全国書店新聞
             

平成17年8月11日号

駅舎内出店に募る懸念/地元で反対運動、書名317通集まる/東京

電鉄各社が駅舎内への書店出店を積極的に推進するなか、京王グループの啓文堂書店が12月、京王井の頭線久我山駅(東京・杉並)に出店を予定。電鉄会社による駅舎内への出店に危機感を募らせた地元商店街や東京組合中野・杉並支部は、出店中止を求めて運動を展開。各支部の協力で317通の署名が集まった。
中野・杉並支部の福田支部長は8月2日に開かれた東京組合理事会の席上、出店阻止の署名と資金カンパに対する各支部の協力に謝意を表明。8月1日現在317通の署名が集まっていると報告して、各支部長に署名とカンパへいっそうの協力を呼びかけた。カンパは銀行口座振込みで受け付けている。また、同支部所属の山田常務理事は「駅という公共性を持つ場所への鉄道業者による出店をここで食い止めなければ、杉並区や東京都のみならず全国的な問題に波及しかねない。1地区・1書店だけの問題ではなく、『明日はわが身』という共通認識に立ってほしい」と協力を求めた。
万引き問題については、発生・情報に関する報告書を提出してほしいと要請があった。報告書は①発生日時②発生場所③被害商品(書名・定価・冊数)④万引者の性別、年齢、職業、学校名、社名⑤万引者の特徴⑥持ち物⑦発生時状況⑧処置――の8項目。
増売委員会は「地震対策コーナー作り」を提案。9月1日の防災の日を前に発売される『東京直下大地震生き残りマップ』(旬報社)、『大地震から身を守る耐震補強の知恵』(日本文芸社)、『震災時帰宅支援マップ首都圏版』(昭文社)、『東京直下型大地震』(ネコパブリッシング)の4点を組合推薦の増売商品とし、積極販売を求めた。
また、TS流通協同組合の7月1日から31日までの売上げについては、82書店(対前年同月比1・2%増)が利用、8221件(同17・7%増)の注文があり、844万2180円(同21・9%増)だったと報告があった。
厚生委員会は平成18年度通常総代会を来年5月18日午後1時から5時まで上野の池之端文化センターで開催、勤続従業員表彰式および懇親会は行わず、表彰者に対しては店主を通して表彰状・記念品を贈呈したいと提案し、了承された。また、第15回神保町ブックフェスティバルが10月29日(土)、30日(日)の2日間にわたり開催されると報告があった。東京組合は千代田区、毎日新聞社とともに後援として名を連ねる。
なお、理事会には青年部の小宮会長が出席し、同・地図事業部で発行している区分地図について、組合員書店での取り扱いをさらに増やしてほしいと協力を求めた。現在8区(世田谷、目黒、中野、杉並、練馬、板橋、品川、大田)を発行。世田谷区は順調に推移しており、他区についても全力をあげて売上増を図りたいとした。奥村常務理事は「年内完売に向けて協力しよう」と呼びかけた。

景品規約改訂問題を討議/小売公取協東京支部理事会で

出版物小売業公正取引協議会東京支部は8月2日に理事会を開き、書店の景品に関する公正競争規約の改訂問題について討議。「基本的に現行規約を維持」の方向で同・東京支部としての考えをとりまとめた。
小売公取協は7月理事会で影山専務理事による「私案」を提示。①7%ルールは継続②期間制限年2回60日を年2回90日に緩和③商店街の景品類に該当するトレーディングスタンプは廃止④景品類に該当する低率のトレーディングスタンプの提供に関する規定を創設する――との考えを示し、現在、各都道府県支部に「影山私案」に対する見解を求めている。
これを受けて同・東京支部は「影山私案」を中心に討議し、期間制限はこれまで通り年2回60日、商店街のトレーディングスタンプは施行規則に残し、低率のトレーディングスタンプ創設は認めない――と意見集約。「基本的に現行規約を維持する方向で交渉を進めてほしい」と小売公取協9月理事会で意見表明することを拍手で承認した。

読書週間書店くじ実施要領

▽実施期間平成17年10月27日(木)より11月9日(水)まで書籍・雑誌500円以上購入の読者に「書店くじ」を進呈
▽発行枚数600万枚。書店には1束(500枚)3750円(税込)で頒布
▽申込方法束単位で返信用申込書に必要事項を記入し、所属都道府県組合宛に申し込む。締切は8月20日
▽配布と請求方法くじは取次経由で10月25日前後までに配布。代金は取引取次より請求。
▽当選発表12月5日。日書連ホームページ並びに書店店頭掲示ポスターで発表
▽賞品賞品総額8680万円、9・8本に1本の当選確率
特等賞=オーストリア8日間の旅60本
1等賞=図書カードまたは全国共通図書券1万円600本
2等賞=同上または図書購入時に充当千円1800本
3等賞=同上5百円1万2000本
4等賞=図書購入時に充当百円60万本
ダブルチャンス賞=全国共通図書券1万円100本
▽賞品引き換え特等賞は当選券を読者より直接日書連まで送付。1、2、3、4等賞は取扱書店で立て替え。図書券不扱い店または図書券が品切れの場合は、お買い上げ品代に充当。ダブルチャンス賞は平成18年1月16日(当日消印有効)までに読者が直接日書連にハズレ券10枚を送付
▽引き換え期間読者は12月5日より平成18年1月10日。書店で立て替えたくじは平成18年1月31日までに一括とりまとめて「引換当選券・清算用紙(発表ポスターと同送)」と一緒に日書連事務局まで送付
▽PR活動「読書週間書店くじ」宣伝用ポスター1店2枚。全国書店新聞、取次広報紙に記事掲載。日書連ホームページで宣伝

「本を読んでる君が好き」

今年も文化の日をはさんで10月27日(木)から11月9日(水)まで2週間にわたって行なわれる読書週間(第59回)の標語は「本を読んでる君が好き」に決まった。全国優良読書グループ表彰、野間読書推進賞をはじめ、読書推進の様々な行事が展開される。

生残りへ環境整備/佐賀組合

佐賀県書店商業組合は7月24日午前11時から武雄市・武雄温泉ハイツで第23回通常総会を開催した。
岩永理事長はあいさつで「理事長になって2年間、日書連に出席してきた。地方で苦慮している問題は全国どこでも同じ悩みを抱えている。書店業界は利益を得る構造になっていない。書店組合があればこそ地方の声も聞いてもらえる。組合員は10年前の半分になったが、これからも地方の声を伝えていく」と述べた。
総会は江口文明氏(江口書店)を議長に選び、第1号議案から第4号議案まで原案通り可決。第5号議案の定款変更は法律改正に伴う変更と組合員数減少による役員定数の変更。15~20名の理事定数は10~15名に削減。新理事13名を決めた。初理事会で岩永理事長、高田悟、小野賢一両副理事長を再選した。
岩永理事長は「日書連で組織強化と取引改善委員会に指名された。次世代の後継者育成にも力を注ぎ、希望を持てる環境作りで生き残りを図っていく」と抱負を述べた。
議案審議終了後、篠塚周城顧問があいさつ。「インターネット時代は本を読み、書く教育が一層重要になってくる。文字文化の発展に力を注いでもらいたい」と地域の書店にエールが送られた。最後に古賀氏の音頭でスローガンを斉唱した。(近藤甲平広報委員)

生活実用書/注目的新刊

世はまさに健康ブームである。めまぐるしく変化する昨今の時代を象徴するかのように、言い伝えられた健康常識も替わってきている。
テレビ番組で紹介されたりすればすぐに飛びついて、またたく間に流行する。マスメディアに振り回されるのを傍観するだけでなく、書店でも関連書をしっかり揃えて対処すれば、間違いなく売れる。ところが、書店では相変わらず新書、文庫、単行本という判型と出版社別の分類で、それぞれ別の場所にしか置いていないのだから不思議だ。
石原結實著『間違いだらけの医学・健康常識』(日本文芸社・パンドラ新書014 838円)は、サブタイトルに「西洋医学を過信すると早死にする」とある。著者が医師になった30年前、医師数13万人に対しガンで死ぬ人もほぼ同数だった。ところが27万人の医師がいる現在、年間のガンによる死亡数は31万人と増えている。西洋医学の限界なのだと著者は語る。
第5章には「ガンで長生きするには治療しないこと」という大胆な項目もある。しかし、ただ黙っているのではなく「小食にし、よく体を動かし、気分を明るく保つ」という血液を浄化する方法を実践する。悪い生活習慣を是正すれば良いというのだから簡単である。ほかにも、自然塩には害は全くない、肝臓病で高タンパク食を摂るのは逆効果であるなど、これまでの常識の間違いを一つずつ、わかりやすく解説してくれる。
高宮和彦監修『目からウロコの健康常識なるほど事典』(PHP文庫・た43―1476円)。サブタイトルは、「話題の食物パワーの秘密から長寿の知恵、最新知識まで」となっている。魚のお焦げは食べてもよいか、わさびの意外なパワーとは、健康によいおさけの適量は、など誰もが知りたい健康常識が、さまざまなデータを駆使して語られる。「骨にカルシウムを蓄えるには?」の項では代表的食品として、最も吸収率の高い牛乳が紹介されている。それが『間違いだらけ~』の方では、牛乳は高栄養食品ながら体を冷やす欠点を指摘する。
こうした本の読み比べを楽しむのも、読書法の一つである。そうやって選んでから欲しい本を買うのが、書店での醍醐味なのである。インターネットではそうはいかない。
(遊友出版・斉藤一郎)

1泊で移動研修会/大分組合

大分県書店商業組合は、7月24日、25日の両日、原鶴・キューピー鳥栖工場見学1泊研修旅行を行い、28名が参加した。福利厚生委員会・斉藤勝義実行委員長のアイデアにより、宿泊ホテル側無料送迎観光バスを使用、旅行参加費は一人4000円と格安になった。
初日はサッポロビール日田工場、田主丸巨峰ワイン蔵、昇龍大観音を見学して宿泊先の原鶴温泉「泰泉閣」へ。翌日はキューピー鳥栖工場、大宰府天満宮、川茸海苔工場遠藤金川堂を見学した。福引やゲームには景品も用意され、参加者全員が満足。大隈劭理事長は、挨拶で「書店を取り巻く環境はますます厳しい。既存書店が生き残るには、パソコンを武器としてフルに利用・活用し、学校及び公共図書館に日書連マークを使用した図書装備納入も視野に入れて行かなければ、書店経営も難しくなってくる」と述べた。
夏休み、緑の山と、清流筑後川の風景に、日々の仕事の忙しさを忘れる2日間となった。
(金光直明広報委員)

ホームページ開設/長崎総会

長崎県書店商業組合(中山寿賀雄理事長)は7月26日午前11時より諫早市「水月楼」で第18期通常総会を開催。30名が出席した。
総会は草野専務理事の司会で始まり、中山理事長があいさつ。長崎県のホームページが8月1日からスタートすると説明があった。
尾崎副理事長を議長に議案審議。事業報告では本年度、長崎県教育庁より県立高校及び養護学校に「県民が子供にすすめる本200選」の図書配布が行われ、550万円の売上げがあったことを説明した。草野専務理事から決算報告、辻監事より監査報告があり、これを承認。事業計画案は中山理事長、予算案は草野専務理事が提案し、原案通り可決した。
来賓として長崎県中央会井上氏があいさつ。懇親会ではテジマ運送江里口次長があいさつを行った。
(古瀬寛二広報委員)

店舗診断実例あげ、能勢講師の報告会

山形県書店商業組合は7月21日午後3時より山形市グランドホテルに組合員43名を集めて「コンサルティング講演会」を開催した。昨年16書店で実施した「個別店舗診断・相談会」の総まとめとして全国中央会の支援を受け開かれたもの。
講師のノセ事務所能勢仁氏からは「在庫を10%減らし売上げを3%伸ばす」というテーマで、在庫過多・無責任陳列・返品不能品など書店が陥りやすい諸問題について「店舗診断」の実例をあげながら手厳しい報告がなされた。また、各出版社の増売企画の重要性や地方出版を大切に…など、2時間にわたってパワフルな講演をいただいた。
(五十嵐靖彦広報委員)

ノート型PC払下げ/組合員IT化促進で/奈良組合

奈良県書店商業組合は7月18日、橿原ロイヤルホテルで第21回通常総会を開催した。吉岡章氏(現代社)の司会、林田芳幸氏(啓林堂書店)の議長で議事を進行。組合員減少や新県立図書情報館入札などの問題を抱える中、西本功代表理事(郡山ジャパンブックス)の続投が満場一致で承認された。また、櫻井晃二(櫻井誠文堂)、上田勝美(アルファ上田書店)の両氏を新たに副理事長とする新役員案も承認された。
西本理事長は事業計画案で「組合員数減少に伴う賦課金の減収、雇用能力開発センターから延べ5年間に及んだ労働者確保推進事業の補助金が今年3月で終了した。各種事業も縮小せざるを得ない。限られた予算だが、組合員である有利性を高めるべく推進していきたい」と強調した。組合員減少に伴い、賦課金が過重な負担とならないよう入荷返品個数による賦課金算定も説明された。総会終了後、IT化促進を図るため組合所有のノートパソコン9台を組合員に安価で払い下げる案が説明された。(庫本善夫広報委員)

「声」/東京国際BFのあり方に疑問/足立区・小泉書店・小泉忠男

東京国際ブックフェア(TIBF)が業界関係者向けに開かれた7月8日、会場へ赴いた。それなりの賑わいはあったものの、胸に下げる入場者章に気をとめると、「出展社」が多いのは当然のこととして、その他は無料入場の「VIP」がやたらに目につき、有料の「出版社」「取次会社」「図書館」「教育関係者」はほとんど気づかない程度に少なかった。
「書店(古書店、スーパー、コンビニ、インターネット書店を含む)向け商談会」テーブルは、知人同士の会話の場といった雰囲気で、商談らしき光景ではなく感じられた。「東京国際ブックフェアで仕入れられるメリット」として、◆新刊本から売れ筋本まであらゆる書籍の現物を見て仕入が出来る。◆優先的な配本。◆特別報奨。◆新刊本の事前注文などを挙げているが、その実は、◇仕入特典は相談に応ず。◇各種POP進呈。◇(1銘柄毎に)5000円以上の注文でトートバッグプレゼント。◇3ヵ月延勘。◇拡材進呈。◇買切り6掛け、委託7掛け。◇(1銘柄につき)10冊注文につき1冊献本。◇夏の帯付き。◇フリー入帳など。
それでも具体的表示があるのは良い方で、大手出版社は「展示品の注文承ります」で、わざわざ出向く何のメリットがあるのか?という印象。そしてその横に『20%OFF』の看板。中小書店店頭にはない品切れ中の新刊、ベストセラーをTIBFで現金で買って販売せよというのか!77掛けには及ばないが、版元へ発注しても何時入荷するか分からないよりはマシ?
今年は「国際文具・紙製品展(ISOT・2005)と同時開催なので、こちらも覗いた。「本」の過去最高の650社に対して文具は750社。入場者章の「出展社」が多いのはもちろんだが、その他に「卸商」「小売業」が多く、ちょっと欲しい品があったので係の人に聞くと「展示品はあくまで展示品で、販売は出来ません」とのこと。
会場でも小売(文具店)は卸問屋を指定して発注は出来るが、多くは取引問屋へ注文するシステムであり、9日の一般来場者に対しても販売はせず、街の文房具店、事務用品店で買ってくださいとのスタンスであった。これが「見本市」本来の姿ではないのかなと思うと、TIBFは誰のためのイベント?と疑問を持たざるを得ない。

組合増売企画に『ナルニア国物語』/神奈川理事会

神奈川県書店商業組合(長谷川義剛理事長)は8月4日、横浜市神奈川区片倉のトーハン神奈川支店で8月定例理事会を開催。今月19日に行う定時総会の準備はじめ、以下の問題を検討した。
定時総会は19日午後2時から開催。会場は新しく横浜市中区山下町のロイヤルホール横浜で開催することになった。総会終了後、午後5時より勤続5年以上の永年勤続者表彰(家族従業員も対象)を行い、このあと懇親会になる。会費は1名5千円。組合員多数の積極的参加を呼びかけることを確認した。
組合増売企画では、映画化された「ナルニア国物語」シリーズ(岩波書店)を取り上げることになった。販売期間は来年4月までとし、3カ月延勘払い。返品については映画上映終了後、専用の返品了解書で受けつける。
出店問題に関しては、藤沢市内に計画中の大型ショッピングセンター内に勝木書店が売場面積340坪で出店することが内定したと報告があった。
10月から施行される神奈川県青少年保護育成条例の施行規則改正問題では、県青少年課より出版倫理協議会あてに「各出版社でビニール包装・ヒモかけなどを行い、小売店の負担を軽減するよう」要望書が送られたことが報告された。今後、出版社の反応が注目される。
(平井弘一広報委員)

日書連のうごき

7月2日出版物公取協事務局打合せ。
7月4日出版物公取協事務局打合せ。
7月5日東北ブロック大会。丸岡会長出席。
7月6日「敬老の日読書のすすめ」書目選定委員会に大川専務理事出席。
7月7日TIBFオープニングセレモニーに丸岡会長出席。情報化推進・デジタルコンテンツ研修会。
7月8日公正取引委員会を丸岡会長ほか役員数名で訪問。
7月10日関東ブロック会に丸岡会長出席。
7月12日伊従顧問と再販問題打合せ。丸岡会長ほか再販関係委員数名が出席。電子書籍ビジネスコンソーシアムセミナーに志賀副会長出席。
7月13日第6回「読売・吉野作造賞」贈呈式に丸岡会長出席。第4回JPO運営委員会に大川専務理事出席。
7月14日「第59回読書週間」標語選定委員会に大川専務理事出席。
7月15日第14期「JPIC読書アドバイザー養成講座」開校式に丸岡会長出席。
7月19日出版物小売公取協規約改訂問題で公取消費者取引課の菅久課長を影山専務理事と大川事務局長が訪問。
7月20日日書連各種委員会(指導教育、増売・読書推進合同、再販・公取協合同、共済会運営、組織強化・共同購買・福利厚生合同、書店経営実態調査、流通改善・取引改善合同、広報、情報化推進、消費税問題)。公取・菅久消費者取引課長との懇談会。取協雑誌研究委員会との意見交換会。「第4土曜日は子どもの本の日」実行委員会。税制研究委員会に下向理事出席。ISBNマネジメント委員会に志賀副会長出席。
7月21日日書連理事会。萬田貴久氏に感謝する会。
7月22日出版倫理協議会に大橋副会長ほか担当委員出席。読進協常務理事会に丸岡会長出席。公正取引委員会事務総局幹部による講演会に出版物公取協井門会長ほか4名が出席。
7月25日出版ゾーニング委員会。発売日本部委員会。古屋圭司政経フォーラムに丸岡会長出席。静山社に藤原副会長と大川専務理事が訪問し意見交換。
7月26日青森県学校図書館協議会夏季実技研修会に長尾専門委員出席。中山義活代議士を丸岡会長ほか5名で訪問。
7月28日電子書籍ビジネスコンソーシアム運営委員会に大川専務理事出席。全国中央会商業専門委員会に丸岡会長出席。日本福祉大学近藤助教授との意見交換会に下向理事ら4名が出席。
7月29日全国万引犯罪防止機構第1回理事会に丸岡会長出席。

文字・活字文化振興法

(目的)
第一条この法律は、文字・活字文化が、人類が長い歴史の中で蓄積してきた知識及び知恵の継承及び向上、豊かな人間性の涵養並びに健全な民主主義の発達に欠くことのできないものであることにかんがみ、文字・活字文化の振興に関する基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、文字・活字文化の振興に関する必要な事項を定めることにより、我が国における文字・活字文化の振興に関する施策の総合的な推進を図り、もって知的で心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条この法律において「文字・活字文化」とは、活字その他の文字を用いて表現されたもの(以下この条において「文章」という。)を読み、及び書くことを中心として行われる精神的な活動、出版活動その他の文章を人に提供するための活動並びに出版物その他のこれらの活動の文化的所産をいう。
(基本理念)
第三条文字・活字文化の振興に関する施策の推進は、すべての国民が、その自主性を尊重されつつ、生涯にわたり、地域、学校、家庭その他の様々な場において、居住する地域、身体的な条件その他の要因にかかわらず、等しく豊かな文字・活字文化の恵沢を享受できる環境を整備することを旨として、行われなければならない。
2文字・活字文化の振興に当たっては、国語が日本文化の基盤であることに十分配慮されなければならない。
3学校教育においては、すべての国民が文字・活字文化の恵沢を享受することができるようにするため、その教育の課程の全体を通じて、読む力及び書く力並びにこれらの力を基礎とする言語に関する能力(以下「言語力」という。)の涵養に十分配慮されなければならない。
(国の責務)
第四条国は、前条の基本理念(次条において「基本理念」という。)にのっとり、文字・活字文化の振興に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
(地方公共団体の責務)
第五条地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、文字・活字文化の振興に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。
(関係機関等との連携強化)
第六条国及び地方公共団体は、文字・活字文化の振興に関する施策が円滑に実施されるよう、図書館、教育機関その他の関係機関及び民間団体との連携の強化その他必要な体制の整備に努めるものとする。
(地域における文字・活字文化の振興)
第七条市町村は、図書館奉仕に対する住民の需要に適切に対応できるようにするため、必要な数の公立図書館を設置し、及び適切に配置するよう努めるものとする。
2国及び地方公共団体は、公立図書館が住民に対して適切な図書館奉仕を提供することができるよう、司書の充実等の人的体制の整備、図書館資料の充実、情報化の推進等の物的条件の整備その他の公立図書館の運営の改善及び向上のために必要な施策を講ずるものとする。
3国及び地方公共団体は、大学その他の教育機関が行う図書館の一般公衆への開放、文字・活字文化に係る公開講座の開設その他の地域における文字・活字文化の振興に貢献する活動を促進するため、必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
4前三項に定めるもののほか、国及び地方公共団体は、地域における文字・活字文化の振興を図るため、文字・活字文化の振興に資する活動を行う民間団体の支援その他の必要な施策を講ずるものとする。
(学校教育における言語力の涵養)
第八条国及び地方公共団体は、学校教育において言語力の涵養が十分に図られるよう、効果的な手法の普及その他の教育方法の改善のために必要な施策を講ずるとともに、教育職員の養成及び研修の内容の充実その他のその資質の向上のために必要な施策を講ずるものとする。
2国及び地方公共団体は、学校教育における言語力の涵養に資する環境の整備充実を図るため、司書教諭及び学校図書館に関する業務を担当するその他の職員の充実等の人的体制の整備、学校図書館の図書館資料の充実及び情報化の推進等の物的条件の整備等に関し必要な施策を講ずるものとする。
(文字・活字文化の国際交流)
第九条国は、できる限り多様な国の文字・活字文化が国民に提供されるようにするとともに我が国の文字・活字文化の海外への発信を促進するため、わが国においてその文化が広く知られていない外国の出版物の日本語への翻訳の支援、日本語の出版物の外国語への翻訳の支援その他の文字・活字文化の国際交流を促進するために必要な施策を講ずるものとする。
(学術的出版物の普及)
第十条国は、学術的出版物の普及が一般に困難であることにかんがみ、学術研究の成果についての出版の支援その他の必要な施策を講ずるものとする。
(文字・活字文化の日)
第十一条国民の間に広く文字・活字文化についての関心と理解を深めるようにするため、文字・活字文化の日を設ける。
2文字・活字文化の日は、十月二十七日とする。
3国及び地方公共団体は、文字・活字文化の日には、その趣旨にふさわしい行事が実施されるよう努めるものとする。
(財政上の措置等)
第十二条国及び地方公共団体は、文字・活字文化の振興に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
附則
この法律は、公布の日から施行する。
理由
文字・活字文化が、人類が長い歴史の中で蓄積してきた知識及び知恵の継承及び向上、豊かな人間性の涵養並びに健全な民主主義の発達に欠くことのできないものであることにかんがみ、知的で心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に寄与するため、文字・活字文化の振興に関する基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、文字・活字文化の振興に関する必要な事項を定めることにより、我が国における文字・活字文化の振興に関する施策の総合的な推進を図る必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

名古屋会場に1万人/こどもワールド

日販は7月22日から24日まで名古屋市公会堂で優良児童図書展示会「本と遊ぼうこどもワールド」を開催。NHKテレビなどの報道もあって、来場者は3日間で1万138人を数え、前年より1500人多く、過去最高の入りを記録する盛大な催しとなった。
愛知県書店商業組合(高須博久理事長)では、昨年に引き続き「孫の日」コーナーを設置。おじいちゃん、おばあちゃんによる読み聞かせを通した「孫育て」が反響を呼び、推薦絵本コーナーも賑わいを見せた。(榊原壮一広報委員)

トーハン書店大学問題解決セミナー

トーハン・コンサルティングは、トーハン書店大学として9月6日、10月13日、11月15日の3回に分けて「実践!売上UPのための自店の問題解決セミナー」を開催する。これとは別に9月7日には「お客さまをファンにする接客セミナー」も開催する。会場はいずれもトーハン本社で午後1時から。
問題解決セミナーは9月が店舗診断、10月解決策立案、11月解決策実践と検証法。全3コースを通して数値分析、競合店調査から自店の問題点をあぶりだして解決策を考える。講師はカスタマーズアイ代表取締役の池田誠氏。受講料は全3コース受講で全国書店共助会加入店3万円、非加入店8万1千円。1コース受講は加入店1万円、非加入店2万7千円。
接客セミナーはワンランク上の接客技術やクレーム対応のノウハウを学ぶ。講師はマネジメントサポート代表取締役の古谷治子氏。受講料は加入店五千円、非加入店1万3千円。
申込み・問合せはトーハン・コンサルティング教育事業部へ。電話03・3267・8686番。

移転

■日本出版学会日本出版学会(植田康夫会長)は7月1日から左記の新住所に移転した。業務時間は月曜から金曜までの午前9時から午後5時(祝祭日を除く)。新住所=〒113―0033文京区本郷1―22―6本郷ハイホーム606号電話03・5684・8891FAX03・5684・8892
Eメール info@shuppan.jp

青風会ビールパーティー

東京組合目黒・世田谷支部の青年部「青風会」は8月5日午後6時半から渋谷のHUB渋谷店でビールパーティーを開催。出版社、関係団体など91名が出席した。
パーティーは上地進二副会長(千歳書店)の司会で始まり、山辺真次前会長からバトンタッチされたばかりの新倉修会長(八雲堂書店)が「青風会は小さな書店の集まりだが、名簿には最寄駅が書いてあるので、出版社は店に寄って情報提供をお願いしたい。書店も笑顔で迎える。今日一日、ビールパーティーで楽しんでください」とあいさつ。
来賓として東京組合丸岡義博理事長が「中小書店は問題山積だが、成立した文字・活字文化振興法を中小書店の活性化につなげていきたい」、出版社を代表してリクルート松本裕紀マネージャーが「書店の力で雑誌の売上げを回復してほしい」とあいさつ。東京青年部小宮仁会長(こみや書店)の音頭で乾杯、ビールジョッキを傾けながら交流を図った。

大震災セット/東京組合で増売

9月1日の震災の日に備えて、東京組合は「地震対策コーナー」作りの4点を増売商品に選定。8月20日締め切りでFAXによるセット注文を受け付け中。申込み店には特製POPプレゼント。
増売商品は『東京直下大地震生き残りマップ』(旬報社、1470円)、『大地震から身を守る耐震補強の知恵』(日本文芸社、1365円)、『震災時帰宅支援マップ首都圏版』(昭文社、630円)、『東京直下型大地震』(ネコパブリッシング、780円)。
日本文芸社の『耐震補強の知恵』は40代以上の主婦を対象に、家庭でできる安全対策から失敗しない専門業者の選び方を見開き1テーマで解説している。

栗田会は販売チェーン/8月に電子辞書販売研究会/東京栗田会

東京書店栗田会は7月27日夕、アルカディア市ヶ谷で第8回総会を開催。会員書店30名、出版社94名が出席した。
総会で奥村弘志会長は「中小書店にはきびしい時代が続くが、店頭でお客様との親密な関係がますます大事だ。立地、環境に合った商品構成で1冊でも多く販売していきたい。東京組合のマガジンネットワークは出版社と契約して実績を上げている。栗田会も1つのチェーンの形がとれればと考えている。夏休みには研修会も企画している。どんな販売チャンスでもグループとして一緒にやっていきたい」とあいさつ。
栗田亀川社長は「業界のマクロの数字は悪くても、伸びている書店もある。雑誌『論座』に往来堂、書原が地域にあった特色ある書店として取り上げられていた。講習会などでノウハウを開示してもらいたい。栗田では正月からシステムを入れ替え、送品が早くなったと評価を受けている。返品入帳も早くなっている。そうした投資により、店頭で迷わず売っていただきたい。がっちり手を組んで、元気を出していきたい」と祝辞を述べた。
議案審議では新年度の取り組みとして土橋健事業委員長から『59番目のプロポーズ』(美術出版)の拡販、『帰宅支援マップ首都圏版』(昭文社)ほか地震対策コーナーが推薦されたほか、8月23日午後2時から岩波セミナーホールで「電子辞書」販売研究会を開催することを決めた。
懇親会では同会の会員でもある日書連丸岡会長が「業界を支える中小書店がなくなればどうなるか。経営実態調査で問題点を考えていきたい」と述べ、乾杯の音頭をとった。

暑さ吹き飛ばすサンバのリズム/日販王子まつり

日販王子流通センターの真夏のイベント、第35回日販王子まつりが8月3日夕、同センター構内駐車場を開放して開かれ、出版社、運輸、関連業者、周辺住民など多数が出席した。
主催者あいさつを行った安西浩和同センター所長は「昨年は流通センターを名乗って30年だった。今年は35回目の王子まつりで、恒例のサンバダンスもある。新入社員13名も気合が入っている。暑さを吹き飛ばしてもらいたい。王子流通センターは流通の本分にたって出版社、書店に短時間の流通を目指す。業界は曇りがちだが、がんばろう」と述べ、ビールで乾杯した。
出席者はうちわ片手に、東京外語大ブラジル研究会の賑やかなサンバパレードや新入社員アトラクション、豊五太鼓などを楽しみ、真夏の一夜をエンジョイした。

本屋のうちそと

お客様に鉄道マニアがいる。60歳は過ぎたが、まだ現職で大工仕事をしている。全国を回って汽車の写真を撮っている。汽車の話になると熱を帯びてくる。
新幹線の新型車両、どの場所で撮るのがよいとかで、自分の決められた場所に朝一番で出かけていく。片田舎のローカル線を見にいく。いまはお孫さんに汽車の醍醐味を植え付けているところ。時々お孫さんと地方に列車を見に行っている。
東北のある場所をどうしても見たくて、新幹線で行き、写真を撮り、今度はタクシーを飛ばして次の場所に行く。秋には廃止が決まっている憧れの汽車を見るため苦労をしている。
東京の電車の間隔は2~3分おきだから、少し待てば次が来る。ところが、ひとたび地方に出かけると、列車の時間で思うように動けない。それこそ、1~3時間に一本の間隔が普通で、目的の列車に乗りそこなうと大変だという。
先日も新宿から湘南ライナーで高崎まで行ったが、その先に行く列車の乗継ぎがない。30~40分待たないと来ない。のんびり行こうという覚悟でないといらいらする。なんだかんだで目的地に着くのはお昼過ぎ。
知人宅に行き、しばらく話して帰宅するのにも列車の時刻表を見ながらでせわしない。あいにく新宿行きの列車がない。高崎線アーバン上野行きを途中駅で乗り換える。小さな駅だが、急行が止まる。反対側の湘南ライナーへ停車時間5分。時刻表と列車の型番などを考えながら乗り継いでいくのが、楽しみらしい。
スローな生活に慣れればもっと楽しみが増えるのだろうか。(とんぼ)