全国書店新聞
             

令和6年1月1日号

矢幡秀治会長に聞く「日書連の課題」/街の本屋の経営守る~「書店支援」国策反映へ運動進める

 新型コロナウイルスが感染症法上5類に移行し、街は多くの人出で賑わいを取り戻しつつある。しかし書店店頭は巣ごもり需要が完全に終息した上、長年続く市場の縮小に拍車がかかり、光熱費など各種経営コストの高騰、生活必需品の値上げによる本の買い控えも追い打ちをかけ、危機的状況に陥っている。課題が山積する中、今後の日書連活動をどう進めるか。書店業界の現状と課題、打開の方策について、昨年6月に3期目入りした矢幡秀治会長に話を聞いた。  
                     (聞き手=本紙編集長・白石隆史)

[来店客数の減少、深刻に/書店に足を運ぶきっかけ作り急ぐ]
 ――昨年の出版業界を振り返って率直な感想をお聞かせください。
 矢幡 コロナ禍では児童書・学参を中心に巣ごもり需要の恩恵を受け、「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」をはじめコミックのメガヒットも生まれましたが、新型コロナの5類移行後は外出の機会が増加し、コロナ禍で活発化した巣ごもり需要は完全に終息。出版市場は再び右肩下がりに戻ってしまいました。消費者の関心は外食や旅行に向き、読書は蚊帳の外に置かれているようです。
 街の様子を見ると、コロナ禍前の生活に少しずつ戻りつつあり、人流も増えています。書店にも少しは人が戻ってくるかと思っていましたが、まったくその気配はなく、客足が遠のいている。人は外にいるけれども店に入ってこない。店の前を100人通っても、店に入ってくるのはせいぜい5、6人程度です。
 売上の問題以前に、来店客数の落ち込みが深刻です。日本人に書店に行くという習慣がなくなってしまったのではないかとさえ思えるほどの厳しさです。物価や光熱費の上昇が家計を圧迫して本を買い控えている側面もあります。お客様が書店に足を運ぶきっかけを作ることが急務です。
 ――会長のお膝元の東京組合の現状はいかがでしょうか。
 矢幡 近隣で2書店が閉店しました。閉店の相談を受ける機会も増えましたが、仲間として気持ちはよく分かります。東京組合の組合加盟書店数は現在260店舗で、毎年10~20店舗ずつ減っています。組合員数が1、2店舗の支部もあり、支部活動が成り立たなくなりつつあります。
 東北や中・四国、九州では加盟書店数が20店舗前後のところもあり、もっと厳しい。そういうところでは理事を選んだり会合で人が集まるのも困難な状況と聞いています。組合という固まりは国や自治体など大きなものと対峙する時に必要不可欠ですから、絶対に維持しなければならないと考えています。

[「共存共栄」へ図書館と対話]
 ――国との関係といえば、会長は「街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟」(書店議連)の会合に毎回出席し、書店の声を国政に反映させるため積極的に発言してきました。
 矢幡 政治へのアプローチを重視しています。その中で、昨年6月に閣議決定された政府による経済財政運営の指針「骨太の方針」で、経済の底上げに向けて中堅・中小企業の活力を向上させることが盛り込まれ、その注記として「出版業及び書籍・雑誌小売業などの産業構造転換等も支援」と明記されたことは、重要な成果です。政府を動かし、書店を守りたいというわれわれの主張を国策として実現していくための貴重な第一歩になったと考えています。
 議連の塩谷立会長、齋藤健幹事長、伊東良孝事務局長は書店に対する思いが強く、書店を残したいという気持ちを議連の中で発信し続けてくださった。その結果、話が一気に進んだ。感謝しています。
 ――一昨年12月には塩谷会長らと首相官邸に岸田首相を訪ね、街の書店を守るための政策実現を訴えました。
 矢幡 首相は「様々な本が並ぶ書店は文化的で魅力的。インターネットと違って、そこに行けば自分の知らない世界が広がっている。自分もあの空間は好きだし、なくしてはいけないと思う」と言ってくださった。ありがたいですね。
 ――昨年4月に議連が提言を出しましたが、その後の具体的な動きは。
 矢幡 提言では、公正取引委員会に「不公正な競争環境の是正」、文部科学省に「書店と図書館の連携促進」、経済産業省・財務省に「新たな価値創造への事業展開を支援」にそれぞれ取り組むよう要望しています。
 「書店と図書館の連携促進」については、両者の共存共栄の道を話し合う「対話の場」が設置されました。著者、出版社、書店、図書館などの関係者がメンバーになっており、会合では本音の議論が交わされているようです。日書連からは髙島瑞雄図書館委員長が参加し、街の書店の声を伝えています。
 ――「対話の場」では出版文化産業振興財団の松木修一専務理事が「長年横たわる複本問題を乗り越えなければ先に進めない」と発言しました。複本についてはどう考えますか。
 矢幡 図書館関係者は「ある程度制限することが必要かもしれないが、利用者のニーズも考えなければならない」と言っており、利用者のニーズがあるから仕方なくという面も強いように感じます。「購入は1冊」と主張するつもりはありませんが、ベストセラーを数10冊も購入するような過度な複本は図書館のあり方として違うのではないかとは思います。
 提言では地産地消の考え方から「地元書店からの優先購入」も推奨していますが、当然のことではないでしょうか。それはしっかりとやっていただきたい。
 書店と図書館は昔からライバルとも言える関係で、図書館が近くに出来たら売上が落ちたと言っている書店はいくつもあります。そうは言っても、読書推進の観点からすれば仲間であり、なくてはならない存在です。われわれとしても図書館の活動を極端に制限したいわけではもちろんなく、もう少し歩み寄って地元の書店を大切にしていただきたいと思っているだけです。
 図書館の評価基準が来館者数と貸出冊数に偏重していることで、図書館職員も選書で厳しい立場に立たされているように見えます。図書館を良書との出会いの場とするためにも、このような評価基準は変えていったほうがいいのではないでしょうか。
 ――公取委に取り組みを求めている「不公正な競争環境の是正」についてはいかがでしょうか。
 矢幡 日書連では競争入札や送料無料に関する考え方について全理事を対象にアンケートを実施し、再販契約第6条が入札時に割引を求められる根拠とされていること、大手インターネット書店の送料無料などについて意見を求めました。皆さんの意見を精査した上で、われわれができることを考え、発信していきたいと考えています。
 ――「新たな価値創造への事業展開を支援」では、事業再構築補助金で新たに「産業構造転換枠」が追加され、対象業種に書店が指定されました。書店が支援対象になったことをどう評価しますか。
 矢幡 これも大きな成果と考えています。対象業種になったことで補助金額や補助率などの面で他業種よりも優遇されるようになりました。審査では本業以外のチャレンジが評価されますが、目的はあくまでも皆さんの書店を残すことです。誇りを持って書店を続けていけるよう補助金を有効活用していただきたいと思います。

[「粗利30%以上」取り組み広がる/書店収益改善、複数の展開模索]
 ――粗利30%以上の獲得を目指す運動の進捗状況をお聞かせください。
 矢幡 日書連がこの運動に力を入れた結果、われわれが主張する「粗利30%以上」という数字を意識して取次と出版社が様々な施策や企画を実施してくれるようになりました。ただその動きはまだ局所的で、これを全体に広げていくのがこれからの課題になります。
 「粗利30%以上」の主張は今後も続けますが、運動の目的はあくまでも「書店の収益改善」です。だから、「書店が存続するためには30%以上の粗利が必要です」とお願いしてはいますが、それは報奨金でもいいし、一緒にフェアをやったりイベントをやったりというところから話を進めてもいい。そして最終的に粗利30%以上が実現する。それがわれわれの願いです。東京組合で出版社や取次を訪問した時もそういう話をさせていただきました。
 ――万引被害も書店収益を圧迫する大きな要因になっています。
 矢幡 日書連など6団体と1企業から成る万引防止出版対策本部では、ロス対策士の養成を推進しています。万引や内引だけでなく、検品や手続き上のミスあるいは不正で発生するロスの原因を調査し、予防や再発防止の施策を講じる「ロスプリベンション」の考え方は、書店にとっても重要です。ロス対策士の検定試験を多くの書店員に受験してもらえるよう力を入れているところです。

[3年目の「読者還元祭」/応募数が大幅増加]
 ――書店くじに代わる新しい読書推進事業としてスタートした春と秋の「読者還元祭」は3年目を迎えました。
 矢幡 2年目の秋に「本の日」図書カードキャンペーンとコラボレーションしたことで応募数が大幅に増えました。3年目の昨秋はスピードくじ方式にしてさらに応募数が増え、一昨年の約11万件を大幅に上回る約30万件になりました。この3年間、改良を加えながら着実に成果をあげてきましたが、来店を促進し、本の売上につながるよう、今後さらに進化した形にしたいと考えています。
 ――秋の読書推進月間「BOOK MEETS NEXT」(BMN)は、出版文化産業振興財団が主体となって出版業界が一丸となって取り組みました。
 矢幡 BMNのメインイベント「京都ブックサミット」は読者や業界関係者など1700名が参加して盛大に開催され、社会に対して読書推進を大きく打ち出すことができました。全国の各書店ではイベントも行われ、読者が書店に足を運ぶきっかけにもなり、手応えを感じています。

[事業承継の仕組み作り、開業のハードル下げたい]
 ――書店の閉店に歯止めがかかりません。全国の書店組合加盟店舗も1986年の1万2953店をピークに、23年は2665店まで減少しました。組合員数減少にどのような対策を考えていますか。
 矢幡 閉店の原因は経営不振もありますが、後継者が見つからないまま経営者が高齢化し、黒字でも閉店を余儀なくされるケースもあります。書店を残すため、事業承継についてもっと真剣に考えなければいけないと思います。
 まだ私案の段階ですが、書店の事業承継の仕組みを作りたい。今ある書店で閉店するところは番線が残っているし書棚・什器備品もあるので、書店をやりたい人とうまくマッチングできれば、ゼロからのスタートより開業のハードルが低くなります。意欲ある若い人たちも事業承継の仕組みがあればこの業界に入ってきやすくなるでしょう。マッチングがうまくいって開業に至った書店は、組合のメリットを理解した上で組合に入ってもらう。そうすれば組合員数減少への対策にもなります。
 ――業量減少、法令強化、人材確保難で出版物輸送の危機的状況が深刻化しています。さらに、日販が25年2月にローソンとファミリーマートへの配送から撤退する方針を明らかにしました。「書店に本を運べないリスク」が顕在化しているこの状況をどう考えますか。
 矢幡 日販がコンビニ配送から撤退した後はトーハンが引き継ぐということですが、書店への配送に影響が出ないよう、しっかりと対応していただくことを望みます。
 物流の2024年問題では、京都の共配エリアなど1府3県で発売日が1日遅くなります。全国的な影響は当初考えていたほど大きくありませんが、影響を受ける地域の皆さんには申し訳ないことになってしまいました。今後さらに物流の状況が悪化した時、これ以上遅れが出ないようにしてほしいと求めるのか、仕方がないと受け入れるのか、輸送業界の苦境を考えると悩ましいところです。国が「働き方改革」を進め、輸送会社が対応を迫られている現状を考えると、ドライバーの労働環境改善を第一に考えるべきでしょう。
 物流問題を解決するためにはある程度柔軟性を持って対応する必要があります。業量が多かった時代に決めたルールで、昔と同じ物流に乗せて運ぶのではなく、もっと輸送業界の現状に即した形に改めなければいけないと思います。
 ――最後に今年の抱負をお聞かせください。
 矢幡 書店が存続できるよう、出版社や取次と手を取り合って様々な施策を実施していきたい。先頭に立って頑張りますのでご協力をお願いします。

福岡組合総会/組合加盟書店増やそう/組織強化に注力

福岡県書店商業組合(安永寛理事長)は11月24日、福岡市中央区の福岡県教科図書で第45期通常総会を開催し、組合員167名が出席。組合非加盟書店への加入促進や読書推進、万引防止の運動を強化する方針を決めた。
冒頭、安永理事長は「9月に開催した九州選書市での皆様の協力に感謝する。利益も発生し、組合の収支に寄与した。来年も開催するので、より多くの書店が来場するよう期待する」とあいさつした。
佐野常務理事を議長に選出して議案審議を行い、第45期事業報告、収支決算報告、監査報告、第46期事業計画案、収支予算案、組織案などすべての議案を原案通り承認可決した。
事業報告では、今期予定していたイベントのうち「読書フォーラム『あそびにおいで本の森』」(12月)、「日書連九州ブロック総会」(2月)、「第17回万引き防止街頭キャンペーン」(7月)の3つのイベントを中止し、「九州選書市2023」(9月)、「教職員互助会研修助成券」(22年7月20日~23年1月15日)は実施したと安永理事長が報告した。
続いて各委員会からの活動報告を次の通り行った。
▽総務・広報委員会=第44期通常総会を開催。福岡県書店新聞「ふくおか」を5回発行▽情報化推進委員会=3月~4月に会議を重ね、日書連MARC維持費や費用増加に伴う等級の見直し等を行った。今後も日書連MARCを利用することで小規模の書店でも生き残れるような仕組み作りに取り組んでいく▽倫理委員会=1月、例年参加している福岡家庭裁判所久留米支部での「万引き被害を考える会」に講師として出席し、万引き被害が書店経営に甚大な影響を及ぼしている現状を説明。7月の「第17回万引き防止街頭キャンペーン」は経費削減等のため今期はやむを得ず中止した▽組織・流通委員会=各取次より取引書店リストの提供を受け、組合事務局と協力しながら組合非加盟書店に入会促進を図った
事業計画では、安永理事長が「新型コロナウイルス感染症の5類移行で人の動きは活発になったが、店頭売上は28ヵ月連続マイナスとなり、書店経営への影響を懸念している。書店議連の動きに期待している。九州選書市や、秋の読書推進月間『BOOKMEETSNEXT』の定着と発展を目指す」として、①組合の組織・運営の強化②再販制度下における書店の役割の明確化③取引慣行の弊害是正④ネットワーク化による情報・物流の改善⑤読書推進と文字活字文化の振興⑥万引防止・青少年健全育成の周辺整備――の6項目を柱に組合活動を行っていく方針を示した。
また、大石宏典、高橋理の両理事が退任し、それぞれ相談役、監事に就任することを決めた。
(加来晋也広報委員)

鹿児島組合総会/「粗利30%獲得」粘り強く運動

鹿児島県書店商業組合(楠田哲久理事長)は12月5日、鹿児島市のサンロイヤルホテルで第38回定時総会を開催し、組合員53名(委任状含む)が出席した。
総会は石井専務理事の司会で進行し、最初に楠田理事長があいさつ。書店業界の厳しい現状を説明し、粗利30%以上獲得の運動を粘り強く推進していきたいと述べた。
椨副理事長を議長に選出して議案を審議し、第38期事業報告、収支決算報告、監査報告、第39期事業計画、収支予算案を原案通り可決承認した。
この中で、新規事業として北海道ゼネラルフーズの「北のグルメ倶楽部頒布会」の実施が報告された。また、今井晃昭氏(ブックスミスミ)が新理事に就任した。
総会終了後、奄美大島出身で日本SF作家クラブ会長の藤井太洋氏が講演。自身の経歴と本との関わりについて興味深い話をし、組合員は熱心に聞き入っていた。
この後、4年ぶりとなる懇親会を版元、取次、テジマ、中央会を交えて催し、親睦を深めた。
(和田豊広報委員)

三重組合総会/年4店廃業、組合活動費が減少/新体制で財政健全化図る

三重県書店商業組合(別所信啓理事長)は11月25日、津市の三重県教科書特約供給所で第38回通常総会を開催し、組合員32名(委任状含む)が出席した。
総会は重盛理事(重盛書店)の司会で進行。岡森理事(岡森書店)を議長に議案審議を行い、令和4年度事業報告、収支決算報告、会計監査、令和5年度事業計画案、収支予算案など、すべての議案を原案通り承認可決した。
あいさつに立った別所理事長(別所書店)は「書店経営は年を追うごとに厳しさが増している。当組合でも本年度の廃業は4店もあり、今後も組合員の脱退が懸念される。組合活動費が減少する中、事務所を構え、事務員が常駐して各種対応をするという体制の維持は困難と思う。今後本来の活動を行い、財政の健全化を図るため、組合員の独立性に十分配慮した上で新たな体制の構築を行いたい」と組合活動が非常に厳しい状況であることを説明し、組合員に理解を求めた。
総会終了後、懇親会は行わず、組合員同士で意見交換を行った。取次への要望など様々な意見が交わされ、有意義な総会となった。(重盛康志広報委員)

大阪組合/帯コン展示会/茨木、堺で開催

大阪府書店商業組合(深田健治理事長)は12月9日、大阪市北区の組合会議室で定例理事会を開催した。
読書推進委員会は、「本の帯創作コンクール」(帯コン)の茨木市展示会を11月23日~1月31日に阪急茨木市駅ロサビア、堺市展示会を12月16~17日に堺市中央図書館、おにクルぶっくぱーく(茨木市文化・子育て複合施設内図書館)展示会を12月24日に開催と報告した。
来年の帯コン表彰式は11月9日に東大阪市の大阪府立中央図書館「ライティホール」を仮予約した。
(石尾義彦事務局長)

日販調査・店頭売上/11月期は前年比4.6%減/書籍ジャンル、前年並みまで回復

日本出版販売調べの11月期店頭売上は前年比4・6%減だった。ジャンル別では、雑誌は同6・0%減、書籍は同0・2%減、コミックは同11・0%減、開発品は同5・7%減。
書籍は総記、文芸書、実用書、ビジネス書、学参が前年超えとなり、ほぼ前年並みまで回復した。特に『続窓ぎわのトットちゃん』『星を編む』が売上を牽引した文芸書は同8・6%増になった。
コミックは「ONEPIECE107」「キングダム70」などが好調だったが、前年を下回った。

2024年わが社のイチ押し企画

[小学館/田村一郎(小学館PS・出版営業部)]
新年あけましておめでとうございます。
昨年、小学館は「大ピンチずかん」シリーズの累計100万部突破や「ポケモンずかんドリル」の創刊、「例解学習国語辞典」の改訂などがございました。拡販にご助力いただきました書店様に、この場を借りて感謝申し上げます。
さて「小学一年生」は、おかげさまで来年2025年に創刊100周年をむかえます。昨年の「小学一年生」4月号の特別ふろくは「なでなでピカチュウおしゃべりめざましどけい」で発売前からSNSなどで話題が沸騰し、近年稀に見るスタートダッシュを切ることができました。最終的に売上率は95%を超え、過去16年間で最高の売上率をマークしました。
今年の「小学一年生」4月号の特別ふろくは、昨年に続きポケモンの「キャプテンピカチュウおしゃべりめざましどけい」になります。さらに5・6月合併号では、過去に「ちゃお」でも大反響だった自走式ロボット掃除機がタイムマシン型になった「ドラえもんくるピカおそうじタイムマシン」がふろくになるなど、4月号から続けてご購入いただけるよう工夫をこらしておりますので、ぜひとも定期購読のお声がけをお願いいたします。
今年の年間定期購読特典は「図鑑NEO」25種類からお好きな1冊と、ドラえもん「ひらがな カタカナ 漢字」お風呂ポスターの2点です。
また、毎年恒例の「小学一年生」&「小学館のこどもの本」店頭陳列コンクールですが、昨年は1217店の書店様にご参加いただきました。金・銀・銅賞合計で425店が入賞する業界最大級の店頭陳列コンクールですので、参加したことがない、またはしばらく参加していない書店様も、店頭で手作りPOPや児童書・辞典との一体展示をおこなって入学お祝いムードを演出しエントリーください。
来年の「小学一年生」100周年にむけて、弾みをつける一年になるよう社一丸となって取り組んでいきますので、引き続きご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

[Gakken/目黒哲也(コンテンツ戦略室マイスター)]
カンガルーの必殺技を、ご存じだろうか?多くの人が、「カンガルーといえば、
パンチ」と思うかもしれな
いが、実は、その「パンチ」をも凌駕するカンガルーの必殺技は「キック」なのである。しかも、ドロップキック。
その技の繰り出し方が、またすごい。水上で、水流の力で浮遊するフライボードよろしく、尻尾を支柱にして、空中に体を浮かせることで、地面に落下することなく、連続でドロップキックを繰り出すのだ。
なんだか邪魔なように見える、あの太い尻尾は、実は「5本目の脚」なんですな(ぴょんぴょん飛び跳ねるときにも、加速装置として役立つそうです)。
動物がアクティブに動き、そのフィジカルな特徴が垣間見えるのは「戦い」のときである。しかし、動物園に住む者はもちろん、野生においても動物は(捕食行動やプロポーズ大作戦時を除いては)そんなには戦わない。戦ったとしても、負けそうになると逃げてしまう。
では、動物たちが完全決着まで戦い続けたらどうなるのか?その戦いの中で見えてくる動物たちの特徴とは何なのか?それを詳らかにしたのが「最強王図鑑」シリーズである…みたいなことを企画会議では言ったような気もするのだが、そんな理屈っぽいことはさておき「だって、最強同士戦ったら絶対に楽しいじゃないですか!」というのが、本当の企画意図である。
そうして、強い者同士を戦わせ続けていたら、シリーズの冊数は十数冊に増え、累計の部数も400万部を突破。シリーズを立ち上げた当初、「すぐにネタ切れする」という嫌な噂もあったが、戦いに飢えた選手が次々に名乗りを上げ、開催したい大会も、まだまだあるなぁと思い、今に至っているしだいである。
2024年の1月には、アニメも放送開始。同年春には「ドラゴン、神、英雄」がトーナメントに出場する『異種最強王図鑑天界頂上決戦編』を発売。まだまだ勢いは止まらない。「最強王」に乞うご期待!

[文藝春秋/川田未穂(文藝出版局第二文藝部部長)]
2024年文藝春秋文藝出版局から初荷として送り出すのは、天童荒太さんの『ジェンダー・クライム』と窪美澄さんの『ぼくは青くて透明で』です。
ともに根強いファンをもつお二人ですが、偶然にも新作の重要なテーマになっているのはジェンダー――生物学的な性(セックス)ではなく、社会的・文化的に構築された概念になっています。
ほぼ25年前に子どもの頃に虐待を受けた三人の男女を中心に据えた『永遠の仔』を発表した天童さんは、執筆過程で虐待やハラスメント被害を生む土壌に連綿として受け継がれてきた男女間の差別、あるいは男女の役割、「らしさ」があったことに気付いたそうです。四半世紀経っても相変わらず女性が被害に遭う事件が次々に起こり、時に被害に遭った女性が責められるような不条理な事態も生じています。天童さん曰く「長年の違和感や鬱屈の元を具体的な主題に捉えたエンターテインメント小説」が本作『ジェンダー・クライム』であり、二人の刑事がある殺人事件の裏に潜む真相に迫っていく原点回帰の骨太なクライムノベルです。
一方の窪美澄さんもデビュー作『ふがいない僕は空を見た』以来、さまざまな恋愛の形、家族の形、夫婦の形を描いてきました。『ぼくは青くて透明で』の登場人物たちは、「普通」とは異なる生き方を選ばざるをえず、それゆえ偏見や差別に苦しみます。ジェンダーレス、平等という言葉を日常でいくら目にしていても、私たちの周りに存在する沢山の見えない壁。これを越えてゆく運命の恋の力強さが胸を打つ一冊です。
それ以降も大前粟生さん『チワワ・シンドローム』、織守きょうやさん『キスに煙』、坪田侑也さん『八秒で跳べ』など、注目の若手作家のラインナップが続々登場します。エンターテインメント小説は社会や文化を映す鏡であり、読者の皆さんには作品を通じてたくさんの体験をしていただければ嬉しいです。

[KADOKAWA/宣伝局]
あけましておめでとうございます。旧年中は格別なるご支援を賜り厚く御礼申し上げます。KADOKAWAは、今年も皆様に楽しんでいただける作品を多数ご用意いたしております。
コミックからは、『ダンジョン飯』をご紹介。襲い来る魔物たちを食べながらダンジョン踏破を目指す、異色のストーリーとなっております。TVアニメも、1月より連続2クールで放送予定です。同じくコミックの『DOG SIGNAL』は、新米ドッグトレーナーの成長物語。TVアニメも3月まで放送中です。
小説からは、『わたしの幸せな結婚』最新巻の8巻が3月15日発売予定です。『結界師の一輪華』は、シリーズ累計100万部突破の注目作品。コミック版は昨年12月28日に発売、小説4巻は2月19日に発売予定です。
同じく小説『家族解散式(仮)』は、映画化も決定した『六人の嘘つきな大学生』の浅倉秋成さんの新刊。他にも、人気の『ねことじいちゃん』『気になってる人が男じゃなかった』の新刊や、堂場瞬一さんの警察小説『刑事の枷』と、多彩なラインナップとなっております。
2月9日発売予定の『魔女に首輪は付けられない』、2月24日発売予定の『竜胆の乙女/わたしの中で永久に光る』は、応募総数4815作品の「第30回電撃大賞」大賞を受賞した注目作品。
料理レシピ本の『やる気1%ごはん』は、「2023年第10回料理レシピ本大賞」にて大賞を受賞。シリーズ累計は36万部を突破しております。
『「週刊ファミ通」1832(ファミ通)号』は、1月11日に記念号として、Tシャツ付き限定版など大きく展開して発売。こちらも目が離せません。
児童書からは『角川まんが学習シリーズ』の『紫式部』『源氏物語』と、角川つばさ文庫『紫式部日記』をご紹介。2024年大河ドラマ「光る君へ」とともに、ぜひ親子でお読みいただきたい書籍です。
今年も多種多様なKADOKAWAのコンテンツに、ぜひご期待ください。

[新潮社/西山奈々子(出版部)]
宮島未奈著『成瀬は信じた道をいく』
2023年3月、文芸界に鮮烈なデビューを飾った宮島未奈さん。デビュー作『成瀬は天下を取りにいく』は、「女による女のためのR-18文学賞」で大賞、読者賞、友近賞という史上初の三冠を受賞した作品「ありがとう西武大津店」を起点とした、六編からなる短編集です。
主人公の成瀬は、幼馴染の島崎に、中二の夏休み、一ヵ月後に閉店を控えた地元の西武デパートに毎日通い、ローカル番組の中継に映ると宣言します。
幾度も「閉塞感溢れる」と形容されたコロナ禍にあっても、自分なりの目標を立て、そこへ向かってまっすぐに突き進む成瀬と、その様子を傍で見守り続ける島崎。地に足のついた、ささやかな日常の延長の物語でありながら、そこで描かれる真摯な挑戦は、なんだかとても眩しく感じられるのです。
発売前のプルーフの段階で、西川貴教さん、三浦しをんさん、辻村深月さんなど12名の著名人から絶賛コメントが届き、刊行から半年で累計10万部を突破しました。
中でも書店員の皆様から多くいただいたのが、「成瀬たちの物語をもっと読みたい!」というお声。その待望の続編が、2024年1月、ついに発売になります。
今作では新たに個性豊かな面々が登場し、それぞれの人生が成瀬と交錯します。前作の最終話では高校生だった成瀬も、大学受験を経て、ついに大学生に。そんな中、島崎が久しぶりに会いに行くと、なんと書き置きを残して成瀬が失踪、大捜索隊が結成され……!?
続編でも、成瀬の前途はつねに予測不能!無限の可能性へと歩みを進め、読者をワクワクさせてくれます。明るく楽しい読み心地も、思わずクスッと笑ってしまう小さなユーモアももちろん健在で、老若男女、どなたにでもおすすめできる小説です。
1月24日、パワーアップして帰ってくる成瀬たちを、どうか「おかえり!」と温かく迎えていただけたらありがたいです。

[金の星社/平山美穂(編集部)]
『毒のある生きもの最強バトル図鑑』
「毒のある生きもの」と聞いて、皆さんは何を想像するでしょうか。毒ヘビ?毒グモ?毒サソリ?いかにも毒がありそうな見た目の生物に限らず、人間にとって迷惑な蚊やダニだって「毒のある生きもの」と分類できます。
毒のある生きものは、大きく2通りに分けることができます。その毒を「攻撃」に使うものと、「防御」に使うものです。そして毒生物のすべてが体内で毒を作り出せるわけではなく、毒のある生きものを食べ、その毒を体内にためておくものもいます。例えばヤマカガシという毒ヘビは、上あごと首に毒を持っています。上あごの毒は自らが分泌したものですが、首の毒はニホンヒキガエルを食べてたくわえたものです。ニホンヒキガエルの毒は、大型犬が死亡するほどの強いものですが、ヤマカガシには全く効かないのです。これだけで毒のある生きものの生態に興味が湧いてきませんか?
多種多様な「毒のある生きもの」が一斉に戦ったらどうなるのか。そんな「もしも」を実現させたのが、この作品です。本作では、毒生物を6体ずつ5つのカテゴリーに分けてバトルフィールド(バトルのための仮想空間)に飛ばし、カテゴリーごとの勝者を決めます。そしてファイナルステージで、各カテゴリーの勝者たちがぶつかりあいます。エントリー毒生物は、昆虫、海洋生物、爬虫類、哺乳類入り混じった30体。ふだん出会うことのない生物が己の毒を駆使し、死闘を繰り広げる百花繚乱のバトル・ロイヤルは必見です。
図鑑ページは美麗なリアルイラスト、バトルページは大胆なコマ割の漫画で、大迫力のバトルシーンを楽しめます。コラムページでは毒の歴史や有毒植物などの情報も掲載。これ1冊で、誰でも毒マスターになれます。
実際にはありえないシチュエーションの、テレビゲームのような奇想天外バトルをお楽しみください。王者に君臨するのは、どの生きものなのでしょうか?その目で見届けてください。
A4判128ページ、定価5390円。

東京組合/ガタロー☆マンのイラストで読書推進

東京都書店商業組合(矢幡秀治理事長)は12月5日、東京・千代田区の書店会館で定例理事会を開催した。
事業・増売委員会は日書連の令和5年度読書推進活動補助費事業に企画申請することを報告し、承認を得た。申請概要は次の通り。
中小企業組合等新戦略支援事業に係る特別支援「デジタル技術活用による業界活性化プロジェクト」で制作したガタロー☆マン(漫☆画太郎)オリジナルイラストを使ったB3ポスターとA4クリアファイルを作成し、店頭での読書推進・来店促進・売上向上に活用してもらうよう各書店に配布する。対象は組合員に限定せず、日書連にも参加を呼びかけて全国書店から希望を募る。あわせてプレスリリースを発出し、認知を高める。
再販・発売日・取引改善委員会からは、2022年に日本雑誌協会の自主基準「雑誌作成上の留意事項」に付録のかさ高制限を撤廃する改訂があったことで、書店では付録組みに多大な手間と時間がかかるほか、配達時にポストに入らない等の問題も生じているため、「留意事項」の再改訂に向けた検討(かさ高制限の復活)を要望する文書を作成して雑誌協会・雑誌基準運営委員会に提出する意向であると報告、理事会はこれを承認した。
謎解き・デジタルサイネージ特別委員会は、「黙示録の四騎士×本屋巡りLINE謎解きゲーム」の参加者数について、第1弾は762人、第2弾は231人(いずれも12月4日時点)であると報告した。第1弾、第2弾とも2月12日まで参加できるので、謎パネルを店頭の目立つところに掲出して来店客の参加を促してほしいと呼びかけた。
12月1日より配布開始した「組合オリジナル冊子」は、人気声優の梶裕貴のオリジナル朗読音声がダウンロードできる特典付き。商品購入者への配布が優先だが、謎解きゲーム参加者以外でもOKなので、店頭売上の向上に活用してほしいと説明した。
デジタルサイネージに関しては、動画提供に協力している出版社の商品案内(注文書)を組合員にFAX送信することを提案し、承認を得た。なお、案内する商品は特別委員会で決定する。

マガジンハウス/新社長に鉄尾周一氏

マガジンハウスは12月13日開催の定時株主総会ならびに取締役会で、専務取締役・鉄尾周一氏が代表取締役社長に就任するなどの新役員体制を決定した。○は昇格。
代表取締役社長 鉄尾 周一
専務取締役(総務局担当) ○南  昌伸
常務取締役(経理製作局、マーケティング局担当) ○浪花 寛通
同(第一編集局、第三編集局、第四編集局担当) ○芝崎 信明
取締役(ブランドビジネス局、クロスメディア事業局担当) 西田 善太
同(第二編集局、書籍・漫画編集局担当) 北脇 朝子
監査役 畑尾 和成
 片桐隆雄代表取締役社長は相談役に就任した。

出版科学研究所調べ/10月期販売額は0.4%増/書籍好調も店頭は厳しい実勢

出版科学研究所調べの10月期の書籍雑誌推定販売金額(本体価格)は前年同月比0・4%増だった。
内訳は、書籍が同2・8%増。雑誌は同2・9%減。雑誌の内訳は、月刊誌が同0・2%減、週刊誌が同15・6%減。書籍は9月期に引き続き返品が減少し、販売金額も2ヵ月連続でプラスとなった。
書店店頭の売上は、書籍が約6%減。文芸は10月3日発売の『続窓ぎわのトットちゃん』(講談社)が1週間で30万部を突破するなど好調で、約5%増と前年を上回ったが、その他のジャンルは文庫約9%減、ビジネス書約3%減、実用書約2%減、児童書約13%減、学参はほぼ前年並みと低調が続いている。
雑誌の売上は、定期誌が約10%減、ムックが約4%減、雑誌扱いコミックスが約8%減。コミックスは、『呪術廻戦』『SPY×FAMILY』(いずれも集英社)の新刊、『葬送のフリーレン』(小学館)全巻、『薬屋のひとりごと』はスクウェア・エニックス版と小学館版『~猫猫の後宮謎解き手帳』など、アニメ化作品の強力タイトルがヒットしたにもかかわらず、前年の売上を大きく下回る結果となった。

埼玉組合、児童書など寄贈/県こども安全課通じ346冊

埼玉県書店商業組合の奈良俊一理事長と江原宏信事務局長は12月14日、県福祉部こども安全課を訪問し、令和5年度寄贈本として図書346冊を寄贈した。内訳は、幼児32冊、小学校低学年56冊、小学校中学年43冊、小学校中高学年28冊、中学年辞典120冊、小学校高学年60冊、中高一般7冊。
奈良理事長は菊池陽吾課長、北原智子主事に寄贈の趣旨を説明し、寄贈本目録を贈呈した。これに対し菊池課長から感謝状が授与された。
菊池、北原両氏は「子供たちは絵本を心待ちにしており、本が届くと大喜びで読んでいる。読み聞かせは子供だけでなく大人も心が休まる。読書する機会が増えることは子供たちにとって大変素晴らしいこと。毎年寄贈していただきありがたい」とお礼の言葉を述べた。奈良理事長は「喜んでいただき、寄贈し甲斐がある。これからもこの事業を続けていきたい」と応えた。
図書寄贈は61回目。同組合では「寄贈した本を読み、小さい頃から読書する習慣を身に付け、活字離れの抑制や将来的に書店への来店が増えることを願っている」と主旨を説明している。(江原宏信事務局長)

トーハン/「MUJIN書店」2号店オープン/メディアライン曙橋店を改装

トーハンは、Nebraskaが開発した無人営業化ソリューション「MUJIN書店」の実証実験2号店として「メディアライン曙橋店」(東京・新宿区)が店舗をリニューアルし、11月21日にオープンした。
同店は24時間営業の有人・無人ハイブリッド書店。営業時間は、有人が午前11時~午後8時、無人が午後8時~午前11時。売場面積は22坪。
ライン認証による入店システム、キャッシュレスセルフレジを導入。陳列什器を移動、店内死角を最小化し、防犯カメラを増設した。1号店の「山下書店世田谷店」に続き、店外雑誌什器を廃止し、ガラス張り面積を増やし、通りからの見通しを確保した。運営会社はトーハングループのスーパーブックス。

日本点字図書館など表彰/高橋松之助記念2賞贈呈式

読書推進と文字・活字文化振興に貢献した学校、地方自治体、団体、個人などを表彰する第高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」(高橋松之助記念顕彰財団主催)の贈呈式が11月6日、東京・千代田区の出版クラブビルで開催された。
「朝の読書大賞」は茅野市立金沢小学校(長野)、相良村立相良中学校(熊本)、伊藤学園甲斐清和高等学校(山梨)、「文字・活字文化推進大賞」は日本点字図書館(東京)が選ばれ、それぞれ賞状およびトロフィー、副賞30万円が贈られた。
主催者を代表して浅野純次理事長があいさつし、原正昭常務理事が選考経過を報告。両賞の選考顧問を務める大正大学社会共生学部公共政策学科特任教授の片山善明氏は「本を読んで考える力を身に付け、相手の主張に耳を傾ける訓練をする必要がある。朝の読書をきちんと行っているのは、子供たちが必要な素養を身に付ける良い機会になっている。これからも続けてほしい」と講評を述べた。
日本点字図書館の立花明彦館長は「今回の賞は私どもだけでなく、全国の視覚障害者、ボランティアそれぞれにいただいたと認識している。読書バリア法の推進に国を挙げて取り組んでいただき、出版業界でもアクセシブル・ブックス・サポートセンター(ABSC)などの取り組みが始まったばかり。出版業界ともコラボできると思うし、責任ある立場として責務を果たしていきたい」と喜びを語った。

愛知組合、11日の新春賀詞交歓会で「図書カードNEXT有効活用」講演会

愛知県書店商業組合は1月11日(木)、名古屋市千種区のホテルルブラ王山で令和6年新春賀詞交歓会及び講演会を開催する。午後3時からの講演会では日本図書普及の平井茂社長が「図書カードNEXTの有効活用」をテーマに講演する。続いて午後5時半から新春賀詞交歓会を行う。

「若い人に贈る読書のすすめ」/読進協、推薦図書24点を選定

読書推進運動協議会(読進協、野間省伸会長)はこのほど、2024「若い人に贈る読書のすすめ」推選図書24点を選定し、リーフレットを作成した。40道府県の読進協から寄せられた「若い人にぜひ読んでもらいたい本」の推薦書目をもとに、読進協事業委員会で選定したもの。最も推選が多かったのは●村深月『この夏の星を見る』。
掲載図書は次の通り。
▽『この夏の星を見る』●村深月、KADOKAWA▽『私たちの世代は』瀬尾まいこ、文藝春秋▽『雨にシュクラン』こやまあつこ、講談社▽『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈、新潮社▽『くもをさがす』西加奈子、河出書房新社▽『もしもし、アッコちゃん?』東村アキコ、光文社▽『嫌な気持ちになったら、どうする?』中村英代、筑摩書房▽『あの日、選ばれなかった君へ』阿部広太郎、ダイヤモンド社▽『その気持ち、なんて言う?』NHK「言葉にできない、そんな夜。」制作班、祥伝社▽『〝承認欲求〟捨ててみた』諸富祥彦、青春出版社▽『東大8年生』タカサカモト、徳間書店▽『夢の叶え方はひとつじゃない』岡嶋かな多、PHP研究所▽『言葉の本質』今井むつみ、秋田喜美、中央公論新社▽『あなたの日本語だいじょうぶ?』金田一秀穂、暮しの手帖社▽『伝わる言葉。失敗から学んだ言葉たち』須江航、集英社▽『ネット情報におぼれない学び方』梅澤貴典、岩波書店▽『18歳から100歳までの日本の未来を考える17のキーワード』樋口裕一、Gakken▽『ことばの白地図を歩く』奈倉有里、創元社▽『ウクライナから来た少女ズラータ、16歳の日記』ズラータ・イヴァシコワ、世界文化社▽『13歳からのサイエンス』緑慎也、ポプラ社▽『短歌のガチャポン』穂村弘、小学館▽『NHK理想的本箱』幅允孝/NHK「理想的本箱」制作チーム、NHK出版▽『ポテトチップスと日本人』稲田豊史、朝日新聞出版▽『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』チームドラゴン桜、東洋経済新報社

連載「生活実用書・注目的新刊」~『老けない最強食』(笹井恵里子、文春新書)~/齋藤一郎(遊友出版)

笹井惠里子著『老けない最強食』(文春新書1250円)は、見た目の若さに食べ物が深く関係することから、何をどう食べるかレポートする。
AGE、終末糖化物質という悪玉物質こそが老ける元凶。この酸化、糖化を防御するシステムは40代以降に低下する。
老けない主食は玄米、発芽玄米、白飯、食パンの順。肉は鶏むね肉皮なし、ささみ、豚ヒレ肉。ワーストは和牛バラ脂身つき、豚バラベーコンなど脂質の多い肉である。魚はサバ、クロマグロ、サンマがベスト3。野菜はモロヘイヤ、春菊、ほうれん草。それぞれに、ズボラレシピが写真と共に紹介されている。
冷凍野菜は①ほうれん草②枝豆③人参。血流改善には①エゴマ油②亜麻仁油③菜種油。海藻、きのこ、オクラや納豆などネバネバ食品もお勧め。特にブロッコリースプラウトは最強食材である。齋藤繁著『院長が教える一生登れる体をつくる食事術』(ヤマケイ新書1000円)は、医食同源で健康寿命を延ばそうと呼びかける。栄養素の基礎知識から体を鍛えるための食事術。肥満防止には炭水化物と脂質を控え目にする。登山には直前、行動中、山頂でと登山後の食事術を解説。カボチャの薬膳煮など健康増進料理を31種掲載。