全国書店新聞
             

平成19年4月1日号

第8回ネット謝恩フェア/91社1479点を半額で/書協

書協は4月20日からインターネット上で出版社91社の共同企画として第8回出版社共同企画「期間限定謝恩価格本フェア」を実施するが、このほど、同フェアの規模として出版社91社が1479点、1万8731冊を出品し、定価、価格の半額で販売することが明らかになった。
書協はインターネット上で出版社91社共同企画として「期間限定謝恩価格本フェア」を開催する。03年秋に第1回フェアを開催して以来、これまで春の「こどもの読書週間」、秋の「読書週間」に7回開催しており、第8回目となる今回のフェアも、出版社がインターネットを利用して「謝恩価格本」を読者に直接販売する。
フェア実施は「こどもの読書週間」を中心に4月20日(金)から6月20日(水)まで。出品は91社、1479点(うち部分再販品15点)1万8731冊で、昨秋の第7回に比べ社数で8社少なくなった。これについて書協事務局では①出品できる商品がなくなった、②教科書の時期なので人手が足りない、③年に1回に決めている――と、出版社の事情を説明している。
販売価格は「定価」「価格」(税込)の半額だが、読者は送料・手数料として1件につきカード決済300円、代金引換は送料・手数料500円を負担。1500円以上購入の場合、カード決済は無料、代引き手数料200円が購入者負担となる。期間終了後は、出品書の多くが定価販売に戻される。サイト名は「バーゲンブック.jp」(http://www.bargainbook.jp)
なお、出版社が共同して再販問題等に取り組む実験小売店舗「ブックハウス神保町」と、5月3日から5日まで上野公園中央噴水池付近で開催する「上野の森親子フェスタ」でもネット出品書籍を販売する。
参加出版社
明石書店、あかね書房、旭屋出版、明日香出版社、家の光協会、和泉書院、岩崎書店、印刷学会出版部、潮出版社、NTT出版、大月書店、学芸出版社、学習研究社、角川SSコミュニケーションズ、角川学芸出版、角川グループパブリッシング、金沢倶楽部、河出書房新社、紀伊國屋書店、ぎょうせい、京都大学学術出版会、近代映画社、くもん出版、研究社、工業調査会、工作舎、講談社、光文社、国土社、径書房、小峰書店、三興出版、三修社、三省堂、三省堂企画、実業之日本社、思文閣出版、集英社、出版ニュース社、主婦と生活社、主婦の友社、小学館、祥伝社、情報センター出版局、女子パウロ会、新水社、新星出版社、青弓社、世界文化社、創元社、第三書館、TAC出版、大日本絵画、淡交社、筑摩書房、中央公論新社、テレビ朝日、東京大学出版会、東京電機大学出版局、東京美術、どうぶつ出版、東方出版、東方書店、東洋館出版、朱鷺書房、ナツメ社、南々社、二玄社、日外アソシエーツ、日本エディタースクール出版部、日本経済評論社、日本実業出版社、日本文芸社、日本放送出版協会、農山漁村文化協会、NOVA出版局、白泉社、PHP研究所、東山書房、双葉社、文一総合出版、文藝春秋、文研出版、平凡社、ベレ出版、ポット出版、ポプラ社、丸善出版事業部、森北出版、理論社、路傍社

読書ノート4万部配布/帯コン課題図書増売へ/大阪組合

大阪府書店商業組合は3月17日午後2時より組合会議室で3月期理事会を開催した。
【総務・財務委員会】
5月18日午後1時半よりホテルモントレ・グラスミアで総代会を行うが、支部推薦理事、ブロック推薦理事名簿の提出があった。一部ブロック推薦理事は未調整で、次回理事会までに各ブロックと相談する。
今期決算で組合賦課金収入は減ったが、経費を節減した結果、昨年並みの税引き前利益を確保した。
【読書推進委員会】
「本の帯創作コンクール」運動は課題図書の実売に結びついていないため、応募締め切りを9月10日に繰り下げる。宣伝面では組合員にチラシを配布して徹底を図るほか、朝日新聞に記事掲載を増やすよう働きかける。
展示会と表彰式は11月24日(土)に行い、1部表彰式のあと、2部で小学館の協力によりTVアニメ「ドラえもん」の「のび太」の声優・大原めぐみ氏による「読み聞かせ」を行う。
「読書ノート」は18年度後期の50冊読了者が3600名を超えた。朝日新聞社から「氏名掲載基準を50冊から低学年150冊、高学年70冊に引き上げて欲しい。低学年の100冊以上149冊まではネット媒体『アサヒコム』で発表したい」と要請があった。数回の調整を重ねた結果、「読書ノート」の仕様を変更し、昨年より1万部多い4万部を無償配布する。また、書店卸価格85円で1万部を頒布する。
【出店問題委員会】
3月16日にアバンティブックセンターOMM店と彩都店、旭屋書店なんばパークス店の出店説明会を開催した。OMM店は地下鉄・谷町線の沿線客とOMMビルテナント社員を顧客に想定。彩都店は、5年後の住民は5万人になる予定だが、今のところ居住者は2千世帯。近隣に製薬会社等が進出してくる予定で将来に期待していると言う。
旭屋書店・なんばパークス店は、近くに自社のなんばシティ店もあり、新業態での出店という説明だった。家具などを展示した売場に、関連書籍を展開、カフェも併設する。商品数としては雑誌、文庫、新書が多い。同形態の出店は金沢・三田に次ぎ、3店目。
「OMM店は京阪沿線の書店にも影響を及ぼす可能性があり、京阪沿線書店にも説明会の呼びかけを」と要望があり、「今後は柔軟に対応したい」との回答があった。
門真市のダイエー古川橋店にはアシーネが118坪で4月21日開店。既存店を引き継ぎ約3倍に増床してのオープンになる。説明会は地元支部と調整する。
【学校図書館・IT関連委員会】
学校図書館電算化プロジェクトチームを立ち上げる。チーフには深田理事に就任してもらう。第1回会合を5月に予定。関電システムと連絡を密にして、日書連マークを普及させていきたい。地元書店は、市場を守るために活発に活動していただきたい。
【その他】
日書連から3月決算期の取次各社返品入帳実態調査に協力して欲しいと要請があり、調査店を指名した。

輪島市11店で被災/能登沖地震

3月25日に起きた石川県能登沖地震による書店の被災状況は3月27日までの判明分で、トーハン取引書店では輪島市内の11店が商品落下、ガラス破損、建物一部被害などを受けた模様。このほか七尾市、能登町など石川県内6市5町で31店が商品落下、什器破損などの被害を受けた。日販、大阪屋取引店では重大な被災は受けていない模様。

ふるさとネットワーク/関東・東京ブロック編

〔東京〕
暖かい冬だった。全国のトップをきって染井吉野の開花を宣言した。桜が咲くと、無機質大都会・東京にも潤いと温かみが感じられる。今年の東京は桜吹雪舞う喧しい春になるようだ。22日に告示された東京都知事選は、3選を目指す現職・石原慎太郎に、挑むのは前宮城県知事・浅野史郎の他、多士済々。財政再建を争点とした03選挙は「300万票の慎太郎」が勝ったが、今回は批判を浴びた政治姿勢に「東京再起動」をキャッチフレーズに初心に帰る姿勢をアピール。一方、浅野は「日本のための東京・あなたと創り直す」を掲げ、政策の実施手順や期限、数値目標をマニフェストに表した。環境、教育、福祉はどの候補者もお題目のように挙げるが政策実行力は如何なもの?の感。その中で全国の関心を集める争点は、「2016年・東京オリンピック開催」であろう。64五輪から半世紀、戦後日本に決別した「東京オリンピック」の、再びあの感動で日本を沸かすか!それとも白紙か!候補地になる可能性の否かの話に過ぎないが、都民として1票を行使する手に重みがかかる。首都決戦は4月8日に決する。そして東京オリンピックの行方は?
(小泉忠男広報委員)
〔茨城〕
茨城の海岸線の最北端、五浦。地元の人がイヅウラと訛ったのがイヅラとなったとか?この海岸は太平洋の荒波を受け、長年の間に侵食されて出来た大小5つの入江があります。絶壁に入江が深く切り込み、崖の上のクロマツと紺碧の海が雄大で美しいコントラストを見せます。
岡倉天心はこの景観に感動し、明治末に五浦海岸の中ほどに居を構え、切り立つ崖の突端にある朱塗の六角堂で思索にふけり日本伝統美術を守り、日本を代表する画家、横山大観・下村観山・菱田春草等を育てました。
詩人の野口雨情は五浦海岸のある現北茨城市磯原に生まれました。自然を愛する心、生とし生けるものへの愛、弱者へのいたわりなどを心情とし、シャボン玉・赤い靴・七つの子・十五夜お月さん等数えきれない作品を残しました。Rock大好きの私が齢を重ねるにつれ童謡が心に沁みるようになったのはなぜでしょう?(舘野弘広報委員)
〔栃木〕
宇都宮市郊外の広大な敷地に四季の森、フラワードーム、宇都宮物産館、地ビール醸造所、農業体験施設などがある農林公園「ろまんちっく村」。中でも最も人気のある施設が「ろまんちっく温泉館」だ。
公園内に湧出する天然温泉を利用した露天風呂と内風呂を備える「ろまんの湯」、ジャグジーのほか寝湯、流水湯、歩行湯などの施設、室内プール、サウナ、そして内風呂も完備した「クア施設」、家族のレジャーや各種研修のために利用できる「宿泊施設」などがある。休憩室、食事処、ラウンジ、売店もある。「リラックス」と「健康」をテーマとした温泉館である。ろまんの湯は源泉温度43度のアルカリ性単純泉。神経痛、筋肉痛、関節痛などに効能がある。露天風呂はとても広く、周囲の山林の景色も美しい。
〔群馬〕
「あっしには関わりねぇことでござんす」。これは笹沢佐保の有名な「木枯らし紋次郎」の中の「台詞」である。生まれは上州新田郡三日月村の貧しい農家で10歳のとき家を捨て、愛を求めて彷徨う旅か、縞の合羽に三度笠、口の楊枝がヒュウと鳴ると言えば正に紋次郎の世界。小説として読まれただけでなく、市川崑監督監修、中村敦夫主演のテレビの時代劇として放映され、多くのファンを持っている。木枯らし紋次郎は架空の人物だが、群馬県新田郡藪塚本町三日月村(現太田市)は笹沢佐保氏がこの木枯らし(からっ風)の吹きすさぶ場所が正に小説の中の三日月村だとして、江戸時代後期の時代考証を基に、再現された木枯らし紋次郎の故郷なのである。この村に入ると寛永通宝を模して作られた一文銭のみ通用する。買物や食事、笹沢佐保記念館など時代物好きな人間にはたまらない。一度江戸時代を実感されてみてはいかが。(竹内靖博広報委員)
〔埼玉〕
川口市は埼玉県東部の荒川北岸に位置。江戸時代は日光御成街道の宿場町として栄え、鋳物の製造でその名を知られるようになった。川口の鋳物工業は第1次世界大戦の好況に支えられて発展し、川口は県下最大の工業都市に発展、第2次大戦後には全国有数の鋳物の街になった。しかし、1965年以降は不況や公害被害がひどくなったため、市街地から郊外へ工場の計画的移転が実施されるに至った。70年代以降、鋳物工場跡地にマンションが建設される傾向が続いている。
「鋳物の街」川口を舞台とした映画に、吉永小百合主演の「キューポラの街」(62年日活、浦山桐郎監督)がある。「キューポラ」とは鋳物を作るために鉄を溶解する溶銑炉のこと。鋳物職人の娘ジュンが貧困、差別に直面しながらも力強く生きていく姿を描いた社会派青春映画の名作だ。映画のイメージの強さによって、キューポラは川口市の代名詞ともなっている。
〔千葉〕
千葉県南東部、外房にある勝浦市は、約2万2000人と県内では一番人口が少ない市。そんな勝浦市で全国的に有名なのは「勝浦の朝市」で、石川県輪島市、岐阜県高山市と並んで日本三大朝市の一つにあげられている。
歴史は古く、安土桃山時代の天正19年(1591年)から400年の伝統を持つ。勝浦城主・植村土佐守泰忠が農業の奨励とともに土民に漁法を教え、農・漁収穫品の交換の場として市場を開いたのが始まりと言われる。当時の勝浦の産業は「勝浦3町(上町・仲町・下町)江戸まさり」と言われるほどの発展ぶりだった。
朝市で売る品は、地元農家が栽培した野菜が最も多く、このほか勝浦漁港など地元で水揚げされた海産物、干物などの加工品が中心。日曜雑貨、玩具、菓子なども出る。買い手の多くは近在の主婦。最近では出店者の高齢化が進み、後継者問題が浮上している。
〔神奈川〕
神奈川県書店商業組合は読書推進運動として「大好きな本絵画コンテスト」を神奈川新聞社とともに後援する。応募期間は4月10日まで。参加対象は県内在住の保育園、幼稚園生。8ッ切り画用紙に色鉛筆、クレヨン、クーピーなどを使って作品を描き、裏面に作品タイトル、幼稚園・保育園名、名前、連絡先を明記して応募。読書推進会賞1名、書店組合賞10名に表彰状と図書カード、他に70名にクーピー、クレパス等を進呈。問い合わせは045‐227‐0743(神奈川新聞社)まで。また、4月21日に県立神奈川近代文学館で絵本作家・なかえよしを氏の講演会と、藤沢おはなしの勉強会の読み聞かせ学習コーナーが行なわれ、書店組合が後援。入場無料だが申込制、問い合せ先は045‐210‐8347(県生涯学習文化財課)まで。組合加入書店でお客様にお知らせしたい方は県組合事務局または各支部長に問い合わせを。(平井弘一広報委員)

学校図書館の図書充実求めフォーラムを開催/全国SLAなど

フォーラム「学校図書館の図書の充実を求めて新図書整備5か年計画の完全実施をめざす」が4月3日午後3時から5時まで、東京・神楽坂の日本出版会館4階大会議室で開かれる。全国学校図書館協議会・学校図書館整備推進会議主催、学校図書館議員懇談会・日本書籍出版協会共催。子どもの未来を考える議員連盟・活字文化議員連盟・読書推進運動協議会・子どもの読書推進会議・日本児童図書出版協会後援。
当日は学校図書館整備推進会議の石井宗雄代表、学校図書館議員懇談会会長・子どもの未来を考える議員連盟会長の河村建夫衆議院議員があいさつした後、総務省自治財政局調整課の関博之課長、文部科学省初等中等教育局児童生徒課の木岡保雅課長が行政説明を行なう。また、全国学校図書館協議会の笠木幸彦理事長が「学校図書館の図書費予算化の促進」、東京都中野区立啓明小学校の安藤友子校長が「図書の充実が教育を変える」をテーマに提案を行なう。
アピール提案の後、日本書籍出版協会の小峰紀雄理事長のあいさつで閉会となる。
参加費は無料。問い合わせは日本児童図書出版協会まで。℡03‐3267‐3791FAX03‐3267‐5389

読みきかせらいぶらりい/JPIC読書アドバイザー・植村志保理

◇2歳から/『まっくらまっくら』/いちかわけいこ=文/たかはしかずえ=絵/アリス館1260円/2006・7
しろいねこがじ~っと何かを見ています。コワイけどのぞいてみたいまっくらな場所。箱の中、電気を消した暗いへやに台所、それから夜の家の外!ねこは好奇心のおもむくまま、次々にのぞいて回ります。そこにいるのはだれかしら?何かしら?ねこと一緒に探検気分をどうぞ。
◇4歳から/『いかりのギョーザ』/苅田澄子=作/大島妙子=絵/佼成出版社1365円/2006・2
ブブコさんのフライパンは、作り手の怒りをエネルギーに火をおこせます。「プンプンプリプリプンプンプリプリ」おっかない声で唱えると、おいしいギョーザのできあがり。ブブコさんたちはギョーザを食べたい一心で、怒っている動物を探しますが、とうとう誰もいなくなり…。
◇小学校低学年向き/『もくようびはどこへいくの?』/ジャニーン・ブライアン=文、スティーブン・マイケル・キング=絵/主婦の友社1365円/2005・12
楽しい時間が終わるのはせつない気分。楽しかった「時」はどこへいってしまうのでしょう。くまのスプーは自分の誕生日に「さよなら」を言おうと、もくようびを探しに出かけます。友だちのハンブーと一緒に…。でも、もくようびってどんなもの?2人はみつけられるでしょうか。

前年割れ8カ月連続/2月期は平均97・9%に/日販調べ

日販経営相談センター調べの2月期分類別売上げ調査は平均97・9%と、昨年7月から8カ月連続でマイナスとなった。
書店規模別では201坪以上が3・9%増だったほかは、すべての規模で前年割れ。なかでも50坪以下の下げ幅が4・6%減と最も大きかった。立地別もその他が0・5%増とほぼ変わらずだったほかは、すべての立地でマイナスとなった。商店街の下げが5・6%減と目立った。
ジャンル別では、前年をクリアしたのはコミック6・1%増、文庫4・2%増のみ。コミックは『のだめカンタービレ』など人気コミックの新刊が貢献して、すべての規模・立地で前年を上回った。文庫も商店街を除くすべての規模立地でプラスだった。一方、落ち込みが最も大きかったのは専門書で、12・9%の2桁減と低迷した。
客単価は0・1%増の1131・9円。

訃報

勝山守氏(元東京都書店商業組合副理事長、元日書連常任委員、江東区・勝山書店社長)
3月26日(月)午前8時43分、死去した。82歳。通夜は3月31日午後6時から、告別式は4月1日午前11時から国分寺市・東福寺むさしの斎場で営まれた。喪主は妻しづさん。

カードシステムにクイックペイを導入/トーハン

トーハンはクレジット会社15社と提携して「トーハンカードシステム」を取引先書店に提供しているが、このほど電子マネー「QUICPay(クイックペイ)」を導入する。
クイックペイは、店舗の専用端末にカードや携帯電話をかざすだけで支払いができる、サインや事前のチャージ(入金)の必要がないポストペイ(後払い)型のサービス。電子マネーの普及に伴い、利用者が拡大している。
トーハンは、現在店頭に設置している端末をクイックペイ対応機種に無償で交換する。コミックや文庫1冊など少額の支払いでも利用しやすく、スピード決済が可能な電子マネーを導入することで、顧客の利便性を高めるとともに店頭の作業効率化を図る。なお、現行のクレジットカード、デビットカードはこれまで通り利用できる。今回導入する端末はマルチ決済端末で、今後他の電子マネーも順次導入を検討していく。

トーハン/「ミセスが選ぶBOOK大賞」を応援

トーハンは〝読者発想〟の視点から売場の活性化企画につながるとして、サンケイリビング新聞社が創設した「ミセスが選ぶBOOK大賞」を応援する。
この賞は、サンケイリビング新聞社が発行する生活情報紙「リビング新聞」の創刊35周年記念事業として、同紙の読者が書店に並んでいる本の中から3つのテーマにふさわしい書籍の投票を行い、読者が著者と出版社を顕彰するというもの。
トーハンでは受賞作の商品補充が可能なオリジナル注文書を取引書店に配布、サンケイリビング新聞社のホームページから増売のためのPOPがダウンロードできるようにしている。またオンライン書店e―hon内の「うちどくホームページ」でもおすすめ本として紹介している。

催し

第8回上野の森親子フェスタが5月3日、4日、5日の3日間、上野公園中央噴水池周辺で開催される。
絵本・児童書など約3万冊の書籍を販売するチャリティ・ブック・フェスティバルのほか、東京都美術館講堂で講演会・ワークショップ、全国訪問おはなし隊による読み聞かせなどの催しが行われる。

07年版「雑誌のもくろく」発行/雑誌目録刊行会

取次8社でつくる「雑誌目録刊行会」は、全国書店で発売されている雑誌約3600誌を収録した『雑誌のもくろく2007年版』を発行した。B6変形判・288頁、頒価350円(税込み)。
誌名50音順に雑誌コード、出版社、判型、定価、刊別、発売日を掲載。週刊誌、コミックス、テレビ・ラジオテキスト、外国雑誌、分冊マガジンはそれぞれ部門を設けまとめて掲載している。全雑誌を63部門に分類して解説文を付した部門別誌名索引も設けた。
07年版では、店頭掲示用に役立つ「店名シール」と検索に便利な「インデックスラベル」を綴じ込みとして付けたほか、「主要発売日一覧」も増頁し掲載誌数を拡充した。問い合わせは、トーハン内の雑誌目録刊行会(℡03―3266―9587)まで。

中国国家図書館と友好事業継続で合意/日販

日販は3月7日、中国国家図書館との間で「日本出版物文庫閲覧室」に関する友好事業第6期契約に合意し、契約書に仮調印した。
仮調印式は中国国家図書館行政楼内会議室で行われ、日販からは柴田克己代表取締役副社長が、中国国家図書館からは詹福瑞館長が代表して契約書に署名。式には所轄官庁の中国政府文化部から周和平次官が臨席した。
「日本出版物文庫閲覧室」は1983年に日販と中国国家図書館の共同友好事業として開設。日販からは中国国家図書館が選定した主要150社の出版物が3カ月に一度贈られ、既に約25万冊・合計約9億円の新刊図書が贈られている。これらの実績に対し、2002年に中国政府文化部から日販に文化交流貢献奨が贈られた。

8月に第14回北京国際図書展示会

第14回「北京国際図書展示会」が8月30日から北京市の中国国際展覧センターで開催されるが、トーハンと東方書店が主宰する日本事務局では、現在出展社を募集している。
北京図書展は回を重ねるごとに著作権取引が活発になっており、第13回の商談件数は1万2064件と前回比約30%増加した。中国では可処分所得の増大を背景に、ファッション、料理、健康など生活の豊かさを反映したジャンルの出版物が増加。そのほか文学、ビジネス書、医書など日本の出版物に対する翻訳出版ニーズはますます高まっており、前回展示会には日本から36ブース131社が出展している。

ロングセラー絵本、ミリオンぶっく好評/トーハン

トーハンは百万部を超え今なお読み継がれている絵本73点を「ミリオンぶっく」として昨年12月より全国約2千書店で読者にアピールしているが、実施から3カ月を経て、順調な売行きで推移している。1、2月の2カ月間の実績で、施策店と非施策店のPOS実績を比較すると、非施策店の前年比96・8%に対し、施策店は110・2%と13・4ポイント上回る顕著な増売効果が表れている。
「ミリオンぶっく」は、世代を超えて多くの読者に読み継がれているロングセラー絵本をさらに多くの人に手にとってもらえるようPOPやリーフレットを作成し読者にアピール。年間を通してロングセラー絵本の増売、児童書コーナーの活性化を図るもの。
リーフレットにはロングセラー絵本73点が初版発行年代別に、累計部数・解説・画像付きで紹介されており、好評を得ている。トーハンでは書店用拡材のカード型POPやバーコード対応型欠本・発注冊子を用いて通年展開を図るよう促進している。拡材の追加注文にも応じており、リーフレット第2弾の製作も今後検討していく。

移転

◇ナナ・コーポレート・コミュニケーション
4月2日より左記に移転する。電話、FAXは従来通り。
〒160―0022新宿区新宿1―26―6新宿加藤ビル5F

世界文学全集を刊行/河出書房新社

河出書房新社は創業120周年を記念して11月に池澤夏樹個人編集による新しい「世界文学全集」(全24巻)の刊行を開始する。
ホメーロス、シェイクスピアなど古典的名作を集めた全集ではなく、20世紀後半の作品を中心に収録。アジア・南米・アフリカなど欧米以外の作品も選び、半数以上は本邦初訳または新訳。第1回はビートニク世代の名作、ジャック・ケルアック著『オン・ザ・ロード』で、青山南氏による半世紀ぶりの完全新訳。
体裁は四六判上製、平均460頁、2730円、第1回配本後、2008年1月より毎月刊行予定。

津本陽の『武士道』/三笠書房

『国家の品格』『日本人のしきたり』など、日本人の精神を見つめ直すベストセラーが続く中、新渡戸稲造『武士道』を100万部売った三笠書房から、4月上旬に津本陽の特別書き下ろし『武士道――いかに生き、いかに死ぬか』が発売される。四六判224頁、定価本体1400円。
『下天は夢か』『夢のまた夢』など戦国期から幕末を舞台にした歴史小説で知られる著者が徹底的な史料との対話で、よりリアルな「武士」の姿を描き出す。自分の能力・価値を階級から解き放ち、実力で勢力を拡大していった戦国期の武士道が、徳川幕藩体制の中で野性味を失い、精神的な檻になっていく実像に迫る名著。初版5万部からスタート。

第60期の組織改訂/日販

日販は4月1日付で第60期の組織機構改訂と人事異動を発表した。
【役員担当】
委嘱CVS部担当、解CVS部・事業戦略部担当
常務取締役鈴木暁
委嘱営業推進室長、www推進部長、事業戦略部長、解営業推進室長、www推進部長
取締役加藤哲朗
【課組織】
1、書籍部に教科書学参課を新設する。
1、雑誌部に雑誌販売課を新設する。
1、事業戦略部にレンタル事業課、セル事業課を新設する。
1、ネット事業部にネットMD課を新設する。
1、商品管理部に新刊センターを新設する。
1、書籍部教科書課を廃止する。
1、雑誌部東部雑誌課、中部雑誌課、西部雑誌課を廃止する。
1.事業戦略部DVD課、市場開発課を廃止する。
【人事】(役員待遇)*は昇進者
書籍部長(役員待遇)書籍部長*上間淳一
【人事】(部長級)
経営戦略室部長(ネット事業部部長)左田野渉
経営戦略室部長(首都圏地域部長)谷譲二
営業推進室長兼営業推進室営業推進課長*竹山隆也
営業推進室営業推進課長特販第二部長(人事総務部人事課長)*彌榮悠樹
首都圏地域COO代理兼首都圏地域総括課長(東京支店地区COO)杉本滋樹
大阪支店地区COO(北関東支店地区COO)*奥村景二
物流部門担当付部長(システム部課長)*白戸和彦
取引部勤務(首都圏地域勤務)長克征
CVS部勤務(特販第二部長)保喜裕
関西・岡山地域勤務(大阪支店地区COO・役員待遇)福田保

大賞、読者賞をW受賞/『おかあさん、げんきですか』/日本絵本賞

絵本芸術の普及、絵本読書の振興、絵本出版の発展を目的に創設された第12回日本絵本賞は『おかあさん、げんきですか』(後藤竜二作・武田美穂絵、ポプラ社)が「大賞」ならびに「読者賞」(山田養蜂場賞)をダブル受賞し、3月23日に東京・一ツ橋の毎日ホールで表彰式が行われた。
大賞以外の日本絵本賞には『うさぎのさとうくん』(相野谷由紀作・絵、小学館)、『ここが家だ:ベン・シャーンの第五福竜丸』(ベン・シャーン絵、アーサー・ビナード構成・文、集英社)、『ホームランを打ったことのない君に』(長谷川集平作、理論社)が選ばれた。
表彰式では主催者を代表して全国学校図書館協議会鈴木勲会長が「優れた絵本の読書は、その経験、思い出、感受性がこどもの成長の糧になる。今年も優れた作品が受賞された。大賞の『おかあさん、げんきですか』は、こどもとお母さんのほのぼのとしたやりとりに大変感銘を受けた」とあいさつ。
選考委員の安曇野ちひろ美術館松本猛館長が選考経過について報告したあと表彰式に移り、大賞の後藤、武田両氏とポプラ社坂井社長に賞状、トロフィーが贈られた。
また、日本絵本賞の候補作24冊を全校24クラスに2日ずつ巡回し、児童に投票させた読書指導の実践を川越市立霞ヶ関北小学校の福満芳枝司書が報告。会場から温かい拍手を受けていた。

文藝春秋営業局

(4月5日付、○昇格者)
常務取締役平尾隆弘
取締役営業担当
名女川勝彦
営業局長五井幹雄
雑誌営業部長渡辺郁夫
書籍営業部長濱宏行
文庫新書営業部長勝野聡
営業推進部長山本喜由
流通企画部長羽田昭彦
営業推進部統括次長
中村睦子
書籍営業部統括次長
○江坂寛
書籍営業部次長小菅昭治
流通企画部次長星衛
直接販売部次長
今村奈緒子
営業推進部上山貴之
書籍営業部八丁康輔

本屋のうちそと

ブログ流行りである。我が業界もアクセス数の多い人気ブログをまとめて本にしてしまえばあっという間に売れる時代。昨年の段階で868万人も登録者が存在すると言われる日本のブログ、中には一昨年、本も出したのでご存知の書店人も多いかと思うが、タレント眞鍋かをりのブログ「眞鍋かをりのココだけのはなし」のように一日5万とも30万とも言われる驚異的なアクセス数を誇る超有名ブログもある。で、それらのブログでは自分で本を出した方なら自身の本の紹介を載せているし、そうでなければ書き手が読んで面白かった本などの紹介を載せていたりするのだが、その紹介されている本の写真や書名をクリックするとまずアマゾンのHPへ飛ぶ。日販やトーハンのHPに飛ぶのは見た事が無い。アフィリエイト(紹介料支払い)のせいなのだろうが。
では大手新聞のHPではというと、朝日では本の紹介の側にアマゾン・セブンアンドワイ・楽天ブックス・紀伊國屋書店・本やタウンとリンクが並ぶ。但し本の写真をクリックするとアマゾンへ飛ぶ。トーハンは無い、セブンが有るからいいのか。読売だとクリックすると全て本やタウンに飛ぶ。出版社のHPでは自社での配送を行っている社が多いが、中には自社の本の紹介の側にアマゾンのリンクをそのまま貼り付けている社もある。もちろんクリックすればアマゾンへ飛ぶ。
売れればそれでいいのかよ、と空しくもつい愚痴る私。「降る雪の鈍き重さの年を食む」はーるョ恋。(海人)