用しづらい」という陳列への工夫を求めるものや、「注文品や定期購読の本が汚いことが多いのでもう少し気を使ってほしい」などの意見があった。
[現在の書店に望むこと]新しく出版された本は必ず置いてほしい257注文品を速く正確に取り寄せてほしい191陳列場所の案内、棚や台の標識をわかるようにしてほしい182本の出版情報や入荷情報が正確にわかるようにしてほしい163お客様の休める場所、ベンチがほしい131陳列スペースには種類を多く置いてほしい128どんな本でも注文を受け付けてほしい124陳列スペースには評判のよい本を置いてほしい117注文品の返事は早く正確に知らせてほしい109本の情報や本の知識に詳しい人を売場に置いてほしい106何を展示しているのか詳しくわかるようにしてほしい93お客様のための駐車場を設けてほしい93売場商品検索、商品情報検索の機器を設置してほしい93お店の専門・得意分野がわかるようにしてほしい92お客様が欲する本の紹介や案内をしてほしい90喫茶スペースを設けてほしい79インターネットで本の検索や注文を出来るようにしてほしい76お客様のためのロッカーや手荷物一時預かり所がほしい52色々なサービスを行うサービスカウンターがほしい47小さな子を遊ばせる場所がほしい47予約品や注文品の入荷を連絡してほしい45お客様の色々な相談を受けてほしい45定期購読品や予約品、注文品は配達してほしい40喫煙者のための喫煙場所を設けてほしい36苦情や要望が言える投書箱を設置してほしい32定期購読品や予約品の取り置きをしてほしい20

本屋のうちそと

モラル・ハザード。
大型書店での万引きを伝えるテレビ画面は、このことばを映像にして説明してくれているのではないかと思えるようなものだった。
それにしても、あまりにひどい。
常習者たちは大きなバッグを用意し、次々とそして平然と本を放り込んでいく。
高校生もいれば、いい年をした身なりのいい男もいる。
人のものを盗むことは、もはやたいして悪いことではなくなっているらしい。
警察に呼び出されて、少年を引き取りに来た母親の第一声「あんた、塾にも行かないで、こんなとこで何やってるの!」にびっくり。
付け足しのように謝罪のことばを口にした後の「塾に遅れるでしょ。
早く行きなさい!」には、口があんぐり開いてしまった。
盗んだ本を盗んだものだと知って買い取る新古書店の側の「集客できていいんじゃない」という姿勢にはモラルのかけらも見えない。
やっぱりV・フランクルが『夜と霧』で語っていることは真実だ。
彼は言う。
この地上には「品位ある善意の人間とそうでない人間との」ふたつの「種族」しかいない。
この「種族」は、あらゆるグループの中に入り込み潜んでいる、と。
政治家、高級官僚のグループも、一流と言われる企業人たちのグループも、そしてわれわれ庶民も、ふたつの「種族」で成り立っている。
こうしてモラルが壊れる時代の鏡に映った時、はじめてその人がどちらの「種族」に属しているか、その本質が見えるのだろう。
(如意)

ハリポタからXマスカード

「ハリー・ポッターと賢者の石」のDVD、ビデオを買うと、ハリー・ポッターからクリスマスカードが送られてくる−−日販は全国の取引書店1千店で拡販企画「ハリー・ポッターふくろうキャンペーン」を展開する。
10月23日から12月1日までのキャンペーン期間中、対象商品を購入すると申込カードがもらえ、応募者全員にハリーからクリスマスカードが届く仕組み。
送り先をお子さんや恋人宛にもできる。
また、Wチャンスとしてグァム島旅行、DVDプレーヤーなどの景品が当たるセカンドチャンスも用意されている。
「ハリー・ポッターと賢者の石」DVD、ビデオは2980円で今年5月に発売され、今なお売れ続けるロングセラー商品。

バーコード簡単発注

講談社書籍第2販売部ではこのほど、同社として初めてのバーコード注文書「まるコード」(02−03児童書ベスト編)を製作した。
同注文書には講談社の児童書ベスト346点が「あかちゃん・知育」「ブルーナ」「ディズニー」「絵本」「児童読み物」「ヤングアダルト」「児童文庫」のジャンル別にバーコード付きで掲載されており、手持ちのバーコード・スキャナーで簡単に発注できる。
児童文庫を除いては写真・内容紹介入り。
児童書は新刊よりロングセラーの方が売れるジャンルで、欠本チェックにより売上増が期待される。
講談社では書店が迅速に入荷できるよう、各取次に基本在庫として常備するよう働きかけており、都内大型書店では、夕方発注、中1日で入荷している。

−無題−

◇「ICタグは出版業界のインフラになりうるか」万引き防止、在庫過多、不正返品などの解決策として、最近注目を集めているのがICタグだが、「ICタグ問題を考える有志の会」の主催により11月6日午後1時半から講談社でシンポジウムが開かれる。
パネラーは大日本印刷、凸版印刷、日立製作所、NTTコミュニケーションズなどを予定。
参加費無料。
先着百名で締め切る。
申込先は講談社営業企画室まで。
FAX03−5395−3849番。
◇書店向けセミナー「初めて学ぶ決算書」トーハン・コンサルティングは11月6日午後1時半から書店経営者・書店員を対象にトーハン書店大学「初めて学ぶ決算書の読み方セミナー」をトーハン本社で開催する。
企業情報の宝庫と言われる決算書の仕組みを理解し、問題演習を通じて財務分析の基本を学習する。
講師は『書店経営の実態』の編集を担当し、中小企業診断士の上野玉男氏。
受講料は全国書店共助会加入店3千円、非加盟店8千円。
定員20名。
申込はセミナー事務局へ。
■03−3267−8686番。

機構改革

◇三省堂1、神田本店を全営業店・営業所の旗艦店とする。
1、エリアマネジメント制度を導入する。
■新宿・千葉・名古屋各エリアにエリアマネジメント制度を導入する。
■新宿エリアは新宿店をエリア母店とし、下北沢店・都庁店・渋谷店・サウスブックポート・コミックステーション渋谷・高田の馬場店をタイアップ店とする。
■千葉エリアはそごう千葉店をエリア母店とし、Bee−One・西船橋店・新浦安店・成田空港店をタイアップ店とする。
■名古屋エリアは名古屋高島屋店をエリア母店とし、名古屋テルミナ店・岐阜店をタイアップ店とする。
■その他の店舗は当面自立店とし、営業系スタッフから直接サポートを受ける。
1、有楽町店新店準備委員会(平成15年3月開店予定)を設置する。
1、札幌店新店準備委員会(平成15年3月開店予定)を設置する。
1、不動産営業部を新設する。

小説大賞に壁井氏

メディアワークスが主催する電撃ゲーム3大賞の贈呈式が10月8日、千代田区のホテルグランドパレスで行われた。
小説、コミック、イラスト各賞の応募2888作品の中から、小説大賞に壁井ユカコさんの『死者たちは荒野に眠る』、イラスト大賞に田上俊介さんの『姫麟』、コミック大賞金賞にH・制作所さんの『ハガキ使いたるみ』などが選ばれた。
贈呈式で同社佐藤辰男社長は「本年は当社創立10周年。
電撃ゲーム3大賞は93年の電撃文庫創刊に合わせてスタートした。
その電撃文庫は年間新刊点数120点を越え、総発行部数700万部。
返品率も業界平均を20%下回り、1ジャンルを築いたと自負している。
受賞の皆さんはプロのクリエーターとして第1歩を印した。
道は平坦ではないが、当社の編集者が全力でアシストする。
若い読者を感動させる作品を送り出してほしい」と、あいさつした。

『ふるさとの民話』

A4変型判36頁、オールカラーの絵本に豪華キャストの朗読CDが付いた『ふるさとの民話』(全30巻)が12月5日に世界文化社から創刊される。
『日本の古典を見る』に続く同社の週刊分冊第2弾。
毎月第1、第3木曜日発売で、創刊号はサービス定価500円、2号から定価880円。
北海道から沖縄まで、ふるさとの民話60話を厳選して各巻に2話ずつ収録。
第1回配本は檀ふみが朗読する「ゆきむすめ」「かさじぞう」。
このほか桂三枝、加藤剛、紺野美沙子、竹下景子などの一流どころを読み手に予定している。
11日に同社で行われた取次説明会で世界文化社大塚専務は「『ふるさとの民話』は、お子さん、お孫さんと一緒に楽しんでもらうのが狙い。
読み聞かせをさらに面白いものにしていく。
題材は通巻4百万部売った民話企画から厳選した。
類似企画のない新しい商品」と説明した。
店頭陳列・飾り付けコンクールとして、金賞5店に5万円相当の商品、銀賞10店に3万円、銅賞20店に1万円の商品が贈られる。
全巻予約獲得コンクールでは5〜10セット予約で1セット500円、11〜30セット同750円、31〜50セット1000円、51〜70セット1300円、71〜100セット1600円、101セット以上2000円の販売促進費が付く。
愛読者プレゼントとしては、全巻予約者にもれなく特製CDファイルプレゼントのほか、創刊号から3号までの応募シールで抽選により千名に「懐かしの郷土玩具」をプレゼントする。

PR紙『有隣』が受賞

有隣堂のPR紙『有隣』が第14回ヨコハマ遊大賞を受賞し、11月1日午後6時半から中区山下町のザ・ホテル・ヨコハマで授賞式が行われる。
同賞は横浜ゆかりの作家や大学教授などでつくる「ヨコハマの会」が、毎年、横浜の文化向上に貢献した人やモノに贈る市民のための文化賞。
『有隣』は昭和42年の創刊以来、25年にわたって毎月、横浜や神奈川県の文化研究を紹介するとともに、書籍に関する情報提供に努めてきたことが受賞理由。
今年10月号で419号を数える。