全国書店新聞
             

令和5年7月15日号(後)

2023年韓国書店業界視察レポート/出版文化産業振興財団

出版文化産業振興財団(JPIC)は、4月24日~26日に日書連や日本出版取次協会の幹部らとともに韓国の公共図書館・書店・出版社・関係省庁を訪問し、現状調査や意見交換を実施。6月2日付で報告書「2023年韓国書店業界視察レポート」を発表した。この訪問でJPICは、韓国の公的組織で出版文化・産業支援の中心を担う「韓国出版文化産業振興院」と国際業務交流協約を結んだ。今後、両国の出版文化産業の発展と交流の増進へ積極的に協力し、読者が書店に足を運びたくなる環境作りを共に目指していく。以下にレポートの全文を掲載する。
〔はじめに〕
一般財団法人出版文化産業振興財団(以下、JPIC)(理事長:近藤敏貴)では、兼ねてより関連書籍や論文・レポートなどを通して韓国の出版文化・産業支援を研究し、当地の取り組みが今後の日本の書店産業活性化に役立つと考え、日本書店商業組合連合会(日書連)や日本出版取次協会(取協)の幹部と共に、4月24日から26日まで、韓国の公共図書館(自治体)・書店・出版社・政府機関を訪問し、実態のヒアリング調査や意見交換を行った。
3日間という短い日程であったが、官民を合わせて様々な立場の方から話を聞くことが出来たため、一方的な意見の聞き取りに留まることなく、複数の視点、視座から韓国の書店産業の実態について多くのことを学べる、非常に有意義な訪問となった。
本報告書では、視察とヒアリング調査によって得た、韓国出版市場の現状、特に官民による書店産業及び出版産業支援の実態などについてレポートする。
視察概要
○訪問:大韓民国(ソウル市他)
○期間:2023年4月24日~4月26日
○主催:JPIC
○団長:JPIC・近藤敏貴理事長(トーハン)
○参加者:8人(注1)
○取材先(注2):ソウル市中央図書館(Director/Oh Ji Eun他)、韓国書店組合連合会(Chairman/Jongbok&#44