全国書店新聞
             

平成20年12月21日号

毎週百名に図書カード/講談社百周年キャンペーン

来年12月に創業百周年を迎える講談社は、日頃の読者の愛読に感謝して「ありがとう100年!本屋さんへ行こう図書カード毎週百万円プレゼント」を実施する。
このキャンペーンは来年4月から翌年1月まで45週間にわたり、抽選で毎週百名に1万円の図書カード(2千円×5枚セット)を総計4500名にプレゼントするもの。読者は応募券2枚を1組にして郵便ハガキまたは応募専用ハガキに貼付して応募する。図書カードは講談社百周年を象徴するベストセラーや人気コミックのイラストなどをプリントし10種類製作する。
応募券は、来年3月以降発売する書籍・コミック全点に付くほか、「幼児誌まつり」中の3・4月発行幼児誌、「女性誌まつり」中の9・10月発行の対象女性誌、10年1月までに展開する書籍・コミック各フェアの商品にも添付する。
12月8日、椿山荘で行われた販売会社懇親会で「本屋さんへ行こうキャンペーン」の概要を説明した森武文常務は「フェアは書店規模に応じて大中小のセットを用意した。1億5千万円の宣伝費をかけて正月から全国紙・地方紙で大々的に告知をスタートする。書店店頭を活性化し、一人でも多くのお客様を呼び込むため、協力をお願いしたい」と、呼びかけた。

作田理事長を再選/三重組合総会

三重県書店商業組合(作田幸久理事長)は11月24日午後2時から鳥羽市「鳥羽グランドホテル」で平成19年度第23回通常総会を開き、組合員48名(委任状含む)が出席した。
総会は木村哲美理事の司会で始まり、作田理事長があいさつ。「業界全体が厳しい中、雑誌の追加も含めた適正配本を考えていきたい。また、地元書籍の販売にも力を入れたい」と、組合員の協力を求めた。
議長に鈴木邦郎理事が選任されて議案審議。第1号議案の平成19年度事業報告はじめ、6号議案の借入金限度額まで議案通り承認した。理事・監事改選の件では理事15名、監事2名を選出し、作田理事長を再選して議事を終了した。
総会終了後、フリーライターで元文化通信社中部支社長の鈴木宏氏が「近現代の中国・台湾そして日本」を講演した。隣国でありながらまだまだ知らないことの多い中国・台湾の興味深い講演を聞くことができた。講演会のあと、出版社、取次を交えて懇親会を行った。
新年度役員は次の通り。
▽理事長=作田幸久(作田書店)
▽副理事長=鈴木邦郎(金青堂書店)、岡森泰造(岡森書店)
▽専務理事=伊藤信悟(天神堂書店)
(磯田智広報委員)

年末年始の日書連事務局体制

年末年始の特別体制により日書連事務局の業務は、年内は12月29日(月)正午をもって終了させていただきます。年明けは1月5日(月)より通常業務に復します。ご了承ください。
日書連事務局

総勢360名で賑わう/初の出版販売年末懇親会/日書連

日書連は12月17日午後6時から皇居前・パレスホテルに出版社175名、取次・業界関係者67名、書店119名を招き、総勢361名が出席して出版販売年末懇親会を実施。年の瀬を迎え、一段と冷え込む厳しい経済環境の中にあって、来年こそ出版業界が明るい新年を迎えられるようにと誓い合った。井門照雄実行委員長、藤原直副会長の司会で始まった懇親会では、最初に日書連大橋信夫会長が主催者を代表して次のようにあいさつした。
「日書連はこれまで新年理事会のあと箱根に来賓各社を招いて新年懇親会を重ね、54回の実績があるが、今年から年末に東京で開催することにした。最近、読者が減り、一人の読書量も減ってきたと感じている。出版業界は従来から地道に読書推進の取り組みを続けてきたが、この運動が政官民にも拡大し、2010年を国民読書年にすることが決まった。書店固有の問題としては、売上不振、店主高齢化、後継者難などで廃業に追い込まれる書店もあり、全国書店は最盛期の半分に減った。書店減少が出版業界の衰退に結びつくことを懸念している。このため取次各社に返品入帳改善、送品・返品同日精算を求めてきた。書店環境改善に向け1日も早く実現したい。また、課題として出版業界の取引用語統一も図っていきたい。皆さんと話し合いでよい方向を見出していきたい」
出版社を代表して書協小峰紀雄理事長は「出版不況が伝えられ10年が過ぎ、さらに金融不安、電子メディアとの競合もある。もう課題は先送りできない。親和力を発揮して課題を克服、業界基盤を確立していきたい。時代の変化の時には読書活動が盛んになっている。民間主導で読書運動を」と述べ、雑協村松邦彦理事長は「雑誌業界はアゲンストの風で販売、広告ともシュリンクしている。広告は20%近い落ち込みで雑誌ビジネスが成り立たない。来年も今年以上の苦境かもしれないが、経済大国より文化国家を目指すべきだ」と、出版業界の課題を含めて祝辞を述べた。
このあと、取協古屋文明会長が「今年は日書連の会が立食パーティーに大きく変わった。来年は変化の年にしていこう」と述べて、乾杯の発声を行った。

うみふみ書店日記/海文堂書店・平野義昌

「この本ありますか?」と若い女性に書名を告げられた。児童書です。普段ならエキスパート・メロン女史に頼むところ、生憎公休日。棚に向かい、何とか見つけて手渡します。「わあー、あったー」と喜んでくれ、こちらも(よかったー)と思った瞬間、元の位置に戻して友人と立ち去ります。メモや切抜きを持参される皆さん全員が購入に至るわけではありません。でも、彼女のあの喜び様にはどんな意味があったのでしょうか?著者の関係者?もし、その本がなかったら、彼女はきっと友人に「ないねんてー」と私にも聞こえるよう愚痴るはずです。友人も同様に「大きいとこに行かなあかんわ。○○に行ったらええやん」と絶対言います。「ネットで買い」とダメ押しがあるかもしれません。本屋ン十年の経験で、もうヒガミ根性が染み付いています。どこにでもある、ありふれたことなのでしょうが、なぜ彼女は喜んだのか、解決したい疑問です。
海文堂の本年最終イベントは「第2回古本市」です(12月11日~21日)。2階ギャラリースペースに地元6店が集まります。1階常設2店も加え、当店の古本イベントは定着しました。心配していた「V逸」店長の苦悩もどうやら克服・解消できたようです。来年春には一味違う「古本イベント」もできそうで、これも古書店・愛好家のご協力のおかげです。古本スペース新設をお考えの方、いろいろな仕入れルートがありますが、地元の古書店と提携されることをお薦めいたします。
神戸出身画家の画集が爆発的に(当店としては)売れていても、古本が好調でも、あれやこれやのイベントがあっても、厳しい売り上げです。神戸の年末恒例“ルミナリエ”の来場者も昨年に比べ、前半6日間で24万人も減っているとか。人が動いていない、動けない、のです。その意味では、店に来てくださるお客さまに感謝しなければなりません。世界同時不況、ひとりひとりには何の落ち度もない事情で、弱い者から切り捨てられていきます。今、安住していられる人たちにも順番は必ずやって来ます。ついこの間まで、強い者勝ちのルールだったのに、負けた巨大銀行やビッグ3が救済を求めます。新自由主義とはムシの良いものです。
訪問のたびに「推薦の本を」と営業女史、私、正月休み用の本を紹介しました。同じ時間に彼女と同じ本を読んでいるかもしれない。これは仕事を越えた人間愛でしょう。もうひとつ楽しみは、「オネエ」芸能人ショーでの出張販売です。くだらぬことを考えてしまいます。心が女であるオネエが、女を好きになったら同性愛と言うのだろうか?この疑問も解決せねばならない年末年始です。

大賞候補6作品をノミネート/大学読書人大賞

全国の大学文芸サークルが大学生に読んでほしい本を評論と議論によって選ぶ「2009大学読書人大賞」の候補作品が決定した。
2回目となる今年は全国の約220大学、300の文芸サークルに、昨年12月1日から今年10月30日までに初版が発行された本の中から大学生にぜひ読んでほしい本を5冊ずつ選んでほしいと呼びかけたところ、全国34の文芸サークルから投票があり、その中から『AURA』(田中ロミオ、小学館)、『告白』(湊かなえ、双葉社)、『好き好き大好き超愛してる。』(舞城王太郎、講談社)、『ゼロ年代の想像力』(宇野常寛、早川書房)、『とある飛空士への追憶』(犬村小六、小学館)、『容疑者Xの献身』(東野圭吾、文藝春秋)の得票上位6作品を大賞候補作品としてノミネートした。
今後は、全国の文芸サークルに再度呼びかけて、ノミネートされた6作品の中から最も読んでほしいと思う1作品をサークル単位で選んでもらい、1600字以内の推薦文を付けて来年2月1日までに送付してもらう。送られた推薦文は同大賞サイトに掲出。参加サークルは推薦文を読んで、6作品それぞれに最もいいと思う推薦文を一つずつ選んで投票する。投票の結果、最も票の集まった推薦文を書いた6サークルの代表者が5月連休中に東京の会場に集まり、大賞1作品を決定。6月に大賞受賞作家を招いて贈賞式を行う。
12月10日、東京・神楽坂の出版クラブ会館で開かれた記者発表会で、大学文芸サークルの学生有志9名で構成する同賞実行委員会の河野実行委員長は「この賞をもっと広めるため努力したい」と意欲を語った。

「書店経営全力で守る」/山口尚之理事長を再選/福岡総会

福岡県書店商業組合は11月26日、福岡市のセントラルホテルフクオカで第30期通常総会を開き、組合員174名(委任状含む)が出席した。
総会は白石穣一副理事長の開会の言葉で始まり、山口理事長があいさつ。続いて加来大輔常務理事を議長に選出して議案審議に入り、第30期事業報告、収支決算報告、第31期事業計画案、収支予算案などすべての議案を原案通り承認可決した。
このうち事業計画案は山口理事長が説明。①福岡県書店商業組合の組織・運営の強化、②再販制度下における書店の役割の明確化、③取引慣行の弊害是正、④ネットワーク化による情報・物流の改善、⑤読書推進と活字文化の振興、⑥万引き防止・青少年健全育成の周辺整備――の6本柱を打ち出し、出版不況にさらされるまっただ中、いかに書店経営を守るかという緊急な課題への対応に全力を傾注し、併せて書店経営の健全な発展を通じて出版文化の普及・発展に貢献していくとした。
役員改選では山口理事長を再選。副理事長には白石穣一氏に代わって安徳寛氏が就任した。
[福岡組合役員]
▽理事長=山口尚之(三山書店)
▽副理事長=長谷川澄男(ブックイン金進堂)安徳寛(Booksあんとく)

ICタグ研修会1月13日に開催/北海道組合

北海道書店商業組合は12月2日午後1時から札幌市の組合事務所で定例理事会を開催した。主な審議事項は以下の通り。
1、官公需適格組合証明更新手続きについて事務局より説明があり、手続きを進めていくことを決めた。
2、日書連書店経営健全化委員会が取次各社に「書店商業組合への加入促進運動ご協力のお願い」と題する文書を送付したことについて討議。北海道組合としても組合加入促進は重要な課題であり、各取次に協力要請することを決めた。
3、ICタグ研修会を来年1月13日午後4時半から5時半まで札幌市のホテル札幌ガーデンパレスで開催する。テーマは「書店万引実態調査とICタグ導入の現状」。講師は紀伊国屋書店総合仕入部の皆川文男部長(ICタグ研究委員会書店部会副部会長)、講談社促進企画部の永井祥一次長(日本出版インフラセンター運営委員)。
「書店万引実態調査」については、組合員、組合未加入店にとっても非常に関心の高いものと推察される。ICタグは平成15年度より経済産業省の補助を得て実証実験が行われ、いよいよ具体的実施段階まで来ている。万引きの被害を防ぐための特効薬として出版物へのICタグの装着を書店側として強く要望していく時期にきており、研修会を開催することにした。
ICタグ研修会終了後、13日午後6時からホテル札幌ガーデンパレスで平成21年北海道取協・出版社・書店組合新年合同懇親会を開催する。
(事務局・阿知良由紀美)

訃報

鹿子嶋慶正氏(久留米市・鹿子嶋尚文堂社長)
12月15日、大動脈弁狭窄、心肥大により逝去。67歳。通夜は17日午後6時から、告別式は18日正午から久留米市・草苑で営まれた。喪主は妻の真紀子さん。福岡県書店商業組合広報委員長、本紙広報委員として活躍し、現在は同組合監査を務めていた。

県こども安全課に図書529冊を寄贈/埼玉組合

埼玉県書店商業組合は12月12日午前10時に水野兼太郎理事長と山口洋事務局長が埼玉県福祉部こども安全課を訪ね、幼児用53冊、小学校低学年用108冊、中学年用211冊、高学年用90冊、中・高・一般用90冊など合計529冊の図書を寄贈した。
手島顕久課長からは、「毎年多くの本を寄贈していただき、県内福祉施設も大変感謝している。施設の子どもたちは勉強をするチャンスが少なく、読書は大きな力になる」とお礼の言葉をいただいた。
寄贈本は、こども安全課より県内の児童養護施設、母子生活施設等、22の施設にクリスマスに合わせ配本される予定。(山口洋事務局長)

出版業界の新春行事日程

【組合関係】
〔北海道〕
◇北海道取協・出版社・書店組合新年合同懇親会=1月13日(火)午後6時から札幌市中央区のホテル札幌ガーデンパレスで開催。
〔宮城〕
◇合同新年懇親会=1月7日(水)午後5時から仙台市青葉区のホテルメトロポリタン仙台で開催。
〔神奈川〕
◇新年懇親会=1月20日(火)午後5時半から横浜市中区の華正楼・本店で開催。(午後2時から理事会を開催。)
〔東京〕
◇新年懇親会=1月15日(木)午後5時半から文京区の東京ドームホテルで開催。
〔静岡〕
◇第41回書店商業組合新年総会=1月13日(火)午後3時半から伊東市・伊豆高原の坐魚荘で開催。
〔愛知〕
◇新春賀詞交歓会=1月6日(火)午後5時半から名古屋市千種区のルブラ王山で開催。(午後3時から日本出版インフラセンター・ICタグ研究委員会の報告会を開催。)
〔大阪〕
◇大阪出版業界新年互礼会=1月9日(金)午後3時から大阪市北区のホテルグランヴィア大阪で開催。
〔京都〕
◇京都出版業界互礼会=1月8日(木)午後4時半から京都市中京区の京都ホテルオークラで開催。
〔福岡〕
◇福岡県出版業界新年の会=1月6日(火)午後4時から福岡市中央区のタカクラホテル福岡で開催。
【取次関係】
◇日教販第58回春季展示大市会=1月9日(金)午前9時から東京・千代田区のスクワール麹町で開催。
◇トーハン新春の会=東京会場は1月8日(木)午前10時半から東京・文京区の椿山荘で開催。社長あいさつは午前10時半、鏡開きは午前11時10分。近畿会場は1月9日(金)午前9時から大阪・北区のトーハン大阪支店で開催。
◇日本出版販売新春を祝う会=1月7日(水)午前10時半から東京・港区のザ・プリンスパークタワー東京で開催。社長あいさつ・鏡開きは午前10時半。
◇大阪屋新春おでんの会=1月10日(土)正午から大阪・東大阪市の同社関西ブックシティで開催。
◇栗田出版販売新春あいさつの会=1月9日(金)午前10時から東京・板橋区の同社新物流センターで開催。鏡開きは午前11時。
【関係団体】
◇全国医書同業会新年互礼会=1月6日(火)正午から東京・千代田区の帝国ホテルで開催。
◇日本出版クラブ新年名刺交換会=1月7日(水)正午から東京・新宿区の日本出版クラブ会館で開催。
◇書店新風会創立50周年記念・新年懇親会=1月9日(金)午後5時から東京・新宿区のハイアットリージェンシー東京で開催。
◇出版梓会第24回梓会出版文化賞贈呈式=1月20日(火)午後6時から東京・新宿区の日本出版クラブ会館で開催。

新年会、定款変更等について討議/神奈川理事会

神奈川県書店商業組合の11月定例理事会が11月11日、トーハン神奈川支店で行われ、正月吉例の9支部合同新年会は1月20日、横浜中華街の華正楼で行うことが決まった。
定款変更の件では、組合員数が減少し、理事定数を削減するため変更の手続きをとることになった。その他、労働保険組合、各委員会メンバーを決定した。
今年度賦課金徴収の件では、一部組合員から値下げの要求があったが、組合運営の都合上、今年は前年と同じ金額とすることを確認した。
日書連共済会は残余財産を各県組合に返金するよう希望し、脱退した元書店への返還も可能な限り行うよう求める発言があった。
10月に行われた読書推進の講演と図書展示即売は、悪天候により成績が芳しくなかったが、今後も継続して行うことを確認した。
(平井弘一広報委員)

「読書ノート」341名が達成/用語統一問題でシンポ開催へ/大阪

大阪府書店商業組合は12月13日午後2時から、組合会議室で12月期理事会を開催した。審議事項と報告事項は以下の通り。
【総務・財務委員会】
当初予算を補正し、活性化委員会にシンポジウム費用20万円位、IT化関連委員会にホームページリニューアル費用20万円位、レディースランチ費用増額分として20万円位、新年互礼会の組合員参加負担金を増額して執行する。また、読書推進会費用として応分の費用を拠出することにした。
【経営活性化・書店環境改善委員会】
平成21年2月13日(金)に日書連副会長・柴﨑繁氏と筑摩書房社長・菊池明郎氏を招いて、出版業界の「用語統一」等についてのシンポジウムを開催する予定。組合員多数の参加を希望する。
【読書推進委員会】
①11月15日にドーンセンターにおいて、「本の帯創作コンクール」の展示会及び表彰式を実施した。来年度事業について、12月18日に東京で出版社代表、取次代表と協議する。「帯コン」課題図書の増売等が課題となる。
②「読書ノート」の目標冊数読了者の氏名が、11月11日の朝日新聞に掲載された。74校341名が目標を達成した。
【出版販売倫理委員会】
大阪府青少年健全育成条例の「有害図書類」の包括指定の基準強化は、青少年環境問題協議会委員も「やむを得ない」という見解であった。
【レディースランチの会】
1月28日(水)12時30分より「大乃や」で開催する。和食を希望する人が多かったので、それに答えて少し贅沢な企画となった。1組合員2名までの限定で、一人2千円の会費である。
【学校図書館・IT化関連委員会】
各地で日書連マークについての問い合わせが増えている。装備等を請け負える体制作りが肝要である。
【その他】
①12月4日、出版流通改善協議会の説明会が東京で開催された。「小売業が衰退する産業は衰える」という認識の下、種々の問題が議論された。
②日書連共済会の残務処理が残されたままである。各都道府県組合の意見を集約することになっている。
③大阪組合ホームページリニューアルにあたり、組合員からの「お薦め本」を募集したい。
(中島俊彦広報委員)

首位はハリー・ポッター最終巻/年間ベストセラー

トーハン、日販は2008年の年間ベストセラーを発表。総合トップは両社とも、世界的ベストセラーのシリーズ最終巻となる「ハリー・ポッターと死の秘宝」が獲得した。
〔トーハン調べ〕
①ハリー・ポッターと死の秘宝(静山社)②夢をかなえるゾウ(飛鳥新社)③B型自分の説明書(文芸社)④O型自分の説明書(文芸社)⑤A型自分の説明書(文芸社)⑥ホームレス中学生(ワニブックス)⑦女性の品格装いから生き方まで(PHP研究所)⑧親の品格(PHP研究所)⑨AB型自分の説明書(文芸社)⑩脳を活かす勉強法奇跡の「強化学習」(PHP研究所)⑪新・人間革命(18・19)(聖教新聞社)⑫流星の絆(講談社)⑬悩む力(集英社)⑭おつまみ横丁すぐにおいしい酒の肴185(池田書店)⑮おひとりさまの老後(法研)⑯余命1ケ月の花嫁(マガジンハウス)⑰徳間アニメ絵本崖の上のポニョ(徳間書店)⑱1分骨盤ダイエットすぐに!確実に!キレイにやせる!(三笠書房)⑲生命の法真実の人生を生き切るには(幸福の科学出版)⑳上地雄輔物語(ワニブックス)
〔日販調べ〕
①ハリー・ポッターと死の秘宝(静山社)②夢をかなえるゾウ(飛鳥新社)③B型自分の説明書(文芸社)④ホームレス中学生(ワニブックス)⑤O型自分の説明書(文芸社)⑥A型自分の説明書(文芸社)⑦女性の品格(PHP研究所)⑧AB型自分の説明書(文芸社)⑨親の品格(PHP研究所)⑩新・人間革命(18・19)(聖教新聞社)⑪脳を活かす勉強法(PHP研究所)⑫流星の絆(講談社)⑬おひとりさまの老後(法研)⑭余命1ケ月の花嫁(マガジンハウス)⑮悩む力(集英社)⑯ヘキサゴンドリル(1・2・3)(扶桑社)⑰1分骨盤ダイエット(三笠書房)⑱おつまみ横丁(池田書店)⑲生命の法(幸福の科学出版)⑳徳間アニメ絵本崖の上のポニョ(徳間書店)

創業百周年で大型キャンペーン展開/講談社

講談社は12月8日夕、文京区の椿山荘に販売会社を招き、年度末懇親会を兼ねて来年の同社創業百周年に向けた説明会を行った。
会の冒頭であいさつした野間省伸副社長は11月末の同社決算について「書籍、雑誌、コミック、広告収入とも前年を大きく下回り損失を計上した。今期は創業百周年の節目であり、売上を拡大したい。百周年の百冊書下ろしがスタートし、2年にわたって文芸、学芸、児童の各ジャンルで刊行する。期待の作品が揃っている。今年の新風賞に『流星の絆』が選ばれたという明るいニュースも飛び込んだ。また、本屋さんへ行こう毎週百万円図書カードプレゼントを実施する。新たな百年に向けておもしろくてためになる本を届けていきたい」と述べた。
講談社百周年企画の「本屋さんへ行こう」キャンペーン具体案は森武文常務が説明。書店店頭を活性化し、一人でも多くの客を呼び込むため、来年4月から翌年1月まで45週間にわたり、毎週抽選で百名、総勢4500名に1万円の図書カードをプレゼントすることを強調した。
3月以降発売する書籍・コミック全点に応募券が付くほか、3・4月発行の幼児誌、9・10月発行の女性誌、書籍・コミックフェアにも添付。フェアは書店規模に応じて大中小のセットを用意。「正月から全国紙・地方紙に宣伝費1億5千万円をかけ告知をスタートする」と、大々的なキャンぺーン展開を強調した。
このあと、広田雑誌販売局長、峰岸コミック販売局長、大竹書籍販売局長から各部門方針が説明された。

出版梓会、創立60周年で祝賀会

出版梓会(大坪嘉春理事長)は12月11日夕、丸の内の東京會館で創立60周年記念祝賀会を開催。会員社71社143名と取次、書店、関係団体代表が招かれた。
開会にあたり菊池明郎副理事長は、「60周年事業として東京BFで読者向け講演会と出版ダイジェストや会員社の本をブース販売した。最後の仕上げが本日の祝賀会」と説明。
大坪理事長は「昭和23年に42社で発足し、人間で言えば還暦を迎えた。発足直後は用紙統制、40年代はブック戦争、紙不足、50年代は再販、64年に消費税導入などがあった。無事乗り越えてきたのは先輩の努力の賜物。会を重ね、百年を目指したい」と御礼の言葉を述べた。
来賓では、雑協村松理事長が「会員の皆さんと手を携えて読書運動を」と祝辞。日書連大橋信夫会長は「私は東京堂出版として会員の一人。書店も、もっと硬派の本を売っていきたい」と述べた。このあと、書協小峰理事長が「日本の出版文化の基盤を形成し、書協の母体になったのは梓会。時代は混迷を深めるが、活字への期待も大きくなっている。活字文化のためにますますご努力を」と述べて乾杯した。

人事

◇三省堂書店
(11月28日付、○は新任)
代表取締役社長亀井忠雄
専務取締役森雅夫
同鈴木良介
取締役品田公博
同持主俊介
同西端忠光
同○亀井崇雄
同○佐藤英之
常任監査役石田憲一
監査役比留間鎮夫
◇東京出版物卸業組合
12月8日開催の総会で以下の役員を再任した。
▽理事長=井田隆(大学図書)
▽副理事長=齊藤隆巳(日本雑誌販売)
▽理事(会計)=九嶋英幸(三和図書)
▽理事(広報)=川添英弘(文苑堂)
▽理事=雨谷正巳(協和出版販売)、川邊雅久(博文社)
▽監事=西村倭雄(西村書店)

連結売上げ0.3%微減/単体で3086億円/日販上期

日販の第61期中間決算(20・4・1~9・30)がまとまった。連結子会社22社を含む日販グループの連結売上高は3753億9500万円で前年同期比0・3%の減収となった。CVSルートが40億円の減収だったものの、新規取引拡大、ハリー・ポッター7巻発売、MPDのTSUTAYA向け取引拡大などもあり、販売額は微減に留まった。
連結ベースの販売管理費は420億5百万円で、対前年1・2%減。日販単体ではリニューアルした王子流通センターの稼働による効率化が図られ、運賃コストが改善したこと、MPDの配送コスト改善、出版共同流通の生産性向上で販売費が4・1%減少したことが大きかった。
営業利益は75億3100万円で24%増、経常利益は28億3100万円で69・5%増。中間純利益は7億9800万円72%の増益となった。半期ベースでは連結決算で過去2番目の増益。
日販単体の売上高は3086億6200万円で、対前年0・7%減と11期連続の減収。売上高の内訳は書籍が1205億4900万円(2・9%増)で、イオングループやアマゾンとの取引拡大、ハリー・ポッター7巻の発売が貢献した。雑誌は1614億4300万円(2・5%減)で、CVSルートの落ち込みが影響した。開発商品は266億7千万円、4・9%減。
返品率は配本パターンの見直しにより書籍が0・2ポイント改善して41・5%。雑誌は0・8%悪化して36・9%。総合で0・5ポイント増の37・3%。
日販単体の期末従業員は41名減の1668名。期中の増床は214店、2万1554坪、減床208店1万3641坪。
9日の記者発表で柴田副社長は「10月以降、経済環境は急速に悪化しており、減収の幅は拡大する見通し。楽観はできない。売上げだけでなく、効率面にも意を用いていく」と述べた。
日販連結中間損益計算
売上高375、395
売上原価325、858
売上総利益49、537
販売費及び一般管理費
42、005
営業利益7、531
営業外収益661
受取利息96
その他の収益565
営業外費用5、361
支払利息129
売上割引5、175
その他の営業外費用56
経常利益2、831
特別利益33
特別損失690
税引前中間純利益
2、173
法人税等1、010
法人税等調整額113
少数株主利益251
中間純利益 798

本屋のうちそと

12月に入って、連日万引きが続いた。小学館の『メジャー』が1巻から10冊、翌日には続きの10冊。犯行状況より換金目的であると考えられ、警察に被害届を出すことに決めた。店内の防犯カメラをサーキットから『メジャー』の棚のフォーカスに切り替え、3日目を迎えた。午後、集金と銀行入金で外出から戻ってみると『メジャー』がまたしても万引きされている。ビデオを早送り再生で確認する。犯人はダウンジャケットを着たのとブレザー着用の若者2人組。体でレジからの監視を遮るようにして犯行。ブレザーがダウンジャケットに商品を渡し、ダウンジャケットの中に隠していく。冊数は不明だが、ブレザーがレジからの視線を覆うようにして先頭に立って出て行く。
その際、ブレザーのエンブレムから、近隣の中学の制服と判明し、顔もはっきりと撮れている。
その夜の内に警察署に被害届を出す。対応した盗犯係が、被疑者が中学生のようだと判ると少年係の事案だと引き気味の対応に微妙に変化をみせ、被害届の提出を後日になって引き下げることはないかしつこく確認。金銭の取得を目的にする以上は、年齢に関係なくプロの犯行だから刑事訴追して欲しいと言い、後は民事訴訟も辞さないつもりでいる事を伝えた。
翌朝、警察は中学に出向き少年二人の身柄を確保したようだが、取調べの詳細は守秘義務から判らない。被害届と調書の整合性から、被害届を訂正して欲しいと刑事が来る時に状況が仄かに判るだけだ。少年たちの親は近く店に行くとの警察情報はあるが、犯行発覚から10日経つが親の来店はない。(井蛙堂)