全国書店新聞
             

平成24年7月1日号

通常総会の主な報告事項

〔書店再生委員会〕
書店再生をテーマに昨年8月、全国47都道府県組合を対象にアンケート調査を実施し、16組合が回答。日書連や出版業界に望むこと、各県組合で実施していることなど、様々な提言が集まった。この結果をもとに委員会の活動指針を検討し、今年2月7日付で東京組合が作成した「書店再生のための提案」を採用し、日書連2月定例理事会で正式決定した。この提案は①責任仕入と責任販売で書籍、雑誌ともに2%の収益改善、②雑誌の付録組みを書店業務からなくす(出版社が費用負担)、③万引きロスの負担軽減、④取次特急便の書店負担をなくす(出版社、取次が費用負担)、⑤実験販売200書店計画(ロングセラー、実用書増売)――の5項目から成る。同23日には、書店、取次、出版社の3者で構成する出版流通改善協議会に同案を提出し、5項目が早急に実現するよう出版業界全体で検討するよう呼び掛けた。
舩坂委員長は「緊急性の高い5項目を取り上げた。書店の収益性を高め、店頭を活性化することが最大の目的だが、出版社、取次の理解と協力を得るためには、まず書店側が売る姿勢を示し、増売の実績を作る必要がある。5項目の提案のうち『⑤実験販売200書店計画(ロングセラー、実用書増売)』に的を絞って検討を進めたい」と述べ、増売計画のアイデアを出してほしいと求めた。
昨年の「春の書店くじ」は400万枚、秋の読書週間「書店くじ」は500万枚を発行。今回も組合活性化活動の一環として組合加盟全店に無料の「書店くじセット」(くじ50枚、ポスター1枚)1組を送った。
児童書増売運動「心にのこる子どもの本セール新学期・夏休みセール」の販売金額は前年比98・88%の1億655万円、「同秋・冬セール」の販売金額は同96・22%の9951万円だった。
〔指導教育委員会〕
紙も電子も本は書店が販売するべきとの方針から、ウェイズジャパンの提案する書店店頭での電子書籍販売事業に取り組んだと鈴木委員長が報告した。ウェイズ社のコミック専用電子書籍端末「イストーリア」と3種類のプリペイドカードを店頭で販売し、同社の運営するプラットフォームで電子書籍を購入してもらうもの。書店は販売手数料収入を得ることができる。日書連とウェイズ社は昨年12月15日、同事業の基本協定書を調印、今年3月までに10都道府県組合が基本契約書を締結し、約80店舗が同事業を展開。今後は基本契約書の締結を全組合に拡大し、日書連傘下組合員の30%まで参加率を高めることを目指す。
万引き問題では、前年度に引き続き全国万引犯罪防止機構と連携して万引き被害の事前防止研究に取り組んだ。同機構が設置した「マイバッグ小委員会」「万引処分市場対策小委員会」「店内確保小委員会」は今年1月31日の同機構臨時総会で、万引き犯の店内確保や盗品のネット競売防止などの提言を行った。
〔取引改善委員会〕
送品・返品同日精算の実現に向けて、昨年度は優越的地位濫用規制の観点から改めてこの問題を研究。昨年10月に「『優越的地位濫用規制の解説』―同日精算問題等の考え方―」を文書にまとめ、11月15日にトーハン、日販両社を訪問し文書を手渡して誠意ある対応を求めた。これに対し、トーハンは今年2月27日、日販は同29日に文書で回答を寄せ、両社とも運用改善に向けた検討は続けるが、直ちに同日精算を実施することは現実的には困難との結論を示した。この回答を受けて取引改善委員会は、公正取引委員会の審査局に申告書を提出し優越的地位の濫用の有無について調査を依頼することも視野に入れ、日書連4月理事会の承認を得た上で対応を進めていくことを決めた。
新年度に入ってからの経過を報告した柴﨑委員長は「送品・返品同日精算の実現を4年間粘り強くお願いしてきたが、今年2月の回答でも誠意ある対応がなかった。そこで、取次大手2社が独禁法上の優越的地位にある者による濫用行為を行っていないか第3者に判断してもらうため、公取委審査局に調査依頼することを今年4月19日の定例理事会で決定。5月14日に申告書を提出した。この問題を早く解決し、読者からの要望に応えられる出版業界を作りたい」と話した。〔流通改善委員会〕
昨年1月に本稼働した店頭コミック試し読みシステム「ためほんくん」は、3月までの導入書店・端末数が240店・330台に達した。参加出版社・試し読み可能作品数は14社・約3000点。今後は、経済産業省「フューチャー・ブックストア・フォーラム」事業で実験した拡張機能のうち絵本の試し読みが読者、書店に好評だったため、日書連「ためほんくん」事業にも反映させる。
雑誌発売日励行問題では、全国同時発売を目指して北海道・九州地区の3日目地区から2日目地区への繰り上げ、合併号の廃止とレギュラー発売の励行を本部委員会に求めていく考えを藤原委員長が示した。雑誌のL表示で店頭での混乱が多発している問題では、問題点を調査し、取協、雑協等と意見交換するなど改善に向けて努力を続ける。国立国会図書館・NDLデータの日書連MARCとのマッチング作業における使用許諾については、無償の方向で認めてもらうべく交渉を続ける。
〔読書推進委員会〕
「サン・ジョルディの日PR企画推進」の募集を行い、独自企画を提出した17組合に総額300万円を拠出、各組合で地元に密着した多種多様な催しが行われたと西村委員長が報告した。今年度は14組合に総額260万円を拠出することが決まっている。
また、出版文化産業振興財団との協賛事業「20歳の20冊」を実施した。新成人が選んだ1冊を成人式で自治体から贈る運動で、本は自治体が地元書店から定価購入する。今年1月は25自治体・1校の2129名の新成人に本が贈られた。
〔組織委員会〕
今年4月1日現在の日書連傘下組合員数は前年より189店(3・9%)減少して4718店となり、昭和61年の1万2953店をピークに26年連続減少となった。今年度は「ためほんくん」、書店での電子書籍販売事業、JPICの「20歳の20冊」などを活用して組合加入促進を図りたいとの方針を中山委員長が示した。
空きスペース仲介サイト運営の軒先株式会社から、書店の空きスペースの有効活用について提案があり、今年3月1日に業務提携書を交わした。駐車場の空きスペースへの移動販売車誘致、店前での各種プロモーションや物販、店内での作品展示やワークショップ実施など未使用空間を時間貸しすることで、集客と来店者へのサービス向上につなげるとともに、貸出料の副収入を得ることができる仕組み。軒先がサイトを通じて貸借を仲介する。成約すると、35%がシステム利用料、65%が貸出書店の収益となる。さらにシステム利用料のうち4%が日書連、6%が貸出書店の所属する書店組合に報酬として支払われる。
日書連オリジナル手帳「ポケッター」は昨年度7万2千部を作成。今年度は7万部を作成する予定。
〔広報委員会〕
面屋委員長は「組織が縮小する中、全国書店新聞が機関紙として果たす役割はますます大きくなっている。組合と書店を結ぶ太いパイプにしたい」と述べ、昨年度の重点課題として東日本大震災で被災した書店の取材を積極的に行ったこと、専門取次の集まりである「神田村」を紹介する連載を行い客注品や補充品が迅速に入荷する事例を紹介したことを報告した。
消費税問題については、野田内閣と民主党が2014年に8%、15年に10%へと段階的に引き上げることを柱とする税制の抜本改革を打ち出す中、日書連は出版4団体で構成する税制対策特別委員会の一員として、消費増税反対、増税の場合は出版物へ軽減税率を適用するよう訴え続けた。
〔出版販売年末懇親会実行委員会〕
本年度も各種委員会当日の12月19日午後6時から帝国ホテルで開催すると木野村委員長が報告した。

7月12~13日に開催/東北ブロック大会

書店東北ブロック会(藤原直会長)は7月12日~13日、宮城県仙台市太白区の秋保温泉・岩沼屋で第64回大会を開催する。12日は、午後1時半から会員のみで大会、午後2時半から読売新聞前写真部デスクの岩佐譲氏、東北学院大学環境建設工学科教授の河野幸夫氏が震災をテーマに講演、午後6時から懇親会を行う。13日はゴルフと観光。

書店再生案実現目指す/日書連通常総会

日書連は6月21日午後1時から東京・千代田区の書店会館で第24回通常総会を開催。雑誌の販売金額が6・6%減(出版科学研究所調べ)と過去最大の落ち込みを記録するなど出版業界を取り巻く環境が厳しさを増す中、書店再生、送品・返品同日精算、読書推進事業の支援、「ためほんくん」の普及促進、書店店頭での電子書籍販売事業の推進、財政健全化など今年度の重点的取り組みを決めた。
通常総会は会員46名中、本人37名、委任状4名、合計41名と会員の半数以上が出席し、定款第44条により総会の成立を確認。筒井正博理事(神奈川)の司会、鈴木喜重副会長(千葉)の開会の辞で始まり、大橋信夫会長(東京)があいさつ。「日本経済と出版業界の状況がいいと思っている人間は誰もいない。そうした中で日書連は、少しでも本を読んでもらえるよう、また少しでも本屋の売上げが上向くよう頑張っている。本日の総会では売上げを伸ばすための案を出し、それをもとに活発に議論を交わしていただきたい」と述べた。
議案審議は久住邦晴理事(北海道)を議長に選任し、第1号議案の平成23年度事業報告、第3号議案の平成24年度事業計画案を各委員長が一括して報告・提案し、質疑応答のあと、議長が議場に諮り原案通り承認された。
第2号議案の平成23年度決算報告、第4号議案の平成24年度予算案は大橋信夫政策委員長が説明し、中村宣勝(神奈川)、藤田彰(大阪)、影山稔(員外)の各監事が監査報告。このうち中村監事は「要求した資料の提出がなかった」と述べた。質疑応答のあと議長が議場に諮り、原案通り承認された。質疑応答では、平成23年度収支決算で当期純損失1598万5366円を計上したことから、日書連財政健全化に向けて事業の再点検や経費の削減を検討するべきとの意見が複数の出席者から出た。第5号議案の平成24年度借入金残高最高限度額決定に関する件は1億円とすることが承認された。
第6号議案の役員選任に関する件では、昨年の総会以降に理事交代のあった新理事として成田耕造(青森)、塩川明人(長野)、吉田徳一郎(滋賀)、山根金造(兵庫)、大石宏典(福岡)、福田健太郎(大分)の6氏を承認。第7号議案のその他に関する件では、員外役員報酬について専務理事800万円、員外監事60万円をそれぞれ限度額とすることが承認された。
藤原直副会長(宮城)の閉会の辞で総会を終了した。

鶴谷氏、顧問に就任/電子書籍部会長を続投

日書連は6月21日午前、書店会館で定例理事会を開催。鶴谷理事(青森)が顧問に就任し、引き続き電子書籍対応部会長を務めることを承認した。また、全国広報委員会議を10月17日午後1時から書店会館で開催することを決めた。

被災書店に見舞金8947万円/店頭での募金活動継続

〔地震対策本部〕
東日本大震災で被災した書店への支援活動を大橋本部長が説明した。
日書連は文化産業信用組合本店とみずほ銀行神田支店に義援金専用口座を開設。昨年3月16日から9月13日までに集まった義援金は312件、総額8636万1936円にのぼった。被災地の書店組合、取協などの情報をもとに被災状況を調査し、地震対策本部で審議の上、被災程度の大きな書店から順番に見舞金を送った。見舞金は1店当たり5万円で、組合加盟書店278店、計1390万円、組合非加盟書店46店、計230万円、総合計324店、1620万円。預金利息、振込手数料等を加減した給付後の残額6993万1353円は、まず原発被害の収束していない福島県に前もって取り分けた上で、改めて残額を政府の被災者生活再建支援法が適用された7県に按分した。
なお、義援金専用口座解約後にも計311万3022円の義援金が寄せられ、原発問題が長期化する福島組合にこれを全額支給した。この結果、集まった義援金最終金額は8947万4958円となった。100万円以上の義援金を寄せた法人・個人18件に対しては大橋会長、藤原東北ブロック会長の連名で礼状を送った。
被災地の復興を息長く支援していくため、書協、雑協、出版クラブが立ち上げた〈大震災〉出版対策本部が進める大震災出版復興基金の募金箱設置に協力することを決め、800個を引き受けた。店頭での募金活動は2年間継続する。

小橋川理事長を再選/沖縄総会

沖縄県書店商業組合(小橋川篤夫理事長)は5月28日、沖縄県書店商業組合会議室で第24回通常総会を開催し、組合員30名(委任状含む)が出席した。
総会は大湾喜代一事務局長の司会で進行し、小橋川理事長があいさつ。組合の活動状況と書店を取り巻く状勢について説明したあと、電子書籍、書店再生、責任販売制の取り組みを進めていくことを提案した。
続いて小橋川理事長を議長に選出して議案を審議。平成23年度事業報告、平成24年度事業計画案、収支決算書、監査報告、予算書案等の第1号議案から第7号議案までをいずれも原案通り承認可決した。
任期満了に伴う役員改選では、小橋川理事長、真栄城副理事長、大城副理事長、安仁屋専務理事を再選した。
(安仁屋博一広報委員)

店頭活性化事業に重点/本の販促に電子書籍活用/京都総会

京都府書店商業組合(中村晃造理事長)は5月29日、京都市中京区の京都ホテルオークラで第28回通常総会を開催し、組合員108名(委任状含む)が出席した。
あいさつした中村理事長は「紙の本の重要性は国や自治体など行政も認めるところで、児童の読書力の向上、学習効率から実証されている。学校現場では教科書はもちろん紙の本のすべてが電子書籍に代わることはないと確信している。電子化を書店が活用すべき時に来ているとも考えている。行政主導の産業活性化の補助金事業は数多くある。書店の提案するビジョンが目的と効果に適えば補助金助成の可能性も出る。電子書籍化に抗うばかりでなく、その流れを活用し、紙の本の販売促進につながる可能性を探っていきたい」と述べた。
議長に永井久仁明氏(丸善書店)、副議長に森武紀明氏(山城書店)を選出して議事を行い、平成23年度事業報告、決算報告、平成24年度事業計画案、収支予算案などすべての議案を原案通り承認可決した。
各事業委員会報告では、昨秋「本屋さんへ行こうキャンペーン」をはじめ組合員向け店頭活性化事業や対外的な販売促進活動を実施したこと、府主催「青少年を取り巻く社会環境の浄化に関する懇談会」に参加するなど青少年の健全育成に貢献する啓蒙活動を行っていること、京都市の公共図書館への納入に伴う図書装備事業のほか共同購買事業について効率化を図ったこと――などが報告された。
また、ITサポート委員会から、電子書籍化時代に対応するための勉強会を開催したことや、京都組合が推進する日書連MARCを採用した学校図書館管理システム「情報BOX」の府内導入状況について報告があった。
事業計画案については、①新規、既存を問わず組合加入を促進する、②書店活性化活動を継続する、③各種勉強会をはじめ福利厚生事業を実施する、④各事業部で経費・活動内容とも昨年度以上の効率化と効果の向上を目指す――などが提出された。
引き続き会場では、京都組合から「役員・従業員表彰」、小学館から「小学一年生飾り付けコンクール表彰」、京都新聞社から「第41回京都新聞お話を絵にするコンクール販売促進キャンペーン表彰」が行われ、このあと懇親会が催された。(澤田直哉広報委員)

組合イベントの充実図る/図書館問題へ取り組みも/山梨総会

山梨県書店商業組合(東浦澄夫理事長)は5月21日、甲府市の奥村本店で第24回通常総会を開き、組合員24名(委任状含む)が出席した。
総会は後藤専務理事の司会で進行し、東浦理事長があいさつ。「昨年度は国民読書年にあたり、山梨組合でも記念イベントを開催した。今年度はNHK甲府放送局と提携して、毎月、本の紹介コーナーに出演した。今後も組合としてイベントを考え、組合員同士の絆を深めたい」と述べた。また、電子書籍の現状、図書館問題に触れ、「問題は多岐に渡るが力を合わせて乗り越えよう」と訴えた。
続いて大塚理事長を議長に選出して議案審議を行い、平成23年度事業報告、収支決算、平成24年度事業計画案、予算案などすべての議案を原案通り承認可決した。
引き続き東浦理事長から、7月21日に甲府市県立文学館で開催予定の「全国リレー・シンポジウム『知の地域づくりを考える』」の趣旨内容の説明があった。当日は、横内県知事、片山元総務大臣、作家の阿刀田高氏が図書館について語り合う予定。書店にも大いに関係あるテーマなので、組合員は是非参加してほしいと呼びかけた。また、佐賀県武雄市図書館によるカルチュア・コンビニエンス・クラブへの運営委託計画、送品・返品同日精算問題についても報告および説明があった。
このあと懇親会に入り、組合員相互の親睦を深めた。(牛奥正己事務局長)

顧客ニーズ最優先の品揃えを/児童書販売研究会で情報提供/北海道総会

北海道書店商業組合は6月12日、札幌市中央区のホテル札幌ガーデンパレスで第36回通常総会を開き、組合員65名(委任状含む)が出席。任期満了に伴う役員改選で久住邦晴理事長を再選した。久住理事長は「書店は負担感の多い商売になってしまった」として、「データや返品率に左右されず、お客様が必要とする本を置くことを最優先にしよう」と呼びかけた。
総会は村上正人副理事長の司会で進行。冒頭あいさつに立った久住理事長は、道内に書店のない市町村は3分の1にあたる60あるとする北海道新聞の調査結果を示し、北海道組合の組合員数も128店に激減したと報告。このような状況に危機感を持ち、日書連は書店再生5項目の提案、送品・返品同日精算の実現などの活動に取り組んでいると話した。
また、昨年から「地域に根差す町の本屋にとってこそ子供の本が武器になる」との考えから児童書販売研究会をスタートしたとして、「本屋の仕事はとても面白いもの。そうでなければこんなに手間がかかって儲からない商売はやっていられない。しかし、返品率や経費削減、資金繰りに追われ続け、いつの間にか負担感の多い商売になってしまった。今一度、原点に立ち戻り、資金繰りのために売上を稼ぐのではなく、お客様に喜んでいただく代価として売上があるということ、データや返品率に左右されるのではなく、お客様に必要とされる本をきちんと置くことを最優先に品揃えを行うことから考えていく必要がある。そのためのお手伝いをしていくのも組合の大きな役割の一つ」と語った。
中尾邦幸理事を議長に議案審議を行い、平成23年度事業報告、収支決算報告、平成24年度事業計画案、収支予算案などすべての議案を原案通り承認可決した。
このうち読書推進運動では、第1回「本屋のおせっかい小学生はこれを読め!」フェアを昨年10月27日から11月30日まで展開したと報告があった。今年度の「第8回中学生はこれを読め!」「第2回高校生はこれを読め!」「第2回小学生はこれを読め!」は、予算の関係でフェア形式での実施が困難なことから、何らかの形でおすすめ本などの情報提供を行っていく予定。また、品揃え、売場作り、集客などの情報交換を書店と出版社が集まって行う「児童書販売研究会」は昨年11月18日、今年2月21日の2回開催したが、今年度は6月、9月、11月に開催を予定している。
情報化推進対策では、日書連とウェイズジャパンが提携して進める電子書籍販売事業について、近々、道組合とウェイズ社との間で基本契約書を締結すると説明があった。
増売運動では、昨年7月13日、第1回「北海道共同商談会」を日販北海道支店、北海道日販会の協力で開催。取引取次を超えて書店、取次、出版社56社が集まり名刺交換、商談を行ったと報告があった。今年も7月10日に札幌パークホテルで開催する。
役員改選では正副理事長全員を再選し、新理事に升井修氏(ひかりや書店)を選出した。
〔北海道組合役員〕
▽理事長=久住邦晴(久住書房)
▽副理事長=高橋千尋(ザ・本屋さん)村上正人(マルイゲタ)佐藤文明(TSUTAYA篠路店)

京都市の子ども読書の日記念事業に参加/京都組合

京都府書店商業組合は、4月14日から23日まで開催された「こども読書の日記念事業」に参加した。この事業は、京都市が主体となる「子どもの読書活動推進のための懇談会」が開催しているもの。
期間中は、市立図書館各館で「読書絵はがき展」や地元ボランティア・PTA団体が読み聞かせなどを行う「おたのしみ会」が開催された。4月14日には京都市生涯学習総合センターで「杉山亮さんおはなし会&サイン会」が開催され、京都組合は、杉山氏の作品を展示販売。また、4月22日には、京都市中央図書館で実施された図書館職員による手あそびの実践に、京都組合のマスコットキャラクター「ブックン」も登場。身振り手振りで職員とともに手遊びを実演し、子どもたちと触れ合った。催しの終わりには児童と一緒に写真撮影会を開催した。
京都組合では当事業を記念して「京の本屋さんから絵本プレゼント」を実施。これは京都市内の公共図書館に置いた応募用紙で、市民が希望する絵本を選んで応募するというもので、昨年のおよそ4倍となる約450枚の応募があり、当選者50名に絵本を送付した。
担当した図書館納本事業委員会の北野裕行委員長は「主催者側が作成した配布用チラシや、京都市図書館のホームページで記念事業の告知が行われたが、京都組合の絵本プレゼントの実施概要もそこに明記された。行政からの支持と相互協力で実施できたこと、また、将来の読書人口の増加を目的とした企画に多くの市民から応募があったことは、当委員会の事業として一定の目的が達成できたと捉えている」とした。
(澤田直哉広報委員)

琵琶湖クルーズに歓声/滋賀組合

滋賀県書店商業組合は5月19日午後4時から、外輪汽船による瀬田川・琵琶湖リバークルージングとお食事会を開催した。懇親会的な集まりは数十年ぶりに行われたにもかかわらず、36名もの参加者が集まった。この企画は、組合として取り組んでいる図書装備サポート事業で「22年度住民に光をそそぐ交付金」などの特別収益を元に行われた。
瀬田川新港より、外輪汽船「一番丸」に乗船。心地よく当たる風に酔いしれながら岸辺に目をやると、西国三十三所観音霊場第十三番札所として名高い寺院「石山寺」が飛び込んでくる。水面に映る木々の美しさや湖面を飛び交う鳥たちに気をとられていると、日本三名橋の一つ「瀬田の唐橋」を静かにくぐり抜けて、少し日も暮れかけた頃1時間30分の遊覧は終了した。乗船中は、見るもの、聞くもの、体感するものに「わぁー、すごいなぁ、きれいだねぇ」と歓喜の声が絶えなかった。
京割烹「新月」にて懇親会。吉田理事長が「書店同士の親交を深め、今日は、大いに飲んで騒いで、日常の激務を癒していただき、明日からの鋭気を養っていただきたい」とあいさつ。懇親会は、笑い声と喝采の中「みんな、これからも、頑張って地域の書店を盛りあげていこう」と誓い合って大いに盛り上がり終宴を迎えた。(石田淳広報委員)

「軒先」「神田村」の研修会を開催/鹿児島組合

鹿児島県書店商業組合は5月25日午後1時から鹿児島書籍会議室で研修会を開催した。
最初に「軒先.com」の藤本氏が店舗・駐車場・倉庫等のスペースを貸し出して営業外収益をあげる新しいビジネスモデルを説明した。経費がかからずに収益があがるシステムに、組合員の関心が高かった。次に弘正堂図書販売の細野社長が「神田村」の利用促進について説明。「注文品が遅い・新刊が入らない・補充が遅いといった書店の悩みを少しでも解消したい」と熱く語った。神田村の存在を知らない組合員も多く特に高い関心を集めた。
午後3時から第2回理事会を開催。楠田理事長のあいさつ、日書連報告、電子書籍の取り扱い、組合ホームページの取り扱い説明の後、蒲池事業委員長がガソリンカードの実施状況を報告。黒木厚生委員長が婦人部研修会「あじさいの会」について計画を説明し、次に永里読書推進委員長がサン・ジョルディの日の花の種配布実施について報告した。
理事会終了後、細野社長を交えて懇親会を行った。
(和田豊広報委員)

書店再生で増売案を検討へ/東京理事会

東京都書店商業組合は6月6日午後2時半から、書店会館で定例理事会を開催した。
書店再生問題では、5月11日に出版流通改善協議会で、日書連が提案した「書店再生のための提案」について意見交換会が行われたことを報告。提案5項目のうち、「実験販売200書店計画(ロングセラー、実用書増売)」は、書店が積極的に増売企画を作成し提案していきたいとして、東京組合の書店再生委員会で具体案の検討を進めていくと説明があった。
デジタル戦略推進では、双葉社のコミック『走馬灯株式会社』が7月にTBS系でドラマ化されるのに合わせ、ケータイ書店Booker’sの店頭連動企画を実施。さらに、ドコモのスマートフォン向け電子書籍販売サイト「BOOKSMARTPoweredbyBooker’s」とウェイズジャパンの電子書籍プラットフォーム「雑誌オンライン+BOOKS」とも今回初めて連携して行うと報告された。
TS流通協同組合の4月期の発注件数は6498件(前年同月比81・4%)、売上金額は675万6805円(同104・1%)、書店数は73店(同123・7%)。5月期の発注件数は5965件(同74・4%)、売上金額は702万5700円(同94・4%)、書店数は65店(同112・1%)だった。
理事会終了後、空きスペース仲介サイト運営の軒先から、スペース貸出事業の説明が行われ、東京堂出版から『江戸東京再発見ぶらりスケッチ散歩』の増売依頼があった。

5月期は5・8%減少/コミック8ヵ月ぶりのプラス/日販調べ

日販営業推進室調べの5月期書店分類別売上調査は、対前年売上高増加率が5・8%減と先月を0・9ポイント上回った。
雑誌は全体で2・4%減と先月から4・1ポイント上昇した。コミックは2・2%増と先月を6・5ポイント上回り、8ヵ月ぶりにプラスに転じた。映画化された『宇宙兄弟1~17』(講談社)の売上が引き続き好調だった。
書籍は全体で9・5%減と先月より2・6ポイント下落。文芸書は先月を4・2ポイント下回って22・2%減と低迷。前年売上が好調だった『謎解きはディナーのあとで』(小学館)『心を整える。』(幻冬舎)の反動が続いている。総記は先月を19・0ポイント下回る24・9%減。前年は『東日本大震災』(朝日新聞出版)『巨大津波が襲った』(河北新報出版センター)など震災関連銘柄が好調だったため、マイナスが続く結果になった。

BOOKEXPO2012/11月9日に大阪で大商談会

昨年、大阪で初めて行われた大商談会が、「BOOKEXPO2012秋の陣~極めろ!書店力~」と題し、今年も梅田スカイビル「アウラホール」を会場に開催されます。関西の出版社や第三商材社も出展し、商談に限らず、貴重な情報交換の場となります。本会限定の情報や特典、楽しく・役立つイベントをご用意して、売場ご担当者様の皆様の来場をお待ちしています。ぜひお越しください。
▽日時2012年11月9日(金)午前11時~午後5時
▽会場梅田スカイビル10階「アウラホール」大阪府大阪市北区大淀中1―1
▽出展136社・136ブース
▽問い合わせ「BOOKEXPO2012」実行委員会事務局(出版文化産業振興財団=JPIC)まで。℡03―5211―7282FAX03―5211―7285

【次代を担う】お客様目線の店作りを大切に/宮脇書店大阪柏原店・萩原浩司店長

ぶどうの町として知られる大阪・柏原市は、江戸時代から木綿の生産が盛んに行われた土地だ。この地で代々家業としてきた織物業から転身し、「宮脇書店大阪柏原店」を1995年に開業。地域に根ざした書店を目指すとともに、取次の枠を越えた大商談会を企画するなど、精力的にさまざまな取り組みを進めている代表取締役店長の萩原浩司氏に、経営理念や今後の展望などをうかがった。(聞き手=本紙・土屋和彦)
〔客の動線とゾーニングを意識〕
――書店を始めたいきさつは。
萩原この地域には、河内木綿という地場産業がありました。うちは織物工場をしていましたが、職人さんの後継者不足もあって転業を考え、いろいろな業種を探したのです。今まで支えられてきたこの場所で、地域に根ざした仕事をしたいということで、本屋をしようと決断しました。
――客層と品揃えについて教えてください。
萩原売場面積は150坪、1階が80坪で一般書、実用書、児童書など、2階が70坪で文庫、学参、コミックです。お客様の年齢層は幅広いですが、ファミリー層の30代、40代の男女が中心になっています。
品揃えは雑誌・コミックがメインです。「気軽に買える、気軽に来られる店づくり」を意識して、雑誌・コミック、ベストセラー等、軽めの本を中心に広く浅く売ろうという作戦でいきました。それがこの不景気で、雑誌やコミックの売上が落ちてきたので、少し書籍の方を掘り下げています。また、新たな商材の発掘を、第三商材も含めて一生懸命やっています。
――店作り、棚作りで心掛けていることは。
萩原いつもお客様目線を忘れないようにしようということ。お客様の動線とゾーニングの組み合わせをかなり意識しています。そこのゾーンに行って、お客様がどれだけ快適に本を選書することができるのかを考えます。書籍と雑誌、ムックをミックスした形で並べ、このゾーンにはどんな本が必要なのか、この動線の中ではどういうつながりが必要なのかを絶えず意識して棚作りをしています。
現在、社員は2人、パート・アルバイトが16人です。うちの特徴は、オープン10年目まで担当制を設けなかったことです。何せ全員が素人のスタートだったので、お客様がどのスタッフに聞いても、すぐ本をご案内できるようにしようと考えました。本屋の経営は全然わからなかったですから、諸先輩に教えていただいたり、勉強会に参加させてもらったりして一つ一つ勉強していき、それをスタッフに伝えて、店を作っていったという形です。
――ご自分で勉強会を作っていますね。
萩原いろいろな勉強会に行きましたが、満足いく勉強会はなかったのです。それなら自分で作ってしまえということで、「本真会(ほんまかい)」という勉強会ができました。2ヵ月に1回、近畿一円から20人のメンバーが集まって悩みをぶつけ合い、真剣に棚作り、スタッフ教育、仕掛けといったことを勉強しています。これが非常に大きな力、経験になっています。
〔商談会で書店のスキルアップを〕
――萩原さんは、近畿のトーハン会合同の商談会「楽市楽座」を、プロジェクトチームのリーダーとして立ち上げました。
萩原日販さんが「オオサカパンパク」(大阪日販会出版博覧会)をやっていて、ああいう商談会がトーハン会でも欲しい。当時、トーハンの近畿営業部長だった近藤敏貴さん(現・副社長)とブックス新の猿田一男さんとで話をしているときに「やろう」ということで始まりました。トーハンの枠組みの中でできる形を模索しながら、書店の売上げを伸ばせる商談会を目指しています。
――そして、関西圏の大商談会「BOOKEXPO」を、実行委員会の代表幹事として企画しました。
萩原業界全体を盛り上げようと思ったら、帳合を越えるしかないと、ずっと思っていたのです。しかし話をまとめるのは想像以上に大変でした。そのうちに、取次の枠を越えた大商談会が首都圏で開催されました。実行委員長をされた南天堂書房の奥村弘志さんを始め、いろいろな方に話をうかがいまして、その結果、私たち若手が実行委員会を務め、関西の出版業界の重鎮方に世話人として支えていただけたらと考えたのです。昨年行った第1回「BOOKEXPO」は、商談成立額が5880万円を超えるという実績を残せました。
2回目の今年は、「極めろ!書店力」というテーマを打ち出しました。「旅」「クリスマス」など30ほどのテーマを設け、出版社にそれに合ったお薦めの商品を提案していただきます。書店がフェアを自分で組むときに、「旅」の注文書を集めてくると、旅のフェアができる。同じテーマでも、A書店とB書店では違うフェアになっているはずです。書店のスキルアップを図れる商談会にしたいと思っています。
〔大阪でいち早くおはなし会実施〕
――お客様の心をつかむためにどういうことを心掛けていますか。
萩原親切で丁寧な接客で、心地よく店内で過ごしてもらうことを心掛けています。3つの「〝わ〟をもって尊しとなす」というのが、うちの社訓です。スタッフの和、お客様との話、地域との輪の3つです。
――地域密着の試みとして行っていることは。
萩原毎月第1土曜にやっているおはなし会です。もう15年目になりますが、大阪の書店では、一番早く始めたと思います。オープンして売上げが非常に悪かったとき、出版社の営業の方に、読書好きの子どもさんを育てる種まきになると教えていただいたのです。
また、年1回お客様感謝祭を行っています。5百円以上お買い上げのお客様に参加いただく抽選会をやっていて、店頭陳列コンクールなどで出版社からもらった景品も賞品として出したりしています。
昨年、大阪府から青少年健全育成で優良店表彰を受けました。ポスターやPOPを独自に作成したり、声掛けをするなど、地道な取り組みを認めていただいたということと、おはなし会の実施や、地域の中学校の職業体験をずっと受け入れていることも合わせて評価いただいたようです。
――今後チャレンジしたいことは。
萩原業界全体のことでは、新しい風を絶えず吹かせていきたい、刺激を与えていきたいと思っています。この業界の動きは非常に遅い。いろいろな事業をやっている中で、皆が協力すれば速くできることはいっぱいあると思います。
活字力というのは国の力の一番基礎の部分ではないでしょうか。本屋の数が減れば、文化だけではなく地域の力の低下につながっていく。本屋を残すために何かプラスアルファになるものを見つけ出したい。この場所で、どんなものが本と相性がいいのかを、今模索しているところです。差別化もそうでしょうし、地域とのコミュニケーションの作り方もそうでしょう。世の中のスピードに遅れてはいけないと思っています。

11年下期は前年同期比93・22%/ABCレポート

日本ABC協会は2011年下半期雑誌発行社レポートを発表した。今回掲載した43社165誌の前年同期比指数は週刊誌94・03%、月刊誌92・95%で、合計では93・22%となった。
総合週刊誌は、部数トップの『週刊文春』が1万5千部増の49万2千部、2位の『週刊新潮』は5千部増の38万9千部でともに盛り返した。『週刊現代』は4万8千部増の43万3千部と40万部の大台を回復。『週刊ポスト』も3万1千部増の33万3千部と好調だった。新聞社系では、『週刊朝日』が1万6千部減の13万4千部、『サンデー毎日』は1万部減の6万6千部と低迷した。
ビジネス誌は、『週刊ダイヤモンド』が1万3千部減の9万1千部、『週刊東洋経済』は7千部減の6万7千部で、ともに減少傾向が続いている。
女性週刊誌は、『女性セブン』が1万5千部増の26万3千部、『女性自身』が1万2千部増の24万9千部と堅調だった。『週刊女性』はほぼ横ばいの16万部となった。

『おやじダイエット部』新橋でプロモーション/マガジンハウス

マガジンハウスは6月18日と19日の2日間、東京・港区の新橋駅周辺で、『おやじダイエット部の奇跡』(桐山秀樹著)の看板を搭載した自転車によるプロモーションを行った。
当日は新橋駅前SL広場周辺を自転車3台が走行。同書で紹介している「糖質制限中華料理店」の飲み放題チケットを兼ねたチラシを配布し、道行くサラリーマンにPRした。

『人類の進化大図鑑』などの企画を発表/河出書房新社

河出書房新社は6月22日に東京・新宿区の日本出版クラブ会館で「企画説明会2012」を開催。今年後半に刊行する文芸書や大型企画等について説明した。
文芸書は、7月初旬に『東京プリズン』(赤坂真理著・46判上製・税込定価1890円)を刊行。以降は、8月に『屍者の帝国』伊藤計劃・円城塔著、9月初旬に『傷だらけの果実』新堂冬樹著、10月初旬に『自殺の国』柳美里著、11月に『火口のふたり』白石一文著――の刊行を予定する。
秋の大型企画では、英国のDK社が発行した『人類の進化大図鑑』を9月下旬発売。人類の誕生から古代文明までを精緻なビジュアルで再現する。B4変型上製・オールカラー256頁、税込定価7980円。このほか、10月に『海と環境の図鑑』(A4変型上製・オールカラー256頁・税込定価4980円)、11月下旬に『地球驚異の自然現象』(B4変型上製・オールカラー360頁・税込定価9975円)を発売する。
また、文字のない絵本『アライバル』が話題を呼んだショーン・タンの『ロスト・シング』(B4変型32頁・税込定価1680円)を6月22日発売。8月に『鳥の王さまショーン・タンのスケッチ・ブック』、10月に『エリック』を刊行する。

充実したコーナー展開図る/10月11日に「書店大商談会」

今秋10月11日に開催される第3回「書店大商談会」の出版社説明会が6月12日に東京・新宿区の日本出版会館で行われ、出版社147社、第三商材社5社の計152社が出席した。
冒頭で「書店大商談会」実行委員会の奥村弘志実行委員長(南天堂書房)は「今回は、書店や出版社の若い方に集まってもらい、いろいろな意見をうかがった。商談会に来た方も出展した方も、やってよかったという気持ちになる会にしたい」とあいさつした。
「書店大商談会」は10月11日(木)午前10時~午後7時、東京・新宿区のベルサール西新宿グランドホールで開催。開催時間を前回より3時間拡大し、会場も前回の1・5倍の広さとなる。出展社は第三商材を含め130社を予定。出展料は3万円。来場書店600名、商談成立7000万円を目標とする。
今年は、一般、コミック、児童書、ビジネス書、第三商材の各コーナーを設置。事前パンフレットと当日パンフレットを製作するほか、出展社が書店に来場を呼び掛けるインビテーションカード(招待状)を事務局が作成して提供する。
今回は、コーナー出展社ごとに事前打ち合わせをし、充実したコーナー展開を図るのが特徴で、説明会では、コミック、児童書、ビジネス書、イベントの各担当実行委員から概要を説明。このうちコミックコーナーについて、担当の真光書店・矢幡秀治専務取締役は「ブースを設けず、サロン形式で書店と出版社が自由に情報交換できる場にする。また、モデル店で実験販売を行い、結果を商談会の勉強会で報告する」と述べた。

◆江戸川乱歩賞
日本推理作家協会が主催する第58回「江戸川乱歩賞」の受賞作が高野史緒氏「カラマーゾフの兄妹」に決定、5月15日に講談社本社で受賞者記者会見が行われた。
受賞作は、ドストエフスキーが実現できなかった『カラマーゾフの兄弟』の第2部を代筆する形で進むというもので、日本推理作家協会の東野圭吾理事長は「有名な原典を元にし、新人賞の受賞作としてこの手法はありなのかと議論になったが、原典を知らない人も面白く読めて問題ないと判断した」と評価。高野氏は「18年間プロの作家として書いてきたが、乱歩賞はずっと心に引かれてきた賞だった」と喜びを語った。
◆向田邦子賞
優れたテレビドラマ脚本家に贈られる第30回「向田邦子賞」(同賞委員会、東京ニュース通信社主催)は、「生むと生まれるそれからのこと」(NHKBSプレミアム・11年8月27日放送)の脚本を執筆した岩井秀人氏が受賞した。
5月29日に帝国ホテルで行われた贈賞式で岩井氏は、先輩脚本家や俳優、スタッフ、家族に感謝の言葉を述べ、「ここで立ち止まらずに、物語をしっかり描き、もっと大きな人生を描けるように精進していきたい」とあいさつした。
◆大学読書人大賞
全国の大学文芸サークルが、大学生に読んでほしい本を評論と議論によって選ぶ「2012大学読書人大賞」(同実行委員会、出版文化産業振興財団主催)の贈賞式が6月8日、新宿区の日本出版クラブ会館で行われた。
大賞受賞作は、故・伊藤計劃氏の遺作で日本SF大賞を受賞した『ハーモニー』(早川書房)。贈賞式では伊藤氏の両親を表彰し、父親の進一氏は「『ハーモニー』はいくつかの賞をいただいたが、若い人たちに評価をいただいたことは、彼にとって一番うれしいのではないか」と語った。

人事

◇中央社(6月6日付)
【機構改革・組織変更】(本部・部・室)
1.総合経営計画本部を新設する。
2.総合経営計画室を廃止し、その機能を総合経営計画本部に移管する。
3.管理本部を新設する。
4.管理部門を廃止し、その機能を管理本部に移管する。
5.仕入本部を新設する。
6.総合経営計画本部に経営計画室、総合推進室を置く。
7.管理本部に総務部、人事部、経理部、情報システム部を置く。
8.営業本部のコミックメディア部、開発事業推進室、営業促進部を廃止し、第一営業部、第二営業部、第三営業部を置く。
9.営業本部から仕入部、取引部を除く。
10.仕入本部に仕入部を置く。
【役員人事】
委嘱・総合経営計画本部長兼営業本部長
取締役社長風間賢一郎
委嘱・社長補佐管理本部長兼営業本部副本部長兼物流・渉外担当
専務取締役外山義朗
委嘱・名阪支社長
常務取締役新谷喜代春
委嘱・仕入本部長
取締役大谷敏夫
委嘱・営業本部副本部長
取締役小暮豊博
委嘱・取引部担当兼総合経営計画本部副本部長
取締役矢下晴樹
執行役員第三営業部長
斎藤進