全国書店新聞
             

令和6年2月1日号

東京組合新年懇親会/「東京からの発信で現状変える」矢幡理事長が表明/「木曜日は本曜日」「謎解きプロジェクト」全国展開も

東京都書店商業組合は1月16日、東京・文京区の東京ドームホテルで令和6年度の新年懇親会を開催し、組合員、出版社、取次など総勢187名が出席した。矢幡秀治理事長は年頭あいさつで、東京組合の取り組みを全国に発信していくことが現状の変化につながっていくとの信念を語った。
懇親会は秋葉良成厚生委員長の司会で進行し、平井久朗副理事長が「書店が頭を抱えているのはキャッシュレス手数料の問題。業界全体で書店の負担を軽減する取り組みを検討してほしい」と開会の辞を述べた。
年頭あいさつを行った矢幡理事長は、冒頭で能登半島地震で被災した書店の一日も早い復旧・復興を祈念した。その後、来店客数の減少に懸念を示し、「東京組合としては、BOOK MEETS NEXTなどの読書推進活動に協力しながら、独自にYouTubeチャンネルの開設や『木曜日は本曜日』の習慣化、謎解き・デジタルサイネージプロジェクトといった事業を行ってきた。こうした活動を何年も続けること、全国に広げることを目標に取り組んでおり、それは東京から日本を変えることにつながっていく」と思いを伝えた。そして、読者に良書を届けることができるのは書店があればこそで、街の本屋の灯を消してはいけないという思いで頑張っていくとの決意を示した。
出版社を代表して登壇した日本雑誌協会の堀内丸惠理事長(集英社)は「人間が生きていく上で水や食料は命の糧だが、書物は心の糧。出版業界は輸送問題など様々な課題を抱えているが、ひとつひとつ乗り越え、1人でも多くの人に心の糧が届けられるよう努力していく」と挨拶した。
取次を代表してトーハンの川上浩明副社長は、能登半島地震の被災書店への支援活動や現地の状況などを報告するとともに、営業再開後に心の癒しを求めて、たくさんの子どもたちが来店したことに心を動かされたという富山県・文苑堂書店の吉岡幸治社長のエピソードを紹介。「出版物は心の癒しにつながる。自信を持って売っていきたい。刺さるものがあれば、まだまだ売れるコンテンツはある。書店の売上向上のため、出版社には優良コンテンツの発掘をお願いする」とあいさつし、乾杯した。
歓談に入る前に施策紹介があり、まず日本書籍出版協会・ブックフェア委員会の相賀昌宏委員長より、書店イベント紹介サイト「ブックイベントナビ」の紹介があった。同サイトは各地で開かれている小さくても特色のあるブックフェアを一括して紹介するサイトとして、昨年12月1日にグランドオープン。書店はユーザー登録することで自店で行う展示会、サイン会などの催し物を無料で宣伝・告知できる。相賀委員長は「ブックイベントナビ」のワーキンググループリーダーも兼務しており、「サイトを見た方に、実際に書店に足を運んでもらうことを目論んでいる」と説明。書店営業自体がイベントであるととらえて、書棚の自慢、コーナーの自慢、サービスの自慢など、書店と読者との間にコミュニケーションが生まれ、親近感を感じるような情報を提供してもらいたいと呼びかけた。
東京組合謎解き・デジタルサイネージ特別委員会の田中久隆委員長は、組合加盟書店で実施中のデジタルサイネージ活用についてモニターを使って説明した。
歓談の後、柴﨑繁副理事長が閉会の辞を述べ、小川頼之副理事長の三本締めで終了した。

「能登半島地震」被災書店義援金受付/石川県書店商業組合

令和6年1月1日に発生した能登半島地震により、能登地区(特に輪島市、珠洲市、能登町、七尾市、穴水町)で家屋・店舗全壊、半壊となった書店が複数発生しました。軽度の被害も含めるとほぼ全組合加盟書店が自宅や店舗に被害を受けています。能登地区では亡くなった店主もいます。避難所に避難されている方も多数います。復興するには長い期間と多額の費用が必要となります。皆様のご支援がないと復興できず、能登地区から書店がなくなってしまうことが危惧されるところです。
石川県書店商業組合(宮本秀夫理事長=金沢市・ブック宮丸)では、被災された書店の方々を支援するため義援金を受け付けています。皆様からのあたたかいお気持ちをお寄せくださいますようお願いいたします。皆様からの義援金は石川県書店商業組合を通じて被災された書店に分配されます。

◇義援金の振込先
北國銀行(ホッコクギンコウ)
大桑橋支店(オオクワバシシテン)
普通預金0046491
口座名義石川県書店商業組合能登半島地震義援金

石川県書店商業組合
石川県金沢市片町2-7-6 クアルトビル2階
℡076(232)9171

「春の読者還元祭2024」実施要項

▽名称日書連主催「春の読者還元祭2024」
▽期間2024年4月22日(月)より5月13日(月)まで受付(22日間)
▽対象書店組合加盟書店及び希望する書店
▽実施方法期間中に来店したお客様、外商先などにキャンペーンサイトを案内。参加にはお客様自身による専用サイトへの応募が必要
▽販促物①「キャンペーンしおり」(1種類
500枚。応募はしおり1枚につき一度のみ有効。図案は名画を予定)②店頭用A3ポスター1枚を1組3630円(税込)で頒布。書籍、雑誌を購入したお客様(税込500円を目安)に進呈。店頭用A3ポスターは告知用。日書連ホームページからもダウンロード可能(今回はQRコード付き応募ポスターの作成はなし)
▽申込方法自主申込制。注文書(2月郵送予定)に申込数と実施書店名を記入の上、所属の都道府県組合宛に申し込む。申込締切は2月28日(水)。締切厳守のこと。
▽納品と請求方法取引取次店経由で4月中旬に納品。代金は取引取次店から請求
▽賞品総額300万円
・図書カードネットギフト1万円100本
・同3千円200本
・同1千円1400本
抽選方法は結果がその場でわかる「スピードくじ」を採用。当選者には日本図書普及株式会社より直接、図書カードネットギフトメールを5月中旬以降随時送信する予定
▽報奨金「しおり」を有料購入して応募者を150件以上集めた組合加盟書店に報奨金2860円(税込)を支給。支給金額は「しおり」購入数に関わらず2860円(税込)とする
▽その他販促活動への助成として、組合加盟全店に「しおり」20枚を無料進呈。キャンペーン開始までに全店に直送

2023年の出版市場規模/紙+電子は2.1%減/2年連続の前年割れ

出版科学研究所は「季刊出版指標」2024年冬号(1月25日発売)で、2023年の出版市場規模を発表した。紙と電子を合算した出版市場(推定販売金額)は前年比2・1%減の1兆5963億円。2年連続の前年割れとなった。
内訳は紙が同6・0%減の1兆612億円、電子が同6・7%増の5351億円。紙は書籍、雑誌ともにマイナス。電子は電子コミックのみプラスで他は減少した。

大阪出版販売業界新年互礼会/「帯コン」20回目、記念企画を予定

大阪出版販売業界新年互礼会(主催=大阪府書店商業組合、大阪出版取次懇和会、後援=大阪出版協会)が1月9日、大阪市阿倍野区の都シティ大阪天王寺で開催され、出版社、取次、書店、協力会社など計98名が出席した。
司会は大阪組合・堀博明副理事長が務め、冒頭、能登半島地震と羽田空港事故の犠牲者の冥福を祈り黙祷を捧げた。
あいさつした大阪組合・深田健治理事長は「昨年コロナが5類に移行し、年末年始の街中は賑わいが戻ってきた。旅行業界などからは景気の良い話が聞こえてくるが、出版業界は厳しいと言わざるを得ない」と指摘した。
大阪組合の活動については、最大の行事である「本の帯創作コンクール」(帯コン)の表彰式を昨年3年ぶりに開催したことに触れ、「作品の応募数はコロナ前に戻った。受賞した子どもたちの顔を見ていると元気が出る。読書推進運動は直ちに売上につながるものではないが、継続することが大事。今年で帯コンは20回目。記念になる企画を考えたい」と述べ、出版社と取次に協力を求めた。
出版業界の動向では、「BOOKMEETSNEXT」で業界一丸となって読書推進運動に取り組んだことやPubteXによるICタグ導入に向けた取り組みを成果として挙げた。一方、日販のコンビニ配送からの撤退や物流2024年問題により一部地域で発売日が遅くなることを課題として言及。「各所の改革の動きが良い方向に向かうよう、業界一丸となって努力していく必要がある」と訴えた。
今年の活動については、読書推進運動の継続と効果的な企画の立案、粗利30%以上の実現を目指す書店収益改善運動、経費削減、新企画・商材の研究と挑戦が重要になると指摘し、「組合も書店の力になれるよう頑張る」と述べた。
最後に、「今日1月9日は大阪では宵恵比寿。今年の干支にちなんで、今まで潜んでいた竜が空に向かって翔んでいくよう、頑張っていきたい」と意気込みを語った。
続いて来賓の小学館・相賀昌宏会長があいさつし、「今日東京では出版クラブの新年名刺交換会が開かれているが、息子(相賀信宏社長)に任せて大阪にやって来た。日本書籍出版協会が進めている書店イベント紹介サイト『ブックイベントナビ』の担当者として16日の東京組合新年懇親会で説明を行うが、東京以外も回りたいと日程を調整し、大阪でも説明の場を設けていただいた」と今回の来阪の意図を説明した。
ブックイベントナビは全国の書店のイベント情報が集まるポータルサイトで、昨年12月1日にグランドオープンした。相賀氏は「街に賑わいが戻ってきたが、書店への人の流れが途絶えている。もっと書店に人を呼び込みたいとオープンしたのが一番の眼目」として、「書店に行ったら面白いと思ってもらえるサイトを作る。イベントに拘らず、書棚自慢やコーナー自慢などもどんどん発信してもらいたい。地方・小書店のちょっとした工夫を皆で出し合い、それを見た書店がうちもやってみたいというサイトを作らないと、結局お客さんが離れると思う。ブックイベントナビを見ていただき、意見を寄せてほしい」と呼びかけた。
取次を代表して日販関西支社・金丸貴之支社長が乾杯の発声を行い、懇談に移った。出版社、取次、輸送会社、報道各社が恒例の1分間スピーチを行い、大阪出版協会・矢部敬一理事長(創元社)の中締めのあいさつで閉会した。
(石尾義彦事務局長)

京都府出版業界新春を祝う会/雑誌発売日の遅れに一定の理解/犬石理事長があいさつ

京都府出版業界新春を祝う会が1月11日、京都市下京区のザ・サウザンド京都で開催され、組合加盟書店、出版社、取次など合計73名が出席した。
開会に先立ち、司会の大垣全央副理事長(大垣書店)が能登半島地震の被災者に哀悼の意を捧げ、そのあと犬石吉洋理事長(犬石書店)が新年あいさつ。「昨年末、日本雑誌協会と日本出版取次協会から、2024年問題への対応で4月1日から輸送スケジュールを変更し、亀岡市を含む一部地域で雑誌発売日が1日遅くなるとの知らせを受け、理事会が震撼した。しかし、その理由を深く聞き、各方面が尽力してくれて発売日遅れの地域が拡大しないギリギリのラインで留めてくれていたと考えると、それも致し方ないのかと思った。今後もどんな情報でも共有していきたいので、情報があればすぐに教えていただきたい」と呼びかけた。
続いて来賓のトーハン・豊田広宣近畿支社長があいさつし、淡交社の尾沼和典専務が乾杯の発声を行った。しばしの歓談の後、中締めのあいさつを京都組合の川勝こづえ専務理事(鴻宝堂川勝書店)が務め、盛況のうちに閉会した。
(若林久嗣広報委員)

書店イベント情報発信サイト「ブックイベントナビ」オープン/積極的な活用を

日本書籍出版協会・ブックフェア委員会(相賀昌宏委員長)が運営する、読者誘導型の書店イベント情報発信サイト「ブックイベントナビ」が12月1日にグランドオープンした。
同委員会では2020年より、出版界の横断的な情報発信の拠点となるサイトの検討を進めていたが、このほど書店店舗数、書店の利用客数が漸減していく中、書店への来客の回復を図り、出版界の活性化の一助となるべく、書店で開催されるイベント、催事、フェアを告知するポータルサイトとして開設する運びとなった。
書店は「ブックイベントナビ」ホームページ(https://bookeventnavi.com/)のユーザー登録フォームから登録することで、自店舗のイベントを無料で掲載することができる。登録完了後はいつでも自由に直接イベント情報を投稿・編集できるため、「自社でホームページを持っていない」「拡散力に課題を感じる」「より広くイベントへの集客を図りたい」といった書店のニーズに応えられるひ仕組みとなっている。
SNSでは一般ユーザーから「ありそうでなかったサイト」、「書店情報がキャッチできてうれしい」など好意的な反応が示されており、書店の積極的な活用が期待される。

日販調査店頭売上/12月期は前年比2.4%減/書籍、開発品が前年超えと好調

日本出版販売調べの12月期店頭売上は前年比2・4%減だった。ジャンル別では、雑誌は同2・7%減、書籍は同1・8%増、コミックは同11・4%減、開発品は同4・3%増。
全体では前年を下回ったが、書籍、開発品は2021年4月以来の前年超えとなった。
書籍は総記、文芸書、ビジネス書、専門書、学参、児童書が前年超えとなり、ジャンル全体でも対前年プラスとなった。
一方で雑誌、コミックは前年割れとなり、全体でも前年を下回る結果だった。

出版クラブ「新年名刺交換会」/野間会長「総親和精神で課題解決を」

日本出版クラブは1月9日、東京・千代田区の出版クラブビルで出版関係新年名刺交換会を開き、出版社、取次、書店など約350名が出席した。
冒頭、日本出版クラブ・野間省伸会長(講談社)、日本書籍出版協会・小野寺優理事長(河出書房新社)、日本雑誌協会・堀内丸惠理事長(集英社)、日本出版取次協会・近藤敏貴会長(トーハン)、日書連・矢幡秀治会長(真光書店)の5氏が登壇し記念撮影。あいさつした野間会長は「能登半島地震の被災者にお見舞いを申し上げるとともに、いち早い復旧を祈念する。出版界を見渡すと市場のシュリンクが止まらず、物流2024年問題や出版社の権利の問題など様々な課題が山積している。出版クラブは『出版界の総親和』というミッションを掲げてきた。皆様とともに力を合わせてこの難局に立ち向かいたい」と呼びかけ、乾杯した。

書店新風会「新風賞贈賞式・新年懇親会」/能登半島地震、現地で支援活動~大垣会長「若手メンバーが即行動」/新風賞は『続窓ぎわのトットちゃん』(講談社)と『大ピンチずかん2』(小学館)

書店新風会は1月10日、東京・新宿区のハイアットリージェンシー東京で「第58回新風賞贈賞式・新年懇親会」を開催し、大垣守弘会長(大垣書店)は能登半島地震で被災した会員書店文苑堂書店に支援活動を行ったことを報告した。
会員書店、出版社、取次など計187社271名が出席。来賓の日本書籍出版協会・小野寺優理事長(河出書房新社)、日本雑誌協会・堀内丸惠理事長(集英社)、日本出版取次協会・近藤敏貴会長(トーハン)、日書連・矢幡秀治会長(真光書店)、悠々会・高井昌史会長(紀伊國屋書店)を紹介した後、大垣会長があいさつした。
大垣会長は能登半島地震被災書店への支援活動について報告し、「髙須大輔副会長(豊川堂)と井之上健浩総務委員長(久美堂)が文苑堂書店の吉岡幸治社長にLINEで被災地の状況や課題を聞き、私も一緒に文苑堂書店を訪れた。若いメンバーがすぐに行動してくれたのは新風会としても心強い」と述べた。
「現場はスプリンクラーの誤作動、ガラスの破損、本の落下で営業できない状態。元に戻すにはどれだけの人と時間がかかるのだろうと無力感に襲われた」としたが、「取次にも応援に入ってもらい、手分けして本の整理を行った。海外文学や学術関係の名著が地方でもしっかりと品揃えされており、これが地方文化を支える書店の大きな役割なのだと本を整理しながら考えた」と言及した。
また、「棚から落ちた本の中で、シュリンクパックしたものはまったく汚れていない。シュリンクパックして出荷すれば返品も減るのではないか。本を管理する上で大事なことだと感じた」と提起した。
会員書店の年始の売上状況は前年比93%と報告。「非常に厳しい門出になった。波乱の幕開けで、これからどんなことが起こるのか不安が残る」と述べる一方、AI配本やRFID導入の動きに触れ、「皆様とともに業界を盛り上げ、登り竜のごとく飛躍する年にしたい」と抱負を語った。
第58回新風賞は黒柳徹子『続窓ぎわのトットちゃん』(講談社)と鈴木のりたけ『大ピンチずかん2』(小学館)のダブル受賞。今回は600名の書店員が投票し、得票数が拮抗した2作品が受賞した。
贈賞式で、講談社の『続窓ぎわのトットちゃん』担当編集者・井本麻紀氏は「最初は佐藤愛子さんのような本を出してほしいと近づいたら、黒柳さんの方から続編を出したいとおっしゃっていただいた」、角田真敏取締役は「トットちゃんは全世界で2500万部。皆さんの力を借りて、日本を代表する作品を世界中に届けたい」と話した。
『大ピンチずかん2』の著者・鈴木のりたけ氏は「すごい売上に驚いている。素晴らしい賞をいただきありがとうございました」、小学館・相賀信宏社長は「能登半島地震など暗いニュースからのスタートではあるが、出版ビジネスやコンテンツビジネスはたくさんの方々に差別なく良いものを届けていく使命がある。人々の笑顔を増やしていけるようなことを力を合わせてやっていきたい」と述べ、乾杯の音頭をとった。

トーハン/能登半島地震で取引先書店支援/店舗復旧応援、商品代支払い猶予も

トーハンは能登半島地震で取引先書店の被害が確認されたため、年始から支援活動を行っている。
同社の1月11日発表によると、店舗復旧応援のため、営業部門を中心に緊急支援チームを編成し、1月3日から現地で活動。落下商品の整理や在庫データ登録などの復旧作業を応援したり、飲料水や保存食などの支援物資を提供している。応援者数(石川、富山、新潟3県合計)は1月3日33人、4日28人、5日35人、6日29人、9日26人、10日26人、11日26人。
また、取引先書店の被害状況に鑑み、商品代金の支払いについて一定の猶予など金融支援を行う。具体的な支援の方策は書店と個別に連絡をとり対応する。

年末年始の店頭売上動向/トーハン4.9%減、日販4.1%減/年始3日間、客足鈍る

年末年始(23年12月29日~24年1月3日)の書店店頭売上動向をトーハン、日本出版販売(日販)が発表した。トーハン調べが前年比4・9%減、日販調べが同4・1%減と、ともに前年割れとなった。
【トーハン】
調査対象1599店の年末年始6日間の売上は、書籍が同2・9%減、雑誌が同7・0%減、コミックが同13・3%減、MM(マルチメディア)が同5・3%増、合計が同4・9%減だった。客数は同6・3%減だったが、客単価は同1・7%増となった。
年末3日間は、書籍が同0・5%増、雑誌が同4・8%減、コミックが同9・9%減、MM(マルチメディア)が同10・5%増、合計が同1・5%減。年始3日間は、書籍が同7・1%減、雑誌が同11・0%減、コミックが同17・0%減、МMが同1・8%減、合計が同9・3%減となった。年末は持ち直した形だが、年始になって急減した。能登半島地震による休業影響に加え、他エリアでも全般的に客足が鈍かったとみられる。客単価は堅調で、平均定価の上昇傾向やコミック特装版など高付加価値商品が売れ行き良好だったことが反映した。
書籍は『変な家2』(飛鳥新社)、『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』が映画化の影響で売れ行き良好だった。児童書は『大ピンチずかん2』(小学館)、『パンどろぼうとほっかほっカー』(KADOKAWA)が上位に入った。雑誌は定期雑誌が同7・3%減、ムックが同6・4%減だった。コミックは現在アニメ放送中の『葬送のフリーレン』(小学館)が売上を伸ばした。
【日販】
調査対象1299店の年末年始の売上は、書籍が同0・7%増、雑誌が同4・1%減、コミックが同14・8%減、開発品が同2・8%増、合計が同4・1%減だった。
年末は、書籍が同3・3%増、雑誌が同2・4%減、コミックが同11・8%減、開発品が同5・2%増、合計が同1・6%減。年始は、書籍が同2・5%減、雑誌が同7・1%減、コミックが同18・5%減、開発品が同0・7%減、合計が同7・6%減。
期間内6日間の売上前年比は、書籍、開発品が前年超えとなる一方、雑誌、コミックが振るわなかった。書籍は16-17年の年末年始以来、7年ぶりに前年超えとなった。『変な家2』(飛鳥新社)や『大ピンチずかん2』(小学館)が売上を牽引し、文芸・児童書が前年超え。雑誌は売上上位10誌の平均本体価格が前年から上昇したが、売上冊数が減少したことで前年割れとなった。コミックは前年売上好調だった「THEFIRSTSLUMDUNKre:SOURCE」(集英社)の反動で大幅な前年割れとなった。

日書連増売運動「心にのこる子どもの本」新学期・夏休みセール

 2024年度「心にのこる子どもの本 新学期・夏休みセール」(主催=日書連、協賛=日本出版取次協会、日本児童図書出版協会)は、今回からセット販売を取り止め、「絵本」(170点)、「読み物」(135点)、「教科書に出てくる本」(52点)のジャンル別選定リストの中から単品注文する形に変更となります。送本条件は7ヵ月長期委託から6ヵ月延勘に変更。専用帯と拡材(棚シール・プレート)はなくなります。申込締切3月31日(必着)。発送4月中旬予定。申し込みは日本児童図書出版協会ホームページ掲載の注文書に必要事項を記入してFAXで。日書連ホームページからも入ることができます。お店の児童書コーナーの充実にお役立てください。
◇申し込み・問い合わせ先=日本児童図書出版協会 ℡03(6273)7484 FAX03(6273)7485 ホームページhttps://www.kodomo.gr.jp/kokoro-order
 ※○印は出版社お薦めの絵本・読み物

[絵本]
▽あかね書房=○「おさんぽのおやくそくだもの」「おてがみさがし」「にだんべっど」「しんごうきピコリ」▽あすなろ書房=○「どうぶつでんしゃ」「うんちっち」「ヨシ」「おおきな木」「あるヘラジカの物語」▽アリス館=「かえるぴょこぴょこ」「おいしい おいしい かくれんぼ」○「ポストがぽつん」「はみがきれっしゃしゅっぱつしんこう!」「バスが来ましたよ」「みえるとかみえないとか」▽岩崎書店=「としょかんライオン」「はみがきおねがい!」○「いつつごうさぎのきっさてん」「いつつごうさぎとうみのほうせき」「おばけのきもだめし」「はじめてのおるすばん」▽Gakken=○「ヘンテコなきかいのしくみ」「さくらちゃんのかえりみち」「ええところ」「やさいさん」「ぐるぐるうごくしましまぐるぐる」「あかあかくろくろ」▽教育画劇=「れいぞうこのすぐとなりチン!するレンジはレストラン?」「セミくんいよいよこんやです」「おなかのこびと」○「みがいてあげる」「たべてあげる」「ちいさなちいさなうみのおさんぽ」▽金の星社=「しゅつどう!しょうぼうたい」「へんしんようかい」○「ねこのすしやさん」「へんしんトンネル」「あいうえおのえほん」「せんろはつづくにほんいっしゅう」▽くもん出版=○「かぜがつよいひ」「くるよ くるよ」「すきなこと にがてなこと」「しゃかしゃか」「きらきら」▽佼成出版社=○「だじゃれべんとう」「おかえり、フク」「とべ!ジェイムズ オレンジいろのペンギン」「ピヨピヨスーパーマーケット」▽講談社=○「ぎょうざが いなくなり さがしています」「うどん対ラーメン」「どっち?」「100万回生きたねこ」「にじいろのさかな」「はじめてのずかん555」▽国土社=「ようかいむらのぴかぴかにゅうがく」「いつまでいっしょ?」○「プールにいこう!」「7年目のランドセル」▽小峰書店=「どんぐり」「じゃがじゃがおなべのおふろやさん」「どんな くるまに のるでしょう?」○「なまえのないねこ」「恐竜あいうえお」▽さ・え・ら書房=○「おとうさんは103さい」▽集英社=○「いつか あなたを わすれても」▽小学館=「ネズミなんびきでゾウになる?」○「ごちそうごよみ」「かぼちゃスープのおふろ」「大ピンチずかん」「ポケモンをさがせ!あたらしいぼうけん」「そらまめくんのいっしょにあそぼ」▽少年写真新聞社=「貝のふしぎ発見記」○「伝え守る アイヌ三世代の物語」「すき」「学校プールのヤゴのなぞ」▽新日本出版社=「カンカンカンでんしゃがくるよ」○「おにのパンツの そのあとは…」「ぴょんぴょんぱんのかばんです」「帰り道」▽出版ワークス=○「新装版 本屋のラク」「まほうの絵本屋さん」「草木とみた夢」▽鈴木出版=○「おとなのたまごにいちゃん」「うんどうかいバス」「わたしたちの家が火事です」「にゃーご」▽誠文堂新光社=○「友だちづきあいってなぁに?」「くらべてわかるロボットと人体のしくみ大研究」「ワイド版 ビーカーくんがゆく!工場・博物館・実験施設」▽大日本絵画=「なかのなかには」「どうぶつのたのしいおうち」「とびだす!うちゅう」○「かわいいてんとうむし」「よこながきしゃぽっぽ」▽大日本図書=○「おべんとう ひゅーる ひゅる」「いろいろバス」「ばけばけばけばけ ばけたくん」▽汐文社=○「とりかえっこ はっぴょうかい」「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」▽徳間書店=○「2ひきのカエル」「ムーミン一家の海の冒険」「国立公園へ行こう!」「のはらひめ」▽童心社=○「もぐらけんせつ」「おきにいりのしろいドレスをきてレストランにいきました」「ほっぺにちゅ!」「いないいないばあ」「くれよんのくろくん」「おしいれのぼうけん」▽農山漁村文化協会=「やまをつくったもの やまをこわしたもの 山のはなし」○「うちは精肉店」▽ひかりのくに=「だいじょうぶかな いちねんせい」○「だいじょうぶかな はじめてのしゅくだい」▽ひさかたチャイルド=「じいちゃんバナナばあちゃんバナナ」「だんだんだんだん」「おべんとうバス」○「どうぞのイス」「おべんとうばこのうた」▽評論社=○「ぼく、いいたいことがあるの」「トーストちゃん」「ほうきぼしの まほう」「コロちゃんはどこ?」「どんなにきみがすきだかあててごらん」▽BL出版=○「くらやみヤミー」「やぎのタミエはおかあさん」「いただきますごちそうさま」「おへそのあな」▽PHP研究所=○「おしっこちょっぴりもれたろう」「なつみはなんにでもなれる」「あきらがあけてあげるから」「りゆうがあります」「わたしのわごむはわたさない」「ふまんがあります」▽フレーベル館=「おかしの まちの おかしな はなし」○「どんな いろがすき」「あんぱんまん」「アンパンマンをさがせ!ミニ」「はじめてのアンパンマンをさがせ!」「ぼく、アンパンマン!」▽文研出版=「ちゃうちゃう ちゃうねん」「きみが 生きる いまの おはなし」○「ごん狐/手袋を買いに」「もこもこもこ」▽文溪堂=「ごめんねゆきのバス」「バムとケロのおかいもの」「バムとケロのそらのたび」○「バムとケロのにちようび」▽平凡社=○「たぬき」「こわがりのちびかいじゅう」「わたしのふうせん」「世界一ばかなわたしのネコ」▽保育社=○「だれでもみんなかんごしさん」▽ポプラ社=「パンダのおさじと フライパンダ」「ねこいる!」「ゆびたこ」「どうぶついろいろかくれんぼ」○「おばけのてんぷら」「ねずみくんのチョッキ」▽ほるぷ出版=「へんしんへんしんフルーツポンチ」○「どすこいみいちゃんパンやさん」「ころりん・ぽい!」「ころりん・ぱ!」「でるでる!おばけちゃん」▽光村教育図書=「だれの いす?」「へんてこロボ」○「だって、だって、だって」「せかいでさいしょに ズボンをはいた 女の子」▽理論社=○「ヤモリ3きょうだい」「あめ Rain or Candy?」「一年一組せんせいあのね」

[読み物]
▽あかね書房=「わかったさんのアイスクリーム」「こまったさんのスパゲティ」○「3分間サバイバル 突破せよ!難問の迷宮」「きいろいばけつ」「おばけのはなし①」「一休さん」▽あすなろ書房=○「いいね!」「妖怪コンビニで、バイトはじめました。」「いい人ランキング」▽アリス館=○「へそまがりの魔女」「リブリアの魔女」「おとな体験授業?」「すこしずるいパズル」「すこしずるいパズル2」▽岩崎書店=「ルルとララのティラミス」「なんでも魔女商会29 ナナのバッグのメタモルフォーゼ」○「ようかいとりものちょう17―妖怪捕物帖X 八眷伝篇壱 怒れる貉と魔縁の天狗」「しずくちゃん」「ルルとララのおまじないクッキー」「ルルとララのアニバーサリーサンド」▽Gakken=「世界一長いトンネル」○「すごいゴミのはなし」「5分後に意外な結末 赤い悪夢[改訂版]」「5分後に意外な結末ex エメラルドに輝く風景」「5分後に意外な結末ex 白銀の世界に消えゆく」「5分後に意外な結末ex 琥珀にとじこめられた」▽金の星社=「トラブル旅行社 魔獣牧場でホームステイ」「ぼくが選ぶ ぼくのいる場所」「ねこぜ山どうぶつ園」○「まほうのじどうはんばいき」「友だちは図書館のゆうれい」「昔話法廷」▽くもん出版=「ネコはとってもいそがしい」○「杉森くんを殺すには」「手でみるぼくの世界は」▽佼成出版社=「晴さんのにぎりずし」○「じゅげむの夏」▽講談社=○「保健室経由、かねやま本館。」「カトリと眠れる石の街」「あした、弁当を作る。」「がっこうのおばけずかん おちこくさま」「りょこうのおばけずかん おみやげじいさん」「ちいさいモモちゃん」▽国土社=「灰色やしきのネズミたち」○「あこがれのユーチューバー」「みちのく山のゆなな」▽小峰書店=「ジュディ・モードのやりたいことリスト」「ぼくらのまるひ課外授業」「アオナギの巣立つ森では」○「ふたりはとっても本がすき!」「きつねのしっぽ」「あしたあさってしあさって」▽さ・え・ら書房=○「ひと箱本屋とひみつの友だち」▽集英社=○「おチビがうちにやってきた! 未来が見える!? 2才のちなつはトクベツな子」「満点ゲットシリーズせいかつプラス ちびまる子ちゃんの友だちづき合い」「満点ゲットシリーズ ちびまる子ちゃんのことわざ教室」「満点ゲットシリーズせいかつプラス ちびまる子ちゃんの話しかたと発表」▽小学館=○「宇宙食になったサバ缶」「あたしとひぐっちゃんの探偵日記 消えたテディベア」「女の子の体 一生ブック」「ドラえもん一年生」「ドラえもん二年生」「日本の歴史1」▽少年写真新聞社=「『いただきます』を考える」○「『感じ』が伝わるふしぎな言葉」「町工場のものづくり」▽新日本出版社=○「のんのんかぞくの夏まつり」「ゆうえんちで大パニック!?」「あたしデイズ」▽出版ワークス=○「牧野富太郎物語」「はじめまして、茶道部!」「花あかりともして」▽鈴木出版=「11番目の取引」○「わたしの心のきらめき」「ハティのはてしない空」▽誠文堂新光社=○「内気なキミを最強にする説明書」「ビジュアル『生きる技術』図鑑」「10代のための疲れた体がラクになる本」「本当の『心の強さ』ってなんだろう?」「理科好きな子に育つ ふしぎのお話365」「算数好きな子に育つ たのしいお話365」▽大日本絵画=「ムーミン谷のなかまたち」○「星のものがたり」「森のなかまたち」▽大日本図書=○「デイビッド・マックチーバーと29ひきのいぬ」▽汐文社=○「大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語」▽徳間書店=「夏に、ネコをさがして」○「黄色い竜」「ねこ学校のいたずらペーター」▽童心社=「かあちゃん取扱説明書」「学校クエスト」「雨ふる本屋」「先生、しゅくだいわすれました」○「先生、感想文、書けません!」▽農山漁村文化協会=○「半農半X的 これからの生き方キーワード A to Z」▽ひかりのくに=○「(改訂新版)辞書びきえほん日本地図」「(改訂新版)辞書びきえほん世界地図」▽ひさかたチャイルド=○「きのうの夜、おとうさんがおそく帰ったそのわけは……」▽評論社=「優等生サバイバル」「クロニクル千古の闇7 魔導師の娘」○「チョコレート工場の秘密」「魔女がいっぱい」「小さなバイキングビッケ」▽BL出版=○「けものみちのにわ」「奉還町ラプソディ」「キダマッチ先生!8先生 南の島へ いく」▽PHP研究所=「魔女だったかもしれないわたし」○「54字の物語」「世界は『』で満ちている」▽フレーベル館=○「キャンドル」「アゲイン」「リメイク!」▽文研出版=○「どたばたへなちょこ探偵団 超特急からきえたブラウン」「角が曲がったみつき二号」「虹色のパズル」「どこかいきのバス」▽文溪堂=○「空飛ぶのらネコ探検隊 南極犬物語」▽平凡社=「魔法ものがたり 上」「夜ふけに読みたい はじまりのイソップ物語」○「マディバマジック」▽保育社=○「にゃんこバイブル」▽ポプラ社=○「じごく小学校」「エマはみならいマーメイド 人魚の魔法はとつぜんに。」「おしりたんてい おしりたんていのこい!?」「おしりたんてい むらさきふじんの あんごうじけん」「おしりたんてい かいとうとねらわれたはなよめ」▽ほるぷ出版=「5年1組ひみつだよ 短編小学校1」○「ワンダー」「もうひとつのワンダー」▽理論社=「3年間ホケツだった僕がドイツでサッカー指導者になった話」○「かみさまのベビーシッター かみさま、合宿へ!」「『くうき』が僕らを呑みこむ前に ~脱 サイレント・マジョリティー」「ねらわれた星」「本屋さんのルビねこ」「ルビとしっぽの秘密」

[教科書に出てくる本]
▽あかね書房=「吉四六さん」「流れ星キャンプ」「たからものとんだ」▽あすなろ書房=「とのさま1ねんせい」「ねえさんといもうと」「シャーロットのおくりもの」「『和』のぎょうじえほん 春と夏の巻」「おじいちゃんがおばけになったわけ」▽アリス館=「もぐらはすごい」「きょうりゅうのサン いまぼくはここにいる」▽岩崎書店=「おすしやさんにいらっしゃい!生きものが食べものになるまで」「警察犬アンズの事件簿―小さいけれど、大きな仕事」「ゆきのけっしょう」「モチモチの木」▽Gakken=「めくって学べる もののしくみ図鑑」「なぞなぞのすきな女の子 新装版」「消えた時間割」「なぜ僕らは働くのか」▽教育画劇=「十二支のはじまり」▽金の星社=「武器より一冊の本をください 少女マララ・ユスフザイの祈り」「チロヌップのきつね」▽講談社=「サイコーの通知表」「獣の奏者(1) 闘蛇編 上」「空の絵本」▽小峰書店=「うさぎのくれたバレエシューズ」▽集英社=「学習漫画 世界の伝記NEXT オードリー・ヘプバーン」▽小学館=「学習まんが人物館 知里幸恵とアイヌ」▽誠文堂新光社=「子供の科学★ミライサイエンス コンピューターってどんなしくみ?」▽大日本図書=「きえた犬のえ」▽徳間書店=「としょかんのきょうりゅう」「かようびのよる」「おじいちゃんとの最後の旅」「夏の庭」▽童心社=「シートン動物記 オオカミ王 ロボ」▽ひさかたチャイルド=「わんぱくだんのロボットランド」▽評論社=「ずーっとずっとだいすきだよ」「わすれられないおくりもの」▽フレーベル館=「たいせつなこと」▽文研出版=「キャベツくん」「ろくべえまってろよ」「リターン!」▽ポプラ社=「車のいろは空のいろ 白いぼうし」「スパゲッティがたべたいよう」「わたしの苦手なあの子」「君たちはどう生きるか」▽ほるぷ出版=「しあわせなときの地図」▽光村教育図書=「空とぶ船と ゆかいな なかま」「せかいで いちばん つよい国」「1つぶの おこめ」▽理論社=「ぼくは王さま」「ふしぎな木の実の料理法」「シートン ショートセレクション 森の物語」

ABC雑誌発行社レポート「2023年上半期雑誌販売部数」/週刊誌の部数減少続く、「週刊文春」は20万部台を維持

日本ABC協会は2023年上半期(1~6月)雑誌発行社レポートを発表した。
販売部数は週刊誌(22誌)が185万3134部、月刊誌(78誌)が447万5112部で、合計(100誌)が632万8246部。各雑誌部数の前年同期比の平均は、週刊誌が3・7%減、月刊誌が9・0%減、合計が7・8%減となった。
報告誌の状況は、「MORE」(集英社)、「ゆうゆう」(主婦の友社)、「週刊アサヒ芸能」(徳間書店)の3誌は報告を中止。「レタスクラブ」(KADOKAWA)は雑誌ジャンル・カテゴリ区分が「食・グルメ情報誌」から「生活実用情報誌」に変更となった。「げんき」「テレビマガジン」(ともに講談社)は発行周期が隔月刊から季刊(年4回)に変更となった。
今回掲載の30社100誌の販売部数は別表の通り。前年同期比プラスだったのは22誌だった。
「一般週刊誌」のトップは「週刊文春」(文藝春秋)で20万8418部(前年同期比8・9%減)、2位は「週刊現代」(講談社)で12万5869部(同25・8%減)、3位は「週刊新潮」(新潮社)で12万2781部(同10・1%減)、4位は「週刊ポスト」(小学館)で11万7835部(同9・8%減)と、それぞれ部数を落とした。
「ビジネス・マネー誌」は、「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)が9万577部(同10・8%増)と好調。「日経ビジネス」(日経BP)15万1765部(同1・9%増)、「プレジデント」(プレジデント社)11万581部(同4・4%増)、「日経マネー」(日経BP)3万1141部(同2・2%増)も伸長した。一方、「週刊東洋経済」(東洋経済新報社)は4万1843部(同1・3%減)と部数を落とした。
「女性週刊誌」は、「女性セブン」(小学館)が14万6164部(同6・8%減)、「女性自身」(光文社)が13万603部(同10・8%減)、「週刊女性」(主婦と生活社)が6万3971部(同7・2%減)と減少傾向が続く。
「女性シニア誌」では「ハルメク」46万4717部(同5・1%増)、「女性ヤング誌」では「non-no」7万6743部(同19・1%増)、「CanCam」6万590部(同11・0%増)が伸長した。

「第170回芥川賞・直木賞」決まる/芥川賞は九段理江さん「東京都同情塔」/直木賞は河﨑秋子さん「ともぐい」と万城目学「八月の御所グラウンド」

第170回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が1月17日、東京・築地の料亭「新喜楽」で行われ、芥川賞は九段理江さん(33)の「東京都同情塔」(新潮12月号)、直木賞は河﨑秋子さん(44)の「ともぐい」(新潮社)と万城目学さん(47)の「八月の御所グラウンド」(文藝春秋)が受賞した。副賞は各100万円。贈呈式は2月下旬に都内で開かれる。

[5%は生成AIの文章/九段さん]
芥川賞の九段さんは、さいたま市生まれ。2021年に「悪い音楽」で文學界新人賞を受賞し、デビューした。今回2度目の芥川賞候補で受賞した。受賞作は、ザハ・ハディドの国立競技場が完成した近未来の東京を舞台に、新しく建てられることになった刑務所「シンパシータワートーキョー」を設計した建築家の仕事と信条の乖離に対する苦悩の物語。
吉田修一選考委員は「完成度が高く欠点を探すのが難しい。エンターテインメント性も高く、多くの読者に届く作品」と評価した。
同日夜、都内会場で開かれた記者会見で、九段さんは「今にも崩壊してしまいそうな危うさ、不安定な部分がこの小説の魅力。そういった面を含めての完成度と評価されたのであればうれしい」と話した。AI時代に小説を書くことについて問われると、「今回の小説は全体の5%くらい生成AIの文章をそのまま使っているところがある。これからも利用しながら、自分の創造性を発揮できるようにうまく付き合っていきたい」と述べた。

[北海道で執筆続ける/河﨑さん]
直木賞の河﨑さんは北海道別海町生まれ。酪農を営む実家で羊飼いをしながら小説執筆を始め、14年に「颶風の王」で三浦綾子文学賞を受賞した。直木賞候補は2度目。受賞作は、明治後期の北海道の山中を舞台に猟師と熊の関係を描く。
河﨑さんは「北海道の道東の端っこで、本を通して世界を知ってきた。逆に自分が書く側に回って、自分が子供の頃に感銘を受けたように、読者の心に何かを届けられたらいい」と喜びを語った。「北海道から居を移す考えは今のところない。生まれ育った環境であり、まだまだ北海道で調べたいこと、掘り出したいことがある」と述べた。

[6度目の候補で栄冠/万城目さん]
同じく直木賞の万城目さんは大阪市出身。京大卒。06年にボイルドエッグズ新人賞を受賞した「鴨川ホルモー」でデビュー。07年「鹿男あをによし」から6度目の候補で直木賞を受賞した。受賞作は京都を舞台にした青春小説2篇を収める。
「ずっと取ることはないと思い、この1ヵ月も全然緊張せず、他人事のように暮らしていた。受賞の連絡を受けて本当にびっくりした」と万城目さん。受賞作は16年ぶりに京都を舞台にした。「京都におんぶにだっこの作家なんだなと改めて思う」と語った。
林真理子選考委員は、河﨑さんの作品について「圧倒的な文章力。自然描写が素晴らしい」、万城目さんの作品について「日常の中に非日常がふわっと入り込む絶妙さとバランスが素晴らしい」と評価した。

絵本・日本プロジェクト/絵本専門士と絵本作家が選書~「逢いたい誰かに贈る絵本」フェア/4月まで展開

「絵本・日本プロジェクト」(髙橋小織会長=隆文堂)は、第4回絵本専門士が選ぶ「逢いたい誰かに贈る絵本」フェアを企画し、全国の書店にフェア展開を提案している。全国書店再生支援財団が協賛。絵本専門士委員会、日本図書普及、日書連、出版文化産業振興財団が協力。
今回は91名の絵本専門士が26冊、人気絵本作家のザ・キャビンカンパニーさんと柴田ケイコさんが各2冊、贈りたい大切な人をイメージして計30冊選んだ。フェア期間中は選書者の心のこもったコメント入りPOPが店頭に掲示される。
フェアはすでに昨年11月からスタートしており、バレンタイン、卒業・入学、春の参考書などの商戦が始まる今年4月まで各書店の都合に合わせて自由に取り組むことができる。実施時期が比較的自由で、店舗にある作品と合わせて展開でき、さらに対象が子どもたちだけではなく幅広いため、絵本を多くの人たちに紹介することができる。
絵本専門士のコメント入りPOPなどの拡材は日書連ホームページ(https://www.n-shoten.jp/)のバナーからダウンロードできる。
詳細は出版文化産業振興財団ホームページ。https://www.jpic.or.jp/event/2023/10/18/120000.html
問い合わせは絵本・日本プロジェクトまで電子メールで。ehonnihonpjt@gmail.com

日書連のうごき

 12月5日 読書推進運動協議会標語選定・全体事業委員会に春井副会長が出席。出版文化産業振興財団(JPIC)理事・評議員会に矢幡会長(Web)、春井副会長が出席。
 12月6日 日本出版インフラセンター(JPO)運営幹事会(Web)に事務局が出席。
 12月11日 出版クラブ理事会に矢幡会長が出席。万引防止出版対策本部総会に矢幡会長が出席。日本児童図書出版協会懇親会に矢幡会長が出席。
 12月13日 各種委員会。子どもの本三者会議に春井副会長ほか出席。出版販売年末懇親会に役員ほか出席。
 12月14日 定例理事会。聖教新聞社書店向け説明会に矢幡会長が出席。
 12月15日 日本出版労働組合連合会との意見交換に事務局が出席。
 12月18日 JPO理事会に藤原副会長(Web)が出席。
 12月20日 文化産業信用組合理事会に矢幡会長。
 12月21日 JPO運営委員会に平井副会長(Web)が出席。文字・活字文化推進機構理事会に矢幡会長(Web)が出席。
 12月22日 全国万引犯罪防止機構理事会に矢幡会長が出席。

連載「生活実用書・注目的新刊」~川島隆太『本を読むだけで脳は若返る』(PHP新書)~/遊友出版・齋藤一郎

川島隆太著『本を読むだけで脳は若返る』(PHP新書900円)は東北大学教授、医学博士が読書の効用を語る。本を読むことで脳全体が活性化し発達するという。たとえば仙台市の公立小、中学校全体の14年間のデータでは、本好きの子供の学力や認知能力が明らかに高いことが分かっている。タブレットやスマホは、学校、仕事に欠かせないものになっているが、デジタル機器を使っている時には、ボーッとしている状態よりも脳活動は下がっている。学習用アプリでも、学力に悪影響が見られる。
大人の脳も同じで、スマホで長文を書いても、前頭前野の脳活動は高まらない。スマホで調べるより紙の辞書を使う方が何倍も脳を使うし、覚えるというデータや、アルツハイマー型認知症の患者に、音読をしてもらうと、脳の認知機能が向上するという証明もある。脱スマホ・タブレットで子供の脳を守れ、AI時代だからこそあえて読書をせよと呼びかける。金田一春彦著『ホンモノの日本語』(角川ソフィア文庫680円)はそんな日本語の優れた特徴を他言語と比較する。PCの音声入力に有利な言語だし、数を表現が便利なことで簡単に九九が覚えられる。日本語の魅力に気づく本である。