全国書店新聞
             

平成13年5月30日号

日書連通常総会

日書連は五月二十五日午前十一時から台東区の池の端文化センターで第13回通常総会を開催。
昨年度事業報告、新年度事業計画などを可決した。
長引く出版不況と困難な経営が続く中で萬田会長はポイント・カードの対応、情報・流通ネットワークの構築、読書推進運動などの課題を示し、新年度も引き続き中小書店支援の施策を展開していく方針を打ち出した。
総会は面屋龍延理事(大阪組合)の司会、井門副会長の開会あいさつでスタートした。
会長あいさつで萬田会長は書店をめぐる経営環境について「米国経済の減速や不良債券処理の遅れで景気回復は後退の兆し。
書店業界も四年連続のマイナス成長となった」と前置きし、日書連傘下組合員の店舗数は十年前の二六%減。
九九年の実態調査では三年前に比べ経営悪化が九〇%に達していることを指摘。
「大型化、多店化、複合化、新古書店の出現などでめまぐるしい市場変化に直面している」と分析した。
一方、ここ数年、日書連の最重要課題であった再販問題については「三月に存置の決着をみた。
十年間の長きにわたる闘争だった。
二十一世紀に文化的インフラを引き継ぐ、組合員の強い意思が多くの人を動かした成果」と総括。
なお、残されたポイント・カード問題について、公取と粘り強い話し合いを行っていく方針を明確にした。
また、二十一世紀に強固な発展基盤を築くため、■情報・流通ネットワークの構築、■読書推進、■取引慣行の是正などの具体的課題をあげて、「強固な連帯とエネルギーの結集」を呼びかけた。
議案審議では議長に中村宣勝氏(神奈川組合)を選び、第一号議案の昨年度事業報告、第三号議案の新年度事業計画は、項目ごとに担当委員長が一括して説明提案を行った。
このうち再販問題では高島委員長が「再販は存続した」と高らかに勝利宣言。
弾力運用、ポイントカードについては引き続き問題点を指摘していくと日書連の方針を明確にした。
また、スタートアップ21委員会の報告では、井門委員長が■パソコンの廉価提供によるネットワークの推進、■日書連責任販売制の検討、■三週間前新刊情報に基づく事前注文制の研究などを提起した。
質疑応答、決算報告、予算案説明のあと、各提出議案を拍手で承認。
任期満了に伴う役員改選では理事五十五名と監事三名を承認し、初理事会で萬田会長を再選した。

副会長8名体制に

二十五日の定時総会では任期満了に伴う役員改選を行い、理事五十五名、監事三名を承認。
初理事会で萬田会長、井門、鈴木、今西、下向、弥富、藤原の六副会長を再選したほか、新たに北海道組合から志賀健一理事長(旭川冨貴堂)と、愛知組合から高須博久理事長(豊川堂)を副会長に選び、副会長八名体制で運営していくことになった。
志賀健一氏略歴昭和25年12月15日、旭川市生れ、50歳。
昭和51年3月立教大学社会学部卒。
47年・旭川冨貴堂取締役就任、平成元年代表取締役社長、12年6月から代表取締役会長。
同年9月から北海道書店商業組合理事長。
高須博久氏略歴昭和25年9月5日、豊橋市生れ、50歳。
昭和48年3月慶応義塾大学商学部卒。
同年・煥乎堂入社。
49年・豊川堂入社、平成6年代表取締役就任。
11年5月から愛知県書店商業組合理事長。

専門書

『Cocco』スイッチ・パブリッシング1333円4-88418-001-1
『アプリケーションソフトワードウィンドウズ版』一橋出版1000円4-8348-2013-0
『アプリケーションソフトエクセル2000初級』一橋出版1000円4-8348-2042-4
『できるWord2000』インプレス1380円4-84431-419-X
『かんたん図解Excel2000入門編』技術評論社1280円4-7741-1182-1

婦人物

『マイドールズハウス12号』デアゴスティーニ・ジャパン1324円4-8135-0178-8
『マイドールズハウス13号』デアゴスティーニ・ジャパン1324円4-8135-0179-6
『マイドールズハウス14号』デアゴスティーニ・ジャパン1324円4-8135-0180-X
『はいせんす絵本ファッション編』フェリシモ出版476円4-89432-230-7
『はいせんす絵本生活雑貨編』フェリシモ出版476円4-89432-231-5

児童書

『トレジャーストーン3号』デアゴスティーニ・ジャパン752円4-8135-0299-7
『トレジャーストーン4号』デアゴスティーニ・ジャパン752円4-8135-0300-4
『トレジャーストーン2号』デアゴスティーニ・ジャパン752円4-8135-0298-9
『いつでも会える』学習研究社950円4-05-201055-8
『とっとこハム太郎』小学館590円4-09-734264-9

コミック

『ONEPIECE(18)』集英社390円4-08-873100-X
『名探偵コナン(32)』小学館390円4-09-126162-0
『ピーチガール(10)』講談社390円4-06-341231-8
『ラブひな(11)』講談社390円4-06-312958-6
『花より男子(28)』集英社390円4-08-847349-3

地図・旅行書

『でっか字まっぷ東京23区』昭文社1200円4-398-64126-2
『東京23区』ゼンリン1143円4-432-90637-5
『青森弘前2001−02年版』昭文社781円4-398-62331-0
『北海道道路地図』昭文社2800円4-398-62331-0
『子どもとでかける長崎あそび場ガイド』メイツ出版1300円4-89577-352-3

辞書

『ジーニアス英和辞典』大修館2850円4-469-04109-2
『新明解国語辞典』三省堂2800円4-385-13099-X
『三省堂全訳読解古語辞典』三省堂2600円4-385-13343-3
『旺文社国語辞典』旺文社2700円4-01-77711-7
『ジーニアス和英辞典』大修館3250円4-469-04150-5

本屋さんのパソコン活用パート2

オフライン活用の外商管理を、実際にソフトを使われ「使ってよかった」と効果を出されている書店さんに導入決定のいきさつからその効果、今後自店のパソコン活用の夢を語っていただきました。
★秋田市のひらのや書店さん昔からの商店街が近代化事業による店舗の建て替えや広い融雪歩道の整備などで、美しい町並みに変身したのに合わせて店も9年前のリニューアルや営業時間も延長しました。
一方で少しでも時間的な負担を軽減しようと、外商事務のを手書きからパソコンに移行しました。
県外の業者さんから一式を購入し、「外商管理の機械」としての使命は十分に果たしてくれたのですが、2000年問題という難問を控えた時、現状のものをバージョンアップではなく、時代の変化に合わせて、新機種に乗り換えては?と勧められました。
でも価格が130万円と高価で決断できず、2000年まであと2ヶ月という時期に「全国書店新聞」で「楽樂……一年をふりかえって」という記事を目にし、電話でお願いして11月半ばの東京でのユーザー会を見学するため上京しました。
イマドキのパソコンになど触れたこともなく、「え〜っ、できるかな?」というのが第一印象でした。
しかし、開発メンバーは明るいテンポの関西弁で一生懸命教えてくださるし、隣の席の書店さんも親切に説明してくださるので、「できる、きっと!」と確信して「お試しCD−ROM」を手にしました。
さっそくパソコン一式を買い求め、「お試し」もそこそこに実際のデータの入れ替え作業にとりかかりました。
約800件の顧客データを1週間かけて入力し、その後3日間で定期雑誌毎の予約者名を入力しました。
(顧客名簿は旧パソコンから移送)そして新旧のパソコンを並べてのチェック作業を経て、年度末〆の12月20日に旧のパソコンでの最後の請求書をプリントしたのち、売掛残高を新しいパソコンに入力して乗り換え作業を完了しました。
正式ユーザーになって1年半、結局パソコン一式を30万円(楽樂ほんやさんソフトも含む)で揃え、作業は一段とスピードアップし、以前と比べて二分の一から三分の一の時間に短縮しました。
用紙などの消耗品も市販のA4コピー用紙を使用するので、大幅にコストダウンにもなりました。
それになんといってもメーリングリストによる安心できる「困った時の開発メンバー」のサポート体制に大満足です。
これから書店もITを実務現場で実際に活用していかねばなりませんが、「楽ほん」+インターネット+αとして活かしていこうと思っています。
特に物流拠点を持たない地方の書店にとっては、取次・出版社のインターネットでの発注システムや情報の入手など、「パソコン」は避けられない条件になりつつあるように思います。
客注品の手配に「2〜3週間かかります」よりは、「3日で入荷しますよ」とか「遅くとも1週間お待ちいただけませんか?」と答えてあげたいのです。
まだまだ初心者で、パソコンを使いこなすには時間がかかりそうですが、「楽ほん」以外にも幅広く使ってあげなくてはといろいろ挑戦の日々です。
最初のデータを登録するのは正直ちょっと大変ですが、乗り越えましょう。
初心者ならばパソコンのことがわかる友人をひとりキープしておくとより安心(開発メンバーのサポートがあっても最初の頃はやはり不安なもの)。
あとはバックアップを忘れないことで完璧だと思います。
そして「楽ほん」+インターネット+α活用をいっしょに目指しましょう。
★名古屋の東堂書店中島さん「楽樂ほんやさん」という外商ソフトがあったからこそ、大型書店出店に業態変更で対応する希望がでました。
顛末はこうです。
文具25坪、本45坪の幹線道路の路面店でそこそこの売上もありましたが、同じ取次の大型店が至近距離に出店すると知り、弱いもの潰しとも裏切られたとも想ったり、大阪から「つぼ八」の開発担当が見積に来て「5000万で繁盛店にします」と云って帰っていったり、一時は本なんて全部辞めちまおう、という声もでるなど、スタッフの誰もが未来に悲観的でした。
思案の末、店売りは文具中心にして、本は外商だけでとしました。
2000年問題もあって、今まで使っていた日販の外商システムの対応を聞くと「対応には10万円かかり、今後の機能的な改訂は考えていない」とのこと。
不安なまま他の書店用の外商システムはないかとインターネットで「書店用外商システム」を検索し「楽樂ほんやさん」とその第一回東京説明会を知りました。
使おうと思った理由は、価格面と無料試作期間がある事、書店人が作ったソフトだけあって使い勝手が良さそうで、遅れるばかりの取次のソフトより向上心のあるスタッフがサポートもしっかりしていて改訂も行っているようだし、ソフトの話だけでなく書店業務全般の問題を話しあえる「場」がインターネット上にも用意されていること、などです。
新装開店して半年たち今でこそ工房のある和紙屋を前面にだしていますが、顧客台帳1028人(うち外商口座500弱、ご来店口座164)に業転する事を伝えなければなりません。
特にご来店の取置きのお客樣164名には、店に来ても立ち読みする本すらない、そんな紙屋の東堂とそれでも付き合ってくれますか?といった文面で丁寧にお知らせしました。
「きっと半分はやめるで〜」と覚悟していましたが、なんと断ってきたのは2人だけ。
もう涙がでました。
こつこつ楽樂ソフトで外商してきた成果だと感じました。
楽樂の利点は、即、売上アップ効果というよりも、顧客管理、定期管理、雑誌管理、売掛管理などの細かい煩雑な管理がすべてこれ一つででき、これらデータを素にお知らせなどのDMが簡単に出せることです。
なにより日常的に必須の伝票発行が、早い・きれい・簡単・低コストでできるので、この仕事量の時間短縮分を店売に向けられる事が総体的な売上アップ効果に結びつく夢のある可能性を秘めています。
今後は、小学館が提案してくれたように、出版社、取次が協力してくれた上で希望書店へのパソコン設置、もっと言えば図書カードの端末レベルの簡単操作で低コストの書店専用の検索発注機器が、昨今の携帯電話の進化の如くできないものかと望んでいます。
全国の本屋さん!何をもって生き残られますか?大型店に出来ないきめ細やかな外商をするなら楽ほんのような有能な人材が不可欠です。

本屋さんのパソコン活用パート2

※「楽樂ほんやさん」ソフトの問い合わせは以下まで本屋の村SA開発集団事務局辰巳信篤〒631-0805奈良市右京1丁目3-204たつみ書店内FAX0742-71-7644e-mailbooks.tatumi@nifty.ne.jp

6月11日から優良児童図書展を開催

栗田出版販売は六月十一日から、第26回「栗田優良児童図書展示即売会」を本社新物流センターならびに商品管理センター、大阪支店、九州支店、北海道支店の五会場で開催する。
日本児童図書出版協会加盟出版社の児童書、学校図書館、幼稚園、公・私立図書館向け児童書、絵本、教育書を展示。
来場者には総合目録と兼用の児童図書注文書や、展示各出版社の最新図書目録を進呈する。
特別展示として、「読み聞かせ人気絵本」「総合的な学習・調べ学習関連書紹介」「2001国際ボランティア年関連書」「栗田児童図書基本セットモデル展示」「ヤングアダルト朝の読書関連書」の各コーナーを用意。
絵本原画展「ピーマン村シリーズ」を併設するほか、「読み聞かせの会」を各地で実施する。
児童図書展の期間は八月三十一日まで。
月曜〜金曜は午前九時〜午後五時、土曜は正午まで開場する。

◇2歳から

こいぬは、ガリバーみたいに大きくて、誰にも見つけてもらえず淋しい。
でも女の子が気づいてくれます。
こいぬが女の子と対面するシーンは、ドキッとしてウフッと笑ってしまう。
君はひとりぼっちじゃないよ。
誰かきっと待っているから。
このメッセージに勇気が沸いてくるようです。

◇4歳から

姿の見えない声に誘われて、森へ森へと進みます。
森のイメージが浮かんだとき、明るい色彩があらわれます。
でもそれは一瞬の夢。
「きみのいちばんたいせつなものが森にある」それが永遠のテーマなのかも知れません。
ゆったりとした時間の流れを感じさせるスケールの大きな本です。

◇小学校低学年向き

夏の野球大会出場がワタル君の夢。
ひとりで秘密の特訓をしていると、海の中から男の子が現れ応援します。
波をボールに見たてバットを振る、その発想にびっくり。
大胆な色づかいと躍動感あふれる筆のタッチにも圧倒されます。
リズム感のある読み方で楽しんでみてはいかがでしょう。

日販おはなしマラソン

日販が推進する書店読み聞かせ会「おはなしマラソン」が四月二十八日(一部十四日)に北海道地区の取引書店九店で行われ、合計二百九十一人(子ども百八十八人、大人百三人)が参加した。
二十八日は大型連休の初日で、書店への客足は少なめだったが、チラシや店内ポスター、会場の様子をみて集まってきた熱心な親子連れが多く見受けられた。
丸善ら・がぁーる新札幌DUO店(札幌市)では、実演者が長いおはなしを二人で分担。
風船あそびや指あそびを間に挟むなど、子どもが集中して楽しめる工夫をこらした。
同地域は読み聞かせ会の機会が少ないということで、親たちから継続を求める声が多数寄せられた。
札幌明正堂元町店(札幌市)では、参加した子どもは三歳前後が中心。
実演者は時々話しかけて注意を引き付けた。
ステンドグラス風の紙芝居に仕立てた『ナムチンカラトラヤーヤー』(松谷みよ子/小学館)に、参加者は感心しながら見入っていた。
店でも子どもの手形スタンプを台紙に押してプレゼントするなど、会を盛り上げた。
リラィアブル蔦屋書店運動公園通り店(釧路郡)では、地域の高校の先生と生徒の三人がボランティアで読み聞かせを担当。
会場は床に畳十枚を敷き詰めて春らしい色合いの飾り付けが施され、親子が一緒にくつろいでおはなしに聞き入っていた。

週刊売行き情報

5月26日の第四土曜日、毎月行っている読み聞かせを店内で開催。
その中に15回も来ている女の子が。
いつもおばあちゃんと一緒だが、今日は一人で来ていた。
(ペ)(1)『十二番目の天使』求龍堂4‐7630‐0106‐X……13冊
(2)『パスワード龍(ドラゴン)伝説』講談社4‐06‐148558‐X……10冊
(3)『ティアリングサーガユトナ英雄戦記オフィシャルプレイヤーズバイブル』エンターブレイン4‐7577‐0484‐4……9冊
(4)『めちゃイケ大百科事典』扶桑社4‐594‐03074‐2……8冊
”『チーズはどこへ消えた?』扶桑社4‐594‐03019‐X……8冊
(6)『新グッチ裕三のこれは旨い!』ブックマン社4‐89308‐431‐3……7冊
(7)『バターはどこへ溶けた?』道出版4‐944154‐35‐6……5冊
”『愛の伝説・釧路湿原』光文社4‐334‐07426‐X……5冊
”『楯』文藝春秋4‐16‐357650‐9……5冊
”『馬耳東風』集英社4‐08‐333022‐8……5冊
(11)『Hello!project2001赤』竹書房4‐8124‐0751‐6……4冊
”『三流』幻冬舎4‐344‐00087‐0……4冊
”『とっとこハム太郎ひみつじてん』小学館4‐09‐7506951……4冊
”『桜庭裕一郎写真集』角川書店4‐04‐853371‐1……4冊
(15)『時の渚』文藝春秋4‐16‐320070‐3……3冊
”『竹中教授のみんなの経済学』幻冬舎4‐344‐90003‐0……3冊
”『あなたはひとりじゃない』光文社4‐334‐97298‐5……3冊
(5月21日〜27日調べ)

週刊売行き情報

本の帯の文句一つで売行きが変わる、と実感。
『TheGoal』の帯の文字につい手が伸びる。
書名だけではどうだろうか。
ベストセラーの謳い文句に学ぼう。
(隆)(1)『十二番目の天使』求龍堂4‐7630‐0106‐X……17冊
”『チーズはどこへ消えた?』扶桑社4‐594‐03019‐X……17冊
(3)『ティアリングサーガユトナ英雄戦記オフィシャルプレイヤーズバイブル』エンターブレイン4‐7577‐0484‐4……9冊
”『ザ・ゴール』ダイヤモンド社4‐478‐42040‐8……9冊
(5)『英語は絶対、勉強するな!』サンマーク出版4‐7631‐9338‐4……8冊
”『なぜか、「仕事がうまくいく人」の習慣』PHP研究所4‐569‐61488‐4……8冊
”『みんなの経済学』幻冬舎4‐344‐90003‐0……8冊
(9)『金持ち父さん貧乏父さん』筑摩書房4‐480‐86330‐3……7冊
”『愛の伝説・釧路湿原』光文社4‐334‐07426‐X……7冊
(10)『楯』文藝春秋4‐16‐357650‐9……6冊
”『模倣犯(下)』小学館4‐09‐379265‐8……6冊
”『馬耳東風』集英社4‐08‐333022‐8……6冊
(13)『バターはどこへ溶けた?』道出版4‐944154‐35‐6……5冊
”『続コサキン☆コント集「」かぎカッコ』興陽館書店4‐87723‐135‐8……5冊
”『働くことがイヤな人のための本』日本経済新聞社4‐532‐16374‐9……5冊
”『天城峠殺人事件』光文社4‐334‐07428‐6……5冊
(5月20日〜26日調べ)

北から南から

◆北海道書店商業組合第25回通常総会六月十二日(火)午後一時から、札幌・定山渓の章月グランドホテルで開催。
終了後、午後六時から懇親会を行う。
◆第53回書店東北ブロック大会七月十二日(木)午後一時半から、福島県郡山市・磐梯熱海温泉「ホテル華の湯」で開催。
午後二時四十分から第二部として児童文学者・最上二郎氏の記念講演などを行う。
午後六時半から第三部懇親会。
翌十三日は「うつくしま未来博」観光コースやゴルフコースを設定している。

−無題−

店から歩いて五分ほどの場所に、小さな町に似合わない飲み屋街がある。
戦後まもなく駐留してきた米兵相手に畑の中に場違いなキャバレーがたちはじめ、米軍撤退後も近在の人や自衛隊員相手の店が増えつづけ、百軒近い飲食店が軒を連ねるにいたった。
この街に通いはじめて三十年、暗くなるとソワソワしだし毎日のように通った若い時代も含め、酒代と歌のレッスンにつぎ込んだ金は想像を絶する。
この界隈がバブルの崩壊後少しずつ寂しくなってきたのは商店街とも軌を一にするが、新しい店も次々と開店する。
「店は客とともに歳をとり、やがて消えていく」と言われる一方で、新しい店に客が集まり、世代交代が激しく進む。
小生も消えつつある客の一人、カラオケが楽しい年齢でもないのにまだ足が向くのは、アナログ的出会い系「ノメル友」の楽しみがあるから。
思わぬ人と出会い、昼の顔からは想像できない面を知ることが出来る。
先日の「ノメル友」は店のポンコツ車の購入先の社長、本屋のお客でもある。
無口でいつもニコニコの顔が饒舌顔に変わっていた。
これまで売りつけた本の恨みを覚悟していると、「あなたと出会っていなかったらオレはただのよっぱらいで一生を終わっていた」と泣かせる言葉、売上減にあえぐ全国の本屋に対する読者の応援歌とも受けとれ、久しぶりに力がわいてきた。
本屋を続けよう、酒飲みも断固続けよう、固い決意でシンデレラおやじは家路についた。
(どんこ水)

さしえ賞など各賞の贈呈式・祝賀会

平成十三年度講談社出版文化賞が決定、贈呈式と祝賀会が五月二十二日午後六時から、ホテルニューオータニで開催された。
今回受賞したのは、さし絵賞に西のぼる(「はやぶさ新八御用旅−東海道五十三次−」平岩弓枝作・小説現代、「華栄の丘」宮城谷昌光作・オール讀物)、写真賞に斎門富士男(新潮ムック月刊シリーズ、『トーキョーカーニバル』新潮社刊ほか一連の人物写真)、ブックデザイン賞に吉田篤弘・吉田浩美(『稲垣足穂全集』『らくだこぶ書房21世紀古書目録』筑摩書房刊)、絵本賞に大塚敦子(『さよならエルマおばあさん』小学館刊)、科学出版賞に串田嘉男(『地震予報に挑む』PHP研究所刊)の各氏。
贈呈式では、講談社野間佐和子社長があいさつののち受賞者に賞状と記念品、副賞百万円を手渡した。
続いて受賞の各氏があいさつ。
西氏は「二十一世紀の入り口で名誉ある賞をいただき、ありがたく思う。
さし絵は文章があって成り立ち自由に描ける絵とは違うが、制約の中を縫うように描くこの仕事が好きだ」、斎門氏は「女優やタレントを一冊にしたシリーズが、一つの作品と認められ賞の対象となることは今までになかったと思う。
受賞を誇りに感じる」と述べた。

人事

◇小学館(5月24日付、◎昇任、○新任)代表取締役社長相賀昌宏専務取締役(管理、営業統括)梅沢慎司同(編集統括、週刊誌局)◎白井勝也常務取締役(コミック局、情報誌局、コミュニケーション局、マルチメディア局)中村滋同(女性誌局)増井昌弘同(マーケティング局)蜂谷紀生同(総務局)五十嵐光俊同(経理局)◎堀内茂樹取締役(マーケティング局宣伝)植松国雄同(児童学習局、コミック局)千葉和治同(情報誌局)猪股光一郎同(マルチメディア局、コミュニケーション局)田辺茂男同(広告局)○後藤庄三同(女性誌局)○山岸博同(出版局)○田部井満男同(制作局)○川島隆雄同(非常勤)大竹靖夫同(非常勤)○上野明雄常勤監査役○井上敬三監査役○野口晴男同谷山尚義*田中一喜専務取締役は顧問に、本田隆正取締役は社長室顧問、藤田昌義、国近紘一取締役は退任。
◇小学館PS代表取締役社長◎国近紘一代表取締役相賀昌宏専務取締役今野勝介取締役(営業本部本部長)小泉明允同蜂谷紀生役員待遇(関西支社長)○加藤醇司監査役○本田隆正同(非常勤)○西田?*川上正取締役社長、田中一喜取締役、牛島圭輔監査役は顧問に、田口英樹監査役は退任。

読者のための施策考えよう

千葉トーハン会は五月二十三日午後一時半から千葉市のホテルサンガーデン千葉で第三十二回総会を開き、会員書店四十六名、出版社七十八名、トーハンから風間賢一郎取締役首都圏支社長など、総勢百三十八名が出席した。
総会の冒頭、堀江明会長は「出版業界は不況に強いと言われてきたが、四年連続前年割れと大変な状況になっている。
トーハンはブックライナー、e−hon、契約販売制の施策を展開しているが、書店も読者のために何ができるかを一生懸命考えたい。
バリューアップ21コンクールで千葉トーハン会は全国第十位となった。
本年もこれを上回る成績をあげたい」とあいさつした。
堀江会長を議長に事業経過報告、決算報告、事業計画案、予算案などをいずれも原案通り承認。
新年度も販売研究会、青年部会、菜の花婦人部会などで活発な活動を行っていくことを決めた。
拡販表彰では堀江良文堂など六店を表彰した。
来賓のトーハン・風間取締役は「既存書店の落ち込みは非常事態と言っていい。
『店頭の再生と創造』をテーマにこれを持ち上げることが、平成十三年度の最大目標。
ブックライナー、e−hon、契約販売制を武器に不振から脱却してほしい。
物流面では上尾計画が稼働段階に入り、桶川計画が本年から立ち上がる」と同社の施策を説明した。
記念講演ではノセ事務所代表取締役の能勢仁氏が「書店経営のクリニックについて」を講演した。

6月22日に「店長入門セミナー」

書店の新任店長などを対象にしたトーハン書店大学「店長入門セミナー」が六月二十二日午前十時から午後六時半まで東京・東五軒町のトーハン本社で開催される。
このセミナーはトーハン書店大学が書店従業員向けに開催するセミナー体系の一つ。
書店の新任店長、店長候補の中堅スタッフ、店長補佐などを対象とし、店舗運営に不可欠な基本職務の体系的な習得を目的としている。
プログラムはオリエンテーション店長のあるべき姿を追及する店のあるべき姿を追及する売場の管理情報交換会から構成。
講師は公開経営指導協会・指導部本部チーフコンサルタントの小松美雄氏。
受講料は全国書店共助会加入店は一万二千円、非加入店二万四千円。
問い合わせはトーハン書店大学事務局(03−3267−8686)またはトーハン各支店まで。

夢の持てる書店作り

昨年十一月にまとまった「書店21世紀ビジョン」(永井伸和座長)をフォローアップするため、「スタートアップ21」委員会(井門照雄委員長)が本年五月にスタートした。
永井座長からまとめ役を引き継いだ井門委員長は、スタートアップ21委員会の性格について「日書連は各委員会活動で現実的対応に終われ、中長期的ビジョンの中で動くのがむずかしい側面があり、萬田会長から長期的ビジョンを求められて書店21世紀ビジョンがまとまった。
これを絵に描いたモチに終わらせないためアクションプラン十項目を示した。
第一回会合でさらに六項目を追加し、三年以内に実現をめざしたい」と説明した。
取り組み項目のうち、三週間前出版情報では、現状は事前注文の仕組みがないため、新刊配本より遅く事前注文が届く現象が起きていることを指摘。
出版社が三週間前に新刊情報を提供し、出版前に書店が注文するシステムを研究したいと述べた。
また、出版社が雑誌年間予約者に割引きサービスを行っている問題について「書店が前金を受けられる取次システムを研究していく」と報告。
発売日のテーマでは、「沖縄に飛行機で雑誌を運ぼうという時代に、九州が三日目ではおかしい。
ドイツ、フランスは全国同時発売であり、わが国でも全国同一発売をめざすべき」だと問題提起。
「ぜひ夢を持てる書店づくりを考えていきたい」と強調した。
49L

−無題−

総会スローガン*法定再販制を維持し、出版文化の普及と読者の利益を守ろう!

−無題−

情報と物流のネットワーク化で流通改善を図ろう!*書店の組合加入を促進し、組織の強化充実を図ろう!*輸送改善による全国同一地区同時発売で雑誌の増売を図ろう!*各種読書推進運動に参加し、読書普及に努めよう!*4月23日「世界本の日=サン・ジョルディの日」を広めよう!

−無題−

書店21世紀ビジョン・アクションプランの実現をめざそう!

−無題−

検討15項目■パソコンの廉価提供で日常業務ネットワーク化■地方出版物のデータベース化■三週間前出版情報の活用で事前注文システム構築■デジタル・コンテンツセンターの研究■出版社、取次在庫情報のオープン化■ブックスタート運動のバックアップ■書店人専門教育機関の設立■日書連責任販売制の協議開始■中小書店協業化の情報収集■万引き防止システムの導入11雑誌付録問題の対応12店頭での雑誌年間予約割引システムの研究13雑誌の全国同時発売実現14地元図書館に納入できる書籍データベースの整備15書店くじなど読書推進活動の見直し

再販存続で勝利宣言

日書連が昨年全力を投入した再販問題について報告した高島委員長は「三月の公取委の最終報告は再販存続。
一九七八年、公取委橋口委員長の見直し発言以来二十三年ぶりの解決になる。
再販制度は残ったと評価している」と高らかに勝利宣言を行った。
また、三月二十三日の報告書の中で公取委が「今後も廃止について国民的合意が得られるよう努力を傾注する」としていることについては、「(結論を出しておきながら、これを否定するような)とんでもない文章で、行政の越権行為という見方もある」と、公取の姿勢を批判した。
さらに、「当面、存置する」という結論の「当面」について、公取委楢崎取引部長が「政治・経済情勢」と回答したことに触れ「学校図書館の司書は配置を決めながら当面置かなくてもいいと四十三年間放置された。
再販はきちんと残ったと考えてもらいたい」と説明した。
高島委員長はこの二十三年間にわたる戦いの中で、各県組合、全国書店が総決起大会、百万署名、地方自治体の意見書採択と全力投球してくれたことを高く評価、最終的には二百を越える意見書採択が大きな力になったことを強調した。
今後に残された課題としては再販弾力運用をめぐる問題、ポイント・カードの値引き問題について出版流通改善協議会などの場で、問題点を指摘していくという方針を述べた。
この説明に対し、出席者から「弾力運用の取り組みを明確化すべきだ」(神奈川・堀氏)「小泉内閣に対する働きかけも必要ではないか」(千葉・植田氏)「せっかく再販が守られたのに、学校教科書の納入で値引きがある」(青森・鶴常氏)などの意見があがり、萬田会長は「弾力化で店頭に一物二価が起きては困る。
正しい運用を働きかけていく。
ポイント・カードは公取委との交渉の中で明確にしていきたい」と述べ、今後の取り組みの姿勢を明確にした。

パソコン普及を支援

情報化推進問題について井門委員長は、この一年の大きな流れとして「オフコン・専用回線の時代からパソコン・インターネットの時代になった。
日本国内のパソコン普及は三千万台。
iモードを入れると端末は六千万台。
その中で書店はパソコン普及率五〇%と大きく遅れをとっている」と指摘。
この状況を打開するため小学館提供で京都組合のパソコン導入実験が四月からスタートし、書店同士でサポートする成果が上がっていることを報告した。
また、BIRDネットについては、今年三月末に従来の専用回線からインターネット回線に切り替えが完了したことを報告。
CD−ROMによる書誌情報の提供についても来年三月末で毎月の提供を中止し、以後はインターネット経由で検索する方式に改めることを説明した。
日書連ホームページ「本屋さんへ行こう」では、書店のメールアドレスを登録すれば読者からの注文を無料で配信するサービスを行っているが、登録数はまだ四百店台。
全国書店に積極的登録を呼びかけた。
決算説明の中でホームページのバナー広告について説明が求められたが、井門委員長は「現在、月間六十五万円の収入だが、月額百十万円をめざしている。
四月から読者プレゼントなどを始め、アクセス数が増えている。
出版社以外の広告も視野に入れている」と説明した。
このほか、新共通雑誌コード、ブックス・オンデマンドの現状について報告があったほか、地方出版物のデータベース化は日書連ではの取り組みとして沖縄、京都から始めたいとした。
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その他の報告事項

〔出店問題〕大店法が廃止され昨年六月一日から大店立地法が施行になったが、日書連は関係資料配布などで各県に情報提供を行ってきた事情を下向委員長が説明。
具体的な出店事例では、東京駅JRキヨスクの問題で地元書店が催事場に出店したケースが報告された。
〔発売日〕北海道と九州をのぞいて週刊誌の土曜発売が金曜発売に繰り上がった問題で、弥富委員長は「地元書店の熱意と支援の賜物。
組織の力を発揮した成果だ」とまとめた。
沖縄の週刊誌空輸については、日書連もこの運動を支援していく。
〔共同購買〕奥村委員長は、雑誌袋などの斡旋は各県組合との競合もあり、扱い数が伸び悩んでいることを指摘。
「包装紙などで要望があれば、具体的に提案いただきたい」と述べた。
〔広報活動〕辰巳副委員長から「単一業種で週刊発行の機関紙を持っているのは書店だけ。
今年度も再販問題を中心に紙面を構成、子ども読書年の活動も取り上げた」と報告。
日書連ホームページの「掲示板」コーナーの積極的利用も求めた。
一方、毎年開催している全国広報委員会議は緊縮予算の関係で今年度は開催を見送る方針を説明した。
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次期繰越損失額二千四百万円に

今年度決算は大川哲夫事務局長が財産目録、貸借対照表、損益計算書、損失処理案を報告。
経常収支で六百十万円の損失を計上したほか、株式会社出版クラブの清算に伴う有価証券清算損が二百二十万円あり、税引前で八百四十八万円の当期損失を計上。
前期繰越損失とあわせ、次期繰越損失額は二千三百九十七万円となった。
平成十三年度の予算組みでは、組合員が前年より五百名強減少し、賦課金が四百万円減少するなどを受けて、書店くじ経費の見直しなどを行い、前年より約一千万円少ない二億九千九百十万千円の緊縮予算を組んだ。

主な質疑応答

中村昭氏(千葉)返品入帳でトーハン、中央社は二十五日まで入帳している。
なぜ、どこの取次が問題と正確に指摘しないのか。
書店新聞でも取り上げないのはなぜか。
藤原取引・流通改善委員長(入帳の遅れは)すべての取次を含めての問題だ。
前に調査した結果、地域によってはトーハンも十五日くらいで止められているという意見があった。
辰巳広報副委員長書店新聞はなるべくフェアに取り上げている。
そういう不合理があるなら、「声」の欄に自分の名前を出して、ご投書いただきたい。
堀護氏(神奈川)再販運動をきちんと総括すべきだ。
弾力運用の積極的取り組みとは、ポイント・カードも含むのか。
弾力運用は単に値引きセールではないか。
中小書店は弾力運用する品物を置くスペースもない。
出版社は在庫セールに置き換えているのではないか。
萬田会長公取との再販対話は、規制研の議論を土台に業界全体の問題を捕えており、総括が小冊子になっている。
弾力化レポートも十年三月以降、毎年出している。
ご指摘の通り、書店にとっていちばん気掛かりなのは出版社が「再販は守られた。
弾力化で対応すればいいんだ」と簡単に考えられることだ。
非再販にしたものをまた再販に戻すことを考えている出版社もある。
書店店頭で混在しては一物二価になり、困る。
四団体の意見を交換する場として再販研究委員会で、正しい運用を話していく。
ポイント・カードは値引きか景品かという問題は、公取との交渉の中で明確にしていく。
公取からは画一的・硬直的運用が指摘されており、今後、取引関係の改善に運用していきたい。
下向副会長再販制度を内部から崩壊させる弾力運用には反対だが、資源の無駄使いなら読者の期待に応え、契約書に基づき制度を活用すべきだ。
ポイント・カードで値引きに当たる部分は、再販違反として契約に基づいてきちんと対応すべきだ。
明快になっていない部分は弁護しとも相談して十分検討したい。
植田栄一氏(千葉)小泉内閣の規制緩和には聖域がない。
小泉首相、田中外相などの地元選挙区で陳情して今のうちからアタックすべきではないか。
萬田会長聖域なき規制緩和ということだが、本来は政府規制の問題だった。
亡くなった文芸家協会の江藤氏は「自由な市場に介入することは規制強化」と指摘している。
その辺りから反論していきたい。
並河常任委員同一地区同時発売の方針は、全国同時発売とすべきだ。
総会は理事五十五名で成立するというが、それ以外の出席者はオブザーバーなのか。
白幡専務理事日書連の定款で総会は理事五十五名及び監事三名で構成している。
任意組合時代からできるだけ多くの書店に出席して総会を開いてきた。
これを引継ぎ、常任委員、各県の役員も出席した総会にしている。
中島俊彦氏(大阪)BIRDネットの切り替えに当たって一部混乱があったとある。
「新店長さん」は大々的にキャンペーンを張ったが、欠陥商品である。
トラブルは放ったらかしで、日書連から謝罪もない。
新しい切り替えて全国的メンテナンスができるのか。
井門情報化推進委員長ネットワークの切り替えに若干の混乱があったのは、パソコンとCSKの専用回線間のコネクションの切り替えで端末のソフト入れ替えなどを行ったためだ。
専用回線の時代から、インターネットに変わり、メトロからネットを使って管理を一元的する。
現在の情報化時代は東京地方を問わずオンライン上で保守できる。
メトロはそういう能力をきちんと持っている。
「新店長さん」でイレギュラーなことが起こっているのは、基本的に保守契約上の問題で、ソフトの欠陥があるのであれば、ソフトハウスメガと導入店できちんと議論していただき、非のあるところをはっきりさせてもらいたい。
もし事実であれば、日書連も被害者なのでメガを相手にきちんと処理していく。
中島氏日書連に責任はないのか。
井門委員長紹介した責任があるからこそ、メガと中島さんの双方の言い分を聞いている。
問題があれば第三者を入れてきちんと処理したい。
鳥井匡氏(東京)書店くじのダブルチャンス賞はナンセンスだ。
お客様が十枚送るのに八十円かかる。
八千七百名の読者の送料は七十万円、この中の百名に百万円あたってもお客様の経費でやっていることにならないか。
読者サービスなのか書店サービスなのか、はっきりした結論を早急に出してほしい。
西本功氏(奈良)TRCの装備サービスは値引きにならないのか。
下向副会長図書館、学校など公共の入札に含められる場合は例外で、通常の値引きには当たらない。
鶴屋禄郎氏(青森)看護学校に教科書一割引き納入のセールスがあった。
せっかく勝ち取った再販の順守を運動の柱にしてほしい。
萬田会長これからも再販は、再販研究委員会で継続的に取り上げていく。
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IT化の方向に活路

今西組織強化委員長は日書連の加盟書店数が二年前の九千八百六十二店から、昨年九千四百六店、今年は八千八百五十三店と年々減少傾向にあることについて、「加入促進コンクールを行い九十六店が加入したが、それ以上に脱退が多く、十分なフォローができなかった」とし、中小書店の生きる道を真剣に考えなければいけないと危機感を表明。
活性化の一つの方向としてIT化が今年の大きなテーマであることを強調した。
万引き対策については、新古書店の増加に伴い万引きが増加していることを懸念、JPICが対策を検討しているが、出版物にタグを付けることで対応することも研究したいとした。
なお、総会会場の一角で凸版印刷が開発した万引き防止セキュリティ・システムの実演が行われた。
これに関連して藤原流通改善委員長は「凸版システムは製本段階でタグを埋めるもの。
書店から版元に万引き問題の重要性を喚起してほしい」と呼びかけがあった。
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返品入帳遅れの対応

四年連続マイナスという出版業界の長引く不況を受けて、出版社の倒産が増加している。
これに伴い出版社有事の場合の返品入帳が問題になったが、藤原委員長は「取次と話し合ってきたが、ラチが明かない。
最後は取引約定書の改定までいかざるを得ない」と指摘。
関連して21世紀ビジョンで責任販売制を検討しており、「取引の形態が変われば約定書も変わる必要がある」と述べた。
返品入帳遅れの対策の問題では■決算時の恣意的な入帳遅れ、■ハンディ・ターミナルなどの機器を使っても入帳が早まらない−−の二点をあげ、一年かけて全国で定点調査を行い、再度、取次との交渉に望みたいと今後の取り組みを説明した。
昨年から始まったムックのマルHマークでは、「賞味期間としてのマークであり、返品期限ではない。
ムックは従来通りフリー入帳を確認した」と報告。
集英社が特定のCVSに促進品を提供した問題については「版元の販促企画は機会均等と透明性を原則に対応していく」とする方針を明らかにした。
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萬田会長あいさつ書店を取り巻く環境が大変厳しい中、三期目の会長をお引き受けすることとなり、身の引き締まる思いであります。
ご存知のように、我が国の経済状況は、バブル崩壊後、百三十兆円を超える数次にわたる緊急経済対策やゼロ金利政策を実施してきましたが、一時底打ち感はあったものの、米国経済の減速や不良債権処理の遅れなどとも相俟って景気回復は後退の兆しがあります。
政府は本年三月の月例経済報告で「緩やかなデフレ」との見解を示し、五月の報告では「景気はさらに弱含んでいる」とし、四ヶ月連続の下方修正となりました。
長引く不況は書店業界にも深刻な影をおとし、出版物販売額(出版科研調べ)は一九九七年を境に、前年比で連続四年のマイナス成長となっています。
具体的には、二〇〇〇年の出版物販売額は二兆三千九百六十六億円で、九七年の二兆六三百七十四億円と比べると九・一%減となり、この四年間で、二千四百八億円の減少です。
日書連傘下組合員の店舗数は、二〇〇一年四月現在八千八百五十三店。
これは十年前の九一年の店舗数一万二千十九店の二六・三%減で、十年間で三千百六十六店の減少となっているわけです。
九九年十一月に日書連が行なった「全国小売書店経営実態調査」では、三年前と比べて経営状態が悪くなったと答えた書店は、九〇%にも達し、厳しい経営環境が浮き彫りになりました。
同年の商業統計にも、全国の小売店舗数が二年前の九七年に比べ七・五%減少し、なかでも従業者四人以下の小規模店での減少が著しく一一・八%であり、構造変化が一段と進んでいることを示しています。
書店業界はいま、大型化、多店化、複合化とコンビニの乱立、新古書店の出現などの厳しい環境変化と可処分所得をめぐってゲーム・ビデオ・携帯電話との競合やインターネット書店の普及など、めまぐるしい市場の変化に直面しています。
平成三年、公取委の「政府規制等と競争政策に関する研究会(規制研)」の独禁法適用除外制度の見直し発言以来、日書連の最重要課題であった再販問題は、この三月、根幹として「存置」という決着をみました。
実に十年間の長きにわたる闘争でありました。
これも偏に二一世紀を担う若者たちに、文化的インフラを引き継ぎたいという、組合員一人ひとりの強い意志と努力が多くの人びとを動かした成果である、と考えています。
顧みると、再販廃止の危機は何回かありました。
この危機を乗り越えるにあたっての山場の一つが、平成九年十月の百万人署名の達成です。
日書連はこの署名を携えて同十二月二日、国会に請願行動を行ない、国会が沸き立つ状況を生じせしめました。
業界四団体も行政への働きかけを強める中、行革委・規制緩和小委員会は一転して廃止見送り、規制研は年内にはまとめきれず翌一月十三日にずれ込んで、「文化・公共面にも配慮」との報告書を提出しました。
この報告書を参考に、平成十年三月三十一日、公取委の見解が公表され、それは廃止の立法措置や行政措置には触れず、一定期間後(のちに十三年春まで)に存廃についての結論を得るというものでした。
同日付で閣議決定された規制緩和推進三カ年計画においては独禁法適用除外制度の見直し項目は引き継がれましたが、計画推進の骨子として、広く国民に聞く「パブリックコメント」が導入されました。
今回の結論を得るに至った国民の意見照会(パブリックコメント)の再販維持に対する多数の支持、併せて地方公共団体の二百五十通の意見書提出など、こうしたことこそが日書連が長年進めてきた運動の成果であり、今後も読者と業界三者が一体となり、より読者ニーズに応える体制づくりをすすめていくことが大切であると考えています。
また、不満を高めているポイントカード問題は、昨年数回にわたり山田担当課長と会談し、文書回答を求め、今年一月に山田課長から回答をいただきましたが、平成八年二月に改正された「景品類指定告示の適用基準」の解釈の域を出るものではなく、二月に山田会長と会談、回答は案として提示したもので、今後話し合いたい、で終っています。
昨日開催の公正取引協議会総会には、消費者取引課の寺川祐一課長に就任以来初めてご出席いただきました。
席上、景品規約は、上限を定めて不当な景品競争を抑えることに主眼があること、ポイントカードにも多数の形態があることから取引企画課とも調整し、明確化する必要があると述べられました。
業界の特殊事情にも配慮するとされ、大分柔軟な姿勢が感じられた次第です。
日書連の大多数の組合員店舗が、各地域で読者と共に歩んできた中小書店であることを考えあわせる時、日書連はこの困難な経営環境下で何をなすべきでしょうか。
もっとも大切なことは、二一世紀においても中小書店の強固な発展基盤を築くことであると考えます。
第一に、減少の一途を辿る組合員数を確保し、組織力の強化をはかること。
そのためには書店経営を支えるための様々な支援が必要であることは言うまでもありません。
中小書店の機能強化をはかるため協業化・共同化を促進する必要があります。
第二は、IT時代に即応した情報・流通ネットワークの早期構築であります。
中小企業非製造業のインターネット導入は十二年八月調査(中小企業白書)で六五・七%に達しています。
第三は読書推進。
活字離れが言われて久しい現在にあって、書店の役割は大きなものがあります。
高齢化・生涯学習社会の中でのクオリティ・オブ・ライフの提唱、地域と密着し、地域文化交流の接点の役割を果たす試み、着実に読者層を厚くしていくための「読み聞かせ」運動の推進。
書店の役割を現代に沿って見直し、読者とのより濃厚な結びつきを築くべきでありましょう。
第四は、出版・流通を含めて、デジタル化が著しい今日、現行の書店業界の制度・慣習は十分に機能していると言えるでしょうか。
タブーをタブーとせず、書店側から旧い慣行の是正、新しい取引の型を模索し、果敢に提言していくことが必要であると考えます。
こうした考えに基づいて次の平成十三年度重点目標を推進していく所存です。
1、組織強化と組合加入の促進■都道府県組合組織の強化と支援■FAX、メール通信網の整備・拡充■連帯意識の高揚と協業化・共同化の推進■アウトサイダー並びに支店加入の促進■廃業・退店要因の分析と対策2、情報と物流ネットワーク化による流通改善■パソコンの低価格導入による書誌検索と受発注オンライン化■書籍在庫情報の一元化の推進■事前注文(「これ本」と3週間前情報)のシステム作り■日書連ホームページと各県組合ホームページのリンク3、再販制度下における流通側の役割と機能■法定再販制と公正競争規約の運用明確化■読者に誤解を与える一物二価の問題と対策■時限・部分再販商品の積極的取り扱い■再販契約、自主基準の見直し4、取引慣行の弊害是正と新しいシステムの構築■自主仕入れによる増売と返品減少■委託制度の再評価と見直し■責任販売制導入によるマージンアップ確保■適正配本システムの検討5、読書推進と活字文化の振興■子ども読書推進事業への積極的参加■文化講演会の各地開催■書店くじの有効利用促進6、21世紀書店ビジョン・アクションプラン10項目の具体化昭和二十年十二月十七日、全国組織として日書連が結成されてから昨年で満五十五年を迎えました。
昨年から小林一博氏の責任編集されてきた「日書連五十五年史」が、この夏にも刊行されます。
この間に刊行された周年誌を見てきますと、それぞれの時代の諸先輩方々の弛まぬ努力の足跡を知ることができます。
この十年間、再販問題に取り組む中で我々は多くのことを学びました。
出版文化を再生するために、この間に得たものを生かし、ビジョンを共有し、目標を絞り込んで、その実現のために全力をあげていきたい。
更なる発展を遂げるまで努力し、日書連の礎を築かれた先輩に続きたいと、決意を新たにしています。
二一世紀に第一歩を踏み出すに当たり、強固な連帯と知恵とエネルギーの結集を心よりお願い申し上げて、ご挨拶といたします。
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