全国書店新聞
             

令和3年10月1日号

「読書週間」10月27日から/日書連は「秋の読者還元祭」実施、「本の日」との合同企画

読書推進運動協議会(読進協)は恒例の秋の行事「2021・第75回読書週間」を開催し、10月27日から11月9日まで「最後の頁を閉じた違う私がいた」を標語に掲げ、全国各地で読書の魅力を伝える企画を展開する。日書連は読書週間に合わせ、「秋の読者還元祭2021」を「本の日」図書カードプレゼントキャンペーンとの合同企画として規模を拡大し開催する。
読進協では行事として、「全国優良読書グループ表彰(第54回)」、「野間読書推進賞(第51回)」贈呈式開催、ポスターおよび広報文書配布(全国の小・中・高校、公共図書館、書店、関係出版社、報道機関など)、道府県の読書推進運動協議会・関係団体の協力を得て各種行事実施の推進――を予定している。
日書連が主催する「読者還元祭」は、「書店くじ」に替わる新たな店頭活性化・販売促進策として今春からスタート。11月1日の「本の日」図書カードプレゼントキャンペーンと合同で実施する秋の企画は、10月27日~11月11日の期間中、書店店頭に掲示された応募用ポスターまたはキャンペーンしおりのQRコードを読み取って応募すると、抽選で5000名に「図書カードネットギフト」1000円分が当たる。
QRコードを掲載した応募用ポスターは、10月下旬に日本図書普及の定期発送物と同送で送付する。店内の目立つ場所にポスターを貼ってキャンペーンを盛り上げたい。

ひろゆき氏トークイベントを開催/著書のフェア展開で参加募集/「本の日」

「本の日」実行委員会(矢幡秀治代表=日書連会長)は本の日のメインイベントとして、様々なメディアで活躍するひろゆき氏のオンライントークイベントを11月1日に開催する。
イベントのタイトルは「ひろゆきと話そう。本のこと、自分のこと、未来のこと」。ZoomウェビナーとYouTubeライブで行い、Zoom参加は小学生から大学生までの学生60名に限定。ひろゆき氏が読書経験や著書についての想いを語るほか、学生からの質問に答える内容で、YouTubeは一般にも配信する。
参加募集については、書店で著書のフェアを開催。Zoom参加申込やYouTube視聴のQRコードを記載したポスターを用意し店頭に掲示してもらうほか、SNS等で周知する。フェアは10月1日から、「本の日ブックカバー大賞」の申込書店を中心に、広く参加書店を募り行う。
※イベントやフェアの実施に関する最新情報は、「本の日」ホームページ(https://honnohi.com/)でご確認ください。

児童生徒への図書カード配布や図書館支える地元書店に支援を/東京組合が自民、都民ファ、公明に要望書

東京都書店商業組合(矢幡秀治理事長)は、児童生徒への図書カードの配布や地域の図書館の運営を支える地元書店に対する支援を求める要望書を、9月2日開催の理事会で承認。東京都議会自由民主党、都民ファーストの会東京都議団、都議会公明党に提出した。
矢幡理事長、柴﨑繁副理事長は9月1日に都議会公明党の高倉良生政調会長を訪問し、要望書案を提出して趣旨を説明。理事会での承認を経た正式の要望書を後日改めて提出した。9月7日には、都民ファーストの会東京都議団がZoomで開催した令和4年度東京都予算要望ヒアリングに矢幡理事長が出席し、増子博樹幹事長を始めとする都議団に説明。9月21日には、矢幡理事長、柴﨑副理事長が東京都議会自由民主党の小松大祐政調会長、林明裕都議を訪問して要望の内容を説明した。
【要望書】
要望理由
現在、東京都内の書店数は最盛期の4分の1となっております。また、書店への来店数、1日の売上も減少し続けています。読書人口も年々少なくなっています。このような状況の中で、読書人口を増やすためには、小学校の低学年から読書習慣を身につけることが大切です。読書習慣を身につけるためには、図書カードを配布して本を購入してもらい本に興味を持たせる事であると考えます。図書館は、本好きの人間を増やす場として地域文化の拠点として重要な場所です。その図書館の運営を支えているのは地元書店です。書店も、図書館へ納入することにより経営を維持しています。読書の習慣を身につけるため図書カードの配布と図書館を支える地元書店を支援していただくことについて、ご検討をお願いします。
要望内容
1.都内すべての児童生徒に対して図書カードを配布することについて検討をお願いします。
2.東京都から各区・市に交付される補助金を公立図書館の資料費に充てていただくようお願いします。
3.公立図書館への書籍の納入に関して現行の割引率の見直しをお願いします。
4.納入にあたっては、地元書店を優先的に利用されるよう検討をお願いします。

神保町ブックフェスティバルが中止に

神保町ブックフェスティバル実行委員会(大橋信夫実行委員長、東京堂書店)は、新型コロナウイルスの影響を鑑み、秋の開催を予定していた「神保町ブックフェスティバル」の中止を発表した。
昨年もコロナ禍により実施は困難と判断して中止していた。来秋は開催を予定する。

「書店主体の品揃えが重要に」/粗利30%獲得運動を推進/神奈川総会で松信理事長

神奈川県書店商業組合(松信裕理事長)は8月24日、横浜市の有隣堂営業本部ビルで第44回通常総会を開催し、組合員90名(委任状・書面議決含む)が出席した。新型コロナウイルス感染防止のため、本人出席を最小限にとどめた。
総会のあいさつで松信理事長は、コロナ禍の状況は今後も続くと予測し、「ウィズコロナ」の生活に「ウィズ読書」をどのように定着させるかが書店の重要課題だと指摘。そのためには「お客様の顔を思い出しながら商品を選び陳列していかなくてはならない」として、書誌情報サイト「BooksPRO」の機能が向上したことを挙げ、「近刊情報に無料で接することができるようになった。書店が主張を持った品揃えをしたり、お客様に合わせたり、より一層個性を出していく状況は1つの流れになってきている」と見通しを語った。そして、「粗利3割の獲得運動を組合員皆様の創意と工夫で乗り切っていきたい」と述べ協力を呼びかけた。
令和2年度事業報告、決算並びに監査報告、令和3年度事業計画案、予算案などすべての議案を原案通り承認可決した。

「景表法セミナー」をオンラインで開催/公取協連合会

全国公正取引協議会連合会(公取協連合会)は、「景品表示法に関するセミナー」を10月28日にオンライン方式で開催する。例年10月から11月にかけて東京、大阪など6地区で開催していたが、新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、今年6月開催した春季「景品表示法入門セミナー」と同様に秋季セミナーについてもオンラインで行うことにした。受講者には修了証明書を交付する。
[実施要領]
▽開催日時・方法=10月28日(木)13時30分~15時30分(休憩10分)、Zoomウェビナーを利用したオンラインによるライブ配信(定員1千名)
※ライブ配信後、オンデマンドでの見逃し配信を2週間実施予定
▽講師・講座内容=講師は消費者庁表示対策課長の南雅晴氏。テーマ「最近における景品表示法の運用状況」①景品表示法の概要及びその運営について、②令和2年度から令和3年度前半の消費者取引適正化への取組、景品表示法違反事例について
▽受講料=1名当たり9900円(公取協連合会加入の公正取引協議会の会員事業者。テキスト代・消費税含む)
▽申込方法=同連合会HP(https://www.jfftc.org/)のセミナー案内ページから申込フォームに必要事項を記入し申込む
▽申込締切=10月8日(金)17時まで。申込先着順で定員になり次第締切

「本の日読書感想文コンクール」作品を募集/岐阜県教販

岐阜県教販は、県下の小中学生を対象に「本の日読書感想文コンクール」を実施。9月15日から作品募集を開始した。日書連、岐阜県教育委員会、岐阜県書店商業組合が後援。応募締切は10月15日。
同コンクールは、読書の感動を文章に表現することで豊かな人間性や自主性、考える力を育むこと、また岐阜県教販が県内の全小中学校に「スクールイーライブラリー」(小中高向け電子書籍サービス)のライセンスを寄贈したことにより、新しい読書体験を通してそのコンテンツの中から感想文を書いてもらうことを趣旨に開催するもの。
対象図書は、学校図書館、公共図書館から自由に選んだ「図書館図書」及び、スクールイーライブラリーのコンテンツで、それぞれ1人1編ずつ応募できる。応募の際は、岐阜県教販のHPからダウンロードできる応募票が必要。最優秀賞各10名に賞状と図書カード5千円分、優秀賞各20名に図書カード3千円分、入賞各50名に図書カード1千円分を贈る。入選者発表は11月1日の「本の日」に岐阜県教販HPで行う(http://www.gifukenkyohan.co.jp/)。

「春夏秋冬本屋です」/「スマホの真逆」/岩手・小原書店店長・小原玉義

「息子はスマホばかりいじっています」とレジで相談されることも多い。先月、この新聞の記事に載っていた『スマホ脳』(新潮新書)。精神科医アンデシュ・ハンセン氏が書いたこの本の帯には「スティーブ・ジョブズはわが子になぜiPadを触らせなかったのか?」とある。
子どもたちや私たちは何を失いかけているのか。この本によると、AIにより、人間に残される仕事は集中力を要するものになるのに、その大事な「集中力」を失いかけているそうだ。ではどうすればよいのだろうか。本屋として興味深い箇所を見つけた。「カーは、インターネットは本とは真逆の存在だと考えている」。
そこで次に、そのニコラス・G・カー氏の著書の中から『ネット・バカ』(青土社)を読んでみた。歴史のほとんどの期間を通じ、人間の脳は他の動物と同じように注意散漫の状態であったそうだ。その人間に「集中力」を与えたのは、印刷技術の発明によって生まれた「本」だというのだ。深い集中と深い思索を可能にしたのは、本というテクノロジーだったと述べている。
5月にNHKで放映された「100分de名著『華氏451度』」の番組の中で名古屋大学大学院・戸田山和久教授が「本は考えながら読むことができるかなり特殊なメディアである」と言っていた。
スマホの使用は制限して、作った時間で本を読むのがよさそうだ。

都議会3会派への要望書承認/新年懇親会の中止を決定/東京組合

東京都書店商業組合は9月2日、東京・千代田区の書店会館で定例理事会を開催。東京都議会自由民主党、都民ファーストの会東京都議団、都議会公明党に提出する要望書を承認した。
矢幡秀治理事長は要望書について、日程の関係で9月1日に案として公明党に提出したと報告。「昨年都に対して出した児童生徒への図書カード配布について改めて要望した。各区・市の図書館資料費が減少しており、都の補助費をきちんと図書に使ってもらうようお願いした。また、図書館への納入で割引率はゼロにしてほしいこと、納入に関しては地元書店を優先してほしいということを要請した」と説明し、理事会の承認を受け、残る2会派にも提出することとした。
事業・増売委員会では、PHP研究所「本所おけら長屋シリーズ」(畠山健二著、文芸文庫)の特別増売企画を説明し、承認した。最新の17巻発売に合わせ実施するもので、16巻までの既刊本を対象に、販売に対して報奨金が支払われる。
厚生・倫理委員会では「令和4年新年懇親会」開催の可否について諮り、新型コロナウイルスの影響を鑑みて中止を決定した。

新理事長に平井浩氏/組合員にトートバッグを配布/滋賀総会

滋賀県書店商業組合は8月24日、大津市の「コラボしが21」で第38回通常総会を開催。新型コロナウイルス感染症対策のため、本人出席は吉田徳一郎理事長はじめ理事・監事12名と、来賓の滋賀県中小企業団体中央会振興課・中嶋和繁課長のみとした。加えて書面決議書で26名が参加した。
総会の冒頭、吉田理事長があいさつ。コロナ禍が続く中で苦労する各書店に対し労いの言葉を述べるとともに、組合事業の精力的な展開が果たせなかったことについて無念の意を表した。そして、「滋賀県の新型コロナ対策助成金を活用して製作したトートバッグを各組合員に配布するので、店頭活性化の一助にしてほしい」と述べた。
議長に西谷氏を指名して議案審議を行い、第1号議案から第5号議案までの各議案を承認可決した。
6号議案の役員改選では、議長から指名された3名の選考委員が審議。西川選考委員長が14名の新理事・監事を発表し、承認された。最後に来賓の中嶋氏が祝辞を述べ、中央会の取り組みについて説明した。
引き続き第1回理事会が開かれ、新理事長に平井浩氏(文平堂)を選出。副理事長に上田聡幸氏(三信堂)、専務理事に桑野寛孝氏(扶桑書店)、監事に西谷健氏(西谷書店)が選出された。
(川瀬浩太郎広報委員)

宮脇範次代表理事を再任/「協力して時代の変化に対応」/香川総会

香川県書店商業組合は8月20日、高松市のパールガーデンで令和3年度通常総会を開催し組合員23名(委任状を含む)が出席した。
総会は髙木敏彦事務局長の司会で始まり、宮脇範次代表理事があいさつ。県下に新型コロナウイルスに係る「まん延防止等重点措置」が適用される中での開催となったことについて、出席に対し御礼を述べるとともに、「年々組合員数も減少しており、現在加入している組合員が協力して時代の変化に対応し、コロナ後の明るい未来を目指したい」と話した。
続いて宮脇代表理事を議長に議案審議を行い、令和2年度事業報告、決算報告、監査報告、令和3年度事業計画案、予算案、経費の賦課額及び徴収方法、定款一部変更の各議案を原案通り承認可決。任期満了による役員改選では全員留任し、代表理事に宮脇範次氏の再任を決定して総会を終了した。
総会終了後に宮脇代表理事より、今年もコロナ対策で来賓招待や懇親会のない形式にしたとの説明があり、その後散会した。
[香川組合役員体制]
▽代表理事=宮脇範次(宮脇書店)
▽副理事長=松本周平(ブックス三条)
▽専務理事=髙木敏彦(員外理事)
(髙木敏彦事務局長)

2020年電子書籍市場は4821億円/巣ごもり需要の拡大受け28・6%増加/インプレス総研が調査

インプレスのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は、2020年度の電子書籍市場動向を発表。電子書籍市場は前年比28・6%増の4821億円で、19年度の3750億円から1071億円増加した。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う外出自粛による巣ごもり需要や、社会現象ともなった『鬼滅の刃』(集英社)の影響が大きく、市場が大きく拡大した。インプレス総合研究所では、25年度には6700億円を超える市場に成長すると予測している。なお、本年より電子書籍市場の定義を見直し、これまで区分けして集計していた「電子雑誌」を「電子書籍」に含めることとして、過去に遡ってデータを修正した。
20年度の電子書籍市場規模の内訳をみると、コミックは前年度から1013億円増の4002億円(市場シェア83・0%)、文字もの等(文芸・実用書・写真集等)が同72億円増の556億円(同11・5%)、雑誌が同14億円減の263億円(同5・5%)となった。
スマートフォン・タブレットのユーザーに対して、電子書籍の利用率を調査したところ、有料の電子書籍利用率は20・5%となり、前年から0・5ポイント増加した。無料の電子書籍のみを利用している人は、昨年から横ばいの24・8%だった。
有料電子書籍利用率が高いのは男性20代の29・5%、男性30代の28・5%、女性30代の25・5%で、男女とも20代、30代の利用率が高い。無料の電子書籍のみの利用率が最も高いのは女性10代の37・6%で、男性10代の30・9%、女性20代の29・7%と続く。男女とも10代が最も高い比率で、年代が上がるほど低下する。性年代別の利用率を昨年と比較すると、利用率が増加したのは男女とも20~40代で、10代や50代以上の利用率は横ばいか減少している。
都度課金に加えて定額制のサービスが始まり注目を集めているオーディオブックについて、利用経験と利用意向を尋ねると、「よく利用する」は2・2%、「たまに利用する」は4・7%となり、両者を合わせたオーディオブックの利用率は6・9%となった。「利用したことはないが、利用したいと思う」と回答した利用意向を持つ人は17・9%だった。
利用している電子書籍サービスやアプリは、「LINEマンガ」が27・8%で最も高く、2位は「Kindleストア」26・2%、3位は「ピッコマ」23・8%、4位は「少年ジャンプ+」15・9%、5位は「楽天Kobo電子書籍ストア」11・8%。
20年度のマンガアプリの広告市場は前年から50億円増の260億円となった。21年度の市場規模は280億円に達すると予測している。無料でマンガを読めるアプリやサービスの利用が引き続き拡大している一方、新型コロナウイルス感染拡大により広告指標の悪化から広告単価が下落。また、20年秋頃からは海賊版サイトの影響が顕在化し、一部のマンガアプリでは大きな影響を受けている。
この調査は、「出版社」「電子書籍ストア」「取次事業者」「通信事業者」「コンテンツプロバイダー」「インターネット広告事業者」等の主要な電子書籍関連事業者へのヒアリング調査、ユーザーへのアンケート等を分析したもので、調査結果をまとめた新産業調査レポート『電子書籍ビジネス調査報告書2021』を発売している。A4判、294ページ。価格(税別)は、CD(PDF)版+冊子が7万8000円、CD版(PDF)版とダウンロード版が6万8000円。詳細・購入はインプレス総合研究所のHPから(https://research.impress.co.jp/)。

複数の本を同時精算/書店向けセルフレジ開発/サインポスト

サインポストは8月31日、簡単な操作で書籍の読み取りから支払いまで行うことが可能な書店向けセルフレジ「BOOKワンダーレジ」を開発、今秋から提供を始めると発表した。
セルフレジの活用は店舗運営の生産性向上の手段として注目が集まっているが、書店業界においては書籍特有の2段バーコードをスキャンすることが利用客に分かりにくいという課題があった。サインポストは書籍に特化したレジとしてBOOKワンダーレジを開発。購入する本を台に置いてスタートボタンを押し、画面の案内に従って進めるだけで1冊でも複数冊でもほぼ同じスピードで精算できる。携帯端末との接続機能を搭載し、レジにスタッフが常駐しなくても、レジからの呼び出しやエラー通知を携帯端末で受信して接客対応が可能。また、文献社が提供する書店トータル管理クラウドサービス「書店WEB」とのシステム連携が可能になっている。

触らず操作できるホロタッチパネル導入/ジュンク堂池袋本店

丸善ジュンク堂書店と大日本印刷(DNP)は8月27日、モニター画面に直接触れずに空中に浮遊させて表示した画像で操作できる「DNP非接触ホロタッチパネル」を搭載した書籍検索機とセルフレジをジュンク堂書店池袋本店に各1台導入した。
コロナ禍において非接触や衛生面等に配慮した製品・サービスが求められている中、利用者が画面に触れずに従来通りのサービスが受けられる体制を構築し、清潔で安心な書店作りにつなげていくため運用を開始したもの。
このホロタッチパネルを導入した書籍検索機とセルフレジの特長は、①後付けでの設置が可能で、既存システムの変更が不要。②モニターの画面に直接触れることなく、空中での操作が可能。③書店店頭の明るさでも見やすいライティングを実現――の3つ。画面上に浮かんで表示される柄(細かい点)が手指で触れる高さの目安となり、利用者はモニターの画面に直接触れることなく容易に操作できる。

1ヵ月に「雑誌を読む人」は約36%/1~3冊が4分の3占める/マイボイスコム・雑誌調査

伊藤忠グループのリサーチ会社、マイボイスコムは、雑誌に関するインターネット調査の結果を発表した。同調査は今回で6回目で、今年7月1日~5日に実施し、1万139件の回答を集めた。
1ヵ月あたり何冊くらい雑誌を読むか尋ねると、「ほとんど読まない」が64・3%で最も多く、次いで「1冊くらい」13・9%、「2~3冊くらい」13・1%、「4~5冊くらい」5・1%、「6~10冊くらい」2・0%の順となった。雑誌を1冊以上読む人の割合は35・7%で、女性若年層では他の層よりやや低い割合になっている。雑誌を読む人の中で、1ヵ月あたり1~3冊読むという人が約76%を占める。
雑誌の購入者は2割強で、1ヵ月あたり「1冊くらい」が11・6%を占める。女性30代では、「雑誌はほとんど購入しない」が約86%と他の層よりやや高くなっている。
雑誌購入者が直近1年間に購入した雑誌を複数回答で挙げてもらうと、「趣味・教養誌」「ビジネス・実用雑誌」「総合週刊誌」が各2割弱となった。男性30・40代では「ビジネス・実用雑誌」「コミック誌・マンガ雑誌」、女性40~70代では「女性ファッション・ライフスタイル誌」「家庭情報・料理雑誌」が上位2位となっている。購入冊数が多い層では、「総合週刊誌」「コミック誌・マンガ雑誌」の比率が高い傾向にある。
雑誌の購入場所を複数回答で聞いた設問では、「大型書店」が購入者の56・0%、「オンライン書店」が30・0%、「コンビニエンスストア」が27・4%となった。過去の調査と比べ、「オンライン書店」が増加傾向にある。女性30代では「コンビニエンスストア」「スーパーの雑誌コーナー」、女性60・70代では「定期購読で送られてくる」の比率が高い。
直近1年間に電子書籍の雑誌を利用した人は2割弱。利用した雑誌を複数回答で尋ねると、「無料で読める電子書籍版の雑誌を読む」が10・7%、「定額制で、雑誌が読み放題の電子書籍サービスを利用」が5・4%、「1冊ずつ購入するタイプの電子書籍版の雑誌を購入」が4・9%だった。電子書籍の雑誌を利用する際に重視することは、「月額料金」「無料お試しの充実度」「読みたいジャンルの充実度」が各30%台、「取り扱い数の充実度」が27・1%だった。

「本屋を続けて良かったなぁ通信」NET21-協業化の現場から

【対等なビジネスと条件改善が利点/清風堂書店専務取締役・面屋洋】
数年前にNET21に加盟して、そのタイミングで主帳合を変更しました。NET21の組織の運営に合わせた形でしたが、大きな不都合が生じたことはありません。それよりも町の本屋として、大手取次や出版社主導になりやすい店舗経営において、対等なビジネス関係が生まれやすいところに魅力を感じています。
オリジナルのレジやシステムを使うことによって激減したランニングコスト、1社だけでは交渉の難しかった統一正味など、経費の面でも助かっています。
また、各加盟法人が自主的に出版社に働きかけ共同仕入れを行い、正味を下げたり報奨金を出してもらったり、各店舗の利益を生むように日々動いています。
何より、全国の法人とのつながりは、先行きが不安な時ほどさまざまなアイデアが出る現場でもあって頼りにしています。
ぜひ、貴社も加盟して、持続可能な町の本屋を残していきましょう。
【レベルの高いメンバーから刺激/伊吉書院代表社員・伊藤篤】
弊社は青森県八戸市にあります。NET21に加盟したのは2013年頃です。その頃は親の代から引き継いだ過去の負債はある程度整理されてきて、良くなりかけていました。そんな時に、市内に500坪クラスの競合店が出来るという情報が入ってきました。市内に2店舗ありますので、かなりの売上減が想定されました。このまま同じことをしていても会社を存続出来ないという思いで加盟しました。
2ヵ月に1度、東京での定例会に出席しなくてはいけないので、行動的ではない私にとって最初はとても苦痛でしたが、メンバーは田舎では出会うことのない、若くて、活動的で、レベルの高い方々が多く、とても刺激を受けました。
東京の書店と同じことをしていても、人口減の激しい田舎の書店を残すことは出来ないと思い、今では書店業と他業種を組み合わせて経営しています。もちろん書店業は今でも本業です。これも、書店を続けていきたいと強く思っているNET21のメンバーの影響だなと思っています。
【店舗を活性化する様々な施策/ブックランドサンクス代表取締役社長・野条郁二】
NET21には現在22法人のオーナーが加盟しており、それぞれが担当版元を持ち、オリジナルのシステムを利用して共同仕入や情報発信に注力しています。さらに本部機能も持ち合わせているので、担当版元以外の情報やきめ細やかなアドバイスなども得られます。
単店ではなしえることができない正味はもちろんのこと、他店との差別化を図るオリジナル施策、各ジャンルのプロジェクトを進めていくことにより、店舗の活性化を図ることができるのも大きなメリットです。
現在、毎月定例会をリモート会議で開催しています。日常業務的なこと以外にも、経営に関することや自社の問題解決の場になることもあり、やる気を引き起こす貴重な場です。
多少の時間の制約や業務の増加を厭わなければ、加盟する意義があると感じております。業界の行く末が不透明な中、NET21を経営の選択肢の1つとしてご検討いただけるとうれしい限りです。
【仲間が増えた、心強い!/井上書店代表取締役・井上健司】
「自分たちの店で売りたい本は、自分たちで仕入れよう」と考えていましたが、どうしたらいいか途方に暮れている状況でした。ところが、NET21はこれを力を合わせて実現している。初めて参加した定例会の後、すぐに加盟を決めました。
初めて参加した定例会の「熱」は今も健在です。加盟すると運営費用と皆のために働く利他の気持ちが付加されます。マイナス成長の書店にあって気持ちを切らさず継続できているのも、NET21メンバー全員の商売に賭ける情熱を体感することができているからです。
仲間が増えたこと――それがNET21に加盟して一番よかったことです。
【規模を活かして生き残り図る集団/中原ブックランド代表取締役・大野裕彦】
今は紙の本にとって過渡期の時代。この先、需要がどこまでシュリンクしてしまうのか、予想が困難な時代です。このような時代に街の本屋はどんな役割を果たすべきでしょう。今いるお客様に本を届けることは第一ですが、街の本屋の狭い知見でそれを商売として成立させ続けるには無理があります。
私はNET21の第一世代という位置にいます。発足当初は偏重された配本で、中小には入手が難しい、お客様の欲する新刊の調達を主な課題として業務に取り組んできました。そして今は、売上好順位という位置を活かし、参加法人単体では得られない情報を得ることで生き残りを図る集団となっています。
組織ですから維持にはコストもかかりますが、もし集団でなかったら商売を諦めていたと思えます。本屋としてこれからもやっていきたいと思う方にとって、NET21はその一助になりえる存在かもしれません。
【独立と公平の気風が魅力/本の森セルバ代表取締役・山田泰】
NET21に加盟して20年になります。NET21の良さは自立していることだと思います。外部に対してはどこにも頼らず自身の力で立ち、内部では他の加盟店のことを考えて運営していくところ、店の規模に関係なく公平であるところが魅力だと感じています。
当社は地方都市にあり情報は不足気味で、仕入に支障が出ることも多かったのですが、定例会やメールによる情報交換、共同仕入によって随分と解消されています。年6回程度の東京での定例会(現在はオンライン会議)への参加、統一のシステムの導入、版元数社の担当などが加盟店に求められていますが、これを負担と感じずに取り組んでいければ、業績アップに繋がっていくと考えます。
単独で経営しているとどうしても視野が狭くなりがちでしたが、加盟によって
随分と開けてきたように思います。これからの書店業界を魅力あるものにするために一緒に活動していただける皆様、よろしくお願いします。
《NET21新会員入会までの流れ》
①NET21の経営理念、各種決まり事を了解した上で、月例の定例会に3回以上参加して、どんな活動かを見極めてもらいます。入会の場合は入会申込書を本部に提出してください(会員に直接わからないことを聞いていただいて結構です)。
②申込書到着後、店舗の視察と簡単に経営状況を見せていただくために、2名の会員で来店いたします(経営状況も大事ですが、債務超過でない限り経営者の考え方とやる気が優先します)。
③審査終了後、直近の定例会にて入会を了承します。
④入会後の手続きとして、出版社に対する屋号の変更(書店共有マスターの変更)、出資、システム導入などがあります。
【問い合わせ】
ホームページの問い合わせフォームから
NET21ホームページ
http://www.book-net21.jp/

トーハン×メディアドゥ、電子図書館サービス事業「オーバードライブ」を推進

電子図書館サービスを導入する公共・学校図書館が増える中、地域の書店が紙の本同様にその流通に参画できる仕組みが各所で検討されている。
トーハンは地域の書店とともに、自治体や学校に向けて電子図書館サービスの導入を提案している。3月25日に資本業務提携した電子書籍取次大手メディアドゥが米国オーバードライブ社とライセンス契約を締結して推進している電子図書館サービス事業を、トーハンとメディアドゥの共同事業として進めている。
オーバードライブ社の電子図書館サービスは、世界で最も多くの公共・学校図書館に採用されているインターネットを利用したクラウド図書館サービス。世界93ヵ国・6万5000館の公共・学校図書館で採用し、米国の公共図書館の95%以上が導入している。
国内でも、北海道・天塩町立社会福祉会館図書室から沖縄県・沖縄アミークスインターナショナル幼稚園・小学校・中学校まで、多数の導入実績がある。
日本語書籍に加えて、豊富な外国語タイトルを擁し、国内書4万6000タイトル、外国書300万タイトルを配信している。
地域の書店が電子図書館サービスに参入する手段として検討してもいい。
メディアドゥ電子図書館推進部ホームページ=http://overdrivejapan.jp/

第8回「料理レシピ本大賞」受賞作品発表

書店員有志が中心となって運営する「料理レシピ本大賞実行委員会」(加藤勤実行委員長=ブックスタマ)は、9月7日、朝日新聞東京本社本館2階「読者ホール」で、「第8回料理レシピ本大賞inJapan」のオンライン発表会・授賞式を開催した。料理部門の大賞はモデルでタレントの滝沢カレンさんの『カレンの台所』(サンクチュアリ出版)が受賞した。お菓子部門の大賞はてぬキッチンさんの『もっと!魔法のてぬきおやつ』(ワニブックス)が選ばれた。
今回は各出版社から150作品がエントリーし、全国153名の書店選考委員と料理専門家である特別選考委員が、料理部門・お菓子部門の大賞各1作品を含む計11作品を決定した。
発表会では、第1回から賞のアンバサダーを務めるキャイ~ンの天野ひろゆきさんが、各受賞者に賞状と記念品を贈呈した。
昨年4月に発売された『カレンの台所』は、20万5000部を突破。「冷たい何も知らない鶏肉」「お醤油を全員に気付かれるくらいの量」「無邪気にこんちくしょうと混ぜてください」「二の腕気にして触ってるくらいの力で、鶏肉をさらに最終刺激」など、独特すぎる文章にハマる人が続出し、しかもその言葉通りにやってみると感覚だけで本当に作れてしまうことから話題になった。
発表会にリモートで出席した滝沢さんは、「自分の子どものように作り上げた大切な1冊。まさか大賞をとるとは考えていなかった」と涙ながらに受賞の喜びを語った。また、受賞作について「これはレシピではなくて〝感覚物語〟みたいなもの。誰もが0歳から生きている年月の間に絶対味わったことのある、私は味わった感情を詰め込んだ。料理も物語みたいにしたら楽しいんじゃないかと思った」と話した。
お菓子部門大賞を『もっと!魔法のてぬきおやつ』で受賞したてぬキッチンさんは、昨年の『魔法のてぬきおやつ』(ワニブックス)に続いて2年連続の受賞。リモートで出席したてぬキッチンさんは「まさかまたこの賞をいただけるなんて本当に夢のよう。応援していただいているYouTubeの視聴者や編集担当スタッフの皆様、選んでくださった書店員の皆様のおかげ」と感謝の言葉を述べた。
主催者を代表してあいさつした加藤実行委員長は、「料理の本なので、来年は食べるイベントを企画したい。日本にこういう賞があるということを海外に発信したいとも考えている」と来年に向けて意気込みを語った。
なお、9月7日から全国の書店で入賞フェアを開催している。
受賞全11作品は以下の通り。
【料理部門】
▽大賞=滝沢カレン『カレンの台所』(サンクチュアリ出版)
▽準大賞=りなてぃ『りなてぃの一週間3500円献立』(宝島社)
▽入賞=齋藤菜々子『基本調味料で作る体にいいスープ』主婦と生活社(プロの選んだレシピ賞も受賞)、山本ゆり『syunkonカフェごはん?この料理とこの手間で「うそやん」というほどおいしいおいしいレシピ』(宝島社)、倉橋利江『野菜はスープとみそ汁でとればいい』(新星出版社)、高山なおみ『自炊。何にしようか』(朝日新聞出版)
▽こどもの本賞=柴田書店編『料理はすごい!』(柴田書店)
▽エッセイ賞=山本ゆり『syunkon日記おしゃべりな人見知り』(扶桑社)
▽コミック賞=午後『眠れぬ夜はケーキを焼いて』(KADOKAWA)
【お菓子部門】
▽大賞=てぬキッチン『もっと!魔法のてぬきおやつ』(ワニブックス)
▽準大賞=鈴木文『世界のおやつおうちで作れるレシピ100』(パイインターナショナル)

8月期は前年比7・3%減/週刊誌、児童書が前年超えも/日販調査店頭売上

日本出版販売調べの8月期店頭売上は前年比7・3%減。雑誌は、週刊誌が5ヵ月連続で前年超えと好調だったが、全体では前年割れが続く。書籍は、児童書が前年を上回ったものの、全体では落ち込んだ。
雑誌は9・7%減。週刊誌は、2年ぶりの開催となった高校野球や8月8日に閉会した東京五輪関連の増刊発売があり、5ヵ月連続の前年超えとなった。月刊誌は、芥川賞受賞作掲載の「文藝春秋」9月号(文藝春秋)が売上を牽引した。
書籍は9・5%減。児童書が0・5%増と前年を上回ったが、他は軒並みマイナスとなった。児童書は、『小学館の図鑑NEO深海生物DVDつき』(小学館)や『神話最強王図鑑』(学研プラス)が売上を牽引した。実用書は『欅坂46田村保乃1st写真集一歩目』(小学館)が好調。文庫は、2018年に発売した湊かなえのデビュー10周年記念作品を文庫化した『未来』(双葉社)が売上を伸ばした。
コミックは1・5%減。実写映画が上映中の「東京卍リベンジャーズ」(講談社)の既刊が売上を伸ばしたが、全体では前年を下回った。雑誌扱いコミックは「僕のヒーローアカデミア31」(集英社)、書籍扱いコミックは『文豪ストレイドッグス21』(KADOKAWA)が売上を牽引した。

11月15日にオンライン講演会/人気コラムニスト、ジェーン・スー氏を講師に/出版女性人の会

出版業界に勤める女性有志による「出版女性人の会」は11月15日午後6時、「出版女性人の会講演会2021」をオンラインで開催する。
講師は、コラムニスト、作詞家、ラジオパーソナリティのジェーン・スー氏。スー氏は、TBSラジオ「ジェーン・スー生活は踊る」のМCを務め、『女に生まれてモヤってる!』(小学館)など多数の著書がある。
講演では、「出版界で働く女性が自分らしく楽しく生きるには」の演題で、世の中や自身の変化にどう向き合い、年を重ねていくのがいいのか、様々な年代、働くすべての女性に向けて講演する。
発起人は、BOOKS隆文堂・髙橋小織、朗月堂・須藤令子、BOOKSあんとく・安徳紀美、講談社・鶴見直子、小学館・矢崎恵里子、集英社・早乙女純子、KADOKAWA・上村裕子の各氏。幹事は、小学館・矢崎恵里子、ディスカヴァー・トゥエンティワン・谷口奈緒美、筑摩書房・土屋ちひろ、宙出版・髙島裕未の各氏。
講演はZoomで開催。講演会費は無料。申込締切10月15日。
参加申込フォーム
https://forms.gle/mxpjD7JPmhdKUSnL8

「大人の塗り絵」シリーズ累計800万部を突破/コロナ禍の在宅時間増加で特殊ニーズ/河出書房新社

河出書房新社の「大人の塗り絵」シリーズが8月25日、累計発行部数800万部を突破した。昨年実施した第15回大人の塗り絵コンテストでは応募数が過去最多の9743点になった。コロナ禍の在宅時間増加に伴う特殊なニーズと合致し、新規ユーザーが急増したことが影響したとみられている。
現在、第16回大人の塗り絵コンテストの応募受付中。応募期間は9月1日~12月1日(必着)。「大人の塗り絵」シリーズから好きな絵柄を選び、好きな画材で塗って応募。参加費無料。入賞・入選者には自身の作品をプリントしたオリジナルバッグを進呈する。
結果は2022年2月上旬、読売新聞紙上、公式サイトで発表予定。入賞・入選作品は全点、渋谷Bunkamuraギャラリー(東京・渋谷区)、西宮市立北口ギャラリー(兵庫・西宮市)で開催される「大人の塗り絵コンテスト展覧会」で展示する。
河出書房新社主催、読売新聞東京本社広告局共催、サクラクレパス/北越コーポレーション/ユーキャン協賛。今年も日書連が協力する。

生活実用書・注目的新刊/遊友出版・齋藤一郎

荒船良孝著『生き物がいるかもしれない星の図鑑』(SBクリエイティブサイエンス・アイ新書1100円)は、最新の宇宙情報から、地球外生命体が存在しそうな星を探していく試み。
火星の地表に、海や川がないと存在しない堆積岩が発見され、地下に氷や水があると推測されていて、微生物がいる可能性が高まっている。
2009年に打ち上げ
られた太陽系外惑星探査機ケプラーは、2500個以上の天体を発見し、故障後も3年前までデータを送り続けた。2018年に打ち上げたTESSはその後継機。宇宙観測は更に進んでいる。
K2―18bという星には、大気に水蒸気が含まれていて、海があり生命が存在すると期待されている。しかし地球からは124光年離れている。
カラーで紹介される多くの星の写真が美しい。高水裕一著『宇宙人と出会う前に読む本』(講談社ブルーバックス1000円)は宇宙ステーションに異星人が集合という物語に託しながら宇宙生命体を探る。しかし、月までは約38万キロの距離。有人ロケットで着くのに4日、火星なら半年かかるという。太陽系以外にも惑星があり銀河も発見されているが、そのアンドロメダ銀河は250万光年の彼方だ。

聖教新聞社『日蓮大聖人御書全集』/70年ぶり新版、11月に発刊/創価学会・池田名誉会長が監修

聖教新聞社は9月8日、東京・信濃町の世界聖教会館で書店向け説明会を開催し、書店、取次など総勢160名が出席。11月18日に創価学会・池田大作名誉会長の監修で発刊される『日蓮大聖人御書全集新版』の販売に協力を呼びかけた。また、グループ会社の潮出版社、第三文明社、鳳書院が秋以降に出版する企画の説明を行った。
『日蓮大聖人御書全集新版』は、1952年に戸田城聖第2代会長の発願で刊行した御書全集の約70年ぶりの新版。A5判・上製・糸かがり・箱入り、2288ページ、定価8000円(本体価格7237円+税)。
新版は「正確さ」「読みやすさ」「創価学会の伝統」の3点を重視。判型はB6判からA5判へ、一回り大きくなった。また、文字を大きく、改行や句読点を増やし、現代仮名遣いを用いるなど、読みやすいよう組み直されている。現在の御書全集発刊後に発見・公開された御書32編も新たに収録している。
日常の活動で持ち運びやすい「分冊版」全4巻も同時発売する。2021年11月18日に第1巻を発売後、2022年月に第3巻、同年9月に第4巻、同年11月に第2巻を順次刊行する予定。第1巻は、B6判・並製・糸かがり、656ページ、定価1200円(本体価格1091円+税)。
聖教新聞社の石橋正至出版局長は「池田先生の監修により、民衆に広く開かれた哲学として、青年世代をはじめ多くの読者がいっそう親しみをもって研鑽できるようにするため」と刊行の目的を説明した。
定価8000円の価格設定は、書店の粗利、取次の流通経費を鑑み、適正価格を目指して決めたという。
7月16日から予約受付を開始し、初版は順調に推移。12月納期で2刷、来年2月をめどに3刷の準備を進めている。現在の御書全集はこの70年で278刷、累計343万部を記録。石橋出版局長は「新版もロングテールでの販売になる。切れ目のないように総力をあげて取り組む」と意気込みを語った。
書店を代表して登壇した日書連・矢幡秀治会長は、コロナ禍で紙の本の価値が見直されたものの、現在の売上げはコロナ以前の水準に戻ってしまったと厳しい現状を指摘し、「御書の新版をはじめ本日説明のあった書籍を丁寧に販売し、業界の発展につなげたい」とあいさつした。
聖教新聞社の萩本直樹代表理事は「創価学会は御書を根本に、3代会長、なかんずく池田名誉会長の指導のもと活動に励んでいる。御書は創価学会の生きた聖典。会員読者の期待に沿えるよう、販売に総力をあげて取り組む」と述べ、書店と取次に協力を訴えた。
グループ会社の企画説明では、潮出版社・南晋三社長、第三文明社・大島光明社長、鳳書院・大塚春樹取締役営業部長が登壇した。各社の企画は以下の通り。
[潮出版社]
「池田大作とその時代」編集委員会『民衆こそ王者16』、池田大作『忘れ得ぬ旅太陽の心で5巻』、パンプキン編集部編『データで学ぶ「新・人間革命」Vol6』、潮編集部編『創価大学駅伝部獅子奮迅(仮)』、『文化手帖2022』
[第三文明社]
渡邊弘『創価教育と人間主義』、佐藤優×雨宮処凛『この社会の歪みと希望』、佐藤優『希望の源泉・池田思想―「法華経の智慧」を読む①~③』、三隅治雄『北前船が運んだ民謡文化』
[鳳書院]
斎藤毅『「人生地理学」からの出発』、聖教新聞社編『新・名字の言選集〈新時代編③〉』、汪鴻祥『「価値創造」の道』”