全国書店新聞
             

平成17年12月21日号

SJ実行委員会丸岡委員長一行がカタルーニャ自治政府を訪問

「サン・ジョルディの日」実行委員会(丸岡義博委員長)は、11月25日にスペインのカタルーニャ自治政府を訪問し、20年間にわたって日本で展開してきた「サン・ジョルディの日」キャンペーンの経過報告をするとともに、国際交流の観点から意見交換をした。訪問したのは、丸岡委員長、高須副委員長、舩坂事務局長など8名で、自治政府は、首相部のジョルディ・メネンデス長官とサンティ・リファー局長の2人が応対した。
丸岡委員長は、「今回を入れると20年間で12回、延べ920名が本キャンペーンでバルセロナを訪れている。私どもの地道な運動が実って、日本では〝子どもの読書活動推進法〟が制定され、4月23日が〝子どもの読書の日〟になった」と報告。これに対し、ジョルディ長官は「20年の節目を記念して、来年は東京と名古屋で何か出来るのではないか。現在いろいろ考えているところ」と州政府としての考え方を述べた。
その後、丸岡委員長が「サァー本屋さんへ行こう!」というタイトルの音楽CDを製作したことを紹介し、長官にプレゼントとして現品を手渡した(写真)。
会談終了後、一行は、長官らの案内で庁舎敷地内にある子ども向け図書の常設展示館を見学した。

ハリポタ6巻は来年5月17日発売

「ハリー・ポッター」シリーズ第6巻『ハリー・ポッターと混血のプリンス』は来年5月17日に発売することが決まった。第5巻と同様に上下巻をシュリンクパック、定価本体3800円。静山社は発売方法その他詳細は後日連絡するとしている。

再販弾力運用の取り組みを報告

出版4団体で構成する出版流通改善協議会(相賀昌宏委員長)は12月9日午後3時半から、神楽坂の日本出版会館で開かれた再販関連会員説明会で、このほど発行した「2005年出版流通白書再販制度弾力運用レポート第8号」の概要を説明し、現在の再販制度の状況や、「ブックハウス神保町」「謝恩価格本ネット販売フェア」など再販弾力運用の取り組みについて報告した。
会員説明会では、冒頭で相賀委員長が「公取委や政府の中に、規制緩和の後で、既得権益にメスを入れようという動きがあるように思う。杞憂に終われば良いが日頃から準備を怠りなくしておかなければいけない。弾力運用をすれば全てが守られるというものではないが、柔軟に何らかの対抗策を示せる、そういう地道な努力が重要だ」とあいさつした。
続いて、大竹靖夫委員が『弾力運用レポート第8号』の概要を説明した。大竹委員は「公取委が再販制度の運用についての指導を具体的に、また積極性を強めている」と述べ、最近の主な動向として①昨年6月の第4回著作物再販協議会で、ポイントカードへの対応等で団体による共同行為があってはならないと指摘。また、複合出版物は再販対象外商品も含まれ、定価表記には問題があると指摘があった。②今年6月の第5回再販協議会で「謝恩価格本ネット販売フェア」の拡大と常設化を要請。③今年2月、再販運用体制について再販委員会の朝倉委員長と日書連萬田会長(当時)に、それぞれ改善を強く要請。④出版物公取協の景品規約見直しについて、年間を通じた読者サービスを要請――などを挙げた。
このうち景品規約問題について、大竹委員は「これは書店サイドのテーマだが、再販と強くかかわる問題。出版社も取次も各々の考えを強く持つ必要があるのではないかと思っている」と述べた。
再販弾力運用の取り組みについて大竹委員は「謝恩価格本販売の常設化の要請からブックハウス神保町を10月12日にオープンした。同じ日にスタートした第5回謝恩価格本ネット販売フェアは出版社82社1200点の参加となっている。公取委からマルBの押印について改善要請があったため、今年の謝恩価格本フェアやブックハウス神保町では剥がせるシールで対応している。ブックハウス神保町を開いてちょっとうれしく思ったのは、公取委の上杉総長が11月の記者会見で『現時点で再販の見直しは考えていない』と話したこと。少しは効果があったかと思っている」と述べた。
このほか、10月に再販研究委員会の規約を改正、委員長の所属団体に事務局を置くこととし、議決規定や小委員会についての条項を削除したことを報告。複合出版物については2月と9月に出版社にアンケートを実施、出版社の価格表示改善の意思は強まっていると報告した。
最後に、レポートの資料編に掲載しているトーハンと日販の書店経営調査の数値に言及して、「2004年の書店の当期利益はトーハンでは0・24%、日販ではマイナス0・27%となっている。この状況で書店に年間を通じてのサービスが求められ、どのように対応するかで書店が苦慮している。出版社としてもこのあたりの事情を踏まえていかなければならないと思っている」と結んだ。
終わりにあたってあいさつした菊池明郎・書協常任理事は、「ブックハウス神保町に商品供給の面で積極的にご協力いただきたい。東京国際ブックフェアなど読者にアピールする場がいくつかあるが、公取委や学識有識者はそういうところを丹念に見ている。こういう場を盛り上げていくためにも出版社の協力がぜひとも必要だ」と述べた。

書店経営実態調査にご協力を

日書連では、各都道府県書店商業組合加盟店を対象に「全国小売書店経営実態調査」を実施しています。この調査は、書店経営の現状を把握し、書店を活性化させる資料として役立てようというものです。調査票は、返信用封筒で日書連事務局へお送りください。調査にぜひご協力いただきますようお願いいたします。

年末年始の事務局体制

年末年始の特別体制により、日書連事務局ならびに日書連共済会事務局は、年内は12月29日(木)午前で業務を終了し、新年は1月5日(木)より業務を行います。ご了承ください。

「攻めの姿勢が活路開く」藤村書店・谷邦弘氏が講演/栗田セミナー

書店経営研究会主催の第26回出版販売実務セミナーが11月29日、東京・神楽坂の神楽坂エミールで開かれ、総勢61名が出席した。開講あいさつで同研究会会長の栗田出版販売・亀川正猷社長は「金は使うと無くなるが、知識は使えば使うほど貯まっていく。今日のセミナーを活用して知識を身につけ、行動につなげていただきたい」と話した。
第1講は日本リテイルサポート研究所の永島幸夫社長が「お金をかけずに売上げアップ!目からウロコの売場づくり術~他業種に学ぶ魅力ある棚つくり~」、第2講は藤村書店秩父店の谷邦弘店長が「自分で選んだ道だから本屋は楽しい~元気の出る書店は現場力から~」を講演した。
高校時代から本好きだった谷氏は将来書店人になることを見据えてトーハンに入社。同社退職後、家業の建築業を継ぎ、アルバイト生活などを経て、栃木県小山市の進駸堂に入社。現在は埼玉県熊谷・秩父両市で4店舗を展開する藤村書店で、秩父店店長を務めている。谷氏の講演概要は以下の通り。
「進駸堂入社当初、独自の顧客ノートを作るなどして、何かで一番になろうと努力した。教えてもらうだけでなく、自分から学ぶ姿勢が大切だ。出版社訪問も積極的に行なった。待っていては駄目。攻めている店は悪くならないし、出版社も元気な書店が大好きだ。
今年2月、23年勤めた進駸堂を退職した。本部で部長をやっていたが、やはり自分は書店が好きなので、部長ではなく店員・店長でありたい。朝から晩まで本が売れていく喜びを感じていたいと思っていたとき、藤村書店に声をかけてもらった。秩父は娯楽が少ないが本に対する意識が高い。『秩父の夜祭』という本を4百冊仕入れ、よく売れている。地元出身絵本作家のサイン会など、イベントも地域密着で行なっている。
売上が伸びないことについて、書店は自分では何もせず、人のせいにばかりしている。取次は書店をもっと叱ってほしい。そして、書店は同業者仲間を大切にし、取次を味方にし、出版社を何度も訪問する。あちこちに顔を出すことでアイデアもひらめくのだ」

地域と協力して読書推進運動展開/三重総会

三重県書店商業組合は11月19日、鳥羽市・鳥羽シーサイドホテルで第20回通常総会を開催。代議員62名(委任状含む)が出席した。
総会では作田理事長が景品、ポイントカードなど日書連が取り組んでいる諸問題について報告し、「読書推進運動を地域団体と協力して積極的に広めよう」と呼びかけた。続いて滝川理事の司会で議案審議を行い、第1号議案から7号議案まですべての議案を原案通り承認した。
このあと藤田理事の司会で講演会を実施。地元・松阪出身で「旅の手帖」編集長の中村直美氏が「旅の編集現場から」と題して講演した。
午後6時から藤田理事の司会で出版社、取次、その他来賓を交えて懇親会を催した。ビンゴゲーム、役員理事による特別ショー、マジックショーなど盛況のうちに終了した。
(藤田忠男広報委員)

出版業界の新年会日程

【組合関係】
◇出版販売新年懇親会=1月27日(金)午後5時半から神奈川・箱根湯本の湯本富士屋ホテルで開催。
〔北海道〕
◇北海道書店商業組合・在札取協・出版金曜会新年合同懇親会=1月10日(火)午後5時半から札幌市中央区のJRタワーホテル日航札幌で開催。
〔宮城〕
◇合同新年懇親会=1月6日(金)午後4時から仙台市青葉区の仙台ホテルで開催。
◇宮城県書店商業組合理事新年懇親会=1月29日(日)午後6時から仙台市太白区の秋保温泉ホテルきよ水で開催。午後2時半から理事会。
〔福島〕
◇福島県書店商業組合新春理事会=1月24日(火)午後1時から郡山市の郡山ビューホテルで開催。午後3時から新年会。
〔東京〕
◇東京組合新年懇親会=1月17日(火)午後5時半から文京区の東京ドームホテルで開催。
◇同青年部新年会=1月18日(水)午後6時半から千代田区「だんの家」で。
〔神奈川〕
◇神奈川県書店商業組合9支部合同新年懇親会=1月13日(金)午後5時から横浜市中区の華正楼で開催。
〔静岡〕
◇静岡県書店商業組合新年総会=1月11日(水)午後3時から伊東市の遊季亭で。午後6時から懇親会。
〔愛知〕
◇新春賀詞交歓会=1月6日(金)午後5時半から名古屋市千種区の愛知厚生年金会館で開催。
〔三重〕
◇三重県書店商業組合理事会・新年会=1月21日(土)。時間、開催場所は未定。
〔大阪〕
◇平成18年大阪出版業界新年互礼会=1月6日(金)午後4時から大阪市北区のホテルモントレ大阪で開催。
〔京都〕
◇平成18年京都出版業界・新年互礼会=1月13日(金)午後4時半から京都市中京区の京都ホテルオークラで開催。
〔福岡〕
◇2006年度出版業界新年の会=1月6日(金)午後4時から福岡市中央区の福新楼で開催。
【取次関係】
◇大阪屋新春おでんの会=1月10日(火)午後12時半から大阪・東大阪市の大阪屋関西ブックシティで開催。
◇栗田出版販売2006新春あいさつの会=1月10日(火)午前10時から東京・板橋区の本社新物流センターで開催。鏡開きは午前11時。
◇中央社新春会=1月10日(火)午前8時半から東京・板橋区の本社で開催。社長あいさつは午前10時から。
◇トーハン2006年新春の会=1月11日(水)午前9時から埼玉・桶川市のトーハン桶川SCMセンターで開催。社長あいさつは午前10時20分。
◇日販2006年新春を祝う会=1月11日(水)午前10時から東京・千代田区の本社で開催。社長あいさつは午前10時半から。
◇日教販第55回春季展示大市会=1月11日(水)午前9時から東京・文京区の後楽園会館で開催。

課題図書18点を選定/大阪組合本の帯・創作コンクール

大阪府書店商業組合(面屋龍延理事長)は12月10日、組合会議室で定例理事会を開催した。主な審議内容は以下の通り。
〔定款等改定委員会〕
11月15日に委員会を開催して最終原案を作成した。12月中旬に中小企業団体中央会に提示して指導を仰ぎ、その結果を待って1月理事会で総代会に提出する案を作成する。理事各位は原案を持ち帰り、1月理事会で意見集約できるようにしてほしい。
〔出版販売倫理委員会〕
「大阪府青少年健全育成条例」の改定案が成立し、来年4月から施行される。保護者の同意なしに未成年者から古書などを買い受けることが禁止になった。
〔読書推進委員会〕
2006年度「本の帯・創作コンクール」課題図書が決定。17社・18点が選定された。来年度は同コンクール表彰式と「子どもの本フェスティバル」の日程が重なることになった。細目を早い時期に決定したい。
〔出店問題・組織強化委員会〕
レディースランチの会を来年2月21日、大阪市中央区・大阪大林ビル30階のフランス料理店「ル・ポンドシェル」で実施する。会費は2500円。2名以上参加の書店は追加1人あたり5000円。募集予定は70名。
〔再販・公取協委員会〕
「雑誌『宣伝会議』が顧客に年間購読10%割引のセールを実施している」と報告があった。
〔その他〕
近畿ブロック会を2月8日に開催予定。講演会の講師を小学館・相賀昌宏社長にお願いした。在阪出版社、取次各社に呼びかけて百名ほどの参加者動員を目指したい。また、図書館電算化問題のアドバイスをもらうため、日書連・志賀健一副会長にも声をかけたい。(中島俊彦広報委員)

「京都方式の学校図書館納入」座談会

日書連マークを採用して地元書店が地元の小・中学校に図書を納入する「京都方式」が注目を集めている。学校図書館の蔵書データベース化をいち早く実現した京都市立花園小学校を訪れ、同校校長、京都市教育委員会、京都府書店組合から話しを伺った。
出席者(敬称略)
京都市立花園小学校
校長向井純子
図書主任土江田郁子
ボランティア加地茂
京都市立宇多野小学校
図書主任柳田典子
京都市教育委員会
学校経理係長有澤重誠
学校経理担当畳谷英司
京都府書店商業組合
理事長中村晃造
情報化委員長辻本和樹
日書連情報化委員会
委員長志賀健一
(司会)本紙田中編集長
日書連志賀委員長日書連では学校図書館の蔵書データベース化を目的に日書連マークを作製し、地元書店が学校図書館に納入できる環境作りを支援してきました。今後、日書連マークをよりよいものにし、普及に全力をあげていきます。まだ地域によっては学校や教育委員会に十分アプローチできない書店も多いので、京都の先進的事例を紹介させてもらいたいと思います。
司会京都市は今年から5年計画で小・中学校にパソコンを導入して蔵書管理を電算化し、情報共有化を進めていくそうですが。
京都市教育委員会有澤係長読書離れ、活字離れの対策が教育的課題となっています。子どもたちが主体的な学習を進める場として図書館の充実を図っていくことが必要です。
平成13年12月に「子ども読書活動推進に関する法律」が施行され、これに基づき京都市も学識経験者や作家など多彩な方に参画いただき、14年4月「京都市子ども読書活動の振興市民会議」を発足させました。京都組合中村理事長や、京都市小学校図書館研究会の会長である向井校長にも委員として出席いただいて10回ほど会合をもちました。全市的な子ども読書活動のアンケート調査はじめ、学校の「朝の読書」見学、図書館視察、子ども読書フォーラム実施等、様々な活動報告を踏まえ「子どもの読書活動振興のためのアピール」を提言いただきました。これを受け、16年4月に学校、家庭、地域が連携し市民ぐるみで取り組む指針「京都市子ども読書活動推進計画」を策定し、この計画の重点施策に、学校図書館コンピュータ等整備を盛り込んでいます。
京都組合中村理事長3年前、日書連マークが発表され、これを利用した学校図書館の管理システムが開発されました。これからの学校図書館納入にはマークが必要です。書店が日書連マークを入れないことには学校現場もTRCに取られて、書店が入り込む余地がなくなる。
そこで、京都組合として京都市教育長に「地元書店が学校図書室充実のサポートをさせていただきたい。そのためのIT化ソフトを開発した」と話し、教育委員会、図書館関係者に日書連マークを説明しました。小学校、中学校の図書室IT化はこれで対応できる。コスト面も抑えられる。出入りしていた書店でカバーできるし、何かあれば京都組合としてフォローしていきます。
その後、小学校3校、中平成17年に小中高総合養護学校全校のコンピュータ整備を5カ年計画で始めました。初年度は小学校56校、中学校18校、高校2校、総合養護学校1校、計77校の整備を完了しました。各学校には蔵書管理用と検索用に1台ずつ、計2台のコンピュータを配備しています。今後、京都市内全校の校内LAN整備に伴い学校図書館からインターネットへの接続も可能になります。
学1校で導入していただきました。使い勝手やソフトの不具合はその都度、日書連に報告して、利用しやすいものに仕上げていきました。これらの学校では図書の貸出し数が倍から3倍になったと聞いています。
司会京都市教育委員会としてはどのように評価されていますか?
有澤経費面で他のシステムに比べランニングコストが低い。学校側も初めてなので、地元書店に全面的にバックアップいただけたことは評価しています。
司会花園小は教育理念に「本を読む子、生かす子を育てる読書教育」を掲げ、国語力向上モデル事業の指定校です。図書館の現状をご説明ください。
花園小学校向井校長図書室の蔵書数は約1万冊です。それ以外に学級文庫の分などを加えると1万2千冊ぐらいになります。蔵書をバーコード化するとき図書の整備も一緒にできたことがよかったなと思います。子どもたちが使いやすい、きれいな図書館に生まれ変わりました。貸出冊数が非常に増えていることは確かです。
読書センターとしての図書館の役割は今までも言われてきましたが、新しい教育観、学力観は、子どもたちの生きる力を育てることです。「人間らしい豊かな心を育てる」「自ら主体的に学ぶ力を育てる」の2つがキーワードで、どちらも学校図書館が重要な役割を果たします。
また、学習の中で自分の課題解決に資料を活用する面でも、図書館は大きな役割を担います。花園小学校がめざす子ども像として「本の好きな子」「本を生かす子」を掲げ、大きな柱にしています。
教科学習でも、たとえば国語科の各単元に関連して読書指導をしていく。宮沢賢治が出てくれば、関連して宮沢賢治の本に触れさせる。指導と一体化した読書指導が大切です。京都市小学校図書館研究会では教科書が変わるたびに1年から6年まで国語の関連図書リストを作っています。選書は各教科で指導に必要な関連図書が多くなりますね。
中村トーハン京都支店で夏休みに3日ほど児童書フェアがあり、そこに先生を案内して選書してもらいます。学校により選書会をやるところもあります。
司会花園小は独自の読書週間があるそうですね。
土江田図書主任6月、12月、2月と年に3回実施しています。中間休み、昼休み、放課後にボランティアの方に来ていただき、月曜と金曜に読み聞かせ。子どもたちのエプロンシアターや、5・6年生の図書委員が昼休みに1・2年生に読み聞かせを行います。
家族へのプレゼントをしましょうと、家庭読書も企画しました。子どもが親に読んであげてもいいし、親子で一緒に読んでもいい。実施後の感想を読むと、本を通じて親子の大変いい交流ができたようです。
柳田図書主任宇多野小学校では1年を通じて毎週木曜日に「ワクワク読書」をやっています。校長先生や栄養士の先生まで18学級を回っています。子どもたちは図書館便りを見て、今週は誰やと楽しみにしています。
朝の読書は4年前から毎日やっています。京都市の小学校は100%実施しています。
向井朝の10分間読書は学校中がシーンとして、とてもよい雰囲気で朝がスタートできます。
加治2年前の5月からボランティアとして図書館のお手伝いしています。当時まだ図書室は電算化していませんでした。先生方が夏休みを返上して本の整理をされ、2月期にはコンピュータになりました。今は休み時間に来られても、一人2冊をスムーズに貸出しできます。スキャンするだけですから便利です。
向井まだ返却していない子どもへの請求は便利ですね。従来は返却期限を過ぎる本が多かったのですが、貸し出しを2冊と設定すると、借りていた本を返さない限り3冊目は借りられない。
司会導入時は手分けしてラベル貼りをなさったのですか?
向井先生と子どもで一斉にやりました。バーコードリーダーが1台しかなかったので、リーダーとISBNの手打ちで1週間かかりました。
京都組合辻本委員長ほかの小学校でもラベル貼りは1日か2日、登録作業に2、3日かかるのが標準的なところです。
司会京都組合のサポート体制は、どのように?
辻本子どもさんがいじるので、どうしてもトラブルはあります。電話で済む時も、行ってみなければわからない時もあります。そのために京都組合で学校図書館IT化委員としてサポーター十数名を置いてサポートしています。
中村書店もコンピュータを最低限使える段階から、サポートできるレベルまで差があります。いずれにしろ京都市がコンピュータの配備を終わるまでは組合で100%フォローさせていただくつもりです。
有澤検索ですが、調べ学習などで子どもたちが容易に検索できるシステムを構築していただくことが非常に大事だと思います。
志賀国立情報学研究所の高野明彦教授が「連想検索」というエンジンを開発しました。新書マップとして公開していますが、この検索エンジンを使って、小中学校向け検索システムを作っています。来春にもリリースする予定です。
柳田たとえば「平和」の本を検索したい時、周辺の小学校で持っている本がわかればありがたい。今までは貸し出しと蔵書管理にしかコンピュータを使っていませんが、ネットワークでつなげれば本がたくさん使え授業も充実していく。4年生が「ごんぎつね」をやる時はどの学校も一斉に「ごんぎつね」。新美南吉の本を集めようと思っても限度があります。年間計画をきちんと作ることも必要になります。
中村こうした方が使いやすいという要望があればどんどん言っていただき、協力してよりよい学校図書館IT化を進めていきたいと思います。
(平成17年12月9日取材)

トーハン機構改革

トーハンは12月2日付で機構改革と役員人事、人事異動を発令。統合マーケティング室を廃止し、営業本部に販売改革室と新規事業開発室を新設した。販売改革室にはSCMプロジェクトチームを置く。開発営業部では新規市場開発推進担当、コンサルティンググループ、デベロプメントグループを新設する。
◇役員人事
委嘱・販売改革室長兼任、解・統合マーケティング室長兼任常務山崎厚男
委嘱・販売改革副室長兼任執行役員志村真嗣
◇人事異動(部次長級)
販売改革室GM(統合マーケティング室GM) 岩田新治
流通管理部SM・書籍業務計画グループ(同部SM)新井正英

全5百冊の石ノ森全集刊行/角川書店

角川書店は角川グループ創立60周年を記念して全500冊の『石ノ森章太郎萬画大全集』を来年2月から刊行する。
2月22日に発売するのは第1期分42冊。全12期に分けて2008年まで3カ月ごとに刊行する。各期のセット価格は5万1450円(税込み)。全12期セット価格61万7400円。全集に収録するのは770タイトルで、初単行本化210タイトルを含む。総頁数は12万8千頁。
全巻一括予約者には、ポストカードセット各期4枚、石ノ森章太郎切手コレクション12シート、「サイボーグ009」複製原画、DVDなど豪華8大特典が付けられる。

参考図書

平成18年に創立110周年を迎える新潮社は、河盛好蔵氏による70年史に、新たに高井有一氏が30年分の記述を加え、『新潮社一〇〇年』を刊行した。A5判上製箱入り648頁、非売品。明治32年当時、錦町にあった社屋、『新声』創刊号など貴重な口絵多数。

受賞

◆野間文芸賞
第58回野間文芸賞に村上龍氏『半島を出よ』、第27回野間文芸新人賞の青木淳悟氏『四十日と四十夜のメルヘン』、平田俊子氏『二人乗り』、第43回野間児童文芸賞に吉橋通夫氏『なまくら』が選ばれ、12月16日午後6時より日比谷の帝国ホテルで贈呈式と祝賀会が行われた。

人事

◇有隣堂(11月29日)
代表取締役社長松信裕
同副社長(情報システム・人事総務担当)松信一雄
専務取締役(経営企画室担当・営業統括本部統括・労務担当) 笹島克彦
常務取締役(出店開発室担当・営業統括本部副統括) 山形正利
取締役(店舗システム開発室長)村越武
同(経理担当・経理部長)猿渡二三夫
同(第2営業本部長・財務担当・経営管理担当)
桑原康高
同(第2営業副本部長・官需営業部長)宮出幸夫
同(人事総務部長)
高木明郎
同(第1営業本部長・宣伝広報室長)渡辺泰
常勤監査役田中紀一郎
監査役清水信行
同吉川晋平
*早見文雄取締役は任期満了により退任。
◇岩崎書店(11月18日)代表取締役社長岩崎弘明
常務取締役(総務担当)
黒田丈二
取締役(編集担当)
津久井惠
監査役村上学
営業担当顧問中根馨

来年の東北ブロック大会は7月13日、松島で

平成18年書店東北ブロック大会は7月13日(木)、14日(金)の両日、宮城県松島「ホテル一の坊」で開催することが決まった。

日経BP、港区白金に移転

日経BP(大輝精一社長)と日経BP出版センター(岡部力也社長)は本社を港区白金のNBFプラチナタワーに移転し、12月19日より業務を開始した。最寄駅は東京メトロ南北線、都営地下鉄三田線「白金高輪」駅。
新住所=〒108‐8646東京都港区白金1―17―3NBFプラチナタワー日経BP総務部℡03・6811・8011、FAX03・5421・9186、日経BP出版センター代表℡03・6811・8200、FAX03・5421・9157

本屋のうちそと

先月末、「お話したいことがあって伺いました」と神妙な顔で来店した小学生と若い女性。家庭の事情で親と離れ、児童擁護施設で生活している小学6年生の女の子とその施設の職員でした。施設の中で持ち物検査をした結果、10月半ばにコミックを1冊万引きしたので謝りに来たというのです。私が「欲しかったの?それとも面白いから?」と尋ねたら「面白いから」という返答でした。犯罪行為ではあるけれど、1冊くらいならこれからの教訓になればいいのだし、大袈裟にして施設全体の問題になっても…と敢えて名前も聞かず、今後の生き方に期待する旨を話しました。
その2日後。近所の文具屋さんのご夫婦が万引きについて相談に来店されました。警察や組合で作成したポスターの文面を書き写した後、対処方法など、いろいろ情報交換しました。
そしてびっくり。同じ施設の女の子の集団が近所のお店だけでなく半径2キロ圏内で集団万引きしている情報を施設職員から聞き出していたのです。万引きした商品は年長者に渡し、換金可能な商品は現金化したとのことで、施設側から学校にも警察にも連絡済みだということでした。
思い当たることがあります。夏休みから10月までの2カ月間、巻数揃いのコミックをごっそり万引きされたことが5回ありました。11月から2カ月は何も事件が起こらないのは偶然でしょうか?その子たちの仕業と確信はできませんが、かなり黒に近いグレーに感じています。
恵まれない境遇にちょっとだけ同情した自分が情けなくなったのでした。(あかり)

洋販キャンペーン

洋販は12月5日から来年3月20日まで洋書・洋雑誌を扱う主要書店で「洋書を読んで旅に出よう」キャンペーンを展開している。期間中、対象商品に付いている応募シールを集め、応募するとAコース「グアム3泊4日ツアー」2組4名など8組16名に海外・国内旅行が当る。