全国書店新聞
             

平成21年6月11日号

売上高7700億円に/連結、単体とも減収増益/日販

日販の第61期(20年4月1日~21年3月31日)決算概況が5日に発表された。日販グループ22社の連結売上高はCVSルートの不振と既存店の落ち込みにより対前年2・3%減、金額にして178億円少ない7700億4千万円となった。
CVSルートの雑誌売上は6・3%減、金額にして72億円の落ち込み。書店ルートの雑誌売上は、ほぼ横ばいだった。
売上高の減少を受けて、売上総利益は996億9100万円と1・2%減少したものの、販売管理費は840億円8900万円と対前年比2・7%減で売上高の減少をカバーし、営業利益は156億2百万円、前年比11億円、7・6%増、経常利益も対前年5億6千万円、10・2%の増益となった。中期経営計画「NEXT」の期間中は営業利益、経常利益とも3期連続の増益になった。
販売管理費のうち、販売費は雑誌送品拠点の再配置や、出版共同流通による返品物流の生産性向上による
物流コスト減少、雑誌定価アップなどで、対前年5・3%減、一般管理費は団塊世代の定年退職に伴う人件費減少などで対前年0・9%減だった。
特別損失は王子流通センターのリニューアルに伴う除却損と改装費用で約20億円を計上した。この結果、当期純利益は対前年16億円増の16億4500万円となり、減収増益の決算になった。
日販単体の売上高は6326億7300万円(2・2%減)。売上げの内訳は書籍2485億9600万円(0・3%減)、雑誌が3284億2500万円(2・4%減)、開発商品556億5100万円(9・0%減)。返品率は書籍が対前年0・3ポイント減の39・5%、雑誌が0・2ポイント減の35・8%と改善した。
期中の取引店増床は393店、3万9158坪。減床は448店、3万4479坪。増床面積は前年から半減したが、減床は店数で2割増、面積で3・5割増となった。期末従業員数は連結で3234名(75名減)、日販単体で1635名(66名減)。
日販連結損益計算書
売上高770、040
売上原価670、349
売上総利益99、691
販売費及び一般管理費
84、089
営業利益15、602
営業外収益1、342
受取利息186
その他の収益1、155
営業外費用10、868
支払利息229
売上割引10、444
その他の費用194
経常利益6、075
特別利益81
特別損失1、967
税金等調整前当期純利益
4、189
法人税、住民税及び事業税
1、341
法人税等調整額666
少数株主利益535
当期純利益1、645

社名変更

◇三推社
㈱三推社は6月1日付で社名を「㈱講談社ビーシー」に変更した。

取次人事

☆太洋社(7月1日付)
【機構改革】(部)
仕入本部にコミック部を新設する。
営業本部の営業推進部を廃止し、マーケティング部を新設する。
【役員人事】
管理副本部長兼総務人事・取引担当(管理副本部長兼総務人事担当兼取引管理部長)永澤克彦
【人事異動】
(部次長級)
仕入副本部長兼書籍部長
(書籍部長代理兼仕入管理課長)田中保秀
経営戦略室部長(経営戦略室課長)神谷康宏
情報システム部長(情報システム部長代理)
村上直人
雑誌部長(雑誌部長兼仕入統括課長)木村玉治
取引管理部次長兼取引課長(取引管理部取引課長)矢島雅史
コミック部次長(東日本営業部次長兼首都圏チェーン店営業課長)川浦正巳
商品部次長兼関口センター課長(商品部付部長代理)遠藤明泰
マーケティング部次長兼営業推進課長(営業推進部次長兼営業推進課長)
桑畑実
東日本営業部次長(東日本営業部次長兼東日本営業課長)竹田邦彦
特販営業部次長兼関口センター所長(特販営業部次長兼図書館営業課長兼関口センター所長)岩城昌幸

出版社人事

☆中央公論新社
5月27日の決算取締役会で以下の役員人事を内定。6月9日開催の定時株主総会・取締役会で正式決定した。
取締役会長早川準一
代表取締役社長
浅海保
常務取締役総務局長・コンプライアンス担当(取締役総務局長・コンプライアンス担当)鳥山輝
取締役雑誌編集局長(雑誌編集局長)関知良
取締役・非常勤
水上健也
同渡邊恒雄
同内山斉
監査役・非常勤(読売新聞グループ本社社長室長)
山口寿一
書籍編集局長(読売新聞東京本社編集局文化部長)
小林敬和
大和正隆取締役編集局長は退任し顧問に就任。滝鼻卓雄、太田宏両非常勤取締役と松井義雄非常勤監査役は退任。
☆日本実業出版社
(5月27日付)
代表取締役社長(専務取締役)◎杉本淳一
取締役特別顧問(代表取締役社長)上林健一

秋山豊氏が社長に/小学館PS

小学館パブリッシング・サービスは5月27日開催の定時株主総会及び取締役会で、以下の役員人事を決定した。
代表取締役社長〔営業本部本部長〕◎秋山豊
代表取締役相賀昌宏
常務取締役〔CSC本部・総務本部本部長〕
今津貞彦
取締役〔営業本部副本部長〕福井雄治
同○大山邦興
同○佐藤隆哉
監査役大木武志
加藤醇司代表取締役社長は顧問に就任。

日書連のうごき

5月1日全国中央会活路開拓事業補助金説明会に大川専務理事が出席。
5月8日「春の書店くじ」公開抽せん会を開催。学校図書館図書整備推進会議運営委員会に石井総務部長が出席。
5月11日第48回全出版人大会で萬田相談役が長寿者を代表して謝辞。「本の川柳」第1次選考会。
5月13日日書連会計監査会を開催。出版ゾーニング委員会に難波事務局員が出席。「選書ツール」打合せ。
5月15日中小小売商連絡会に大川専務理事が出席。日本図書普及役員会に大橋会長ほか役員が出席。
5月18日「本の川柳」最終選考会、「心が揺れた一冊の本」抽選会を開催。
5月20日日本出版インフラセンター理事会に井門副会長が出席。
5月21日日本図書普及監査会に井門副会長が出席。各種委員会(増売、書店経営健全化、指導教育、取引改善、流通改善、再販研究、広報、消費税問題、情報化推進、財務、環境改善)。日書連共済会運営委員会。
5月22日5月定例理事会。九州雑誌センター第18期株主総会に大橋会長ほか役員が出席。出版物小売業公正取引協議会総会。
5月25日出版倉庫流通協議会例会に大川専務理事が出席。
5月26日雑誌発売日本部委員会に藤原副会長ほか役員が出席。
5月27日JPIC第41回定例評議員会、第86回定例理事会に大橋会長ほか役員が出席。
5月28日活字文化振興出版会議に石井総務部長が出席。
5月29日日本出版クラブ第1回運営委員会並びに読書推進運動協議会通常総会に大橋会長が出席。

新社長に平尾隆弘氏/文藝春秋

文藝春秋は5月26日に開催した決算役員会で以下の役員人事を内定した。6月18日の株主総会、取締役会で正式決定する。(◎昇任、○新任)
代表取締役会長
◎上野徹
代表取締役社長〔臨時増刊くりま統括〈臨時増刊くりま担当〉〕◎平尾隆弘
取締役副社長〔社長補佐社長室、総務、月刊文藝春秋、第一編集、第三編集、デジタル・メディア、事業開発室、編集委員室、企画出版編集室統括〕
◎笹本弘一
常務取締役〔ナンバー、文藝、文藝振興事業、広告統括〕鈴木文彦
同〔経理、管理、宣伝、資材製作統括〕丹羽不律
同〔出版、営業、情報・流通システム、第二編集統括〕◎寺田英視
取締役〈営業、情報・流通システム担当〉五位幹雄
同〈出版、資材製作担当〉
庄野音比古
同〈広告担当〉白幡光明
同〈社長室、月刊文藝春秋、第一編集、編集委員室担当〉松井清人
同〈経理担当〉○古田維
監査役浦谷隆平
名女川勝彦、立林昭彦、浅見雅男各取締役は退任する。

全国トーハン会コンクールの結果を報告/北陸トーハン会役員会

北陸トーハン会(吉岡隆一郎会長)の役員会が5月20日午後4時半から、金沢駅前の金沢都ホテルで開かれ、役員20名(委任状含む)が出席した。
吉岡会長から全国トーハン会代表者総会の報告が行なわれ、「20年度全国トーハン会バリューアップコンクール」の結果報告があった(北陸トーハン会は本年は12位と振るわず)。また、17期会計報告の後、18期事業計画並びに予算案の報告があり、全議案原案通り承認された。
研修会報告の後、6月11日開催の第18期総会について、参加者は現在出版社を含め80名の予定と報告があり、その他付議事項を説明して解散した。
(澁谷恵一広報委員)

本屋のうちそと

店に紫陽花を飾る。新しい店が出来る度に移ろって行く消費者を皮肉っての事では無い。
数年前、当店の店の真ん中で仁王立ちになり、店の棚割図を書取る若い男がいた。普通、この手の調査は隠れてやる物だと思うのだがそんな様子は無い。「お前は誰だ」と聞くと「ツタヤの調査員だ」と言う。店主の私に向かって「この辺には大きな書店が無いんですね」と嬉しそうに宣ふ。余にもオ××なツタヤの調査員、出て行け!と言うのもバカ××しく放っておいた。暫くしてとても大きなツタヤがやって来た。取次とツタヤは当店には1年以内に死んで欲しかったのだろうがまだ息はしている。
今から20数年前、交差点の角に本屋があった頃の六本木はオリコン編集部。オリコン副編集長「海人さん、今後の音楽の販売形態はどうなると思いますか」私「音源と通信回線のデジタル化によるダウンロード販売でしょうか」副編「いずれそうなるでしょうね」とはいえ時間は掛かった。パソコンの小型化の問題やNTT回線の迷走もあった。
そしてその間、日本のレコード会社はレコードやCDを米国とは違って豪華な歌詞カード等の付いた高額商品として販売した(米国では1枚千円ちょっと)。結果、レンタルだけが異常に伸びた。ツタヤ、大躍進だった。年内にはアマゾンが音楽配信事業を始めるという。巨大複合店舗戦略を取ってきたツタヤは今後どう動くだろうか。
「花切りて言葉に代えし水無月よ移りし心問えはせねども」(海人)

読者にアピールする事業実施/沖縄総会

沖縄県書店商業組合(小橋川篤夫理事長)は5月28日午後2時から那覇地域職業訓練センターで第21回通常総会を開催し、組合員32名(委任状含む)が出席した。
総会は大湾喜代一事務局長の司会で進行し、小橋川理事長があいさつ。「書店業界が厳しい中、本土ナショナルチェーン超大型店2店の相次ぐ出店により、状況はさらに悪化すると思われる。現実を踏まえ、組合員が一致団結協力して何ができるのか、ともに考え実行していこう」と訴えた。そして、「今年度は読者にアピールする事業を組合として実施したい」と締めくくった。
小橋川理事長を議長に選任し、第1号議案から第5号議案を審議し、いずれも原案通り承認可決し、最後に大城行治副理事長の力強いあいさつで閉会した。
(安仁屋博一広報委員)

中村晃造理事長を再選/地方自治体と読書推進/京都総会

京都府書店商業組合(中村晃造理事長)は5月28日午後2時から京都市中京区の京都ホテルオークラで第25回通常総会を開催した。組合員数が減少したことなどから昨年度までの総代会を改め、今回から総会の開催となった。委任状を含む出席者は134名。
総会の冒頭、中村理事長は「中小企業団体の組織に関する法律の改正や行政の指導から、京都組合の定款と規約の改訂を今回行うことになった。主な要因は組合加盟書店数が最盛期の半分以下に落ち込んだこと。今後書店が生き残るためには、取次や出版社の協力が不可欠で、各々が直面している課題、解決のための要望などは、抱え込まずに組合に申し出ていただきたい。組合として課題を共有して向き合い、検討のうえ解決に向けた対応をしたい」とあいさつした。
議長に長谷川隆一氏(長谷川書店)、副議長に中川勝利氏(ブックジョイ)を選出し議案審議を行い、平成20年度事業報告、平成21年度事業計画案、収支決算・予算案等すべての議案を原案通り承認可決した。
総括として京都組合全体の事業活動を報告した中村理事長は「府下の学校で行われている朝の読書や学校図書館活性化運動を書店も支援している。読書人口増加のため、今後も地元自治体と協力した読書推進事業を積極的に行っていく。組合員のための福利厚生事業や販売促進事業も充実させたい。組合員も組合加盟の利点を活かすため積極的に事業参加を」と述べた。
各事業委員会報告では、ITサポート委員会から、図書館管理システム「情報BOX」の導入が広がっていることから、今年度は電算化に伴う学校へのサポート体制を確立するほか、組合員を対象とした共同購買事業で、インターネット上から組合取り扱い商品が検索・発注できるKBOS(京都組合ブックオーダーシステム)で在庫照会の精度をさらに高めるなど、システム強化を図るとした。
組織情報委員会からは、組合員数の減少による支部構成見直しの必要性から、支部の統廃合または新たなブロック制導入などの再編成を含め検討に入ることが報告された。
定款と規約の改訂については、今総会の重要案件であることから、村田弘武定款改訂委員長(村田書店)が改訂の経緯から該当箇所の変更理由の説明などに約1時間を費やした。
任期満了に伴う役員改選では、理事22名を選出。第1回理事会で中村理事長を全会一致で再選した。中村理事長は今期で5期目。
総会終了後、組合が「役員・従業員表彰」と「小学一年生飾り付けコンクール表彰」、京都新聞社が「第38回お話を絵にするコンクール表彰」、小学館が「小学一年生増売コンクール表彰」を行った。このあと懇親会を催した。
(澤田直哉広報委員)

東京組合の委員会編成決まる/13委員会を4グループに

東京都書店商業組合は6月2日午後2時から書店会館で定例理事会を開き、平成21~22年度各委員会の委員構成を決めた。先月20日に行われた総代会で、役員改選により理事45名を選出、大橋信夫理事長を再選し、副理事長、常務理事の人事をすでに決定している。今回、委員会構成が固まったことで、2期目となる大橋体制は山積する諸課題への取り組みを本格的にスタートする。
委員会構成については引き続き、総務・財務委員会以外の13委員会をA、B、C、Dの4グループに分ける「グループ制」を採用した。副理事長は各グループ内委員会の担当になり、常務理事は各委員会の委員長に就任。理事は各グループ内の委員会委員に就いた。松原治氏(紀伊國屋書店)ら特任理事4氏は特定の委員会に所属せず、すべての委員会に出席することができる。
グループ制では、委員会単位ではなく、3~4委員会で構成するグループ単位で問題意識を共有し解決にあたる。組合員数が減少を続ける中で、より効率的かつ実効的な組合運営を行うことが目的。日書連で委員会再編成があれば、東京組合も連動してさらに委員会再編を行う予定という。
また、組合運営効率化の一環として、これまで年12回開いていた理事会を年9回に減らすことになった。1月、5月、8月が休会となる。
〔東京組合各委員長〕
▽総務・財務=大橋信夫(総務担当)舩坂良雄(財務担当)
Aグループ(担当=小泉忠男副理事長)
▽組織=田島敏幸▽雑誌発売日=梅木秀孝▽指導・調査委員会=小林洋
Bグループ(担当=柴﨑繁副理事長)
▽経営・取引=渋谷眞▽流通改善=片岡隆▽電子サイト運営推進=小橋琢己▽万引・出店問題=三浦実
Cグループ(担当=岡嶋成夫副理事長)
▽厚生=秋葉幸伸▽再販研究=渡辺真▽出版物販売倫理=道岡勝人
Dグループ(担当=舩坂良雄副理事長)
▽事業・増売=本間守世
▽共同受注=岩瀬且敏▽読書推進=越石武史

講談社・小学館の責任販売制支援/熊本組合キャンペーン

熊本県書店商業組合は講談社と小学館による新しい取引を支援するため、「責任販売制・時限再販応援キャンペーン」を展開する。熊本組合では、注文金額に対し3%のキャンペーン報奨金を組合書店に支払う。
対象商品は、講談社の『CDえほんまんが日本昔ばなし』(全5巻セット、10月発売)、小学館の『小学館の図鑑NEO+「くらべる図鑑」』、『星の地図館「太陽系大地図」』、『脳で旅する日本のクオリア』(以上、7月発売)、『世界大地図』(11月発売)の5点。小学館7月発売分3点が5月末、講談社と小学館11月発売分1点が9月末注文締切。責任販売制は書店仕入正味65%、返品時は歩安入帳。
長崎晴作理事長は「責任販売制・時限再販が商品の一部分を占めるようになれば、返品減少で業界資源を保護できる上、書店にとってはマージン向上になる。二大出版社の今回の取り組みを歓迎し、現在閉塞状況にある県内書店の突破口とすべくキャンペーンを展開する。他の出版社でもこのような企画を是非検討してもらいたい」と話している。(宮崎容一広報委員)

組合活性化へ協力呼びかけ/群馬総会

群馬県書店商業組合は5月25日、前橋問屋センター会館で第22回通常総会を開き、組合員48名(委任状含む)が出席した。
総会は石坂理事(事務局)の進行で始まり、高塚副理事長の開会の辞の後、大澤理事長があいさつに立ち、大日本印刷等による書店との業務提携、早稲田大学とアマゾンとの間の提携割引販売、県内ショッピングモールにおけるナショナルチェーン店の出店等、最近の業界の厳しい状況について説明がなされた。そして、組合活性化になお一層の協力を呼びかけた。
岡崎紘一氏が議長に選任され議案審議に入り、平成20年度事業報告・決算報告、岸田監事の監査報告、21年度事業計画案・予算案などを原案通り承認可決。中村副理事長の閉会あいさつで総会を終了した。
総会終了後、運送会社との意見交換会を行い、返品運賃問題等について話し合い、懇親会を催した。
(竹内靖博広報委員)

組織強化に取り組む/水野兼太郎理事長を再選/埼玉総会

埼玉県書店商業組合は5月25日午後3時からさいたま市の埼玉書籍会議室で第25回通常総会を開催。組合員98名(委任状含む)が出席した。
総会は山口洋事務局長の司会で進行。物故者に黙祷を捧げたあと、小野太一郎副理事長の開会の辞に続いて水野兼太郎理事長があいさつ。この1年間の活動を振り返り、組合員の減少に歯止めがかからないため組織強化が必要など、さまざまな問題を指摘した。
続いて野沢恒雄理事を議長に議案審議を行い、平成20年度事業報告、収支決算書、平成21年度事業計画案、収支予算案などの議案を承認可決した。事業報告では、教育情報事業の一つとして、日書連選定「心にのこる子どもの本夏休みセール」目録、埼玉県学校図書館協議会選定「夏休み推せん図書目録」等を配布したことが報告された。
また、組合員の減少により理事定数の変更を行うために定款変更を行い、新しい定款のもと任期満了による役員改選を行った。選考委員による理事、監事選出のあと理事会を開き、水野理事長を再選した。副理事長、専務理事、各事業委員長の紹介が行われたあと、来賓の埼玉県中小企業団体中央会・加藤洋之連携支援部副部長が祝辞を述べた。
総会終了後、取次等を交えて懇親会を行った。山口事務局長の司会で進行し、水野理事長があいさつ。トーハン埼玉支店・金子俊之支店長、日販埼玉支店・千葉義弘営業課長が祝辞を述べ、宮川清一副理事長の中締めで閉会となった。
(石川昭広報委員)
〔埼玉組合役員〕
▽理事長=水野兼太郎(水野書店)
▽副理事長=宮川清一(みやかわ)○田○康(○田謙受堂)小野太一郎(時習堂書店)川島孝文(川島書店)
▽専務理事=高野隆(須原屋)

生活実用書/注目的新刊

安近短という言葉がしばらく前から使われている。安くて、近くて、かかる時間も短いという手軽なレジャーのことだが、しかも面白くなくては話にならないのである。
出版営業で出張する各地にも、ご当地散歩コースの本がたくさん出版されている。それだけ、ウォーキング人口が増えたということであろう。
東京古里会編・著『東京の1万年を歩く』(学習研究社1800円)は、大江戸・武蔵、歴史探訪17コースという東京歴史散歩ガイドである。
最初は野川。野川は西武多摩湖線途中にある日立中央研究所庭園内の湧水池が水源。小金井、三鷹、調布、狛江の各市を通り、二子玉川で多摩川に流れこむ。その流域には縄文時代の遺跡が密集する。
スタートは京王線柴崎駅で、ななめに中央高速を横切り、JR中央線に沿って国分寺駅がゴールになっている。約13・5キロ、3時間20分の行程である。
また、八幡太郎義家伝説の足立区西新井から花畑団地。元禄赤穂事件ゆかりの墨田、中央、港区めぐり。新撰組は日野市。二・二六事件の港、新宿、千代田区探訪など。いずれにも詳しいイラスト地図があり、寄り道すべき名所や屋敷跡、碑などがカラー写真で細かく紹介してある。航空写真もあり、本書を片手に歩けば歴史にも親しめるようになっている。
斉藤政喜・文/内澤旬子・イラスト『東京見便録』(文藝春秋社1429円)は東京のトイレ探訪である。
たとえば、上野不忍池近くの旧岩崎邸には、日本初の水洗式腰掛け便器がある。明治29年に作られたもので、便座が木製、便器には美しい文様がきざまれている。
二子玉川の岡本公園民家園には、陶芸作品と見まがうような唐子模様の便器がある。
目黒雅叙園のトイレは3畳の広さで床はうるし塗り、見上げれば金箔バリバリの豪華天井絵が広がる。そこにぽつんと和式便器が一つ。かつては花嫁衣装を着たままだったので、打掛の着物を広げたまま用を足せたものらしい。
ほかにも新宿思い出横町、築地市場、小平市にあるふれあい下水道館、東京一高い場所にある雲取山のトイレなども紹介される。本の性格上地
図はないが、ウォーキングの目的地になりそうである。
(遊友出版・斎藤一郎)

安部悟理事長ら執行部を再選/福井総会

福井県書店商業組合は5月25日、芦原温泉灰屋で平成21年度総会を開催。組合員48名(委任状含む)が出席した。
総会は出口昌之理事(出口書店)の司会、開会宣言で始まり、安部悟理事長があいさつ。「長引く売上低迷の中、長年不動だった組合員数も、昨秋からは破産や代表者の死去、廃業、休業が続き、2名の新規加入はあったものの、ついに10名の純減少となった」と報告。また、創価学会の池田大作名誉会長に感謝状を贈呈したこと、昨年7月に開催された同会主催の21世紀環境展へ書籍販売で参加、3日間で約240万円の売上を記録し、大きな事業収入になったことを話した。
勝木伸俊理事(勝木書店)を議長に選出して議案審議を行い、清水祥三副理事長が平成20年度事業報告、決算報告、平成21年度事業計画案、収支予算案を説明し、すべての議案を原案通り承認可決した。任期満了に伴う役員改選では、安部理事長、伊藤研一(文明堂)、清水両副理事長および13名の理事、監事を再任した。廃業等で欠員になった理事は組合員の減少に合わせて補充しない。
このあと組合員から、早稲田大学がアマゾンと提携して行う本の割引販売、講談社、小学館、集英社、大日本印刷等によるブックオフ株式取得について質問があり、勝木理事は「出版業界の今後の動向を注視し、対応していく必要がある」と述べた。
来賓のトーハン・佐々木基樹北陸支店長、日販・豊崎正彦北陸支店長、太洋社・池田喜久夫北陸支店長、、聖教新聞社・川上和浩福井支局長、小学館PS中部エリア・大貫善昭氏があいさつし、総会を終了。懇親会を開催した。
(清水祥三広報委員)