雑誌L表示見直し求む/読書端末eブックのデモ行う/9月理事会
〔流通改善〕
取次で進める無伝返品化に伴って、雑誌増刊・別冊などL表示の商品が期限切れとなり、入帳しない問題について、「9月号
増刊・別冊と表示しながら9月20日が返品期限ではおかしい」「返品期限の表示が小さくて見にくい」などの声が上がり、雑協
に号数表示の規定を確認していくことになった。
東京組合柴崎委員は、同組合青年部が行った東京ロジスティックス・センターと蓮田センターの調査結果を紹介して「6コー
ドを付けたフリー入帳の雑誌なのにL表示のものもある。L表示から1カ月は入帳するよう求めたい」と述べた。
「週刊朝日」がニュース性を理由に発売日協定に参加せず、即売などが書店より1日早く販売している問題をめぐっては、藤
原委員長が「即売が1日早いのは問題」と述べ、差別的取引にならないか弁護士に相談したいと説明した。
〔情報化〕
松下電器が開発、11月に発売する読書端末「シグマブック」の紹介とデモが行われた。シグマブックはA5判サイズで、開く
と文庫本相当、7・2インチの液晶画面に頁めくり感覚で表示される。単3電池2本で半年程度の使用可能。コンテンツは書店
に設置した端末からSDカードに書き込まれる。
志賀委員長は「読書端末、コンテンツとも書店マージンは2割前後を予定している。今後、絶版本なども安価に入手できるよ
うになる」と説明した。
日書連マークを利用した学校図書館研修会の件では全国各地で開催が進み、残る未開催は6県ほど。教育新聞社宇田取締役が
学校図書館図書整備予算と資源共有ネットワーク化事業について説明し、ネットワーク事業では3年間で24億円の予算がつけら
れていることを紹介した。
〔組織強化〕
全国中央会山下主管、鈴木主事補を講師に9月17日、日書連定款の見直しについて勉強会を実施した。
平成12年3月に組織に関する法律が改正され、組合の合理化事業、安定化事業などが行えなくなったことに伴うもの。来年5
月の日書連総会をめどに見直しの作業に入る。
〔指導教育〕
青少年の万引き対策として東京組合は東京都に都条令の改正を求めている。その1つが、青少年が古書店に本を持ち込んだ場
合の親の同意確認。この点について当初、古書組合は反対に回っていたが、東京組合と話しあった結果、同項目に反対しない表
明があったことが報告された。
丸岡委員長は、広島県警本部長から東京都の新副知事に就任した竹花氏と意見交換したことも紹介し、東京都、横浜市などと
共同歩調で万引き対策を進める方針を説明した。
〔消費税〕
8月末に主婦連、地婦連と日書連との間で消費税に関する意見交換会が行われた。この日の話し合いについて下向委員長は「
出版物への軽減税率適用などで意見を聞いてみた。痛税感がわかるようにとの注文があった」と報告したほか、さらに消費者団
体3団体程度と意見公開を行う意向を明らかにした。
〔読書推進〕
文部科学省の主催で行われている「絵本ワールド」は7月に石川、8月奈良、9月兵庫と続き、11月には宮城県で予定されて
いることが報告された。高須委員長は来年に向けて「絵本ワールド」実施要綱の内規を整備しているとし、各県の開催を支援し
ていく。
〔広報〕
今西委員長が9月16日に開かれた全国広報委員会議の模様を報告。書店新聞を軸にホームページ、メーリングリストなど、W
EBも活用して広報活動を展開していくと、今後の取り組みを説明した。
京都組合からは、日書連定例理事会の議事録を公開できないか質問があり、萬田会長は正副会長会議で検討して回答するとし
た。
〔共同購買〕
日書連オリジナル手帳「ポケッター」2004年版は理事会までに12万部強の注文があった。千葉、大阪、長崎など5組合で
実施したカレンダーのテスト販売については、10月理事会に報告すると中山委員長が報告した。
〔スタートアップ21〕
柴崎委員が出版インフラセンターの文化会「出版在庫情報整備研究会」の審議について中間報告。取次の読者サイトで在庫が
あっても、書店が注文すると入手できないなどの問題があり、書店向け在庫情報が的確に伝えられるよう検討しているとした。
版元各社に決断迫る/ヤマダ電機のPカード中止求め
ヤマダ電機が書籍、雑誌など再販出版物の販売にポイントを付け、明らかな値引き販売を行っている問題をめぐって、日書連
は9月18日に開催した定例理事会で主要出版社33社に対し再販契約に基づく同社への警告など踏み込んだ措置をとるよう働きか
けていくことを決めた。
9月理事会で再販問題について報告した岡嶋委員長は、ヤマダ電機への対応について「再販小委員会ワーキング・グループで
検討してきたが、この段階では警告、送品停止の実行を出版社に強く迫りたい」と問題提起。下向理事は「小学館は4月に警告
書を作り、公取にも照会したが、その後『しばらく待ってほしい』と棚上げになっていた。出版社に意思表明を求めるべきだ」
と経過説明した。
各理事からは「値引きの結論は出ている」「早期決着を決議してほしい」「出版社の決断が必要」などの発言があった。
これを受けて萬田会長は「2年間にわたって主要出版社を訪問し、具体的措置を求めてきた。最後の段階で出版社が警告書を
躊躇している。できるだけ業界内で解決したいが、訴訟のための資料も集めている。事態を打開するには、はっきりした態度を
示さなければいけない」と、厳しい態度を明確にした。
理事会では、主要出版社33社からヤマダ電機に警告書の提出を求めるよう働きかけていくことを決め、各県の分担も決定。10
月早々にも出版社の決断を迫る。
わくわく絵本まつり/10月25日に知立市で開催/愛知組合
愛知県書店商業組合(高須博久理事長)は10月25日(土)午前10時から知立セントピアホテルで「わくわく絵本まつり」を開
催する。
この催し、愛知組合絵本まつり実行委員会の主催。児童図書出版協会とJPICが後援する。読書推進の第1歩である「本と
楽しく触れ合う場」を作り、読書の楽しみを体験してもらうのが目的。あわせて組合書店にとっては「絵本まつり」に参加して
もらうことで読者開拓、商品管理、販売方法改善など、自店活性化に役立ててもらうのも狙い。
会場には赤ちゃんが初めて出会うファーストブック、外国絵本、大人向け絵本、立体絵本など3千冊を展示即売するほか、絵
本作家による講演会とサイン会、西三河の市民グループ(10グループ予定)による読み聞かせ、紙芝居、パネルシアター、絵本
原画展、和太鼓実演、似顔絵コーナー、カンバッジを作ろう、絵手紙を描こうなど盛りだくさんの催しを準備。講談社おはなし
隊のキャラバンカーも応援にかけつける。
来場者は2千人を予定しているが、西三河支部の書店では「せっかくの機会なので、近くの幼稚園・保育園にチラシを配って
店のPRをしたい」「地域の読書グループが集まり、読み聞かせフェスティバルができるのは壮観だろう」と熱く燃えている。
共済会給付
(15・7・17~15・9・17)
▽病気傷害東磐井郡千厩町143日野屋本店熊谷英三殿2口
豊島区長崎4―9―4四季書房渋谷真殿3口
江戸川区飛来1―9―1
丸山酉元堂丸山正恵殿3口
水俣市大園1―3―1宮崎一心堂宮崎規矩郎殿
4口
名瀬市末広町12―1楠田書店楠田哲久殿3口
那覇市辻1―17―1沖縄教販真栄城玄和殿10口
▽死亡弔慰那珂郡瓜連町1232柴田薬局柴田欣寿殿
練馬区関町北2―27―12文雄堂書店中嶋栄子殿
茅野市塚原1―1―20矢崎書店矢崎順一殿2口
新宿区信濃町34東西哲学書院小島宏章殿
名古屋市中区大須3―9―20文光堂書店佐藤光次殿2口
京都市中京区丸田町通七本松東入モリシタ書店森下喜蔵殿
鹿児島市曽於郡大崎町仮宿1088―4後藤書店後藤順一殿
▽病気傷害・死亡弔慰
栃木市万町3―19出井書店長谷川功一殿
▽配偶者死亡(小林猛雄)常呂郡置戸町92小林商店小林登美殿2口
▽地震石巻市虻田町字金津町15―1金港堂石巻店藤原直殿5口60万円(三陸南地震)
同5口137万5千円(宮城県北部連続地震)
桃生郡河北町相野谷字飯野川町33かほく書店小関真助殿3口6万8千円
桃生郡矢本町字栄町41おいかわ及川仁一殿3口120万円
桃生郡鳴瀬町野蒜北余景84のびる屋高橋喜久雄殿1口60万円
仙台市泉区高玉町4―1八文字屋書店五十嵐太右衛門殿4口105万円
▽その他被災多気郡明和町金剛坂822―1ブックセンタールック明和店上地正友殿1口1万円
田辺市本町36多屋長書店多屋正治殿2口2万円
▽漏水(倉庫)新潟市東万代町9―24文信堂書店西村俊男殿1口2万円
▽床上浸水(倉庫)和気郡日生町1263―8岩本書店岩本義信殿1口3万5千円
▽水害北九州市八幡東区中央2―15―1朝日屋書店中央店加来大輔殿5口20万円
同高見2―7―5朝日屋書店高見店加来大輔殿5口5万8千円
飯塚市片島1―3―42渕上書店渕上イソエ殿1口20万円
同菰田西1―2―34伊藤書店伊藤宏殿2口19万円
飯塚市飯塚18―3元野木書店原治比古殿5口3百万円
福岡市博多区駅中央街1福岡金文堂デイトス店山本太一郎殿2口120万円
下県郡巌原町今屋敷654杉屋書店扇長雄殿1口18万5千円
▽水害(倉庫)博多区博多駅中央街1―1―1―1博多メトロ書店川崎孝殿2口10万円
4会場に69名出席/山形図書館研修会
山形県書店商業組合(五十嵐太右衛門理事長)は、山形県教科書供給所の協力を得て、8月29日の山形市を皮切りに9月2日
鶴岡、16日山形、17日酒田と4回に分けて日書連マーク・図書館システムの研修会を行い、延べ69名が出席した。
研修会を受けて、「本屋ツール」を導入した書店は8店、「情報ボックス」のデモは6教育委員会、14校で実施し、南陽市教
育委員会は来年度予算化がほぼ決定した。
「情報ボックスアプリ」のデモは非常に好評で、各図書館とも蔵書データ化に積極的。価格面でも「情報ボックス」「日書連
マーク」の優位性が明確になり、組合書店の販売促進のバネになってきた。山形組合ではデモ用のノートパソコンを追加購入し
て、組合員の学校図書館納入促進を支援していく。
新潟市教委に日書連システム導入申入れ
新潟県書店商業組合(西村俊男理事長)は9月5日、西村理事長、田中監事、治田事務局長の3名で新潟市教育委員会を訪問
して堀川武教育長、伊深敦郎課長補佐と面会。新潟市がすすめる小中学校図書館ネットワーク化計画で、地元書店から納品する
廉価な日書連システムの導入を検討するよう申し入れた
西村理事長、田中監事から日書連システムの説明を聞いた堀川教育長は「計画はまだこれから先のことだが、勉強していきた
い」と述べた。
8月は2.8%増/落ち込み大きい商店街/日販調べ
日販経営相談センター調べの8月期書店売上げは前年同月比97・2%。今年初の99%台に乗った先月から2ポイント以上ダウ
ンし、10カ月連続の前年割れとなった。
書店規模別では40坪以下店が93・5%と低く、立地別では商店街が87・6%と大きく落ち込んでいる。客単価でも商店街は91
・9%で、唯一の前年割れとなった。
ジャンル別では、コミックが4・8%増、新書が23・9%増で両ジャンルともすべての規模、全立地でプラス。コミックは『
NARUTO』(集英社)、『ParadaiseKiss』(祥伝社)、『ツバサ』(講談社)など人気作の最新刊が好調。
新書は『バカの壁』(新潮社)が勢いを持続しており、PHPからの新刊『養老孟司の逆さメガネ』も期待される。
<br />class="kiji_title">今年の野間賞受賞者