全国書店新聞
             

平成13年11月21日号

週刊売行き情報

現在、世界情勢の注目はアフガニスタンですが、日本にとってビジネスや政治的に重要な位置にあるのが中国。
関連本の出版も多くコーナーを作って販売中です。
(文)(1)『ジャック・ウェルチわが経営(上)』日本経済新聞社4‐532‐16400‐1……18冊
(2)『ルネッサンス』ダイヤモンド社4‐478‐32100‐0……12冊
(3)『ジャック・ウェルチわが経営(下)』日本経済新聞社4‐532‐16401‐X……10冊
(4)『ハリー・ポッターと賢者の石』静山社4‐915512‐37‐1…9冊
(5)『ハリー・ポッターと秘密の部屋』静山社4‐915512‐39‐8……7冊
”『鳥頭紀行くりくり編』角川書店4‐04‐883712‐5……7冊
(7)『〔図解〕わかる!中国ビジネス』ダイヤモンド社4‐478‐23119‐2……5冊
”『V字回復の経営2年で会社を変えられますか』日本経済新聞社4‐532‐14934‐7……5冊
(9)『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』静山社4‐915512‐40‐1……4冊
”『ドリームバスター』徳間書店4‐19‐861442‐3……4冊
”『タリバン』光文社4‐334‐03103‐X……4冊
”『日本人が知らなかったイスラム教』青春出版社4‐413‐01846‐X……4冊
”『今昔続百鬼―雲』講談社4‐06‐182221‐7……4冊
”『文明の衝突と21世紀の日本』集英社4‐08‐720015‐9……4冊
(15)『デフレに強い知的金銭生活』PHP研究所4‐569‐61844‐8……3冊
(11月11日〜17日調べ)

週刊売行き情報

タリバン政権が崩壊へと向かっている。
しかしテロの脅威はまだ続いている。
新政権には、これからのアフガンをテロリストの温床にならないようにする事を希望。
(井)(1)『ハリー・ポッターと賢者の石』静山社4‐915512‐37‐1……11冊
(2)『あいのり(3)』学習研究社4‐05‐401539‐5……8冊
(3)『十津川警部帰郷・会津若松』講談社4‐06‐182216‐0……7冊
”『新ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論(2)』幻冬舎4‐344‐00131‐1……7冊
”『ハリー・ポッターと秘密の部屋』静山社4‐915512‐39‐8……7冊
(6)『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』静山社4‐915512‐40‐1……6冊
(7)『氷雪の殺人』実業之日本社4‐408‐50385‐1……5冊
”『後藤真希写真集』ワニブックス4‐8470‐2679‐9……5冊
”『しまなみ海道追跡ルート』徳間書店4‐19‐850539‐X……5冊
”『ドリームバスター』徳間書店4‐19‐861442‐3……5冊
”『ダーク・ムーン』集英社4‐08‐774558‐9……5冊
(12)『GEとともに』ダイヤモンド社4‐478‐37384‐1……4冊
”『ルネッサンス』ダイヤモンド社4‐478‐32100‐0……4冊
”『声に出して読みたい日本語』草思社4‐7942‐1049‐3…4冊
”『今昔続百鬼――雲』講談社4‐06‐182221‐7……4冊
(16)『真・三國無双2コンプリートガイド(下)』コーエー4‐87719‐929‐2……3冊
”『お金がたまる人、たまらない人』主婦の友社4‐07‐230680‐0……3冊
(11月11日〜17日調べ)

ネット発注全面稼働

講談社は11月13日からインターネットを利用した書店の受注サイト「Webまるこ」および「総合受注センター」を開設、同日から全面稼働した。
「Webまるこ」は、これまでコミックスに限定した受注サイトだったが、文庫、新書、ムック、一般書籍と、ほぼ全ジャンルの注文に利用でき、1日24時間、年中無休で書店からの客注、補充注文を受け付ける。
「Webまるこ」を利用するには、最初に会員登録してID、パスワードを入手する必要がある。
注文の方法は■ID、パスワードを入力してログイン、■書名、ISBNなどから注文商品の検索、■補充(客注)注文入力、■注文確定−−という流れ。
その日の注文内容は「本日注文確認画面」で確認できるほか、搬入日や品切れ、重版出来日が確定している商品の保留状況を確認することができる。
さらにジャンル別・売れ行き良好書をチェックし、そこから注文画面にジャンプすることも可能。
検索した書名をクリックすると、表紙画像と内容紹介が表示される機能や、新刊・重版情報、販売情報も満載している。
一方、電話での注文は総合受注センター(03−5395−3582)に入るが、営業時間は月曜から金曜の午前9時半から午後5時半まで。
自動音声応答により注文ジャンルを選択後、受注専門スタッフ26名が応対する。
現在、インターネット環境にない書店も、Webまるこに登録してIDを取得すると、電話注文における処理や出荷確認が早くなる。
FAXによる短冊形式の注文は従来通り。
Webまるこは以下のアドレスから申込用紙をプリントアウトして必要事項記入の上、Webまるこ事務局へ。
ID・パスワード、操作マニュアルが送られてくる。
入会金・年会費不要。
http://maruko.kodansha.co.jp/shoten/講談社では、■可能な限り受注をデジタル処理化した、■取次、講談社と入り口が2つあっても受注一元化でロスを解消し、取次在庫を利用するのがWebまるこのシステム的特徴−−とし、最終的には短冊ゼロのEDI化を目指す。

都立日比谷図書館一般貸出し継続を

書協、雑協、取協、日書連、日本図書館協会など28団体は、「東京都立図書館のあり方について」の要望をまとめ、10月25日に石原慎太郎東京都知事、東京都教育委員会、都立中央図書館にあてて提出した。
都立日比谷図書館は、近年、都の財政難から資料費が大幅に削減され、一般貸出の廃止、運営効率化を追及する「中間まとめ」が検討委員会で作成されるなど都民サービスの大幅な低下が懸念されている。
要望書では、7月に作成された「中間まとめ」について、■日比谷図書館の『一般貸出の廃止』等、都民サービスとして懸念せざるを得ない、■中央図書館の児童・青少年資料を多摩図書館に移管することは、交通至便な地にある利用者の便益を軽視する後ろ向きの姿勢−−として、利用者サービスの一層の整備・拡充を求めている。

専用ホームページを開設

サン・ジョルディの日実行委員会(萬田貴久実行委員長)が11月12日午後4時から書店会館で開かれ、キャンペーン企画、日本縦断記念文化講演会などについて協議した。
企画については、キャンペーンキーワードとして昨年の「本のある生活」をさらに推し進め「本のある世界」と設定今年もイメージキャラクターに森川美穂を起用する応募型キャンペーンとして「心が揺れた一冊の本」「本のある風景」を継続実施する−−などが提案された。
また広報活動では、日書連ホームページ「本屋さんへ行こう」の中に「世界本の日=サン・ジョルディの日」専用ホームページを開設。
記念日の起源やイメージキャラクターの紹介、イベント案内、「心が揺れた一冊の本」「本のある風景」募集要綱の掲示等を行い、読者の認知拡大と、キャンペーンに参加しやすい環境作りを図ることにした。
日本縦断記念文化講演会は来年も4月から全国10ブロックで開催。
開催地は北海道ブロック=苫小牧市、東北ブロック=秋田市、関東ブロック=宇都宮市、東京ブロック=文京区、東海ブロック=岐阜市、北信越ブロック=金沢市、近畿ブロック=大津市、中国ブロック=松江市、四国ブロック=徳島市、九州ブロック=那覇市を予定している。
このうち金沢市の開催はNHK出版の協賛が決定しており、大河ドラマ放映との関係で1月に実施する。
高須実行副委員長からは、委員会の当日出版社7社を訪問して協賛を要請したことが報告された。
萬田実行委員長は「読書週間書店くじは目標には物足りないが、減少に歯止めがかかってきたと思う。
春のくじは一段と増勢に向かうよう仕掛けをしていきたい。
SJキャンペーンは世界本の日へと受け継がれ、TIBF、文化講演会へと発展している。
読書推進の相乗効果を上げられるようにしたい」と述べた。

藤原理事長が続投

宮城県書店商業組合(藤原直理事長)の第20回通常総会が11月11日、蔵王山のふもと遠刈田温泉の旅館三治郎で、55名の組合員をはじめ出版社、取次、運輸会社が出席して開催された。
総会は菅原庚一理事の司会で進行。
藤原理事長から出版物再販問題について、「存続は、公取との厳しい交渉の中、全国組合員の総力を結集して戦い取ったものであり、今後とも死守していかなければならない」と力強い報告がなされた。
事業報告・決算、予算等については原案通り承認され、平成14年度からの役員改選についても、引き続き藤原理事長体制で運営されることが決まった。
続いて、書店業務に永年貢献された功績を祝い、金港堂の武田良彦氏をはじめ30名を表彰した。
受賞者代表の片柳善雄氏(宝文堂)は「書店業界は本当に厳しい不況の時ですが、私たちも全力を尽くして頑張るので、版元・取次さんも書店のことを考え協力してください」と話した。
第二部の版元・取次の企画発表会では、講談社、小学館PS等の担当者から、年末年始商戦に向けて拡売商品の発表が行われた。
第三部懇親会は蔵王のふもとの「山の幸」が盛りだくさんで、書店・版元・取次の三位一体で盛大な祝宴となり、夜遅くまで和やかに意見を交わしながら親交を深めた。
(菅野喜広報委員)〈宮城県組合役員〉▽理事長=藤原直(金港堂)▽副理事長=鈴木久光(宝文堂)楠目成三(文星堂)小関真助(かほく書店)▽専務理事=塩川久治(塩川書店)▽会計理事=梅津理昭(きょうどう)〈永年勤続表彰者〉▽勤続30年=武田良彦(金港堂)鰹谷美穂子(興文堂書店)▽勤続25年=太田孝幸(金港堂)▽勤続20年=早坂正之(金港堂)米川善幸(アイエ書店)片柳善雄(宝文堂)日野洋美(大澤書店)▽勤続15年=大友武明、菅原真一、鈴木京子(金港堂)田口圭子(ブックスミヤギ)菅野てるこ(文泉堂本店)玉手弓子(文星堂)▽勤続10年=田高佳枝、岸波真裕(金港堂)佐藤三千代(高山書店)佐々木弘子(アイエ書店)浅川厚純(宝文堂)野中てるみ(ブックスミヤギ)佐藤芳子(ヤマテル)▽勤続5年=遠藤良、鈴木典子(高山書店)齋田忠、早坂一幸、森英樹(アイエ書店)木村泰彦、鈴木宏美(宝文堂)細川早苗(ブックスミヤギ)篠崎匠(電波堂)石川洋子(文泉堂本店)

日書連・井門副会長が講演

三重県書店商業組合(山本義雄理事長)は11月11日午後一時半から、ホテル志摩石亭で第16回通常総会を開催した。
開会に先立ち優良従業員の表彰が行われ、白揚の従業員2名が勤続20年の表彰状と金一封を受けた。
通常総会は、出席者72名(委任状含む)で総会の成立宣言が川崎理事により行われ、木村理事の司会、清水副理事長の開会宣言で開始した。
山本理事長は「創造の挑戦、団結、工夫、新世紀への活性化」を重点目標に揚げ、商業環境は悪化し苦悩する時代ではあるが、たくましい姿勢で頑張っていこうと力強くあいさつした。
物故者に黙祷を捧げたのち、別所理事を議長に審議に入り、平成12年度事業報告、収支決算報告、平成13年度事業計画案、予算等を原案通り承認した。
休憩を挟み、日書連井門照雄副会長が「書店の現状とこれから」と題して講演、日書連アクションプラン15項目が紹介された。
特に万引対策について関心が寄せられ、製本段階でタグを入れるという画期的システムの開発に、組合員一同早期に実施されることを期待して終了した。
総会終了後、場所を移して懇親会を開催。
ビンゴゲームで盛り上がり親睦を深めた。
(稲垣弘泰広報委員)〈優良従業員表彰〉勤続26年=笠木雅仁、勤続23年=瀬谷賢治(白揚)

「読書ノート」来年4月実施めざす

神奈川県書店商業組合(中村宣勝理事長)の11月期理事会が11月6日、横浜市のトーハン神奈川支店で開催された。
主な議事は次の通り。
先月の理事会で提案された小学館との共同販売促進事業「子ども向け読書ノート」は、来年4月からの実施をめざして、小学館、神奈川新聞等と協議の上詰めていくことになった。
書店に対する取次の支払い要求が最近厳しく、返品の扱いに不合理な点があること、また日本図書普及の図書券・図書カードの取り扱いに対する書店負担を改善すべきとの意見があり、書店現場の意見を反映した要望書を日書連に出すことにした。
横浜市青葉区・青葉台駅前の東急百貨店3・4階にブックファーストが500坪で出店の話があるほか、文教堂が同じ地区に300坪で出店との噂があり、組合として対応することとした。
組合員書店より、年間予約購読の読者に出版社が直接販売する時、割引するのが普通になっているが、書店を通じての年間購読にも同様の扱いができないかとの質問があり、各版元に交渉することにした。
永年勤続者表彰について、今までは申請料を書店が負担していたが、各支部の事情に即した形で支部費から負担するよう申し合わせた。
(平井弘一広報委員)

大阪教職員厚生会の図書整備事業で協議

大阪府書店商業組合(今西英雄理事長)は11月10日に理事会を開催。
大阪市教職員厚生会の後期図書整備事業が組合加盟書店を対象に実施されることについて協議した。
購入総額は8千万円の見込みで、平成14年1月末までに納入する。
また今月の組合加入は3件、脱退は廃業を中心に5件と報告があった。
11月2日大阪市北区阪急グランドビルで開催された「学校図書館整備充実フォーラム」(主催=学校図書館整備推進協)に大阪組合から5名が出席、今西理事長が閉会あいさつを行ったことが報告された。
パソコン講習はワードでPOPエクセル入門インターネットで注文の3講座を各14名で11月22日、来年1月17日、1月24日に行うことを決定した。
出店は2件、雑誌発売日違反申告は1件あったことが報告された。
また、婦人部の集まりは来年1〜2月を予定している。
(辻山昌佑広報委員)

売上いきなり9・5%増

2年前、北海道の書店「リーブルなにわ」で雑誌POPを付けて効果をあげていると聞き、当店でも雑誌POPを付けるようになった。
今では女性誌を中心に月刊誌ほぼ全点に付けている。
当店では売上の3分の1を雑誌が占める。
雑誌POPを始めた平成11年10月の雑誌売上はいきなり前年比109・5%を記録し、十一月は113・9%。
最初の1年間の平均は108・0%と驚異的な数字が出た。
最初は信じられなかったが、続けてやっていくことでPOPを付けるだけで売上が伸びることがよくわかった。
この2年間で100%を切ったことは一度もない。

雑誌手描きPOPの効力

導入にあたって、いきなり全点に付けるのは大変。
多忙な日常業務のなかでPOPを作る時間をとるのは大変なので、できるだけ簡単に素早くできる方法をとるようにしたい。
最初は女性誌を中心にやるのがいい。
「ViVi」「STYLE」などの月刊女性誌は毎回特集が豊富なので、導入にあたって一番やりやすい。

お客様の心理的要素

何を買おうか迷っているお客様にたくさん衝動買いしていただくようにするのも、POPの効果。
皆さんもお客様の立場なら、居酒屋やレストランで「今日のおすすめ」と書いてあると、頼むつもりはなくてもつい頼んでしまうのではないか。
私たち書店も、お金を出す側の心理をよく理解して売っていきたい。
出版社が用意したものや印刷されたPOPもあるが、一番効果があるのはやはり手描きのもの。
上手くなくてもいい。
おしゃれに上手く描こうというのではなく、お客様に「これはおもしろい」ということがわかってもらえればいい。

POPを描くポイント

実際描く前に、まず雑誌に合った用紙、ペンを選ぶことから始めよう。
当店ではペンは安いものを使い、用紙はケント紙を刻んで使っている。
わざわざ買う必要はない。
余った段ボールや厚紙があればそれを使えばいいし、女性だったらストッキングの真ん中に入っている紙がちょうどいいので使ってもいい。
「ViVi」は表紙を見るとオレンジとピンクが多いので、POPも同系色を使うようにする。
ロゴがオレンジならPOPもオレンジで描く。
そうすれば「これはViViのPOP」とお客様にもすぐわかる。
サイズはハガキよりちょっと大きめのもの。
字は小さくならないようにし、同じ大きさに揃えることでうるさくならないようにしている。
紙がブルーやピンクだとうるさい感じになるので、白もしくは薄い色がいい。
言葉は表紙からではなく中身の特集から拾うことが多い。
表紙は平台に並んでいるし、お客様は中吊りやポスターですでに見ているので、表紙ではなく中身の特集から「2番タイトル」を拾ってくる。
表紙にないものを出すことでお客様の選択の余地も広がる。
文章はヘタだけど絵なら描けるという人は、絵を描けばいい。
コートの絵が描いてあればコートの特集ということが一目でわかるし、化粧品の特集だったら口紅の絵を一本描いておけばいい。
絵はとても効果的だ。
なるべくお金をかけず、店にすでにあるものを使って作るのが一番いい。
見やすいものを、短時間で仕上げることが大切。
実際にPOPを描くときは、タイトルと雰囲気は表紙に合わせる実際の発売日を小さく書く内容を中心に描く。
ロゴはそれほど大きくなくても、小さめにわかる程度に描く中身から文章を拾う−−の4点に留意してほしい。

月4百万受注目指す

インターネットを利用して出版社から独自の物流ルートで客注品を調達するティーエス流通協同組合(TS組合)は、11月13日午後3時から書店会館で第2回通常総会を開き、前年度の事業報告、決算報告などを承認。
新年度は東京組合とも連携して加入促進と受注拡大を図っていくことを決めた。
総会であいさつした片岡隆理事長は「TS組合は現在152店が加盟、システム利用は毎月70店程度で、年間2800万円の受注。
発注量が減っているのは店頭の客注が減っているのか、使い勝手が悪いのか。
出版社のウェブ発注の方が簡便という評価もある。
解決には原資がいるが、受注拡大でしか原資は出ない。
赤字は昨年より減少したが、東京都からの助成がなくなれば、遠からず崩壊する懸念がある。
東京組合と補完して扱い書店を増やし、システム環境を改善していきたい」と述べた。
正副議長に三浦実(三成堂)、山辺真次(やまべ書店)を選んで議案審議に入り、事業報告と事業計画は柴崎繁副理事長、決算報告、予算案は岡嶋成夫副理事長が提案説明した。
これによるとTS組合の取引出版社は102社、参加書店152店。
昨年10月から今年9月までの売上高は2700万円。
このほかに共同購買事業として小学館の「チョコエッグ」、主婦の友社の部分再販商品などを扱った。
会員に対する受発注講習会は6回実施した。
決算では239万円の当期損失となり、前期と合わせた繰越損失は552万円。
新年度は東京都の補助金2000万円が打ち切られるものの、システム立ち上げの支出が終わったため、加入促進、受注拡大によって黒字化を目指す方針。
受注目標は月額400万円、3千件。
議事終了後、来賓の東京組合萬田理事長は「TS組合は、書店の頭越しのe−ショップ発注を懸念して、独自のe−ショップ発注を模索してきた。
客注はルートサービスを使って出版社から直送し、書店店頭で品渡しするニューモデル。
現在、取次との競合の中で伸び切れない面もあるが、実績をあげて運営してほしい。
東京組合、日書連としても共通の理解で応援していく」と、あいさつした。

本屋のうちそと

子どもが生まれ育ち、独立していく。
市外やら遠方に出ていく。
残された親が自由に生活していくのは良いが、その親も歳を重ねる。
高齢になった時に誰が親の面倒を見るのだろうか。
いま、一人暮らし、老夫婦だけの暮らしが増えている。
そうしたお年寄りを見ていると、本当に大変な思いをしながら生活している。
子ども一家が親と同じ住宅に生活することは出来ないにしても、親が歳を取ってきていることの心配と、生活への関心はあるのだろうか。
影ながら親の暮らしを気遣う人もいれば、全く関心がない人もいる。
自分達の生活で一杯なのか。
親が歳を取ってきたということを、認めたくないのだろうか。
身の回りにいる一人暮らしの年寄りは、煩わしさがなくていいと言うものの、ひとたび具合が悪くなったとき、近所に助ける人がいない。
介護保険は普及しつつあるが、まだまだ手が足りない。
一緒に住んでいる親はもう70歳。
どう見ても年寄りだが、親が風邪を引けば「しっかりしろよ、年寄りみたいだ」と言う。
まだ息子と一緒にいるのが助けにはなるが、昼間は一人きりになってしまう。
心細いことだろう。
独立して生活しているといっても、あるときは親に寄りかかって生活しているのに、親が高齢になったときは手を差し伸べない。
いつまで経っても親離れしないパラサイトシングルの裏返しだが、高齢者社会で、誰が親を支援するのか。
人ごとではない。
(とんぼ)

『食べて治す医学事典』

講談社の「2002年上期新企画販売会社説明会」が11月12日午後5時半から同社で開かれた。
説明会の冒頭、講談社浜田副社長があいさつ。
同社の最近の業績について「11月末が決算だが、売上、利益とも厳しい。
雑誌は新雑誌5誌を投入したが、売上は前年並みで収益力回復が課題。
書籍は前年のようなミリオンセラーがなく、大幅なダウンだった。
『イブニング』『スタイル』は完売店が続出している。
要は中身だ。
付録基準の緩和で各社のアイデアを競うことになったが、本末転倒にならぬよう戒めている。
流通上の問題があれば指摘してほしい」とした。
また、業界の課題として「再販弾力運用、流通改善の試みは読者のため。
思わぬところで読者に混乱を与えたり、行き過ぎては長続きしない。
三者で仕組みを作っていきたい。
講談社の総合受注センターはようやく稼働にこぎつけた。
改善に向けご叱正いただきたい。
出版のワクを越えた大競争時代はインフラ整備も協同で。
S−ブックとの相乗りもその目的だ」と述べた。
来春の主要企画説明で森コミック販売局長は雑誌の売上げ内訳について、雑誌・コミック総合では100・3%。
内訳は本誌が97・4、KC・Kキャラが102・4、マンガ文庫が127・5とした。
2002年上期新企画◇『食べて治す・防ぐ医学事典』身近な食材を使いながら食事を変えるだけで病気を予防する病気別レシピを紹介。
ABワイド判ソフトカバー512頁。
予価本体3600円。
2月下旬発売。
10万部目標。
◇『日本の洋館』(全6巻)明治から昭和にかけて建築された85館を美しい写真で紹介。
各巻144頁、オールカラー、本体3600円。
第1回配本5月、以後毎月1冊ずつ配本。
◇『平山郁夫平成の画業』(全3巻)平成元年から13年秋までの作品130点余を収録。
B4判112頁・クロス貼・箱入り、予価各巻9500円。
第1巻3月刊行予定。
1万部目標。
◇『ヴァニラ』少女マンガでは物足りない、レディースコミックはまだ早いという20代前半の女性が対象。
B5判、月刊、予価480円、オール読み切りスタイルのニュータイプのコミック誌。

新指導要領の改訂で教育市場はチャンス

東京三省研の第7回総会が9日午後4時から後楽園の東京ドームホテルで開かれ、書店57名、取次16名などが出席した。
三省堂五味敏雄社長は、「三省堂は120周年で意識改革、構造改革と、新しい時代のブランドイメージ再構築を掲げた。
メインの辞書市場も急激に変貌している。
辞書のコンテンツはiモードで1日平均15万回、ヤフー、グーが50万回、三省堂ウェブディクショナリーの15万回と合わせると1日80万回アクセスされている。
ネットの辞書と紙の辞書が併存する時代だ。
学習辞書市場は堅調で、来年四月から小・中学校の教科書が変わる。
新指導要領に沿った辞書が出て教育市場にはビッグチャンス」と、今年の課題を述べた。
続いて東京三省研武田初男理事長は「この4年間で出版業界は14%、3700億円の売上が消えた。
昨年は開業5万8千坪に対し、閉店は6万坪と廃業が上回った。
大型店が増え、中小が減っている」と現状分析したあと、「店頭情報が無料というのはおかしい。
雑誌の袋綴じなども有効ではないか。
新しい時代の書店は情報型の書店。
東京三省研では、書店店頭で辞書をどう売るか、その情報をネットワーク化していきたい」とあいさつした。
井之賢一副理事長から昨年取り上げた『グランドコンサイス英和』は目標の62%だったなどの事業報告があり、新年度は■『グランドコンサイス英和』の継続、同和英の販売、■『英語うたの絵じてん』、■『同パート2』の販売に取り組んでいくことを発表。
休憩をはさんで辞書総合部門、単品部門、名入れ部門などの販売大賞、優秀賞の書店を表彰した。
辞書総合部門の販売大賞はオリオン書房、啓文書店、久美堂、芳林堂書店、よむよむ、の5店。

柴田賞に志水辰夫氏

第14回柴田錬三郎賞に志水辰夫氏『きのうの空』(新潮社)、第25回すばる文学賞に大泉芽衣子氏『夜明けの音が聞こえる』、第14回小説すばる新人賞に松樹剛史氏『ジョッキー』が決まり、15日夕、帝国ホテルで贈呈式が行われた。
柴田賞の選考委員、黒岩重吾氏は受賞作について「欧米の作家には書けない日本人独特の感性を感じた。
久し振りに日本人を考えさせてくれた作品」と選評。
すばる文学賞は高樹のぶ子氏、小説すばる新人賞は北方謙三氏が選考経過を報告した。
集英社谷山社長は「不況が拡大し、同時テロで人々の心が荒んでいる時こそ内面生活が重要になる。
新しく開高健ノンフィクション賞を新設し、来年から募集する。
殺伐とした世の中に切り込む新しい知性を発掘したい」と意欲を述べた。

−無題−

◇東洋経済3賞東洋経済新報社の2001年度「東洋経済賞」ほか3賞が決まった。
東洋経済賞パースン・オブ・ザ・イヤーには武田薬品工業社長の武田國男氏、カンパニー・オブ・ザ・イヤーにヤマト運輸、高橋亀吉記念賞は優秀作に中央大学博士過程在学の北島啓嗣氏、アントンプレナー賞にはフューチャーシステムコンサルティング社長の金丸恭文氏が選ばれた。
表彰式は12月6日午後5時半から東京会館で行われる。
◇日経インターネットアワード2001日本経済新聞社賞オンデマンド出版サービスを提供する・ブッキングと、インターネットのフリーマーケットを提供する・ビズシークが共同運営する「復刊ドットコム」が日経インターネットアワード2001日本経済新聞社賞ビジネス部門に選定され、11月8日に表彰を受けた。
復刊ドットコムは昨年6月のサービス開始から、これまでに54点の書籍を読者の投票で復刊。
復刊を希望する書籍の登録は6千点、投票総数は8万票に迫っている。

人事異動

◇東洋経済新報社東洋経済新報社は12月21日開催の株主総会および取締役会に提案する取締役の新陣容を内定。
浅野純次社長は会長に就任し、新社長に取締役総務局長の高橋宏氏が昇格する予定。
高橋氏は昭和18年生れ、58歳。
43年、早稲田大学大学院を卒業後、東洋経済新報社に入社、編集畑を歩き、平成8年取締役情報化本部長、10年から取締役総務局長。
◇角川書店(9月30日付)営業事業部担当常務取締役本間明生*村上浩一取締役は退任し、・キャラクター・アンド・アニメ・ドット・コム代表取締役社長に就任。
(11月1日付)<機構改革>営業事業部を4部体制から、販売部、受注センター、マーケティング部、販売促進部の3部1センター体制とする。
販売部に書籍課、雑誌課、特販1課、特販2課を置く。
受注センターに注文課、管理課を置く。
マーケティング部にマーケティング課、ダイレクト販売課を置く。
販売促進部に東日本促進課、西日本促進課を置く。
<人事異動>次長(課長代理)今井克幸課長(課長代理)小川泰弘課長代理(副係長)相内仁志