全国書店新聞
             

平成24年8月1日号

新読者サービスシステム/9月に概要発表/電子書籍販売事業

〔電子書籍対応〕
7月18日までに、15組合がウェイズジャパンと電子書籍販売事業の基本契約を締結し、参加書店は139店になったと鶴谷部会長が報告した。
また、ウェイズ社では現在、これまでの事業形態を抜本的に見直し、書店が店頭活性化の手応えをより感じられる読者サービスシステムを開発しており、9月に概要を発表する予定であることを明らかにした。
さらに、地方出版物をウェイズ社の電子書籍プラットフォームから配信することで同市場を活性化するため、地方出版物の取次販売契約書の雛型を作ったことを報告。これによると販売金額の50%が出版社、10%が書店組合、40%がウェイズ社の収益となる。
〔組織〕
各都道府県組合の6月期加入・脱退状況は、加入1店、脱退34店、前月比33店の純減となり、全国の組合員数は4630名になったと中山委員長が報告した。
賃貸スペース仲介サイト運営の「軒先」が行う書店空きスペース紹介事業は、7月17日現在、登録書店100店、登録件数668件になった。中山委員長は「各県組合で説明会を開いて事業の主旨を組合員に知らせてほしい」と求めた。〔読書推進〕
読売新聞東京本社と日書連のコラボレーション企画「読売新聞本屋さんへ行こう!キャンペーン」を9月12日から10月14日まで実施すると西村委員長が報告した。書店で購入した書籍・雑誌のレシートを応募ハガキ、郵便ハガキに貼って応募してもらい、抽選で図書カードを260名(総額30万円分予定、5千円×10名、1千円×250名)にプレゼントするもの。実施エリアは東京、埼玉、千葉、神奈川、茨城、栃木、群馬、山梨、静岡の1都8県。約2000店の店頭でポスターを掲示し、応募ハガキを配布・設置する。
〔取引改善〕
教育図書出版の教学研究社(大阪市西区)は7月5日に大阪地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債は推定6億円。柴﨑委員長は「出版社有事の際、取次は会社として全取引先書店に一元的に通知する方法をとってほしい。出版社の有事は今後増える可能性がある。書店ばかりが負担を強いられることのないよう、早急に取協と話し合いたい」との方針を示した。
また、送品・返品同日精算問題について、5月14日に取次大手2社が独禁法で規定される優越的地位にある者として濫用行為を行っていないか調査依頼する申告書を公取委に提出して以降の経過を報告。「日書連は中小書店のためにこの問題に取り組んでいる」と強調した。
〔流通改善〕
雑誌発売日問題で、日書連の要望として①北海道、九州地区の3日目発売を2日目に繰り上げてほしい②沖縄地区の週刊誌航空輸送の早期実現に尽力してほしい③読者目線に立って合併号を廃止し、年間を通してレギュラー発売が出来るようなシステムを構築してほしい――など7項目を雑誌発売日励行本部委員会に提出すると藤原委員長が報告した。
また、佐賀県武雄市が7月18日に臨時市議会を開き、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を市立図書館の指定管理者とすることを可決したことに触れ、「今後の動向を注視したい」と述べた。
〔広報〕
10月17日に開催する全国広報委員会議の内容を面屋委員長が報告。当日は全国の広報委員が一堂に会し、日書連広報のあり方を討議する。今年は投稿本数の多い広報委員を中心にパネルディスカッションを行う。
〔政策〕
6月21日の日書連通常総会で予備費をマイナス1887万8000円とする平成24年度収支予算案が承認可決されたが、日書連財政健全化に向けて事業の再点検や経費の削減を行うべきとの意見が複数の出席者から出た。これを踏まえて政策委員会は経費削減策を検討し、定例理事会の開催回数を年8回から年7回に減らすなどして年間約400万円の経費を削減することを提案、了承された。これにより当初開催予定だった11月14日の各種委員会、同15日の定例理事会は中止となる。大橋委員長は「支出を減らすための検討を今後も続ける」と述べた。
また、以下の外郭団体への委員派遣を承認した。
▽「【第二期】フューチャー・ブックストア・フォーラム」委員=藤原直(日書連副会長)田江泰彦(同「ためほんくん」部会長)石井和之(同事務局長)▽「日本出版インフラセンター(JPO)雑誌コード管理委員会」委員=柴﨑繁(日書連副会長)▽「日本出版インフラセンター(JPO)日本図書コード管理センターISBN付与対象外商品の流通検討会(仮称)」委員=岩瀬且敏(大谷書店)、小澤誠(日書連事務局総務部長)、ほか3名

出版物へ軽減税率適用を/出版4団体、活字議連に要望書

〔消費税問題〕
6月20日、日本書籍出版協会(相賀昌宏理事長)、日本雑誌協会(石﨑孟理事長)、日本出版取次協会(古屋文明会長)、日書連(大橋信夫会長)の出版4団体は連名で、活字文化議員連盟の山岡賢次会長に「出版物消費税率軽減に関する要望事項」の文書(別掲)を提出。出版文化の衰退を招くことがないよう、消費税率引き上げの際には出版物へ軽減税率を適用するよう求めたと面屋委員長が報告した。

〔出版物消費税軽減に関する要望事項〕
【消費税率引き上げの際には、書籍・雑誌等の出版物は現行の税率に据え置くこと(=軽減税率の適用)を要望します】

現在、衆院では消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案の審議が続いており、与野党間でも修正議論が終盤を迎えています。このような状況の中で、出版界として出版物の軽減税率に対する考え方を要望書と致しましたので、格別の取り扱いを図られるようお願い申し上げます。
軽減税率は、いち早く欧州が付加価値税での導入をしておりますが、書籍・雑誌に対する税率は、イギリスは標準税率20%に対してゼロ税率、ドイツは標準税率19%に対して7%、フランスは標準税率19・6%に対して書籍7%雑誌2・1%、スウェーデンは標準税率25%に対して6%となっております。EU各国は、特に2007年からは「産業の保護」「文化政策」という目的に限って軽減税率を適用しております。
とりわけ「文化政策」は文化保護や国民への教養機会の提供という観点から、文化関連の財・サービスの価格を低く抑えることを目的としています。一方日本国内では、書籍・雑誌によって普及してきた文字・活字文化はあらゆるコンテンツの源泉となっています。従いまして、書籍・雑誌等の出版物は、国民が広く平等に出版物に触れる機会が得られるために、価格を低く抑える必要があります。
2005年(平成17年)7月に「文字・活字文化振興法」が制定され、すべての国民が等しく豊かな文字・活字文化の恵沢を享受できる環境整備を国及び地方公共団体の責務として、関係機関及び民間団体等と連携、総合的な施策を策定し実施することとしています。また、学術的出版物の普及について、国が出版の支援その他の必要な施策を講ずることとしています。「2010年は国民読書年」ということから、出版界も業界を挙げて文字・活字文化の重要性を訴えて多様な読書推進運動を展開して参りました。
私たち出版界は、子どもの国語力の低下が指摘されるなか、軽減税率の適用が行われないことになれば、ますます出版物に接する機会を減少させることとなり、読書習慣の形成の上からも見過ごすことの出来ない問題であると考えております。
以上、消費税率引き上げに際しては、貴下が出版界の要望をおくみ取りのうえ、出版文化の衰退を招くことがないよう、ご配慮して頂くことを強く望むところであります。
以上

秋に実験販売実施/書店再生委「食と健康」テーマに/日書連理事会

日書連は7月19日、東京・千代田区の書店会館で定例理事会を開催。「食と健康」をテーマにロングセラー・実用書の実験販売を今秋、200書店で実施するため準備に入ったことが報告された。まず増売の実績を作り、日書連の「書店再生のための提案」各項目について出版社、取次と交渉。責任仕入と責任販売、付録組み・万引きロス・取次特急便の負担軽減による書店収益改善を目指す。
〔書店再生〕
「書店再生のための提案」について舩坂委員長が経過報告。「食と健康」をテーマとするロングセラー・実用書の実験販売を、今秋をめどに約200書店で実施するため準備を進めていることを明らかにした。協力出版社は池田書店、NHK出版、主婦の友社、新星出版社、日本文芸社の5社で、現在、関連書のリストアップを進めている。これをもとに委員が様々な書店に合ったセット組みを検討する。セット内容が決まった後、出版社と正味や報奨など条件について話し合う。
舩坂委員長は「6月6日に開かれた大阪屋友の会連合大会で、同会の田村会長と大阪屋の南雲社長が日書連の書店再生のための提案に理解ある発言をしてくれたという。我々の運動への大きなエールだ。われわれ書店は一生懸命本を売るので、出版社や取次は日書連が提案する書店収益改善を目指すための5項目の提案に協力していただきたい」と述べた。
〔児童書増売・書店くじ〕
日本児童図書出版協会とタイアップして行う「心にのこる子どもの本秋・冬セール」は219点・252冊を「絵本」「読物」「遊びと学習」「読み聞かせにふさわしい絵本」の4ジャンルに分けて用意。送品条件は7ヵ月長期委託。申込締切9月5日。発送10月中旬予定。
春の書店くじ特賞当選者は以下の8名に決まり、図書カード5万円分を贈呈する。カッコ内は発券店。
北海道河東郡・斉藤昌子、宮城県仙台市・安井由美、神奈川県横須賀市・黒田絹代(金文堂信濃屋書店)、神奈川県川崎市・福永怜平(有隣堂新百合ヶ丘店)、神奈川県大和市・児島正哉、東京都新宿区・栗原浩美、東京都武蔵村山市・高橋正芳、愛知県名古屋市・柳原陽子

震災復興基金募金箱設置に協力を

〈大震災〉出版対策本部では、「大震災出版復興基金」の店頭での募金活動に協力を呼び掛けている。協力書店には、アクリル製ブック型の募金箱と店頭掲示用ポスター、送金用の郵便振替用紙を送付する。振込料は本部負担。募金を送金することで書店に税金はかからない。問い合わせは所属の書店組合へ。

新理事長に小野正道氏/岡山総会

岡山県書店商業組合は6月22日、ピュアリティまきびで第25回通常総会を開催し、組合員81名(委任状含む)が出席した。
総会は事務局・林氏の司会で進行。吉田達史理事長が開会あいさつのあと、6期12年にわたり務めた理事長を退任すると述べた。このあと小野正道専務理事を議長に議案審議を行い、平成23年度事業報告、収支決算報告、平成24年度事業計画案、予算案などすべての議案を原案通り承認可決した。任期満了に伴う役員改選では、提案のあった理事を選び、新理事長に小野正道専務理事を全員一致で選出した。
引き続き岡山県警本部の杉田明生警部より「犯罪の起きにくい社会作り推進・応援企業の募集について」の要項説明が行われた。このあと記念講演会を行い、岡山外語学院の片山浩子委員長が「岡山で暮らす外国人留学生―多文化社会の一環として―」をテーマに講演した。講演には2名の留学生が同席した。
(荒木健策広報委員)
〔岡山組合新役員〕
▽理事長=小野正道(小野書店)
▽副理事長=長田勝志(オサダ文昭堂)春名武(昭文堂書店)
▽専務理事=山田泰(山田快進堂)

「たくましい日書連作ろう」鈴木会長が呼びかけ/日書連関東ブロック会

日書連関東ブロック会(鈴木喜重会長)は7月8日、茨城県水戸市「ホテル・テラス・ザガーデン水戸」で総会を開き、千葉、神奈川、栃木、群馬、埼玉、茨城の6県組合理事長および理事、オブザーバーら総勢24名が出席した。
今年の総会は茨城県書店商業組合が設営。同組合・美野輪博一副理事長の開会の辞で始まり、同組合・塚越賢次理事長が担当県として震災、竜巻被害のお見舞いに感謝の意を表したあと、鈴木会長があいさつ。「日書連は12年度赤字予算を編成したが、よりたくましい、各書店のための日書連を作りたい。各県組合も新しい動きを察知して一致結束してやり抜こう」と呼びかけた。
続いて日書連・大橋信夫会長による挨拶文を司会の茨城組合・高木祐治副理事長が読み上げた。この中で大橋会長は「日書連は中小書店が取り組むことのできる事業を推進し、安心して書店業に邁進できる環境整備、書店経営の糧となる提案を行っていく」として、関東ブロック会が日書連の中心的役割を果たしていることに謝意を示した。
鈴木会長を議長に議案審議を行い、各県組合が共同購買事業などの取り組みを報告。日書連への要望として①日書連総会は各県理事・組合員だけでなく傘下の構成員を入れて行うべきだ②公正な監査にて予算を発表してほしい――を決議した。(高橋雅夫広報委員)

義援金2500万円を配布/震災で組合の存在意義再認識/福島総会

福島県書店商業組合は6月25日、郡山市磐梯熱海温泉「ホテル華の湯」で第28回通常総会を開き、組合員39名(委任状含む)が出席した。
総会は鈴木雅文副理事長(昭和堂)の開会宣言のあと、西猛理事長(西沢書店)があいさつ。「東日本大震災で、福島県は放射能汚染という今まで経験したことのない被害を受けた。そうした中で組合活動をやっていて良かったと感じるのは、日書連が被災地を支援するため義援金を集め、福島県にも約2500万円を3回に分けて送ってくれたこと。これを組合員に配ることができた。こうしたことは組合があるからこそできる」と述べ、震災によって組合の存在意義を再認識できたと指摘した。
太田浩之理事(佐周書店)、工藤達夫理事(くどう書店)を正副議長に議事を進行し、事業報告、事業計画案、決算報告、収支予算案などを原案通り承認可決した。事業報告では、震災の影響で2書店が閉店したほか3書店が廃業し、今年4月現在の組合員数は前年比5店減の70店になったことを報告した。また、日書連から昨年4月8日に震災見舞金として1組合員あたり1万円で総額77万円、また同9月28日に2120万160円、同11月21日に369万595円を東日本大震災義援金として受け取り、組合員全員に被害状況を自己申告してもらった上で、これに基づき理事会で各組合員ごとに査定し被害状況に応じて義援金の金額を決定、11月15日から同30日までに振り込んだ。さらに今年3月30日には1組合員あたり4万円を配布したと報告した。
総会終了後、第31回出版物小売業公正取引協議会福島県支部総会を開催。閉会にあたり、原発事故で大きな被害を受けた南相馬市で営業する大内一俊副理事長(おおうち書店)が、避難生活や震災後の営業について次のように語った。
「原発事故の影響で2ヵ月間避難生活を送った。南相馬に帰り営業を再開したのは5月の大型連休後。非常に稀有な経験をした。暗闇の中に放り込まれたような不安を抱えながらの避難生活だったが、店に戻るとお客様がたくさんお越しくださり、その時は本屋冥利に尽きた。本屋をやっていてよかったと久しぶりに思った。ただ子供がまだ戻って来ていないので学参などは売れない。年配のお客様が多く、売れ筋は震災前からガラリと変わった。言いたいことは山ほどあるが、文句ばかり言っても仕方がない。不安定な状況に合わせて、店も柔軟に変化していくしかない」

FBF第2期事業などを承認/JPO・平成24年度定時総会

日本出版インフラセンター(JPO)は6月18日午後3時から、東京・新宿区の日本出版会館で平成24年度定時総会を開催し、会員43社が出席した。
冒頭で相賀昌宏代表理事(小学館)が近年の活動について言及。「インフラセンターは今年4月に10周年を迎えた。総務省の委託事業として一昨年に『次世代書誌情報の共通化に向けた環境整備』の実証実験を行い、この結果を受けて昨年4月に近刊情報センターを立ち上げた。また経済産業省から書籍等デジタル化推進事業を受託し、『フューチャー・ブックストア・フォーラム』(FBF)で検討して報告書を提出した。今年は4月に雑誌コード管理センターが雑協からJPOに移管された。現在、経産省から受託した『コンテンツ緊急電子化事業』を着々と進めている」とあいさつした。
続いて相賀代表理事を議長に選任して議案審議を行い、平成23年度活動報告、決算・監査報告、平成24年度活動計画、予算など全ての議案を原案通り承認可決した。
FBFは経産省から第2期継続活動の要請があったことから、今年度は「ネット書店に負けないリアル書店の活性化」をテーマに、出版文化産業振興財団(JPIC)と共同で事業を進める。検討体制を一部変更して、①客注商品の迅速配送研究②書店ブランドを活かした新ビジネスモデル研究③リアル書店の新業態研究――の3つの検討ワーキンググループを設置し活動することとした。
コンテンツ緊急電子化事業は、2百超の出版社から1万5千タイトルの電子化申請が行われており、6万タイトルを目標に電子化を進める。
日本図書コード管理センターは、2011年度のISBN申請件数が1053件と過去最多になった。対象外の商品までISBNが表記され販売される事例が増えているため、出版社に注意を喚起していく。
近刊情報センターは今年3月末現在、278出版社、10取次、17団体が情報発信者として、書店74法人、10取次、17団体が受信者として参加している。
2011年度は、一般社員としてインプレスが加入。賛助会員としてインテージ、シー・エム・エスが加入した。

絵本マイスター事業立ち上げへ/絵本・日本プロジェクト

文字・活字文化推進機構の「絵本・日本プロジェクト」(髙橋小織会長・BOOKS隆文堂)は6月19日、東京・新宿区の日本出版クラブ会館で活動報告会を開催した。
報告会では、文字・活字文化推進機構の肥田美代子理事長が「当プロジェクトは、2010年の国民読書年の主旨に基づき、多くの子どもたちに絵本を伝えていこうという目的で始まった。昨年度は読育と食育のコラボレーション『よむよむ・もぐもぐ広場』を東京、福岡、仙台で開催した。いずれも大変な盛況で、私たちは、絵本を真ん中にすれば人の心は温かくなるし、大きな輪が生まれるということを学んだ。この運動をさらに国民運動として盛り上げていきたい」とあいさつした。
続いて、髙橋会長が同プロジェクトの概要について、①絵本マイスター事業②電子等未来志向の書店活性化事業③ギフトパッケージ④PR事業・イベント⑤絵本賞⑥その他貢献事業――の6事業を展開していくと説明。加藤真由美事務局長(トーハン)が11年の活動報告として、「よむよむ・もぐもぐ広場」3会場の模様を紹介した。
髙橋会長は12年度の活動計画について①絵本マイスター事業を立ち上げ、養成講座を設立する。②PR事業・イベントは9月29・30日に静岡市のツインメッセ静岡で、来年1月19・20日に東京・渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催する――と説明した。

婦人部研修会「あじさいの会」開く/鹿児島組合

鹿児島県書店商業組合は恒例の婦人部研修会「あじさいの会」を6月22日・23日に開催した。
黒木淳一厚生委員長の企画によるもので、錦江湾をフェリーで横断し、昼食に福山の黒酢料理を堪能した。午後は、えびの高原荘で「日本一『広辞苑』を売った男が語る外販の秘訣」と題して、阿久根市のブックセンター書林社長で読書推進委員長の永里省吾氏がジョークを交えながら熱のこもった講演を行った。「販売目標を明確にする。一日の販売数を設定する。ライバルをつくる。常に販売先を考える。一日一日休まずに積み上げていった努力が日本一という結果につながった」と話し、講演後会員からは「明日からの外販の糧になった」との感想があった。
夜はお馴染みのカラオケ大会で大いに盛り上がり、日頃のストレスを解消し、明日の英気を養うこととなった。2日目は霧島神宮と高千穂牧場を観光し、午後に散会した。
(和田豊広報委員)

「声」/CCCの図書館指定管理者進出に危惧/日田市・ブックスプラザひぐち・樋口文雄

佐賀県武雄市が、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を指定管理者として市図書館の運営を委託するという報道がありました。
行政側は、市民に本を読んでもらうことの意義が分かっているのか疑問です。それは、市民に読書を広め、人としての生き方や、未来を見つめる考え方、他の人の考え方等を、読書によって多く学ぶことこそが基本であると考えます。本を読むことで、CCCの運営する「Tポイント」を与え、他のサービスにも使用できるということでした。公共図書館の読書に営利主義を持ち込んでよいのか、考えさせられます。
そのほかにも、時間延長、休みなしの図書館運営が必要でしょうか。パフォーマンスだけで取り入れてもらっては困ります。今地方の小さな書店は非常に苦しい経営を強いられております。地域の経済向上があってこその地方経済ではないでしょうか。
今こそ全国の書店業に関わる皆様で声を上げるとともに、武雄市民の良識ある態度を期待しております。

各地の万引対策を報告/高齢者の犯罪が増加/万防機構総会

全国万引犯罪防止機構(河上和男理事長)は6月11日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で平成24年度通常総会を開き、83名(委任状含む)が出席した。
総会の冒頭、所用で欠席した河上理事長の代行であいさつした山村秀彦総務委員長は「万引き犯罪の認知件数は平成22年に14万8371件と平成20年から増加傾向が続いていたが、平成23年は14万1562件と僅かだが減少傾向になり、平成19年の状況に戻った。検挙者の年齢構成は65歳以上の高齢者が25・8%と年々増加している。万引き犯罪は青少年の犯罪から成人の犯罪に変化したと言わざるを得ず、憂慮すべき状況。会員、関係団体、関係官庁のご協力をいただきながら、万引き犯罪防止に尽力していきたい」と述べた。
議案審議では、平成23年度事業報告、平成24年度事業計画案などすべての議案を原案通り承認した。
総会終了後に行われた第2部「専門団体の提案・各地の取り組み・調査報告」では、加藤和裕調査研究委員長(三洋堂書店)が「平成23年度全国小売業万引被害実態調査報告」、北海道大学の瀧川哲夫名誉教授が「平成23年度万引に関する全国青少年意識調査報告」を説明。また、佐藤聖理事が今年2月に提言したマイバッグ使用マナー・万引品処分市場・万引犯の店内確保の3つの課題について経過報告した。続いて全国各地での万引防止対策が報告され、京都府で活動する学生防犯ボランティア「ロックモンキーズ」と京都府警本部生活安全企画課犯罪抑止対策室の後藤教利警部補が活動内容を紹介し、埼玉県警本部生活安全部少年課の森山稔課長補佐、香川県警本部生活安全部生活安全企画課の堀江良英課長補佐がそれぞれ地元の取り組みを報告した。

人事

【◎昇任、○新任】
★日販(6月28日付)
代表取締役社長古屋文明
代表取締役副社長〔システム部担当、物流部門総括〕
◎平林彰
専務取締役〔マーケティング本部長(流通改革推進グループ、書籍部、雑誌部担当)、取協担当〕安西浩和
同〔営業全般(支社、営業推進室、CRM事業部、取引部)、商品開発部担当〕
吉川英作
同〔CVS部、ネット事業部担当〕加藤哲朗
常務取締役〔首都圏支社担当〕廣谷繁樹
同〔特販支社長〕吉島哲夫
同〔中四国・九州支社長〕
根岸眞
取締役〔ネット事業部長〕
大河内充
同〔特販支社特販第一部長〕髙瀬伸英
同〔物流部門担当、王子流通センター所長〕髙田誠
同〔総務部長、経理部長〕久保朗
同〔関西・岡山支社長〕
奥村景二
同〔東部支社長〕
○大久保元博
同〔経営戦略室長、人事部長〕○宮路敬久
同〔MPD代表取締役社長〕○清地泰宏
同〔カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役社長〕増田宗昭
常勤監査役石田正樹
同○兼子信之
監査役〔新潮社代表取締役社長〕佐藤隆信
同〔税理士法人髙野総合会計事務所総括代表公認会計士〕髙野角司
柴田克己代表取締役会長は顧問に、石田耕二専務取締役はMeLTS代表取締役社長に、兼子信之取締役は常勤監査役に就任。井上顯一常勤監査役は退任した。
★大阪屋(6月27日付)
代表取締役社長南雲隆男
常務取締役〔営業本部長、商品流通本部統括〕
中田知己
取締役〔管理本部長、EC事業部長、関連会社担当〕
荻田日登志
同〔商品流通本部長、東京支社長、総務管理部長〕
和田年正
同〔商品流通本部副本部長、東京ブックシティ所長、仕入部担当〕○古市恒久
取締役・非常勤〔キャップ書店代表取締役〕西洋一郎
同〔マルサカブックサービス代表取締役〕阿部修嘉
同〔大阪屋物流代表取締役〕森田俊郎
常勤監査役北口明彦
監査役桑原豊
同増田和彦
執行役員〔管理本部副本部長、経理部長〕福田広志
同〔営業本部副本部長、取引部長〕鳥居進
同〔営業本部副本部長、営業促進部長、大阪屋友の会事務局担当〕小山登
同〔営業本部営業促進部長〕鎌垣英人
同〔営業本部営業促進部長〕竹中繁輝
同〔商品流通本部副本部長、大阪流通センター所長〕
○木村展幸
伊勢久雄取締役は常勤顧問に就任。非常勤顧問の髙橋繁氏、髙岡博氏は退任した。

電子書籍を書店経営の力に/日書連電子書籍対応部会・鶴谷祿郎部会長/東京国際BFセミナーから

日書連電子書籍対応部会の鶴谷祿郎部会長(青森県五所川原市・鶴常書店、前青森県書店商業組合理事長)は、7月6日の東京国際ブックフェア専門セミナーで「電子書籍をこれからの書店経営の力に~紙と電子の融合によって書店の経営革新と新しい市場の創出を~」と題して講演した。
〔紙も電子も書店で扱うべき〕
2010年にさまざまな電子書籍サービスが登場し、マスコミが電子書籍元年と書き立てました。日書連の中にも、電子書籍が増えると我々の商売は一体どうなるのだろうという危機感がありました。そこで、日書連の指導教育委員会で研究を始め、理事会でも勉強会を行いました。
今まで我々は読者のために本の出会いを作り、良書の普及に努めてきました。また読者のいろいろな要望を出版社、取次に伝えてきました。これは書店の当然の使命と考えてきましたので、紙であれ電子であれ、読者に対してはやはり書店が責任を持つべきであると一致しました。それで日書連としても取り組んでいかなければいけないテーマだということになったのです。
出版業界は、1996年から右肩下がりです。こういう時代ですから、出版社や取次は効率主義で、大書店やナショナルチェーンに優先的に商品を配り、全国の中小書店は欲しい本がなかなか手に入りません。半ば諦めかけていたところに電子書籍が登場し、これで何とかできないかという見方が出てきました。その中で、指導教育委員会に電子書籍対応部会が設置されることとなりました。
部会で提携する会社はないかと調べていたところ、ウェイズジャパン(以下ウェイズ社)から、電子書籍市場において書店の役割をしっかり確保する形で、電子書籍事業を始めたいという提案がありました。大手書店が提携してやっている電子書籍サービスはいくつかありましたが、中小書店を対象にしたビジネスモデルはここだけだったのです。ウェイズ社からは「書店は地域の読者や社会と密接に関係している強い絆がある。私たちもこれを重視したい」という話をうかがい、これならパートナーとして大丈夫だと腹を固めました。それで昨年6月30日、日書連は電子書籍事業に参入すると正式に発表し、準備に入りました。
〔ロイヤリティを永続的に還元〕
部会では、事業モデルの設計や、各種契約書のひな型作りをしました。昨年12月15日、日書連とウェイズ社は「電子書籍販売事業基本協定書」を締結しました。その第1条に事業の目的として「文字活字情報文化の振興のために実施するものであり、これからの読者の読書生活と書店事業の発展に寄与する事業でなければならない」と定めています。我々の仕事は文字活字文化を広めることであり、電子書籍もその路線の1つだという認識です。
また部会では、各書店組合とウェイズ社が締結する「電子書籍販売事業基本契約書」や、書店とウェイズ社が結ぶ契約書のひな型を作成しました。具体的な事業は、各組合が主体となって行います。
電子コンテンツを販売するのは、ウェイズ社が運営するプラットフォーム「雑誌オンライン+BOOKS」です。電子書籍サービスの参加書店は、店頭で、電子書籍の購入に使うプリペイドカード3種類(1500円、3000円、5000円)を販売します。お客様が購入してプラットフォームで会員登録すると、購入したお店の所属ユーザーとして認識されます。以降、お客様が電子コンテンツを購入した金額に応じてロイヤリティが各組合に支払われ、読者の所属書店に分配されます。
このようにロイヤリティが永続的に入るのが、日書連の事業モデルの大きな特色です。現在、いろいろなプラットフォームが出ていますが、我々が主流と位置づけられるよう頑張っていかなければならない。そのためにも、全国にある地方出版物も配信するようにしたい。他のプラットフォームにはないものをという意識で、日本の全ての文字活字文化を配信するサービスにしたいと考えています。
青森県組合は今年1月19日にウェイズ社と第1号契約をして、1月31日に青森市で事業開始の共同記者会見とセレモニーを行い、電子事業サービスを開始しました。東京組合でも同日に先行販売という形でスタートしました。現在、ウェイズ社と契約を締結した組合は15組合、参加書店が139店になっています。今年度は事業の第1期として、店舗参加率30%超を目標にしており、各組合で研修会を開いていただきたいと要請しています。
〔需要の創造で収益性改善図る〕
事業を始めてふた月ほどたってから参加書店にアンケート調査を行いました。今後3年間の時間軸の中で、事業に対する要望や期待することを聞いたところ、すぐに実現を望むのは「コンテンツを充実して欲しい」ということ。1~2年の間では、アマゾンが既に行っている「いろいろな読者サービスシステムを構築して欲しい」ということ。3年目では「電子書籍が書店の安定した収入源になっているようにする」ということでした。日書連はこの3点にスピード感を持って取り組まなければいけないと思っています。
電子書籍の可能性についてはいろいろと言われています。品切れや絶版については、ブックオンデマンドサービスで対応できる時代になってきている。また、店頭に並んでいる商品とはひと味違う商品を扱うことも今後の課題です。将来的には各組合でそれぞれに特色ある事業展開を図っていくことも考えています。
いま書店が非常に疲弊している理由は、何も品物が欲しいときに来ないというだけではない。品揃えのために在庫を多く持たないと競争に勝てない現実があります。書店に電子書籍を加えることで、在庫投資を軽くし、資本回転率をアップして書店経営の改善を図りたい。第2期以降のテーマとして取り上げていくところです。
検討を進める中で、電子書籍というのは、読者サービスのシステムや、店頭で読者が閲覧できる情報サービスのシステムが整わないと、紙のように販売促進をかけるわけにはいかない商品であるということがわかってきました。ウェイズ社には、早急にシステム開発してほしいと要請しています。紙と電子が融合していく中で、いろいろなタイプの書店が生まれてくる。その具体例についても今後研究していく方針です。
この事業はまだ始まったばかりですが、確信を持って言えるのは、電子書籍とは紙の書籍と対にあるものだということです。出版社には紙と電子両方のコンテンツを揃えていただきたいと思います。電子書籍を導入することによって、今まで全国の中小書店が苦労してきた物流問題を解消するばかりでなく、紙と電子を結びつけることで新しい需要を生み出し、書店経営の収益性の低さを解決してくれるものと期待しています。
地域の医療を担当する地域のお医者さんというのがあります。「おじいさんとお父さんがガンで亡くなっているから、あんたはガンの健診をまめにやってくれよ」というように、家族構成などをよく知っているお医者さんが健康を心配してくれる。同様に、「お孫さんが生まれましたね」というように本に関してこまごまとしたことに対応できるのは地域の書店だと思っています。電子書籍はそれを復活させてくれる商材であると期待しております。
かつて、多くの書店創業者に志がありました。文明開化の明治時代は、教育制度の整備とともに、教育と文化の普及のために書店は全国に広まっていきました。戦後は、民主主義と平和主義、自由と文化の普及のために、戸板に古本と雑誌を並べ書店を開いたという今日の大書店の創業者も数多くおります。
電子書籍の時代となって、地域の書店は高度情報化社会の中での情報弱者への対応を含めた、地域のコミュニケーションセンターとしての役割が期待されております。電子書籍は正に志を持つ書店の復活を成す商材となるものと考えております。

6月は4・3%減少/新書の売上増加率がプラスに/日販調べ

日販営業推進室調べの6月期書店分類別売上調査は、対前年売上高増加率が4・3%減と先月を1・5ポイント上回った。
雑誌は全体で2・9%減と先月から0・5ポイント減少した。月刊誌は、先月を2・1ポイント上回り3・8%減。前年に女性ファッション誌が売行き良好だった影響により、引き続きマイナスとなった。
書籍は全体で5・9%減と、先月から3・6ポイント上昇。文芸書は25・4%減と先月を3・2ポイント下回った。前年は『心を整える。』(幻冬舎)が売上を大きく伸ばしていたほか、『日本男児』(ポプラ社)『真夏の方程式』(文藝春秋)など好調だった銘柄の反動を受け、今月もマイナスが続いた。新書は、先月を22・2ポイント上回り7・0%増。今年多方面でメディア露出のあった『聞く力』(文藝春秋)など売上好調銘柄の影響で、プラスに転じた。

大阪、京滋、兵庫が合流し関西日販会を設立/初代会長に長谷川氏

大阪日販会(長谷川政博会長)、京滋日販会(冨田英男会長)、兵庫日販会(田中俊宏会長)は6月5日、大阪市北区の日販堂島ビルで、会員数154名の関西日販会設立総会を開催した。
冒頭、関西日販会の設立趣旨を発起人の長谷川会長があいさつし、「大阪日販会が10年前から始めたオオサカパンパクに京滋日販会、兵庫日販会の会員の皆様も大いに参加していただけるようになった。これを契機に一緒にやらないかということになった」と説明。「関西を1つの単位として全域で活動していく。活動の主体は『やる気をもとう会』『儲けよう会』『楽しもう会』の分科会が中心。学び、売って儲けて、楽しむというサイクルを完成させる。売ったという実績、他地域より一歩前を行く結果を出せる集団を目指す」と述べた。
役員は、初代会長に長谷川氏、副会長に冨田、田中の両氏が就任した。

計画販売制施策など説明/小学館12年下期企画発表会

小学館(相賀昌宏社長)は7月4日、如水会館で2012年下期企画発表会を開き、「創業90周年記念企画」や計画販売制施策等について説明した。
冒頭で小学館早川常務は「小学館では創業以来一貫して2つの大きな底流がある。1つは、小学校教育に資する出版活動をしていこうということ。今日説明する『子ども大百科大図解』は、満を持しての新企画。理数系に強い子どもに配慮をした編集をしている。もう1つは、日本や日本人をテーマにした出版物で、『日本美術全集』『大辞泉第二版』は極めつけの企画だ。昨今の経済環境や大震災など、我々日本人は下を向くような機会が多くなっている。日本人が作り育ててきた文化の素晴らしさを今一度多くの方に見てもらい、誇りや自信を取り戻すことが一番重要だと思っている」とあいさつした。主要企画は以下の通り。
◇『日本美術全集』全20巻
古代の縄文・弥生の造形から現代の美術までを網羅し、時代巻とテーマ巻で立体的に構成、最新の研究成果を紹介する。第1回配本は12月5日に『法隆寺と奈良の寺院(第2巻)』、第2回配本は2013年2月25日に『若冲・応挙、みやこの奇想(第14巻)』。以降、偶数月25日に発売。B4判256頁・上製函入、定価各巻1万5750円(税込)。
◇『大辞泉第二版』
総項目25万語を収録、付属のDVD―ROMのデータは2015年まで毎年1回(計3回)無料で更新する。類語・漢和辞典としても利用できる多機能辞典。B5判変型・上製ケース入り・上下巻・総頁数3968頁で11月2日発売。2013年12月末日まで特別価格1万2600円(税込)、以降の価格は1万5750円(税込)。
◇『キッズペディアこども大百科大図解』
『21世紀こども百科大図解』を全面リニューアルした最新版。話題のテーマを盛り込んだ104項目を収録。身のまわりのモノから最先端科学まで、大迫力のビジュアルで徹底図解する。A4判変型上製・224頁、定価3780円(税込)。11月30日発売。
計画販売制は、『日本美術全集』第1回・第2回配本と『こども大百科大図解』、8月8日発売予定の『神さまのカルテ3』(税込定価1575円)で実施する。このうち『日本美術全集』『こども大百科大図解』は計画販売と委託販売併用で、計画販売は書店出し正味65%、返品40%の歩安入帳。『神様のカルテ3』は計画販売のみで受注し、書店出し正味70%、返品55%の歩安入帳。

生活実用書/注目的新刊

クールビズが浸透してきたといえばそれまでだが、最近特にノーネクタイ、ノージャケットの人が増えてきた。それがだらしない感じだという世代がとっくにリタイアーしたことを考えると、明らかに時代の空気が変わったと言える。ノーネクタイでもきちんとした印象にするには、清潔感はもちろんなのだが、一つ問題がある。突き出た腹をどう凹ませられるか、である。
植森美緒著『腹だけ痩せる技術』(メデイアファクトリー新書051740円)は自らダイエットに失敗した経験を生かし、今では減量後の体型を維持しているという健康運動指導士が説く、腹だけスリムにする処方箋。
植森式ドローインの基本はお腹を凹ませるだけ、という簡単なもの。まず、背筋を伸ばす。背筋が曲がっていると背中や尻の筋肉が働かないために、自然と腹がたるんでくる。姿勢を正して腹を凹ませると、筋肉の形状記憶効果で腹囲が減り、続けることで腹回りの脂肪が燃える。そしてエネルギーを消費しやすい体になって、痩せる。このように段階的に効果を得られる。
①背筋を伸ばす②肩を後ろに引く③お腹を凹ませる、とこれだけのことで、飛び出たお腹に決別ができるという。
タイプ別のやり方など、イラストでわかりやすく紹介しているから、すぐにもできそう。ストレッチや効果的な運動の方法も解説する。
森俊憲著『読む筋トレ』(扶桑社新書078700円)は、ボディデザイナーが教えるフィットネスプログラム。
ダイエットはもう古い!という。いわゆる減量は食事、体重、脂肪など引き算で達成するが、そうではなくて、自分が思い描く体になれるようさまざまな要素をプラスしていくと、結果としてお腹も凹んでくるという「ボディデザイン」が著者の主張である。
ここでも、ウォーキングは非効率な運動の代表選手である。まず一日5分のお手軽な筋トレから始めよう、と提唱するのは、簡単だから継続できるということでもある。
たとえばステップ1は下腹のたるみを引き締める「レッグレイズ」。①仰向けになり両手を水平に②膝を伸ばしたまま足を真上にし③ゆっくり足を床すれすれまで降ろす。10回が目安。いずれも薄着の季節に欠かせない本である。
(遊友出版斎藤一郎)

発行高21年ぶり600億円割る/回収高も減少/日本図書普及決算

日本図書普及は6月29日の第52回定時株主総会を前に同18日、記者会見を開き、濱田博信社長と平井茂取締役が第52期(平成23年4月1日~平成24年3月31日)の決算概況を発表した。
発行高は583億300万円(対前年比12・5%減)、回収高は図書券15億4900万円(同17・6%減)、図書カード576億8200万円(同6・2%減)、合計592億3100万円(6・5%減)と、発行高、回収高ともに前年から減少した。合計発行高が600億円の大台に届かなかったのは21年ぶり、回収高が600億円を下回ったのは19年ぶりとなる。
これについて濱田社長は「震災以降、卒業式や入学式の取り止めなどもあり、図書カード最大の贈答シーズンを直撃した。また、前期は66億円あった家電用エコポイントの交換商品としての需要も、今期は16・9億円に減少した」と説明した。
期末の加盟店は7802店(同322店減)、設置店は1万618店(同247店減)と、いずれも減少した。
収益面は、エコポイントの売上減少により売上高は1億6864万円と大きく落ち込んだが、発行が伸びなかったことで発行諸費用も減少したため営業損失は24億9300万円と微増にとどまった。運用については株式市場等の上昇に合わせて有価証券売却益の捻出を行ったが、当期は投資損失引当金の計上があり、当期純利益は5億5500万円(同27・0%減)といずれも減少した。
役員人事は、岩佐豊常勤監査役(ダイヤモンドファンド社)、郷田照雄(栗田出版販売)、西村俊男(日書連副会長)両監査役の3氏が任期満了となり、全員留任した。
53期の見通しについて、濱田社長は「発行高600億円の回復を目指す。そのためにキャラクターカードの発行、新聞等への宣伝キャンペーンの展開をを行う。また、次世代カードの構築について引き続き研究を進める」と述べた。